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お題「期末で多忙に付き本日はメモだけで勘弁してつかーせ」   2011/03/31(木)08:08:12  
  色々とありましたが期末ですなあ。

○例によって市場メモ

昨日の国債買現先オペは貫禄の応札100億円という大いなる札割れとなっておりましたが、まあそんな感じでありますのでCPレートとかも低下してまさかの震災前水準状態に低下。まあ月曜のCP現先オペが札割れしてましたからそういう展開もありますわなあという所でしたけど。

その他金融の大手さんの新発3か月物CPレートが先週頭から毎日2bp位の勢いで低下という感じで進行しましてどう見ても震災前水準です本当にありがとうございましたというレートに低下するとは当座預金残高40兆円恐るべしという所ではございますが、そもそもCPよりもお洒落な展開になっているのはTBでして、期末要因とかもあるのですけれども3か月以内のTBについてはいい感じでスッカラカンモードとなってまして、多分ちゃんとしたロット(100とか500とか)買いに行こうとすると0.10%割れを買いに行かないと物出てこないんじゃないでしょうかという素敵な状態になっているものと思料される次第。

ま、日銀が資金供給攻撃で何とかできる所であります範囲に関しては震災による取引縮小の影響はだいぶ軽減されてきたという所(そらまあ震災直後はいつ停電になるか判らんとか交通機関がいつ止まるか判らんとかだったし、震災の翌週は結構頻繁に電話が通じにくくなっていたりしたから、取引がきちんと回らないリスクがあった訳で、取引そのものを控えるという動きがあったのは仕方ないですわな)かと思います。

で、まあ最近の動きになっている訳ですが、これが積極的にリスク取るようなリスクアペタイト復活によるものなのか、単に金が物理的に余って押し出されてきたという事なのかは正直言ってよー判らんあたくしなのでありました。


○これまたただのメモ(東電関連雑談)

昨日何気に話題になっていたのは引け際の東電株の動き。引け際までS安絶賛特別売り気配4000万株売り超過になっていたのが何か気配分さっくり買いが入ったでござるの巻だったとか。何か凄いニュースでもあったのかよと思ったのですが、特に引け後新たなネタも出ていませんでしたな。強いて言えばこの辺りのニュースでございましょうかね。

[外部リンク]

まあさよですな。つーか普通に今回政策金融公庫の危機対応勘定発動スキームだと思うのですけれども、いつになったら出てくるのやらという感じで。

昨日東京新聞の特報面(ネットには出ないので引用不能)で東電の賠償がどうなるという話がありましたが、そこでみんなの党の渡辺代表が思いっきりドヤ顔で「フットワークのある政治家ならまず最初に東電の国有化を考える」とか、原発事故の収拾に全力を挙げるステージで何をお前は清算主義の話をしているんだというご発言をして頭がクラクラして参りました。

いやね、そういう話は当面の危機が収まってからすれば良いのでありまして、そらまあ株式市場はその辺りを意識して動くのは仕方ないですし、別にそれに対して変な気休めを言わなくても良いとは思いますが、何もそこに燃料を投下するような発言をドヤ顔でせんでも良いと思うのでありまして、何かこの人本当に金融担当大臣やっていたのかよとゆーか、金融担当大臣やってて何の勉強をしたのだと呆れる次第でございました。てかサブプライム問題が発生した以降に何故か日本の金融市場が妙に貰い事故状態になっていましたが、金融担当大臣この人だったよなあとか思うのでありまして、もうアホか馬鹿かと。

ということで当時の参考URLでも(^^)。
[外部リンク]

ここでネタにされているBOAメリルのレポートはあたくしも読んだのですけれども(ちゃんとしたリサーチレポートなので引用はしません)、当該レポートの趣旨ってここの記事にあるような危機煽り系では全く無くて、趣旨としては「解決に数年かかるような最悪シナリオだと賠償が増える可能性も」というような話で、極めて冷静な分析をしているレポートだったのですけれども、「最悪の場合」って所だけ切り取って報道するとかどう見てもブルームバーグのニュース報道姿勢ってこの状況を面白がって書いてるだろと思ってしまいますなあとゆー所ではありますな。URL紹介でブルームバーグ使うの止めようかなと思う今日この頃。



○これはまた凄い題名の講演で(フィラデルフィア連銀プロッサー総裁)

[外部リンク]
 


お題「まあネタも無いので世間話でも」   2011/03/30(水)08:06:02  
  ほうドル円82円台とな。

○末初現先オペ盛大に札割れとな

昨日のオペオファー
[外部リンク] 20,000 2011年3月31日 2011年4月1日

その結果
[外部リンク] 604 604 0.100 0.100

2兆円のオファーに対して貫禄の600億円のオペ応札となりまして、末初の資金ニーズとかいう話ではありませんわなという素敵な状況に(^^)。

でまあ当座預金残高40兆円攻撃は引き続き継続しておりますのでコールレートの方もこの辺りの最近の実績をポチポチ叩くと判ると思うのですけれども、先週の水曜からコール加重平均は0.07%台に低下しております。

[外部リンク]
 


お題「今日は各種雑談とか雑感とかですいません」   2011/03/29(火)08:08:15  
  今日は計画停電実施せずとの事ですが、世の中が安心して節電意欲が落ちてしまい、意外に電力消費が上がってしまうに百万ジンバブエドル。

○市場メモメモ

期末直前ということで相変わらず売買が低調な今日この頃でございますが、昨日は株価は下落するわ債券は弱いわドル円は円安に振れるわと、プチトリプル安ちっくな展開であたくしと致しましてはあまり気分のよろしいものではありませんでございました。

まー別に昨日の相場見て「トリプル安だ大変だ」という話でも無いっちゃあ無いのですけれども、どうも最近は株価が戻った方が何となく安心感が出るようでありまして、震災前の「株が上がれば債券安」という図式が必ずしも当てはまらないんじゃないの、というのも超目先的には感じられる今日この頃であります(まあ株が大きく戻るとそれはそれで債券の上値が重くなりますが)。

一方短期ちゃんの方は月末近辺ということでCP発行もそこそこありましたけれども、こちらのレートは更に落ち着いた感じでして、さすがに震災前のまんまという訳には参りませんが、水準としては震災前から1bp乗ったかというようなイメージの所まで戻ってきた感じです。また短国に関しては期末の残高調整やキャッシュ潰しのニーズもあって3か月以内のところは在庫がかなり無い状態となっておられるようで、この辺りに関しては日銀の資金大供給によって余った資金がこの辺の市場に回っていますなという所でござんしょ(ただし昨日も申し上げたように市場で資金が回っているのかというとそれは別問題)。昨日は基金短国買入と基金長国買入(長国と言っても残存1年から2年ですが)も実施されましたが、出来上がりベースのレートは短国で0.122/0.115、長国で0.201/0.200で、長国の方は2年ゾーンギリギリの所が入ったんでしょうなあというところですが、短国のほうはレートから見ると6か月ゾーン辺りまで入ってるかもな水準ですの。

つーことで何となく一頃のフリーズ状態からは改善しているとは思いますけれども、じゃあ市場の流動性が元に戻っているのかというとそこまで安心する話でも無いですし、まあ原発のニュースは相変わらずでありますし、ど〜も原発のニュースが出て株価が下がっているのを見ると相場見てても気分的にどよよ〜んとなるのでありまして、安心するにはまだ遠そうな感じではありますなあorz


○昨日の訂正であります(汗)

さて、昨日BOEの議事要旨ネタを書いたのですが、いつもよりも下調べ成分が不足していた事から(大汗)思いっきり勘違いした解釈をしていた部分がございましたので謹んでお詫びして訂正致したく。

箇所としては「賃金上昇とインフレ」の関係の所なのですが・・・・・

昨日こんなん書きました。

>『It was unlikely that any increase in inflation expectations would lead to a sustained increase in inflation itself without also being associated with a pickup in wage growth.』

>賃金の上昇を伴わない状況でインフレ期待が上昇するというのは不確かでしょとは確かにさいでございますわな。

・・・・・で、ここの部分でございますが、ちゃんと訳しますと、「賃金の上昇を伴わない場合、インフレ期待が上昇したとしても、インフレそのものの継続的上昇にはつながるかどうかは不確かである」という事でありまして、つまりは足元の物価上昇の継続がインフレ期待の上昇を招いたとしても、それが賃金の上昇を伴わない場合には継続的なインフレに繋がるかどうかが微妙、という話でありまして、昨日引用した1月以降の賃金改定の動向を更に確認していきたい、という議論に繋がるという話になると思われます。

つーことで、昨日のあたくしの解釈はインフレ期待とインフレがごっちゃになった説明になっておりましたので、謹んでお詫びして訂正すると共に、ご指摘いただきました読者様におかれましては誠に恐縮至極でございまして、改めて感謝を申し上げさせていただきたいと存じますです、はい。


○復興財源で今いきなり増税しちゃうの???

ブルームバーグニュースより。
[外部リンク]

『「一年だけの時限立法、復興だけに使う目的税として消費税を2%程度上げてはどうか。約5兆円の増収になる」-。大震災から2日後の13日、民主党税制改正プロジェクトチーム(PT)の中塚一宏副座長は自らのブログで震災復興税の創設を提唱した。』(上記URLより)

ついにニュースのソースが議員の個人ブログになるのかと思うと胸の熱い展開でもございますが、いやあの「1年だけ消費税引き上げ」とかやると事務対応で社会的に掛かるコストが面倒な事になるような気がするんで全くお勧めできないような気が直感的にするのですけれどもどうなんでしょうかねえ。

ただでなくさえ経済に下押し圧力が掛かって企業収益に下押し圧力が掛かりやすい状態なのに租税負担の上に事務負担によるコスト増まで押し付けるとか意味がさっぱり判らんでございますが、まあ記事の中身を読みますと実際には消費税じゃなくて他の税で実施するという話になると思うのですけれども、いずれにせよ今の時点で増税っつーのも何だかなあな感じはするのであります。

いやまあいずれ税収の引き上げで何とかするしか無い話ではあると思いますけれども、今いきなり増税という話になると景気への悪影響懸念とかでただでなくさえ原発関連で株価がアガランチ会長な地合いなのですから、株価がアガランチでマインドも悪化とかしそうな悪寒が。まあ正直言ってこういう時は株価が戻ってくれるとかなーり雰囲気が良くなると思う(世間様は兎も角少なくとも金融市場的には)のですけど、何かどうも暗い雰囲気になるのは控えた方が宜しいのではないかってえ気がしますけどねえ。


○だからと言って日銀引受をする必要があるとは思えないのだが・・・・

先週金曜ですがブルームバーグニュースから。
[外部リンク]

えーっと金曜は日銀引受論で月曜は増税論ってどっちなんですかと申し上げたい所ではございますけれども・・・・・・

『 「財源は日銀による20兆円の国債引き受けしかない。デフレの時に増税なんてできるわけがない」-。自民党の山本幸三衆院議員(元経済産業副大臣)は21日、ブルームバーグ・ニュースの電話インタビューで日銀引き受けの必要性を訴えた。』(上記URLより)
えーっと、復興財源を増税で賄うのが反対というのには同意なのですけれども、そもそも20兆円も財源必要なのか???というのが不思議でございますが、まあ20兆なら20兆でも良いですけど、通常の国債市中消化額から考えたらまあ20兆の増発が市場で受けられない訳じゃないですし、日銀引受をするとなると「市場が消化できないから日銀が引き受ける」という認識になって却って状況が悪化しますがねえ。

『こうした考え方に対し、山本氏は21日のインタビューで「日銀引き受けすれば円高対策にもなる。引き受けでインフレが懸念されるなら、それこそインフレターゲットと組み合わせて抑えればいい」と主張。』(上記URLより)

・・・・・えーっと、あからさまな財政マネタイズという強力な信認を落とす政策を実施している中で「私たちはインフレターゲットを実施するからそれを信じなさい」と言ってそれが信用されると考える方がおめでたいと思うのですけれども、何を考えているんでしょうかねえ。そんな器用なこと出来る訳無いじゃないと思うのですけれども、インフレターゲットで制御しろって結局日銀に丸投げにも程がある話で、政策論議として無責任にも程があると思いますがねえ。

でもって更に不思議なのはこの辺りの国会議員先生が国会に白川総裁を呼んで国債引受に関して説明を求めること。

[外部リンク]

『3月25日(ブルームバーグ):日本銀行の白川方明総裁は25日午後、衆院財務金融委員会で、「どの中央銀行も、国債の買い入れが財政ファイナンスと受け取られると、通貨の信認が損なわれる」と述べた。』(上記URLより)

つーかさ、財政法で禁じられている事に関して日銀総裁を呼んで問い詰めたところで、逆に「日銀としてが国債引受が必要と考えている」とか総裁が発言したらそれこそ越権行為というか法の矩を越えた発言にも程がある訳で、そんな発言させようとするのが意味判らないんですけど。造反有理じゃないんだからさあ。

てかね、国債の日銀引受をどうするかという話って立法府マターであって、そんなに日銀引受やらせたいんでしたら議員立法でも何でも宜しいからちゃちゃっと国会で議決したら日銀は国会の議決どおりに引受を実施するだけの話だと思うのですが、どうも「引受でインフレが懸念されるならインフレターゲットをやればいい」などと仰せになっている所からしますと、この人たち責任を自分たちで取る気はサラサラ無くて、引受及びその後の展開に関して日銀に全部責任をおっかぶせる気がマンマンとしか思えませんな。

別にね、震災復興という明確な目的があって、かつ今後その発行が野放図に拡大する事が無い、という明確なビジョンが示されているのでしたらば、今の債券市場で単発10兆円(20兆円でも本質的な大問題が起きるとは思えないが少々インパクトあるかもしれませんな)程度の国債増発してもそれで長期金利が急上昇してエライコッチャとかなるとは到底思えない訳でして(逆に言えば復興名目で歯止め無く赤字国債の乱発が続くというような状態になったらオラシラネという事でもあります)、何で「増税か日銀引受か」という二項対立になるのかおじちゃんサパーリワカランチ会長でございまする。

あたくし的には子ども手当てだの高校無償化だのというのを削って予算組み替えを行った後、足りない分を国債増発で賄うすか無いんじゃないですか、と思うのですけれどもねえ。

・・・・・つーかね、不思議で仕方ないのですが、復興事業内容の話が出てくる前に何で財源話でこんなに盛り上がらないといけないのか(そもそも必要な事業がどの位あってその総額が幾らあるのか、という話から始まって財源との見合いで事業規模をどう調整するか、という話になるんじゃないの?????)と思う次第でありまして、まあそもそも復興国債日銀引受何ちゃらで話が妙にそっち方面で盛り上がったからだと思うのですが、何か不毛な二項対立ですなあと思う今日この頃でございまする。

で、先々週の産経電波浴でもやろうと思ったのですが、時間が無くなったのでまた明日(^^)。
 


お題「市場雑感/物価上昇の中で景気下振れリスクを意識するBOE」   2011/03/28(月)08:11:13  
  モーサテのゲストを見た瞬間にまた復興国債日銀引受かと思って公共放送の交通情報とお天気情報に注目材料を切り替えるあたくし。

#復興国債日銀引受に関してはまた改めて悪態を

○例によって市場雑談

金曜は基金買入枠拡大後の初のCP買切実施。

[外部リンク] 3,000 2011年3月30日

[外部リンク] 5,860 3,000 0.043 0.056

出来上がりレートで言いますと平均レート0.156%で足切りレートが0.143%とゆーことで、まあ先週のCP発行レートから考えると妥当な水準かなあという感じではございます。

でまあそのCP市場ちゃんですけれども、金曜はスポットが29日ということで期末前の発行がまーそこそこあったのですけれども、発行レートの方は木曜から更に低下して震災前水準のちょっと上程度まで戻ったでござるの巻と誠に結構な傾向。一般債でもまあ短い所では高格付け物中心に買いも復活傾向にあるようで、とりあえず足元の供給大会および3月の国債償還の余剰資金、および日銀のCP関連のオペ実施も一応心理的に効いている・・・のかどうかは知らんですが、日銀も今回は市場機能でおじゃるとか言わないでマーケットの金詰まりが起きないように意識している、という姿勢を出しているというのはまー安心感を出す方向になっているかなあという所でしょうか。

あとまあとりあえず震災直後は何せ突発事態ですからどういう資金の動きが起きるかとかワケワカランというのもあったでしょうし、先々週はそれこそ株は大暴落するわ停電の影響がどうなるか判らんわというような状態でもありましたが、先週になって国債償還の資金が全部余剰となってきた事や、原発関連のニュースが落ち着いたような気がしてきた(気がするだけで野菜だの水道水だの海水だのという話が出たり、この週末は放射能漏れのロットがかなり大きいという話が出たりと碌なもんじゃないのですけれどもね)のもありましたが、まあ今回に関しては震災直後から日銀が金融市場の動揺というかシュリンクを止めるように迅速に動いたのは中々でございました。

つーてもまあ市場機能が戻っているのかと言いますと、単に足元では資金が絶賛大余剰になっているからというのもありますし、しかも間が悪いことに期末なので普通でもリスクを取る動きが無い訳ですから、こーゆー非常時に至っては益々リスクをとる人がいませんので、現実問題としては日銀のサポートが引くとエライコッチャになるんでしょうから別に元に戻っている訳ではないのですが、今後は期初になってどのくらいその辺の動きが戻ってくるのかですかな。


○BOE議事要旨から(続き)

[外部リンク] international economy』のところでそういう話がありまして。

『There were several channels through which persistently higher oil prices could affect the UK and global economies.』

ということで原油価格上昇の経済に与える影響に関してですけどね。

『First, dearer oil would add directly to consumer price inflation via increases in the prices of fuel, energy and energy-intensive goods and services, though whether that would lead to more generalised inflationary pressure would depend on whether it caused employees to push for higher pay increases.』

まずは原油価格の上昇が直接的に物価に影響を与えるという話ですな。

『Second, the downward adjustment to real incomes would be likely to depress spending outside the oil-producing regions, dampening global growth and, therefore, the prospects for UK exports.』

これは原油価格上昇が原油産出国と消費国の間の実質的な所得移転になるという論点で、その結論としてはグローバルの成長を阻害して英国の輸出の押し下げに繋がるという話。

『Third, volatile oil prices and persistent geopolitical tensions in oil-producing regions added to the general sense of uncertainty over economic prospects, and could adversely affect household and business confidence, as well as discouraging the holding of risky assets among financial investors.』

原油価格の変動が大きかったり、産油国の政情不安が持続するという状況によって、経済の見通しに不確実性が高まり、その結果として家計や企業のコンフィデンスに悪影響を与え、リスク性資産への投資意欲に悪影響を与えますという話ですな。

『Finally, it was possible that higher oil prices would also be associated with an adverse impact on global productive capacity, including in the United Kingdom.』

原油価格の上昇はグローバルな生産能力に対してマイナスの影響を与えるとな。

ということで、どうも原油価格上昇は経済に対してマイナスと言う話が連呼(当たり前ちゃあ当たり前ですが)しておりますな。


・インフレ期待の上昇と賃金動向に関して

インフレに関する辺りではこの辺がほほうという感じでした。第23パラグラフから。

『It was unlikely that any increase in inflation expectations would lead to a sustained increase in inflation itself without also being associated with a pickup in wage growth.』

賃金の上昇を伴わない状況でインフレ期待が上昇するというのは不確かでしょとは確かにさいでございますわな。

『Whole-economy regular pay had increased by 2.3% in the three months to December by comparison with a year earlier ? that growth rate had changed little in recent months and remained below its pre-recession average. There were some early indications that private sector wage settlements had increased at the beginning of the year. But the coverage of the available data was at this stage limited and heavily influenced by previously agreed multi-year settlements, including those linked to actual inflation.』

ということで、英国の場合は1月に賃金改定があるようなのですが、現状ではその上昇程度とかはまだ一部しか見えていないようですな。

『It was likely that private sector settlements would increase during 2011, in part reflecting a recovery in productivity, although they were likely to stay significantly below the rate of inflation. Wage freezes in the public sector were expected to weigh on pay growth in the economy as a whole.』

ただまあ英国の賃金上昇は実際のインフレ率より低く、更に公的セクターにおける賃金上昇凍結が経済全体の賃金上昇率を高くしないでしょうという見通しになっています。

・・・・・ということですので、まあインフレ期待が賃金ルートから上昇していくという見通しになっていない、という事なのですが、よくよく考えてみたら実際のインフレ率よりも賃金上昇が低いという流れって国民厚生的にどうなのよという気もするのでありますけどどうなんでしょうかね。


・経済のダウンサイドリスクとアップサイドリスク

『The immediate policy decision』のところからですが、先日ネタにした以外の部分で経済のダウンサイドリスクとアップサイドリスクの部分を。

『Inflation had risen to well above the 2% target as a consequence of higher energy and other commodity prices, increased VAT and the past depreciation of sterling. The Committee’s judgment remained that inflation was likely to fall back in the medium term, as the impact of those factors dissipated and as a margin of spare economic capacity persisted. For some time, the Committee had set monetary policy so as to balance substantial opposing risks to that medium-term outlook for inflation.』

ということでまずダウンサイドから。

『The key downside risk was that continued weakness in activity, relative to the supply capacity of the economy, could cause inflation to fall below the target in the medium term, once the impact of the factors temporarily raising it had faded.』

いつもの経済の余剰が経済のダウンサイドリスクになるという話ですな。

『It was too early to assess the extent to which activity had recovered since the slowdown in growth at the end of 2010. Evidence from the latest business surveys on output and employment prospects pointed to some recovery.』

でまあ4Qの経済が落ちているというのがやはりそのダウンサイドへの懸念を高めたという感じなんでしょうな。

『But it was unclear whether demand growth would be sufficient to erode spare supply capacity as the economy underwent a necessary rebalancing away from public and private consumption and towards net trade and investment.』

『On the one hand, there were some signs that the improvement in the net trade position that had been expected following sterling’s depreciation was becoming more apparent. But on the other, the most recent concurrent indicators of consumer spending and sentiment had deteriorated sharply. And it was possible that they presaged a more sustained period of weak spending growth, perhaps as the impacts of the fiscal consolidation and near-term above-target inflation on household finances became more readily apparent. The net impact of these two forces on overall demand growth remained a key uncertainty.』

で、まあポンド下落による輸出への好影響というのもありますが、一方で足元での物価上昇や財政再建による消費支出やセンチメントへの影響もあり、これらの影響がどちらに出てくるのかというのを見極めたいと。

一歩アップサイドの方ですが。

『On the upside, the period of elevated inflation could persist for longer than the Committee expected. That might happen if the expected persistence of inflation above the target in the near term caused expectations of higher future inflation to become ingrained, leading businesses and households to set higher prices and wages.』

こちらもいつもの話ですが、インフレの数値が高い状態が続き、インフレ期待の上昇や企業の価格設定や賃金の上昇などに繋がるとインフレが加速する話ですな。

『Inflation had risen to 4% in January, and would very likely rise further over the coming months: there was a significant risk that inflation would exceed 5% in the near term. How much of the increase in January related to the pass-through of the increase in VAT was as yet unclear. Information on inflation expectations from household surveys had been mixed on the month, while measures derived from financial markets had changed little. And, while there were some signs that private sector wage settlements had picked up at the beginning of the year, they provided only very tentative evidence of higher pay pressures.』

『Inflation might also persist above the target if externally generated inflation pressures continued and were not offset by exchange rate movements, or if there were further pass-through from the past depreciation of sterling.』

この辺は前月と同じ話をしていますが、現状では1月の賃金改定がそこまで大きくなっていないようですし、サーベイデータや市場データからのインフレ期待上昇はそこまででもなさそうな感じですな。

つーことで、物価は上昇基調なのですが、景気に関しては先行きの下振れリスクが拡大しているというイメージ(2月、3月と先行き見通しの話が徐々にダウンサイドリスク警戒になっている感じがします)となっていて、益々やることが難しくなっているBOEの政策はどうするんでしょという感じでありまする。
 


お題「宮尾審議委員会見は慎重なトーン/市場雑談:短期ゾーンの雰囲気好転かな/FEDネタ少々」   2011/03/25(金)08:12:50  
  ○CP市場など落ち着くでござるの巻のようで

昨日の市場ちゃんですが、2年国債入札もまあ順調(ちょっと前場は押してみましたが、結局平均は前場引けのオファーサイドで決まってその後セカンダリーも順調)でしたし、1年ゾーンとかも日本相互証券さんの引けベースでも軒並み1毛強という状況となっておりまして(実力はもうちょっと強いと思うが)、震災明けの月曜にはFTQ的な買いで強くしたものをその後FTQじゃなくてキャッシュ選好の間違いではないでしょうか的な短期ゾーンズタボロモードにして一気に雰囲気を悪くした流れがやっと反転した感じを漂わせて世のため人のためには誠に結構な展開。

・・・・とは言いましても原発とか停電とか余震とかでコロッと変わるリスクは常にあるのですけど、まあそれはそれと致しまして。

んでもって前の日も書きましたけど、足元で資金動向が見えてきた感じの人たちが取りあえず短期部分の余資を単純に抱え込んで日銀当座預金に放り込むだけではない動き的なものも少々は出ているような気もせんでもないというテイストでありまして、昨日はスポットが28日スタートになりますのでそこそこCPの発行もあって、そのレートも前日に続いて低下傾向。一番雰囲気が悪かったのが概ね先週の水曜〜金曜あたり(CP入札は基本的に前場に行われるので、昼以降の相場変動は翌日以降に影響してくる)だったかなあと思いますが、その辺りから比較すると5bp以上は状況が改善しているイメージでござんして、まあ世のため人のためには大変に宜しい事ではないかという感じではございます

ということで、超短期の所はややマシになってきているような感じ(まあそうは言いましてもリスクアペタイトが完全復活している訳ではないのでCPなどのクレジット物は震災前水準に戻っている訳ではない)ですし、短国に至っては業者のショートカバーでの出合いとは言え新発3か月で0.10%割れとか出合ったりする有様(いやまあそれは限界的な話で実際に投資家がそこまで買うのは特殊な事情が無いと進みませんけど)となっております罠。

ただまあ一方で例によって例の如く債券先物の売買高は低調ですし、中長期債の方は相変わらず流動性が低い的な相場展開を示しているようで、その辺り両方見ていると、温度差を思いっきり感じると同時に、さてこの温度差どっちに収斂されるのでしょ、というのも気になるところではございます。


○FOMC関連ざます

・バーナンキ議長が定例的に記者会見を実施とな

バーナンキが年に4回記者会見をするそうです。
[外部リンク] Ben S. Bernanke will hold press briefings four times per year to present the Federal Open Market Committee's current economic projections and to provide additional context for the FOMC's policy decisions.』

ほうほう。

『In 2011, the Chairman's press briefings will be held at 2:15 p.m. following FOMC decisions scheduled on April 27, June 22 and November 2. The briefings will be broadcast live on the Federal Reserve's website. For these meetings, the FOMC statement is expected to be released at around 12:30 p.m., one hour and forty-five minutes earlier than for other FOMC meetings.』

今年は4月、6月、11月のFOMC後に説明大会ということですから、次回はQE2を今後どうするのか、その次は実際の今後の運営に関して、というような流れになりますかそうですか。

『The introduction of regular press briefings is intended to further enhance the clarity and timeliness of the Federal Reserve's monetary policy communication. The Federal Reserve will continue to review its communications practices in the interest of ensuring accountability and increasing public understanding.』

まあ現状のように連銀幹部の皆様がフリーダム発言をする中でバーナンキ議長が会見するという事ですが、フリーダム発言も政策論議という意味では大事ではありますけれども、うまく仕切らないとノイズ増幅になる悪寒もしますのでお手並み拝見という所ですな。


・3月FOMC声明文ネタ

声明文が出た時に一応メモしましたが再度整理ね。

[外部リンク] received since the Federal Open Market Committee met in January suggests that the economic recovery is on a firmer footing, and overall conditions in the labor market appear to be improving gradually. 』(今回)

『Information received since the Federal Open Market Committee met in December confirms that the economic recovery is continuing, though at a rate that has been insufficient to bring about a significant improvement in labor market conditions.』(前回)

回復のトーンを強めて、かつ労働市場の改善に関しても従来の「不十分な改善」からトーンを強めています罠。

『Household spending and business investment in equipment and software continue to expand. However, investment in nonresidential structures is still weak, and the housing sector continues to be depressed.』(今回)

『Growth in household spending picked up late last year, but remains constrained by high unemployment, modest income growth, lower housing wealth, and tight credit. Business spending on equipment and software is rising, while investment in nonresidential structures is still weak. Employers remain reluctant to add to payrolls. The housing sector continues to be depressed.』(前回)

この辺の説明部分は前回対比あっさり味になっていますが、基本的には同じ話をしているように読めますがどうでしょ。

『Commodity prices have risen significantly since the summer, and concerns about global supplies of crude oil have contributed to a sharp run-up in oil prices in recent weeks. Nonetheless, longer-term inflation expectations have remained stable, and measures of underlying inflation have been subdued.』(今回)

『Although commodity prices have risen, longer-term inflation expectations have remained stable, and measures of underlying inflation have been trending downward.』(前回)

逆に今回はインフレに関する説明が詳しくなりました。で、その中であたくしがほほーと思ったのは、従来「基調的なインフレが下方トレンドを継続している」という話をしていたのが、今回抜けた所ですかな。もちろん商品価格の上昇という部分を詳しく行っているのもポイント。

第2パラグラフ。

『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. Currently, the unemployment rate remains elevated, and measures of underlying inflation continue to be somewhat low, relative to levels that the Committee judges to be consistent, over the longer run, with its dual mandate.』(今回)

『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. Currently, the unemployment rate is elevated, and measures of underlying inflation are somewhat low, relative to levels that the Committee judges to be consistent, over the longer run, with its dual mandate.』(前回)

失業とか基調的インフレに関して前回と今回が使っている動詞が違う(前回がbe動詞だったのですが今回は「remain」とか「continue to」になっていますわな)のが違いですかにゃ。

『The recent increases in the prices of energy and other commodities are currently putting upward pressure on inflation. The Committee expects these effects to be transitory, but it will pay close attention to the evolution of inflation and inflation expectations. The Committee continues to anticipate a gradual return to higher levels of resource utilization in a context of price stability. 』(今回)

『Although the Committee anticipates a gradual return to higher levels of resource utilization in a context of price stability, progress toward its objectives has been disappointingly slow.』(前回)

今般のエネルギー等の価格上昇による影響が一時的ですよ、という話をしている部分が追加されましたが、今回はしらっと経済の改善に向けた動きが「disappointingly slow」という部分が抜けたのであります。

・・・・・ということで、経済に関する部分がかなーり改善してましたな、というメモでした。
 


お題「宮尾審議委員会見は慎重なトーン/市場雑談:短期ゾーンの雰囲気好転かな/FEDネタ少々」   2011/03/25(金)08:12:18  
  東京ドームの4月野球はなくなりましたか。別に野球をやるなと言ってる訳ではなくて、野外で日中にやるなどの方法があるのに何で東京ドームでやらないかんのよ、というのが批判されるポイントだったのに何でああ読売は頑強に抵抗したんでしょ(だから別に野外の球場でデーゲームなら今日開幕だって良いとおもうのですけどねえ)。

○宮尾さんの会見はかなり言葉を注意して慎重ですな

宮尾審議委員の記者会見。
[外部リンク] 2点お伺いします。1点目は、今回の震災の影響で物流インフラがかなり打撃を受けたほか、東京電力の原子力発電所も今後使えなくなるのではないかとの懸念もあります。電力供給が経済活動のボトルネックになり、当面経済の下押しが危惧されることや、物資が逼迫することで、場合によっては企業・家計のインフレ期待が高まる可能性があるかどうか、ご所見をお伺いします。(2点目は後ほど引用します)』

『(答) 電力供給に関する懸念に関しましては、現在、関係各位が最善の努力を続けて復旧に当たっておられるところです。もちろん、被災地域を含め、広範囲で電力供給に対する懸念はあるわけですが、それが経済活動に悪い影響をもたらさないように最善の措置が鋭意検討され、対応が進めていかれると認識しています。物資の逼迫については、先程の金融経済懇談会の中で、大分県においても既に建設資材の逼迫が若干観察されるとの指摘があったことを紹介しましたが、その影響についても細心の注意をもって点検していきたいと思います。』

という感じで、まあ確かに足元の状態で決め打ち出来ないですから「慎重に点検していく」っつー答えしかできませんわなという所ですが、今回の会見はこんな感じで「影響については注意深く点検します」系の応答が多かったので、そういう意味ではネタなし会見という感じでありましたorz


・今回の追加緩和に関して、更に今後の施策に関して

『(問) 再び震災関連の質問ですが、先行き1〜2か月ですと震災の影響が含まれない経済指標が多く、実際に震災の影響を含んだ経済指標が発表されるまでには暫く時間がかかると思います。一方で本日の挨拶の中でも述べられたとおり、景気の下振れや下押し、マインドの慎重化といった影響が懸念されます。こういう状況であればこそ、中央銀行として積極的な行動──資産の買入れの実施等──により、マインドの悪化を防ぐことができると指摘しておられますが、こうした中央銀行による早めの対応、政策の発動の必要性に関して、現状ではどのようにお考えでしょうか。』

『(答) ご質問にありますように、まさに中央銀行による早めの対応が必要であると考え、先週の金融政策決定会合では、通常の2日間の日程を1日に短縮して、5兆円の基金の増額を決定しました。企業や家計のマインド悪化が懸念され、短期的に生産活動の低下が見込まれる中で、人々のマインド悪化やリスク回避姿勢の高まりが経済に悪影響を及ぼすことを未然に防ぐという観点から、より一段の金融緩和の強化を決定したところです。こうした姿勢を示すことはきわめて重要かつ適切であると判断し、今回の措置を決定した次第です。』
では基金買入の社債とCPをバンバン実行してください、今日でも月曜でも良いですが、受渡ベースで期内に間に合う買入を前倒しで実施すると大変に宜しいかと思いますけど。
という悪態は兎も角として(^^)、これは中々良い質問。

『(問) 2点お伺いします。1つ目に、阪神・淡路大震災の際には、日本銀行が被災地の銀行に政策金利で貸出を行うという事例があったのですが、今後、同様の措置を実施する可能性があるのかという点についてお伺いします。(2点目は割愛)』

・・・・・これはまたマニアックな、と思って日銀のページを調べていたらこんなコーナーが。
[外部リンク] まず1点目ですが、阪神・淡路大震災の際は、被災地の復興を目的に融資を行う民間金融機関の活動を支援するために、被災地域に営業店を有する金融機関のうち、希望する先に対して通常の日本銀行貸出とは別の枠組みを設けて貸出を実施しました。その措置は、被災地域の復興活動を着実に進めていくために、民間金融機関から復興資金の供給が円滑に行われることが重要となる局面におきまして、金融機関などからの要望を踏まえ、実施したものです。今回の東北地方太平洋沖地震におきましては、現在、金融機関の現金手当への対応などを含めて、金融機能の維持、あるいは資金決済の円滑の確保を図ることに全力を挙げて取り組んでいる最中です。今後、被災地域の復興活動を着実に進める観点から、とり得る政策対応についても真剣に検討していきたいと考えています。先行きの経済・物価動向に関して注意深く点検したうえで、必要と判断される場合には、適切な措置をとっていきたいと考えています。』

まあ現状では復興云々の前に被災地における現送等の業務や、資金繰りの間接支援という話になるかと思いますが、確かに今後は復興支援貸出形式での金融機関向け貸出という話もありかも知れませんな。なるほどなるほど。


・国債引受に関して

さっき引用した質問の続きの所から。

『(問) (前半割愛)もう1点は、将来の復興財源に関して、日本銀行による国債引受けを巡る議論もありますが、これに対するご意見をお伺いします。』

『(答)2点目の、復興国債が発行された際の日本銀行の対応に関しましては、私からのコメントは差し控えたいと思います。そのうえで、中央銀行による国債引受けに関する一般論としてお答えしますと、この点の法的な取り扱いとして、欧州では明示的に禁止されているほか、新興国を含め世界の多くの国で、中央銀行による国債引受けは認められていません。わが国でも、財政法5条本則で、日本銀行による国債引受けを禁じています。これは、一旦中央銀行による国債引受けが始まると、初めは問題なくともやがて通貨増発に歯止めが効かなくなり、激しいインフレを招き、国民生活や経済活動に大きな打撃を与えるとの過去の歴史の教訓を踏まえたものと認識しています。』

さよですな。

『こうした基本原則が世界的に確立されている中で、日本銀行による国債引受けが万が一行われるということになると、通貨への信認自体を毀損することになります。通貨への信認は、わが国の金融経済にとってきわめて重要なインフラの一角をなすものと考えていますので、今後とも、国際的にも国内的にも、通貨への信認を維持して、金融面からのインフラをしっかりと維持することがきわめて重要だと考えています。』

まあそういう答えになりますかな。で、後の方で更に突っ込まれたときの答えがこれまた慎重なのは何とも(^^)。

『(問) 先程、万一、日本銀行によって国債の引受けが行われると、通貨の信認が毀損されるおそれがあるというお話をお伺いしました。一般論で結構なのですが、日本銀行による国債の引受けは財政法5条で禁止されていますが、同じ財政法の条項には、但し書きとして「特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない」と明記されています。それを踏まえた上で、先程国債引受けは通貨の信認が毀損されるとおっしゃったわけですが、それは宮尾審議委員が国債引受けについては明確に反対されているという理解でよいのでしょうか。』

『(答) 復興国債に関するコメント、あるいは日本銀行による国債の引受けに関するコメントにつきましては、先程申し上げた通り、差し控えたいと考えております。あくまでも一般論として、財政法の本則で国債引受けが禁じられていることは、やはり重要な点かと思います。中央銀行として、通貨の信認を維持していくということはきわめて重要であると考えていることを重ねて申し上げたいと思います。』

まあ答えを避けましたということですね、わかります。


・ちょっとだけ脱線

で、ここは宮尾審議委員の質疑応答を読むコーナーなのであたくしの愚意見など余計だと仰せになるかもしれませんが敢えてあたくしの愚見を申し上げますと、先日も申し上げましたように、現在の市場環境で「単発10兆円の国債増発」が捌けないという状況では全くございません(多少金利が上昇するかも知れませんが)ので、そのような状況下で敢えて日銀引受を行うという必然性は無く、うっかり日銀引受やって海外勢辺りに絶好のアタックチャンスを与えて財政破綻シナリオを提供するリスクをわざわざ取る必要は乏しいのではないか、(ただでなくさえ財政のサステイナビリティがといわれる中でシンボリックな意味も大きい中央銀行引受を実施したら、市場金利が急上昇していくリスクがありますわなという話ですな)というのが市場の片隅でおこぼれを頂戴しながら生きておりますあたくしの市場参加者目線(だとあたくが勝手に思っているだけならスイマセン)な見方でありまする。

国債発行市場で大きな問題なく消化が可能と見られるものをわざわざ日銀引受で発行せよという議論に関しては、まあ率直に申し上げて論者の方々の目的が国債発行じゃなくて日銀に国債引受をやらせる事なんじゃないですかと反問させていただきたくなる訳ですよ。
増税で対応というのも復興前に景気が腰折れしちゃうリスクを背負ってまで勝負する意味が今の環境下であるとも思えませんから、復興財源に関しては予算の組み替えなども一部入れるも、とりあえずは赤字国債で出して、復興が軌道に乗って来た所から財政健全化に向けた取り組みをどうしましょ、という流れで対応するのが現実的な所なんじゃないですかねえと思うのでして、今すぐの増税も復興国債日銀引受もちょっとどうなのよと思う所ではございます(子ども手当てとか高校無償化とか何とか削減できないのかねえとも思いますが)。
 


お題「3MTB入札とか/宮尾審議委員講演/BOEの3月議事要旨クイックメモ」   2011/03/24(木)08:15:52  
  ・震災の影響について(実体経済)

前後しますが震災の実体経済への影響に関しては、まあ当然ながらかなり厳しい認識を示しています。

『こうした中で、今後の影響について考えてみると、定性的ながら3点程度指摘することができると思います。』

『第一に、当面は、生産設備など供給面への被害の影響が大きく現われ、生産活動や物流を中心に、経済活動にマイナスの影響が及ぶとみられます。被災地域には自動車や電子デバイス関連などの部品・部材メーカーが数多く存在するため、一時的とはいえ、国内外のサプライチェーンの寸断が余儀なくされています。』

『第二に、先行きの不透明感が、家計や企業のマインド悪化を通じて、経済活動を下押しする惧れがあります。』

『そして第三に、中期的には、復興に向けた様々な需要が出てくるとみられますが、タイミングやどの程度の規模となるかは現時点で不確実であり、見通しにくいという点です。』

ということで、まあ厳しい見方です。

『現時点で、今回の地震の影響を定量的に把握することは困難ですが、巨大な津波を伴った過去最大規模の地震であり、ライフラインや物流インフラの復旧に時間を要しているのが実情です。そういった点を鑑みると、少なくとも供給面から経済活動が下押しされる程度は、たとえば16 年前の阪神・淡路大震災時に比べても大きく、場合によっては長期化する可能性には、十分注意しておく必要があると考えています。』

ちなみに、この後に震災前での情勢判断を中心に、ということで経済物価情勢と金融政策に関する説明があるのですが、その頭の部分で再度地震の影響についてこのようにコメントしています。

『わが国経済は、足元の踊り場から脱却し、やや長い目で見れば緩やかな回復を続けていくと判断してきました。一方で、今般の地震が日本経済へ及ぼす影響は、少なくとも短期的には、決して小さくないと予想されます。当初想定していた景気・物価見通しにどのような影響を及ぼすかについては、従来から指摘してきたリスク要因とともに、細心の注意をもって点検していく必要があります。』

ま、こんな感じですので先行き景気に関してはかなり厳しく見てます罠、という所ではないかと思います。

『以下では、主に震災前に検討を進めてきた情勢判断であることをお断りしたうえで、海外経済から順に見ていきたいと思います。』

ということでその辺から幾つかピックアップするだよ。

・国際商品価格の上昇の米国経済への影響、およびその持続性について

『そうした中、最近の国際商品市況の上昇が米国経済に及ぼす影響について、注意してみていく必要があります。マーケットが認識するインフレ期待は、昨年秋から上昇基調にあります。また、家計のインフレ期待も今年に入って上昇し、消費者コンフィデンスの直近の指標は下落に転じています。』
『国際商品市況は、もともと新興国による実需が旺盛な下、投機的な資金流入や中東情勢の混乱もあって、上昇ペースが加速してきました。今回の震災を契機に、世界的なリスク回避が強まっており、足元では軟調に推移していますが、一方で、新興国の高成長を背景とする実需がベースにあるとすれば、これまでの基調的な上昇・高止まり傾向の一部は持続する可能性もあると考えられます。商品市況の今後の動向と、それが米国はじめ世界のインフレ期待にどのように影響を及ぼしていくのか、注視していきたいと思います。』

ということで、引用したものの結局宮尾さんは「インフレの米国経済への下押し圧力」を気にしているのか「グローバルインフレによるインフレ期待の高まり」を気にしているのかが良く判らんのでまあここの文およびお暇な方は前後を読んでちょという所でありまする(なんという丸投げ)。

・新興国の金融引き締めの遅れは経済下方リスクとな

『こうした中で、アジア・新興国では、旺盛な内需に国際商品市況の上昇も加わり、インフレ懸念が強まりつつあります。加えて、内需拡大を持続させる観点では、物価上昇に見合った賃金の引き上げは不可欠であるため、これがさらにインフレ圧力を高める可能性があります。このため、各国では、高成長を持続するための環境を整えるべく、徐々に政策金利の引き上げを進めてきています。これまでの緩和的な政策運営―いわゆる「ビハインド・ザ・カーブ」―が長期化して高インフレが定着する場合には、景気にマイナスとなることから、未然に回避するためにも早め早めの対応が重要です。』

ということで、新興国のバブルは結局のところ下方リスクになるでしょう、という認識ですな。

・日本の場合は前向きの循環メカニズムが働きにくいのではという話

日本の(震災前までの)経済状況の説明をしている部分があるのですが、その最後の部分あたりから参ります。

『米国のように、企業部門の好調さが家計部門に波及していく経路がやや弱いように窺われます。』

ほうほう。

『その背景には、仮に輸出主導の景気回復を実現しても、国際商品市況の上昇等により輸入コストが上昇していれば、交易条件の悪化によって実質所得は流出する、その結果、GDP は増えても国内総所得はそれほど増えない、というメカニズムが考えられます。』

具体的な数値部分は割愛しまして・・・・・
『このことは、マクロ経済的にみれば、経済のどこかの部門がこの損失を負担していることを意味します。2000 年代の景気回復期において、企業は、賃金を抑制して総労働費用を抑えてきました。賃金費用の削減は、企業部門の懸命な構造転換・スリム化の取組みを表すものであり、生産費用の削減は供給面から景気を上向かせる役割を果たし、物価上昇を抑制します。一方で、総労働費用・賃金の減少は家計所得の減少となることから、内需への波及を弱めることになります。したがって、この間の交易損失は、企業部門のスリム化を通じて、家計部門にしわ寄せをもたらすものと見ることができます。』

なるほど。

『輸出・生産を起点とした景気回復の背後に、以上のようなメカニズムが考えられるとすると、この傾向は、リーマン危機後の回復局面でも継続している様子が窺われます。』

つまり輸出主導で景気回復をしても家計に恩恵があまり回ってこないという事ですね(涙)。

『企業は、より厳しさを増すグローバルな競争環境や円高を背景に、生産の海外シフトを加速するなど、構造転換・成長力強化の取り組みをさらに進めており、その成果である企業収益を、国内での設備投資や雇用・賃金の形で振りむけることに慎重なスタンスを維持しているように見受けられます。足元までの国際商品市況の上昇基調が国内所得を抑制する下で、このようなメカニズムが引き続き働いている可能性が考えられます。』

何と言う希望のない話(家計部門的に)なのでございませうか。

という事で、宮尾さんの今回の講演であたくしが「ほほー」と思ったのはこの辺りの部分でございまして、いわゆる前向きの循環メカニズムが日本経済において効き難くなっているのではないか、という論点の説明はほうほうと思うと共に、つまり内需主導のような形で進まないと中々前向きの循環が回りにくい、という事にもつながるのでしょうなあという残念な結論になってくる話かと存じますです、はい。

・米国の金融緩和の効果に関して(日本の説明は普通なのでネタにしません)

金融政策に関する説明部分から。

『米国でも、リーマン危機以降、昨年11 月の大規模な資産購入プログラム(いわゆる量的緩和第2 段)まで、合計4 回にわたる非伝統的な金融緩和政策が実施されてきました。特に昨年11 月の6000 億ドルに及ぶ長期国債購入は、長期金利・借入コスト低下を通じた効果だけでなく、昨夏以降市場で見られた米国経済に対する過度に悲観的な見方、行き過ぎたリスク回避の傾向を是正し、市場参加者が要求するリスクプレミアムに持続的に働きかけて株価を上昇させる効果もあったのではと見られます。』

『また米国の場合には、ドルは世界の基軸通貨であることから、別のグローバルな効果波及経路も考えられます。すなわち、リーマン危機後の政策対応として、FRB が事実上のゼロ金利政策にコミットした結果、新興国や資源国などドルと連動性の高い経済では米国の金融緩和を輸入することになり、それは海外での景気拡大をもたらすことになります。』

『米国のグローバル企業は、もともと製造業、非製造業問わず広く世界で事業を展開していることから、ドルと連動性の高い地域の景気拡大は、米企業の収益・成長期待を高め、それが米国の株価上昇をもたらし、個人消費の回復にもつながります。したがって、過去2 年以上続く米国の強力な金融緩和政策には、海外景気の拡大を経由した米国株価上昇によって自国景気を刺激する「国際的なスピルオーバー効果」も考えられるのです。』

ほほう。それからもう一つの政策波及ルートについて宮尾さんは指摘しています。

『以上、最近の日米の金融政策とその効果について考察してみましたが、共通して浮かび上がってくるのは、市場のマインドやコンフィデンスが過度に悲観方向に振れた際に、中央銀行の積極的なアクション・資産購入がそれを是正し、リスクプレミアムに持続的に働きかける効果があるのではという点です。』

まあどうなんでしょうかね、今後の研究課題っつー所なのでしょうか・・・・・


○BOE議事要旨が出たのでクイックメモ

毎度お馴染みのBOE
[外部リンク] members concluded that an increase in Bank Rate was not yet appropriate. While the recent information on the prospects for UK net trade had been encouraging, it was not yet clear that the weakness in output growth seen in the latter part of 2010 would prove temporary, particularly in light of the latest indicators of a further weakening in consumer spending.』

やはり昨年4Qの経済指標の落ち込みを受けて、とりあえず経済がここから先更に落ち込むか、回復軌道に復するかを確認したいという事なんでしょうね。

『There remained differences of view between these members on the likelihood of the upside risk associated with an increase in inflation expectations materialising.』

ただ、インフレリスクの顕在化に関しては現状維持派の人でも遺憾が分かれると。

『Some thought that this risk remained limited, given that the near-term outlook for inflation could be explained by reference to changes in energy and other commodity prices, VAT and the sterling exchange rate. Others thought that this risk had risen, given further upwards revisions to the near-term outlook for inflation, and that the case for an increase in Bank Rate had strengthened in recent months. Overall, the uncertainty created by both developments in the oil market and the recent indicators of household spending and confidence meant that there remained merit in waiting to see how those factors evolved before altering the stance of monetary policy.』

ただまあこの辺りの問題が直ぐに顕在化するという訳でもないので、リスク認識はリスク認識としてまだ様子見をした方がメリットがあるでしょう、という事ですが、まあ上記のようなあたりをポイントとして注視しているという話っすね。

『The Committee would learn more over coming months about the effect of the recent increase in the standard rate of VAT and, therefore, also about the other forces affecting inflation.』

ということで、恐らくはもう少し様子を見る、という事になったのでしょうけれども、先般出た物価のデータが更に上昇でござるとなっているのでまあ中々大変ですなと思われます。詳しくはまた週末にでも詳しく読んで見ます、と自分にまた宿題をorz
 


お題「3MTB入札とか/宮尾審議委員講演/BOEの3月議事要旨クイックメモ」   2011/03/24(木)08:15:20  
  あたくしは年寄りなので職業野球大好きさんですけれども、あの超越電気食い虫の東京ドームで野球やらんでも野外の球場で電光掲示板極力使わないで昼間に試合すれば良いじゃないかと思うのですけどね。駒沢公園の野球場使えば往年の東映フライヤーズとか胸の熱い展開が^^(今の球場は往年の東映が使っていた球場とは別)。まあ別によみうりランドのジャイアンツ球場でデーゲームだってエエンチャウノと思いますけどねえ・・・・・

○短期周りの市場雑感

昨日は即日オペ無しとなりました。まあ前日の朝一恒例の即日オペが応札1300億円しか無くて、更に一日終わってみたらコールの加重平均が0.084%と順調に低下していましたし、22日の国債大量償還によって資金は益々潤沢になったし、という所で朝からコールの気配7bp近辺とかでしたから即日スルーの巻。

でですな、その後のスポネ国債買現先オペもいい感じで札が少なくて、前日はしっかり入っていた応札(前日は2兆円のオファーに対して20598億円の応札)だったのですが、今日はあっさり味で9417億円の応札(なので札割れ)となりまして、こちらも資金が充足してきた感じを示すのでありました。

・・・・という事で、前日の2か月TB入札は0.12%乗せの水準でやっていた短国ちゃんなのですが、3か月TBの入札結果はご覧の通り。

[外部リンク]  
(3)募入最低価格 99円97銭0厘5毛
(募入最高利回り) (0.1183%)
  
(5)募入平均価格 99円97銭1厘6毛
(募入平均利回り ) (0.1139%)

・・・・・うーむ、これだと震災前の水準と変わらないのだが(^^)、などと思っていたら、やはり人によっては予想以上に強かった(まあ2社程どどーんと落札されて居たようですのでその人たちに取っては予想通りですが^^)という結果だったようで、セカンダリーではショートカバーも入って0.085%をマークしたとかいう報道がございましたわな、オソロシス。

昨日は前週までの資金動向読みにくい状況から、原発関連ニュースもやや落ち着きを取り戻した(と言いつつ昨日の午後に東京の水がどうしたこうしたという話が出てきましたが・・・)事や、22日の国債大量償還(およびオペ残高の拡大)によって目先の資金が見えてきて、今度は資金が余ってきましたなモードになった事などから、やっと資金運用というか資金潰しの動きが顕在化してきた、という所なのでしょうかね、よー知らんが。
それから、TBに関しては期末期初の関係上昨日の入札(発行日は来週月曜)が年度内最後の入札でして、短めの短国で期内の資金を潰すということになりますと、ロットで確保するタイミングが昨日の新発が最後という事になりますので、まあ資金使えますねという人の動きが出てきて、そもそも資金が無い訳でなく、リスク回避(株価だの為替だの原発問題だのに起因する)で固まっていたというのもありますので、凍っていた土がいきなり溶けて泥濘状態になってしまいましたなという後付講釈になるのでありました、って後付の話をしても意味は無いですかそうですか。

CP発行レートちゃんも同じような感じで低下したみたいで、情報ベンダーのニュースによると4bp低下とかいう話ですが、体感的には3bp前後下がったという感じではないかと思いますが、まあこの辺は色々とよーわからんすが、とにもかくにも買いが入ってレートが下がりました(と言いましてもこっちは震災前の水準から見たらまだまだレートは高い状態ではあります)という事で。

てな訳で、とりあえず昨日の市場状況(ただし短期周りの一部)を見ますと、震災後起きていた「皆さん揃ってまずは資金を抱え込み(「資金の買い溜め」と言った方が適切かな^^)」という動きが一巡し、とりあえず落ち着いて来たので出せるものは出しますか的な感じになってきているような気もしますが、さりとてGCが市場でバンバン出合っているとかいう訳でもない(今はそもそもGCで取らなくてもオペで取れているというのもありますけれども)ですし、まあこれは短期とは違いますけど、債券市場でも先物の出来高とかまだ少なめではございますので、平常運転からはまだ距離のある話だとは思いますが、とりあえず目先のストレスはやや緩和されたのではないでしょうか、と勝手に思っていますけれども実際どうなんでしょうかね。


○宮尾審議委員講演から

[外部リンク] 日(日)が550 億円、14〜18 日が2,560 億円)、その後の電力供給を巡る計画停電に対しても、一部支店では自家発電を利用して業務を継続するなど、決済が滞ることのないよう万全を期しています。』

日銀が何で地方支店持っているんだとかいうような批判を時々見たりするのでありますけれども、日銀って別に金融政策やるだけが仕事なのではなく、それよりも何よりも決済システムや現送などの公共インフラ維持を行っている方に多くのリソースを割いている訳ですよね。つーか金融政策だの金融調節だのというような事をしている人の方がマイナーなんじゃないかという気がするんですけど。

『また、日銀ネットは、日本の決済の根幹をなすインフラとして、電力の安定供給の対象として頂いています。被災地においては、現金需要が見込まれるほか、傷んだ通貨の引き換えなど、さまざまな金融上のニーズが出てくるものと思いますので、日本銀行として、被災地の支援には全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。こうした積極的な対応により、今後も、日銀ネットの運行や現金の供給体制を引き続き確実なものとし、わが国決済システム全体の安定に全力を尽くして参りたいと考えています。』

という事でまあインフラ産業としての日銀の話はさておきまして、金融市場に関する説明はこんな感じです。

『この間、金融市場の動向をみると、短期金融市場は、週明けの14 日(月)朝から資金の出し手が資金放出を控える動きが広がり、コール市場での取引が成立しない状況がみられたことから、昨年(2010 年)5 月以来の即日オペに踏み切るとともに、』

と、まあここまでは良いのですが・・・・・

『1 週間で82.4 兆円もの資金をオファーし(14 日:21.8 兆円、15日:20.0 兆円、16 日:13.8 兆円、17 日:15.6 兆円、18 日:11.15 兆円)、そのうち57.8 兆円を市場に供給しました(14 日:15.1 兆円、15 日:14.95 兆円、16 日:8.7 兆円、17 日:10.3 兆円、18 日:8.7 兆円)。』

いやあのそれ即日オペの分は累積カウントしたら過大評価になっちゃうから。

まあ「沢山供給しました」というのをアピールしたいのは判りますし、当座預金残高推移とかの話をしても説明しにくいと言うのは判るのですけれども、毎日のオファー額に関してその期間を無視して一緒くたに説明するのって説明としてはペテンの香りが漂うものでありまして、やはりメディアの方々を初めとして一般ピープルに説明する時に、そういうインパクト重視で説明がペテン的になるのはあまり宜しくないのではないかと存じますけどどうでしょうかねえ。

要はですな、ペテン説明で煙に巻く攻撃をやっていると、メディアなど受け手のリテラシーが向上しないので、肝心なときにミスリードな報道をされてしまって盛大なブーメランになるという惧れがある訳でございまして、やはりそこはあまりペテン成分にハッタリをかましたような話の持って行き方は避けたほうが無難ではないかと思いますけどねえ。

『この結果、オーバーナイト・コール市場は足元では比較的落ち着いて推移しています。』

まあここはさすがに素人さん向きだからこういう説明になるのかなあとはおもいますが、本当は追加緩和をCE的に実施したのですから、この先の市場に関連する話を市場動向として詳しく説明して、「これに対処するように追加緩和を行ったんです」という話をするのが吉のような気もせんでもない(相手によっては)。

『これに対し、CPや社債市場では、投資家のリスク回避姿勢が強く、CP・社債を引き受ける動きが細り、発行されたレートが大幅に上昇するなどの動きがみられました。足元でも、発行金利は高めで推移しておりますが、この背景として、地震の影響に加え、長引く被災原発の問題が少なからず影響しているとみられます。』

この後で株式市場などの動向の説明があって、その後に震災の経済に与える影響についての説明が入り、その次に今回の追加緩和の説明があるのですけれども、あたくしの理解では今回の追加緩和はより「信用緩和」の意味合いを持った政策対応と思っていまして、そういう意味では文脈として「震災によって起きている市場の動揺を抑制する」というのをもう少しアピールした方がより判り易いですし、そういう説明をすれば決定会合後の総裁会見で質問が出たような「規模がしょぼい」的な質問もあまり出ない(QEとして見たら5兆追加だとしょぼく見えるけれども、今回はCEなのですから、という事ね)のではなかったか何てこの辺を読んでいて思いました。

ということで最初から順番にといいつつあっさり順不同になりますが、今回の政策対応に関する説明部分から。

『以上のような状況を踏まえ、日本銀行としては、今回の地震が当面のわが国の経済・金融情勢に与える影響を点検し、金融政策運営方針を速やかに公表していくことが、国民心理の安定や金融資本市場の安定を確保する上で重要であると認識しました。(一部割愛)特に、企業マインドの悪化や金融市場におけるリスク回避姿勢の高まりが実体経済に悪影響を与えることを未然に防止することが、現在、最も適切な政策対応と考えられることから、リスク性資産を中心に資産買入れ等基金を5 兆円程度増額し、40 兆円程度とすることとしました。』

まあそうなんですが、この辺の説明はもうちょっとCEというのを前面に出すのも一つのやり方だったかも知れないな、と後講釈ながら思いましたです。
 


お題「まあだいたい雑談でおじゃる」   2011/03/23(水)08:06:21  
  今日は雑談ネタばっかでありまする。

○計画停電夏は拡大ですかそうですか

[外部リンク] (1)

これはまたアチャーな状態。今後の金融政策運営が中々厳しいですなあとか思うのですが、こんな講演があるので題名に釣られて読んでみようかと思っておりまする。(と予告編をして自分に縛りをかける)

[外部リンク] MPC's Policy Dilemma
Speech by Charles Bean

本文はこちら。
[外部リンク] 3,000 2011年3月24日 2011年4月6日

・・・・・ということでCP買現先オペ久々の登場でござるの巻であります。どの位久々かと申しますと、直近でCP買現先の残高があったのが昨年の4月28日のエンド物でありまして、スタート日で一番直近なのが昨年の3月29日スタート(なので3月25日オファー)という事で見事に1年振りのオファーと相成りました。

えーっとですな、まあ短期周りの方はご案内の通りだとは存じますが、何せ足元の状況は(今週になってやや改善傾向になっていますが)日銀がオペで資金供給してもその金が中々オペ先から外に染み出してこないという大変に遺憾な展開が続いておりまして、その結果としてあたくしの駄文でも日々同じような話が続くという壊れたレコード状態になっていた今日この頃なのでございまして、その状況を緩和すべく日銀のオペレーションで1年ぶりのCP買現先を実行したという話と推察しますが如何でしょうか?

で、その結果はこの通り。
[外部リンク] 4,590 2,860 0.140 0.164
左から順に、応札額、落札額、足切り利回り、平均利回り、となっておりますけれども、一応CP現先オペだって日銀担保適格銘柄を対象にしての資金供給オペの筈ですから、担保掛目の事を考えても平均0.164%はどうなのよという感じでございますなあという結果。

ま、CPの場合は在庫持っているのが基本的に銀行さんか短資さん(証券さんも持っているが基本あまり持たない)だと思う、というか圧倒的に銀行さんとこで持っていると思うのですが、まあその行内仕切りレートの問題とか、オペで入れた場合の資金は誰のものとか、いろいろと大人の事情があるのではという所ではあろうかと存じますが、それにしてもここまでレートが高い(共通担保オペに入れに行けば0.10%でファンディングが付くのですから)というのはナンデデスネンという事を推察するに、まあCPの在庫がちょっと多めになっているのでしょうなあという所が推測される所であります。

#というかそういう状況だからCP買現先を実施したのですが

でね、このCP買現先ですが、基本的に現先一本打った位でCP市場のファンディングが軽くなって業者(銀行ですが)がCP在庫を増やしたくなる、などというような甘い代物ではございません(筈なのに以前「CP買現先オペはCPレートを引き下げる効果があった」とかドヤ顔で日銀レビューが出たときにはさすがに如何なものかと思ったわけですがまあいっか)のでありますが、日銀が「CP市場の動向も注意していますよ」とアナウンスするという意味は無かったような有った様なという所でござんしょうかねえ。

つまりですね、先週月曜の追加緩和では「リスク性資産の買い入れを拡大」したように、今回の東北関東大地震後の市場においてまず喫緊に必要な「緩和」は「量的緩和」ではなくて「信用緩和」である、というのはあたくしここ数日しつこく申し上げている通りでございますが、日銀も今回の追加緩和においては「信用緩和」的な色彩の濃い動きをする事によって、市場の沈静化を図ろうとしている、という意味が昨日のCP買現先オペには含まれていると思われます。

ただまあ現先やっても本質的な意味でのリスクエクスポージャーが落ちる訳でもないというのが残念なところでありますので、ここは一発基金オペで追加したCP買入をバシバシと打って頂いて、期末に向けた過剰な金利の跳ね上がりを防止するとなおお洒落ではないか(昨日も書いたが、こういう時に「市場機能がどうのこうの」とか言っている場合ではないので買うならホイホイ買ってしまえばヨロシアルね)と思うのでありまする。

しかしまあ何ですな、この「包括緩和」ってのもコウモリというか鵺みたいな概念でありまして、基金買入における購入等となる対象資産によって、買入拡大の「追加金融緩和政策」が「量的緩和」なのか「信用緩和」なのかを使い分ける事ができるのねと思う次第でございまして、まあ何つーか都合よく出来ている概念ですわなあとか思いながらも、「基金の配分をいじることによって量的緩和にも信用緩和にもなる」というのはこら短期周りの人間とか趣味の日銀かんさつにっきでも書いている人ならば概念として理解できますが、一般ピープル(というか債券市場の人でも)には中々伝えにくい概念ですわなあと思うのでありました。


○更に短期ネタだが今日は即日オペがだいぶ減りましたな

さっきのオファーの所とか落札の所とか見ていただきたいのでありますが、昨日の日銀オペでは共通担保全店オペの即日スタート物が2兆円のオファーに対して応札額は1300億円ぽっちとなりまして(当然全額0.10%で落札)、その後もコールレートなどが落ち着いていた事もあってか、先週のような即日オペ乱打もなくそのままスルーしていきましたがコール平均は0.084%に低下。

特に今日は四半期20日お約束の国債大量償還日に当りまして、そのため国庫からの国債償還金要因によって財政は速報ベースで9兆1000億円の払い超となっておりましたが、まあこの国債償還金も入ってきましたので、短期金融市場に回せる金も出てきてもおかしくはない(ただし相も変わらず銀行セクターからはあんまり資金が出てこないようですが)というのと、元々この日にあったオペのエンドとかもジャンジャンロールしてしまったので業者のファンディングにもやや余裕が出てきたというような要因もあったと思いますけれども、そんなこんなでツンドラの永久凍土を思わせる資金の動きの悪さが徐々に改善に向かっているという所かと存じます。

それにしても昨日は速報ベースで日銀当座預金残高が何と41兆6200億円と空前の残高になってしまった訳ですが(実は今日の方が予想段階では当座預金残高が拡大する)、その結果準備預金の積みは絶賛大進捗して明日以降の残り積み所要積数を1日辺りの数字に直すと18300億円(ちなみに今積み期の所要は1日辺り52500億円)まで来ておりまして、今回の積み期間で絶賛大ブタ積み発生が確実視されておりますわな。

まあこの非常時にトン調節とかやっている場合ではありませんので別にこれはこれで当然の流れではあるのですけれども、逆にここまでジャブジャブにしてしまうと、引くのがまた難しいかと思われます。と申しますのは、何せこの市場にストレス掛かり状態というのはまだ続いている訳でして、そういう状況下において「市場機能重視」みたいな事を始めますとストレスがそのまま価格形成に反映し、その結果更に市場のストレスが自己実現的に拡大するというリスクがあるっつー状況でもある訳で、変に慌てて調節を引きだしますと、その暴れん坊将軍の市場に点火するリスクがあり、まあそんな事をこの非常時にやらかしたら打ち首獄門扱いになってしまいますから難しいですなあという事でありまする。

でありますので、どっかのベンダーで「日銀の資金供給が市場に安心感を」みたいなコメントを見たような気がするのですが、そらまあ日銀のオペ先の範囲内は適格担保の範囲内で資金が回ります罠という風情ではございまして、昨日は財政要因で資金がどどーんと出てきているからそらまあ即日オペのニーズが減りましたけど、肝心のオペ先の外側に資金が回らないと政策効果が発揮できませんので、そーゆー観点からすると市場のストレスが解消されるまでは頑張って供給をお願いしたいという所でございますわな。

じゃあ市場のストレスがどういう数字見てたら解消されたとか判るのかと言われますとこれまた難しい所でありますが、まあいずれにせよ当面はオペジャブジャブ攻撃を継続し、GC市場あたりで資金がもうちょっと動くようになる(銀行さんがGCの資金を出すようになる)と緊張感も緩和してくると見れば良いのかなあ、などとちょっと思ったのでありまする。

ちなみに、まあどうでも良いのですが、あたくしが手元で集計している(単にエクセルで計算させているだけ)オペ残高ですが、昨日は共通担保全店オペ297000億円、基金オペ(固定金利資金供給)228000億円、国債買現先オペ20000億円と、全部足すと60.5兆円という膨大な額に。これに成長基盤強化が入って各種の資産買入もあるのですから、まあ凄い額になってしまいましたですなあという所でしょうか。


○人のふんどしシリーズ

今回の震災に関連してはまあ色々とネットでイイカゲンな情報を流して悦に入っておられる方がいたり、まあ何なんでしょと思うと思うのですが、まあ個人的にはこんな辺りをお読みになられると吉かと存じます。

・「machineryの日々」さん

[外部リンク]
[外部リンク]

・「what_a_dudeの日記」さん

[外部リンク] さん

[外部リンク]
 


お題「協調介入実施とな/市場雑感/産経の国債引受報道雑感」   2011/03/22(火)08:06:31  
  週末の街頭では義援金(義捐金ってのは常用漢字じゃなかったですな)募金活動があちこちで見られましたが、まあそれはそれで別に否定しないけど、今の東京の状況だったら募金箱もってがなり立てるよりも郵便局や銀行などでの日本赤十字等への募金口座振込み用紙でも配った方が結果的に沢山集まると思いますがねえ。

#と思ったがそれでインチキ用紙配る輩が出そうだからやっぱりダメかなあ

まあそれはそれとして街頭見ててどうかと思うのは政党の幟並べて募金活動している区議会議員とかでさ、正直言って端からあたくしのような者が見ているとパフォーマンスに見えてしまうわけですよ。だって区議会議員とかが今罹災者の皆さんに対して出来る最大の貢献って、罹災者支援のため、例えば罹災者受入の為に区で何が出来るかとかを行政と共に検討して実行するといったような動きであって、募金集めはお前以外でもやる奴がいるでしょ(まあそれ以前の問題で街頭募金せんでも多くの人がいろいろな形で募金してると思いますしねえ)と思うのですがねえ。


○協調介入キタコレ

[外部リンク]  対象はドル・円ということでよろしいでしょうか。
(白川総裁)  そうです。
(問)  日本国債の購入などについて、他のG7の国から対応するというような。
(野田大臣)  そういう議論は今日はしておりません。今日はあくまで為替市場に対する対応です。』

ほうほうという感じでして、朝の9時から一気にドル円は79円台から81円台後半に上昇しまして、まあその後は海外時間でもBOEおよび欧州各国の中銀(ECBじゃなくてブンデスとかフランス中銀とかが個別に介入したのがちょっと驚きでしたが)の市場介入がありましたが、まあ欧州的にはリビアの方が金曜には大騒ぎだったかも知れません(金曜の日本時間に国連安保理で飛行禁止区域の決議をしてましたな)。

ここの会見(の一部)にありますように、介入の対象がドル円みたいなのですが、BOE辺りはどっちかと言えばインフレ抑制でポンド買い介入を堂々と出来ればオイシかったのではないかと思うのですが、介入は全部ドル円だったのかそれともユーロやポンド建もあったのかはよくワカランチ会長のようで。

[外部リンク]  その介入の対象の通貨ですが、先程ドル円というお話でしたが、これは欧州とかカナダも同様にドル円を対象にやっていただくという。

(答)  基本的にはドル円でありますが、場合によってはECBはユーロもやるかもしれません。これはあまり私が確定的に申し上げることではございません。』

だそうなので、英国とか欧州はポンドなりユーロでやったのかも知れませんな。



○金曜の相場備忘録、あるいは今求められる資金供給は「潤沢」よりも「きめ細かい」供給という話

金曜はと申しますと、朝の段階では木曜午後の海江田経産相のフルーツバスケット攻撃によって何かこう慌しい日になった翌日という事で前日までに戻ってきた人とかの流れが再び落ち込んできたのもありますし、何となく落ち着かない朝でしたが、G7で為替協調介入発動という事で、単独じゃなくて協調介入というのはさすがにインパクトありましたし、福島原発問題に関しても水曜辺りまでの「もう何か良く判らないけど大変みたいだよ」状態の話から、徐々に電源工事だの放水活動だのが進んでいる(関係者の皆様のご苦労に感謝であります)という話が増えてきた事もあって何となくその辺りも落ち着きを与えたのか株価の方が上昇傾向に。

ということで、まあ為替の無茶振りと株の底抜けが一旦落ち着いたという事によりまして、債券市場の方も金曜はあまり無茶振り相場にはならずという感じだったようですけれども、まーそうは言いましても先物売買高14377枚とか取引自体が多い訳でも無く、ちょっとした売買で値が飛ぶような感じのようで、まあ引き続きまだまだ通常モードに戻るには時間が掛かるという所では無いかと存じます次第。

現状では災害の様々な影響(被災地での銀行券需要という直接的な部分に加えて、計画停電や交通機関の減便などによって、直接的な被災地以外でも予備的な銀行券需要が高まる可能性があるとか)によってどのような感じで資金が出て行くのかとかというような事が読みにくい事もありますし、今後の災害復旧に向けた動向も読みにくいし、被災地以外でも停電等の影響によってあまり余計な取引をしないようにという意識がどうしても起きてしまう(鉄道の減便によって事務方の人員が不足してたり、早く帰宅させるように動いていたり、さらには木曜のように急に早く帰るようにというような事も起こりえるし)、更にまた間の悪い事に多くの日本企業の決算期末に当っている事もあって、取引そのものが普通にしていても低調になりやすい所ですので、どうしても取引が薄くなってしまいがちですわなという事で。

で、現状では日銀が絶賛資金供給オペレーションによってその辺りを補強しているのではございますが、結局のところ日銀が取引の間に入ってどうのこうのが出来るのはオペ先であり、オペの適格担保の範囲内の話でありますので、これは先週末も申し上げたように、日銀におかれましてはオペ先の所だけはなく、オペ対象の外側の市場動向とか、適格担保の外側(つまり無担保市場)の動向とかも注意して頂きたいと重ね重ね申し上げる次第でございますです、はい。

つまりね、さっきの小見出しの所で書いたんですけれども、「潤沢な資金供給」はそらまあ重要でありますけれども、何せ現状はそのオペ先から外に出る資金というのが依然としてあまり多くない状態になっている訳でして、それは別に個別金融機関がケチだからとか言うのではなく、色々な意味で不確実性が高まっている上に、余計なことに決算期末要因がぶつかって資金が市場でいい感じでグルグル回るという風になりにくくなっている訳ですよ。従って、短期市場への目配りという点で言えば、単に量を出せば良いという話でもなくて、やはり信用緩和的な政策、つまり今般実施を決定した社債やCPの買入追加を前倒しで実施して行くというような動きとかのような「きめ細かい」資金供給、というか信用緩和政策的な動きが必要となっていると思います。

まあこういう時に「市場機能論」とか言い出す馬鹿は居ないと思いますが、市場機能重視でとか寝ぼけた事を言っていますと、こういう時には市場が無駄に暴走するリスクがあり、そのリスクを増幅させるだけの悪影響しかないという物であることは、リーマンショック後の国内市場の動きを思い出せばお分かりの通りでありますし、そういう時には変な原則論が無意味である、というのは米国の実施した前提に無理のあるストレステストに関して皆がそのストレステストのインチキな前提条件(失業率とかの前提無茶だったですよね)を敢えてスルーする事によって当面の危機をスルーした事によっても示されていることではないかと存じます。

何か最後の方は判ったようなわからんような話でどうもすいません。


○復興国債報道に関して

金曜の朝のニュースで産経新聞が独自に産経クオリティを発揮したニュースがこちら。

[外部リンク] 01:10 (1/2ページ)

で、この記事は産経だけが書いていまして、その後主要閣僚から思いっきりダメ出しされていましたので、まあどう見ても飛ばしです本当にありがとうございましたという風情です罠。

[外部リンク]

ちなみに野田財務相の発言は閣議後記者会見のものでして、こちらでも内容を確認する事ができます(質疑応答の最後の方にあります)。

[外部リンク] 21:56 (1/2ページ)

・・・・・また内容がツッコミ所多数で爆笑を禁じ得ないのですがそこはスルーしまして、産経新聞さまにおかれましては、自分のところの編集委員が「こうあるべき」と考えた事をあたかも既成事実のように報道することによって「報道による既成事実化を図った」という事はなかろうかと思いっきり想像したくなるのでありますが、まさかそのような報道機関としてあるまじき事をなさっておられるとは到底信じ難い所ではございますけれども、ちゃんと裏づけ調査して報道されているのであれば、他紙の追随とかもあるでしょうし、主要閣僚が全面否定するとかも無いような気が致しますがどうでございましょうか。

このような非常時において、報道機関としての確固たる立場を持っておられる機関が裏づけの乏しい情報で報道を行うというのは、流言蜚語によるパニックを煽るような事にも繋がりかねない(大正時代における関東大震災のように)訳であり、特にこのような時こそ報道の内容について真剣な精査が必要であると思われるのですが、然るに、自分たちの主張を既成事実のように飛ばし報道をする事によって自分たちの主張の実現を図ろうなどというのは、報道機関として、というより人間としてもはやあってはならない事でございますので、まさか産経新聞社様がそのような新聞社であるなどとは思いたくはございませんです、はい。

ちなみに、田村編集委員様の提言の方ですが、ツッコミ所が鬼のようにあって頭がかなりクラクラするのですが、今度ヒマなときにツッコミ力の勉強がてらツッコンでみようかと思います。

まあ普通に国債増発は不可避でしょうけれども、そこは緩和的な金融政策を続けることによって対応すれば、少々の「単発的な」国債増発は市場で消化できますし、今回の震災の影響が日本(だけではなく多分国外の製造業にも影響すると思われるのだが)の供給ショックに繋がっていく話でありますので、あまり詰めない形で「国債の中央銀行引受」という派手なことを行って供給ショックによる物価上昇に加えて長期金利上昇などを引き起こす事も無いと思いますがどうでしょうかねえ。

それから、もし「復興国債」というのを別名目で出すのであれば、それこそ個人向け国債でちょっと利率高くして途中換金の制限を厳しくするというような形(だけでなく商品性は色々と考えられますけど)で発行をすれば義援金は出さないけれども復興国債なら買うってえ人が出てくるんじゃないですかねえ、と思いますけどにゃあ。

まあ結論からしますと「こういう時に大して裏も取らない報道するのは場合によってはテロ行為に等しいのであって、スクープ狙いとかお馬鹿な事は止めて欲しいし、更にもし『記事を書くことによって自分たちの主張を既成事実化しよう』としているのであれば、最早報道機関というよりは人間としてあり得ない行為ですなあ」というのが金曜の記事およびその後の反応見たときの印象でありました。

まあこの記事に関しては記事内容がそもそも柔らか過ぎる上に、書いたのが産経一社だけで他社の追随無しという事で、どうせ飛ばしでしょとばかりに債券市場がすっかりスルー状態で全然反応していなかったのが産経新聞社涙目の展開とも言えましたけどね。
 


お題「為替がぶっ飛んで一時エライコッチャでしたが/決定会合議事要旨から」   2011/03/18(金)08:06:38  
  昨日の「急に大規模停電の可能性が来たので」攻撃での超越帰宅ラッシュに当った皆様(って出勤してた人の殆どですな)におかれましては誠にお疲れ様でありました。

#そういやあたくし義捐金振込みしてきました。その位しか役に立てませんですからね、ちなみにゆうちょ銀行ですから振込というか振替ね(^^)

○ということで昨日の市場メモ

朝起きたら為替が79円台とかになっていて「福島原発問題の深刻化を受けて安全資産の円への買いが高まった」とオモシロ解説をする某経済クオリティ番組などがいましたなあとか昨日は書いたと思いますが、その後朝7時過ぎ位になってみるとドル円が77円とかイミフの展開になりまして、結局76円前半(ベンダーによって25銭という所と36銭という所がある位のカオスっぷり)まで行った後で反発して朝の8時40分ごろには79円台まで戻すという豪快なカオス状態。

えーっとですね、こんなのがリパトリのフローによるものの訳は無く、そもそも時間がシドニーだかウェリントンだかの板のスッカスカな中での話でありまして、どうせオプション引っ掛けて強制ロスカットさせようとかいうような動きが打ち込まれたという事なんでしょと思うのですが、あたしゃ為替の事はよー知らんけえ詳しい人に聞いてつかーせとゆー所でありまする。

#もちろん、材料が「日本の原発での放射能漏出」なので円を安全資産だと思って買っている訳ではございません

#ちなみに、この為替水準を見てどうせ介入するなら米国債なんて屁の役にも立たないものじゃなくて救援物資や燃料を兆円単位のドル建で買ったら凄いことになるのではないかなどと訳の判らん妄想をしていたあたくしは連日の相場とニュースで頭が沸いていますかそうですかorz

まあそんなこんなで株は下落スタートだわ債券はまたまた上昇スタートだわということになったのでありますが、140円35銭(+63銭)で寄り付いた後は基本的には売りに押される展開。イールドカーブ的には超長期債の大逆襲が今日も続くでござるの巻というような展開になったようで、先物が押し込む中で超長期ゾーンのビット確りの展開。

で、昨日については原発関連のニュースでは寄り前に米国のなんちゃらとかいう所が日本在留中の米国人向けに福島原発の半径50キロ圏内から退避を検討するようにとアナウンスしたとかしないとかいうのがマインドを冷やしやがるニュースでございましたが、場中のニュースではここ数日のように「何か片付いたと思ったらまた更に悪質っぽいネタが出てくる」みたいな負のスパイラルのようなニュースもあまり見当たらず(すいません、正直言って原発関連のニュースヘッドライン見るのがストレスなんでそんなにきちんとフォローはしてないですが、多分市場がどどーんと反応するようなネタは無かったと思います)とゆー感じでありまして、株価指数がグイグイ戻ってきた事やら、9501東京電力株式がようやく寄って大商いモードになっていたりして、何となく株価がまたまた底打ちチックな動きを示したりした事が影響したのか債券先物は上値妙に重い展開に。

まあ何ですな、足元での先物と他の現物の動きがグチャグチャなのは地震および原発問題を受けた動きで、こらまあリスクオフはリスクオフですけれども、それよりもポジションクローズの動きと言った方が適切なような気がします。一方で昨日も今日もフラットニングの展開となっている債券市場の長いところちゃんの動きなのですが、まあ大地震前に形成していたカーブに対してその後に先物がスーパー独歩高となった動きの反動というのもあると思います。

でですね、更にもうちょっと長いタームの話となりますと、日本の原発問題を機に海外でも原発のあり方が見直されるというようなモードになっているやに報道などでは見受けられる訳でありまして、世界各地で原発見直しという事になりますと、電力供給能力の低下によって生産や消費にブレーキを掛け、経済成長にもブレーキを掛けますよね、という話に発展する可能性があるでしょうから、そーゆー文脈から世界経済が停滞モードになって来るってな感じの絵を描いた場合に、今回の大地震の前にあった世界経済が緩和的な金融政策を背景に回復基調を高め、その中で物価も上昇傾向にというような従来の絵とは違った光景が見られる訳でして、そーゆーところを勘案するとああ長いところが買われるのね、というのもあるかも知れませんなあという所です。

#原発の代替エネルギーの開発が急務という事ですと救世主にイベルドローラ([外部リンク]
 


お題「市場メモと雑感/総裁会見」   2011/03/17(木)08:10:50  
  商売柄仕方ないのですが、原発関係のニュースヘッドラインをこれでもかと出されるとストレスが掛かりますので、せめて家ではテレビでしたり顔して色々と解説する煽り報道番組だけは見るの止めないとしんどい今日この頃ですが、被災者の皆様や被災地での救援やインフラ維持、原発の事故被害拡大防止の為に日々尽力されていらっしゃる方々などなどの皆さまの事を思えば屁のような事で悩むというのも我ながら何ともorzであります。

・・・・・ちょっと待てモーサテ、「福島第一原発問題の解決が難航しているから『安全資産』としての円買いが入った」ってその後付解説は何ぼなんでも話が違うんじゃないのかよおおおおおおおお。ポジションのアンワインドの動きとかじゃねえのかああああああ????

ちなみに公共放送は「福島第一原発のトラブルを嫌気した米国株価の下落によるドル売り円買いの動きと、日本企業が海外に保有する資産を手元に戻して円に換える動きが強まるとの見方から」円高が進行した、と比較的丁寧な説明をしていました。

#下に書きましたけど、昨日の市場は株高で何となくほっとした感じもあったのですが、海外株安の円高進行とはまた今日もorzな展開ですか・・・

○20年入札と3か月TB入札

諸般の事情であまり詳しくは見ていないのですが、昨日の債券市場は前場は短国と20年のダブル入札を前に弱いスタート。と言いましても株式市場が戻り歩調になっている事から雰囲気も何となく良くなってきまして、といいましても超長期ゾーンは入札を前に寄付き直後はアホのように弱かったのですが、前場途中からやや20年の気配が復活気味。2.2クーポンで発行されたのも好材料という感じになりまして、まあこれは2.2%100円が止まり所になるでしょう、というのを意識してクーポンを設定したということなのでしょうなあという所でしたけれども、前場引けは先物68銭安に対して新発20年国債は2.125/2.130(20年ゾーンの気配としては4.5甘オファーとかのレベルかと)と先物対比では確り気味になりました。というか前日の先物周りだけ高いというカーブの修正が入ったとも言えますが。

後場の寄りは前場引けから若干強くなって始まりまして、落札結果の方はといえば平均100.97円=2.130%で足切り100.75円=2.146%と、前場引けの板と比べてみると強くは無いですが、前日までの地合いと足元の流動性の低下を勘案した場合に、20年ゾーンの1.1兆円の打ち込み(つーか発行ですけれども)でどの位まで流れちゃうのよという懸念もあったのでして、堅調な結果という評価で宜しかったかと存じます(つーかまた買占めかという感じもするんですけど)。

でまあ現物の気配も特に長い所の復活が顕著という形になりまして、引けてみますと先物56銭安に対して20年ゾーンが5糸強〜1毛強の引けという事になりまして、前日比でもそうですし、前場引け対比でも復活でござるの巻となっております(と言っても地震前のバランスから考えたらまだ思いっきりスティープしてますがまあそれはそれ)。

3か月TBちゃんの方はと言いますと、0.1436/0.1501と足切り水準が0.15%に乗ってしまいましたでござるの巻にはなりましたが、セカンダリーでは強くなりまして最後はたぶん0.135%近辺とかの水準ではないか(日本相互証券の引けは0.140%です)という感じになったようで、こちらもまあ踏みとどまりましたなあという感じです。

まあそんな感じで懸念されていたダブル入札は堅調な結果になりました事と、それはそれとしてやはり株価が上昇したのは相場の雰囲気を良くするかとゆー感じでありまして、イールドカーブ的には昨日の過激なオモシロカーブをややお返しするような感じになったのはチャーミングでございました。

ま、あたくし的にビミョーなのは2年とかの動きではございますが・・・・


○まあ無力参加者のたわごとなんですけどね

2年辺りの水準が地震前の水準、即ち追加緩和実施前の水準でもありますが、そこら辺まで戻ってしまっている所(つーか正確には微妙に甘い)とか、まあさっき書いた3か月TBに関しても入札堅調とか言いましても、よくよく考えてみればここもとでは金利が上がっても0.120%届くか届かないかという状況だった事を考えるとまだ甘いというのが何とも微妙なテイストを感じる所であります。

まあ背景に株価が急落しちゃったから決算益出しするとか、昨日の昼のあの放送見たら何か売りたくなっちゃうとゆーのもまあ判らんでも無いですけれども、そもそも日銀のオペ直接参加者の場合は資金繰りに関しては日銀の超越資金供給で賄えばよいですし、今回の地震での罹災地域でオペだのやっている人的余裕無しというような方々がキャッシュポジションを厚めにする為に売却するとかいうのは勿論当然の動きなのですが、あまりそういう災害の直接的影響が相対的に大きくない人が「決算対策!」とか言い出して中短期債市場にストレス掛けるっていうのはどうなんでしょとはちと思ってしまう所ではありますけどね。

つまりさ、日銀が超越的大量に資金供給してるのって、オペ先をお助けする為だけにある訳じゃなくて、そのオペ先が銀行なら個人や企業などへの資金供給を円滑に行う事が役割期待としてあるでしょうし、証券業者などならば金融市場の流動性を維持する事によって資金の円滑な流通に寄与する事が役割期待としてあるってえ事だと思うのよね。そらまあ非常時でストレスが掛かっているから市場のスプレッドとか貸出のスプレッドが開くとかいうのは止むを得ない話ではありますが、まあ市場安定化の役割期待がある中で市場安定化の逆になるような動きをわざわざやるような人がいたらそれはちょっと違うんじゃないのと思う所ではございます。

・・・・・って昨日は「原発問題があると市場にストレス掛かっても仕方ないですかな」とかいう話をお前はしてたじゃネーノと言われそうですが、まあちょっとそんな事を昨日の昼間は考えていたのですよ、という事で昨日の今日で微妙に話のニュアンス違いますなあってのも我ながら如何なものかと思いますし、所詮は無力参加者のたわごとですので、まあ別にどうでも良いっちゃあどうでも良いのではありますけどね。

#なお、この部分はabz2010さんの直近の2本前のエントリー『今は「市場メカニズム」の出番ではない』に触発されて纏まりも無く書いてみたのですが、その他の直近エントリーも中々興味深いのでトップページのリンクをつけさせて頂きます→[外部リンク] 本日、即日オペ15兆円を含む大規模な資金供給を実行されました。金融市場の緊張度合いの観点から、このような資金供給の実行を決断された理由と金融市場の評価についてお伺いします。』

『(答) 先行きの不確実性が高い状況となったため、金融市場において市場参加者が予備的な資金需要を大きく増やし、金融機関が多くの資金を保有しようとする状況となりました。短期金融市場は全ての金融活動の出発点であり、経済活動にも通じます。従って、中央銀行としては、この金融市場の安定をしっかり確保し、資金面に関する不安を解消させることが非常に重要であると判断しました。』

『そうした判断の下、本日、即日資金供給オペを15兆円、先日付の資金供給オペを6.8兆円、合計21.8兆円となる過去最大規模の資金供給オペを実行しました。即日資金供給オペとしても、過去の最高金額は4.5兆円でしたが、今回は15兆円という、それを遥かに上回る規模で実施しました。このような潤沢な資金供給により短期金融市場の安定が確保されているということです。』

ということで、大量の資金供給は短期市場に掛かるストレスの回避のためですな。

『市場別にみた場合、国債市場では、今回の地震がわが国の経済に及ぼす影響の大きさが不透明であることなどから、安全資産である国債への資金逃避が進み、10年物国債の金利が1.3%から1.2%へ、2年物国債の金利が0.2%強から0.1%台へと、短中期から長期までのいずれの期間でも国債金利が低下しています。』

『一方、社債の流通市場あるいはCP市場をみると、社債金利の対国債スプレッドやCP金利の対短期国債スプレッドが幾分上昇していることに加えて、市場での取引が成立しにくい流動性の低い状態が続いており、潜在的なスプレッドの上昇圧力はこれまでよりも高くなっているとみています。』

『株式市場をみても、わが国経済や企業収益を巡る先行きの不透明感から株価は大きく下落し、本日の日経平均は昨年12月初以来の1万円割れになったことはご承知の通りです。』

と、当日(月曜日)の市場動向について触れ、

『以上、各市場についてみてきましたが、私どもとして、まず出発点の短期金融市場、それからCP、社債あるいは株式関連市場、そうした市場でリスク回避姿勢が強まることを防ぐことが非常に大事だと判断し、本日の措置に至りました。』

ということでして、今回の追加緩和措置の主眼は「CP、社債、株式市場などでの市場ストレスの緩和」にあるというのがここで明確に示されています。後の方の質疑応答にもある(引用は割愛します)のですけれども、いわゆるリスク性資産の買入にウェイトを置いたのもこの理由であり、つまり今回の追加緩和の趣旨は「外的なショックによって発生した市場ストレスの緩和」であるという点において、信用緩和(CE)的な政策として捉えるのが適切であるということになろうかと存じます。

それを「包括緩和」の枠組みの中で一緒くたに実施するのも後々話がややこしいことになるような気がせんでも無いですが、時あたかも非常時でございますので、まあその辺の所は「包括」緩和という包括の中で包んでしまって今直ぐ使える道具を出しました、という所なのでしょうな。


・決意表明部分

これは良い質疑応答。

『(問) 本日、大量の資金供給が行われ、札割れとなったにもかかわらず再度の供給をし、もう1度札割れが起きました。これは、金利の上昇を抑え込む、混乱を抑え込むという、断固たる決意の現れであると私は受け止めました。そういう理解でよろしいでしょうか。』

『(答) 短期金融市場で不安心理が広まると、各金融機関は資金を抱え込むことになるので、資金が市場の中で回らなくなるわけです。個々の金融機関においては、十分に資金を確保している先があっても、別の先では確保できないということも考えられます。すなわち、札割れとなっていても、金融市場の参加者の中には資金が十分ではないと感じる先もあります。このため、私どもとしては、札割れが起きても、市場の安定を確保するために必要であれば断固実行するという意味で、資金供給を行ったものです。』


・これは悪い質問

『(問) 2つ質問です。前代未聞の災害が起きている割には、買入れ額の規模感やリスク性資産の内訳が、ちょっと「しょぼい」というか、小さいような気がするのですが、どのように受止めているのか教えて下さい。また、復興に当たって、仮に、日銀の国債引受けの議論が国会で出てきた場合、総裁はどのようにお考えかお聞かせ下さい。』

短期市場のストレス緩和のためにオペ大量打ち込みをした上に、CE政策的な買入の拡大という内容を捕まえてしょぼいというのも何だかなあと思うのと、日銀の国債引受に関する質問が如何にも引っ掛け質問臭くて何だかなあという悪い質問にも程がある状況。『(答) 今、「しょぼい」という言葉を使われましたが、私も含めて政策委員会メンバーの誰一人として、そうは思っていないということを、強く申し上げたいと思います。』

これは白川総裁珍しくお怒りの模様(^^)。

『我々は今回、リスク性資産の買入れを相当増やし、これまで資産買入総額が5兆円程度の中で1.5兆円であったものを、今回はさらに3.5兆円に増額しました。ご質問は、買入金額をご覧になってのことだと思いますが、本来は、保有対象となる金融資産にどれだけのリスクがあるのか、その民間のリスクをどれだけ中央銀行が肩代わりするのかというリスク量換算で評価すべきものです。』

『買入金額という量の多寡で話をすることは、あまり好ましくないと思っていますが、ご質問がありましたので敢えて申し上げます。以前の記者会見でも申し上げましたが、ETF・社債等は、保有に伴うリスク量が国債に比べてかなりの倍数になります。正確な倍数は、その時々のボラティリティ、すなわち価格の変動によって違ってきますから、今はその数字を申し上げませんが、国債とは異なって格段に大きくなります。従って、決して小さくありません。』

しかもご案内の通り金融市場に掛かったストレスの関係で更にリスク量は拡大している訳ですからね。

ただまあ確かにこの基金買入というのは説明的にシロートさんに(というかうっかりすると他市場のプロにも)難しい所でもある「箱」でもございますので、本当は「信用緩和政策(あるいは市場の機能不全を事前に防止するという予防的措置)」という風にして実施する方がクリアカットだったかもしれないなあとは思いますけれども、なにせ事態が昨日の今日という世界ですので、今回に関して言えば今ある「箱」を使う方が圧倒的に迅速対応できる訳で、そーゆー意味では包括緩和という箱が既にあったのは助かったという所でもあろうかと思います。

国債引受に関する質問部分に対する答えはまあこうとしか言いようが無いでしょうなと思われるのでありまして、まあ一応引用だけはしておきます。

『次に、国債引受については、現在、財政法によって国会の議決がない限り、できないこととなっています。日本銀行がどう考えるかという前に、引受は原則できないことになっています。何故、財政法で日本銀行の国債引受について厳しい制約をおいているのかについて、たち返って考える必要があると思います。一旦、中央銀行が国債の直接引受という道に踏み出すと、それが、中央銀行の物価コントロール能力に対する信認の低下に繋がって、その結果、激しいインフレになったというのが内外の経験です。そのような内外の経験に鑑みて、国会において引受を原則禁止するという規定を設けていると理解しています。』

『いずれにせよ、日本銀行が現に法律で与えられている手段を使って、物価安定のもとでの持続的な経済成長への復帰について全力を挙げていきたい、そのことだけを答えとして申し上げたいと思います。』


・リスクプレミアムの拡大防止とは

『(問) 資産買入れについて、今回、国債とリスク性資産の規模を逆転したということですが、これは民間企業の資金繰りを全面的に支援していく狙いという理解でよろしいでしょうか。』

『(答) 現時点で民間企業の資金繰りが窮迫しているという情報が入っているわけではありません。地震の発生前も民間企業の資金繰りは着実に改善に向かっており、特に大企業については、手許のキャッシュが豊かな状態にあると認識しています。リスク性資産の買入れは、資金繰りを円滑にするという効果もありますが、リスクプレミアムの拡大が様々な企業の経済活動に悪影響を及ぼすことを防ぐ方に主眼があります。』

ふーむ。ただまあこの会見が実施された月曜の午後以降の動向も日銀の関係各局は状況を確認しておられるかと存じます。

と言う訳でこんな感じで大したポイントも無くてどうもすいません・・・・
 


お題「原発問題を受けて市場にストレスが/決定会合関連」   2011/03/16(水)08:05:40  
  えーっと、本当はFOMCネタもやりたいのですが、そっちまで手を回している暇が微妙にございませんので昨日の市場のネタで勘弁でございます。

#あと、昨日ちょっと間違いがあったので訂正入れてます国債買現先を即日オペ扱いしてましたすいませんすいません

○とは言っても一応FOMC声明文

[外部リンク] recovery is on a firmer footing, and overall conditions in the labor market appear to be improving gradually.』という表現で、景気回復についての現状判断を引き上げ、労働市場に関しては1月に「顕著な改善」という表現だったのが、「緩やかに改善している」という形にややペースを下げる感じになりましたが、まあ1月に出た指標が強すぎでしたからこんなもんかと。

あと、基調的なインフレに関しての判断も上がっていまして、今回は『Nonetheless, longer-term inflation expectations have remained stable, and measures of underlying inflation have been subdued.』となっているのですが、この部分の内基調的なインフレ(後半部分)に関しては、前回までは「下方トレンドを辿っている」との表現でしたが、今回は「抑制されている」と、下方トレンド終了でござるの巻とこちらは中々結構な話になっておりますわな。


第2パラグラフではインフレに関して、足元の資源価格上昇の影響を、『The recent increases in the prices of energy and other commodities are currently putting upward pressure on inflation. The Committee expects these effects to be transitory, but it will pay close attention to the evolution of inflation and inflation expectations. 』としまして、資源価格上昇が現在物価上昇圧力として作用しているが、FOMCはこれらの影響は一時的であると認識している、という事でとりあえず一時的な影響としたものの、その次の文にありますように、今後のインフレおよびインフレ期待に与える影響を注意深く観察する、とございますので、全く気にしないってえ話でもないというのはまあバランスが取れていると思います。

で、金融政策決定内容に関しては第3パラグラフにありますように、今回の会合では現状の政策を継続するという決定だけで今後の政策に関する示唆は特に無かったです。4月に持ち越しという事になるんでしょうかね。


○この市場ストレスの解消は結局福島原発が落ち着かないと・・・・・

昨日の市場はまあ報道の通りでご存知かという感じですがメモメモ。

元々のベースとして福島原発の問題が継続しているというニュース(2号機の格納機が破損したとか何とか)が朝からあったのでまあ寄りから株下げ債券上げでスタートしたのですが、10時過ぎに原発関連のニュース(4号機で爆発音が起こったとか何とかだったっけ、もう何が何だか覚えてないけど)がまた流れた辺りから株が下がるわ債券が上がるわという流れになって参りました。

で、11時過ぎの菅総理の会見および枝野官房長官の会見で避難範囲は拡大するわ、漏洩した放射線が人体に直ちに影響のある大きな量だというような話が伝わり、公共放送の解説なんぞを聞いていると、その400ミリシーベルトという数値が巨大な数字であってもう本当に大変だというような状況という印象をどう見ても与える流れになっておりまして日経平均先物は現物の昼休み時間中に大暴落。会見前には第4号機の火災というような話が出てまして、その時点(11時10分ごろ)で8700円とかに下がっていたのですが、会見が終わって公共放送の解説を聞いてもう一度先物を見たら11時50分過ぎ位には8000円割れのレベルまで下落。

その後4号機の火災が鎮火したというニュースが入って12時15分頃には日経平均先物は8300円レベルに戻っていました。そのあと後場にも原発関連ニュース(もはや何が何だか覚えていない)とかで売りがもう一発来て先物は7800円安値(は12時45分過ぎでしたっけ)とかまで下がったりしてましてもうエライコッチャになりましたが、その後徐々に株式市場は戻りましたが、下落率でスターリン暴落を上回り、リーマンショックに次ぐ下落率になった(日経平均および旧ダウベース)のはご案内の通りですな。


・・・・・と、株の話をするのがメインではなくてですな、この間に債券市場ってどうなっていたのよという話をしますとですね、債券市場ってまあ前場は高寄りした後前場引けに掛けて株下げに呼応して債券上昇していた訳ですけれども、時間の経過と共に前日および当日の朝イチは堅調だった中短期が徐々に失速、というか2年は前日比レート気配が上昇とかになって来たのですな。

そして例の会見をやっている中で1年TBの入札時限を迎えた訳ですが、その落札結果は0.1853%/0.1953%という結果になりまして、前日の残存1年ゾーンの2年国債の引けが0.135%(それはそれでちょっと過大評価だと思うのだが)に対してまあ流れましたわという結果ですが、そもそもあの会見やっている中で札がちゃんと2倍以上入っている方がエライのかもしれませんな。

で、まあその落札結果ちゃんが出る前の後場寄り付きでは債券先物は前場の引けからギャップアップしてスタートして更に141円17銭の高値をマークとかしていたのですが、そうやって2年とか重いわ、1年TBの入札は流れるわと1年だの2年だの3年だのというゾーンの債券が換金売りっぽい感じにもなり、そもそも戻り売りが多い5年も売られて来ましたとか思っていたら10年も前日比レート上昇というような展開になり先物は前日比プラスではあったのですが、現物は殆どのゾーンで金利が上昇。しかもイブニングでは先物も下落していましたな。

今日入札実施予定の20年国債とかこの2日で債券先物が108銭上昇する中で6毛甘くなっていまして、まあ実弾がどうのこうのという訳でもなく甘くなっていると思われる節があるのがおそロシアな展開でございますが、この調子で今日の入札どうなっちゃうんでしょ。


まあ特に短い所に関しては昨日の動きはまさに「マーケットにストレスが掛かっている」という状況でありまして、そのストレスを軽減するために日銀は昨日も渾身の資金供給は行っているのですが、何せ今回のストレスの根本にあるのは原発における放射能漏れとかの話ですから日銀一手でどうにか出来るかというとこれまたムツカシヤな所ではございます。何せ足元の動きに関して言えば、単に株が下がって急遽益出しをしているとかいう話ならまだ良いのですけれども、これが「質への逃避」から「資金化の動き」という展開を示しているように見える部分もありまして、マジでそういう動きだったらちとマズーではあるかなとは存じます。

月曜相場での「計画停電の影響で経済に悪影響」という時点では株は下がるけど債券は中短期なども買われていましたので、「景気に悪影響」的な認識になっていましたが、昨日の相場、特に原発の相次ぐ火災だの放射能だのというニュースヘッドラインがジャンジャン飛んでくる状態になった以降の相場のステージとはまあ違ってきたっていう感じを受けてしまったりする訳で、まだそれが本格的な訳では無いと思うのですけれども、中々こう日銀だけでどうしようもない世界の話ではございますなあとも思う次第であります。

まあこのストレスちゃんは、昨晩は東北地方で地震が起きたと思ったらその直後に静岡県東部で地震があったりとか、余震の方も続いていますし(まあ昨日はそもそも朝5時台にも強めの地震がありましたけれども・・・・)、原発に関しては一々途中経過の説明を延々と報道してくれるのですが、結局どうなのかがワカランチ会長で、「もしかしたらこうなるかも」みたいな話がその間に解説されるというような流れでは市場が落ち着けというのが無理ですがなと思われる次第でして、厳しいもんがあるかと存じます次第です、とほほのほ。

これで円安に振れないのがある意味不思議ちゃんではございますが、まあ足元での動きっていうのは色々なところでポジションをクローズに向かっている所という事もまた言えるかと思いまして、為替という面で言えば外への投資が結構あったということに繋がるのではないかと存じます。


○金融経済月報:判断を上げながら先行きはヘッジクローズとな

[外部リンク]
 


お題「相場メモと追加金融緩和に関して」   2011/03/15(火)08:07:00  
  何かね、基本的にあまりテレビもネットも見ないのですけれども、為にするような話をして不安やら憤懣やらを煽っている向きがネットに散見されるようで甚だケシカランと思うのですけれども。

ところで、今日は鉄道がだいぶ動くようなのですが、鉄道が動く→人の動きが活発化する→電力使用量が跳ね上がる→計画停電増える→鉄道が止まる→帰宅難民増大、とかなるのは勘弁して頂きたく存じます。

というか民放は輪番で停波しろと思いますしパチンコ屋とかゲーセンとか営業してるんじゃねえよと思うのですけどねえマッタクモウ。

○市場メモを判る範囲内で申し上げたく

昨日の債券市場と短期市場について超簡単にメモメモ。

債券市場は朝から当然のように上昇スタート(63銭高の139円83銭)だったのですが、この間戻り売りも結構あったようで徐々に上値は重くなったのですが、前場引けに掛けて余震の揺れやら原発の報道やらがあった辺りから切り返しだして、決定会合で追加緩和を協議っていうようなヘッドラインが出た所で更に上昇して寄付き直後の高値140円近辺まで上昇。

後場寄り付きは更に上昇して、高値140円29銭までマークしましたが、これまた戻りは売りの方が多くて徐々に押し戻される展開。決定会合の結果が出た後若干上下にぶれましたが、利下げとかまではなかったせいかそんなにぶれずでした。

イールドカーブは5年と先物がやたら強くて、2年も堅調ですが10年以降は重くて、後場途中に一瞬10年がかなり復活する場面もあったようですが結局は伸びきれず。イメージ的には先物〜10年〜20年でざっくり5毛ずつスティープする感じでしたが引けでは先物から10年は3毛スティープとなりました。

でまあ一応長いところに関しては保険会社さんたちの業態の支払いに向けた現金化が予想されるので云々という後付講釈もあるのかもしれませんけれども、実際に売りが出るのってそんな超長期よりも流動性の高い方に先に来ると考えるのが現実的ですし、そもそも昨日ってそんな売買ないでしょ、と思いますので、単純に投資家層が薄く、かつ通常でもマーケットの流動性が低めの当該ゾーンが叩かれやすかったというだけの話で、実際にフローがあってこうなったという訳では無いと思うのですけれどもどうなんでしょ、よー知らんが。


で、短期のほうはご案内の通りですが、朝イチの無担保コールの気配は0.12%位だったと思うのですが、即日オペ連発でござるの巻。まず朝イチ9時01分に共担即日7兆円という気合のオペ打ち込みがありまして、その後は9時30分に国債買現先即日(国債買現先は昨年の7月28日だか29日だかに残高がゼロになって以来の実施です)オペを3兆円打ち込んで、その後も10時30分に共坦即日5兆円、12時50分に共坦即日3兆円とオファー額都合18兆円の豪華供給を実施。

一応オペは全部札割れでしたが、それでも実行ベースで共坦即日が11兆2808億円、国債買現先が2兆3546億円で合計13兆6000億円を超える資金供給が実施されました。

翌日物以降スタートオペでも基金オペのロールは兎も角として、トムスタートの共坦オペ(ちなみに今日の共坦は全部全店)を3兆円実施しました。こちらは札が49733億円とこれまたがっつり入りました。

まあ今日は当然ながら皆さん資金の確保がまず第一ですので、とりあえずオペに入れるだけ入れて皆さん日銀から資金を確保。んでもってその資金が余ったら日銀当座預金に放り込んでお返しというのが尋常の姿となるのは当然の動きでありますので、まあ普通にこういう感じになるんだろうなあとは思いましたが、それにしても日銀もかなり気合でオペ打ちまくって不安心理の解消に努めたかと存じますし、まあ今日に関して言えば地震の直接的な被災に伴う資金需要だけではなく、関東地方の計画停電(どうでも良いがネパールに旅行した人から「ネパールでは計画停電ってのがあるんだよね〜」というお話を聞いたりしてたのですが)の影響で決済事務が円滑に回らないケースを想定したリスク回避の動きがあったかと思います。つーてもこの計画停電は当面続くようですから、その間はとりあえず日銀の強力な資金供給の継続が求められるかと思います。

決定会合の結果を受けて金先が押し込んだのは、その前に妙に利下げを織り込みに行って強くなった反動というチャーミングな動きによるものであったかと存じますです、はい。

まあマネーマーケットに関して言えば、日銀と直接取引をしている人で、担保がちゃんとあれば、流動性に関してはこういう非常事態発生時には日銀がきちんと面倒を見るというのが貫禄の日銀クオリティでありますので、そーゆー点では問題が起きない(ソルベンシーの問題で流動性危機が起きている訳ではないからですな)のですが、まあこういう時にやや問題が起きる可能性があるのは日銀との取引の外側にある参加者、即ち金融市場のプレーヤーで言えば保険会社さんとか投信さんとか年金さんとかになるかと思いますし、更に事業法人さんとかになる(個人の人たちに関しては基本的に銀行なりゆうちょさんがきっちり対応するのが日本クオリティ)かなあと思う訳で、その辺りを勘案した追加緩和が日銀から打たれたのはまあ中々。


○リスク資産買入を主にサポートした今回の追加緩和

今回の決定内容
[外部リンク] 兆円程度とする(注3)。』

『増額分の買入対象資産ごとの内訳は、以下のとおりとし、2012 年6月末を目途に増額を完了する。ただし、指数連動型上場投資信託、不動産投資信託については、日銀法上の認可取得を条件とする。

長期国債 :0.5 兆円程度
国庫短期証券:1.0 兆円程度
CP等 :1.5 兆円程度
社債等 :1.5 兆円程度
指数連動型上場投資信託:0.45 兆円程度(認可取得を条件とする)
不動産投資信託:0.05 兆円程度(同上)』

で、前回対比でそうなっているのか、と考えますと・・・・・

長期国債 :1.5兆円→2.0兆円
国庫短期証券:2.0兆円→3.0兆円
CP等 :0.5兆円→2.0兆円
社債等 :0.5兆円→2.0兆円
ETF:4500億円→9000億円
J-REIT:500億円→1000億円

ということで、非国債にウェイトが思いっきり掛かっている訳ですな。

これって即ち(会見でのヘッドラインにもそんなのがありましたが)日銀がリスク性資産の買入強化を行ってリスクプレミアムを下げていく、という意思を示したということですが、先ほどの小見出しの最後の方であたくしが申し上げましたように、短期金融市場のオペレーション実施でとりあえず「ソルベントだけど流動性が落ちている」日銀取引先の流動性確保を担保している訳ですが、その外側にいる人たちに対しても日銀が流動性供給を行う事によって、流動性低下によるリスクプレミアムの拡大を抑えたい、という意思を示したという事もいえるかと思います。

そーゆー意味では時宜を得た施策だとは思いますが、まーそこまでやるのがどうかという議論はあるかもしれませんが、今後の流れの中で保険業態さんのところでのファンディング需要が高まるケースを鑑み、何らかの流動性補完みたいなものが(超時限的な措置で良いので)出来ればなあとかも思う(まあ昨日の今日で案ができる訳ないですけど)所ではあったり無かったり。ま、こういう日の為に保険業界さん高収益叩き出しておられるのですけれども、債券市場の流動性が落ちた状態が続いた場合には(そうならないとは思うが)何らかの流動性補完みたいなものが臨時措置で出来ると良いのではないかなあとか思ってもみました。まーあっしの勝手な妄想ですが。

ちなみに須田さんが「拡大するのはリスク性資産だけで良い」という主張をして反対していますが、これが仮に「国債市場の流動性補完の為に臨時的に国債の買入を追加実施」とかだったらどういう意見になったのかはお聞きしたい所ではございますわな。


○声明文比較をすると物価の見通しが微妙に上昇していますな

今回声明文
[外部リンク] Bank will continue to carefully examine the outlook for economic activity and prices, and, if judged necessary, take policy actions in an appropriate manner.』(今回)

『The Bank will continue to carefully examine the outlook for economic activity and prices, and take policy actions in an appropriate manner.』(前回)

まあif judged necessaryなら適切な措置を講じるってある意味当たり前なのですけれども、この文言が声明文にあったのって昨年の9月7日の声明文まで遡る訳ですが、その次の決定会合(10月頭)で包括緩和を実施してまして、まあそういう前例から考えると、今後も必要があれば追加緩和を実施する事になるという話で、そのトリガーとしてはやはり地震の影響が幅広く実体経済に下押し圧力をかけることが確認される、ということですから各種指標なのか、電力問題の長期化なのか、はたまた株価あたりなのかというのはよー知らんですが、まあ必要ならば突っ込む覚悟は十分です、という所なのではないでしょうか。
 


お題「東北・関東大地震、その時の市場メモ/コチャラコタ総裁の『労働市場と金融政策』から」   2011/03/14(月)08:03:24  
  今般の地震で犠牲になられました皆様のご冥福と罹災された皆様の一日も早い復旧を祈ります。こちらとしては義捐金くらいしかご協力できるものが無いと言う無力な人間でありますが・・・・

とりあえず節電協力で立会時間短縮に夜間取引無しで良いだろ、・・・と思ったのだがもしかして東証アローヘッドって半日立会に対応できないんでしたっけ????

#いつもだと朝のドラめもんですが輪番停電の可能性を鑑み夜にサイトはアップであります(ノーパソなので消費電力は低い筈)。

まあ空調とか控えて残業も控えてあと放送局も深夜番組とか無しで良いでしょ、つーか公共放送1波と民放も輪番で1波だけ放送にしておけと。

えーっとですね、でまあ今これ書いてるのイレギュラーで日曜の夜なんですけどね、明日から輪番停電は良いのですけど、明日の朝6時半からの停電するって話の詳細が夜20時半過ぎによく判らないとか正直勘弁ですよ。

つーかね、あたしゃこの週末殆どテレビとかPCとかつけなかった(見ると無力感が益々深まってくるだけなので)のですが、何か改めてテレビを見てると情報が全般的に小出しになっていてこれじゃ却って不安増幅しねえかって思うのでありました。

あと、今年の夏はもう全員アロハスタイルで仕事だな。PCの熱暴走には注意しないとorz

(月曜追記分)えーっと、全然無計画の計画停電で朝になって鉄道止まりまくりとか勘弁して下さいな。しかも停電の影響がいろいろとあるの朝になって判るとか。せめて日曜の午前中に発表してくれれば対処のしようもあるというのに・・・・・・


○地震発生時の相場ですが

最初縦揺れが長時間来て「これは凄く大きいぞ」とか言ってたら横揺れが凄い勢いで来まして、その揺れが続く中で債券先物がドンドン上昇。株も下がっておりましたが、その揺れが徐々に収まるに連れて先物の価格も下落していきましたが、良く良く考えて見たらこんな大地震で円債買いなのかよという気が思いっきりする中でBBは現物の売買止めるわ、そもそも専用回線以外の電話が繋がらなくなるわと大変な事になる中でとりあえず15時を迎えました。

ブルームバーグのメールはさすがにクローズなシステムなだけに繋がっていましたし、インターネット経由のメールも比較的無事でしたが、電話線も怪しい中でBBの引けは16時15分頃にちゃんと出まして(先物から何となくカーブを引いてみましたという感じでしたが)、まあ良く頑張ってプライス出ましたと感心する次第。

株式市場は当然の如く下落しましたがイブニングセッションは10000円割れとかやってましたがその後は若干戻っていました。為替は地震の時には円安に振れていましたけれども・・・・・

しかし海外市場で「レパトリの思惑」で円高になって米債が売られるとは何と言う反応と思ってしまいましたです。日本売りにならないというのは日本の今まで蓄積した力がどんだけあるんだよという所であります。


○コチャラコタ総裁の「労働市場と金融政策」に関する講演はQEの現状維持を示唆(か?)

[外部リンク] Summary)の方から参ります。

どうも今回の講演のキーワードの一つ目が『nominal rigidities 』という奴でして、

『In the 1970s, the United States experienced high inflation and high unemployment simultaneously. That experience made clear that accommodative monetary policy may not always be an appropriate response to high unemployment. In the intervening thirty years, macroeconomists have engaged in a careful reconsideration of the exact role of monetary policy.』

で、まあここの一部だけ切り取ると「緩和的な金融政策は高失業率下における金融政策として必ずしも適切ではない」という事になるのですが、別に今回はこういう話をしている訳では有りません。

と言いますのもその次に・・・・・

『In this speech and the accompanying notes, I ask two questions. First, what can policymakers learn about the current level of u* from the aggregate data on unemployment and vacancies? Second, what other data can be useful in informing policymakers about the current level of u*?



『The main conclusion of this research is that the primary role for monetary policy is to offset the impact of what economists term nominal rigidities - that is, the sluggish adjustment of prices and inflation expectations to shocks.』

ということで、名目的硬直性とか言うようですが、何かよー判らんですが、金融政策は価格やインフレ期待などがショック(上方下方共に、という事だと思います)に対して調整するのが遅れる、というのが名目的硬直性という事らしい(すいませんあたくし経済学専攻してないもんでよく判らないです)ですけど、それによる経済のインパクトを抑えるのが金融政策の第一の目標である、という話をしているようです。スライドショーでも何となくそんな感じの話がありました。

で、それが労働市場とどういう話になっていくのかというのがその後。

『With that conclusion in mind, my slides define the natural rate of unemployment to be the unemployment rate u* that would prevail in the absence of any nominal rigidities. To offset nominal rigidities, monetary policy accommodation should track the gap between the observed unemployment rate and u*. The challenge for monetary policymakers is that u* changes over time and is unobservable.』

その名目的硬直性とやらが無い時の自然失業率を測定する事によって、現実の失業率が自然失業率とどのように乖離しているかを見る事ができて、その結果として名目的硬直性がどういう状態にあるのかが判るので、それに対応した金融政策を実施する事ができる。即ち、金融緩和は自然失業率と実際の失業率の間のギャップを埋めるような度合いで行えばよいという事のようですな。

ただまあ最後の文にありますが、その自然失業率がそもそも時間の経過と共に変化しうるものであり、直接観測できるものではない、というのが金融政策運営上の課題になるというお話をしています。

『In this speech and the accompanying notes, I ask two questions. First, what can policymakers learn about the current level of u* from the aggregate data on unemployment and vacancies? Second, what other data can be useful in informing policymakers about the current level of u*?』

ということで、ではそもそも自然失業率を算出できるのかねという話になるようで。

『In answering the first question, I apply the canonical Diamond-Mortensen-Pissarides model (for which the three won the Nobel Prize in Economic Science in 2010) to the aggregate data on unemployment and vacancies. I find that the model and data do not provide a definitive measure of u*. Unemployment insurance benefits have increased since December 2007. Firms expect higher taxes and higher input prices. It is possible that these changes in labor market conditions may have been sufficiently large to generate a big increase in u* in the past three years.』

もはや訳の判らん世界です(汗)。この辺の話はスライドショーを見た方が良かったりします。

『However, it is also possible that low job creation is largely attributable to nominal rigidities that are generating low demand. In this case, u* will have changed little since December 2007. In the notes that accompany the slides, I show that the resulting possible range for u* is large: from as low as 5.9% to as high as 8.9%.』

で、結論としてはその自然失業率は5.9%から8.9%の間とな。

『In terms of the second question about auxiliary information sources, I proceed more heuristically. The basic intuition is that u* is low if high unemployment is being generated by low demand. Hence, I look for information about the current level of demand. I find that business surveys and the current data on inflation both point to u* being low relative to the current unemployment rate.』

ということで、上記のレンジではあまりにも広すぎで他の補助的データで計測するとどうなのよ、という話なのですが、結論は自然失業率が現在の失業率よりも低いという事になるようで。

『I conclude that the current accommodative stance of monetary policy is appropriate. However, the Federal Open Market Committee will need to remain vigilant to the possibility of changes in the gap between the unemployment rate and u*. 』

結論としては「現状の緩和的な環境は適切」という話になりまして、まあ現状でこの話をしていると言うことはQE2の縮小という話はコチャラコタ総裁からは出てこないでしょうなあ、というのが結論だと思います。

#さて、出勤できるのかね
 


お題「セントルイス連銀ブラード総裁の量的緩和論/その他」   2011/03/11(金)08:12:13  
  また後出しじゃんけんですか帝王趣味の老害さんは。まあ老害さんの弟子を自認している横滑り狙いさんがこれでプギャー状態になったのはワロスワロス。

○BOEは金利据え置き(メモ)

詳細(=議事要旨)は後日出るので今回は結果だけ。
[外部リンク] Release Bank of England Maintains Bank Rate at 0.5% and the Size of the Asset Purchase Programme at £200 Billion

まあ2月の議事要旨を先日ネタに致しましたが、4QのGDPが委員会の予想よりも悪かったという事実が重くて、景気の先行きが微妙になっている中で利上げするのかという話はできません罠、というのは2月の議論から見て予想される所だったと思われまして、今回の決定は市場予想通りという感じだったようですわな。

では今後はどうなるかと言いますと、基本的には景気の上向きが確認(=4Qの落ち込みが一時的であると確認)されれば普通に利上げする(でも利上げサイクルに入る訳ではない)でしょうし、一段のポンド安進行が起きた場合にはポンド下落を何らかの手段で止めたくなるでしょうから、やるやる詐欺スキームで何かやるのかもしれませんな、と思ってまふ。

それはそれとして2月24日に実施されたセントルイス連銀ブラード総裁の量的緩和政策に関する講演から少々。

[外部リンク] 24St. Louis Fed’s Bullard Discusses Quantitative Easing, Global Inflation, and Commodity Standards

講演に関してはこちらのページに要旨があって、中のPDFバージョンはスライドショー形式になっています。スライドショーなので結局のところ要旨を見てもまあそんなに変わらんかったです、というか要旨部分を読んだ後にスライドショー見たら結局のところ要旨見るだけで十分だったということに気がつきましたので、皆様におかれましてはまあ上記URL先の要旨だけよんでおけばヨロシアル。


○ブラードさんと言えば量的緩和が必要という話を真っ先に平場でした人だけに

あたくしだいぶ後からヒーヒー言いながらブラードさんのペーパーを読みましたけれども、昨年のQE2導入前に「時間軸政策を採用するとデフレ均衡に陥るリスクが高まるので量的緩和政策を導入すべし」という趣旨のペーパーを出して話題になった訳ですな。URLにあるように出たの7月28日でござるある訳ですよ。

[外部リンク] Faces of "The Peril"

このときの文章に関しましては昨年の8月16、24、25日に泣きながらヘタクソ解釈をしておりますのであたくしのヘタクソ解釈でよければ過去ログをどうぞですぅ。

・・・・とまあそういう人が量的緩和政策の話をしているので読んでみた訳ですが、基本的にブラードさんの今回の講演ではそんなに斬新な話がでているわけでもないですけれども論点は面白いです。あと、講演のお題にある「Commodity Standards」っていうのは「なんかの商品本位制」みたいな意味でして、そういう文脈で「本位制よりもインフレーションターゲットの方が良い」という話をしているのですが、この部分は今後の政策運営として話をしているのか、はたまた一般論で話をしているのかは文脈では微妙に判らなかったですので、このペーパーだけで「量的緩和の次の政策としてインフレターゲット導入を主張」という風に読むのがちょいと微妙な気もせんでもないであります。

あ、それからそれから、肝心の事書き忘れましたが、ブラード総裁はQE2の今後について「経済状況が改善しているので、今後はQE2の規模を減らすかどうかという議論をするのが自然な姿」とあっさり味で出口政策の話をしているというのもありまして、その話が出てから最後にコモディティースタンダードのネタがあるので、今後の金融政策として意識しているのか単に本位制議論に釘をさしているのか、というのがちょっと判らんかったということでありまする。

『In his presentation, “Quantitative Easing, Global Inflation, and Commodity Standards,” Bullard first explained how the Fed’s second round of quantitative easing was a substitute for ordinary monetary policy easing, concluding that quantitative easing “is an effective tool when the policy rate is near zero.” He then examined whether U.S. monetary policy analysis should focus on a global output gap rather than the U.S. output gap. Finally, Bullard briefly discussed the merits of commodity standards and inflation targeting, stating that “inflation targeting is a better choice in the current environment.”』

ということで論点をいくつか拾ってみます。


○量的緩和政策はゼロ金利制約の下では伝統的金融政策に似ているという話

『Regarding the motivation for QE2, Bullard highlighted the disinflationary trend in 2010 and added that the “Japanese experience with mild deflation and a near-zero nominal interest rate has been poor.” Given the near-zero policy rate environment, Bullard said that “asset purchases can substitute for ordinary (interest-rate targeting) monetary policy.”』

そこにある日本の経験がどうのこうのというのが前回ネタにした講演にありました「ゼロ金利と望ましくないインフレ率の均衡状態」というものでありまして、QE2の実施は「ディスインフレ的な圧力に対して実行したもので、これは通常の金利ターゲット政策の代替として機能した」という説明になっているのですが、前回の講演で話していた論議と微妙に違っているような気がせんでもない所でありますが、今回はスライドショー形式で細かい話が読み取れないので判断保留。

『Bullard stated that ahead of the November FOMC meeting, the policy change had been largely priced into markets, and the financial market effects were conventional.  In particular, he said, “real interest rates declined, inflation expectations rose, the dollar depreciated, and equity prices rose.” Bullard added, “These are the ‘classic’ financial market effects one might observe when the Fed eases monetary policy in ordinary times.” Bullard concluded that “quantitative easing has been an effective tool, even while the policy rate is near zero.”』

量的緩和政策を実施するというアナウンスによる市場の反応は伝統的金利操作による金融緩和によってもたらされるものと同じものであって、その効果としては「実質金利の低下」「インフレ期待の上昇」「ドルの下落」「株価の上昇」を挙げています。つまり量的緩和は金利がゼロの下では伝統的政策と同様の効果を上げるツールとして機能した、という結論になっています。

まあここではやはりブラードさんも「実質金利の低下」と名目金利の低下には触れない所がコチャラコタ総裁と同じでして、まあ効果を主張するのならどう見てもこちらの方がスマートという事でしょう。


○今後は量的緩和を減らすとかいう話が「自然な議論」でしょとの指摘

で、その続き。

『Since QE2 was announced, the economic outlook has improved, Bullard noted. “The natural debate now,” he said, “is whether to complete the program, or to taper off to a somewhat lower level of asset purchases.”』

ほほう(^^)。


○グローバルインフレに関して:グローバルな生産ギャップの影響を考慮という話

次のお題は『Global Inflation: Should the U.S. Consider Global Output Gaps?』というものでして、ここの論点が面白かったです。

『Bullard noted that some critics suggest the Fed is encouraging global inflation, which may imply that the Fed is not appropriately weighing global conditions. He noted that “the Fed is charged with controlling U.S. inflation, but perhaps global inflation will drive U.S. prices higher or cause other problems.”』

ということで、「米国のQE2政策がグローバルインフレーションを引き起こしている」という毎度お馴染みの批判に対しての反論を述べているのですが、その中でブラード総裁が指摘する興味深い論点として、その最後の文にあるように、「グローバルインフレが米国の物価を必要以上に上昇させたりその他の悪影響を与える事が有り得ます」ということで、こんな話をしています。

『Bullard highlighted the different recovery speeds and inflation trends of advanced and emerging economies.』

いわゆる「two-speed-recovery」という各国の中銀の方々が指摘する話でもあり、グローバルインバランスの話でもありますが・・・・・

『During the global recovery, advanced economies have experienced moderate growth and a deflationary trend, while emerging economies have experienced strong growth and an inflationary trend. “Inflation is a threat especially for countries with quasi-fixed exchange rates with the dollar,” he said, noting that “those countries are choosing to import U.S. monetary policy to some extent.”』

その回復力の違いによって先進国のデフレーショナリーなトレンドと新興国のインフレーショナリーなトレンドが発生しているのですが、その中でブラードさんは「インフレは準固定な為替政策(=ドルペッグ的な政策、ということですから中国とかも含まれるのでしょう)を取っている国にとって最も脅威である、なぜならこれらの国は為替政策によって米国の緩和政策を幾分か取り入れているからです」と指摘していてまあその通りですなという感じです。

と、為替政策の話をした後はグローバルな生産ギャップの話。

『Much monetary policy analysis focuses on the U.S. output gap, Bullard noted. He then posed the question of whether the U.S. should focus on a “global output gap.”』

『He raised the possibility that a global output gap might give a better indication of global conditions and cited studies that suggest it might give a better indication of future U.S. inflation.』

米国国内だけの生産ギャップよりも、グローバルな生産ギャップを見た方が米国の将来のインフレを予測する時に有効ではないかという話ですな。

『“U.S. policymakers often say the U.S. output gap is large; this is interpreted as putting downward pressure on U.S. inflation,” Bullard said. In contrast, “the global output gap is probably much narrower or even positive; this would then be interpreted as putting upward pressure on inflation.”』

つまり海外のインフレが米国のインフレに影響を与える可能性を考えると、米国の生産ギャップが大きいからインフレ圧力を下げるという議論だけしているのは片手落ちになる可能性がある、という事を指摘していると思われます。

でね、まあここを読んでて「ほほー」と思った訳ですが、この前ネタにしたBOEの議事要旨でも「経済の余剰生産力がインフレ押し下げに寄与する程度は各種の要因によって異なってくる」という議論がありましたし、一方で日銀でも前回の決定会合の声明文で「需給ギャップ」に関する文言を削除(ただし月報では文言は残りますが)していまして、各国の中銀も「国内の生産ギャップだけを見ているとインフレトレンドを読み間違える可能性がある」という点を意識しているのではないかなあと思った次第でございます。

『Bullard said that his past criticisms of gap-based analyses of inflation dynamics still apply. For example, he noted that “empirical relationships between gaps and inflation are shaky.” “Still,” he concluded, “the idea of ‘global output gaps’ is one way to frame the recent criticism of the Fed and promote fruitful debate.”』

「経験的なギャップとインフレーションの関係は揺らぎやすい」とブラードさんは指摘しておりますが、グローバルギャップの議論に関してもこれからの論議が必要という話のようですな。

○商品本位制よりもインフレターゲット

『Commodity Standards and Inflation Targeting』というお題の所から少々。

『Although commodity standards were last discussed when U.S. inflation was high and variable, Bullard noted that today, inflation is quite low. He added, “Tying the currency to commodities when commodity prices are highly variable is questionable.”』

そらそうやとしか申し上げようが無いですが、米国では商品本位みたいな意見も出てたりするのねという方がへーと思いましたが。

『While a commodity standard forces accountability on the central bank,
“it did not always work because governments sometimes changed the rate between
the commodity and the currency,” Bullard said. “Inflation targeting is another way to force more accountability to the central bank and anchor longer-term expectations.  Make the central bank say what it intends to do,” he said, “and hold the central bank accountable for achieving the goal.”』

いわゆる商品本位制は必ずしもワークする訳ではなく(政府が本位通貨の比率をいじってくる可能性がある為)それよりもインフレターゲットの方が良い、という話をしていますが・・・・

『“Inflation targeting,” Bullard concluded, “is the appropriate modern alternative to historical commodity standards.”』

というまとめになっていて、まあ別にブラード総裁は今後の政策フレームとしてインフレターゲットを設けるという話をしている訳ではなさそうに読めますがどうでしょうかね。
ということで、まあ足元の政策インプリケーションとちと違う話が多いですが、この中で足元の政策インプリケーションを読みますと、「経済が改善しているので今後の政策論議の中でQE2の縮小の話がでるのは自然」「米国内の大きな生産ギャップだけではなくてグローバルなギャップを見る必要があるのではないか」というような部分ではないかと思われまして、ブラードさんのイメージとしては出口模索的なイメージであり、物価に関して先行きは上向きの見方になっている、という所ではないかと存じます。
 


お題「白川総裁のドイツでの講演から」   2011/03/10(木)08:08:41  
  ○サブプライム後の金融政策を「LLR」と「ゼロ金利制約下の追加緩和」に分ける

この整理は重要な論点であります。FRBでもコチャラコタ総裁とかはこういう分け方で説明をしていたりしましたが、バーナンキ議長の議会証言とかではこの辺りを微妙に曖昧にして説明しているような気がせんでもないですが、まあFRBも資産買入とそれ以外の貸出プログラムを分けて説明する傾向にありますので、この分類はそういうことになるんでしょうなあと。

『非伝統的な政策という言葉で思い浮かべる内容は論者によって異なりますが、金融危機の真っ只中でとられ「最後の貸し手」を強く意識した金融システムの安定を目的とした措置と、危機が収束した後の平常時にマクロ経済の安定化を目的としてとった金融政策とに分けてお話します。』

この分け方は判り易い。

『まず、前者ですが、今回、主要国中央銀行のとった行動は、本質的に、バジョットの強調した「最後の貸し手」としての原則に沿った行動と言えます。しかし、当然のことながら、21 世紀の金融システムは、バジョットの生きた19 世紀のそれと、全く同じではありません。世界の中央銀行は、バジョットの想定していなかった新たな挑戦に直面し、様々な工夫を行いました。』

『スティグマの解消』

『第1の挑戦は、いわゆる「スティグマ」の解消です。危機に際しては流動性の積極的な供給が不可欠ですが、金融機関は、流動性供給を受けたという事実が明らかになると、そのことによって信用が低下したとみられるのではないかと警戒し、緊急時でも流動性供給を受けることを躊躇し、なんとしても市場で調達しようとしがちです。そうした金融機関の集合的な行動の結果として、流動性不足はさらに悪化し、金利水準も上昇します。』

でまあその結果としてFRBはTAFを導入しましたね、という話になっていますが、ちょうどあたくしが(全然別の文脈ですが)ネタにしたばかりの件でしたが、まさにこういう市場のロジックを理解している方が外部登用の審議委員に欲しい訳ですよ、特に市場にストレスが掛かるような時には。

『市場流動性の枯渇への対応』

『第2の挑戦は、市場流動性の枯渇への対応です。』

『市場取引の相手方の信用力に対する警戒感、すなわちカウンターパーティー・リスクが極度に高まると、取引相手が市場からいなくなる「市場流動性の枯渇」という事態へと発展しやすくなります。資産の投売りが広がって市場価格の急落が始まれば、資産の評価損によって多くの金融機関の自己資本が毀損され、ソルベンシーの問題へと発展する可能性もあります。』

つーことで何をしましたかという話ですが。

『そのような事態を防ぐためには、伝統的な「最後の貸し手」の手法による流動性供給だけでは十分ではありません。お互いに疑心暗鬼になっている市場参加者の間に立って、誰かが安心できるカウンターパーティーになる必要が生じます。危機において、その役割を果たしたのが中央銀行でした。』

ですな。

『外貨流動性の供給』

『第3の挑戦は、外貨流動性の供給です。』

これはドル資金供給の話ですが引用割愛。

とまあここまでがLLR的な動きとしての対応で、資産買入は同じ「非伝統的金融政策」であっても、これは別の対応である、と分類しています。FRBはQE1実施の時にその辺りの説明を微妙に曖昧にしながら突っ込んで行きましたが、まあ最近は(先ほど申し上げたように)FRB高官もこういう感じでの分類をしていますなあという所でございますです。

『非伝統的金融政策』

『今回の危機後、主要国中央銀行は、マクロ経済の安定化を目的とした非伝統的金融政策も実行しています。これは、短期金利のゼロ制約の下で、経済を安定的な回復軌道に乗せるため、いかにして緩和効果を創り出すかという課題への挑戦です。』

なるほど。

『例えば、FRB が2010 年秋に決定した国債買入れの増額は、長期国債を大規模に買い入れることにより、民間部門の金利リスクを吸収し、長期金利の低下を狙ったものです。日本銀行が2010 年秋に決定した「包括的な金融緩和政策」も、非伝統的な措置を数多く盛り込んだ政策です。特に、金融政策としてのオペレーションの対象を、国債だけでなく、CP、社債、上場株式投信、不動産投資信託にまで拡張した点で、極めて異例性が強い措置です。日本銀行の買入れは、短期金利の低下余地が限界的となっている下で、各種リスク・プレミアムの縮小を通じて経済活動を刺激することを目的としています。』

まあQE2にしろ包括緩和にしろ、導入の時に「長期金利の引き下げ」「リスクプレミアムの縮小」という話をしてまして、この部分に関して言えば名目を下げるのか実質を下げるのかという論点があって、特に市場規模がでかくて他の要因での決定力の方が大きい中長期金利市場に関してはどう見てもお前話が違うだろというような結果になっているのが少々微妙な所であります。

まあ包括緩和での「長めの市場金利の引き下げ」というのは正直言ってFRBのQE2導入前の「長期金利下げるぞコノヤロー攻撃」に煽られてしまった面が多々あるような感じですので、そーゆー意味では同情の余地もあるのですが、そもそも話を突っ込んだ時に日銀の場合は「2年までの国債を買いまっせ」と何となく市場的にも「そうか2年だったら日銀の庭先のちょっと前くらいだから行けるのかも」とか思われてしまう所が微妙だったかなとか思います。FRBの長期金利云々に関しては、雨公どもはマジで長期金利引き下げとか思ってたかもしれません(つーかそういうプライスアクションしていましたし)が、まあ傍観者的には「長期金利のコントロールとかQE1でも出来なかったのに土台無理じゃろ」という感じだっただけにね(^^)。

話が逸れましたなorz


○中央銀行は本来流動性の供給を行うべきであるという話

日本の金融危機(90年代後半)の施策の話もありますがそこはスルーして最後の方から。

『第1の挑戦課題は政府と中央銀行の役割分担という問題です。危機時に「最後の貸し手」として行動する際、中央銀行は、直面している問題が流動性に関するものなのか、金融機関のソルベンシーに関するものなのかを判断しなければなりません。』

で、ソルベンシーの救済となると財政政策になっちゃいますよね、という話をして、そのまとめの部分がもう全く仰る通りという結論なので耳をかっぽじって聞くべし。

『中央銀行に独立性が与えられているのは、基本的には、その使命が流動性の供給だからです。個別の資源・資金配分に関与する度合いが強まるほど、そうした政策措置は準財政政策の色彩を帯びますが、民主主義社会において財政政策は議会において決定されるべきものです。しかし、一方で、経済や金融の安定を維持するために、何らかの危機に対応して機動的に行動することも必要です。この問題について普遍的に妥当する正解があるようには思えません。日本銀行について言えば、この難しい問題について、経済情勢の厳しさや切迫度、中央銀行の法律的な枠組み、社会の許容度等を踏まえて重い決断をしてきたと思います。』


○そして最後にBISビュー節が炸裂するのであった

まあドイツでの講演ですし(え?)。
『そのような難しい挑戦課題を考えるにつけ、何よりも、そうした状況に陥らないように予防措置をとることが重要という、自明なことを言わざるを得ません。この点では、金融政策の果たすべき役割について深く問い直すことが不可欠です。』
どう見てもBISビューです本当にありがとうございました。

『過去20 年間、金融政策はバブルにどのように対応すべきかというテーマほど、議論されたテーマはなかったように感じています。グローバル金融危機以前の正統的な考え方は、一言で言うと、バブルに金融政策は対応すべきではなく、バブルが崩壊した後に中央銀行が積極的な政策対応をとれば解決できる、というものでした。この文脈では、日本の「失われた10 年」は、日本の政策対応の遅れが主因であるとして簡単に片付けられていました。』

『しかし、米国の住宅バブルが崩壊して既に5年目に入ったにもかかわらず、この間、米国の実質GDP がほとんど拡大していない事実に直面して、そうした楽観的な見方を支持する論者はほとんどいないと思います。』

・・・・・・・・・(^^)

『過去 20 年間の経験から得られる第1の教訓は、「物価の安定は重要ではあるが、それだけでは経済の安定を意味しない」ということです。』

『バブルは低金利の持続予想だけでは起きませんが、それなしに起きないことも事実です。物価安定は重要ですが、足許の物価上昇率の動きだけに過度に焦点が当たると、物価安定の究極の目標である経済の安定から見て重要な金融システムの安定を阻害することにもなりかねません。』

来ましたな。

『第2の教訓は、金融政策がファイン・チューニングの方向に振れ過ぎることの危険性です。もちろん、ファイン・チューニングができれば理想的ですが、金融政策にはそれ以上に中長期での金融経済の安定確保という重要な役割があるように思います。』

そしてECBの二つの柱と日銀の二つの柱の比較が出るのであった。

『この点、金融政策運営を考えてみますと、欧州中央銀行と日本銀行のアプローチは似ているように感じています。欧州中央銀行は、経済分析(economic analysis)で、経済・金融動向に焦点をあてつつ、短期から中期の物価の決定要因について評価し、マネタリー分析(monetary analysis)で、マネーの面から中・長期的な物価動向を評価し、これらをクロスチェックするというtwo pillar approach を採用しています。』

『日本銀行の金融政策の枠組みは「2つの柱(perspective)」による政策運営ですが、第1の柱では、先行き1年から2年の経済・物価情勢について、最も蓋然性が高いと判断される見通しが、物価安定のもとでの持続的な成長の経路を辿っているかという観点から点検が行われます。第2の柱では、より長期的な視点を踏まえつつ、物価安定のもとでの持続的な経済成長を実現するとの観点から、発生の確率は必ずしも大きくないものの、発生した場合には経済・物価に大きな影響を与える可能性のあるリスク要因も点検しています。様々な情報から金融面の不均衡についても点検する習慣(practice)を組み込んでいるという点で、日本銀行と欧州中央銀行の金融政策の枠組みには共通点があります。』

そしてその後はマクロプルーデンスの話と白川総裁絶好調。

『金融政策上どのような枠組みを採用するにせよ、日本の経験や今次グローバル金融危機に示されるように、確率は小さいが起きれば非常に大きな影響を及ぼすリスク、すなわちテール・リスクへの備えは、今後ますます重要になっていくと考えられます。これらの課題はマクロ・プルーデンス政策という名前の下で議論がなされています。そのためには、まず、リスクの的確な把握が不可欠です。この点、欧州では本年1月、欧州システミック・リスク理事会が始まりました。』

さらには予防的措置が重要と益々快調な白川総裁。

『そうした分析面の努力と同時に、社会として問われているのは、予防的措置をとることの是非であるように思います。この点では、独立性とマンデートの明確化は、マクロ・プルーデンス政策を運営するための大前提ですが、それだけで必要な政策がとられると考えるのは楽観的です。たとえ経済環境が良好に見えたとしても、バブルが起こるとその後のコストは極めて高くつくので、あえて「パンチボール」を持ち去ることが必要という考え方が、社会全体として受け入れられるかどうかが重要な鍵を握っています。』

まあその考えは雨公には絶対に受け入れられないと思いますし、もう一つの俺様国家でありますところの中華人民共和国もそういう考えはしなさそうな気がするのが実にこうアレな所ではないのか、と思うあたくしなのでありました。

#引用手抜き大会で恐縮至極
 


お題「白川総裁のドイツでの講演から」   2011/03/10(木)08:08:15  
  白川総裁のドイツでの講演から。
[外部リンク] Years of Innovation and Challenges in Monetary Control

○中央銀行の役割がどうしたこうした

例によって例の如く白川総裁はこういうところでは中々格調の高い話をしているのでありますが、今回は講演のお題にありますように通貨管理という表現で金融政策に関する話をしています。でまあ前半の中央銀行の役割がどうのこうのというのも中々面白いのですが、そこはサラサラと引用するだけにしておきたく存じます。

『2.通貨の管理における4つのイノベーション』というのが冒頭の小見出しになります。

『人類の経済活動の中で、通貨の発明自体が極めて大きなイノベーションですが、その通貨を管理するという面でも、人類は様々なイノベーションを実現してきました。以下では、近代において、私が特に重要と考える4つの通貨管理のイノベーションについて説明することから話を始めようと思います。』

で、その4つというのは・・・・

『中央銀行という組織の発明』

『中央銀行が創設されることにより、金の発見といった偶然的な要因に左右されずに通貨を能動的に管理することが可能となり、また金融市場での取引を通じて通貨を体系的に管理する仕組みが可能となりました。』

ほほう。

『「最後の貸し手」の発明』

『この著書(引用者追記:『ロンバート街』)の中で、バジョットは、金融システムの動揺を防ぐため、「中央銀行は危機時において、懲罰的な金利で、しかし無制限に貸出を行うべし」という「最後の貸し手」の行動原理、いわゆるバジョット・ルールを定式化しました。バジョット・ルールの実際の適用の仕方は金融市場の変化に合わせて修正が図られていますが、今回のグローバル金融危機の際も、欧州中央銀行や日本銀行を含め、各国中央銀行は市場に対し「最後の貸し手」として積極的に資金を供給し、それによって金融システムの崩壊を防ぎました。「最後の貸し手」としての原理が打ち立てられたことの意義はまことに大きいものがあります。』

まあ何だかんだ申しましても中央銀行が一番活躍するのってこの件だと思う。
金融市場現場労働者的に言えば。

『金融政策の発明』

はて??

『かつての金本位制の下では、通貨量は金の保有量に制約されており、物価や経済活動水準に能動的に影響を与えることはできませんでした。この意味で、中央銀行が金融政策を展開する余地は限られており、実際、バジョットの著作には金融政策は登場しません。本格的な金融政策は、管理通貨制度に移行してから始まりました。今日では、適切な金融政策は、マクロ経済の安定に貢献し得る政策手段のひとつになっています。』

なるほど。。。。

『中央銀行の独立性という概念の登場』

キタコレ。

『例えば、第一次世界大戦後の国際的な経済ならびに金融システムの再建を目指して1922 年にジェノアで開かれた国際経済会議では、同会議の通貨に関する決議事項において、「銀行、特に発券銀行は、政治的中立を維持すべきである」と提唱されています。この中央銀行の独立性という考え方が定着する上で、ドイツの国民やその支持を受けたドイツ連邦銀行の貢献が非常に大きいことは言うまでもありません。』

『第二次世界大戦直後の8年間という困難な時期に日本銀行総裁を務めた一萬田尚登は、若き日に日本銀行のベルリン駐在として、第一次世界大戦直後のハイパー・インフレーションを終息させた「レンテン・マルクの奇跡」に立ち会いました(図表4)。そのときの経験は、日本の戦後の金融政策運営にも活かされたと言われています。』

ライヒスバンクとか一萬田尚登さんとかブンデスバンカー炸裂の香りが(^^)。いやまあこの講演ドイツで実施してるのですけどね。

で、最後におまけのように書いてあるのがマネーサプライターゲットとかインフレターゲットの話で、これがまた微妙にチャーミング。

『日本銀行はマネーサプライ・ターゲティングを採用しませんでしたが、1970年代から80 年代前半にかけて、ドイツ連邦銀行を含め、多くの先進国中央銀行で採用されました。しかし、その後、金融の技術革新を背景にマネーサプライと物価上昇率や経済活動との安定的関係が崩れるようになると、マネーサプライ・ターゲティングは有効に機能しなくなり、放棄されるに至りました。カナダ銀行のブーエ総裁は「我々がマネーサプライを捨てたのではなく、マネーサプライが我々を捨てた」という有名な言葉を残していますが、技術革新という環境の変化が通貨管理の具体的手法を変えたと言えます。』

ほほう。

『1980 年代後半以降、多くの国の中央銀行で―ただし、FRB、欧州中央銀行、日本銀行は除かれますが―採用されたのが、インフレーション・ターゲティングです。この手法は、インフレを抑制し、あるいは低下したインフレ率を定着させる上で効果を発揮しました。しかし、この枠組みあるいはその背後にある一般物価の安定を重視する考え方も現在、新たな挑戦に晒されているようにみえます。』

キタコレ。

『2000 年代半ばにかけて、物価安定という基準からすると、何ら問題のないと思われた良好な経済状態が長く続いていたにもかかわらず、大規模な信用バブルが発生し、その後、グローバル金融危機が発生しました。そして、現在、少なからぬ先進国はバブル崩壊に伴う厳しいバランスシート調整を経験しています。こうした事態の展開は、インフレーション・ターゲティングや金融政策運営の仕方にも微妙な影響を与えています。』

白川総裁の場合はドヤ顔で話をするという雰囲気の無いお方ですし、あたくしのような下衆とは違いますのでBOEプギャーとかFEDビュープギャーなどとはもしかしたら腹の中でも思わないのかもしれませんが、まあ何となくそんな事を感じてしまう下衆下根のあたくしなのでありました(^^)。

『勿論こう言ったからといって、私はマネーサプライ・ターゲティングやインフレーション・ターゲティングに意味がないと主張している訳では決してありません。私が申し上げたいことは、過去の歴史は、「最後の貸し手」であれ、金融政策であれ、環境の変化に合わせて通貨管理の具体的な手法を常に見直していく、すなわち、イノベーションが必要であることを示唆しているということです。』

ということで、プギャーだの麿が正しかったでおじゃるとかいうような話ではなく、「自分たちが今行っている事、行おうとしている事が最も適切な手段なのかどうかを常に謙虚に見直す事を続けるべき」という謙虚な姿勢を表明している訳ですが、これが多分狸とかポーズじゃなくて恐らく素でこう考えていると思われるのが白川総裁クオリティ。

#なのになんで実際の金融政策になると妙に強気の話とか打ち込んでくるのかが微妙ですが
 

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