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今朝のドラめもん(金融政策ウォッチ)

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お題「FOMC声明文/展望レポートですな」   2010/04/30(金)08:09:35  
  水曜の引け後(欧州の朝方)のギリシャ国債は中々のヒャッハー状態でしたな。


○FOMCは予想通りガイダンス文言の変更無し

FOMC声明文。
[外部リンク] received since the Federal Open Market Committee met in March suggests that economic activity has continued to strengthen and that the labor market is beginning to improve.』(今回)

『Information received since the Federal Open Market Committee met in January suggests that economic activity has continued to strengthen and that the labor market is stabilizing. 』(前回)

「安定している」→「改善を始めている」という事ですのでこれはこれはという感じですわな。じゃあこれで利上げが早まるかと言うとその辺りは以下でご紹介するように、ガイダンスの文言とかを変更しないことによってバランスを取っているという感じですな。


・消費も判断引き上げているけれども、背景の認識を変えない

『Growth in household spending has picked up recently but remains constrained by high unemployment, modest income growth, lower housing wealth, and tight credit.』(今回)

『Household spending is expanding at a moderate rate but remains constrained by high unemployment, modest income growth, lower housing wealth, and tight credit. 』(前回)

家計消費支出に関しても「緩やかなペースの拡大」から「成長が引き上がっている」というような説明になって判断上方修正しているのですが、抑制されている理由に関しては変化無しと。

・企業支出とか住宅セクターとか銀行貸出とか

『Business spending on equipment and software has risen significantly; however, investment in nonresidential structures is declining and employers remain reluctant to add to payrolls. Housing starts have edged up but remain at a depressed level. While bank lending continues to contract, financial market conditions remain supportive of economic growth.』(今回)

『Business spending on equipment and software has risen significantly. However, investment in nonresidential structures is declining, housing starts have been flat at a depressed level, and employers remain reluctant to add to payrolls. While bank lending continues to contract, financial market conditions remain supportive of economic growth. 』(前回)

新築住宅の判断が若干引き上げられていますが、その他に関しては変わらずと。


・現状判断のまとめ

『Although the pace of economic recovery is likely to be moderate for a time, the Committee anticipates a gradual return to higher levels of resource utilization in a context of price stability.』(今回)

ここの文言は前回と全く同じです(^^)。


・インフレに関する文言も同じとな

『With substantial resource slack continuing to restrain cost pressures and longer-term inflation expectations stable, inflation is likely to be subdued for some time. 』(今回)

これまた前回と全く同じで。かなりの資源活用のスラックが物価上昇圧力とより長い期間のインフレ期待を安定化させるので、インフレは暫くの期間抑制されるでしょうというのは見事に変わりませんな。


・で、ガイダンスも変更無し

『The Committee will maintain the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and continues to anticipate that economic conditions, including low rates of resource utilization, subdued inflation trends, and stable inflation expectations, are likely to warrant exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period. 』(今回)

まあ予想通りですけれどもガイダンス文言の変更はございませんでした。異例の低金利が相当の期間に渡って維持されるでしょうという理由に関しても資源の活用の低さ、抑制されたインフレトレンド、安定したインフレ期待という3点セットには変化無しということで。

以下は流動性プログラムに関する部分で比較的どうでも良いので割愛。


・ホーニッグさんの反対理由に「利上げ」に関する文言が

でまあ今回もホーニッグさんはガイダンス文言に関して反対したのですが。

『Voting against the policy action was Thomas M. Hoenig, who believed that continuing to express the expectation of exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period was no longer warranted because it could lead to a build-up of future imbalances and increase risks to longer run macroeconomic and financial stability, while limiting the Committee’s flexibility to begin raising rates modestly. 』(今回)

『Voting against the policy action was Thomas M. Hoenig, who believed that continuing to express the expectation of exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period was no longer warranted because it could lead to the buildup of financial imbalances and increase risks to longer-run macroeconomic and financial stability. 』(前回)

前回の反対理由は「ガイダンス文言の維持を行う事は、金融の不均衡を積み上げ、より長い期間におけるマクロ経済や金融の安定に対するリスクを拡大させる」となっていましたが、今回はその後に「FOMCが金利を徐々に引き上げる事を開始する事に対する柔軟性を制限する」というのを付けまして、反対のトーンが強くなっていますな。


○循環と構造のバランスのとり方

んな訳で今回のFOMCではガイダンスの文言を変えないのは普通に予想通りの世界ですけれども、上でご紹介しましたように、現状判断を引き上げながらも、より改善に時間のかかりそうな構造的な部分に関しては従来の判断を継続するという形になりましたな。

まあギリシャ問題の方が目先は大きいのかも知れませんが、何となく後付け講釈だとFOMCの低金利継続期待とイニシャルクレームの改善を債券と株とで好感しているという反応らしいものを示している所が実にこう楽観的なメリケンクオリティとも思いますが(^^)、まあその辺りは確かに見せ方が難しいですねという感じです。

一方、日銀ちゃんは今日の展望レポートという大ネタ(は良いのだが5連休前しかも月末の引け後(15時)に出すんじゃなくて28日に出して頂きますと有難く存じますのですが)がございますが、こちらでは白川総裁が物凄い勢いで循環的な回復の話をするという先般の記者会見にありますような有様なのがひじょーに懸念されるのでありますが、日本の場合はレバレッジ拡大し過ぎて不良資産問題というのは確かに軽いかもしれないけど、物価の方が相変わらずうんこな状態になっているという問題はあり、財政は楽しく発散過程入りっぽいわ、成長期待は全然盛り上がらないわという事ですし、それ以前の政治的な問題を考えたら、またどこかで追加緩和カードを切らないと行けないと思われる状況でもあります。

というような状況をつらつら考えると、まあ展望レポートでそんなに上振れを強調する必要があるのかよという気はしますわな。大体からして現状で金融緩和を継続していても日本の場合は(残念ながら)経済の不均衡拡大とかいうような場面でも無いでしょうし、まーそーゆー事を考えると日本は金融緩和政策を引っ張り易い環境にあるのですから、あまり循環的な回復を強調する必要もないと思うのですが・・・・・・


ということで、まあその辺りのバランスのとり方が変だとまた対話(誰との対話なのか良く判らんが^^)で苦労するんじゃないですか、という気がしますけど、先般の西村副総裁の講演&会見ではその辺バランス取ってたような感じがするので、多分出てくる公式文書は大丈夫なのでしょうけれども、何かまた総裁会見で飛ばしてくれるかもしれないなというのがリスクではないかと・・・・
 


お題「各種雑談/BOEが国債買入の話をスルー気味な件について」   2010/04/28(水)08:11:17  
  お縄一郎キタ-------------(・∀・)-------------っと。

○まずは雑談

・格付け会社雑談

何かS&Pがギリシャの格付けをBB+格に下げたと言う事で話題になっているようですが、ソブリン格下げと言えば年寄りはアジア通貨危機を思い出すのでして、そういやあ韓国とかの格下げスピードはとんでも無かったわなというのを懐かしく思うのですが、先般のサブプライム関連問題でも格付け会社がコロコロ格付けを変えていたりして、何と申しますかどういう判断基準でそうコロコロと格付けが変わるのかという感じがしますけど。

つーか、そもそもギリギリになって思いっきり格下げとか、単にそれは市場のプロクシカリティーを加速させるだけの作用にしかならないのでありまして、そういうのを事前に分析するのが格付け機関の仕事じゃねえのかという気がするんだが、って格付け機関だけじゃなくてアナリストも同じか(^^)。

だいぶ前のエントリーですが厭債害債さんが以前こんなエントリーを書いておられますので懐かしく読みませう(^^;

[外部リンク]

[外部リンク] immediate policy decision』の第26パラグラフから。

『For many members, the developments at home and abroad over the two months since the publication of the February Inflation Report had helped ease concerns about some of the downside risks to the near-term economic outlook for the United Kingdom. Output looked more clearly to have begun to recover at the end of 2009 and, abstracting from the effect of erratic factors, with a momentum that appeared to have been carried forward into the beginning of 2010. That was broadly as had been anticipated as the most likely outcome in the Committee’s February projections. Moreover, short-term interest rate expectations had fallen. And, notwithstanding this month’s appreciation, the sterling effective exchange rate index was lower than two months ago. Those factors should also support growth.』

ということで、先行き見通しの中で国債買入による効果の話はすっかりスルーとなっていて、(この前のマネーに関する討議部分でもそうなのですが)金融面においては「市場の短期金利予想が低下している」という話は出てくるのですが、すっかり量の話はスルーという状況になっているのでありました。

んでまあ27パラグラフと28パラグラフは先行き回復のメインシナリオに対するリスクの話でして、ダウンサイドリスクはユーロ圏経済とソブリンリスク、そしてインフレのアップサイドリスクについては商品価格の上昇と、足元のインフレ率上昇が現在アンカーされている一般のインフレ期待を押し上げるリスク、という風に指摘しています。で、その結論の29パラグラフ。

『Looking ahead, there remained a number of factors restraining activity and inflation. These included the impairment of the banking sector, the need for fiscal consolidation in the United Kingdom and elsewhere, and despite some recovery in activity, the continuing degree of spare capacity in the economy. Offsetting these downside factors were the past depreciation of sterling and the exceptional degree of monetary stimulus. There was a range of views among Committee members about how the balance of risks to inflation and activity had altered over the past few months. But, overall, the Committee agreed that it was appropriate to maintain the current stimulatory stance of monetary policy at this meeting.』

ということで、先行きのダウンサイドリスクや、景気回復を阻害する要因(銀行セクターのバランスシート調整、財政支出によるサポートが必要な点、経済全体の過剰生産力)に対してカウンターになるのは以前から継続しているポンドの下落と異例の規模の金融緩和という話になっていますので、まあここでは金融緩和政策の効果の話をしているのですが、国債買入がどうのこうのという話はどうも華麗にスルーされているっぽいのが実に味わい深いものを感じるのでございます。

BOEはどう総括するんでしょうかね(^^)。
 


お題「虫干しネタやら雑談ネタやら」   2010/04/27(火)08:08:34  
  米国の利上げ観測って海の向こうから見ていると「またまたご冗談を」と思うのですが(資産バブル崩壊後の動きを確り見ていたからニッポンジン的に更にそう思うのかもしれないけれども・・・)そんなに盛り上がっているのでせうか???

○CPオペの残高が落ちる件についてなど

CP買現先オペなんですけれども、過去に実施した分がドンドン期落ちになりまして、残り2本で5000億円ちょっととなっています。で、そのエンドが2本同時に明日来るのですが、それをロールするのであれば昨日実施(スポットスタートだから)するものなのですが、昨日も堂々のCP買現先見送りでござるの巻。

ということで、CP買現先オペはめでたく(かどうか知らんが)残高ゼロと相成りましたので、今後は一応道具として必要な時に発動できるように期末前に1回単発的にオペを実施するという避難訓練モードという平時の運用に戻るということになりそうでございます。まあ既にこの辺りは織り込み済みですし、運用する資金はあって発行企業のCP発行需要は伸びないと来ていますので、特にまあ問題は無いでしょう。

そういや以前「10月のCP買現先オペ増額がCP金利を引き下げる効果があった」というどう見ても結論先にありきの市場感覚まる無視レポートが日銀から出ていて悪態を軽く書かせて頂きましたが、将来何らかのストレスが発生した時にこのオペを増額すれば金利が下がるかというとそれは時と場合によるでしょうけれども、ストレスが掛かっている時っていうのは大体バランスシート制約の問題がありますので、「現先」単体ではあまり意味がない(問題が単にファンディングだけなら現先だけでも意味があるけど、普通そういう環境にはならないと思う)ので、その辺に関してはくれぐれもお間違えの無いように願いたいと存じますです、はい。


○証券決済期間短縮とかフェイル慣行定着は正論なのですが・・・・

不覚にも金融ファクシミリ新聞で気がついたのだが。

[外部リンク]

この件と証券決済期間短縮の件に関してが日証協やら短取研関連での最近の大ネタのようでございますけれども、まあ証券決済期間の短縮に関しても内国債の売買(レポとか現先も含めて)でフェイル慣行を定着させて短縮化した決済を円滑に回すというような話に関しても、それは正論は正論なのですが、じゃあべき論で突っ走れば良いのかというとそれは別問題ジャマイカと思うのですが。

まあ細かい話は置いといて、結論にワープしますとこれって受渡実務の部分とかを詰めればそれでハイ実行という単純な話では無く、計理規定とかの「実際の会計処理をどうするのか」みたいな話の細かい部分が実際にやる場合には重要なのれす。で、まああ日証協はちゃんとその辺は詰めるのが仕様なので問題無いと思いますけれども、これは業者だけで話が済む話でも無くて、投資家サイドの方での計理処理とか運用に関する規定とか(自己勘定は最終的にどうでにもなるようだがやはりややこしいのは他人勘定とその受託)をきっちり詰めないでエイヤーで発車しちゃうと肝心のフェイル慣行が相変わらず定着しないままでフェイルのチャージだけ始まって業者の負担が一方的に増えるだけとかいう結果になりかねない悪寒が。

#導入が米国と同じスケジュール感というのにも違和感があるし

それから、(ここには無いですが)証券決済期間短縮もT+2にするのならまだそれほどややこしいことにはならないとは思いますが、ただまあ業者や銀行のトレジャリー部分などでは資金繰り管理がまさに本業の一部であるので1日期間短縮で支障は生じないでしょうけれども、投資家サイドでは資金繰り管理が運用とは別のレベルの話になっているケースも多々ありまして、それはそれで何か対応が必要になって来ると言う話でしょうな(大体からしてリアルタイムの資金やポジション管理をするようなパッケージシステムが銀行や証券じゃない投資家向けにあったっけという気がするのだ)と思います。T+1にされたら死亡確定なのですけどね(--;

別に証券決済期間短縮するなとは申しませんが、あまりにもべき論の究極まで持って行きますとシステム対応の投資が死ぬほど必要になると思われるのでございして、短期金利が鼻糞のような水準ですと只でなくさえ受託業務とか短期資金取引とかでの収益が上がらない状態ですので、T+1だのという話はデフレを脱却して頂きまして政策金利が堂々2%(せめて1%)位になった所で実施して頂きますと助かりますなあと思うのでした(苦笑)。


○コーン副議長講演の更に続き:プライスレベルターゲットに関して

どうも引っ張ってすいません。

[外部リンク] approach to this problem is for central banks to target a gradually rising price level rather than a constant inflation rate. Imagine a plot of the consumer price index (CPI) from today onward increasing 2 percent each year. Central banks would commit to adjusting policy to keep the CPI near that line.』

グラフでも描いて張り付ければ良いのですが(時間とスキルが無い)書いて説明すると、「物価安定の目標の安定化の為に「年率2%の上昇になるようなレベルでのターゲットを設定」するという方法。つまり前年比ではなくて先行きまでのレベルが1次関数のグラフみたいに示されるという話ですわな。

『The advantage of this approach, in theory at least, is that when a negative shock drives prices below the target level, people will automatically expect the central bank to increase inflation for a while to get back to trend. In principle, that expectation would lower real interest rates without the central bank changing its inflation commitment, even if nominal interest rates were pinned at zero. It could also make it easier for people to make long-term economic decisions because they could anticipate that inflation misses would be reversed over time, reducing uncertainty about the future price level.』

で、このアプローチのメリットとして言われるのは、まず第1に「前年比」ではなくて「具体的なレベル」を目標にしているので、何らかのショックで例えば前年比の物価上昇が少なかった場合には、「プライスレベルに戻すために」金融緩和を継続するという形になるので、結果としてその後の前年比ベースで見た物価上昇期待が高まる(逆ゲタを履く分を挽回しないといけないから)ので、実質金利をより引き下げることができるという言ってみれば「前年比ベースで見たインフレ目標の自動修正装置」が付くというものと、「人々の経済活動における物価変動期待の安定化」という観点からすると、将来の物価水準をターゲットにしているので期待が安定化しやすいという事ですな。

『While I appreciate the elegance of this price-level-targeting idea, I have serious doubts that it would work in practice.』

ということで、アイデアとしては非常に美しいのだが金融政策運営の実務としてワークしないという話をしています。ポイントは以下の通り。

『Central to the idea is that the Federal Reserve would be committing to hit a price level that was growing at a constant rate from a fixed point in the past. The specific inflation rate that could be expected in the future would change over time, depending on the inflation that had been realized up to that point. You could know what inflation rate to expect only if you knew both the current consumer price index and the Fed’s target for the index in the future. In addition, the inflation rate that you could expect would be different for different horizons.』

『 Moreover, central banks are able to control inflation only with a considerable lag and even then only imprecisely, so the process of hitting a target would likely involve frequent overshooting and correction and consequently frequently shifting inflation objectives.』

正直、前半部分の途中の意味が何となくは判るのだがちゃんと訳せない(あほです)のでスマンカッタのですが、プライスレベルの固定はいいのだがそれによって物価上昇率のターゲッティングという点では色々な期間を取るとぶれてくるとかいう指摘をしているような気が(汗)。まあそもそもプライスターゲットのアイデアのキモは過去の一時点からコンスタントな上昇率での物価上昇にコミットすることができるという話ですが、後半部分にありますように・・・・

(後半だけ拙訳^^)中央銀行は物価を制御するにあたって、かなりの時間的なラグを伴い、そして精密調整というには不十分なレベルでしか行えません。従って、プライスレベルのターゲットをヒットさせるような金融政策運営を実施した場合には、金融政策の頻繁なオーバーシュートを招く結果となり、インフレ目標が頻繁にぶれることになるでしょう。

『Contrast this approach with the communications required of central banks when targeting a specific inflation rate. For example, central banks targeting a 2 percent inflation rate typically put that target prominently on their webpage. If those banks were instead targeting a price level growing at 2 percent, their webpages would have to provide a table of inflation rate targets for a variety of horizons, and the targets would change each month. I fear that rather than anchoring people’s expectations about prices, it could leave them perplexed.』

(拙訳)プライスレベルターゲットとインフレ目標を中央銀行のコミュニケーションという観点から比較してみます。例えば、中央銀行がインフレ目標を2%に置いた場合には中央銀行のホームページに目立つように掲載すれば済みます。一方でプライスレベルターゲットで2%の目標を設定した場合、中央銀行は将来の様々な期間に関するインフレ目標値を掲載しないといけなくなり、しかもその数値は足元のCPI数値によって毎月変更しないといけなくなります。私はそのようなコミュニケーションによって、プライスレベルターゲットによって価格推移のレベルが安定化するよりも、インフレ期待を混乱させることになることを懸念します。

『As you can tell, I see compelling reasons why central banks should stick to their current inflation objectives. Those reasons relate most importantly to the effect of a central bank’s communications and behavior on its credibility and on the public’s expectations.』

(;∀;)イイハナシタ゛ナー(皮肉じゃなくて)って要するにここでは「中央銀行の物価などの期待安定に関するコミュニケーションとクレディビリティの観点から現在のやりかたが適切ですよ」と仰っているようですな。うんうん。

『More study leading to a better understanding of the linkage between central bank actions and expectation formation should improve the ability of central banks to achieve society’s inflation and output objectives more effectively under a variety of circumstances, including in a severe negative shock of the type we recently experienced.』

ということで、最後のまとめはもう引用だけ。

『Conclusion

Many central bankers and economists, myself included, were a little complacent coming into the crisis. We thought we knew enough about the basic structure of the markets and the economy to achieve economic and price stability with relatively minor perturbations. And we thought we had the tools necessary to deal with liquidity shortages and maldistributions.』

『The reality is that we didn’t understand the economy as well as we thought we did. Central bankers, along with other policymakers, professional economists and the private sector failed to foresee or prevent a financial crisis that resulted in very serious unemployment and loss of wealth around the world. We must learn from our experience.』

『The questions I’ve posed are tough, but addressing these issues successfully should enable central banks to reduce the odds of future crises and respond more effectively to any bouts of instability that still might arise.』

ということで(^^)。先日の白川総裁の米国での講演はコーン副議長のこの講演に呼応するようなテイストがございますね(^^)。
 


お題「NYでの総裁講演続き(というか今日がメイン)」   2010/04/26(月)08:09:13  
  ということで金曜に引用した部分ですが。

『最初は、金融政策についてです。金融政策とバブル発生の関係については、既に多くのことが論じられてきました。はっきりしていることは、自信過剰が、バブルを生み出す必須要因であるということです。そうした意味で、 低金利の持続予想は、これだけでバブルを生み出すことはありません。』

『しかし、それ無しには、バブルが発生しないこともまた事実です。私にとって重要な問い、それは日本銀行とFRBを含む多くの中央銀行にも向けられるものですが、当時、バブルの兆候に不安を感じつつも、中央銀行は、何故、低金利を続けたのだろうかということです。考えられる理由としては、以下の三つが挙げられます。』

というのは金曜に引用しましたが、まず第1に「経済の不均衡が一般物価ではなく、資産価格上昇や過剰な信用膨張の形で起きる」という指摘です。

『第1に、近年、経済の不均衡が財やサービスの物価の変化としては直ちには表れにくい環境になってきたことです。物価安定の達成に成功したことによって、中央銀行は金融政策運営に対する民間部門の信認を獲得するようになりました。その結果、民間主体の予想物価上昇率は低い目標物価上昇率にしっかりと固定されるようになり、経済の不均衡は、財やサービスの物価上昇率以外の形、すなわち、資産価格の上昇や信用の膨張という形で表れるようになりました。』

でも、この話ってよくよく考えたら日本の80年代後半の資産バブルの時がまさにそうでして、消費者物価指数は資産バブルの最終時点を除いてほぼアンカーされて動いていて、その間に資産価格がアホほど上昇し、不動産関連融資を中心に信用がアホほど膨張していたのでありまして、そ〜考えるとその後米国でバブルが発生して崩壊したのは何ででしょという話ですが、それは第3のポイントとして示されています。

『第2に、政治的、経済的、社会的な力学がセントラル・バンカーに影響を及ぼすようになり、物価上昇率以外の要素を勘案した金融政策を行うことが次第に難しくなっていったことです。この背後には微妙なメカニズムが働いています。物価安定が経済の安定のための前提条件であり、その条件を満たすには、中央銀行の独立性が必要であるという論理は、1990 年代以降、徐々にしかし着実に定着していきました。中央銀行の独立性は、同時に、当然のことながら説明責任の要請を高め、国民が容易に判別できる基準が求められるようになりました。』

なるほど。

『そうした要請に最も上手く応えたのがインフレーション・ターゲティングの枠組みでした。しかし、インフレーション・ターゲティングのもとでは、物価上昇率の目標値と実績値あるいは予想物価上昇率との関係に議論が集中しがちです。その結果、物価以外の形で表れる不均衡への対処を理由に金融政策を変更しようとすれば、それを根拠立てて説明するためのコストは、中央銀行の立場からすると非常に高くなります。』

まあ今回の金融危機での英国のように危機モードになったら毎回詫び状攻撃で済ますという話になるのでしょうけれども、BOEの議事要旨を(面白いので)見ていますと、ここもとの議論はもうかなり複雑骨折状態になっているのですよね(3月のMPC議事要旨も何となく読んだのですが後日)。

『エコノミストの関心は、専ら需給ギャップと物価上昇率の関係に集中し、金融面の不均衡(financial imbalances)への関心は限定的なものとなりました。財やサービスの価格変動という形では把握しにくい要素に対しては、関心が薄れるようになりました。中央銀行から金融の規制・監督の権限を移す制度的変更も、そうした傾向を加速させました。』

さいですな。で、関心が何故そちらに向いたかというのが第3点。

『第3に、「デフレに陥る危険」ということの意味について、必ずしもバランスの取れた形では正しく理解されなかったことです。これに関し、財やサービスの価格の持続的な下落がもたらす悪影響の明白な事例として、「失われた10 年」という言葉で呼ばれる日本のバブル崩壊以降の経験がしばしば引き合いに出されました。』

さよですな。

『しかし、日本経済に深刻な問題を引き起こした主因は、一般物価の下落というより、圧倒的に資産価格の下落でした。日本では、主要都市の不動産価格がピーク対比70〜80%も下落しましたが、消費者物価指数の下落は1997年から2004年にかけて累積で3%でした。それにもかかわらず、日本の経験は誤って解釈されました。』

過剰な信用の崩壊による不良資産の積み上がりからのバランスシート調整圧力恐るべしというのは日本のバブル崩壊の教訓だったとは思いますが、まあこういう話をするとまた「白川総裁はデフレの害を軽視してケシカラン」とか言う批判が飛んでくるんだろうなあと思います。

『そうした当時の雰囲気は、2003年4月に公表されたIMFのWorld Economic Outlook や、同じく2003 年にカンザスシティー連銀によって主催されたジャクソンホール・コンファレンスの議事録をみると、容易に確認できます。2003 年6月のFRBの金利引き下げでは、その理由として「好ましからぬ大幅なインフレの低下(unwelcome substantial fall in inflation)」を避けることが挙げられました。振り返ってみると、デフレの危険が大きくクローズアップされた裏側で、金利の果たす動学的資源配分機能は軽視されがちでした。そして、正にその時期に、信用やレバレッジの増加、期間ミスマッチの拡大という、その後の危機の種が蒔かれました。』

信用の拡大に起因するバブルの発生とその崩壊の方がダメージが大きかったという話をしたい訳ですな。ふむふむ。


○実は裁量っていうのも重要ですよね

という話をしててまたこれは燃料投下とか思うのですが(^^)、プルーデンスの観点と金融政策運営の観点の双方から裁量の重要性に関して指摘しているのがチャーミング。

まずはプルーデンスに関する部分から。

『第2は、(引用者追記:個別金融機関に予防的な是正措置を求めなくなった理由として)当局が裁量的な監督権限の行使に慎重になったことです。金融システムの安定を確保するためには規制が必要ですが、すべての状況を想定した規制を事前に設計することは不可能であり、だからこそ、有効な監督が重要な役割を果たすことになります。ここで求められるのは、個々の金融機関のリスク特性に応じた監督であり、当然のことながら、裁量的な要素が含まれることにならざるを得ません。しかし、厳格かつ迅速な説明責任が求められるようになればなるほど、監督当局がそうした裁量的な権限の行使に慎重になることは避けられません。』

最後の金融政策の運営に関する部分から。

『(引用者追記:白川総裁が必要と考える金融政策哲学の見直しの方向性としてのポイントの)第3は、適度な裁量性の重要さです。公的当局は、金融政策についても金融監督についても、適切な裁量性を保持する必要があります。かつて、ジェラルド・コリガンがニューヨーク連銀の総裁であった時に、中央銀行による「最後の貸し手」機能の発動基準に関して「建設的曖昧さ(constructive ambiguity)」という言葉を使いましたが、近年、時計の振り子は透明性の方に大きく振れました。しかし、結局のところ、中央銀行も規制・監督当局も、その役割は自由市場の競争だけに任せた場合の市場や経済の不安定化を防止することにあります。』

で、この次が「ほほー」と。

『もし、当局の政策行動が機械的なルールに基づいていて、それが市場参加者の行動に予め織り込まれてしまうと、市場や経済はむしろ最終的には不安定化してしまいます。したがって、少なくともある程度は、時計の振り子を裁量性の方向に戻すことが必要になっているように思われます。』

そうかもしれませんな。


○んでもって白川総裁の考える見直しの方向性とは

第3の部分は上にありますような話でして、じゃあ残りの2つはどういう話かと言うのを最後に引用しますです(引用ばっかでどうもすいません)。

『第1は、中央銀行の政策目的の重要さです。通常、金融政策の目的は物価の安定と定義されます。実際、こうした定義で全く差し支えない時代が比較的最近まで続いてきたように思います。しかし、中央銀行に期待される役割は、物価の安定と1対1には対応しないことも分かってきました。』

ふむふむ。

『バブルの経験が示すように、物価が安定していても、経済は大きく振幅することがあります。中央銀行に求められていることは、安定的な金融環境(a stable financial environment)を実現することであり、それを通じて持続的な成長を達成することです。物価の安定は、金融環境の安定を構成する重要な要素ですが、これだけに限定されるものではありません。それどころか、短期的な物価の安定に釘付けになると、究極の目的である経済の持続的成長を困難にする可能性すらあります。』

つまり物価指数を見ながらエアコンの自動温度調整装置みたいなイメージで金融政策が回ると考えるのは話にならないんですね、わかります。


『第2は、金融環境の安定性を効果的に測定することの重要さです。中央銀行は貸出やレバレッジ、期間ミスマッチの状況など、金融環境を特色付ける幅広い指標に注意を払っていく必要があります。「安定的な金融環境」とは抽象的な概念であり、金融経済の状況が全て反映されるような単一指標はありません。』

真面目な話、超越的に難しいと思うのだが・・・・

『しかし、同様のことは物価についても当てはまります。技術革新によって可能となった財やサービスの価格を計測することは――検索エンジンの価格が良い例ですが、――大変難しい課題です。仮に単一の有効な指標をみつけたとしても、経済・金融は常に変化していることを考えると、幅広い指標を丁寧に点検することが不可欠です。難しい課題ですが、挑戦していかなければなりません。』

つまり昨今すっかりまた国内では日銀がどうのこうのと言われてますが、物事はそう単純じゃないんだよこのわからんちん共めがということですね、わかります。

で、第3はさっき引用した通りです。


#手抜き引用大会でどうもすいませんでした
 


お題「NYでの総裁講演続き(というか今日がメイン)」   2010/04/26(月)08:08:41  
  http://www.boj.or.jp/type/press/koen07/data/ko1004e.pdf(日本語訳)
href="http://www.boj.or.jp/en/type/press/koen07/data/ko1004e.pdf(こちらが元)

○単なるインフレ目標政策に対する話では無く大きな話なのよね

金曜にざっと斜め読みした時には物価に過度にフォーカスした機械的な金融政策運営に関する批判的な意見の部分が目についた訳ですが、まあ中身をよく見ますと話はそ〜ゆ〜単純なものではなくて、バブルの発生と崩壊を何度も起こす中で金融政策はどうあるべきかという話をしていまして、これは中々の内容。

今回のキーワードは「自信の循環」でして、本チャンの講演では『cycle" target="_blank">[外部リンク]
of confidence』とあるのですが、この「自身の過剰」がバブル発生を生み、その自信の過剰は別に民間だけではなく中央銀行などの監督当局にもあるのであって、我々はより謙虚でなければいけない、という大変に良いお話をしているのですが、まあどうせインフレ目標批判の部分とかを報道ベースではクローズアップするでしょうから今日はメモをしておくのだ。

で、今回の講演はわからんちん向けではないせいか(^^)、講演内容は直球ストレートでございまして、いやまあ一つの正論でございますけれども、こーゆー話を日本に持って行っても報道バイアスにより政府と日銀の対立がどうしたこうしたとフレームアップされるだけなのでありまして、世渡り的には微妙ではございますな。ど〜せなら5月に来日するバーナンキ議長にこの手の話をしてもらえば宜しいのではないでしょうかなどと思うのですがね(^^)。

まだ最後まで紹介できていませんが(どうもすいません)3月に実施されたFRBコーン副議長の金融政策に関する今後の課題に関する講演も非常に素晴らしい内容でしたが、今回の講演も問題提起という点では大変に良い内容だと存じますです、はい。


○自信の過剰

金融危機はなぜ繰り返して起きるのかという部分の最初の部分ですが、観賞用に。

『金融危機、そして、それに先立つバブルは何故、繰り返し起きるのでしょうか。その原因については、リスク管理の甘さ、過大なレバレッジ、大きすぎて潰せない(too big to fail)とみられる金融機関の存在、金融監督の失敗、過度に緩和的な金融政策など、様々なことが挙げられています。』『そうした分析に私も同意しますが、それら個々の原因だけでは捉えきれない全体論的な視点も必要だと感じています。』

『そのような視点に立った場合、非常に長い時間の中で発生する「自信の循環」とも呼べるものが決定的な役割を果たしていることを強調したいと思います。すなわち、成功が自信につながり、それがやがて自信過剰に、あるいは傲慢にさえ変質していきます。自己満足感も高まっていきます。そして、自信過剰のもとで生成されたバブルが崩壊すると、自信喪失へと変わり、その後、再生に向けた努力が始まります。こうして、一連の循環が再び動きだしていくのです。』

ちなみにここだけ原文を引用しますが。

『Why do financial crises, and for that matter bubbles which precede them, occur repeatedly? Many reasons are given -- lax risk management, excessive leverage, existence of financial institutions which are perceived to be too-big-to-fail, failure of supervision, excessively accommodative monetary policy and the list goes on.』

『I generally agree with such assessments, but we also need a holistic perspective which cannot be captured just by focusing on individual causes.』

『From this perspective, I would like to emphasize that, what one could term as a “cycle of confidence” which evolves over a very long time horizon, plays a decisive role. Success breeds confidence which unfortunately turns into over-confidence or even arrogance. Complacency also sets in. The collapse of the bubble based upon this over-confidence leads now to under-confidence, which is followed by rebuilding efforts. Then the cycle begins once again.』

という感じで、まあ原文と訳を並べて読むのも味わいがございます(^^)。


○「バブルは崩壊してから対処すれば良い」というのは自信過剰では無かったか

で、日本経済の自信過剰の表れとして80年代後半の資産バブルの話をしているのですが、米国に関してもしっかり指摘しています。

『上述した「自信の循環」は、日本経済だけでなく、米国経済についても当てはまるように思います。1960 年代後半以降、米国経済のパフォーマンスは悪化し始め、1970 年代後半から1980 年代初頭にかけての時期は高インフレ率と低成長率、いわゆるスタグフレーションに悩まされた最悪の時期でした。しかし、正にこの試練の時に、米国経済を再生しようとする政策努力が始まりました。ボルカーFRB元議長によるインフレ退治とレーガン政権下の規制緩和の双方が動きだし、その効果が長い時間をかけて徐々に成果を挙げていきました。米国経済の成長率は1980 年代の年率3.1%から、1990 年代後半には4.0%へと高まりました。そうした経済の拡大は2000 年代初頭のITバブルの崩壊で一旦途切れましたが、比較的短期間にその影響から脱することに成功しました。』

と言う所までは良かったのですが・・・・

『マクロ経済に関しては、成長率と物価上昇率の変動幅の低下をどう解釈するかについて活発に議論がなされ、いわゆる「大いなる安定(Great Moderation)」が喧伝されました。このような状況の下で、先行きの経済に関する非常に強気な見方が次第に社会を支配するようになっていきました。』

『住宅価格の上昇を巡っても、これがバブルかどうかについて活発な議論が行われましたが、米国の政策当局者や学界からは、「住宅価格が全国的に下落することはない」、「仮にバブルが崩壊しても積極的な金融緩和によって対応可能である」という見解が繰り返し表明されました。金融システムについても、欧米の金融機関のリスク管理は日本の金融機関よりもはるかに洗練され効率的であることが当然視されていたように思います。』

『しかし、その後の展開が示しますように、こうした楽観論は大きく外れました。日本のケースも米国のケースも、自信過剰がいかに弊害をもたらし得るかを物語っていると思います。』

まあ「コケてから積極的な金融緩和をすれば対応可能」というのは市場が普通のグラフみたいに連続的に動くのなら可能なのかもしれませんが、市場はいきなりジャンプしますし、コンフィデンスというものは「ほど良く信頼が落ちる」というような器用な事にはならない(落ちたらいきなり地のそこまで落ちる)ですし、ま〜机上で数学のややこしい式を振り回して考えるような話だけでは行かないでしょ〜♪と思うのが現場叩き上げ労務者の感覚なのでございますな。


○で、金融政策運営の課題

その続きから。

『「自信の循環」という観点から、駆け足で日米のバブルについて振り返りましたが、同様の事象は過去四半世紀に限っても、1980 年代の北欧経済のバブルとその崩壊、1990 年代のアジアの奇跡と通貨危機など、日米以外の多くの地域でも観察されます。』

『人間は、自らが時として自信過剰になり、行動が行き過ぎることを知っています。だからこそ、我々は、行き過ぎた行動にブレーキを掛けるメカニズムを予め構築しています。民間部門は様々な制動装置を持っており、例えば、金融機関には内部リスク管理部署が存在します。金融機関経営者の行動の行き過ぎに対しては、株主や債権者、カウンターパーティによる規律付けのメカニズムが作用します。また、中央銀行や規制・監督当局も、制動装置として機能します。しかし、今回の危機では、残念ながら、民間部門の装置も公的部門の装置もうまく作動しませんでした。これらの装置が機能しなかったことは、重要な問題を提起していますが、以下では、時間の制約から公的部門による制動装置のみを取り上げます。』

『私はセントラル・バンカーとして、中央銀行や規制・監督当局の失敗の問題を真剣かつ十分に検証する必要があると思っています。』
 


お題「西村副総裁会見とか」   2010/04/23(金)08:11:59  
  超長期国債の入札なのに先物の日中値幅10銭とかどうなのよと。

[外部リンク] エコノミック・クラブNYにおける講演の邦訳 ──

いやまあ11ページ(本文の量)を寝起きで斜め読みするのも何ですので詳しくはまた後日攻撃になるかと思うのですが、中々これはまた白川クオリティですなあという感じです。


○CPIに過度にフォーカスした金融政策運営によって起きたこと

最初の『金融危機は何故、繰り返し起きるのか?』という所から。

『1980 年代後半、日本のマクロ経済のパフォーマンスは、先進国の中で際立って良好でした。この期間の実質成長率を見ると、他のG7諸国の平均が年率で3.4%であったのに対し、日本は5.1%でした。一方、消費者物価上昇率をみると、他のG7諸国の平均が年率で3.9%であったのに対し、日本は1.1%でした。』

さよでした。

『1990 年代に入って、インフレーション・ターゲティングが拡がりをみせましたが、これを採用している国の基準に照らしますと、当時の日本経済は圧倒的な優等生でした。』

(;∀;)イイハナシタ゛ナー

『対外的には、経常収支の大幅な黒字の持続を背景に、日本は世界最大の対外純債権国となりました。このような良好な経済状況のもとで、日本人の間に過剰な自信が生まれました。』

で、バブル発生のご教訓と言う話になるのですが・・・・・

『勿論、気懸かりなことがない訳ではありませんでした。1980 年代後半における信用の膨張と資産価格の上昇です。しかし、そうした懸念を打ち消す、「根拠なき楽観論」が社会を支配しました。地価について言うと、日本では地価は決して下がらないという「土地神話」への信仰は絶大でした。勿論、金融政策については、引き締めへの転換の必要性が議論されました。実際、ただ一つのデータを除いて、全ての経済指標 ―― 高い成長率、労働市場の逼迫、銀行貸出の急増、資産価格の高騰 ―― が、金融緩和政策の修正の必要性を示唆していました。その「ただ一つのデータ」とは他ならぬ物価上昇率でした。』

(;∀;)イイハナシタ゛ナー

『1990 年代に入ると、バブルの崩壊によって状況は一変し、日本経済は大きな困難に直面しました。成長率は1980 年代後半の年率5.1%から1990 年代の1.5%へと低下しました。その結果、今度は過度に悲観的な、言わば、「根拠なき悲観論」も生まれました。近年の日本経済の低迷については、様々な要因が関連しており、バブル崩壊や資産デフレの影響だけを過大視するのは適当ではありませんが、バブルとその崩壊が日本経済の中長期的な活力に対して大きな影響をもたらしたことは疑いがありません。』

つまり物価上昇率だけを見て金融政策をやるのは如何なものかと言いたいと(^^)。


○で、金融政策運営における物価との関係が面白いのですが後に続く(おいおい)

『政策当局は、何故、ブレーキを掛けられなかったのか?』というのがその次に来るのですが、『金融政策運営』という所ではこんな話を。

『最初は、金融政策についてです。金融政策とバブル発生の関係については、既に多くのことが論じられてきました。はっきりしていることは、自信過剰が、バブルを生み出す必須要因であるということです。そうした意味で、 低金利の持続予想は、これだけでバブルを生み出すことはありません。しかし、それ無しには、バブルが発生しないこともまた事実です。私にとって重要な問い、それは日本銀行とFRBを含む多くの中央銀行にも向けられるものですが、当時、バブルの兆候に不安を感じつつも、中央銀行は、何故、低金利を続けたのだろうかということです。考えられる理由としては、以下の三つが挙げられます。』

ということで、3つの説明があるのですが、その前にど〜せこのような部分を見て「白川総裁が低金利の長期化の弊害を指摘」とか言って「日銀も出口政策を模索」とか報道するアホウが出てくるに百万トラストミーなのですが、ちゃんと『低金利の持続予想は、これだけでバブルを生み出すことはありません』と断っていますし、前段にあったように、そもそも日本は「根拠なき悲観」状態になっているので、別にバブルを心配するような話はねえじゃろという風に思うのですけどね。まあでもきっとどっかの報道機関がそんな報道をしてまた政府対日銀を煽るんでしょうなあと。


『第1に、近年、経済の不均衡が財やサービスの物価の変化としては直ちには表れにくい環境になってきたことです。』

『第2に、政治的、経済的、社会的な力学がセントラル・バンカーに影響を及ぼすようになり、物価上昇率以外の要素を勘案した金融政策を行うことが次第に難しくなっていったことです。』

『第3に、「デフレに陥る危険」ということの意味について、必ずしもバランスの取れた形では正しく理解されなかったことです。』


でもって、この第2と第3の説明が昨今国内で妙に盛り上がって参りましたインフレ目標がどうしたこうしたという話に対するカウンターとしての説明になっているのですが、例によって時間と量の関係上週明けにでも。まあ一読推奨。
 


お題「西村副総裁講演は先般の総裁講演とはトーンが違う感じが」   2010/04/22(木)08:15:37  
  お題が長いですかそうですか(後でインデックス作った時にお題が単に「副総裁講演」とかだけだと自分が何年後かに見なおした時に困るのよね^^)。

ということで西村副総裁講演ですが。

[外部リンク]
 


お題「オペに関するマニア雑談/しつこくコーン副議長ネタ」   2010/04/21(水)08:10:19  
  GSがどうのこうのってやってますけど、金の卵を産む鳥を潰す訳無いんですから(金融以外で米国が新たに稼ぐネタをでっちあげるというなら別だが)ど〜せガス抜きの域を出ないんでしょ、などという事をつらつら思う今日この頃。

#しかし相場が1.3%台だとヒャッハー感が無くてどうもねえ

○オペのバランスに関する雑感

という程の話でも無くて単なるマニア雑談なのですが(汗)。

えーっと、昨日当座預金残高が17兆円だという話をしておりましたが、ここもとというか今回の積み期間に入ってから当座預金残高が17兆円台で推移するようなオペレーションになっております。でもGCレートちゃんは0.12近辺で推移しているようで、昨日も資金供給オペの足切りが全部0.12となっていた(新型オペは別ですが)ですわな。

何でGC下がらんかなあとか思うのですが、良く良く見ると朝8時前に日銀が公表する当日需給見込みで出てくるベースの準備預金残高が相変わらず12兆弱で推移しているので、一部に資金が妙に偏在しているという状況がありますのと、もともと資金不足時期に沢山あったオペ残が資金余剰の為減って来ている上に、最近では固定金利の期間が長目のオペが増えている事から短いオペに皺寄せがきている面があるのかなあなどとつらつら思うのでありました。

つまりですな、資金不足期のピークで49兆とかあった供給オペ残高ですが、直近では32兆レベル(先日は30兆割ってました)となっているので、そもそも債券ディーラーの在庫ファンディングとしてオペで調達している分がマーケットに出てくるようになり、一方で財政の入り払いの関係で資金は余剰と言っても基本的に債券ディーラーにその金が回ってくる訳でもない(市中で余剰になっている部分ってまずは預金受け入れ金融機関に入るから)ので、その分だけ足元での市場調達が増えるのでGCレートが下がりにくくなるという話。

その上、固定金利で3か月というオペが徐々に増えてきている訳でして、これが直近で12.8兆円まで増えた(明日は13.6兆円)ので、これが短いオペの実施余地を食っている格好になって、出来上がりとして当座預金残高は積み上がっていても短いオペはそんなに増えずとなってGCレートは下がり難くなる(ので財政要因での揚げが出てくるとオペは自然に増えてGCも下がるのですが)一方で資金そのものは当座預金残高17兆円というように全体としてはあるので、コールレートはしらっと下がっているって格好になっているのですな。


で、まーそんな感じの推移なのですが、ここもとコールの加重平均が0.1%を割るのが平常の風景になって参りまして、そりゃまあディレクティブでは0.10%近辺ということですからまあ別によろしゅおすのですが、従来やたらめったら精密誘導していたのが、固定オペが増えたり、ターム物金利がどうのこうのということでGCレートを気にしたり(っていうか短国の金利に影響してより長い所にも効いてくるのだから気にするのは当たり前なのですけれども)という事をやっていく中で、吸収オペによるツイストを併用しないとなると、徐々に精密誘導がしんどくなってくるんじゃないですか、という感じがするのであります。それを決定会合的にどうするのでしょ、ってツッコミは今の所そんなに出てないと思うのですが(まあ月中平均でそんなに大きくはずれていないから)、なんちゃって緩和を強化するという事になると益々調節担当課の方はやりにくくなるでしょうな、と思います。

あと、それはそれとしてもう一つ思ったのは6月末問題でございまして、6月って年金の払い月な上に国債の4半期大量償還がある(けど法人税やその他の税揚げもあるから3月と比較してどっちがより余剰地合いなのか良く判らんが)ので、またまたオペが打ちにくくなる中でやってくる4半期末というのもど〜なんでしょうね、というのを忘れないうちに申しあげておきたく存じます(^^)。



○コーン副議長の3月24日講演ネタはまだ続く(しつこい)

ではまたコーンさんのネタで(引っ張ってどうもすいません)。

[外部リンク] Objectives』というの所は、まあ論点としては他の人も扱っているネタでそんなに特殊な話を展開している訳でも無いのですけれども、これはこれで中々興味深かったです。

『The final homework assignment concerns the inflation objectives of central banks. Central banks have widely chosen to target inflation rates near 2 percent. The Federal Reserve is required by law to conduct monetary policy to achieve maximum employment and stable prices.』

『We haven’t announced an explicit inflation rate target consistent with that dual mandate, but the Federal Reserve governors and Reserve Bank presidents publish our individual forecasts for inflation over the longer run, conditional on our individual views of appropriate monetary policy. Those forecasts indicate that most of the FOMC participants believe that inflation should converge to 1-3/4 to 2 percent over time.』

ということでインフレ目標の話ですが、多くの中央銀行は2%近くのインフレ目標を設定していまして、FRBは明示的なターゲットを示してはいないですが、地区連銀総裁やらFOMCのボードなどが個人的なビューとして表明していて、その数値は1.75%〜2%に収斂してますよと。

というマクラの次に出てくるのがインフレ目標に関する最近のトピックに関するお話です。


○ゼロ金利制約を逃れる為に平時にインフレ目標を引き上げる件について

IMFの人が個人的見解として出していた論文で一時話題になっていましたが。

『Recently, some prominent economists have called for central banks to raise their inflation targets to about 4 percent. Shifting inflation targets up would tend to raise the average level of nominal interest rates and thus give central banks more room to lower interest rates in response to a bad shock to the economy before running against the zero bound.』

(拙訳)最近、一部のエコノミストが「中央銀行がインフレ目標値を4%近辺に引き上げる」という事を提案しています。その考えによりますと、インフレ目標値を引き上げる事は、平均的な名目金利水準の引き上げに繋がり、それによって経済にショックが起きて金利を引き下げる場合に、名目ゼロ金利制約に到達するまでの糊代を作ることができるということです。

で、その件に関してコーンさんの見解ですが、結論から申し上げると否定的見解です。

『Although I agree that hitting the zero bound presents challenges to monetary policy, I do not believe central banks should raise their inflation targets. Central banks around the world have been working for 30 years to get inflation down to levels where it can largely be ignored by businesses and households when making decisions about the future. Moreover, inflation expectations are well anchored at those low levels.』

(拙訳)名目ゼロ金利制約は金融政策運営を難しくする点に関しては私も同意しますが、中央銀行がインフレ目標値を引き上げることは反対です。中央銀行はこの30年間に渡って、家計や企業が物価上昇を気にしないで経済活動を出来るような水準にインフレを引き下げるように努めてきていました。また、インフレ期待もこの低い水準で落ち着いています。

『Increasing our inflation targets could result in more-variable inflation and worse economic outcomes over time.』

『First of all, inflation expectations would necessarily have to become unanchored as inflation moved up. I doubt households and businesses would immediately adjust their expectations up to the new targets and that expectations would then be well anchored at the new higher levels. Instead, I fear there could be a long learning process, just as there was as inflation trended down over recent decades. 』

『Second, 4 percent inflation may be higher than can be ignored, and businesses and households may take inflation more into account when writing contracts and making investments, increasing the odds that otherwise transitory inflation would become more persistent.』

(拙訳)中央銀行がインフレ目標値を引き上げることは、インフレ率の振幅の拡大を招き、先行きの経済の悪化をもたらすでしょう。

まず第一に、現在安定しているインフレ期待は実際にインフレが進行すると安定化しにくくなるでしょう。また、家計や企業のインフレ期待が新しい4%のインフレ率にシフトして安定するかという点にも疑問があります。その代わりに私が懸念するのは、インフレ期待のシフトに長い時間が掛かることです。現在のようにインフレ期待が安定状態に至るまでに10年以上の時間が掛かっています。

第二に、4%という物価上昇率は経済活動において無視できない数値であり、家計や企業の経済活動において、物価上昇を考慮に入れないとならなくなり、その結果として一時的なインフレがより持続的になる可能性を高めると考えられます。


・・・・とまあそういう事で、長期的なインフレ目標を引き上げる件については否定的で、より大きな物価変動を招くだけですよという話なのですな。

『For both these reasons, raising the longer-term objective for inflation could make expectations more sensitive to recent realized inflation, to central bank actions, and to other economic conditions. That greater sensitivity would reduce the ability of central banks to buffer the economy from bad shocks. It could also lead to more-volatile inflation over the longer run and therefore higher inflation risk premiums in nominal interest rates. It is notable that while the economic arguments for raising inflation targets are well understood, no major central bank has raised its target in response to the recent financial crisis.』

(拙訳)これらの理由によって、中央銀行がインフレ目標数値を引き上げる事は、最近の安定したインフレや金融政策や経済状況に対する期待をより過敏なものにするでしょう。そのようによって引き上げられたセンシティビティーによって、中央銀行が経済のショックに対して行動する為のバッファーを引き下げることにもなるでしょう。また、長期的な物価上昇幅がより大きくなれば、名目金利に対するインフレリスクプレミアムを引き上げることになるでしょう。中央銀行がインフレ目標値を引き上げる事に対しての経済学的な議論内容は広く認識されているにも関らず、世界の主要な中央銀行の中で最近の金融危機に対応してインフレ目標値を引き上げた所が無いという事は注目すべきことです。


○プライスレベルターゲットについて・・・・は時間切れ

どうも時間配分が悪くて(涙)ノリノリになってくる頃に時間切れという誠に遺憾極まりない状態が最近多くて困ります(早起きするか前日に作れというツッコミは認可する^^)。

一応冒頭部分だけ引用しておきますが続きはまたそのうち(汗)。

『Another approach to this problem is for central banks to target a gradually rising price level rather than a constant inflation rate. Imagine a plot of the consumer price index (CPI) from today onward increasing 2 percent each year. Central banks would commit to adjusting policy to keep the CPI near that line』

『The advantage of this approach, in theory at least, is that when a negative shock drives prices below the target level, people will automatically expect the central bank to increase inflation for a while to get back to trend. In principle, that expectation would lower real interest rates without the central bank changing its inflation commitment, even if nominal interest rates were pinned at zero. It could also make it easier for people to make long-term economic decisions because they could anticipate that inflation misses would be reversed over time, reducing uncertainty about the future price level.』

所謂プライスレベルターゲットの議論に関してのアプローチに関するコーンさんの話がこの後に出てくるのですが、その前にプライスレベルターゲットのメリットについての説明ですな。「期待の安定化」という意味で言えばプライスレベルターゲットの方が優秀じゃないのかねという話はまあそれはそうかもしれませんが・・・・・

『While I appreciate the elegance of this price-level-targeting idea, I have serious doubts that it would work in practice.』

超意訳するとすれば、「プライスレベルターゲットの考えってお話としてはとっても美しいけど、実際にワークしないですよねえwwww」と言った所ですが、じゃあ何でそう考えるかの話は後日(まあ上記URLの本文18ページ以降に書いてあるので読んでちょ)。
 


お題「すっかりFED虫干しネタばっかで恐縮です(汗)」   2010/04/20(火)08:54:13  
  と言いつつ最初は展望レポート雑談(^^)

○展望レポート関連余談(^^)

まあ展望レポートというのは待っていますが、それで追加緩和のようなものが出ても債券市場にどういう影響が出るかというと結局他市場次第な面があるので何だかねって所もございまする。

まあつらつらと今考えている所なのですが、時々展望レポートで物価見通しがどうなるというような観測報道が出ていると思いますが、まあ腰折れは無いにせよ別にこのまま順調に回復するかどうか怪しいという中で循環的な回復をやたら強調する白川総裁の定例会見でのスタンスはどう見ても調子に乗り過ぎ。

そもそも足元は何となく円高が止まって株も比較的順調ですし、政府閣僚の皆様もやっと現実というか市場がどう見るのよという点を認識してきたようで、そこまで露骨な政治圧力発言をしなくなったのでだいぶ落ち着いてはいるのですが、ど〜せ今の内閣支持率とか見ておりますと「困った時には誰か叩く」という事で日銀を叩く圧力がまた出てきても何らおかしく無い。

そうなった時に、今の調子で総裁様が循環論による回復を強調していると、その後追加緩和のようなものをやる破目になった場合(というか6月に今の内閣が持ちこたえていれば^^出てくるであろう新成長戦略とセットで追加緩和のようなものをするのは絵として美しいですし)にまたまた言ってることとやってる事の整合性が取れずに、「ああまた日銀は差し込まれたのね」という見方が広がり、更に日銀の言動に対する市場の信用が無くなるという話になりませんかねえと。

それから、政治的な面もさることながら、12月以降の一連の緩和のようなものによって「デフレ脱却への強い姿勢」を示した訳でして、その中で今年度の物価見通しがマイナス(さすがに今年度は高校授業料無償化を差し引いてもマイナスでしょ)となるというのであれば、「向こう1年程度のデフレ継続を予想するのであれば、そのデフレを脱却するために何か追加措置を取らなくて良いのか」というツッコミが来ても何らおかしくは無いのでありまして(--;)、そう考えた場合もやはり循環的回復の強調ばかりするのも間抜けだと思うのですよね。


ということで、まあ展望レポートですが、足元の循環的な回復は回復なのですけれども、そればかりを強調すると「じゃあデフレの方はどうなの」という話になってくるのでありまして、そういう点を考えるとあたくしが思いますに、デフレの問題に関する問題意識の強調というのは相当強いトーンでやっておかないと、将来の日銀の金融政策に関して変な意味で展望レポートが足かせになってしまう(展望レポートで上方修正したのに追加緩和をしたのは政策コミュニケーションとして整合性が取れていないでしょ、というコミュニケーションの問題)のでございまして、その辺りをノーガードで回復ばっかり出してこられるとまた6月に向けて楽しい不協和音という感じになるのではないでしょうか。

#と何となく考えている事をつらつらと雑談で


○当座預金残高が17兆円ペースな件について(メモ)

昨日は共通担保12000億円実施。なんか金曜の資金供給もちょっと多目の感じがしましたし、昨日も昨日でどちらかと言えばスポットで新型オペを打って8000億円かなとか思ってたら1兆2000億のトム共通担保。まあ月曜火曜の資金需給がちょっと短資各社の事前予想よりも若干下ぶれしたのはあるのですが、新しい積みに入った所なので最初からそんなに当座預金残高を上振れさせてこないかなあとか思っていたので、オペ実施によって今日も当座預金残高が17兆円に乗ったのはあたくし的には「ほー」という感じです。

今年は連休が5連休になるので、大型連休前にあまり進捗を進めてしまうと連休明け後にバランスとるのが大変なような気もするのですが、足元のGCレートが先週強めだったから配慮しているのでしょうかねえ。

というメモでした。



相変わらず引っ張りますがコーン副議長の3月24日講演ネタ続きの続き。

[外部リンク] past few years have illustrated two lessons about the relationship between macroeconomic stability and financial stability. First, macroeconomic stability doesn’t guarantee financial stability; indeed, in some circumstances, macroeconomic stability may foster financial instability by lulling people into complacency about risks. And second, some shocks to the financial system are so substantial, especially when they weaken a large number of intermediaries, that decreases in aggregate demand can be large, long lasting, and not quickly or easily remedied by conventional monetary policy.』

ここ数年の教訓ということですからサブプラ問題発生以降の教訓ということで、マクロ経済の安定と金融の安定に関する点に対する教訓が2つですと。で、その1つ目は「マクロ経済状況が安定しているからと言っても、金融が安定するかというと必ずしもそうではなく、ある種の状況の下では、金融機関のリスクテイク行動が拡大して金融の不安定さを蓄積していく場合もある」という点で、2つ目としては「金融システムに大きなショックが起きた場合、特に市場参加者の多くに影響するような場合には、そのショックによって市場が大きくシュリンクして影響も長く続き、伝統的な金利操作だけでは不十分である」というような事を書いているようですな。

ということは、いわゆるBISビュー対FEDビューってのが気になる所では
ございますが、まあ「バブル崩壊してから積極的な金融緩和で何とかなる」と
いうのはダメだというのは身を切って証明されたと思われますが、じゃあ
事前対策に関する方法についてのお題がコーンさんの3番目の研究課題なので
ございます。

『Given the heavy costs of the financial crisis, the question naturally arises as to how it could have been avoided. My third assignment is to reexamine whether conventional monetary policy should be used to lean against financial imbalances as well as aim for the traditional medium-term macroeconomic goals of maximum employment and price stability.』

(拙訳)金融危機のコストが大きいと言う事は、それを防ぐための方法はどうすべきかという問題が浮上します。私の3番目の研究課題は、通常は中期的なマクロ経済の安定に対して割り当てるべき伝統的な金融政策を、金融の不均衡拡大に対して割り当てるべきかどうかを再検討することです。

と言う事ですが、その先にあります回答は結論から先に言っちゃうと「金融の不均衡に伝統的な金融政策(=金利操作)」を割り当てるのは不適切ではないかという話です。

『One key question is whether we are likely to know enough about asset price misalignments and the effects of policy adjustments on those misalignments to give us the confidence to deliberately tack away for a time from exclusive pursuit of our macroeconomic objectives. Obviously, reducing the odds of financial crises would be very beneficial, but we need to balance that important objective against the potential costs and uncertainties associated with using monetary policy for that purpose.』

めんどい(+書いててヘタクソな日本語なので我ながらこっぱずかしい)ので拙訳をしないのですが(^^)、よーするに資産価格のミスプライスというかバブル現象と言われましても、そもそもがそのミスプライスがいかほどの物なのかというのを正確に計測する事は難しいですし、中期的なマクロ経済の安定とのバランスを取るのも難しいですし、金融の不均衡に金利操作を割り当てる事のコストもあるという話ですな。

『One type of cost arises because monetary policy is a blunt instrument. Increases in interest rates damp activity across a wide variety of sectors, many of which may not be experiencing speculative activity.』

(拙訳)金融の不均衡に金融政策を割り当てる場合に起きる問題は、金融政策が経済全体に幅広く効く事によって引き起こされます。金利の引き上げは投機活動だけではなく、経済活動に対して広範な抑制効果をもたらします。

『Moreover, small policy adjustments may not be very effective in reining in speculative excesses. Our experience in 1999 and 2005 was that even substantial increases in interest rates did not seem to have an effect on dot-com stock speculation in the first episode or on house price increases in the second. And larger adjustments would incur greater incremental costs.』

(拙訳)更に言えば、少々の金利引き上げを行っても投機活動を抑制する効果は低いでしょう。99年と05年における私たちの経験によれば、かなりの金利を引き上げた場合でも、それぞれの時期に起きたITバブルや住宅バブルの抑制に有効だったとは思えません。そして、更に大きな金利調整を行えばより大きなコストを招く事になります。

『As a consequence, using monetary policy to damp asset price movements could lead to more variability in output and inflation around their objectives, at least in the medium term. Among other things, greater variability in inflation could lead inflation expectations to become less well anchored, diminishing the ability of the central bank to counter economic fluctuations.』

(拙訳)結果として、金融政策(金利操作)を資産バブルに割り当てることは、生産活動や物価の中期的な安定などを阻害する結果になるでしょう。さらにより物価変動が大きくなった場合には、現在安定しているインフレ期待が不安定化し、その結果としてFRBが経済の安定に対する能力を弱めることになるでしょう。


ということで(実は寝坊したので量が少ないのですが)、ここまでがコーンさんの基本認識でございます。ではどうすれば良いかという話なのですが、後で引用するかもしれない(一々本文にしないで週末にこっそり書いてこっそりアップするのが妥当ですかそうですか)のですが取り敢えずあたくしが読んで何となく把握したのは・・・・・

「基本的には金融の不均衡(資産バブル)問題に関しては金融政策ではなくて、監督行政を割り当てるべきである」、というのがコーンさんの認識。

では中央銀行は単純にプルーデンス政策をやってりゃ良いのかというとそれだけでもなくて、コーンさんは実質金利が極めて低い状態が継続した場合には、より高い利回りを求める行動によって資産バブルが発生しやすくなるという指摘を受けて、貯蓄と投資のバランスや実質金利、更に実質長期金利に関する考察も重要であると指摘しています(ような気がします、詳しくは本文を見てちょ)。

ということですが、4番目のお題が中々大ネタですので明日以降にまた(ネタの無い時に)参りたいと存じます。
 


お題「月曜につき虫干しネタ系でFOMC議事要旨」   2010/04/19(月)08:09:22  
  さあ普天間問題盛り上がって参りました・・・・・って何だかねえorz

まずは虫干しでFOMC議事要旨。
[外部リンク] to anticipate that economic conditions, including low rates of resource utilization, subdued inflation trends, and stable inflation expectations, are likely to warrant exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period. 』って事で、資源の利用状況の低さ、インフレのトレンドの抑制、インフレ期待の安定という3本柱に関しても特に懸念なしという感じですな。

で、その辺に関しては『Participants' Views on Current Conditions and the Economic Outlook』の最初のパラグラフにインフレの見通しを示している文言があるのですが、そこに見事に見通しが書いてあります。

『Participants saw recent inflation readings as suggesting a slightly greater deceleration in consumer prices than had been expected. In light of stable longer-term inflation expectations and the likely continuation of substantial resource slack, they generally anticipated that inflation would be subdued for some time.』


ということで、引き続き実際のインフレが抑制されているという話と、より長い期間のインフレ期待に関しても「リソースのスラック」ということで、まあ様するに資源の利用状況の低さという話でして、結論としてはインフレも暫くの間抑制されているって事で、特にガイダンスの文言をいじる雰囲気も無しという感じではないでしょうか。


また、先行きに関してですが、その2つ先のパラグラフにありますけれども、「先行きに関しては経済活動が強まるという見通しに一致するデータが出ているが、回復を阻害する要素がありますよ」という話を並べています。

『While participants saw incoming information as broadly consistent with continued strengthening of economic activity, they also highlighted a variety of factors that would be likely to restrain the overall pace of recovery, especially in light of the waning effects of fiscal stimulus and inventory rebalancing over coming quarters. 』

では何ですかというと、

『While recent data pointed to a noticeable pickup in the pace of consumer spending during the first quarter, participants agreed that household spending going forward was likely to remain constrained by weak labor market conditions, lower housing wealth, tight credit, and modest income growth.』

労働市場に関しては一応改善という話にはなっているのですけれどもね。

『For example, real disposable personal income in January was virtually unchanged from a year earlier and would have been even lower in the absence of a substantial rise in federal transfer payments to households. Business spending on equipment and software picked up substantially over recent months, but anecdotal information suggested that this pickup was driven mainly by increased spending on maintaining existing capital and updating technology rather than expanding capacity.』

『The continued gains in manufacturing production were bolstered by growing demand from foreign trading partners, especially emerging market economies. However, a few participants noted the possibility that fiscal retrenchment in some foreign countries could trigger a slowdown of those economies and hence weigh on the demand for U.S. exports.』

とまあ今の回復に関しても必ずしも万全でない、というのをアピールしているのでございまして、米国で年内(どころか下手したら秋とか)利上げとかいう話が出たり出なかったりするのはナンナンデショという気がするのですけどね。

それから労働市場に関しては「改善の動きがみられる」ものの、それは今の所フルタイム労働などには及んでおらず、サーベーイによる企業の行動はまだ大規模な新規設備投資や新規雇用にまでは及んでいないという話をしています。その結果として、

『A number of participants pointed out that the economic recovery could not be sustained over time without a substantial pickup in job creation, which they still anticipated but had not yet become evident in the data.』

ということで、「労働市場の回復無くして景気回復なし」(どっかで聞いたセリフだなおい)ってな話になっていまして、これまたそんなに簡単に引締めモードにならないんじゃないかなあとか外野的には思うのですが。

また、住宅セクターに関する懸念に関しても言及されていまして、こちらに関しては住宅減税関連措置が切れた所でどうなるのかという点を指摘していますな。なお、商業用不動産に関してはどうしようもないのですが、こちらに関しては現状の景気認識に関するところで散々書かれていますが割愛。

で、ここの最後の部分でもう一回インフレ見通しに関する話をしているのでして、「大事なことなどで2回言いました」ってなもんでしょう(違)。

『In discussing the inflation outlook, participants took note of signs that inflation expectations were reasonably well anchored, and most agreed that substantial resource slack was continuing to restrain cost pressures.』

『Measures of gains in nominal compensation had slowed, and sharp increases in productivity had pushed down producers' unit labor costs. Anecdotal information indicated that planned wage increases were small or nonexistent and suggested that large margins of underutilized capital and labor and a highly competitive pricing environment were exerting considerable downward pressure on price adjustments. Survey readings and financial market data pointed to a modest decline in longer-term inflation expectations over recent months.』

ただまあ一部の委員からはこのような指摘も。

『While all participants anticipated that inflation would be subdued over the near term, a few noted that the risks to inflation expectations and the medium-term inflation outlook might be tilted to the upside in light of the large fiscal deficits and the extraordinarily accommodative stance of monetary policy.』

ということで、財政支出の大幅拡大と金融政策の緩和的なスタンスが中期的なインフレ期待を引き上げるのではないかという指摘をしている人がまあいるのですが、先般来引用していますコーン副議長講演(もうちょっと引用すべき所が残っているのですが、現状の金融政策運営に関するインプリケーションとしては先週までに引用した部分でネタはほぼ終了しています)にありますように、現状では超過準備が直接的にインフレに作用していませんという話になっているので、先行きの景気見通しがそんなに強くないうちは中期的インフレ期待も引き続き抑制、というのが少なくとも議長とか副議長とかの認識なんじゃネーノって思うのでありました。


○償還乗り換えの変更に関して

前半の『Developments in Financial Markets and the Federal Reserve's Balance Sheet』というまあ要するに事務方報告みたいな部分の最後の方に「ふーん」という話が。

『The staff also briefed the Committee on potential approaches for managing the Treasury securities held by the Federal Reserve.』

ほいな。

『To date, the Desk had been reinvesting all maturing Treasury securities by exchanging those holdings for newly issued Treasury securities, but an alternative strategy would be to allow some or all of those Treasury securities to mature without reinvestment.』

これは「償還乗り換え方法の変更」という話ですな。ちなみに日銀では償還された買入中長期国債は1年物の短期国債に乗り換えて、それを更に1回短期国債に乗り換える事もできるし償還する事もできる(どちらにするのかは年度ごとに決めてたと思うのだが)のですが、まあそういう方式。以前は新発10年国債に乗り換えていたのですけどね。

#結果として日銀の長期国債買入は「成長通貨の供給」というよりは「長期の資金供給オペレーション(買った長期国債の残存期間+1年か2年の資金供給オペ)」的な性格が強まったのですがその話は以前もしましたよね

『Redeeming all of its maturing Treasury holdings would significantly reduce the size of the Federal Reserve's balance sheet over coming years and hence could be helpful in limiting the need to use other reserve draining tools such as reverse repurchase agreements and term deposits.』

そらそうなのだがその場合には財務省証券の市中消化が増えるのですけどね。

『Redemptions would also lower the interest rate sensitivity of the Federal Reserve's portfolio over time.』

FEDのポートフォリオの金利感応度を減らすっていうのは要するに「長期金利が上昇したらFEDのバランスシートが毀損する」という論点だと思いますが、そーゆー指摘をするんだと「ほほー」と思いましたですよ。

『Nevertheless, the initiation of a redemption strategy might generate upward pressure on market rates, especially if that measure led investors to move up their expected timing of policy firming.』

償還乗り換え方式の変更によって市場で金融引き締めの思惑から金利が上昇するんでネーノという指摘もしているのですが、それはまあはっきり言ってしらっと実行したら誰も気がつかないというのが日本の例だと思います(^^)。

『Participants agreed that the Committee would give further consideration to these matters and that in the interim the Desk should continue its current practice of reinvesting all maturing Treasury securities.』

ということで、まあ今後の検討課題という事ですけれども、結構ネタにしちゃったからこの件でも変な思惑が浮上する可能性もあるのかも知れませんね(少なくともFOMCではその辺を気にしているんですな)。


ということで虫干しネタ恐縮至極。よーするに「特にホーキッシュな話は無いっすけどねえ」という話でございました。
 


お題「さくらレポートも上向きとな/コーン副議長が敢えてスルーする論点とは」   2010/04/16(金)08:12:51  
  寒暖差が無茶苦茶でございますのでお体に注意ありたし。

○さくらレポートから少々

[外部リンク] the severity of the downturn, it became clear that lowering short-term policy rates alone would not be sufficient. We needed to go further to ease financial conditions and encourage spending. Thus, to reduce longer-term interest rates, like those on mortgages, we purchased large quantities of longer-term securities, specifically Treasury securities, agency mortgage-backed securities, and agency debt.』(3月24日講演)

という事で、長期金利を下げると思いっきり言っているのですが、じゃあ財務省証券の買入によって長期金利が下がったかと言えばその結果は皆様ご案内の通りで、アナウンスした瞬間は金利が下がりましたが、その後金利は絶賛上昇して、結局の所10年金利は買入のアナウンスをする前よりも上昇した状態が継続となっています。しかもコーンさんは同じ講演の中で買入の動機および効果として、

『One question involves the direct effects of the large-scale asset purchases themselves. The theory behind the Federal Reserve’s actions was fairly clear: Arbitrage between short- and long-term markets is not perfect even when markets are functioning smoothly; and arbitrage is especially impaired during panics when investors are putting an unusually large premium on the liquidity and safety of short-term instruments. In these circumstances, reducing the supply of long-term debt pushes up the prices of the securities, lowering their yields.』(3月24日講演)

通常の状態であれば、政策金利(=短期金利)の操作によって長期国債金利や長期のその他社債などの資産の金利に影響を与える事ができるが、通常の長短金利差などの鞘取りを市場参加者が行わないという状態になった場合に、直接的に金利を引き下げるということで買入を実施しました。で、その買入の効果は金利低下で測られますというような話が続くのですな。

然るに当時の状況を考えますと、確かにまあMBS市場とかどうしようも無い状態にあったのはその通りですが、一方で財務省証券市場は何の問題も無く普通に市場機能が堂々とワークしていた訳でございまして、その点からも何で長期財務省証券を購入したのかは全く持って意味判らんという話になります。

まあその辺を当然ながら自覚しておられるでしょうから、MBSやエージェンシー債の買入と財務省証券の買入を敢えて「Large-Scale Asset Purchases」の一言でごっちゃにするという荒業に出ているのではないかと存じます。


で、話をもっと昔に戻しますと、買入決定した時のFOMC議事要旨の時点ではどういう話をしてたかという事になりまする。

『In the discussion of monetary policy for the intermeeting period, Committee members agreed that substantial additional purchases of longer-term assets eligible for open market operations would be appropriate. Such purchases would provide further monetary stimulus to help address the very weak economic outlook and reduce the risk that inflation could persist for a time below rates that best foster longer-term economic growth and price stability. 』(2009年3月18日のFOMC議事要旨より、以下同様)

から始まる議論の部分なのですが。

『One member preferred to focus additional purchases on longer-term Treasury securities, whereas another member preferred to focus on agency MBS. However, both could support expanded purchases across a range of assets, and several members noted that working across a range of assets and instruments was appropriate when the effects of any one tactic were uncertain.』

まあそもそもかなりヤケクソ気味に突っ込んだというのは把握した。

『Members agreed that the monetary base was likely to grow significantly as a consequence of additional asset purchases; one, in particular, stressed that sustained increases in the monetary base were important to ensure that policy was consistently expansionary. 』

『Members expressed a range of views as to the preferred size of the increase in purchases. Several members felt that the significant deterioration in the economic outlook merited a very substantial increase in purchases of longer-term assets. In contrast, the potential for a large increase over time in the size of the balance sheet from the TALF program was seen as supporting a more modest, though still substantial, increase in asset purchases.』

最初の方で買入によるマネタリーベース拡大の話をしているのですが、まあ結局のところ、コーンさんの講演ではその直接的な物価や経済に与える効果は限定的って話になっているのがチャーミングという感じで、まあ再掲(去年の4月10日と13日にネタにしております)部分も多いのですが(汗)、結局財務省証券の買入に関する話が、従来の(この時までに行われていたFOMCにおける)ロジックであります所の、「機能不全に陥った市場の回復を行う」という個別市場介入理由とは違う点については結局華麗にスルーしたまま特攻したという感じですな。

でまあ特攻したのは良いのですが、それを引く時になってさてどうしましょというのが昨日引用したコーンさんの講演の最後の部分でありまして、講演の中では「経済が正常になってきた場合には超過準備を引く」という話をしているのですが、じゃあ本当にそれが可能なのかという話になると、まあ正直言って大丈夫かねという感じは思いっきりするのでございます。

まさか無理無理長期債売る訳にもいかないでしょうから、超過準備を持ちながら金利引き上げて、しかも実効FFレートが誘導難しいとか中々お洒落な事になるのかもしれませんね。とりあえずはバーナンキ講演にありますように(週末に読みます)景気見通しは厳しいですから当面その話にはならないのでしょうけれども、物価「だけ」上がって来ると中々お寒い気がします。

#ごちゃごちゃとあまり纏まって無くてどうもすいません
 


お題「今日も小ネタと虫干し大ネタで(^^;」   2010/04/15(木)08:16:37  
  ふーん新党ですか。党名は「新党口だけハゲ」が良いと思いますよ。
[外部リンク] second issue involves the effect of the large volume of reserves created as we buy assets.』

ということで「資産買入によって形成された」巨額のリザーブの効果に関する論点にやっと辿り着きました^^(段取りが悪いだけというツッコミはしないように)。

『The Federal Reserve has funded its purchases by crediting the accounts that banks hold with us. Those deposits are called "reserve balances" and are part of bank reserves.』

さいですな。


○リザーブの拡大は副次的な話でメインの経路やはり金利引き下げ

で、その次の説明ではコーンさんこんな事を。

『In our explanations of our actions, we have concentrated, as I have just done, on the effects on the prices of the assets we have been purchasing and the spillover to the prices of related assets.』

これは昨日ご紹介した中にもあったと思いますが、FRBが資産買入によって想定した政策パスは「対象資産の金利を引き下げること」という直接的なものに加え、低金利による所謂「ポートフォリオリバランス効果」によって他の資産クラスにも価格上昇の効果が及ぶという形、即ち基本的に「金利」パスによる効果を見込んでいるという話ですな。


○特定の経済状況においてはリザーブ拡大の効果は単独では乏しいという見解

『The huge quantity of bank reserves that were created has been seen largely as a byproduct of the purchases that would be unlikely to have a significant independent effect on financial markets and the economy.』

(拙訳)FRBによる大規模な資産買入プログラムによって形成された巨額の銀行リザーブは主として買入の副産物として作られたものであり、それ単独で意味のある効果を金融市場や経済に影響を与えるという事では無さそうです。

#えーっとですね、この文の2番目のthatが関係代名詞なのか接続詞なのか良く判らんのですが(あほ)、以下引用する文章の流れからするとthatは購入じゃなくてリザーブにかかるような気がするのでそう読んだのだがどうでしょ

『This view is not consistent with the simple models in many textbooks or the monetarist tradition in monetary policy, which emphasizes a line of causation from reserves to the money supply to economic activity and inflation.』

(拙訳)この見方は多くの教科書やマネタリストの伝統的な金融政策に関する見解にある単純なモデルが示す、リザーブの形成が直線的な因果関係をもってマネーサプライや経済活動やインフレに影響を与えるという考えとは一致しません。

『Other central banks and some of my colleagues on the Federal Open Market Committee (FOMC) have emphasized this channel in their discussions of the effect of policy at the zero lower bound. According to these types of theories, extra reserves should induce banks to diversify into additional lending and purchases of securities, reducing the cost of borrowing for households and businesses, and so should spark an increase in the money supply and spending.』

(拙訳)他の中央銀行やFOMCの数人のメンバーなどにはゼロ金利制約の下でのリザーブ形成の直線的な因果関係の効果を強調する人もいます。このタイプの考えでは、銀行に超過準備があることによって、銀行が追加の貸出や証券購入を行うように仕向けられる為、家計や企業の借り入れコストの引き下げに繋がり、それによってマネーサプライや消費の拡大につながるであろうという事になります。

『To date, that channel does not seem to have been effective; interest rates on bank loans relative to the usual benchmarks have continued to rise, the quantity of bank loans is still falling rapidly, and money supply growth has been subdued. Banks' behavior appears more consistent with the standard Keynesian model of the liquidity trap, in which demand for reserves becomes perfectly elastic when short-term interest rates approach zero. But portfolio behavior of banks will shift as the economy and confidence recover, and we will need to watch and study this channel carefully.』

(拙訳)今日では、上述した経路による効果は乏しいと見られます。銀行の貸出ベンチマーク金利は上昇を続けていますし、銀行ローンは依然として急速に減っています。そしてマネーサプライの増加は抑制されています。銀行の投融資行動は、標準的なケインジアンの示す流動性の罠のモデル、短期金利がゼロに到達した場合にリザーブへの需要が完全に弾力的になる(直線的な因果関係がなくなる)という状態により近いようにみられます。しかし、銀行の投融資行動は経済状態やコンフィデンスが回復してきた場合には今日の状態からシフトすると思われますので、我々はこの超過ザーブの効果についての注意深い研究および観察をしないといけません。


とまあそういうことで、超過準備に関する話ですが、米国の現状においては資産買入によってもたらされた超過準備がそれ単体でマネーサプライを通じて効果を与えるというマネタリスト的な経路で効く訳ではなく、現状ではケインジアンモデルの流動性の罠状態に陥っているという話をしていますが、経済状況が好転した場合にはその限りでは無いという話をしていまして、この辺りに関しては銀行の投融資行動を見ていく必要があるという話ですな。

つまり、その辺りの活動がどう動いているのかによって、将来の出口政策における流動性吸収の速度(ちんたら吸収するのか過激に吸収するのか)も見えてくるのではないかというのが政策インプリケーションとなるのではないでしょうか。



○長期資産を沢山買った場合の期待形成に関する話

リザーブの話の次は別の論点。

『Another uncertainty deserving of additional examination involves the effect of large-scale purchases of longer-term assets on expectations about monetary policy.』

長期資産を大規模に購入した場合の金融政策への期待形成に関する論点とな。

『The more we buy, the more reserves we will ultimately need to absorb and the more assets we will ultimately need to dispose of before the conduct of monetary policy, the behavior of interbank markets, and the Federal Reserve’s balance sheet can return completely to normal.』

より多くの長期債を買うと平常に戻す時により多くの吸収や資産の売却などが必要になると。

『As a consequence, these types of purchases can increase inflation expectations among some observers who may see a risk that we will not reduce reserves and raise interest rates in a timely fashion.』

(拙訳)結果として、長期資産を大規模に購入した場合、中央銀行がバランスシートをタイムリーに平常状態に戻す事が困難になるリスクを意識する向きに対してインフレ期待を引き上げる効果があります。


『In fact, longer-term inflation expectations generally have been quite well anchored over the past few years of unusual Federal Reserve actions. And we are developing and testing the tools we need to remove accommodative monetary policy when appropriate. I am confident the Federal Reserve can and will tighten policy well in advance of any threat to price stability, andsuccessful execution of this exit will demonstrate that these emergency steps need not lead to higher inflation.』

(拙訳)実際問題として、ここ数年のFRBによる異例の金融政策の実施にも関わらず、長期的なインフレ期待は一般的に非常によくアンカーされています。そしてFRBは適切な時点で緩和的な金融政策を終了させる為のツールを作り、テストしている所です。私はFRBが望ましくないインフレが発生する前に十分に金融引き締めを行うであろうし、それは可能だという事を確信しています。そして、この出口政策の成功によって、FRBがこれまで実施した緊急措置が高インフレを招かない事の証明となるでしょう。


てなわけで、後半でこのような話があるという事は、リザーブ(あるいはFEDのバランスシート)拡大によるインフレ懸念の拡大に水を差そうという意識もあるのではないかという気もせんでもないので、前半における「リザーブの効果」の話もやや「効果は単独では無いですよ」の強調に軸足を置いているという可能性もあるのかなあとも思うのでありました。


#なお続くのですがまた後日(汗)
 


お題「雑談を少々/コーン講演の続き」   2010/04/14(水)08:12:46  
  ○各種雑談を少々

・某新聞がネタにしたら終了でござるの巻

昨日は某新聞のマーケット欄でGCレートが上昇している事をネタにして「市場機能重視でレート上昇を容認するオペレーションをしている」というような記事がありましたが、準備預金の積み着地が見えてきたのが要因なのかどうか知りませんが、その肝心のGCレートちゃんは昨日のトモネから下がりまして、レギュラーの16日のGCも低下。

昨日のオペ実施後ベースで明日(積み最終)の当座預金残高が18.7兆円になり、多分今日は新型オペ新規と国債買現先のロールがあるので、16日の当座預金残高は17兆円近辺になると思われるので、週末3日でいきなり積みが進捗しちゃうでしょとなり、GCで運用しとかないとマズーな人も出てくると思われ、そらまあレートは落ち着いてくるわなという感じですわな。

つまり、まあ積み最終手前になると積みの着地を見るまで資金を出さないという人がいるので、その時点で資金余剰地合になっている場合は供給オペが多く無く、その分でGCが上昇する場合もありますなというお話でして、この間に3MTBのレートが殆ど上昇しなかった(さすがに0.12%割れだったのが0.12%レベルに上昇というような動きはあったけど、まあそれは動いたという程の物でも無い)辺りにその辺の事情を参加者も判ってますがなってえのが反映していると存じます。

ということで、どこぞの新聞がネタにしたら相場終了でござるの様式美を昨日も見る事が出来ました。つーか折角相場動いて楽しめるというのに記事書いて相場止めるなと(笑)。

ま、それ以前の問題としてのそもそも論で、ターム物金利が無駄に上昇しているというような事態になっていない上に、誘導目標のコールレートは0.09%に近い水準の日が多いという中なのに「上昇放置」みたいな書き方をするのは意味が判りませんなあと存じますがね。


・国債デフォルト前提の話を国会議員がしてどうする

昨日市場で失笑を誘った(笑うより呆れる世界かも)ネタですが。
[外部リンク] Asset Purchases and the Buildup of the Reserve Base』(大規模な資産購入と超過準備の積み上がりに関して)というお題の部分が中々興味深く読めたのでありましてその部分から。

まず最初に資産買入に至るまでの経緯に関しての簡単な話があります。こちらでは、利下げで短期金利をゼロ近くに下げ、その後は金融政策の先行きのパスを示すことによって更に緩和的な金融環境を作るという時間軸っぽい話をしらっとしているのがチャーミング。

『The Federal Reserve and other central banks reacted to the deepening crisis in the fall of 2008 not only by opening new liquidity facilities, but also by reducing policy interest rates to close to zero. Such rapid and aggressive responses were expected to cushion the effects of the shock on the economy by reducing the cost of borrowing for households and businesses, thereby encouraging them to keep spending.』

ここまでが金利を下げた話。

『In addition, the Federal Reserve and a number of other central banks have provided more guidance than usual about the likely future path of interest rates to help financial markets form more accurate expectations about policy in a highly uncertain economic and financial environment.』

時間軸ですなあ。で、その次も同じくその説明の続きです。

『In particular, we were concerned that market participants would not fully appreciate for how long we anticipated keeping interest rates low. If they hadn’t, intermediate- and longer-term rates would have declined by less, reducing the stimulative effect of the very low policy rates.』



○資産買入は金利引き下げを目的にしたとな

で、その後が資産購入を行いましたという話ですが、ここまでのマクラから判るように、資産買入は金利の引き下げを目的にしているという説明をしているのでありました。

『Given the severity of the downturn, it became clear that lowering short-term policy rates alone would not be sufficient. We needed to go further to ease financial conditions and encourage spending. Thus, to reduce longer-term interest rates, like those on mortgages, we purchased large quantities of longer-term securities, specifically Treasury securities, agency mortgage-backed securities, and agency debt.』

ということで、政策金利(=短期金利)の引き下げだけでは不十分になったので、我々は財務省証券やエージェンシーMBSやエージェンシー債を大量に買いましたって言ってるので、やっぱり資産買入は金利引き下げを目的にしたとな。


○次の課題は資産買入の効果およびリザーブの拡大の効果の検証とな

『Central banks have lots of experience guiding the economy by adjusting short-term policy rates and influencing expectations about future policy rates, and the underlying theory and practice behind those actions are well understood. However, the economic effects of purchasing large volumes of longer-term assets, and the accompanying expansion of the reserve base in the banking system, are much less well understood.』

(拙訳)中央銀行が短期金利を調節したり、先行きの政策パスへの期待を示すことによって実体経済に影響を与える効果については多くの実績および理論があります。しかし、中央銀行が大量に資産を購入し、その結果をして民間銀行のリザーブが拡大する事に関する効果についてはあまり経験も無く理解も不十分です。

『So my second homework assignment for monetary policymakers and other interested economists is to study the effects of such balance sheet expansion; better understanding will help our successors if, unfortunately, they should find themselves in a similar position, and it will help us as we unwind the unusual actions we took.』

(拙訳)従いまして、金融政策担当者や、金融政策に関連するエコノミストにとっての2番目の研究課題は、これらのバランスシート拡大の効果を検証することです。より良い理解をする事によって、将来不幸にも似たような事が起きた場合の助けにもなりますし、我々が行った政策を通常に戻す場合の参考にもなるでしょう。

ということで、この課題なのですが、実は2つのパートに分かれていまして、最初に、

『One question involves the direct effects of the large-scale asset purchases themselves.』

と、買入そのものに関する直接的な効果についての検証が課題になっておりまして、その後、『A second issue involves the effect of the large volume of reserves created as we buy assets.』と、買入によって引き起こされたリザーブの拡大の効果の検証が課題になっているのです。


○買入の直接効果は市場の新規供給量対比なのか市場残高対比なのか

『One question involves the direct effects of the large-scale asset purchases themselves. The theory behind the Federal Reserve’s actions was fairly clear: Arbitrage between short- and long-term markets is not perfect even when markets are functioning smoothly; and arbitrage is especially impaired during panics when investors are putting an unusually large premium on the liquidity and safety of short-term instruments. In these circumstances, reducing the supply of long-term debt pushes up the prices of the securities, lowering their yields.』

まず最初に買入をして金利を下げる理屈についての説明がありますが、ここでは流動性供給プログラムを実施する時と同じような背景の説明を行っています。即ち、上の文中にありますように、「短期金利と長期金利の間の鞘を取りに行く動きよって短期金利が長期金利に影響を与えるのだが、金融危機によって引き起こされた市場機能低下の中においては、その動きが機能しにくくなるので、長期資産の購入を行う事によって、当該証券の価格を引き上げ金利を下げる」という話をしています。

でですな、それってFRBが流動性供給プログラムを次々実施していく中で「市場が機能しなくなっている所にFRBが市場機能の代替をする」という理屈をだしていたので、それはその通りなのですが、では何故機能が喪失している訳でもない財務省証券の購入を行ったのよ???というツッコミをしたくなる所ではございますけれども、その部分に関してはこの先でもごにょごにょとした説明になっています。

それから、上記説明の中で「長期資産のサプライを減らせば金利は下がる」という話をしてまして、そらまあ需給だけ見たらそういう話になりますし、極端にサプライを減らせばそらまあ金利も下がるのですが、少々の変化の場合は需給だけではなく、別のファクターが効いてくるのではないかと思われるので、単純に「買入をすれば金利が下がる」というもんでも無いと思います。

まあそんな話がその次に。

『But by how much? Uncertainty about the likely effect complicated our calibration of the purchases, and the symmetrical uncertainty about the effects of unwinding the actions--of reducing our portfolio--will be a factor in our decisions about the timing and sequencing of steps to return the portfolio to a more normal level and composition. Good studies of these sorts of actions are sparse. Currently, we are relying in large part on studies that examine how much interest rates dropped when purchases were announced in the United States or abroad. But such event studies may not be an ideal means to predict the consequences of reducing our portfolio, in part because the economic and financial environment will be very different, and also because event studies do not measure effects that develop or reverse over time. We are also uncertain about how, exactly, the purchases put downward pressure on interest rates.』

では効果を量的に考えた場合どうなのよという事ですが、これがまた効果を測定するのは難しいですなという話ですけど、一つの考え方として、買入のアナウンスを行った時にどの位金利が低下したかというものがあるでしょう、と指摘しています。ただし、環境が違うのでそれを出口に当てはめる場合には当てはまるかどうかは不明確ですし、将来に行う場合にも当てはまるかどうかは不明確ですね、という前提をおきつつ何となくのコーンさんのまとめがその次に。

『 My presumption has been that the effect comes mainly from the total amount we purchase relative to the total stock of debt outstanding. However, others have argued that the market effect derives importantly from the flow of our purchases relative to the amount of new issuance in the market. Some evidence for the primacy of the stock channel has accumulated recently, as the prices of mortgage-backed securities appear to have changed little as the flow of our purchases has trended down.』

(拙訳)私の推測では、資産購入による金利引き下げ効果は、主に当該資産の市場残高に対して我々の資産購入額がどのくらいの割合であったかによって、その度合いが決まっていたのではないかと考えています。しかしながら、当該資産の市場残高ではなく、新規に発行される額との対比で効果が定まるという意見も別にあります。ただし、最近の市場動向を見ますと、我々がモーゲージ債の買入を減らして行く中で、モーゲージ債の価格に大きな変化が見られていませんので、前者の推測の方が正しいのではないかという見方ができるかもしれません。

ということで、本当は次の拡大したリザーブベースの話がメインイベントなのですが、例によって前座で終了してどうもすいませんすいませんm(__)m
 


お題「3月決定会合議事要旨から」   2010/04/13(火)08:15:21  
  中々今回のはワロタ。

[外部リンク] 日本銀行の金融政策は、あくまで金利水準を目安にしているにもかかわらず、特定のオペの資金供給量で金融緩和の度合いを測るといった誤解が、市場などに拡がる可能性があること、

市場が織り込めば、それに従わざるを得ないとの見方が強まるリスクがあること等から、長い目でみた場合には、実施することのコミュニケーション上のデメリットが大きい

として反対した。』(機種依存文字は原文ママで勘弁)

まず循環的に言えば回復しているという点を突いて、循環的に回復しており景気判断も前進させる中での追加緩和措置の実施という話は、従来のロジックからすれば変というのはまあその通り。これが従来から先走り型というかプロアクティブというかな動きをしていれば別なのですが、まあ12月の対応にしても構造問題(デフレ)対応で動いたのですが、あくまでも「デフレマインドの拡大懸念」というような対応であって、「下振れリスク対応」という名目でしたから、今回の措置は「従来のロジックから飛躍している」という点ではまさにおっしゃる通り。

これがですな、今月の展望レポートで先行きの物価見通しが引き続き基調的にマイナス継続ですよというような見通しでも出る中であれば、「中長期的なデフレ定着を阻止するために緩和拡大」というようなロジックを持ち出す事ができるのでそこまでのロジック飛躍にならんのですよね。と、考えますと本来は4月に追加緩和した方が話には無理が無かったという所でしょう。

で、2番目の論点はまあそうですなということで、金利市場の実際の価格形成という意味で言えば、新型オペの量が幾らだから金利がどうなるという話は実は実態を反映していないのであります。確かに固定金利オペの無い世界からある世界になった場合には意味がある(現実問題として3か月TBの金利は2bp程度低下した)のですが、それを増やしたからどうなのという点に関しては他のトータルの資金需給の関係があって、別に新型オペを増やしたから緩和度が上がるのかというとそれは微妙。つまりまあぶっちゃけ(短期金融市場以外の)ミスリードに期待した措置であり、そのようなインチキはどうなのかという話ですわな。

従って、公表文では新型オペの増額を決定という形にしていますが、公表文の決定事項という意味では『当面の金融政策運営について(やや長めの金利の低下を促す措置の拡充、12時49分公表)』という事で、あくまでも「金利」という事になっているのですが、それはあくまでも表面的な話で、やはりそらインチキでしょというのが須田さんの主張で、それはまあ誠に御尤も。
(参考)→[外部リンク] 経済見通しが若干上振れ、物価見通しは中間評価での想定に概ね沿って推移し、金融市場の急変等の事情もないこの時点で追加緩和を行うことは、これまでの金融政策の枠組みと整合的ではなく、市場とのコミュニケーションの持続性の観点から不適当であること、

追加緩和策による金利低下の効果が限定的であり、アナウンスメント効果も期待しにくい一方で、観測報道等に金融政策が振り回されたとの誤解を与え、金融政策の信認を低下させるという副作用が懸念されること

等から、反対した。』

野田さんの場合は須田さんとややトーンが違うのは「追加緩和を行わないという訳ではない」というのが最初にある所で、従来野田さんは金融機関の不良資産問題が実体経済に与える影響について、かなり厳しく見ており、それは循環的な問題ではなく構造的な問題であるだけに悪影響は長引くという見解を示していましたので、そういう意味では別にタカ派では無いので間違えないようにしましょう。

で、1番目はまあその通りでございまして、「これまでの金融政策の枠組みと整合的ではない」というのが正しく先程も申し上げた通りで、従来の下振れ対応型の政策と話が違うじゃねえのというのは正論も正論。本来は3月のあのタイミングで追加緩和するというのであれば、「日銀はより積極的に緩和を続けるのですよ」というような転換をアナウンスする位であれば良いのですな。

そして2番目ですが、新型オペ20兆円に増額して金利低下の効果が限定的というのは誠に仰る通りにも程があるのでして、3月の財政大幅払い超によって新型オペと企業金融特別オペという長い期間の資金供給オペが短いオペに食い込む形になってしまい、足元で短いオペが足りなくなってきたせいでGCレートが昨日ベースで0.14-0.145とかに上昇している(ただし3か月TBは0.12%のままですけど)というような動きになっておりまして、実際問題として新型オペを増額したからと言って金利が下がるかというと下がらないのでして、これはまあ野田さんの指摘通り。

で、アナウンスメント効果に関しては、金利市場という意味では正直言って無いと思うのですが、金利市場以外の皆様の誤解、あるいは野田さんの反対理由にあるような「従来の枠組みと整合性の無い緩和措置を実施した」という点から来る「ということは日銀は従来の枠組みから踏みこんだ措置を取ったのではないか」という理解(または誤解)を招くという意味での効果はあるのかなあと思うので、その点だけは微妙な気がします。

で、「観測報道等に金融政策が振り回される」という話は全くもってその通りでございまして、最早何を付け加える事もございませんな。

と言う話は昨日の市場で思いっきり話題になっていましたので今更でございますけれども、あたくしの備忘録でもございますので書いておくのだ。


○で、当面の金融政策運営に関する検討部分もオモシロス

ネタが多いので箇条書きで。

・これは4月声明文の布石ですね

検討の最初の所から。

『こうした政策の効果について、何人かの委員は、政策金利を0.1%で維持することで、物価下落幅の縮小に伴って実質金利が低下するとともに、企業収益の回復が鮮明になっていることも相俟って、金融緩和効果が強まってきていると述べた。』

これが4月声明文での金融環境の認識前進につながったという事ですね、わかります。


・新型オペの効果について

まあターム物金利が何となく下がった(3か月TBで0.02%ですけどね)のはそうなのですが。

『多くの委員は、昨年12 月に固定金利方式の共通担保資金供給オペレーション
( 固定金利オペ) を新たに導入して以降、

短期金融市場における長めの金利が総じて低下しているほか、貸出金利も更に低下している、

企業マインドの下振れを回避するという面でも一定の効果があった、
と指摘した。』

1番目に関しては、総じて低下ってまあ2bp位の世界なのですけど・・・・それが貸出金利に影響するのかというと正直言ってそれよりも別のファクター(銀行の融資姿勢とか企業の資金需要とか)の方が効いてるんジャマイカと思いますが、そう言っては身も蓋も無いというのはオトナの話ですかそうですか。

で、2番目は「ふーん」という感じで。企業マインドもそうですけれども、デフレ克服姿勢を見せる事による企業だけではなく全体的なマインド改善に向けてどうしましょっていう文脈なら判るのだが。

『これらの委員は、景気が持ち直し、物価の下落幅が縮小しているこの段階で追加的な緩和措置を実施することは効果的であり、固定金利オペを大幅に増額することにより、やや長めの金利の低下を促す措置を拡充すれば、経済・物価の改善の動きを確かなものとすることに資するのではないかと述べた。』

ただまあそれが従来の枠組みと整合性あったんでしたっけというのは野田さんの指摘の通り。


・ところで20兆円は決定会合で決めたのか執行部が決めたのか???

で、その20兆円に関しての話がややこしい。

『委員からの問題提起を受けて、執行部より、

特別オペの残高は約5兆円だが、4月以降、漸次減少し、6月には残高がゼロとなる予定であること、

CP買現先オペの残高は約2兆円だが、CP市場の改善を踏まえると、今後、平時の運用に戻していくことが適当であると考えられること、

が説明された。更に、執行部からは、これらの資金供給を代替するとともに、やや長めの金利の低下を促す措置を拡充するとすれば、固定金利オペの資金供給額を10 兆円程度増額し、合計で20 兆円程度とすることが考えられる、と付け加えられた。』

『多くの委員は、固定金利オペの資金供給額を20 兆円程度に増額するという今回の措置の拡充は、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰するために中央銀行としての貢献を粘り強く続けていくとの方針を、改めて明確に示すものであると述べた。』

・・・・・えーっと、これだと20兆円を決定したのが決定会合なのか執行部なのか良く判らん、というか結局決定会合で決めているように見えるけど、特定のオペの増減を一々決定会合で決めるのってどうなのよ、という須田さんの反対理由に繋がるツッコミどころではございます。


しかしまあ何ですな、この説明ですけれども、「改めて明確に示す」ということで要するにマインド面向けの政策ですよという話ですが、こんな話をする人もいるのね。

『何人かの委員は、特別オペが、3 月をもって完了し、4 月以降、オペの残高が漸次減少していく中で、固定金利オペによる資金供給額を大幅に増額することで、追加的な金融緩和の効果が得られると述べた。』

・・・・たぶんそれは無い無い。


・で、須田さんと野田さんはこのように反対してましたと

念の為引用。

『これに対し、複数の委員は、足もとの各種経済指標は概ね想定どおりに推移しており、日本経済は現在持ち直しの過程にあることなどから、今回、追加の緩和措置を講じることは不適当と述べた。このうち、ある委員は、市場機能に与える影響等も踏まえると、追加緩和については、慎重な検討が必要であると指摘した。』

市場機能に与える影響というのは野田さんかなという感じもしますが、固定オペを増やし過ぎると足元のコントロールが難しくなるという点について指摘したのであれば野田さんではなかろうかと。



・要するに日経新聞はケシカランということですね、わかります

『委員は、情報発信のあり方について議論を行った。』

キタコレ。

『多くの委員は、今回の金融政策決定会合のかなり前から、追加金融緩和策を検討しているとの報道がなされ、市場にも様々な思惑が高まったことに言及した。何人かの委員は、事前の報道や市場の思惑が高まってしまうと、金融政策決定会合の結果が予想に沿ったものでも、逆に予想に反したものとなっても、結局、中央銀行の政策運営に対する信認が失われる可能性があると述べた。』

つまり日経新聞は日銀の邪魔ばっかりしやがってケシカランと言う事ですね。

『多くの委員は、金融政策の運営は、あくまで、中長期に亘る経済・物価情勢の判断に基づいて行うものであり、事前報道や市場の思惑と反する場合には、情勢判断や政策運営に関する説明を丁寧に行うことによって、国民の信頼を得ることが出来ると述べた。こうした議論を経て、委員は、情報発信のあり方については、今後、これまで以上に細心の注意を払っていく必要があるとの見方で一致した。』

まあつまらんリークみたいな話は止めなさいなという所ですが、何せ今回の緩和措置のように「従来の枠組みと整合性が無い」事をするのが日銀クオリティなので取材する方もそりゃ頑張るわなと思うのであります。


○物価に関してやたら強気の人が少なくとも一人いるのですが・・・・・

で、更に戻って経済状況の認識についての検討の概要に関してですが、こちらに関しては割と慎重な見方が多くて、引用すると長くなるので引用はスルーしますけれども、輸出と生産が強めの見方ですが、設備投資に関しての先行きは結構慎重で、雇用・所得環境も同様に慎重。個人消費はまあ普通の見方ですが、やや見方が分かれている感じですな。

で、物価に関して。

『消費者物価( 除く生鮮食品) の前年比について、委員は、経済全体の需給が緩和状態にあるもとで下落しているが、その幅は縮小傾向を続けており、こうした動きは、1月の展望レポートの中間評価で示した見通しに概ね沿っているとの認識を共有した。』

『複数の委員は、消費者物価指数の基調的な傾向を示す刈り込み平均の前年比マイナス幅がこのところ縮小してきていると指摘した。もっとも、ある委員は、価格下落品目数が引き続き増加するなど、物価下落の裾野が拡がっていると指摘した。』

ということで、現状に関してはやや弱めの意見1名にちょっと明るめが複数となっていますが、先行きに関しては・・・・

『先行きについて、委員は、当面は現状程度の下落幅で推移したあと、マクロ的な需給バランスが徐々に改善することなどから、下落幅が縮小していくとの見方を共有した。』

まあこれは良いのだが。

『ある委員は、実体経済の持ち直しが物価に波及するには相応のラグがあり、今後、物価面で、景気持ち直しの影響が現れてくる可能性が高いと述べた。』

・・・・・・これはまた強気な。もしかしてもしかしてこの前の会見で妙に強気な事を言ってたどこぞの総裁様ですか????

『ただし、何人かの委員は、需給環境の改善は緩やかであるため、物価のマイナス幅の縮小も緩やかにならざるを得ないと述べた。ある委員は、過去、短期間で物価が大きく上昇したのは、資源価格の高騰や税制の変更といった場合のみであり、需給環境の改善に伴う物価上昇には時間がかかると述べた。』

こっちの見方の方が妥当だと思うのだが。資源価格は上昇気味だからそっちから来る可能性はあると思いますが、それは単なる交易条件やマージンの悪化という話でして、別に嬉しい価格上昇ではないですわな。

『物価のリスクについて、何人かの委員は、中長期的な予想物価上昇率の下振れには引き続き注意する必要があると述べた。一方、ある委員は、新興国・資源国経済の過熱に伴う資源価格の上昇により、わが国の消費者物価も上振れるリスクにも注意する必要があるとの見方を示した。』

また1名上振れリスクとな・・・・うーむ。しかも資源価格の上昇は交易条件(以下同文)。


#ということで市場雑談とか(GCが上がった話とか補完供給で先週木曜にロールしてる人がいて、そういやロール出来るんだったというようなメモ)菅さんの講演ネタ(どうみても財務省です本当にありがとうございましたというメモ)を書こうと思ったのですが、時間が無くなったので本日はスルーで勘弁
 


お題「これまた昔のネタなのですがコーン副議長講演」   2010/04/12(月)08:10:08  
  炎上ヲチャー的にはオモロイのだが、政治家の皆様がTwitterで相次いでポロポロと失言を連発する(遅刻しながらTwitterしてて遅刻を部下のせいにした大臣もいましたねえ)のは情けなくなって来る次第ですな。

というのはどうでも良いのですが今日はこれまた昔のネタですいません。

[外部リンク] Assignments for Monetary Policymakers』ということで、金融政策に関する幾つかの論点についてコーン副議長の見解を示しているのですが、ひじょーに興味深いのです。で、PDFで16ページ(本文は実質14ページ程度)と結構量があるので、多分1回では無理だと思います(と最初から言い訳)ので念の為申し添えます。


○主要な4つのお題とは

『The events of the past few years have raised many questions for central bankers.』から始まるこの講演ですが、4つの課題を挙げられるということで、最初にその4点について説明しています。

『I’ve titled my presentation “Homework Assignments” because I don’t think the answers are clear, though I will venture some tentative thoughts. I have four assignments on my list; I could easily have more. And others would have yet a different list. I recognize that the complexity of these questions could keep us profitably engaged for a whole semester, but let’s see if I can outline some of the challenges and possible responses in an evening.』

ということで、その4つの宿題となる研究課題のポイントですが、

『The first two assignments concern the policy actions the Federal Reserve and other central banks took during the financial crisis.』

ということで、最初の2つは金融危機下に実施した政策に関するポイントですが、1つ目が各種流動性供給プログラムに関しての話、2つ目が資産購入プログラムとそれによって起きた超過準備の効果に関する話で、この2つ目に関する話は後で出てきますが中々面白いです。

『One assignment is to evaluate the implications of the changing character of financial markets for the design of the liquidity tools the Federal Reserve has at its disposal when panic-driven runs on banks and other key financial intermediaries and markets threaten financial stability and the economy.』

『My second assignment involves improving our understanding of the effects of those purchases and the associated massive increase in bank reserves.』

んでもって3番目と4番目は平常時における金融政策に関する問題でして、3番目は「資産価格の不必要な変動に対して伝統的な金融政策を割り当てるべきか」という話で、4番目は「政策金利のゼロ下限制約到達を避ける為にインフレの目標数値(でも参照数値でもいいけど)を調整すべきかという話ですな。

『The third and fourth assignments relate to whether changes to the conduct of monetary policy in normal times could make financial instability and its wrenching and costly economic consequences less likely. 』

『Number three involves considering whether central banks should use their conventional monetary policy tool--adjusting the level of a short-term interest rate--to try to rein in asset prices that seem to be moving well away from sustainable values, in addition to seeking to achieve the macroeconomic objectives of full employment and price stability. 』

『The fourth and final assignment concerns whether central banks should adjust their inflation targets to reduce the odds of getting into a situation again where the policy interest rate reaches zero.』


○流動性供給プログラムの今後の課題について

で、最初の所では各種流動性供給プログラムの実施の話がありまして、その中の経緯としては「市場機能が喪失して通常の金利政策が効かなくなっている」為に実施したとか、ディスカウントウィンドウのStigma問題から各種プログラムを工夫したというような話がありますが、まあこの辺はバーナンキ議長の議会証言などでも示されている話なので割愛しまして、さてまあ各種流動性措置を終了して行く中での今後の課題というのを最初の課題にしています。

講演4ページ(PDFだと5ページ目)の後段のパラグラフからになりますが、(拙訳)というのはあたくしが勝手に辞書引き引き訳してみたもの(自分が読んで判るように適当に補足も入れているので一部余計な文言があるかも)でして、正直全然本文のテイストが出ていないと思うのですが、まあ「おまえここがおかしい」とかいうのあったら指摘して下さると誠に幸いでございますので一つ皆さん宜しく(汗)。

『The homework assignment is to think about the design of liquidity facilities going forward. I’ve tentatively concluded that the recent crisis has demonstrated that in a financial system so dependent on securities markets and not just banks, we need to retain the ability to lend against good collateral to certain groups of sound, regulated, nonbank financial firms.』

(拙訳)今後の研究課題は今後の流動性供給プログラムの設計の検討です。私が試みに纏めてみると、直近の金融危機は金融システムが銀行ではなく、証券市場に過度に依存した為に引き起こされた面があり、我々は銀行だけではなく、内容が優良な銀行以外の金融市場参加者に対して、優良担保を取った上での貸付手段を保持する必要があります。

『I’m not suggesting that we establish permanent contingency liquidity facilities, just that the Federal Reserve retain the authority to create the tools necessary to meet liquidity needs of groups of nonbank institutions should a panic impair the ability of securities markets, as well as banks, to function and the Board of Governors find that the absence of such functioning would threaten the economy. The collateral would have to be of good quality and the institutions sound to minimize any credit risk to the Federal Reserve.』

(拙訳)私は緊急的な流動性供給プログラムを永久的に実施すべきという訳ではありません。FRBは金融パニックが発生して金融市場などの流動性が枯渇して市場機能が喪失し、実体経済を悪化させる事の無いように、銀行同様に証券市場参加者の銀行以外の主体に対しても流動性供給手段を保持すべきであるという見解です。FRBのクレジットリスクを極小化する観点から、その流動性供給においては優良担保で、かつ優良な主体に対して行われるべきでしょう。

なお、この部分で脚注がありまして、AIGへの貸付に関する説明があります。AIG自体は優良かというとこれがまた微妙なので、「AIGを破綻させると金融市場がとんでもなく混乱するから救済した」という話をしています。

『Holding open this possibility is not without cost. With credit potentially available from the Federal Reserve, institutions would have insufficient incentives to manage their liquidity to protect against unusual market events. 』

(拙訳)FRBがそのような手段を保持する事はコストが無い訳ではありません。FRBからの流動性供給が潜在的に確保されているという認識があると、それら金融市場参加者は自分たちの流動性(が最終的にFRBに担保されるので)をマーケットのイベントリスクから守る事に対するインセンティブが低下します。

『Hence, the emergency credit would generally be provided only to groups of institutions that were regulated and supervised to limit such moral hazard. If the Federal Reserve did not directly supervise the institutions that would potentially receive emergency discount window credit, we would need an ongoing and collaborative relationship with the supervisor. The supervisor should ensure that any institution with implicit access to emergency discount window credit nevertheless maintained conservative liquidity policies. The supervisor would also provide critical insight into the financial condition of the borrower and the quality of the available collateral and more generally whether lending was necessary and appropriate.』

(拙訳)それゆえに、緊急対策としての流動性供与を行う相手としては、一般的には各種の規則や監督に服する主体に対して限定して行うようにするのが望ましいでしょう。もし、FRBが緊急連銀貸出制度を受ける事のできる主体に対して直接的な監督を行わない場合には、関係する監督当局と常時継続的な協力体制を結ぶ必要があるでしょう。監督当局は、緊急流動性供与を受ける事のできる主体に対しては、その流動性プログラムへのアクセスとは別の流動性確保のポリシーを持たせるべきでしょう。そして、監督当局は同時に、流動性供給プログラムの借入人の金融市場における状況や、担保余力、また一般的にその貸出が必要かつ適切であるかについて、常に批判的な見方を忘れずに精査をすべきでしょう。


・・・・とここまでヘタクソ訳をしたら時間が無くなったのですが(汗)、最初の課題に関する部分はここまでであります。今後の展開という話ですが、各種流動性供与措置を銀行以外にも供与する(日銀はそーゆー意味では日銀当座預金取引先が証券会社やら地域金融機関やらと多いので、既にそれは可能となっていますな)事の重要性についての説明と共に、その流動性供給措置が一種の制度ただ乗りを引き起こさないようにする為に監督が必要(日銀はそーゆー意味では当座預金取引先への検査やらモニタリングやら行っていますな)だという話をしているのが、中々興味深く読めましたです、はい。
#あと3つも課題があるのにこんな調子でいつ終わるのやら(大汗)
 

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