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ストラテジー(世界情勢と投資戦略)

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WTI原油先物価格動向と米10年債利回りの目先のめど   2021/02/23(火)09:15:38  
  昨年の11月以降、原油先物価格が右肩上がり相場になっている。
WTI原油先物価格は、昨年10月30日の35ドル台から、先週の2月18日には、62.26ドルをつけており、およそ1.8倍にもなってきている。原油先物価格の上昇の要因は、新型コロナショックでの需要の大幅な落ち込みに対し、OPEC(石油輸出機構)にロシアなどの産油国が集まった、OPECプラスでの協議がうまくいっており、協調減産できていることが大きい。これに加えて、昨年12月から、ようやく新型コロナウイルスワクチンができ、英国や米国、欧州などでワクチン接種が開始され、現状ではおおむね感染防止効果がではじめており、世界景気の正常化が期待され、先行きの石油の需要増を見越した買いが、原油先物市場を押し上げているからである。
 ただし、今後も石油先物価格が上昇を続けていくかは、難しいとみている。というのも、世界的に石油生産の最も生産性が悪いとされる米国のシェールオイルでも、50ドル台が損益分岐点であり、60ドル台になると利益がでる水準であるからである。米国は、OPECプラスとは強調しておらず、最近の原油先物価格の上昇は、米国の物価の上昇要因になっている。コロナ禍で、接客業や観光業がまだまだ営業自粛を強いられている現状での物価上昇は好ましくない。米国の移動手段は、まだ自動車が主力であり、原油先物価格の上昇は、個人給付を手厚くしても、その経済の下支え効果をそぐ要因になる。原油先物価格の上昇が、先行きの米国のインフレ上昇懸念を招いており、米10年債利回りの上昇要因の1つになっているので、米国内で今後、積極的なシェールオイルの増産が始まれば、WTI原油先物価格が下落する可能性がある。
米10年債利回りは、2月15日以降は上昇基調が続き、ドル買い要因になっている。19日には1.363%まで上昇する場面があった。特に、1.9兆ドルのバイデン政権の財政政策の実施期待と、WTI原油先物の上昇傾向が続いていることで、米国のインフレ率の上昇懸念が重なり、米10年債利回りの上昇要因になっている。
ただし、米2年債利回りは、18日発表の前週分の新規失業保険件数が5週連続で80万件以上と高水準であることから、足元の米国の雇用市場の回復の鈍さを警戒して、安全資産が買われ、利回りは低下している。
では、10年債利回りの目先の上昇めどはどのあたりになるのか。米国のインフレ率の指標である1月のCPIは前年比+1.4%、12月のPCE価格指数は同1.3%となっており、これを上回る水準である1.4%から1.5%あたりが目先の利回りのめどになるとみている。今週ももう一段上昇する可能性が高まっており、ドル/円相場でのドル買い要因になる。
 


足並みを揃えたバイデン政権とFRBによる雇用対策   2021/02/16(火)07:21:41  
   2月10日のパウエルFRB議長のニューヨーク経済クラブでの講演は、バイデン政権の雇用重視政策をあらためて示す会見になった。
パウエルFRB議長は、「失業者数の現状と、新型コロナウイルス感染を克服した後の就職難の持続リスクを踏まえると、最大雇用を実現するためには、金融政策の緩和継続だけでは不十分である。官民がお互いに努力し、社会全体の雇用拡大が必要である。堅調な雇用市場を実現するには、短期的な政策と長期的な投資による継続的な支援が必要で、そういう状況にすることで、職を求めている人が技能を試す機会を与えられ、米国景気の拡大に貢献できる。さらに、全ての人が働く機会を得られれば、繁栄の恩恵を受けられるようになる。堅調な雇用市場の恩恵を十分に実現するには、短期的な政策と長期的な投資による継続的な支援が必要である。そうすることで職を求めている全ての人が技能と機会を与えられ、米国の繁栄に貢献するとともに、繁栄の恩恵を享受できるようになる。米国経済を最大限盛り上げて、米国の繁栄を共有するための国家戦略が望まれる」とコメントしている。
 従って、1.9兆ドルの経済対策を実行することで、米経済成長が加速し、物価上昇を招きやすいことから、足元では米10年債利回りが上昇傾向になっていることには触れず、物価よりも雇用重視の姿勢を示している。
12日のG7財務相・中央銀行総裁会議で、イエレン財務長官は、参加各国の財務相と中央銀行総裁に対し、「今こそ、大きな政策を行うべきときだ」として、各国に対し、新型コロナウイルスのパンデミックによる各国の経済減速に対して、金融と財政両政策を積極的にとるように呼び掛けている。
バイデン政権は、総額1.9兆ドルの財政政策を、下院と上院ともに、民主党単独で可決させる姿勢を示しており、バイデン政権、イエレン財務長官、パウエルFRB議長が一致して、雇用対策を重視していく姿勢を示している。
 米10年債相場は、1月25日以降は利回りの上昇傾向が続き、2月8日に節目となる1.20%まで売られた後は、これまで売られてきた買い戻しが入る展開になり、10日には1.12%まで低下する流れになった。しかし、パウエルFRB議長やイエレン財務長官のこうしたコメントから、トランプ政権同様に米国経済のアクセルをフル稼働させる姿勢を示したことで、米国景気回復に伴う、物価上昇を織り込み始める感じで、10年債は再び売られる流れになっており、12日には1.213%まで利回りが上昇している。
 米10年債利回りの上昇は、ドル/円相場で、ドル買い要因になるので、ドル買いトレンドに向う可能性が高まっている
 

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