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今朝のドラめもん(金融政策ウォッチ)

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お題「何か今日も色々ありますなあ」   2008/09/30(火)08:07:34  
 
いやーあっはっはっはっは。全く笑ってる場合じゃないのですけれども朝から爆笑してしまいますな。777ドル安とはフィーバーにも程がございます。は〜とほほのほ。

○ということで金融安定化法案否決とか

日本の住専国会を髣髴させるような展開に落涙を禁じ得ませんけれども、結局のところてめえの足元に火がボーボーとならない限りそう簡単に世論というものは税金投入にオッケーする訳ないわなというお話でございましょうなと既に達観状態なあたくし。

大体からして日本の銀行も散々高給取りだのその割にサービス悪いだの(諸外国の銀行と比較してそのインフラ整備度合いは異常に水準高いと思うのだが)言われてた訳ですから、まあそういう事なんでしょ。

それどころか景気後退(というか恐慌)懸念で原油価格がまた下落してるのを見て「原油価格下がってめでたい」とかどっかで聞いた話が出てきたりしたらもう笑うしかないのでございますが(既にヤケクソ)。


○ドル流動性拡大策の拡大

金融安定化法案否決もそうですが、実を言えばその前に欧州で色々と大騒ぎになっていた訳でして、東京の夕方には既にLIBOR1か月やらEURIOR1か月やらが上昇したり、アイスランド第3位の銀行が公的管理(政府が株を75%取得)されてみたり(日曜にはフォルティスの部分国有化とかもありましたが)と、インターバンクのドル資金取引枯渇状態は欧州の方が深刻っぽい感じがしますわなということで。どこぞの銀行の資金繰りがどうのこうのとかいうネタはどうせ向こうじゃ頻発してるんでしょうねえ。

んな訳でこんな施策が昨晩も出ていたようで。
[外部リンク]
 


お題「野田審議委員会見、景気に弱気です」   2008/09/29(月)08:03:18  
 
モーサテの画面がやたら暗くて朝からどんよりするんですが。

では野田審議委員会見から。
[外部リンク] 景気の下振れリスクにバランスが寄ってきているのではないか、という点につきましては、かねてから申し上げているとおり、金融政策の効果が現れるタイムラグをも踏まえて、私どもは1 年半や2 年という先を見通しながら、フォワードルッキングに物事をみようと努力しています。(途中割愛)現状はどちらかと問われれば、先行きについては、先ほど申し上げたメインシナリオのとおりでありますが、もう少し短いタームについて敢えて言えば、上振れリスクとの対比において下振れリスクの方がよりクリアに見えるという感じがしております。』

下振れリスクがクリアですかそうですか。

『日本経済が成長経路に復する時期が遅れてきているのではないか、というご質問についてですが、日本経済も含めて、世界経済は暦年ベースでは2008 年、2009 年は少しずつ減速し、すなわち2009 年は2008 年よりももう少し減速感が強まり、その後2010 年から回復すると講演ではお話しました。回復の兆しは2009 年の後半あたりからみえるのではないかとも申しています。』

『かつて景気の回復時期については、必ずしも明示しておりませんでしたが、いま現在はこのような見方をしているとお示ししている訳であり、回復が遅れているとか、早まったとかという認識はしておりません。この点は、挨拶要旨で述べたことを、そのまま受取って頂きたいと思います。』

となりますと、政策委員会の現在のコンセンサスよりも回復時期が後ずれしているように見えます。

『最後に利下げについて、視野に入り易くなったのでないかというご質問については、必ずしもイエスともノーとも答えられる状況にないということであります。この点は、挨拶要旨の金融政策の部分で申し上げている内容を読み取って頂ければご理解頂けると思います。』

・・・利下げ有り得べしですね。判ります。


○回復時期の見方が弱めな理由

次の質問でそんなのがありまして。

『(答) 一つに、国際金融資本市場の緊張感が予想以上に高まっていること、二つ目として、各国中央銀行の流動性供給努力もあって、その緊張感はどんどん高まって行く状況にないものの、先行き緊張が緩和していくとは考え難いという2点が挙げられます。(以下割愛)』

ということで、基本的に米国(本当は欧州もそうな筈ですが、欧州のこの手の問題に対するインチキ能力は卓越してますので)の信用問題にフォーカスしているというところであります。


○米国の金融安定化策について

どのように評価してますかという質問に対して色々と説明していまして、このあたりに関して野田さんが注目しているという事が良く判ります。

『(答)(冒頭部分割愛)ごく足もとの米国の議会で議論されている公的機関による金融機関の不良債権の買い取り策について申し上げます。こうした不良債権の買い取りは、かつて日本でも行われたように、不良債権をオフバランス化してバランスシートを可能な限り固めていくことを通じて、市場で失われつつある様々な金融商品の価格の発見機能を補完し、更に究極的には市場の安定性を高めていく、という施策であると理解しております。この施策自体は、正にそういう目的に沿った方向に機能していくことを期待しています。』

ということで、まずは損失の確定が重要という論点ですね。

『ただ、巷間言われていることでもあるようですが、その買い取りの価格、プライシングをどうするかということが問題の一つにあると思います。(途中割愛)また、レベル3の資産がよく話題になりますが、これは市場価格そのものが存在しない商品だと思われますが、こうした資産が米欧の金融機関のバランスシートには少なからず残っている状況ですので、これをどうプライシングするのか、あるいは触らないのかという問題については、具体的な対応策が未だ示されておりません。今議論されているのは、ポリシーを含めた大枠に止まっており、私としては法案の成立を期待していますが、個別具体的には、運用も含めて、その詳細をみないとなかなか評価し難い面があります。』

価格の問題およびそもそも価格が出なくなっている物に対する値付けをどうするのか(下手にしたら損失拡大したり、モラルハザードになったりしますわな)という論点ですな。

『また、仮にこういった施策によって、金融機関のバランスシートが固まる、すなわち、資本の毀損度合いがある程度クリアになった場合には、次の課題は必然的にその補填が必要なのか、必要であればどうするのか、ということになってきます。ここ数日の動きで、資本増強に成功した金融機関があることも事実ですが、総じて言えば、市場における資本調達の困難性、ないしは資本調達コストの際立った高まりといった状態は基本的には変わっていないと理解しております。こうした資本調達のアベイラビリティ、困難性が次の課題といいますか、併せて取り組んでいくべき課題であり、注視していく必要があると考えております。』

ということで、損失確定をした所で今度は資本の問題と、まあ日本のケースとその辺は似てるのですが、日本の場合は何かシバキアゲとか言ってドンドン損失計上させた挙句に実体経済と金融問題のスパイラル的な悪化が起きたのはご案内の通りでしたな。

ということで、メインは米国不良債権問題のお話になっていました。あとその他ちょっとありましたので以下続きます。


○ドルの信認の問題

についての質問に対しては明快にノーという回答。

『(答) 確かに、現在報道されているような金額は小さい額ではないと思いますが、今行われている、また、これまで行われてきた施策に伴う追加的な財政負担によって、直ちに米国債の信認、さらに言えば、ドルに対する信認が揺らぐかと言えば、私はノーだと思います。』


○今は本当に金融緩和なのかという質問

この質問は良い。

『(問) 講演の内容をみると、日本の金融システムに関しては、取り敢えず安定しているとのことですが、一部社債市場では発行が滞ったり、中小企業において資金繰りが苦しいとの指摘も聞かれております。日銀としては、金融情勢が緩和的と言っているものの、中小企業を含めた全体への波及を考えれば、本当に緩和的と言える状況なのでしょうか。』

『(答) 金融緩和に関しては、あくまで「全体として」という形容詞をつけております。企業金融の状況を業種や規模別に仔細にみれば、ご指摘のとおり、ばらつきは否定できないと思います。ただ、社債の発行環境については、一部ご指摘のような発行の滞りはあるかもしれませんが、これはごく限られた業種、ないしは銘柄に止まっており、社債市場、あるいはクレジット市場全般が厳しい状況に向かっているとの認識にはありません。特に、欧米市場と比較しますと、その感は強く持っています。(以下割愛)』

ということで、このあたりは金融政策決定会合の議事要旨やら金融経済月報やらでも示されている通りではないかと思われます。

野田審議委員会見はこんなところで、以下別の悪態。


○決済はだいぶ回ってきたみたいですが・・・・

木曜に引き続きまして金曜におきましてはあちこちのフェイルがやや回るようになったようでございます。ただどうも聞いている限りにおいてはリーマンがカウンターパーティーになっている取引はそのままフェイル状態でそっちを解消する動きは更々ないみたいでして、そもそもショートセールなどのような各種金融取引を想定していない民事再生手続きを金融市場での取引を行っている金融機関に適用する事自体が間違いであったとしか言いようが無いですわな。

と思うのですが、どうも重大問題の筈なのに華麗にスルーされている所が今後のことを考えますと非常に問題だと思いますが、肝心の当局様にその認識があるのやら。

と申しますのは、今朝テレビニュース見てたら「東証が海外の証券会社(国内の外資系じゃなく)が取引に参入する事を認める(というか推進するんでしょ)方向で具体化」とか言っている訳ですが、今般のように海外の会社がコケた場合の破綻法制がそもそもクロスボーダーで違っている問題とか、そもそも決済がDVPで出来るのかとか、参加者が飛んだ場合の決済処理がちゃんと回るのかとか、その辺真面目に考えてたらこのタイミングで具体化とかするかよと思うのですけど、過去の実績から勘案するとその辺ちゃんとやってなさそうなのが東証クオリティ。

現場の努力によってとりあえず表面上は決済が回った感じになっていますけれども、リーマン相手の取引は全然回っていない訳ですし、その間現場に無茶苦茶皺寄せが行って大変でしたし、まあ決済リスク意識ということでいきなりGCレポ市場の資金の出しが減ってしまったとか(その部分の資金がFBとか高格付けCPに回ったような節が見られる)、問題も生じている訳ですから、金融機関の破綻法制に関してはマジで検討すべきものであると思われます。

#と最後はいつもの悪態でスイマセンです。
 


お題「野田審議委員講演」   2008/09/26(金)09:19:28  
 
今回はリーマン後実質的に最初の審議委員講演(挨拶)となりました。

[外部リンク] effect”と呼び、根源的なインフレ要因として警戒していますが――は確認されていません。』

『名目賃金は、年初以降前年比プラスで推移していますが、このところプラス幅が縮小しており、先程の交易条件面からくる所得形成環境の急速な悪化に直面している折柄、先行きもその伸びが高まることは考えにくい状況です。当面の内需の弱さなどを勘案すれば、先程述べたような二次的効果が直ちに高まる情勢にはないと考えています。』

『家計のインフレ予想や企業の価格設定・賃金改訂のスタンスが変化し、二次的効果が発生する可能性がないか、注意深く点検していく必要があると考えています。』

ということで、このあたりに関しては従来と変わらずというところであり、物価上昇がトレンドとなるとは見られないという状況においては金融政策は様子見継続ってロジックになるんでしょう。


○リスク要因に関して、国際金融市場の問題

で、あたくしは金融政策様子見だと予想しているのですが(というかマーケットコンセンサスだと思いますけど)、利下げも状況によっては別に無い訳ではないとは思うんですけど、それには現在日銀がメインシナリオとして考えている経路から外れる要因の具現化というのが前提になるでしょとなるのでしょう。

野田審議委員のリスク認識はやはり米国サブプライムローンを発端にした信用収縮問題(信用収縮というかレバレッジ掛けすぎた信用拡大の崩壊という感じですが)となっています。

『日本経済の先行きについては「次第に緩やかな成長経路に復していく」と申しましたが、こうした見通し――メインシナリオ――は、(1)エネルギー・原材料等の国際商品市況が落ち着くこと、(2)海外経済も減速局面を脱していくこと、の2点を前提としております。この2つの前提は、そのままメインシナリオの蓋然性に対する最大のリスク要因であるとも言えます。』

ということですが、海外経済の話がまず先にございまして、米国の信用問題に関してポイントがこれまた纏まっているので引用する方は中々楽だったりします(^^)。以下途中をぶつ切りにしながら引用。

『この問題を考えるに当たっては、(1)金融機関や機関投資家の損失規模、つまりバランスシートの毀損状況と、(2)その修復、つまり資本の補強、が重要なポイントです。』

『先の日本の金融システム不安の際の対応と比較して迅速な対応と評価する向きもありますが、肝心の「証券化商品に関連する貸出の引当・最終処理等の信用コストを含めて、最終的に損失がどの程度になるか」は「霧」の中です。』

『「火元」の「火元」である米国の住宅市場の調整がなお進行中ですし、金融機関の貸出態度の厳格化(クレジット・タイトニング)が住宅から商業用不動産向けや消費者ローンに波及しています。特に米国では、実体経済の悪化が金融機関のバランスシートの更なる悪化をもたらし、それが再び実体経済に跳ね返ってくるという先程の「負のフィードバック」も、いよいよ現実的となってきています。特に、米国の一部金融機関がデフォルトに至ったことにより、米欧の金融機関による資本の調達が極めて困難になったことが、実体経済への負のフィードバックに拍車をかけることにならないかを、90年代の日本の経験を踏まえ、私は警戒しています。』

『先般の米政府による不良資産の買取りが、この「霧」をどの程度晴らすか、買取りのスキームの詳細が判明していない現在は、確かなことは見通せません。』

ということで、このあたりはさすがに銀行出身の方だけに警戒感強いですよね。まあ日本の経験からすると、もともとの資産価格問題が片付かないと結局問題って解決しないんですよねって話が続きます。

『米国経済の先行きの回復について、2つの継続中のダウンサイド・リスクを指摘しなければなりません。第1は、金融市場の混乱が実体経済に悪影響を及ぼし、金融システムと実体経済の間の「負のフィードバック」が益々懸念される状況となっていることです。』

『第2は、問題の「火元」である米国の住宅市場の混迷について、底入れまでにはなお時間が必要とみられることです。(途中割愛)住宅市場が底入れし、つれて金融市場が本格的に落ち着きを取り戻し、実体経済は潜在成長率へ向かって回復の軌道に戻るという、FRBが抱いていると思われるメインシナリオの展望に確信が持てるようになるには、なお時間が必要とみています。』

ということで、野田さんは下振れリスクへの懸念を強めに見ている感じを受けます。景気に関しては政策委員会の中では下振れ警戒派に属するという感じではないかと思われますがどうでしょう。


現在の信用問題の背景に関してもこの部分で言及していますが、そこでは緩和的な金融環境の長期化を指摘していまして、ふ〜んという所でありまする。

『今回の市場の混乱の背景は複雑で、一刀両断という訳にはいかないのですが、はっきりと言えることは、かつてない物価安定と緩和的な金融環境が2002年頃から長期間に亘って続いてきたもとで、多段階にわたる証券化の過程でレバレッジの拡大と同時に、市場参加者のリスク評価に大きな緩み――「リスクの過小評価」――が生じ、その後、市場の自律的機能による大規模な巻き戻し――リスク(価格)の再評価――が起こってきた、ということであります。』



○エネルギー価格、雇用に関して

まあこちらはさらりと流れていますが、一応クリップ。

『こうした中、世界的にインフレ圧力は増大しており、インフレ抑制への「舵取り」を強める必要性は、今やグローバルに共通の認識となっています。特に、経済成長率およびインフレ率が相対的に高い新興国のインフレの加速はより深刻であり、世界経済が持続的に成長するうえでの新たなリスク要因として浮上しました。』

『一方で、国際商品市況の高騰は、既に述べたように、わが国に対して交易条件の悪化をもたらし、短期的には所得を海外へ流出させることにより、企業収益への下押し圧力として働き、賃金、設備投資といった企業の支出行動に、また雇用者所得と実質購買力の低下を通じて家計の消費行動に、負の影響を与えています。』

『エネルギー・原材料価格の高騰は、わが国にとって確かに重荷ですが、「新しい価格体系への移行」という構造変化を世界共通に迫っているものであり、所与のものとして考えざるを得ないと思います。』

設備、雇用に関する調整圧力に関してですが、ほほうと思ったのはこの辺。

『雇用面ですが、雇用者全体に占める非正規雇用のウエイトが3分の1まで高まっており、雇用の調整は過去の景気調整・停滞局面に比べ容易かつ速やかに行われる可能性があります。このことは、企業収益を安定化させる一方で、家計からみると、所得、ひいては、消費に影響が出易くなるということでもあり、その面からは注意が必要と考えています。』

なるほど。


○金融システムの話とか

金融政策運営に関しては特筆すべきこともないので割愛して、日本の金融システムの現状について言及している部分から。

『結論から申し上げれば、米国のサブプライム住宅ローン問題を契機とした国際金融市場の動揺が広がり、緊張感が高まる中にあっても、わが国の金融システムは全体として安定した状態を維持しています。銀行セクターの各種リスク量は全体としてみて、自己資本との対比で抑制された水準にあり、金利リスク、信用リスクのストレスシナリオに対する銀行システムの頑健性も総じて高い水準にあります。』

というのが基本的な見解ですが、留意点として信用コスト増加を指摘しています。

『留意点は、景気が停滞するもとで、金融機関の信用コストが増加に転じたことです。金融機関の2008年度第1四半期決算をみると、企業業績の悪化や建設・不動産等における倒産の増加等を背景に信用コストは増加しました。手数料収入が減少したこともあり、全体としては前年同期に比べて減益となり、一部には赤字となった先もみられました。先程申し上げたように、マクロ的にみれば、足もとの信用コストの増加は、経営体力で十分吸収可能な範囲内ですが、金融機関の収益力・経営体力には「ばらつき」もみられるため、今後とも、信用リスクの動向については慎重に点検していきたいと考えています。』


○中央銀行のバンキング業務

最後の方にこんなのがあります。中央銀行といえば金融政策の話で議論が起きるわけですが、なんだかんだと言いましても肝心の業務回らないと意味ないですから。

『日本銀行というと、まず金融政策をイメージされる方が多いと思いますが、金融システムや金融市場の安定も――先程来の私の話から十分お分かりいただけると思いますが――中央銀行の重要な役割です。これらは、各種の民間金融機関との銀行取引――バンキング業務――を通じて果たされています。』

『日本の金融市場を民間金融機関・中央銀行の双方で長年みてきた者の立場から申し上げれば、どの職場であっても、「現場」や「業務」は極めて重要であります。日本の金融市場は「国際金融市場との連動性」を年々強めている傾向にあり、現在はその中で「相対的安定性」を何とか確保している状況にあります。国際金融市場が不安定に推移する中でも、金融調節をはじめとする中央銀行のバンキング業務の現場における適切な運営を通じて、金融システムや市場の安定化に向け最大限努力していることをご理解いただきたいと思います。』

それはその通りでございまする。

ということで野田審議委員の講演(挨拶)はこんな感じで。


○その他少々

・ちょっと落ち着いてきたかも

昨日はレギュラー売買の受渡が月末(&期末)で、さてどうなることやらと思ってましたけど、少しフェイルがほぐれた感じなのと、資金に関してはまだGCには相変わらず金の出し手が引っ込みモードみたいですけれども、金自体は余っていますので、FBとかCPとかの買い切りとか現先とか(CPに関しては銘柄厳選の上ですが)にやや資金が戻りつつある感じがせんでもない。オペの金利もさすがに一昨日のような極端なレートじゃないですし(高いには高いですが)。

まーオペ待ちで実は寝転んでいるのかもしれないので正直当日まで予断を許さない面はあるんですけれども、決済が回ってきて資金の流れが戻ってくればFBあたりからレートが低下して徐々にそれが波及してくれるのでしょう、と思いますがどうでしょうかねえ。


・ドル資金供給オペ

今回は札割れになって、結局応札最低金利まで募入となったようですが、これはニーズが無いというよりは事務的な準備(担保繰りとか)が間に合わなかった分とかもあったのではないかと愚考します。まあこの資金供給の本命は年末越えのところですので、10月に実施される3か月もの入札がポイントになるんでしょうね。
 


お題「8月会合議事要旨とかその他」   2008/09/25(木)08:05:00  
 

いやもうドタバタしてますが、今日はレギュラーが期末渡しですね。


○8月金融政策決定会合議事要旨

[外部リンク] R S( Auction Rate Securities) の買戻し等による米国金融機関の追加損失の発生状況を注視する必要があると述べた。』

とまあ8月の時点ではこういう懸念でしたが、結局のところ問題の出発点でありますところの資産、つまり住宅価格の下落が止まって反転上昇に向かってくれないと問題そのものは解決せんわけで、という議論が行われています。

『米国経済について、委員は、引き続き停滞しているとの認識で一致した。住宅市場の動向について、ある委員は、住宅価格が上昇している地域が増えているなど前向きの動きもみられていると述べた。一方、別の複数の委員は、住宅価格は、全体としてみると大幅な下落を続けており、底打ちの兆しはみえないとの認識を示した。』

『先行きについて、何人かの委員は、減税による個人消費押し上げ効果の剥落、住宅価格の一段の下落、金融機関の貸出態度の更なる慎重化、世界経済の減速等によって、今後、景気停滞が長期化する可能性があると述べた。こうした議論を踏まえ、委員は、金融市場・資産価格・実体経済の負の相乗作用が、いつどのように収束に向かうのか、不確実性が大きいとの認識で一致した。』

で9月にはその不確実性が顕在化しましたということですな。


・各需要項目に関してはブルーな話が続く

8月の月報をご紹介するとき(8月22日の駄文をご参照いただければ)にやや詳しく並べましたので今回は先行きの懸念項目の引用をば。

(輸出)
『ある委員は、先行きの輸出について、欧州経済の減速の強まりやアジアの内需の弱さの影響に注意する必要があるとの認識を示した。』

(設備投資)
『中小企業について、何人かの委員は、エネルギー・原材料価格の上昇に伴う収益の減少により、投資意欲が弱まっているとの認識を示した。』

(雇用・所得)
『ある委員は、企業の支出抑制の動きが人件費にも広がっていると述べた。別の委員は、景気停滞によって、雇用環境の悪化が緩やかに進んでいるとの見方を示した。』

(生産)
『ある委員はI T 関連財を中心とする意図せざる在庫増のリスクには注意する必要があるとの認識を示した。』

なお、ブルーな部分を拾っておりますので、一応ちゃんと全部見てくださいませ。基本的には下向き話が多いですが、「まあそうは言いましても底割れはしませんですなあ」というのが全体を通したトーンであります。


・物価の二次的効果云々の話

『これまでの会合と同じく、エネルギー・原材料価格の上昇が物価全般に与える影響について議論が行われた。』

『複数の委員は、エネルギー・原材料価格高によるコストの転嫁分以上に物価が上がっているか、あるいは、賃金と物価のスパイラル的な上昇が起きているかという観点などから、二次的効果の発生の有無を点検すべきと述べた。これを踏まえ、多くの委員は、コスト転嫁の動きは続いているが、コスト転嫁分以上に物価は上昇していないほか、賃金も上昇していないなど、現時点では、引き続き二次的効果はみられていないとの認識を示した。』

まあそうでございますね。

『このうちの一人の委員は、その背景として、第一次石油ショックの時とは異なり、もともと経済の過熱感がみられていなかったこと、様々な指標から判断すると、現在、経済の過熱度合いを見誤っている可能性は低いこと、労働市場の柔軟性が高まっていることを指摘した。その上で、この委員は、今回のエネルギー・原材料価格の上昇は、新興国を中心とする世界的な需要の増加によって、趨勢的に上昇していることに特徴があり、現在、二次的効果が発生していないからといって、今後、企業や家計のインフレ予想が変化し、二次的効果が発生するリスクへの注意を怠るべきではないと付け加えた。』

・・・・うーむ、この委員って誰だろう?

『別の委員も、世界的な金融環境は緩和的であり、足もと原油価格が下落し、賃金・物価のスパイラル的な上昇がみられていないからといって、インフレ・リスクへの警戒を怠るべきではないと指摘した。』

『こうした議論を経て、ある委員は、二次的効果の把握は難しい問題であるが、様々な指標などから、引き続き丹念に点検していく必要があると述べた。』

ということで、2次的効果に関してはまだまだ先の長い話っぽいですね。


・中小企業の資金繰りに関して

金融経済月報で指摘されていましたが。

『ただし、複数の委員は、建設・不動産業では倒産が増加し、これらの業種では起債環境が悪化していると指摘した。また、ある委員は、中小企業について、金融機関の融資態度も含め、企業金融を巡る環境の厳しさが増しており、今後の企業金融を巡る環境には注意が必要であると述べた。』

ということで、この部分に関しては引き続き警戒でございましょう。中小企業の資金繰りの前に一部業種における起債環境の悪化の方が先に来ている観はございます。

金融政策に関する部分についてはそれほど特筆すべき話も無かったみたいですので割愛。



○フェイルの影響はやっぱ広がるのね

22日の大量決済で大量フェイルになったのはご案内のとおりですが、もう新規の取引増えないのだから問題拡大しないかとか思ったあたくしですが、どうもコトはそう単純な話ではないようです。いやまあ予想自体も願望入ってたかもしれませんけれども、ということでどうもすいません。

結局ですな、リーマンのところにある玉が全部フリーズ状態になっているので、その流通玉に関連する取引がフェイルになって、そのフェイルによって他の取引も影響受けて・・・・という形になってしまいますし、大体からして世の中決済が円滑に回っていることを前提にして次の取引、その次の取引と取引が連鎖する訳ですし、その上リーマンは国債流通市場で積極的に業者間、対投資家ともに取引してたのですがら連鎖もでかくなりますわなという所です。

SC取引とか一部銘柄ではエライコッチャになってるみたいですし、その上期末接近と来ていますので、通常であってもレポ市場での品貸しに消極的な人が多い中でフェイル大会では益々レポ市場での品貸しが消極的になりの負の連鎖ですわな。GCだってカウンターパーティーリスクがどうのこうのとか、一括清算するときって実は「前日の引け」で清算するから債券処分する時に市場リスクがありますしとか(その話ってあのすいません現金担保レポ始まる時に論点になってた筈なんですが・・・・)、まあ市場の拡大を重視する中で微妙にスルーしていた破綻法制との整合性問題とか(その話って現金担保レポ始まる時に以下同文)、まあいろんなもんが出てきますわな。

えーっと、正直言ってあたくしもどこでどういう事が起きているのかほんの一部しか判りませんが、参加者の皆様におかれましても全体で何がどうなっているのかって全貌は把握しずらい(というか無理です)状態なのでして、まあ本件に関しましては日銀あたりが音頭取って(というか日銀しか音頭取れないでしょ)この間まずはどのような事が起きたのかをレビューして、本来どう処理すべきであったのかという点を論点整理すべきものかと存じます。



○オペ金利が益々上昇とかその他

・オペ金利上昇

えー、昨日の資金供給オペですが、共通担保即日オペ(翌日物)が平均0.759%(足きりは0.73%)でロンバート越えでございましたが、もっと上昇したのはタームものでありまして、共通担保全店オペの26日スタート10月16日エンドが足切り0.75%ですかそうですかと思ったら平均が何と0.823%となりました。

・・・・何か相当上の札入れてるみたいですけれども、あのそのロンバートって0.75%なんですけど。。。。ということで、タームの資金取り圧力がもうエライコッチャになっているというのは把握した。外銀などへのラインカットの影響に加えて、どう見てもリーマンのフェイルの影響が拡大しているのではないかと思われる次第です。

改めて監督官庁と保全管財人は(以下自主規制)。


・財務大臣兼金融担当大臣

国際金融関連が財務省に残っていて、クロスボーダーでの金融問題への対処ということになった場合に財務省と金融庁の連携が必須なので、この際大臣を兼任した方が良いという話らしいのですね。

・・・・でですね、まあ正直言ってこの際金融庁を財務省に戻したらどうでしょ(理由は経済とか市場系のブログやらそのコメント欄やらに色んな人が色々ご指摘しておられると存じますがとしか書かないチキンなあたくし^^)と思いますが(^^)。


#何か書き忘れがあるような気がするが気にしない気にしない(汗)
 


お題「結局大規模フェイル/その他色々と」   2008/09/24(水)08:04:35  
 
金融政策決定会合議事要旨の話は今日はパスの方向で(汗)。その上寝坊したので今朝は簡単で恐縮至極。


○結局大規模フェイルですかそうですか

注目されていた22日の国債決済ですが、結局リーマン絡みの取引はフェイルになったらしく(全貌がどうなっているのかというと良く判らない)、その結果としてあちこちで受渡が止まり、フェイルの連鎖でレポの部門とか信託(レポ信託)やブローカーの関係部門は殺人的に忙しかったようで、誠にお疲れ様でございました。というかまだまだほぐれていない取引とかあると存じます。モノ繰りが止まる面もそうですが、受渡が止まると資金も止まってしまいますのでそっちの手当てとかも大変だった(だからこそ22日受渡からのGC取引レートとかオペの金利とか上昇しまくっているのですが)と思います。

で、国債発行に関しても払込が行われなかったらしいと報道されていましたが、国庫の資金繰りなんぞはどうとでもなるのですけれども、リーマンが落札して転売したりレポで貸付していたような取引分の流通玉がいきなり消滅となったのですから、まあレポもその分タイトになる(というかそういう認識が広がるので余計にタイト感が強まる)というものでしょう。

どうもGCレポ市場でも資金の出が悪くなっているとか報道されておりますが、(そりゃまあGCのエンドがフェイルになったら資金の出し手も困りますわな。戻りを資金繰りに当ててたらなお困りますし・・・)そんなこんなで短期金融市場では資金供給オペの金利が上昇しておりまして、新発CPレートとかにも影響が出ている次第ですが、日本の場合は国内金融機関で別に信用不安問題が生じている訳ではなく(これが欧州と違う所ですな)、短期市場金利の上昇は国債流通市場でそこそこ大きなプレゼンスを持つリーマン絡みの取引決済が止まっている影響の方が大きいと思うのです。現に無担保コール取引で邦銀が調達するレートとか絶賛低下しておりますしね。

ということで、今般の民事再生法適用による処理というのは、国債流通市場への影響から短期金融市場への影響というのを何も考えてないでしょとしか思えん進行でありまして(これが本当にデフォルトならば一括清算なのだが、事業継続前提なので止まりっぱなし)、監督官庁と保全管財人は何を考えとるんじゃとしか申し上げようがございませんのですが。

ま、連日悪態ついてますけど、民事再生手続の適用以外にやる方法があったのではないかとか、きちんとレビューして頂きたいと思います。まあそりゃ全く混乱しない訳には行かなかったでしょう(外銀とかのコールのラインが絞られるとかといった動きは別にフェイル関係なく起きてたでしょう)が、漫然と国債の決済をフェイルしまくったのを看過している状況というのは酷いですわな。


○オペレートがロンバート越えとか

そんな次第で邦銀取りのコールレートは大低下しているのですが、月曜の資金供給オペではこんな結果が。
[外部リンク]
 


お題「今日は幾つかのネタを少々というところで」   2008/09/22(月)08:11:02  
 
先週フォローしそこなった金融経済月報とかドル資金供給策とかの話題につきましては昨日付けで一応作ってみました。今日の文章の続きに載せておきますのでご参考までに。

で、それ以外のネタを少々という感じで。


○ロイター日本語版また飛ばしヘッドラインですかそうですか

金曜は白川総裁が参議院財政金融委員会に出席ということで、 このクソ忙しい中で総裁呼び出すんじゃねえよ議員どもとか思う のですけれども、その中で大久保委員の質問に対して行った 答弁について、ロイター日本語版が毎度お馴染みの飛ばし ヘッドラインを打ち込みまして債券先物がエライコッチャになり ました。で、そのヘッドラインなんですけどね。

14:16 19Sep08 RTRS-緊急利下げも含め、金融政策はすべてのオプションを常に考えて断=白川日銀総裁

赤字で打ち込まれたヘッドラインはこれなんですけれども、この ヘッドラインが出たところでそれまで137円ちょうどあたりをウロ ウロしていたのですが、50銭台まで上昇し、その後ちょっともみ 合いになって30銭台に押し込んだのですが、再度上昇の巻に なりまして137円90銭の高値まで上昇となりました。

ちなみに、クイックでは利下げの利の字もヘッドラインに出なかった ので、日本語版ロイター見てない人からすると「何で上昇してるの」 という話でありまして、恐らく最初の上昇は日本語版ロイターのヘッド ラインを直接見た人の反応で、2番目の上昇は「何で上昇してるの」 「白川総裁が緊急利下げについて発言したみたいだよ」みたいな 流れで反応したのではないかと勝手に想像。

その流れで2年は0.745%(ちなみに金曜の安値は0.825%)まで買われるとか金先大上昇するとか(高値メモするの忘れました)やってしまいましたが、しかしまあ先物90銭くらい上昇とはおそるべしでございます。

でも実際は例によって一般論の話をしていた事が明らかになりますと、先物も金先も大失速の巻になりまして、結局金曜の引けは先物137円02銭と白川総裁の発言が報道される前のレベルまで行ってこいなのであります。2年の引けは0.785%ということで、ロイターのインチキヘッドラインに乗せられた人涙目の展開でございました。

ちなみに、この発言に関する部分のロイター日本語版の記事内容は以下のとおりになります。

[東京 19日 ロイター] 白川方明日銀総裁は19日の参院財政金融 委員会で、米国を中心とした金融市場の混乱に関して日銀が緊急利下げ を行う可能性について質問され、「緊急利下げという話が出たが、金融 政策においては常にすべてのオプションを考える。どの中央銀行でも 同じだ」と述べた。総裁は「常に予断をもつことなく経済金融情勢を点検 していく。あらかじめ結論をもって政策決定に臨むことはない」とした。 民主党の大久保勉委員の質問に答えた。(以下割愛)


・・・どう見ても一般論です。本当にありがとうございました。


ということで、またまたロイター日本語版の飛ばしヘッドラインなのであり ますが、ロイターが国会答弁などを報道するときに一般論を勝手に如何 にも金融政策変更に結びつけるような印象のあるヘッドラインを打ち込む という仕様になっていまして、記者およびデスクの知能に問題があるのか、 会社の方針として飛ばしでもセンセーショナルなヘッドラインを打ち込んで 相場変動に影響したという実績を出したいのか知りませんが、こういうの 極端に言えばしょっ引くべきではないかとまで思いたくなるんですけど。 最近はロイターの飛ばしが酷すぎます、というかロイターしか飛ばしヘッド ラインを打ってこないという感じです。


○さて22日です

今日は3/9月利払いの決済集中とリーマンが落札した5年、10年新発国債(3か月FBはリーマンは入札から除外されているので無問題)の発行日でございます。

えーっと、まあ決済どう回るのでしょうかとしか言いようが無いのですけれども、リーマン絡みの取引もいつまで経ってもフェイルとかいう訳にも行かないと思うのですけれども、民事再生の枠組みだと会社が死んでないだけに、取引がいきなり強制終了する訳でもなく、はてさてどうなるのかというのは実質的に初のケースだけに色々と大変だと思います。

特に、リーマンの場合はクロスボーダーの取引がやたらめったらある訳でありまして、欧米主要国の間での取引もある中で、各国でのリーマンに対する破綻処理に対する法的処理の進め方が違う訳でして、その点から各国の国内法だけで閉じていないというのが処理の難しさに拍車を掛けているのではないかと思われます。

まー初回も初回だから仕方ないのですが、今後のことを考えますと、特に短期金融市場の決済に関わる主要各国の破綻法制に関しては、今般の混乱(というかフリーズ)を研究の題材として、これらの破綻法制の整備というのも重要な論点(一段落してからの話ですが)かと思います。破綻に関しても完全に死んでいるのかそうじゃないかとか、まあそもそも各国の破綻法制に関するロジックの問題にまで入ってくる話なので、具体的に法制を揃えるように整備するというのは大変かもしれませんが。


○その他少々

・補完供給緩和期限延長

[外部リンク]
 


お題「今週フォローできなかったことに関して」(その3)   2008/09/22(月)08:07:33  
 
いやーん、もう9時半回ってますわ〜♪

(その3)臨時金融政策決定会合に関して

流動性強化策公表文書
[外部リンク] 動きをみますと、短期金融市場における資金調達圧力が持続的な高まりを みせています。すなわち、ドルの短期金融市場ではオーバーナイト物、ター ム物ともに金利の急上昇や日中の金利の大幅な振れが目立つほか、年末 越えの資金調達にかかる不安感も高まっています。こうしたドル市場における 緊張感の高まりは、各国通貨建て市場にも影響を及ぼしています。今回の 各国中央銀行による協調策は、こうした短期金融市場の状況に対処し、金融 市場全体の状況の改善を目的として、ドル供給スキームの導入やその拡充 策を協調して行うものです。』

要するにドルの短期市場での流動性クランチ対応ですと。

『次に、日本銀行が協調策に参加した趣旨ですが、日本銀行としても、こうした ドル市場の流動性の逼迫が円市場の流動性や市場の安定性に対して影響を 及ぼす可能性が高まっていると判断しました。こうした判断を踏まえ、金融市場 調節を円滑に行い、金融市場の円滑な機能の維持および安定性の確保に 資することができるよう、米欧中央銀行の協調行動に参加してドル資金供給 オペを導入することが適当であると考えたものです。』

欧米(特に欧州の方が大変だと思うが)のドルファンディングの圧力が日本の円投圧力に波及しちゃったりするのも宜しくないので参加しますっていう感じですかいな。では日本の銀行でそんなドルファンディングで酷いことになっている所があるのかというとそうでも無いみたいで。

『最後に、日本の金融機関──邦銀と呼ばせて頂きますが──の外貨資金繰りとの関係について説明します。邦銀は最近における金融市場の動向を踏まえ、外貨の資金繰りについて慎重な運営を行っており、現時点において邦銀の外貨資金繰りについて特段の懸念を持っているものではありません。今回の本行の措置は、円にかかる金融調節の一層の円滑化を図るとともに、金融市場の円滑な機能の維持および安定性の確保に資する趣旨から実施するものです。(以下割愛)』

ということですので、外銀は兎も角として、邦銀に関しては今般のドル資金市場のシュリンクで直接的に大変な騒ぎになっている訳ではないという話。即ちまあぶっちゃけてしまえば日本の足元は大丈夫ですが国際協調しないと市場が全然落ち着かないから国際協調するって所なのではないかと思料されます(^^)。いやまあその後の質疑応答で「米国から頼まれたのでは」みたいな質問とか出て否定してますけどね。


・円投フォワード調達圧力に関して

何で円の資金供給ではなくドルの資金供給をするのかという質問に対して。

『日本のケースでいえば、相対的に円の市場は安定しており、この円の市場で資金を調達し、先ほど申し上げたとおりこれをドルに変換するオペレーションを行うことによってドルを調達してきたわけです。これまではそうした動きを吸収しながら円の短期金融市場は安定していたという評価が可能だったと思います。ただここに来て、ドルの調達市場が急速にタイト化しており、円をドルに変換する圧力が以前に比べると高まっているわけです。』

『そうすると、この動きに元から対処するためにはドルで供給することが一つの有効な策となります。ただしこれは円の資金供給オペと補完的なものであり、代替的なものではありません。もちろん円の資金供給オペについても現在の状況をみながら丁寧に行っていくつもりです。』

ということで、円投フォワードによるドル資金調達圧力の増大が円金利にも影響を与えかねませんという説明になっています。でもまあ実はその部分だけで言えば円の資金供給オペを親の敵のように打ち込んでいれば平均レートだけは下がりますけど、現状の問題ってオペをやたら打てばよいとか言う単純な話じゃなくて、必要な所に流動性を供給するにはどうしたらよいのかという話になりますので、そーゆー意味でドル供給の意味があるんでしょうかね。


・まあこれは止血措置みたいなもんで

前日の会見では米国の措置を最善と言ってましたが、今日の動きを踏まえてどう思いますかという意地悪質問に対する答えから。

『まず、ドルの短期金融市場において緊張感が高まっているという背景には、 今ご指摘のリーマン・ブラザーズの破綻やAIGに対する公的支援等に象徴される 一連の出来事があると思います。金融市場の参加者が、相手方と取引をする際の リスク――カウンターパーティリスク――について、意識を高めるということが現実 に起きたわけです。AIGの措置について、私は、FRBが置かれた状況に照らして 最善の決定だと申し上げましたが、既にあの時点で金融市場が緊張感を高めており、 そうした状況のもとで、もしFRBの措置がなければさらに緊張感が高まったと思った からです。現実には、そうした措置にも関わらず緊張感は高まっているわけですが、 だからと言って、金融市場の安定にとって公的支援は意味がないということでは なく、やはり意味はあったと強く思っています。』

『その背景についてですが、昨日の話の繰り返しになりますが、金融市場の不安は 流動性の逼迫という現象を引き起こしますが、これは問題のあらわれ方であり、 最終的にはソルベンシ―(支払能力)という金融機関自体の資産の健全性の問題に 関わる話になります。この問題にどう対応していくかが最も大切であり、流動性の 問題に対応することで全てが解決するわけではもちろんありません。』

『今回のドル資金供給オペはあくまでも流動性の問題に対して対処したものであり、 流動性の逼迫がきっかけとなって経済全体が混乱する事態を避けるためのものです。 繰り返しになりますが、その背後にある基本的要因について取り組まない限り、 問題は解決しません。』

即ち、不良債権の分離と損失の確定、資本の増強と言った抜本対策が必要になるということですな。前日の会見と思いっきり被りますが重要な論点なので引用しました。


・まあ欧州市場対策でしょ

最後の質疑にこんなもんが。

『(問) イエスかノーかでお答え頂けるのではないかと思うのですが、発表された時間が午後4時頃だったというのは、欧州のマーケットが開く時間を意識したものであるという理解でよろしいでしょうか。』

『(答) 各国の金融市場の状況や各国における事務対応がありますので、そういうものを全て勘案した上でこの時間に至ったということです。』

ま、今回は欧州の市場が暴れる前に日銀からアナウンスして欲しかったという所なんでしょうね(^^)。


・超脱力質問

オペの要綱を見てから質問して欲しいですよね。

『(問) 先ほど、担保があるので大丈夫との話でしたが、FRB等は、最近、信用 リスクがあるものまで担保を広げています。米国債も未来永劫安泰というわけ ではないと思います。そういう意味では、もし外国の金融機関が殺到した場合、 日本銀行がドル資産の持っている様々なリスクを全部引き受けて、世界中に お金をばら撒かざるを得ないというリスクもあるのではないかと思うのですが、 その辺は如何でしょうか。』

オペ実施要綱のどこをどう読むとそんな質問が出来るのか、質問した記者の知能を激しく疑いたくなりますね。もう馬鹿馬鹿しいので総裁の答えは割愛しますが、どこがどう変なのかという話はもう最初から最後まで変としか言いようがないですわな。

正直、質問する人の所属と名前を名乗らせて、会見記録とかにも掲載して欲しいもんだと思いますよ。マッタクモウ。

#あらま、23時になってしまいましたわ♪
 


お題「今週フォローできなかったことに関して」(その2)   2008/09/22(月)08:03:45  
 
もうちょっと早い時間から作るつもりだったのですが、どうも土日になるとマインドセットがレジャーモードになるのが仕様でありまして、この文書作ってるのは日曜午後も日が傾いてからなのであります(というか今はもう夜9時とかですが)

(その2)通常の金融政策決定会合に関して(続)

○総裁記者会見

[外部リンク] まず今回の金融市場調節方針の考え方についてお伺いします。景気認識については、前回停滞という表現に下方修正し、今回も停滞ということですが、それにもかかわらず利下げはしないという判断をされていますが、その理由をお聞かせ下さい。』

幹事社いきなり質問の巻です(^^)。で、利下げしない理由部分から引用。

『なぜ利下げをしないのかというご質問についてですが、金融政策を運営するに当たっては、その効果の波及にタイムラグがあることを念頭に置いた上で、各国とも経済の置かれた状況やそれをもたらす要因の性格に照らして、どのような政策が有効か、どのような政策が望ましいかを判断していく必要があると考えています。』

ちょっと途中を割愛しまして。

『日本経済に即して申し上げますと、先ほども触れましたが、景気は当面停滞が続くものの、その後は次第に緩やかな成長経路に復していくと予想しています。物価面では、消費者物価の前年比は、当面現状程度の上昇率で推移した後、徐々に低下していくというのが相対的に蓋然性の高い見通しであります。ただし、先行きの不確実性は高く、景気には下振れリスクがあり、物価には上振れリスクがあり、これら双方に注意が必要な局面にあるということは、いつも申し上げているとおりです。』

『こうした中で、中長期的にみて物価安定の下での持続的な成長を確保していくという観点から、現在の金融市場調節方針を維持することが適当と判断しました。』

この辺りですけれども、やはり金融経済月報の基本的見解部分を当日に公表した方が良いのではないかと言う気がせんでもないです。当日に公表されたのは国際金融資本市場の不安定さによる下振れリスクの高まりを指摘した文書なので、こういう質問が飛ぶのも致し方なしなのですが、金融経済月報の概要部分を見るとこの質問はでなかったのではと思われますが、どうでしょうか??


・何だかなあと思う質問

激しく脱力した質疑応答の部分がございますので引用。

『(問) 今後の経済の行方について、天気の晴れ、曇り、雨の中でどれが一番適当と思われるか教えて下さい。また、その理由についてもお願いします。』

『(答) これは、晴れ、曇り、雨というかたちではなかなか表現しにくく、(私は)そういう意味での表現力に乏しいので、日本銀行流の地味な表現ですが、足許は停滞、ここ暫くは停滞が続くということで勘弁して下さい。』

『(問) なるべく一般の方々にも分かりやすいかたちでお願いします。』

『(答) これから努力してみたいと思っています。』

何だかね、ワイドショーじゃないんだからそう簡単になたでぶったぎるようなワンフレーズな説明できるわけないじゃないよのと思うのですが、というかそういう単純化をするんじゃなくて多面的な見方をするように世の中を持って行くのが報道機関という公器のあり方なんじゃないですかねえ。全く金融政策までワイドショーにするなとはどんなアホバカだと思いますが。


という悪態は兎も角。


・中央銀行の金融システム安定維持に対して

上記の質疑以外がほぼ全部(新興国経済に関する質問が一本ありましたが)今般の国際金融市場の緊張に関する話に終始してまして、まあ中身は読んでいただければと思いますが、一応どれかを引用するとなるとこれになるのかなあとあたくしが思ったものを引用。ちと長いのは勘弁。

『(問) 先ほどFRBの流動性供給の枠組みが整ったという話がありましたが、そうしたかたちでFRBのバランスシートはだんだん大きくなる方向にあると思います。今回のAIG救済でもその方向にあるかと思います。そうしたことが将来的なドルの信認に悪い影響を与えないのかどうか、考えをお聞かせ下さい。』

まあこういう質問はでますわなと思いますが、その答えです。

『(答)中央銀行はいくつかの重要な機能を担っていますが、最終的に最も重要な機能として残るものは何かというと、私は金融システムのシステミックリスクの顕在化を防いで、金融システムの安定を維持していくということであると思っています。』

というのは日本の経験から正にその通りでございますと痛感します。で、その続き。

『こうした観点から、FRBのあり方、そして理念的な中央銀行のあり方を考えた場合、
中央銀行は流動性の供給に専念すべきであり、資本の問題あるいはソルベンシー(支払能力)の問題が生じ、もしそれがシステミックリスクの危険を含む場合には税金で対応する、というのが基本的な考え方だと思います。』

これまた仰るとおりです。

『FRBは、システミックリスクに直面した時に中央銀行としてどのような対応をとるべきか、ということを考えて、その上でギリギリの決定を行ったのではないかと思います。これは私の個人的な推測ですが、中央銀行がそうした対応をとらなかった場合―― つまりシステミックリスクが顕在化する惧れがある状況――と比較してどちらがドルの 安定に繋がったかというと、私は今回FRBがこうした対応をとった方がはるかにドル の安定に寄与したと思います。そのことを申し上げた上で、最終的にこの問題── 経済全体として資本の不足があるということが仮にあるとすれば、それにどう対応 するべきか──については、真剣に考えるべきだと思います。』

ということですから、仮に日本でこの手の問題が発生した場合(されても困りますが)、
白川総裁としては(というかそれが日銀としても普通の考え方だと思いますが)、日銀のバランスシートがどうしたこうしたとかいう細けえ話よりも、流動性クランチの回避に向けて全力投球をしてくれるということに関しては安心してよいというのは理解しました。


じゃあ日銀はソルベンシーに関する所は知らん振りなのかというとそういう訳でもなさそうでして、AIGの救済に関しての別の質問に対してこのように答えています。

『先ほども申し上げましたが、システミックリスクに直面した場合の公的当局の対応の あり方としては、中央銀行がなすべきは流動性の供給であり、政府・議会が決定す べき事項は、ソルベンシー(支払能力)、国民の税金をどう使うかという問題である、 という概念的な整理ができると思います。しかし、仮に何らかの理由でそのような 分担がなされていない場合、中央銀行としてどのように対応すべきなのかという点が 非常に難しい課題です。振り返ってみると、1990 年代以降の日本銀行も、多少程度の 差はあるかもしれませんが、質的には同じような問題に直面していたと思います。 今回の措置については色々な評価は有り得ると思いますが、そうした時期をくぐり 抜けてきた中央銀行の人間の一人としては、現在置かれた状況の中でFRBは最善の 決断をしたと受け止めています。』


その他質疑応答あったのですけれども、翌日のドル資金流動性供給策発表で話の ステージが変わってしまったので、まあ今回に関してはこの部分の引用だけという ことにしておきます。その他、リーマンへの与信に関する質問もありましたが、それに 関しては『わが国の金融機関のリーマン・ブラザーズへの与信は大手行中心であり、 これに関連した損失が発生する可能性はありますが、大方の先では期間収益で 吸収可能な範囲内とみられます。』ということで直接的な影響は無いが、米国経済 の混乱という文脈での影響は勿論あるでしょうという話になっていたことを付け加えて おきます。

ではでは♪
 


お題「今週フォローできなかったことに関して」(その1)   2008/09/22(月)08:01:13  
  朝じゃないんですけど、今週は市場の動き(というか混乱)を 追うのでドラめもんはいっぱいいっぱいでしたので、金融政策 決定会合などの公表文書を主にフォローしたものを作っておき たいと思います。

(その1)通常の金融政策決定会合に関して

16日、17日に実施された金融政策決定会合に関しまして。

○声明文では金融市場の不安定さに言及

[外部リンク]
 


お題「だから決済リスクがですなあ・・・・」   2008/09/19(金)08:02:00  
 
色々とございまして金融経済月報のフォローとかのネタはちょっとパスということで恐縮至極。

○22日の決済とかリーマン分の国債発行どうなるのでしょ

昨日もうだうだと書きましたが、リーマンが取引当事者になっている売買、レポなどの取引が保全命令でフリーズしている状況によってフリーズされた債券決済が滞りの巻なのは色々と影響があるようで誠に遺憾極まりない状況であります。

民事再生の手続き上では(とかエラソーに書きますが実は読者様からの入れ知恵ベースです、汗)、なんちゃら管財人が裁判所から選定されて、その管財人が適切に判断して止まっている取引の中で動かしてよいもの(たぶん資産流出に繋がらないような取引ですよね)を回すという形になるのですが、さてどの辺りまでその手続きが進んでいるのやら。

リーマンは国債のプライマリーディーラー(国債市場特別参加者)でございまして、国債発行市場でも流通市場でもプレゼンスは高い部類に入る業者でして、そこの取引をいきなりフリーズさせる事によってどういう事が起きるのかという問題に対して裁判所の動きとか遅すぎにも程があります。とか言われましても裁判所はポカーンだとは思いますが、要するに普通の一般事業法人の取引と金融市場での取引はスピード感が全然違うのであって、何をのんびりやっているのだと申し上げたいですわな。


でまあ22日は10年と5年の国債発行日でリーマンの落札額もそこそこ多いのですが・・・・・

正式な管財人の下で22日の決済が回って、16日以降のフェイル分も回るというのが最も美しい姿なのですが、リーマンがショートしている銘柄のSCレポはエンド来た後ロールしてくれる人はいないので、まあその分は買い戻したり、保有分については転売とかしてポジションを徐々に圧縮という話にはなるんでしょう。というかそうしてくれないと国債流通市場におけるフェイルだらけ状況がリーマンのポジション分だけ片付かないのですが。

で、新発国債なんですけれども、払い込み間に合わないという話になるのであれば、先程(と昨日)申し上げたようにリーマンと直接取引をした業者および投資家との取引をどうするのか。ポジションぶれることを避けるというのであれば約定を遡及で取消にするという話になりまして、なんだかんだ言って日本の債券相場は上に行って来いにも程がある相場でして、昨日の引け時点で5年新発は平均落札価格よりも値下がり(というのも何と言う話という感じですが^^)で、10年新発は入札の平均落札1.485%に対して昨日の引けが1.485%とイーブンになっていますので、表面的にはカウンターパーティーは損しませんでラッキーでしたねという状態(今日は海外市場の動きからして売られるでしょうし)ではございます。

でもね、これってたまたま今回そうなので経済的な問題が発生しないですけれども、債券相場が上昇しっぱなしだったら約定取消しなんぞやったらカウンターパーティー全員涙目にも程がある訳ですし、大体からして約定遡及訂正されたらカウンターパーティーはポジション再構築の為に当該債券を買いにいかないと行けないので、発行が減った分だけレポが変なことになるのは明らか(というか既に10年新発のところってレポの逼迫の影響でカーブが変になりつつあるんですけど)で、流通市場に影響を与える話なんですけど。ついでに言うと約定遡及訂正されると他人勘定で運用しているファンドだと途中のキャッシュフローが発生してたら受益者間の公平を維持するために色々処理しないといかんのですけどねえ。

もっとそもそも論で言いますと、リーマン以外のプライマリーディーラーなら兎も角、そうじゃない投資家って新発国債を買おうと思ったら制度上プライマリーディーラーから買うしかない(というかプライマリーディーラー制度ってそういうものなので)のですが、新発国債入札から発行までの間にプライマリーディーラーがこけるといきなりパーになるって何の為のプライマリーディーラーなのよと悪態の一つも付きたくなりますな。

いきなり破産だったら仕方ないけど、民事再生で会社が生きているのに与信取引でもない(まあぎりぎり厳密に詰めれば約定から受渡までの間には取引再構築コスト分の与信があるのですが)通常の売買取引が飛んでしまうというのはちょっと勘弁って感じでして、これって国債売買(だけじゃなくて証券売買全般に言えますが)に関するカウンターパーティーリスクに対して過度に敏感になるような方向付けをする惧れがあるという話になると思うのですよね。そんな観点から考えますと、22日の国債払込は間に合わせていただきたいものだと思うのですが・・・・・


○オペ金利とか上昇

リーマンの取引がフェイルになって何が困るといいますと、その取引相手方の玉繰りと資金繰りがいきなり変わってしまうこと。自己勘定の人ならまあ色々な手段はあるのですが、ブローカーとか他人勘定の場合はそうホイホイと取引再構築が出来るわけではないので、エライコッチャになるんですよね。

昨日も申し上げましたが、リーマンに債券売却して受渡がこれからって場合、フェイルされた分の代金を購入に当てている(ブローカーなんかまさにこのパターンですわな)とか受益者への支払い充当に使っていたりとかしていた場合、その分の資金繰りをつけないといけなくなりますので、GCレポ市場で資金取りに行くのか他の銘柄売却するのかコールや銀行借り入れで資金調達するのかという事をしないと行けませんがな。

まーそんなこともあるので、GC取引レートとかもうロンバードレートは見事にオファーみたいでして(昨日はぼかしましたが、一昨日もまあ0.7台半ばから後半で一昨日は一部で0.80%ついたらしいです)、これまたリーマンの決済いきなりフリーズしたのが影響するの巻。どこの誰が民事再生処理の方向性つけたのか存じませんが、民再させるなら決済止める時間をもっと短くしやがれコノヤローとしか申し上げようがございませんわな。

オペの金利も確り高く、昨日の朝実施された国債買現先(スポットスタートの10月3日エンド)は1兆6000億円という30兆円時代のオファーを彷彿とさせるオファー額だったにも関わらず平均0.751%と0.76%の札を入れた人いるのですかそうですかというレートに。昨日引けに掛けてダダ売られしていたFBに関しては買いも入ったのかちょっと引け値ベースでは持ち直していますが、資金のレートがそんな状況ですからちょっとしたロットで売りに行ったらビットは普通に0.75%になるんちゃいますか(^^)。

昨日の取引終盤は2年債がダダ売られして、2年新発が0.80%に上昇して(引けは0.795%)いましたが、このあたりもまたキャッシュ化の動きなんだかそれとも(金先も終盤ダダ売られしてたので)スワップレートの上昇(そりゃまあLIBORも上昇してますし)の動きだったのか良く判りませんが、短期金融市場の取引がシュリンクした時にありがちな中短期債とターム物金利ダダ上がりの図という奴をやっている格好になっています。


いやあの日本国内の金融機関で信用問題起きてるんじゃないのにこの有様というのはちょっと如何なものかと思うのですが。三洋破綻で短期金融市場が止まったことが北拓、山一の資金ショートを連鎖的に生んだ流れとか全然教訓になってないの???ねえ、たった10年でみんな忘れちゃうの???


○その他備忘録

・日銀のドル供給オペ

内容はこの辺。
[外部リンク]
 


お題「日本の場合信用リスクなんだか決済リスクなんだか」   2008/09/18(木)08:05:32  
 
色々と急展開で本業が超多忙になっておりまして、田中先生からツッコミ頂いたお話の続きを整理できておりませんです。誠に申し訳ございませんです。

えーっと、何だか色々ありますけれども、整理整頓しないでグダグダ状態で書き並べて参りますです、はい。

○米国では短期国債急騰しているのに日本と来たら・・・・

まあ米国の場合は利下げ期待もあるのかもしれませんが、今朝も政府短期証券は金利急低下の巻。一方で日本では火曜日も実はしらっとFBとかレート上昇してたのですが、昨日に関しては朝から断続的にFBは売り物がちでして、大引け間際にはそこそこの売りでも出たのかどうか知りませんが、火曜日に入札が実施されて平均0.5953%の足きり0.6105%だった3か月FB541回は0.63%とかの出合いとかやってたよう(もうちょっと甘いのもあったかもです)で、引けは0.625%と前日比3毛甘。

短い所のTB/FBが軒並み売られるの巻になっていまして、日本相互証券の引けベースで見ると9月29日償還のFB525回が前日比6毛甘の0.650%だの、10月2日償還のFB534回が前日比5毛甘のこれまた0.650%とか見事なレート上昇。

この背景としては、足元のGCレートが急上昇してますという部分があるようで、昨日のレギュラーが22日受渡ですが、22日-24日の翌日物レートがたぶん0.7%近辺に上昇しているものと見られ(今日発表の東京レポレートのS/Nを見てちょ)まして、そりゃまあ足元そんなレートだったら特に短い物は持っているよりもこの辺のFB売っても同じですわなという論議になりますよね。

・・・・でも利下げ期待にかんする部分は措くとして、米国では財務省証券買われる(TB3か月殆どゼロ金利とはすげえ)フライト・トゥー・クオリティなのに日本と来たら何でこうなりますのやらという事ですが、これは決済リスク問題も絡んでいるのではないかと思うのでありますよ。


○リーマン日本法人をいきなり法的整理した弊害について

97年以降の日本における金融危機ですが、その時の教訓としてあったのは三洋証券の破産処理によって決済リスクを高めてしまうと、短期金融市場における取引がいきなりシュリンクして機能不全になって大変なお話になるというのがあった筈ですわな。そのためにその後の山一、長銀、日債銀のケースでは自主廃業や公的管理という形で、実質的に破綻処理であっても法的には会社としてゴーイングコンサーン状態にして取引の決済は回しながら粛々とポジションの整理を行い、市場の決済がいきなり止まるという事にはならなかったんですよね。

然るに、今般の処理においては、リーマンが国債市場でそれなりに大きなプレゼンスを持っているにも関わらず、保全命令によって取引決済がいきなり止まる(これまた正直どっからどこまで止まっているのか良く判らないのですけれども)攻撃になってしまいましたので、リーマンと直接売買だのレポだのの取引をしている人たちとしてはフェイル食らいまくりでもう大変。

しかもタチの悪いのは、民事再生なんで取引自体がデフォルトになっている訳ではなく、フェイル状態のまんまになってしまうところでして、(昨日も申し上げましたが)証券決済としてモノが止まってしまうのは色々と弊害が生じまくっているのでありますわなという所です。

保全命令が出た以降はリーマンの新規取引は無いですけれども、それ以前に行った取引に関しては現物債券の売買だと国債だったら概ね22日決済までの取引は普通に行われていましたし、レポに関してもクーポン物のGCやSCとかだと22日にエンドが積みあがっているでしょうし、更にGCのターム取引とかもあるでしょうし、これらの決済がフェイルという形になると困るんですよね。

JGBCC分の決済は制度上JGBCCが決済に関する債務引受を行う筈ですので、差金決済とかやるのかなとか思う(詳しい人教えて)のですが、相対でリーマンと取引した人に関しては約定後受渡未済の取引に関してはフェイル状態になってしまうのでしょうから、このモノの処理どうするのというのは大問題の巻でして、相手の証券業者も困りますが、これってより一層困るのは投資家とかブローカーとか信託銀行(有価証券運用信託)とかだと思うのでありますよ。

表面上はレポなら現金担保取引だし、一般売買ならDVPなので別に与信上重大な問題が生じるわけではない(問題は問題なのですが)のですけれども、モノの受渡が行われず、しかも宙ぶらりんという状態になりますと、その処理ができんので大変困るのですね。

より具体的に申し上げましょう。例えばリーマンか22日発行の新発10年国債を買っていた投資家としては、この調子だと22日に取引がフェイルになっちゃいそうですが、まあ仮にフェイルになりましたとすると、金を渡さなくて良いので別に金だけ取られてモノ取りっぱぐれというようなアホウな事態にはならないですけれども、いつまでもフェイルということになると折角購入した新発10年国債はいつまでも転売できないという悲惨な状態に。これが証券会社だったらその分は別のところからレポで借りてきて転売すりゃあいい話でそのコストはフェイル賃徴収(出来るかという問題があるがそこは措く)で何とかという話になりますが、投資家の場合そもそもレポで債券借りるという事が事務上も制度上も手当て出来ていないケースが多く、この間何も出来ませんという話。その間に相場は動く訳でして、仮に民事再生の保全命令でているけど最終的にやっぱり破産処理とか言われて取引が後から遡及でデフォルトとかされると、今度は遡及でポートフォリオが変わってしまうのでなお勘弁してくれという話に。

逆にリーマンに国債売却してた場合もかなりの涙目展開。例えばの話どこかの投資家が一般受益者に対する支払いの為に債券を売ってたとしますと、この取引をフェイルにされますと当然ながら資金繰りに穴が開くの巻。これまた同じ理屈ですが、証券会社や銀行の自己勘定などであれば、受渡をしなかった国債を資金供給オペの担保やらGCレポの玉に使えばその分のファンディングは回りますので資金繰りそのものは回るのですけれども(コストは掛かるが)、投資家の場合そもそも論としてそういう取引が事務上も制度上も手当て出来ていないケースも多いです。しかも取引は不履行になっているわけではない(決済遅延状態)ので、対象債券を売り飛ばすと二重売却になっちゃいますし、保全命令が出ているので約定を遡及取消とかしたら後から管財人に否認されてもっと涙目の展開になるリスクがございますわな。

GCレートとか上昇してるのってリーマン絡みの取引で資金繰りとか玉繰りとかややこしいことになってしまっている為に資金を出す側が超慎重になっているのと、取り手の資金確保の問題と両方が相俟っている面があるように思えます。リーマン以外で信用問題が起きている訳でもない日本で足元の金利が上昇しているのは、海外でのファンディング懸念が波及(欧米でのドルなどの無担保取引ではだいぶレート上昇をしているようですし)している面は勿論あるのですけれども、決済リスクを意識してリスク回避の為に資金を抱え込む予備的な資金需要が増加しているという面が強そうに思えます。

当然ですが、火曜日よりも水曜日の方がフェイル取引が積みあがる分大変だったようでありまして、もうレポ担のお友達とか申し訳なくて電話もできません(というか電話しても「今忙しい」と5秒で終了するのですが、汗)がなという状態だったようでございます。皆様お疲れ様でございます。


とまあそんあ具合でありますので、保全の為に一旦取引を止めるのは致し方ないので業務停止命令が出たのは至当としても、国債流通市場の決済を止めるとどうなるのかとか考えた結果として民事再生申請→保全命令の流れになったのでしょうかと小一時間問い詰めたいです。22日には3/9月利払い債の決済が積みあがっているのですが、このまま漫然とスルーされても困るのよね・・・・・

というか、米国ではリーマン分の取引って止まってるの?止まってないの??約定はフェイルなの?デフォルトなの??



○国債発行が一部不成立となりました

昨日の金融ファクシミリ新聞の報道によりますと(とか言ってたら今日の公共放送ニュースでも報道されていましたけれども)、火曜日に払い込みが行われた2年国債と3か月FBの発行に関連してリーマンが落札した分の払い込みに穴が開いているようです。

まあ国債発行が1000億や2000億減ったくらいでは国庫の資金繰りに関しては蚊に食われた程度の影響なので全く無問題なのですけれども、リーマンが落札して転売している新発国債に関してはリーマンが意図せざるショートを振った形になってしまった訳でして、ポジションが動いちゃったですねという事になりますね。22日には
5年と10年で2500億円ちょっとの落札があったのですが、リーマンの債券ポジションいきなりその分意図せざるショート発生の巻で、取引復活させる場合に意図せざる再構築コストが掛かりますわなという感じです。ナムナム。

国債引受シンジケート団形式で発行される10年利付国債(と5年割引国債)の応募者登録なんぞとっくの昔に無くなっています(そもそもそういう話をする時点で年齢がバレてしまいますが)が、これもし応募者登録で新発買っている人とかいたらリーマンの取引分どういう処理になっていたんでしょうね。まあどうでもいい話ですが。


○時間が無いのでその他備忘メモメモ

・金融政策決定会合

すいません、明日のネタか土曜に追加発行するかします。リスク認識がなお警戒になりましたね。

・AIGの救済策

相手が機関投資家主体なリーマンは法的整理するけど、一般ピープルに影響が大きい保険会社は救済します・・・・こうですか、わかりません><

何か折角救済策出ているのに、情報ベンダー見てたらFEDの偉い人のコメントとかで国有化ではないとか言い出すのは腰が入っているんだか入っていないのだか良く判らん。最初はリーマン破綻=三洋証券破綻で、AIG救済=りそな救済かと思ったので、これはもう年末にはまた資産バブル発生ですよとかアホウな与太話をしていましたは、この感じですと残念ながら長銀の特別公的管理くらいのステージですかそうですか。

ここまでやるならもうちょっと根性入れて救済スキームを公表していただきたいものです。


・CPレート

一部で昨日は上昇という感じでしたが、FBレートの上昇が昨日の引け際に来たので今日はさすがに上昇するんでしょう。ということで事業法人さんにも影響が来るんですよ。この一連の動きが無かったらそんなに上昇する感じでもなかったんですけれどもねえ。


#多忙でなんかグダグダで申し訳ないです。
 


お題「損失額の話よりも決済システムの話が気になります」   2008/09/17(水)08:05:24  
 
決済とか受渡の関係者の皆様、昨日は大変お疲れ様でした。本日もバタバタするのでしょうか・・・・・

○裁判上の法的破綻は三洋証券以来でして

今回は民事再生申請で保全命令が出ました。まあどさくさに紛れて資産が海外流出されると困るから取りあえず売買全部止めとけという論理はわからんではないのですが、そのせいで決済関連はあちこち止まってしまい、結局毎度おなじみの市場関係者の自助努力でかなりの部分が回ったみたいですが、決済に関しては時間が随分かかって日銀ネットは延長になったみたいで、関係者の皆様お疲れ様でございました。


えーっとですね、ここでいう決済っていうのはインターバンクの資金取引というよりは債券(および証券)の決済に関するところでございまして、約定したけど受渡未済となっている(一応関係者じゃない人向けに申し上げますが、約定日から受渡日までは数日間のタイムラグがあります)取引の決済とかどうなるのよという話は何がどうなっているのやらという感じでございます。

リーマンが業者間などで取引してJGBCC(国債決済清算機関)経由で決済をしている分だとネッティングで決済額が減っていると思うのですけれども、投資家との相対取引の分とかどうなるのよという感じです。ご案内の通り昨日の相場では5年とか10年とか7毛強とかやらかしているので、リーマンから国債買ってまだ受渡が終わっていない場合、取引がフェイルになるのか、受渡不能になるのかのどっちなのかもワケワカラン状態のようですが、フェイルと受渡不能じゃあ話が違ってきますので、どっちになるのか決めてくれって感じでございますわな(ちなみに受渡不能だと約定後買ったものが価格上昇しているので、不能になったら上昇した分損害になります
わなという話です)。

既発の流通玉に関するフェイルだとまだしもなのですが、より懸念されるのは新発国債の部分。リーマンは22日に発行される5年国債と10年国債を合計で2500億円以上(2800とかでしたっけ)落札していまして、そのうちどの位を転売しているのかは存じませんけれども、この分って22日にリーマンが資金を財務省に払い込まないとその分発行されない事になってしまうのですけれど、その分の資金が確保できているのかどうか判らんですよね。新発の払い込みを行わないで新発の販売をフェイルしましたって話になった場合、受渡どうなるのよという話になるんですけれどもどうなるのでしょうか・・・・


22日受渡は3/9月利払いの国債の受渡が集中する日でございまして、未決済取引の部分もどうなるのかという話もあるんですが、実は22日と言いますと先物9月限の現物決済分の受渡日でもあったりする次第でありまして、リーマンの自己ポジションおよびリーマンが受けている委託の先物ポジションの中で現受け現渡し決済があったとしたら(正直言って無い事を祈るが)その決済どうなるのよというのも気になるのですよ。

受渡未済分だけ決済すりゃいいかというと、ポジション的にはショートになっているものってSCレポでの品借りを更にロールしないとその先に続かないのでして、新規取引が出来ない状態になっているので、未済分を決済してめでたしめでたしという訳にも行かない気がします。

ということでね、証券決済は資金と違ってモノの決済なので、いきなり全部止める攻撃をして必要なところに供給すればよいという手段は使えないのよねというお話になるんですけれども、民事再生申請で保全命令出すという流れって(資産保全の為にやったのでしょうけれども)決済システムという面ではちょっとお前それは無いでしょという感じになっておりますわなということで。



○まあいろんな手段を打たれましたが

資金供給額の話が案の定ニュースになっているのですが、資金なんぼだしても決済が回らないことには話にならんのでして、例えばFRBで言えば昨日まる引用したTAFやTSLFの拡大策とかの方がキモなのであります。

そんな中で昨日午前中に出された日銀のリリースは中々結構でした。
[外部リンク]
 


お題「リーマンがチャプター11」   2008/09/16(火)08:00:27  
 
いやはや何とも。まあ今朝は考えられる問題点を整理しておきましょう。と完全に俺様メモになっていますが。

○公的資金入れないのですかそうですか

ポールソン先生は端から公的資金入れる気無かったなどというKY発言をしておられますが、日本の不良債権処理からの教訓はどこへ行ったのやら。そもそも論として日本の金融恐慌第1弾って三洋証券破綻の時にインターバンクやレポを全部いきなりこかして一気に短期金融市場がシュリンクしちゃって資金繰りが回らなくなったのが連鎖を呼んだんですけどねえ。

ということで、マネーマーケッの周囲におりますところのあたくしと致しましては最大の興味というか懸念事項はリーマン絡みのインターバンクやらレポとか国債等の売買取引の決済がどうなるのかというのでありまして、それによって流動性問題が連鎖を起こさないのかというのが重要なのですが、経済専門番組様肝心の話をしてくれませんなあ。株価とか為替とかの値動きは確かに激震ではございますが、こんなのお約束通りであって専門番組としてのコメントを聞きたいんですがねえ(と思ったらコメンテーターさんCDS市場の話をしているのはちょっとマシですけど)。


それからですな、公的資金入れないとか抜かしてますけれども、公的資金入れないでリーマン絡みの取引が全部ちゃんと決済されるのですかというのは物凄く気になる次第。取引をちゃんと決済しないと金融市場での取引が思いっきりシュリンクして資金繰り問題の連鎖になって三洋→北拓→山一パターンになるんですけどねえ。

・・・・・と思ったらFRBのリリースが。
[外部リンク] collateral eligible to be pledged at the Primary Dealer Credit Facility (PDCF) has been broadened to closely match the types of collateral that can be pledged in the tri-party repo systems of the two major clearing banks. Previously, PDCF collateral had been limited to investment-grade debt securities.

The collateral for the Term Securities Lending Facility (TSLF) also has been expanded; eligible collateral for Schedule 2 auctions will now include all investment-grade debt securities. Previously, only Treasury securities, agency securities, and AAA-rated mortgage-backed and asset-backed securities could be pledged.

PDCFやTSLFの対象証券が拡大するという形でFRBの流動性供給策は拡大実施となりますというお話なんですけどね。

These changes represent a significant broadening in the collateral accepted under both programs and should enhance the effectiveness of these facilities in supporting the liquidity of primary dealers and financial markets more generally.

Also, Schedule 2 TSLF auctions will be conducted each week; previously, Schedule 2 auctions had been conducted every two weeks. In addition, the amounts offered under Schedule 2 auctions will be increased to a total of $150 billion, from a total of $125 billion. Amounts offered in Schedule 1 auctions will remain at a total of $50 billion. Thus, the total amount offered in the TSLF program will rise to $200 billion from $175 billion.
TSLFの枠を拡大しますですかそうですか。

The Board also adopted an interim final rule that provides a temporary exception to the limitations in section 23A of the Federal Reserve Act. It allows all insured depository institutions to provide liquidity to their affiliates for assets typically funded in the tri-party repo market. This exception expires on January 30, 2009, unless extended by the Board, and is subject to various conditions to promote safety and soundness.

対象も拡大しているように読めますけど。とひたすらマル引用で申し訳ないですが一応ご参考までに。


・・・・でもね、結局のところリーマンが取引当事者になっている取引の決済を円滑に進めてあげませんと、それこそ危ないとか言われるところとの取引を行う人が全くいなくなってしまい、結果としてそういうところが市場取引(というのは無担保取引じゃなくて普通の債券売買とかでも)で流動性確保することが大変に困難になりますので、PDCFやTSLFの枠の増加で追いつかない可能性もあるんですけどねえ。と、97年以来の市場を体感しております年寄りさんは思うのでございますが。


ポールソンやバーナンキはその辺の状況ちゃんと理解してリーマンをこかしたと信じたいのですが、はてさて・・・・・・



○ということで市場の反応ですけれども

まー当然ながら債券市場では国債が物凄い勢いで急騰してて、質への逃避ってお話になっているのですよね。

でもね、97年当時のことを思い出しますと、やはり日本でも先程申し上げましたように国債に質への逃避は起きたんですよ。起きたんですけれども、インターバンクが機能不全になって、流動性問題が生じてしまったので国債といえども換金売りの対象になっちゃったというおそロシアな事態になっちゃいまして、換金売り対象になった中期国債(当時は中期国債は非上場で長期国債は上場で、輪番オペの対象は上場国債の一部だったので換金性に差があった上に、中期国債の一部は特定の金融機関がアホほど持っていた)がいきなりゲロゲロになってしまうとか、イールドカーブが2年辺りが持ち上がって長期が下がってというツイストフラットになってみたりとか、まあ中々な展開だったんですよね。

つまりですね、何を申し上げたいかと言いますと、とりあえず米国市場で債券に買いが入るのはまあそうなんですけれども、換金売りモードとかになると必ずしもそうではなくなるので動向を良く見ておかないといかんかなと思うのよ。勿論ですが、国債と非国債のスプレッドは拡大するんでしょ。


そーいや朝の経済専門番組(と称する地上波のテレビ番組)のコメンテーターがCDS取引の損失連鎖みたいな話をしておりましたが、そっちよりもインターバンクの流動性問題を話題にしていただきたかったと思う次第。まあCDS取引自体にあたくし不勉強にも程があるのでよー知らんのですけれども、常識的に言ってCDSってクレジットイベントが発生すると元本交換が発生するものなのですから、カウンターパーティーの与信管理って金利スワップみたいな元本交換の無いものとは別のロジックで管理してるでしょと思う次第。

ただまあCDSを組み込んだレバレッジを効かせた証券化商品とかになってしまうとまあちゃんと管理してなさそうな悪寒もするのでして、それこそ先日の日銀レビューにございましたハイブリッドなCDPOとか中々おそロシアな事態になると思うのですけれども、ポールソンやバーナンキは(以下同文)。


日本に関してはとりあえずリーマンが絡んだレポとか(さすがに無担保コールは無いと思うのですが)通常の債券売買とかは無事に決済して下さいね(はあと)という次第でございますが、日本法人が民事再生を申請して保全命令が出たらその決済法律的にどうなるのよというのは超超気になるので教えてエロイ人。

まあそんな訳で完全に俺様メモなのでありました。
 


お題「いつもの煮詰められないネタ/決済システムのレポート」   2008/09/12(金)08:06:15  
 
週末3連休ですかそうですか。

○埋蔵金レボリューションズ

このネタは毎度ながら良く判らん。

[外部リンク]
 


お題「相場がアレでしたので相場雑談で勘弁」   2008/09/11(木)08:01:40  
 
朝起きて携帯電話のiチャンネルを見たら「リーマンブラザーズ株価約45%下落」というヘッドラインがあるのだが、それは火曜日NY市場のニュースであります。中身見たら昨日の21時配信とかでして、その時間はリーマンの決算発表後で株価が戻りだしてるのですが。配信しているどこぞの報道機関は華麗に切腹すべきかと存じます。


○半分お返しですかそうですか

昨日の債券市場、というか債券先物の動きでございますが、カレンダースプレッドは▲57銭といきなり前日の最終売買価格から40銭上昇してスタートして高値▲50銭でしたが、その後また下やって安値が▲72銭になって最終売買価格は▲70銭。でも先物の最終売買価格を見ると9月限が136円88銭で12月限が137円41銭なのでこれで見るスプレッドは▲54銭と何という怪しさ爆発の乖離。現物の引けから考えると▲60銭くらいになりそうな気がする(ちゃんと計算してないけどたぶん)んですが、もう最後の3日で大荒れしまくった今回の限月交代の最後を飾るにはふさわしい動きで。

10年273回債と276回債の引けを(めんどいので)単利比較をすると、火曜日は単利で9毛ひっくり返したのですが(結果15毛逆イールド)でしたが、昨日は5毛お返しの巻(なのですが依然10毛逆イールド)と相成りました。まあ相変わらず274回〜281回くらいまでのゾーンのイールドカーブが無茶な状態になっておりますが、何せ先物の需給がおかしくなって、なおかつ参加者にそれを成敗する勢いも無し(昨日申し上げましたように)という状況は困ったもんでありますな。

ちなみに昨日はカレンダー出来高5401枚しかないのも何か素敵でございまして、昨日の速報ベースで33432枚も当限建玉残ってたのですが(確報確認してませんすいませんすいません)、これもまた微妙にファンタスティックな先物当限の売買最終日なのでした。

#本当の終了は現受現渡が終わった時点ね


○で、今後相場の動きを見るには何を参考にすべきか

ま、昨日の相場はそんなこんなで12月限の超割高修正をする動きになったのですが、結構最初のうちはカオスな展開であちこちのゾーンが強かったり弱かったりしたので、本当の相場の位置ってどこなのよという感じでしたが、まあ昼過ぎくらいになったら5年と10年のカレントが若干のスティープをしつつ前日比1毛程度甘いという展開になりました。

超長期とか相変わらずみたいで、上がっても下がっても全然動かんの巻になってたようですが、これはまあ以前からの仕様ですのであまり驚かず(でもまあ動かないねって感じはしますが)ということで、相場の動きとして何見るのかといわれたら5年と10年のカレント見るのが適当っぽい気がします。ただ10年カレントゾーンって9年半あたりと比較してカレントプレミアムがついていまして、そんなプレミアムがついてないのが5年カレントですから、今の状態という限定的状況下では5年のカレントのプライスアクションでも見てれば大体相場の動きが判るんじゃなかろうかと思うのであります。

先物チーペストが手前対比逆イールドというアホアホ状態が解消されてくれませんと、先物が相場変動のバロメーターにもならないという悲しい状態になってしまう次第でありまして、位置が良く判らんとなると投資家の売買の手も出にくくなってしまいますし、昨日も申し上げましたが先物での現物売買のヘッジ機能がワークしないとなればマーケットメーカーの要求する流動性リスクプレミアム(要するにAsk-Bidのスプレッド)も拡大しますし、全く持って誰も得しない展開なのは困ったもんであります。


○短い所の雑談

債券先物の素敵な値動きに翻弄されてすっかり短い所の話をしておりませんでしたので少々。と申しましてもこれまた微妙に訳の判らん展開になっているのでありますが。

昨日は3か月FBの入札が行われたのですが、先週まで0.57%台だったのにいきなり58をスルーして0.59台の落札。前場引けの時点で59オファーだったみたいですので、まあ59台なのはそんなもんかいなという感じですが、テールがやたら短く、セカンダリーではあっさり買いが入って引けは0.58%でビットサイド。

ま、前日および当日前場の板からして0.59台で入札やりそうな感じでしたので、
たくさん買いたい人が珍しく入札前まで我慢して札入れのところでがっつり行った
という所だったのでしょうか、ここの所入札前は確りするのに落札出ると平均の
オファーがやたら重くてあっさちヘロヘロになるという展開が連続していたので
すけれども、今回は珍しく買い方お上手。

そのどさくさに紛れて6か月だの1年だのもレートが低下してたのが謎なのですけれども、まあ待機資金というかキャッシュつぶしというか、そっちのニーズは相応に存在するでしょうから、FBのレートが上昇した所で動きがあったのかもしれませんですね。16日渡しだから積み期間変わるし。


ところが、資金供給オペの金利は足元で上昇してるんですなこれが。昨日のオペでは9月25日エンドの方が0.568/0.56と上昇してまして(月曜日は19日エンドで0.540/0.54)、こちらを見ると足元上昇の感じ。ただGCはクーポンGCの関係もあるので微妙なのですけれども、レギュラーの所では積み最終日要因があった火曜日の0.58〜0.59だったのに対して昨日は0.53近辺と普通のレートに、うーむ。

3か月のオペ金利はそんなに上昇してませんでしたが、足元の方が上昇したことからFBの9月償還の気配が若干上昇。その一方でCPでは10月償還ものがやや嫌がられているようでそっちのレートが上昇傾向と、参加者の違いが微妙に反映された動きになっております。

でもまあ総じて言えば徐々に期末っぽくなってきた感じじゃないでしょうか。


#というわけで、市場メモをダラダラ書いて終了で申し訳ないです。以下おまけ


○ちょっとだけ雑談

・景気対策で利上げ????

与謝野先生恐ろしい斜め上な話を・・・・・

これはですな、きっと与謝野センセイが身を張ってトンデモホイホイになろうということなんですよ。与謝野センセイに投票した議員はトンデモ金融政策論者であるという事が判明する良い検定試験なんですよ。

・・・・ああまったくもう頭が痛い。


・GSEにCDSイベント

おじちゃんあんまり(というか全然)詳しくないのですけれども、GSE救済策に関しては債券に対するCDSイベント扱いらしいのですが、利払い償還に関しては政府の暗黙のサポート体制が確認されるような声明が出たんですからこれって何か債券持ってる人的に必ずしもアンフェーバーな話じゃない(むしろフェーバーな気がする)のですが、プロテクション買ってる人ってこれによってわざわざ債券渡しちゃうんですか???何かさっぱり判らないのですけど、渡すか渡さないかってプロテクションの買い手のオプションじゃないんですか?

・・・・そんなのも知らんで質問するなですよねそうですよね(超大汗)。

#今後の展開に超注目なのであります、その前にちゃんと勉強しないといかんが
 


お題「世界のJGB」   2008/09/10(水)08:03:45  
 
どうも今年になってからは3の倍数の月になると超越アホ相場が展開される仕様になっているようでございまする。

という訳であまりの相場なので相場メモメモ。

○先物中心限月の割高ロール????

昨日の債券市場はもう先物のカレンダースプレッドが話題というか笑いというか唖然というかもうエライコッチャになったのはご案内の通りでございます。

カレンダースプレッドの値動きですけれども、前場は0銭まで戻る(前日はマイナス)場面もあったのですが、その後ジャンジャン下落して▲50銭近く(確か▲47銭)まで下落。その後5年入札後の後場になるとカレンダーもう一発下がって▲60銭近辺で暫く揉んでいたのですが、引けに掛けてなおもう一発下落して安値▲107銭で最終出合いは▲97銭。

どの位無茶なレートかと申しますと、昨日の引け値で9月限と12月限のチーペスト相当の273、276回が単利でそれぞれ1.175%に1.025%なので、なんと単利15毛逆イールドの巻となってしまいました。

先物独歩高とか言ってたのが先週の金曜でして、まあこの時点で270回と273回の関係が単利で7.5毛逆イールドとかでしたので、先物中心限月の割高さ(12月限はこの時点でも9月限と並んで高かったとは思うのですが)が凶悪になってロールされたという形になったという所でしょうか。


ま、9月限チーペストゾーンが手前対比で逆イールドになっている部分に関しては先物終了と共に中期債カテゴリーに入って手前に鞘寄せされるという現象はまあそうですねという所でして、270回と273回の引けが単利ベースでそれぞれ1.195%に1.175%となってまして、修正はだいぶ進みましたな。チーペストのスクイーズみたいなのが起きて当限先物だけ独歩高という現象は過去にも起きたことがありますが、その時は当限チーペストが先物終了後に修正されてチョンという結果になるんですけど、今回の場合は12月限チーペストゾーンに(というか12月限に)割高を移行というわけのわからん展開。

まー月曜の時点で既に5年VS274〜6回ゾーンってインバートしてたのですが、昨日の引けベースで新発5年75回VS274〜6回ゾーンは5毛くらいインバートの巻と相変わらず無茶しやがって状態になっております。

まあ簡単にまとめてしまえば、先物ロングにしている人のロングロールに対して、割高な当限を買い向かう人が居なかったのでこんな事態になったという所なのでしょうが、ロールされて先限がそのまま(というかより一層)割高になるとかどんなプレイだよという実に不可思議千万な相場なのでございまする・・・・・・

しかしまあ昨日は異例ずくめでして、カレンダースプレッドが一日で高安107銭とかそんなの見た覚えないですし、売買高にしても当限27261枚で先限17738枚に対してカレンダースプレッドが38280枚ってカレンダーの方が出来高多いのかよという結果にも呆れるという感じでした。



○かなり妄想の世界になりますが背景について愚考してみる

まず先に申し上げますと、この先物のわけわからん展開は誰に聞いても「結局のところ何がどうなっているのか判らん」という所でして、いやまあ色々とお友達と世間話しながら勝手に妄想を逞しくした産物なのであまり真に受けないで下さいませなのでございまする。


前回3月にも先物アホアホ相場が展開されたのですが、あの時の背景としては先物売り建てになっていた人の強制閉店などがトリガーになって先物の需給が一時的に悪化という図だったと思うのですな。その後4月になって海外のインフレ懸念とかがネタになった時には先物の割高はかなり解消されましたし、ピーク時でも先物「だけ」が飛ぶという絵になってましたし。

で今回ですが、そもそも論として先物をロングロールしてなお一層割高な先物を買うという経済的な意味がさっぱり判らん。チーペストをスクイーズしてる訳でもなさそう(276回のSCレポは大変になったみたいですけれども、そりゃまあここまで割高にされたら入れ替えベースで売りたくなる投資家多いでしょうからレポしてる場合じゃないわなというのは判りますのでレポ締まるのはやむない面大有り)ですし(てかチーペストスクイーズとかするなら当限で完結する話ですわな)。

そんなこんなでつらつら考えたのですが、これは結局「債券先物を根っ子でロングにしているファンドみたいな人が何も考えずにロングロールしているんじゃねえのか」という妄想成分が高い説にたどり着きました(笑)。金融不安だの世界的景気後退だのをネタにして債券のロングポジションを作っているファンドみたいな人にとっては、レバレッジが効くしカウンターパーティーリスクとか殆ど考えなくていい先物でのポジション構築が効率的ですから、こいつらにとってみたら債券先物のお値段は「5桁の数字」であって、別にイールドカーブ上先物独歩高とかそんな細けえ事はどうでも良いって論理になっているのではないかという勝手な想像を。

つまり、この人たちにとっては現物は(金も資本も食うので)ポジショニングできないけど先物ならおっけーなので、現物対比先物が割高であろうともポジションを先物対比割安なほかの現物に乗り換えるなどという事はできないしやる気もないとなり、おかげで割高な先物は割高なままで、買ってるファンドも別に得はしないし、先物が壊れてしまって機能しなくなるので、実際に現物の売買してる人たちも得はしないという誰も得しない展開。

何かね、この先物のアホアホな動きを見てますと、原油市場で大暴騰して急激調整(今朝は101ドルとかでしたっけ)しているのも、単にファンドか何かが先物をロングにして突っ込んで、それが去ったら修正されたとかいう図なのではないかとか思っちゃったりしてなのです(笑)。


従来ですと、こーゆーアホ展開になってもアービトラージャーとか投資家が割高を成敗して割安を助けるオペレーションをしてくるので、一定の所で歯止めというのが掛かっていたのですが、サブプライム問題から始まった業者の体力低下、債券先物のシステム変更による参加者の減少、他にあるとすればマーケットメーカーの体力低下で流動性が落ちた(債券先物が壊れた影響もありますが)とか、あと言うなら運用部門のパッシブ傾向とか、リスクテイカーが激減してしまっているので、もう歪みが歪みのまま進行しちゃうという状態になっているのでしょう。


○先物がおかしくなってさてどうなる

これまた妄想成分が高いのですけれども。

そんなわけで12月限がおかしなことになってしまいましたが、こうなりますと現物売買のヘッジに先物を使うのはちょっとしたポジションでもおそロシアという事になりますので、ヘッジはどうしますかとなるとこりゃもう10年と5年のカレント現物でヘッジする方がよっぽどマシという展開になりそう。

で、ヘッジャーが去って流動性が一旦落ちますと、アウトライターも避けるというような展開になってくれば、益々債券先物が独自のアホアホマーケットになってしまうという悪寒が。まあ東証ざまあと言ってしまえば済めば良いのですけれども、先物受渡適格最割安銘柄を通じて現物のカーブ形成(既にカーブでもなんでもない形状ですが)に影響を与えるので困るのであります。

まあ先物のシステム変更だけが悪い訳ではなくて複合要因ですけれども、ヘッジャー的に言えば先物の流動性と市場の厚みを薄くしたシステム改悪(先物をブンブン振り回す投機筋の一部には評判が良いらしいですが)は要因として結構大きかったと思う次第でして、東証は物凄い勢いで反省すべきであり、アンディー齋藤様におかれましては可及的速やかに丸坊主にでもなるべきであると存じますがどうでしょうかね。

どっちにしろ、今の状態だと先物12月限は本来の機能をしなさそうですので、そーゆー意味ではカレントから離れた銘柄とかで大口やら逆に超小口の売買とかは要求されるAsk-Bidのスプレッドが拡大する懸念がございますということで、結局業者も投資家も得しない展開でございますな。


○世界のJGB

という訳で昨日の相場の話と途中からは物凄い勢いであたくしの妄想全開の与太話になって恐縮至極。しかしまあ今年に入ってからは3月は閉店ラッシュで先物大爆発、6月は何か急に相場アホ売られ(おまけを言えば6月末にCPレートが大暴騰しましたな)して、9月はこの有様ということで、3の倍数月になると相場が壊れるのがJGBの仕様になっているようでございますわな。

いやまあ何と申しますかもう勘弁して欲しいのですが・・・・・
 

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