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今朝のドラめもん(金融政策ウォッチ)

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お題「決定会合である」   2012/04/27(金)08:01:49  
  ○正直予想をするのは無駄というか空しいのですが一応

期待が高いのは債券市場以外なんですけどねえと思いながら5兆だ10兆だでそれが多いだの少ないだのお前らバナナの叩き売りかよと他市場の野次馬が言ってるのを見ると大変に遺憾の極みなのですが、まあフィージビリティーというものを考えながら予想らしきものを。

もともとあたしゃ買入期間を半年延長して基金の国債買入残高を10兆増やせばとか申しておりました(展望レポートで再点検したらまだ物価の目途に到達するのに時間が掛かりそうなので買入期間を延長する、という理屈)が、まあ何か事前に色々な話が出てしまってあんまり面白くないので他にどういうのがあるかを考えてみるという話ではございます。

ちょうど25日付で野村證券さんが「為替市場参加者のサーベイ」という何というタイムリーなとサーベイレポートというのを出していて、まあ中身は野村さんにお問い合わせ下さいという所ですが、為替市場などは(ある意味当然だが)年限がどうのこうの的なテクニカルな話には興味が少なくて、特に海外の為替投資家としては買入額と、コミュニケーションポリシーについて興味があるというのは、そらまあFRBがそうやっているからその辺りから考えたくなるからなんだろうなあとか思いましたが、まー拝見するにFRBとの比較みたいなのが意識されやすいんだろうなあというのは把握しました。

正直債券市場的にFRBの比較とか言われても、そもそも市場の構成が違いますし、財政状況にしろ物価状況にしろ違うのですからナンジャソラという(全く意味が無いとは言わないが)所なのですけど、まー何せ非伝統的な政策をある意味非伝統的に効かせる(市場などの期待に働きかける、という意味ではいわゆる金融市場環境からどうのこうのという伝統的波及経路以外のパスを考えないといけないのではないでしょうか、とも思う訳です)という事ですから、正直アホラシイのですけれども、「見せ方」も麿流よりは俊ちゃん流でどうよという感じかなと思いまする。

と、前置きが長くなりましたが、まあとりあえず「基金国債10兆円増額+買入期間半年延長」を本命にはしておくが本命になり過ぎたので逆に無いような気もしている今朝のあたくしなので、まあ何かねえかと妄想する。

・ETFの買入拡大

いやね、あたくし思いまするに、最近の政治方面からの財政マネタイズ圧力(緩和とか言ってるけど日銀法改正を声高に唱えている人って「復興国債を日銀に引き受けさせて復興財源に」とか平気で言う人たちですから、まあ普通に考えてそっちに話がエスカレートするでしょ)を考えると、実はここからは国債買入拡大する方が却ってリスク(財政マネタイズによるインフレは「信認の喪失」によって起きるのだから起きるときは不可逆的な非線形で起きるでしょ、というのは(債券)市場屋さんとしての感覚で、その時は信認の喪失が伴うので必然的にインフレターゲットも信認を失っており、制御には強烈なコストが伴うでしょという話っすな)になるんじゃネーノとか思わんでも無い。まあここで10兆程度ならまだ大丈夫でしょうけど、さすがに無制限無期限っぽくなってくるとマズーなんじゃ無いですかね。

ということでETFなら5000億円でも買入拡大すれば株式市場には良い下支えになりますし、正直この水準から金利ルートに働きかける位だったら上昇余地の大きい(と思うのですがダメかな?)株式市場に開き直って働き掛けた方が買う額少なくても効果は大きいような気がするんですけどね。ついでに言えば「下がったら買う」みたいなしょぼいことしないで完全日割りにするとか、サイコロでも振って買う日を決めるとかした方がより良いような(^^)。

そもそも「包括緩和」は金利ルートと資産市場のリスクプレミアムルートというのがある訳で、最近はすっかりその「金利」というよりは「量」ばっかりがクローズアップされてしまうといういつのまに「量的緩和」になってるんだよという話ですけれども、包括緩和の趣旨を考えますと金利は低位安定している訳ですし
ここからの限界的な金利低下余地を考えると、ETFに突っ込むのも良いのではないかと思う次第。

ただまあETFだけですと、先ほど申し上げております為替屋さんとかの「量がすべて」みたいな観点に合わないので、今回に限定して言えば国債の買入拡大もセットにしておかないといかんのでしょうが。


・その他のリスク資産はどうよ

まずCPについては金利低下が限定的にも程があります(なんせCP金利は0.110%を平気で割るような水準の物がゴロゴロだし、普通でも0.120%までよーアガランチ会長)し、そもそも増やすにも玉がありません。

社債については買う玉が市場にございませんのでこれまた無理、大体からして社債スプレッドだって今さら縮小させてどうするという所。

REITは正直よー判らんのですが、流動性とかからしてどうなんですかねとか思うのですが、おまけにちょろっと買うとかその程度の話になるのでしょうなあ。どうもREITは個人的にはちょっとなあと思う所があるのですが、まあ本論と関係ないから割愛(^^)。

つーことでまあ普通にETFが良いんじゃないですかというか、買うものそれしか無さそうな感じかと思います。あとね、この前お友達と雑談してた時に中々お洒落な論点を出していたお友達がいるんですけど、ETFだったらそれこそ資産バブルが発生した時の出口政策というか引締め策を実施する時にすばらしく強力な玉になるんじゃネーノとかいう話も(まあ真のバブルだと売りを1兆ぶつけても吸収されるかもしれませんが)ってのはまあネタ的でもありますが。


・買入期間は今回延長しないとすると幾ら国債を買えるのか

バナナのたたき売りみたいな話でアレですが(--)。

買入期間の延長をすると10兆拡大とか見栄えの良い数字が出せるので元々あたくしはその説を出していたのですが、それだと買入ペース自体はそんなに早まらないというのがありますので、じゃあ買入期間を今年の末にしたままで買入ペースをどの程度拡大できるかという話。

現在の基金国債買入が大体年末までに月1.5兆円の買入ペースですが、買入期間をそのままにして買入拡大となると、拡大分がモロに買入ペースに乗って来る形になります。で、切りのいい数字で5兆か10兆かという話になると思うのですが、年末まであと8か月ありますので、5兆円の買入拡大なら5兆円を8で割ると6250億円ですから、まあ大体月に2.1兆円ペースになりますわな。

つまり10兆円の買入拡大となりますと、何と買入ペースが月に2.7兆円とかになってしまいまして、新発2年国債の毎月の発行量まるまる買うというそれはまたアレな図になってしまいます。

でもって買入の玉はあるんかいなという話なのですが・・・・・・

一昨日のオペレーションより

オファー
[外部リンク]
 


お題「決定会合である」   2012/04/27(金)08:01:22  
  しかしまあ外野の盛り上がりっぷりを冷ややかに眺める債券市場の中の人っていう図も珍しいちゃあ珍しいですな。

しかしダウ上昇を受けて「FRBの自信ですね」とかいうモーサテの某コメンテーターに聞きたいのだが、じゃあ何でバーナンキはあんなにハト派発言してガイダンス文言は変えてないのでちゅか???

しかもそも次の為替コメントする電話の人が「米国の経済指標でFRBの追加緩和期待が」とか言っててもうお前ら金融政策を自分たちのセールストークに適当に使ってるだけかよと朝からトサカである。

さて、決定会合プレビュー雑談の前に雑談である

○お縄ショック来ねえええええええええええ

お縄先生お縄ならず
[外部リンク] 読売新聞)

『関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に反対している大阪市の橋下市長は26日、市役所で報道陣に、「原発を再稼働させなくても(今夏の電力需要を)乗り切れるかどうかは関西府県民の努力次第。相当厳しいライフスタイルの変更をお願いすることになる。その負担が受け入れられないなら、再稼働は仕方がない」と述べ、節電策に住民の支持が得られない場合、再稼働を容認する意向を示した。』(上記URLより)

大阪市長の分際で何で「関西府県民」の生活についてああだこうだと言うのか良く判りませんが、良く言えば現実を見据えた発言とも言えますし、悪く言えばお得意の切所で人に責任おっかぶせて逃げる攻撃とも言えますが、ナンジャソラという所でございます。つーか何とか顧問とかの優秀なブレーン(笑)を集めて何の入れ知恵を受けているのやらと。

と思ったらこのニュースクリップしようとして開けたヨミウリオンラインみて更に吹いた。

[外部リンク] 読売新聞)

『大阪市の橋下徹市長は26日、関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働が認められない場合、代替エネルギー促進などにかかる行政コストの確保のため、「増税も検討しなければいけない」と述べた。橋下氏は関西広域連合の7府県2政令市の首長による委員会で発言し、「もし再稼働を認めなければ(府県民に)応分の負担がある」とし、新たに発生する住民負担分を明示することを提案した。』(上記URLより)

んなもん最初から分かっているから「安全性の確認をしながら再稼働しないと経済が持たないでしょ」という話が出ていたと思うのですが、ギリギリになってこういう話になるというのが橋下クオリティ、というか最近の日本政治というかテレビ政治のクオリティなのではないかとorzになる朝のひとときでございましたとさ。



○はいはい後追い後追い

[外部リンク]
 


お題「FOMCである」   2012/04/26(木)08:05:57  
  お縄先生の判決ですなあワクワクテカテカ。

というのもありますが、寝起きで眠い目をこすりながらFOMCの声明文および経済予想を読んでみる。というか他のネタ悪態を書こうかと思っていたのに甚だ遺憾ながら時間切れでFOMCネタで終了してしまいました(涙)。

#どうでも良いが今朝のニュースで話題になっている新装オープンの商業施設の「渋谷ヒカリエ」が何度聞いても「渋谷ひかり園」に空耳してしまい老人ホームでも開園したのかと思ってしまうのだがorz


○FOMC声明文は景気認識が色々と引き上げられる

[外部リンク] received since the Federal Open Market Committee met in March suggests that the economy has been expanding moderately.』(今回)
『Information received since the Federal Open Market Committee met in January suggests that the economy has been expanding moderately.』(前回)

全く同じですな、うんうん。


労働市場、消費支出、企業投資に関しては実質的に差は無いと思われます。

『Labor market conditions have improved in recent months; the unemployment rate has declined but remains elevated. Household spending and business fixed investment have continued to advance.』(今回)

『Labor market conditions have improved further; the unemployment rate has declined notably in recent months but remains elevated. Household spending and business fixed investment have continued to advance.』(前回)

微妙に表現が変わっていまして、前回はここまでの回復ペースが速くなっているという事を指摘する表現があったのが、今回はその辺の表現がマイルドになっているので、まあそういう意味では勢いが落ちているといも言えますが、別にペースが遅くなったとかいうような表現も無くて引き続きの改善という話ですので実質的には差が無いとみる方が妥当ではないかと。


住宅セクターに関しては「改善のサイン」を指摘。

『Despite some signs of improvement, the housing sector remains depressed.』(今回)
『The housing sector remains depressed.』(前回)

結論は同じですがご覧の通り。


インフレに関しては認識を引き上げキタコレ。

『Inflation has picked up somewhat, mainly reflecting higher prices of crude oil and gasoline. However, longer-term inflation expectations have remained stable.』(今回)

『Inflation has been subdued in recent months, although prices of crude oil and gasoline have increased lately. Longer-term inflation expectations have remained stable.』(前回)

長期的なインフレ期待が安定というのは同じ(というかこれがぶれたらエライコッチャ)ですけれども、インフレに関しては要因としてのガソリン価格上昇云々によって「インフレが幾分引き上げられている」という話に。


・第2パラグラフ

最初の文言は当たり前のように同じ。

『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. 』(今回)
『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. 』(前回)

まあこれは良いとして次ですけれども、経済の先行き見通しに関して変化があります。

『The Committee expects economic growth to remain moderate over coming quarters and then to pick up gradually. Consequently, the Committee anticipates that the unemployment rate will decline gradually toward levels that it judges to be consistent with its dual mandate. 』(今回)

『The Committee expects moderate economic growth over coming quarters and consequently anticipates that the unemployment rate will decline gradually toward levels that the Committee judges to be consistent with its dual mandate.』(前回)

経済の改善によって失業率は徐々にマンデートに整合的な水準に低下していくと委員会は予想していますというのは同じなのですが、その経路に関して前回よりも今回の表現が強くなっていますな。


国際金融市場に関しては前回の「緊張がやや緩和」が外れています。

『Strains in global financial markets continue to pose significant downside risks to the economic outlook. 』(今回)
『Strains in global financial markets have eased, though they continue to pose significant downside risks to the economic outlook.』(前回)

まあこれは前回ギリシャがいったん火消しモードになった一方で今回はスペインに着火モードになっているから違和感ないですな(この前の日銀の認識の方が妙ですな)。


でもってインフレに関して。

『The increase in oil and gasoline prices earlier this year is expected to affect inflation only temporarily, and the Committee anticipates that subsequently inflation will run at or below the rate that it judges most consistent with its dual mandate.』(今回)

『The recent increase in oil and gasoline prices will push up inflation temporarily, but the Committee anticipates that subsequently inflation will run at or below the rate that it judges most consistent with its dual mandate.』(前回)

最終的な結論はこれまた同じなのですが、前段の方でインフレの上昇の話をしたバランスだと思うのですけれども、今回は原油やガソリン価格などの上昇による影響に関して「これらの影響は一時的なものに過ぎない」というのを強調していまして、足元のインフレ上昇に関して「一時的」というアピールをすることによって中長期的なインフレの安定を強調する、という感じになっていますな、うんうん。


・第3パラグラフ以降は見事に同一文言

なので今回分を引用だけしておく(俺様メモなので後日の確認用に引用するだけです)。

『To support a stronger economic recovery and to help ensure that inflation, over time, is at the rate most consistent with its dual mandate, the Committee expects to maintain a highly accommodative stance for monetary policy. In particular, the Committee decided today to keep the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and currently anticipates that economic conditions--including low rates of resource utilization and a subdued outlook for inflation over the medium run--are likely to warrant exceptionally low levels for the federal funds rate at least through late 2014.』(今回)

ガイダンス文言も同じなのですが、この次にネタにするSEPとどう見ても整合性が取れないんですけど・・・・・・・・

『The Committee also decided to continue its program to extend the average maturity of its holdings of securities as announced in September. The Committee is maintaining its existing policies of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction. The Committee will regularly review the size and composition of its securities holdings and is prepared to adjust those holdings as appropriate to promote a stronger economic recovery in a context of price stability.』(今回)

で、ワロタのは最終パラグラフまで同一文言で、それはつまり票決内容と反対者の反対理由も前回と同じということですな(^^)。

『Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; Elizabeth A. Duke; Dennis P. Lockhart; Sandra Pianalto; Sarah Bloom Raskin; Daniel K. Tarullo; John C. Williams; and Janet L. Yellen. Voting against the action was Jeffrey M. Lacker, who does not anticipate that economic conditions are likely to warrant exceptionally low levels of the federal funds rate through late 2014.』 (今回)


○SEPの政策金利見通しが声明文と整合性が取れていない件について

ということでSEPの表紙部分公表である。

[外部リンク] Projections of Federal Reserve Board Members and Federal Reserve Bank Presidents, April 2012


・景気見通し&ファンチャート

失業率が改善して物価が微妙に引き上げ、一方で実質GDPがやや引き下げという所でしょうか。

まずは1ページ目&2ページ目ですが。

GDPに関しては1月予想対比で今回は手前が若干上がって先行きが若干下がっていますが、これはまあファンチャートの方を前回と比較する(印刷したのを重ねて透かして比較という大変にアナログな原始的手法をとっておりますが^^)と、全体レンジは変化無いのですが、見通しの中心部分が若干下方に寄ったという感じになっています。

失業に関してはこれは手前の予想が明確に改善していて、先行きに関してはそれほどの改善になっていませんが、ファンチャートの方を見ますと、全体レンジも手前の部分の改善が顕著なのと、全体のレンジに関してやや下方に寄っている(ので改善傾向)という所ですな。

物価に関してはそもそもスタートの数字が若干上方シフトしているので比較しにくいのですけれども(ファンチャートベース)、まあファンチャートを見て一番目につくのは予想のレンジが全体的に狭くなっている事です。見通しがだいぶ寄ってきたという話だと思うのですけれどもふーんという感じです。ちなみに中心レンジに関してみると、やや下の広がりが無くなっているという感じかと思います。


・政策金利見通しがどう見てもガイダンス文言と整合性が取れない件について

3ページ目の政策金利見通しですが・・・・・・・

・金融引き締め開始の適切な時期予想

2012年:3名(前回3名)
2013年:3名(前回3名)
2014年:7名(前回5名)
2015年:4名(前回4名)
2016年:0名(前回3名)

2015年以降の引き締め開始の人たちの見通しが手前に寄っておりますがな。


・各年末の適正なFF金利水準

2012年:0.25%が14人というのには変化なし。1%の人が1名1.25%になっている
2013年:0.25%が11人というのには変化なし。引き上げの人たちのレンジがやや上がっている
2014年:0.25%の予想が6名から4名に減っており、1%以下の予想は11名から9名に減っている

ということで、そもそも0.25%の予想をしているのが17人中4人とかどマイナーになっている上に、「1%以下」という水準で分けてみても、1%以下の予想が前回は11対6ですから1%以下という意味で言えば「2014年末の低い金利水準」派の大勝利となっているのですけれども、今回は1%の以下の予想が9対8と僅差にも程がある状態になっておりまして、何がどうなるとガイダンス文言の維持になるのか全くもって意味判らんですなという状態。

ちなみに、ロンガーランの適正なFF金利の水準で3.5%という札が一つ入っているのがナンジャコリャという感じですが、中立金利水準に対する考えに変化があった人もいそうな感じでございますの。


ということで、後はまあ会見の方でも読もうかという所で、おそらく会見のtranscriptの速報版は今週末までには出ると思いますので、それを鑑賞するのがこれまたオモシロスという感じかと思います。おそらく福井俊彦先生の生霊が乗り移って言語明瞭ロジックその場しのぎという逆さ絵オヤジクオリティの炸裂が鑑賞できるのではないかと期待しておりまする(^^)。

会見でSEPとガイダンス文言の整合性の質問はさすがに出たと思うのですが、どういう答えをしたんでしょうかにゃあ(ニヤニヤ)。

#声明文だけならそうでもない(ただし朝の脳味噌起動速度は安定しないのでブレがあります^^)のですが、今日はSEPもあったのでこれで時間一杯でございます、どうもすいません
 


お題「BOEの悩み/虫干しネタの消化で」   2012/04/25(水)08:03:56  
  つーかそうなった場合って名目賃金が上昇するご身分の方は良いとして、そうじゃない場合には大変な事になりそうですし、そもそも企業だってマージン確保で価格設定行動をしていくのでしょうから、名目の賃金上昇が追いつかない可能性もありますなあとか、まあ色々と思うのですけれども。

まあこれって日本でも物価が継続的に上昇するのが定着した時に起こりそうな論点で、日本でインフレ目標2%がどうのこうのという話をする人たちが実際にCPIが1%位になったら「物価上昇を看過する日銀はケシカラン」とか言い出したらそいつら全員三途の川の中州でバーベキューでもして来やがれと思うのですけどどうでしょうかね(^^)。

#そういう意味では日銀に2%やれいうならもう政治家の責任を明確化する為にも日銀法改正してお前らの責任というのをはっきりさせろと思いますけどね

と、話がそれましたがアップサイドリスクだけ引用するのもの何ですからダウンサイドリスクも。

『To the downside, the risk was that demand would not be strong enough to absorb the considerable margin of spare capacity in the economy. In the near term, it was possible that the ONS would report further contractions in output in the first and second quarters.』

まあこの話は前から出ていて、直近ではややこっちの話の方が優勢っぽかったのですが、今回のMPCMinuteではこの力関係が逆転していますなという印象を与える作り込みになっているかと思います。

『That might further damage household and business confidence, even if the underlying pace of economic expansion were stronger. It was also possible that underlying growth was not as strong as suggested by the business surveys. Further out, it was not easy to assess the speed at which domestic demand growth would return to more normal rates.』

『Although on current plans the pace of the fiscal consolidation was likely to slow, it would still act as a drag on growth for several years. The latest upward pressure on prices was liable to delay the point when real household income would begin to rise again. And, although any desire by households, firms and banks to build up a buffer of savings or to reduce leverage was unlikely to have a permanent effect on the growth rate of activity, it could have a persistent effect whose duration was very difficult to judge.』

ということで、まあ議論が分かれたという話がありまして、最後の票決でポーゼン委員が資産買入拡大提案から降りたというのが示されています。どうでもいいですがせっかくなので第33パラグラフから。

『Regarding the stock of asset purchases, eight members of the Committee (the Governor, Charles Bean, Paul Tucker, Ben Broadbent, Spencer Dale, Paul Fisher, Adam Posen and Martin Weale) voted in favour of the proposition. One member of the Committee (David Miles) voted against, preferring to increase the size of the asset purchase programme by a further £25 billion to a total of £350 billion.』

ということで趣味の引用大会でしたが、BOEはどうも正念場に差し掛かっているようで、あたくし的にはとりあえず他人事モードではありますが(おいおい)生温かく見守って行きたいと思うのでありました。


○げげ時間が無い

ということで、最初のお題でノリノリになって時間が無くなるのが最近の仕様なのですが、明日はFOMCのStatementを起き抜けに読むというアレなイベントが待っておりますので、できるだけ今日片づけておきたいと思っていたネタ少々メモだけ。

・麿講演等

[外部リンク]
 


お題「BOEの悩み/虫干しネタの消化で」   2012/04/25(水)08:03:34  
  今月は月中実稼働日が20日なのに期初とかどうみても罰ゲームです本当にありがとうございましたという感じですな。あー忙し。

○BOEのインフレ懸念

ポーゼン大先生が従来より延々と行っていた「追加資産購入提案」を取り下げていたことが判明したという意味でネタ間違いないと思って読んだ4月MPCの議事要旨はこちら。

[外部リンク] costs and prices』の辺りから。

『Twelve-month CPI inflation had fallen to 3.4% in February, down from 3.6% in January and its recent peak of 5.2% in September. If anything, the decline in February had been marginally less than the Committee had expected, and seasonally adjusted annualised monthly inflation rates had been somewhat higher than the inflation target.』

『There was a risk that inflation would fall less rapidly in the near term than the Committee had anticipated in its February Inflation Report central projection.』

ということで、物価上昇率の方は上昇が落ち着いてきているには来ているのですけれども、MPCの想定するペースよりもやや遅いという状態になってますな。要因についてはこの辺の話とかっすか。

『UK wholesale gas prices had risen by around 5% since then. This, together with the rise in oil prices since the start of the year, would put upward pressure on retail energy and petrol prices. And the additional increase in duties announced in the Budget would add around 0.1 percentage points to annual inflation from April.』

で、この先も落ち着くペースが遅くなりそうという話が次のパラグラフ。

『Some statistical projections were pointing to a path for CPI inflation in the coming months higher than would be consistent with the Committee’s central path from the February Inflation Report projections.』

ほう。

『But, as with all forecasts, there was a large margin of error around them, and they did not capture all of the forces acting on prices. In practice, the speed and extent of any further fall in inflation would depend on the rate at which external price pressures eased, and how rapidly domestically generated inflation would fall in response to weaker cost and price pressures from a recovery in productivity growth and the margin of spare capacity.』

そして第20パラグラフでは価格転嫁の動きについて触れています。

『Beyond recent rises in oil prices, the impact of external price pressures was difficult to gauge. The contribution of goods prices to twelve-month CPI inflation had fallen back only marginally in February.』

『This was consistent with a greater degree of pass-through into consumer prices from past increases in import prices, or upward pressure on margins from other sources. But it was also consistent with quicker pass-through, which would imply less upward pressure on consumer prices to come from this source further out.』

ほうほう。

でまあその先にもこの物価に関する話が続いていますが、価格転嫁に関しては第23パラグラフで指摘されていますのでそこへ飛んでみます。

『It was also possible that firms would seek to increase their mark-up over labour costs in setting their prices.』

キタコレ。

『The share of profits of private non-financial non-oil companies in GDP was lower than at any time in the previous 25 years. To the extent that demand continued to be slow to recover, firms might seek to restore profit margins only gradually. 』

『Set against that, many firms had either less access to credit or access on more unfavourable terms than was the case before the crisis. This might lead them to be less willing to invest in gaining market share by keeping prices low, as they would have less recourse to external sources of funds should they run into cash-flow difficulties.』

今回長くなるので引用しませんでしたが、この前段の金融環境に関する議論の部分では「銀行の貸出態度に関しては厳しい部分もある」というような指摘がありまして、さてここではどういう話にそれが繋がっているかと言うと「Set against that」以下の所にある指摘でして、クレジットへのアクセスが厳しいので、企業は価格設定行動において価格を下げてシェア拡大を図るインセンティブが下がる(増加運転資金需要が発生するから)事から、それよりも収益マージンを確保してキャッシュフローを確保する行動に向かい、その結果企業の価格転嫁が進むという何か屁理屈のような気もしますが、まあそういう指摘をしていてほほーという感じです。

でね、日本だとそうではなくこういう時に直ぐに値下げ祭りになるのとの違いはどこにあるのかという論点はこのコーナーではスルーされているのですけれども、次の金融政策決定に関する部分において指摘がありますが、まあ要するにインフレ率の数値自体が高止まりの状態が続いているので消費者も価格転嫁を受け入れてしまうという話で、どう見てもホームメードインフレ懸念です本当にありがとうございましたという流れなのは注目すべきことではないかと思います。


・ということで政策決定論議の中が重い

『The immediate policy decision』から。

ちなみに見通しに関してはGDPの見通しを下げて物価の見通しを上げています。第24パラグラフから。

『The current challenges facing the Committee as it sought to set monetary policy in order to meet the inflation target in the medium term had been thrown into sharp relief by the downside news on the near-term path of GDP likely to be published by the ONS and by the upside news on the near-term path for inflation.』

まさにアチャーという感じですが、この先もBOEの苦悩という雰囲気の議論が続きます。第25パラグラフ以降になります。第25パラグラフでは経済見通しに関する話で、まあこら困ったなという感じのようですが引用だけ。

『There had been unexpected falls in the ONS’s measures of output in manufacturing and, in particular, construction. The sharp falls in construction output in December and January were perplexing, and the Committee was minded not to place much weight on them, particularly given that other indicators of construction activity had suggested far more modest declines.』

『The mechanical impact of the drop in construction output, together with the likely subsequent loss of activity around the Jubilee bank holiday, could lead the ONS to report further falls in GDP in both the first and second quarters of this year. But a wide range of survey indicators pointed to a moderate rate of growth in activity in the first half of the year and this was supported by official data on services output. Underlying aggregate activity growth was likely, if anything, to have picked up since the second half of 2011.』

で、物価に関する話が第26パラグラフですが、足元で物価の上昇鈍化が遅れていることそのものは大きな懸念ではないが、またぞろ物価を押し上げる要因が出ている点については足元の物価を強くする話ですなあと。

『Twelve-month CPI inflation had fallen for five successive months, to 3.4% in February from a recent peak of 5.2% in September. This fall had been welcome but had been slightly less than the Committee had expected. That in itself was not a significant cause for concern but, alongside the recent rise in oil and gas prices, as well as the duty changes announced in the Budget, it meant that the path for inflation in the short run was likely to be higher than indicated in the most recent Inflation Report central projections. The speed at which inflation would return towards target could not be judged with any precision and there were risks on both sides.』

で、物価アップサイドリスクに関する第27パラグラフの論点がこれまでの話と一転してかなり重い論点になっているのですよこれが。

『To the upside, the risk was that elevated inflation might be more persistent than the Committee expected and that the Committee’s commitment to achieving the target might be called into question.』

>the risk was that the Committee’s commitment to achieving the target might be called into question. 
>the risk was that the Committee’s commitment to achieving the target might be called into question. 
>the risk was that the Committee’s commitment to achieving the target might be called into question. 

途中の「物価上昇が継続して」云々を割愛してインフレターゲットが云々の文意を取るとこうなる筈ですな。

つまり従来は足元の物価上昇の長期化がインフレ期待を押し上げるリスクというような文脈で足元の物価上昇継続が中長期的な物価に対するアップサイドのリスクとしていたのですが、BOEのインフレーションターゲッティング政策のコミットメントに対する疑問が生じるリスクというマッコウクジラな論点になってきたのが重いということですな。

『This risk arose from both external and domestic sources.』

ホームメイドインフレのリスクもあるとな。

『Further shocks to oil and other commodity prices remained a possibility, and there could be greater external price pressures from other sources, or greater pass-through of these pressures to consumer prices.』

海外要因は商品や原油価格の上昇の価格転嫁によるものということで。

『Domestically, companies could seek to rebuild margins more aggressively than anticipated, perhaps with a view to achieving a target for cash flow in an environment of uncertain credit supply or because the prolonged period of above-target inflation had enabled them to raise their prices more easily.』

この辺がホームメイドインフレのリスクの話ですが、企業が先行きの不透明感やクレジット環境の厳しさを受けてキャッシュフロー確保のためにマージンの引き上げに走り、ホームメイドインフレになるリスクがあるという事ですが、その背景にはインフレターゲットの水準を上回る状態の物価上昇が長期に渡って継続している事から、価格引き上げ行動がしやすくなっているというのがある、とまあそんな話をしております。

『Against that backdrop, it was notable that seasonally adjusted annualised monthly inflation rates were somewhat higher than the inflation target. The large margin of slack in the labour market was restraining the rate of growth of earnings. But given the continuing weakness in productivity growth, it was possible that nominal wages were nonetheless still increasing rapidly enough that unit labour cost growth was consistent with the inflation target.』

労働市場の大きなスラックは賃金上昇を抑制すると思われるのですが、生産性の伸びが弱い中で、ユニットレーバーコストの伸びがインフレーションターゲットと整合的だと名目賃金の上昇に繋がる可能性がある、とまあ判ったような判らんような言い方ですが、あたくしめが解釈するに、要は長期間に渡るやや高めの水準でのインフレが続く中では、経済にスラックがあってもそのスラックは維持されたままで価格設定の上昇と名目賃金の上昇が起きる可能性があるという話で、それってどう見てもホームメイドインフレやんという感じですわな。
 


お題「色々な講演とかもありましたのでその辺から少々と関連雑談」   2012/04/24(火)08:04:00  
  ○などと悪態を書いていたら時間が無くなったのですがその他少々メモなど

本当は色々な講演ネタとかもあるのですが時間がねえええええ。


・主要銀行貸出動向アンケート調査

[外部リンク] 日本商工会議所における講演 ──

時間があったら改めてネタにしますが、時間があれなのでメモだけ。

(1)不確実性に関しては下振れ方向を強調&円高の問題を強調

経済の不確実性の話の部分の締めはこんな感じ。

『このように、経済の先行きに対する不確実性は、現時点の企業の経済活動に多少なりともブレーキをかけることになります。その意味で、中長期的な経済の動向やそれに対する企業の見方は、足もとの景気に投影されます。』

でまあ下振れなのですが、この中では円高の事を強調しているのが目立ちますな。

『先ほど述べた第1の不確実性、すなわち海外経済の動向に関連して、為替市場の動きにも触れておきたいと思います。本年2月以降、相場は幾分円安方向で推移していますが、それでもリーマン・ショック前に比べれば、かなりの円高水準が続いています。これには、リーマン・ショックやその後の欧州債務問題の深刻化などから、グローバルな投資家がリスク回避姿勢を強め、相対的に安全とみられる円などを買い進めてきたことが影響しています。』

>それでもリーマン・ショック前に比べれば、かなりの円高水準が続いています
>それでもリーマン・ショック前に比べれば、かなりの円高水準が続いています
>それでもリーマン・ショック前に比べれば、かなりの円高水準が続いています


『日本銀行では、海外経済の先行きを巡る不確実性が大きい現在の局面においては、円高が、輸出や企業収益の減少、企業マインドの悪化などを通じて、日本経済にマイナスの影響を及ぼす可能性に、特に注意が必要であると考えています。』

キタコレ。

『円高には、輸入コストの抑制など、様々なメリットもあります。しかし、円高メリットを期待できるはずの内需関連企業でも、将来の成長の姿がなかなか描けない現状にあっては、そのメリットを活かした前向きなビジネスに踏み出しにくい状態にあるように思います。』

(2)成長の中期的な分析に関しては図表の2がほほーという感じ

図表なので引用できませんが、まあこの図表はなるほどいう感じです。


#ということで、後別件の麿講演とか西村副総裁会見とかあるのと、昨日も申し上げましたが先日のBOEの議事要旨での物価に関する話が中々重い論点な件があるのですが、あたくしもネタ整理が下手くそで毎度積み残しになってどうもすいません
 


お題「色々な講演とかもありましたのでその辺から少々と関連雑談」   2012/04/24(火)08:03:35  
  金融政策に関するお告げを毎週のように投入するのは勘弁して頂きたいと思うのですが、まあ今回のブレティンは最初の2行で爆笑してしまったわ。
[外部リンク]

『4月20日(ブルームバーグ):古川元久経済財政相は日銀が資産購入プログラムを見直すべきだとの見解を明らかにした。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで語った。同相は日銀がデフレとの闘いをより効果的にすべきだと指摘した。WSJによると、同相は日銀がより償還期間の長い国債を購入することが可能だと主張。同相は日銀がその手法や規模を含めて、資産購入プログラムをさまざまな方向で検討すべきだと語った。』(上記URLより)

・・・・・・・・いやあの閣僚が具体的手段について要望するとか何なんでしょうね。で、より長いのを買えは良いんですけど、どうもこの辺の議論でスルーされているのは「出口政策で国債売れるの?」という話なんですよね。まあ米国がそのうち身を切って実行してくれると思うのですけれども、出口政策で長期国債をバカスカ売りますよという話って日本の場合は特に「運用部ショック」というトラウマがあったりしまして、そもそも欧米の百万倍くらい気を遣いながら丁寧にやっている国債発行計画のお蔭もあって順調に国債消化できているんですけど、出口政策で国債売る話になった時にかつてのボルカーショックもビックリとかになった場合、特に日本の場合国債発行計画とか大丈夫かいな的な面がある。とゆー論点がやはり債券市場の人的は気になるんですけどどうなんでしょ。

つーかまあ現役閣僚が具体的手段についてああだこうだ言うとか何だかねえという感じで、夏に向けて電力需給逼迫の問題も出てきて電力会社叩きをしている訳にも行かなくなって来たので次は日銀叩きですかそうですかとか言ってはいけません。


○総裁講演(というかスピーチ)なのですがヘッドライン詐欺のミスリードは如何なものかと

こんなスピーチがありまして
[外部リンク] ― 金融システムと物価の安定の前提条件 ―
フランス銀行「Financial Stability Review」公表イベント(米国ワシントンDC)における白川総裁講演(4月21日)の邦訳

その邦訳の内容がこちら
[外部リンク] 金融システムと物価の安定の前提条件 ――

実際は講演だけではなくて寄稿文もあって、そっちの方が非常に読みごたえがあるのですけれども、とりあえずスピーチの方から。

『財政の持続可能性と中央銀行の関係:一般的な整理

中央銀行の使命は通貨の安定を通じて経済の持続的成長に貢献することですが、この目的は物価の安定と金融システムの安定というふたつの側面に分けられます。財政の持続可能性はこのふたつの安定性に根源的に影響する重要な要素です。』

ふむ。

『一般に、財政の持続可能性への信認が喪失し、その回復努力がなされなければ、最終的には、インフレか国債のデフォルトかのどちらかでしか、帳尻が合わなくなります。このため、中央銀行は、物価の安定と金融システムの安定のトレードオフに直面することになると言われます。しかし、両方とも、持続的な経済成長に不可欠な基礎的環境ですので、「トレードオフの中でどちらを選ぶべきか」という問題設定自体、そもそも意味があると思えません。そうしたトレードオフに直面するような事態を初めから回避することが決定的に重要であり、財政の持続可能性は中央銀行が正常に機能するための必要条件だと言えます。以下、この点について少し詳しく述べます。』

現在の日本の政治状況で日銀にせっせと圧力掛けておられる方々が一方で日銀に国債引受を財源にしたいとか言い出したりしている点について盛大にdisっておられます。

『通常、金融市場では、国債は安全資産であるという性格を反映して、大量に取引されると共に、担保としても活用されています。また、金融機関は国債を流動性バッファーや投資ポートフォリオの一部として、保有しています。したがって、国債のデフォルトリスクが増大した場合は、流動性リスクの増大やキャピタル・ロスの増大を通じて、金融システムが不安定化する可能性が高くなります。』

というのは昨日ネタにした金融システムレポートのストレスチェックでも出ている論点となりますけれども、何故かニュースヘッドラインに掛かるとこの意味での金利上昇と景気回復による金利上昇の話がごっちゃになってしまい、その結果として「日銀は景気回復すると金融システムが不安定化するなどと詭弁を弄している」という批判をする人(ちょっと検索を掛けるとそういう言説がホイホイ見つかるのがorzなのですが)が出てくるという件について悪態をついたのは昨日でしたな。

『その際に中央銀行が金融市場や金融システムの安定維持の観点から、「最後の貸し手」として流動性を供給すれば、短期的には有効性を発揮する場合も少なくないと思います。実際、欧州の金融市場では、ECB のLTRO(Longer-Term Refinancing Operations)によって、小康を得ました。このことの意義は大きいと思いますが、同時に、これはあくまでも「時間を買う」政策に過ぎないことも冷静に認識する必要があります。』

この講演ではこの点についての話をさらっと流していますが、寄稿文の方ではもう少し詳しい話をしております。ただECBのケースっていうのはもう一つ重要な論点があって、「最後の貸し手として機能する中央銀行の信用力が、当該政府の信用力と分離されている」という面が効いていたんじゃネーノとか市場の中の人的感覚としては思うのですよ。

つまりですな、一般的に中央銀行が政府に対して最後の貸し手としての機能を果たすって言っても、そもそも政府が飛びそうという状態の時に中央銀行の信用力がそれに対して独立であるとは思えない訳で、最後の貸し手機能というのはやはり効かないんじゃないですかという話です。ちなみに寄稿文の方ではそのような論点について場合分けをしていまして、「政府が実際にはソルベントの場合」には時間を買うことによって市場が安定すれば本来のソルベントな政府を前提にした国債市場価格形成に戻る事ができるが、「そもそも政府がソルベンシーを喪失している場合」には時間を買う事すら出来ない可能性があるし、時間を買っている間にソルベンシーを回復する努力をしないとエライコッチャですがなというような話をこれまたしているのであります。

てな話はスピーチの方ではこうなっています。先ほどの引用部分の続き。

『「時間を買う」ことの意義は、金融市場が不安定化する中で、財政の持続可能性回復に向けた国民の合意形成に必要な時間や財政健全化措置が投資家の信認を得るまでの時間を確保することにあります。』

まあ今あたくしがああだこうだ申し上げた論点ですわな。

『しかし、財政改革へ向けての意志が弱かったり、決定された措置が実効性を欠くものであった場合は、時間を買うことの副作用も大きくなります。すなわち、金融市場の小康が保たれ国債金利が安定することで、事態の深刻さへの危機意識が薄れ、改革へのモメンタムが低下する可能性もあります。』

キタコレ。

『その結果として財政赤字の拡大が続き、金融システム不安が再燃すれば、中央銀行は国債担保の流動性供給、あるいは国債買い入れを通じて、最終的に際限のない流動性供給に追い込まれる可能性があります。それによる膨大な通貨供給の帰結は、歴史の教えにしたがえば制御不能なインフレです。』

『投資家や国民はそうした歴史を知っているために、どこかの時点で、言わば「レジーム」の変化を予想し、国債や通貨への信認が非連続的に変化すると、制御不能なインフレのプロセスが始まります。』

という事で、財政インフレ発生のメカニズムの話をしている訳ですな。


・・・・・・・・さてまあこのスピーチの下になっている寄稿文が更に読むと中々の話ではあるのですけれども、まあこういう話もベンダーのヘッドライン詐欺バイアスに掛かるとこうなる。

[外部リンク] 04月 22日 13:05 JST

いやね、記事の方では確かに・・・・・・

『[ワシントン/東京 21日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は21日、訪問中のワシントンでフランス銀行主催のパネルディスカッションの参加し、国債への信認が低下することによる金融システム不安を抑えるため中央銀行が際限のない国債買い入れなどを行えば「制御不能なインフレを招く」と警告、中銀の流動性供給で時間を買える間に財政改革を進める重要性を強調した。』(上記URLより)

という事で、財政インフレの発生に関する話をしているというのが読むと一応理解できるようにはなっていますが、当たり前のように世の中には一定量(というか世の中の多くは)ヘッドラインでの第一印象を受けて反応する人がいる訳でして、そのニュースヘッドラインはどう見ても「現在日銀が行っている国債買入についての話をしている」という風にしか見えませんわな。

で、あたくしも忙中閑ありでネットをこれまた探してみると、この記事のヘッドラインだけ見て「白川総裁は追加緩和に否定的でケシカラン」と噴き上がっている方はウジャウジャいるわけで、まあネットの言説だけじゃなくて市場の人とかでもヘッドラインだけ見て何かコメントするような人もいたりいなかったりというような雰囲気もございますし、そらまあロイターとしてはヘッドラインで読者を大量に釣り上げて記事のヒット件数を稼げば営業上ウマーかもしれませんが、ミスリードなヘッドラインとか、殊更にセンセーショナルなヘッドラインとかを出して営業重視とかベンダーとしての自殺行為じゃねえかと思うのですけどねえ。つーか今すぐそこの窓から飛び降りやがれと思いますけど。

何つーかね、貧すりゃ鈍すとはよく言ったものでして、最近はプロ向けの情報ベンダーが営業重視でヘッドラインをわざとセンセーショナルにしたりミスリードを誘うように発言の前半とか後半とかだけ切ってヘッドラインと打ってみたりというような事をやる傾向が酷くなっているように見えるのですよ。どうも経費削減とかの折でユーザーが情報ベンダー代削減するから売上が減るので売上重視のために営業重視のヘッドラインを打つみたいな流れになっているような話なのですけれども、ヘッドライン詐欺の姿勢はいい加減何とかして欲しい所ではあります。と言ってもネットしてニュースヒット件数とかの数字が出るようになっているので更にその辺に拍車が掛かっているような気がする。
 


お題「金融システムレポート関連の雑談をば」   2012/04/23(月)08:01:34  
  ・・・・・・と話が逸れましたがさっきの続き。

『・ 銀行の貸出債権の質に目立った改善はみられない。経済が長期間にわたって停滞する場合、銀行の期間収益を上回る信用コストの発生が続く可能性がある。

・ 株価の下落と金利の上昇が同時に発生するなど、内外の金融資本市場に大きなショックが生じると、銀行の有価証券関係損益が大きく悪化する可能性がある。その影響は金融と実体経済の相乗作用の中で増幅され得る。

・ 銀行は概ね十分な量の外貨流動性を保有しているが、複数の外貨調達手段が同時に活用できなくなるような状況では、追加的な資金繰り対応が必要となる可能性もある。』

だそうなのですが、まあ要旨の方から適当に感想および悪態をば。

要旨本文10ページと11ページ(PDFだと11枚目と12枚目です、以下同様)。

『2.わが国の金融システムにおけるリスク(2)信用リスク:企業向け貸出の採算』

『・ 銀行の貸出金利は低下を続けている。

・ これには、金融緩和のもとで、銀行の資金調達コストが低下していることや、CP・社債市場で良好な発行環境が続いていることが影響している。また、業態を超えた貸出競争が激化していることも、貸出金利低下の一因となっている。

・ 貸出金利の低下は、銀行の貸出採算を一段と悪化させる可能性がある。

・ 2010年度の中小企業向け貸出金利は、低格付先を除くと、採算を確保できる水準に設定されている。ただし、こうした貸出採算の確保は、最近の各種政策措置により信用コストが減少し、採算水準が通常以上に低下している面が大きい。

・ 仮に信用コストが2006年度以降の平均水準まで上昇する場合、貸出金利が変わらなければ、全体で貸出採算の黒字幅が3割程度縮小する計算となる。』


『2.わが国の金融システムにおけるリスク(2)信用リスク:住宅ローンの採算』

『・ 銀行の住宅ローンの採算も悪化している。

・ 住宅ローン残高の動向をみると、住宅金融支援機構の減少幅が縮小しているほか、インターネット専業銀行が伸びを高めている。

・ 業態を超えた金利競争の激化は、家計の利払い負担の軽減に寄与する一方、銀行の住宅ローンの採算を悪化させている。

・ 先行き、家計の所得環境が一段と悪化する場合には、貸出債権の質が低下し、信用コストの増加につながり得る点に注意を要する。』

ということですが、いやまあ金融システムレポート的には仰る通りではあるのですが、そもそもあんさんらの金融政策ウィングの方が中小企業支援オペ(はもう終了しましたが)やったり、成長基盤強化と称して低利融資をしろと言わんばかりの施策を打ち込んでみたりしてる訳でございますし、最近ではその成長基盤強化も小口向けとかまで作るという念の入れようでございまして、何つーかまあ仰ることは判るのですが、日本銀行全体として見た場合に「で??」という印象を受けるのはまあ毎度のお話でございます。てか金融緩和長期化してるんだから仕方ないじゃん。


でもって要旨本文15ページ。

『2.わが国の金融システムにおけるリスク(3)市場リスク:銀行の金利リスク』

『・ 銀行の金利リスク量は増加している。

・ 銀行では、預金の流入が続く中、債券投資が増加しており、預証率が上昇している。
・ 大手行は、短中期ゾーン中心の運用を続けており、平均残存年限は2年半ば程度に抑えられている。
・ 地域銀行では、長期ゾーンへの投資額が引き続き大きく、足もとの平均残存年限は4年程度に達している。』

ということでキタコレという感じですが、この辺の背景に関してはFSRの本文の50ページ以降に色々と書いているので読んで味噌という所ではございます。

ただまあそんな事仰いましてもそもそも政府が国債絶賛大発行しておりまして、一方で民間資金需要の方は相変わらずで資金需要のあるのは政府ですがなというような状態になっているのですからそう言われましても困りますがなという話ではあると思うのですけどね。


そしてストレステスト云々の所は要旨本文の17ページ以降にあります。18ページから。

『3.わが国金融システムのリスク耐性(2)金融資本市場の変化に対するリスク耐性:国内金利の上昇』

はーい。

『・ ストレス・シナリオとして国内金利が一律に1%上昇するケース(パラレルシフト)を想定しても、銀行の自己資本基盤が大きく損なわれる事態は回避される。

・ パラレルシフトの場合、債券時価損失額は、大手行で3.4兆円、地域銀行で3.0兆円となる(2011年12月末時点、期間収益などを勘案しない場合)。

・ また、自己資本比率(Tier I比率)の押し下げ幅は、期間収益や有価証券全体の含み損益なども勘案したベースでみて、大手行で0.3%pt程度、地域銀行で0.4%pt程度となる。もっとも、地域銀行のうち3割以上の銀行でTierI比率の押し下げ幅が1%ptを超える。』

とまあそういう話でして、実際にはこの金利上昇シナリオってどういう置きになっているのという話は(要旨の図を見ると何となくわかりますけど)詳しくはFSR本文の74ページ以降に詳しく書いてあるのでこれまた読んで味噌という感じです。

ちなみにFSR本文75ページ目にはこのような説明があります。

『また、銀行の資金利益も金利上昇に伴い変化する。大手行では変動金利型貸出や満期が短い貸出が多く、金利の上昇が速やかに貸出金利に反映されることから、金利上昇に伴い資金利益は増加しやすい71。一方、地域銀行では満期の長い固定金利型貸出が多く、金利が上昇してもただちに貸出金利の上昇には結びつかない。このため、地域銀行では金利上昇による調達コストの増加に比べて運用収入の増加は小さく、資金利益は減少する。』

ちなみに71というのは脚注でして。

『71 たとえば、パラレルシフトの場合、金利上昇後1 年間の資金利益の増加額はTier I 資本との対比でみて大手行で0.3%となる。一方、地域銀行の資金利益はTier I 資本との対比でみて0.9%の減少となる。』

とのこと。

『金利上昇により資金利益が増加する場合でも、金利上昇後1 年程度では、資金利益の増加額は債券時価損失額と比べて小さい。このため、短期的には金利上昇は銀行のTier I 比率を押し下げる方向に作用する。パラレルシフトの場合、Tier I 比率の押し下げ幅(期間収益勘案後)は、2012 年度上期末時点で、大手行で0.3%pt 程度、地域銀行で0.4%pt 程度となる72。もっとも、地域銀行のうち3割以上の銀行でTier I 比率の押し下げ幅が1%pt を超える(図表V-2-3)。地域銀行は自己資本対比で金利リスク量が大きい分、金利上昇の影響を引き続き受けやすい状況にある。』

『以上のストレス・シナリオでは、金利が1 年かけて上昇することを想定している。もっとも、過去の相場変動をみると、1998 年末の運用部ショック時や2003年夏のVaR ショック時には、国債利回りが突発的に上昇した(図表V-2-4)。また、最近の欧州でみられたように、財政に対する信認が低下すると国債利回りは短期間のうちに大きく上昇する。このように、市場金利は非連続的に大きく上昇する可能性がある点には十分に注意する必要がある。』(以上ここまでFSR本文75ページから76ページより引用)

という事で、まあ実際問題として財政インフレ懸念みたいな話になったら実はその程度では済まないですがなという指摘もあったりするのがチャーミングではございます。


でですな、銀行の株式保有がどうのこうのというのは毎度毎度FSRが出るたびに耳タコのように出てくるネタなのですが、要旨22ページにはこんなのが。

『4.金融機関の経営課題(1)リスク管理の実効性向上』

つーことで。

『・ 金融機関には、引き続き、信用リスクや市場リスクなどに対するリスク管理の実効性を向上させることが求められる。この際、海外経済の動向や国際金融資本市場から波及するリスクや、各種リスクの連関も考慮しながら、統合的にリスク管理を行うことが重要である。

/用リスク

・ 業況が悪化した企業に対して経営改善支援のための取り組みを強化し、企業再生の実効性を向上させることが必要。
・ 再生可能性の評価に応じ債務者区分や引当の見直しなど、信用リスク管理面の対応を適切に講じることも重要。
・ 海外貸出についても審査体制の整備・強化やモニタリングの向上が求められる。』

というのがあるのですが、詳しくはFSR本文だと82ページ以降にああだこうだと有るのですけれども、そこを見ますとFSR本文の83ページには・・・・・

『まず、国内貸出にかかる信用リスクについては、中小企業は厳しい財務状況に直面しており、銀行の貸出債権の質に大きな改善はみられていない。金融機関は、業況が悪化した企業に対して経営改善支援のための取り組みを強化し、企業再生の実効性を向上させることが必要である。同時に、再生可能性の評価に応じ債務者区分や引当の見直しなど、信用リスク管理面の対応を適切に講じることも重要である。国内貸出の採算が悪化する方向にあることを踏まえると、信用リスクと貸出金利設定のバランスを点検することも重要である。』

とか何とかありまして、そらまあ金融システムレポートとしては正論なのですけれども、「信用リスクと貸出金利設定のバランスを点検することも重要」と言ってる同じ組織の人たちが中小企業貸出支援だの成長基盤強化の小口版を作るとかしている訳でして(以下同文^^)。

ちなみに、話の流れ上スルーしましたが、株式保有云々の話に関してはその部分を切り取って概説している日銀レビューが同時に出ていまして・・・・・・・

わが国銀行の株式保有と貸出・債券との連関リスク
[外部リンク]
 


お題「金融システムレポート関連の雑談をば」   2012/04/23(月)08:01:09  
  というか、講演やら会見やらと日銀から色々とネタが出ていたのですが金融システムレポート関連でいっぱいになってしまったorzというのが正解です(汗)。

○日銀ネタの前にツッコミどころの多そうなインタビュー記事から

[外部リンク]

『4月20日(ブルームバーグ):慶應義塾大学の竹中平蔵教授は、日本銀行はデフレ脱却のため、成長基盤強化の資金供給のようなその場しのぎの「変化球」ではなく、マネー供給の手段である国債の購入という「直球」に徹するべきだとの認識を示した。また、金融の専門家が少ないことなど、政策委員の資質にも問題があると指摘した。19日のブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。』(上記URLより、以下同様)

とのニュースではあそうですかという感じですが、読んでてツッコミどころが幾つかあったのでまあ突っ込んでみる。成長基盤強化は一応日銀の理屈としては長期的な話なんですが、それがその場しのぎの変化球という批判はまあ考え方の話だからそれはそれでアリだとは思うのですが・・・・・・

まずね、これなんだけど・・・・・・

『2月の決定の2週間前、2003年7-12月の決定会合の議事録が公表された。竹中氏は当時、経済財政政策担当相として会合に出席した。「私はインフレ目標を真剣に考えてほしいと主張したが、支持したのは中原伸之審議委員(当時)だけで、非常に強く反対された。10年前に拒否したものを今やることにどういう正当性があるのか、きちんと説明してもらいたい。それが説明責任だ」と語る。』

えーっと、そもそも10年前にお話をしていたインフレ目標と今世界の中央銀行が標準的に実施している「フレキシブルインフレーションターゲット」は看板こそ「インフレ目標」ですけれどもその政策運営の枠組みって全然違うのですが、それを丸無視してドヤ顔で「インフレ目標を10年前に〜」とか言うのって竹中先生ほどの方ならば判っていない訳が無いと思いますので、どう見ても自分の宣伝でのミスリードです本当にありがとうございましたという感じですがな。

大体からして英国を見れば判るように(ちなみに今日はネタにしている暇が無いと思うのですが、BOEの前回MPCの議事要旨を見ると景気に関してはともかく、インフレに関してはかなり先行きが怪しげになってきているという感じで、BOEの悩みが深くなっているなあという感じなんですけどね)10年前に議論になっていたような厳格な意味でのインフレ目標の設定って意味あるんですかという話ですよね。当時だとインフレ目標をエアコンの自動温度設定みたいな例えで説明するのが良く見られた話(たとえば本石町日記さんの昔のエントリーでこの辺のコメント欄とか→[外部リンク] わが国の金融システムは、全体として安定性を維持している。』

まあそらそうや。

『・ 金融的な不均衡という観点から金融システムの状況を点検すると、期待の強気化に起因した不均衡の存在を示唆する指標は観察されない。金融機関が抱えるリスク量は、全体として自己資本対比でみて引き続き減少している。もっとも、わが国の政府債務残高が顕著に累増しているもとで、金融機関が多額の国債を保有していることには留意しておく必要がある。』

「期待の強気化に起因した不均衡の存在を示唆する指標は観察されない」というのがまあ当たり前ちゃあ当たり前ですが本来のポイントで、これは金融政策運営における第二の柱の点検に対する日銀執行部のお答えでもある、という話ですわな。


『・ マクロ・ストレス・テストとして一時的な景気後退や国内金利が一律に1%上昇するケースを想定しても、銀行の自己資本基盤が全体として大きく損なわれる事態は回避されると試算される。さらに、より厳しい前提でのストレス・テストの結果を踏まえると、金融システムの安定性を長期的に確保し、円滑な金融仲介活動を維持していくためには、次の点に留意する必要がある。』

という話で、結論としては「とんでもないストレスでも無ければ無問題」という話の筈なのですが、何故かこれが報道ベースになるとこうなります。大体どこのメディアも同じようなトーンなのですが、たとえば日経の記事だとこんな感じ。

[外部リンク]
2012/4/19 19:36

でまあこの記事でもそうなのですが、まあ中身を見れば上記のような書き振りもあるのですけれども、「金利が上がると銀行が大損すると日銀が計算している」というようなヘッドラインになってしまうのがメディアクオリティ。

いやね、メディアとしてはヘッドラインがセンセーショナルで記事に注目が集まる方が商売として正しい、というのは判るのですけれども、こうやって数字のインパクトのある所を記事にすることによって今回の金融システムレポートの本来の趣旨と微妙にずれた話の方がクローズアップされるというのも如何なものかという感はせんでもない。

つーのも、まあこの記事のヘッドラインを見て「日銀は金利が上昇すると大変なことになると言っている」⇒「日銀はデフレ脱却すると金融危機になると言っている」というように悪意の脊髄反射をする人たちというのが一定量いる(まあちょっと検索掛けるとホイホイ見つかるのが頭痛いのですが)次第でありまして、それこそデフレ何とか議連の方々とかが本気になってそういうねじ込み方をして来そうなのが最近のクオリティ。

まあそれだけじゃなくて、最近の金融政策動向に関する市場の反応って、それこそ普段金融政策とか真面目に見ている訳でも無さそうな人のが多いのではないかと思われる(というと怒られるかもしれませんけど)株式市場とか為替市場の方々がワッセワッセと動いており、まあそちらの方がインパクトあるというある意味残念な状態になっておりまして、そーゆー方々ってたとえば金曜にネタにした麿講演だって別にいつもの麿クオリティなのですが、ニュースヘッドラインを意識したと思われる今の金融政策運営に関する部分の報道をみて為替市場が反応するとかいうような感じで、まあ「中身見ないでベンダーヘッドラインに反応」という風になっている一方で、ベンダーはベンダーで記事が注目されれば勝ちとばかりに何かキャッチーなヘッドラインを書こうとしているという状態ですので、この手の「見せ方」にも一段の工夫が必要になるのではないかと思われる次第ではございますなとか思うのでした。
 


お題「いきなりネタが大量投下されております(--)が毎度の麿講演を鑑賞」   2012/04/20(金)08:03:13  
  ・インフレターゲット

んでその続き。

『以上述べた3つの変化を背景に、1980年代後半から90年代にかけて、中央銀行の政策運営に関して、新たな制度的枠組みが徐々に確立していった。その柱は、金融政策を遂行する中央銀行に独立性を付与し、物価安定というマンデートの達成を追求するというものである。そして、中央銀行には独立性が付与される代わりに、物価安定というマンデート達成に関するアカウンタビリティーが強く求められることになった。これを最も端的に象徴するのが1980年代後半に始まり90年代以降、採用が広がったインフレーション・ターゲティングの枠組みである。』

ほう。

『ただし、このような新たな枠組みが生まれる中で、中央銀行が伝統的に担うことの多かった金融の規制・監督の体制についても、微妙な変化が生じた。物価の安定と金融システムの安定が別個の目的であると理解されたことや、中央銀行に対する権限の集中を避けるといった理由から、イングランド銀行をはじめ、幾つかの国では、規制監督機能が中央銀行から別の機関に移行され、中央銀行は金融政策に「純化」することになった。』

ふむふむ。

『1990年代以降徐々に確立していった新たな枠組みとその下で、多くの先進国において、高い成長率と物価安定が実現した。「大いなる安定」(Great Moderation)という言葉は当時の良好な経済パフォーマンスを表す言葉として、しばしば用いられた。そして、良好な経済パフォーマンスを実現した立役者の一人として、中央銀行の役割が高く評価された。1990年代から2000年代半ばの金融危機にかけては、多くの中央銀行にとっては、「中央銀行の時代(heyday)」とでも呼ぶべき時期であった。』


・資産バブルの崩壊に関して

でその続き。

『ただし、そのような状況の中にあって、日本は例外であった。正確に言うと、日本はバブル崩壊に伴う経済パフォーマンスの変化を他の先進国に先駆けて経験した。日本は他の先進国同様、第一次石油ショック時には激しいスタグフレーションを経験したが、その後は労使の協力による抑制的な賃金設定や適切な金融政策運営の効果もあって、他の先進国に比べると、経済のパフォーマンスは格段に良好であった。そうした良好なパフォーマンスが最高潮に達したのが1980年代後半のバブル期であった。そして、日本は1990年代以降、このバブルが崩壊し、その後遺症に苦しめられることになる。』

『現在、日本で1990年代以降起きたのと同様の変化が欧米でも生じている。米国で住宅価格の下落が始まったのは2006年のことであるが、それ以降、2007年夏のパリバ・ショック、2008年3月のベア・スターンズ破綻、同年9月のリーマン破綻という形で金融危機が世界的に拡大した。その後、政府・中央銀行の積極的な政策措置の結果、経済は安定を取り戻したが、2010年春頃から、今度は欧州債務問題が波状的に深刻化していった。この結果、現在でも、先進国のGDPの水準は2006年対比で104%の水準であり、2007 年以降の年平均成長率は0.8%に止まっている。』

なるほど。

『一体何が悪かったのであろうか。中央銀行はバブルや危機の再発を防止するために何をすべきだろうか。この点については、危機や危機に至る前の時期の金融政策や金融規制・監督の在り方を巡って、反省が行われている。このテーマについては別の機会に詳細に論じたので、本日は先程述べた中央銀行の政策哲学との関係で、1点だけ指摘することに止めたい3。』

ということで脚注にあるのがこの前のロンドンでの講演とかNYでの講演とかが入っていまして、まあ要するに今回の講演もそういう意味では麿節全開なのですよ。ただまあ講演テキストの方で今回はああだこうだと話をしている訳では無いので、ベンダーヘッドライン的にネタにならないというだけの話なんですな。

まあそういう意味では麿節言いたいことを言って、その一方で台無し講演にならないように講演テキスト自体は工夫した形跡がみられるという事でして、ちったあ学習効果が出たかねという所ではございます。つーかこの講演思いっきり麿節全開なんですが、ニュースベンダーのヘッドラインってまあ正直言って講演の本旨からしたらおまけもおまけな部分でして、そのヘッドラインだけ見て市場が反応とかまあ市場っちゅうのもそんなもんという所ではあるのですよね。

そらまあこの手のテキスト全部読めるかって言ったらあたくしだって全部を完璧に読みこなして居る訳では無いですし、ましてや他国のドキュメント全部とかとても無理無理なので、そらまあベンダーヘッドラインで反応するのもシャーナイナイな部分なんですけどね(^^)。

さてその続き。

『それは、物価安定と金融システム安定は密接に関連しているということである。物価安定の下で低金利の持続予想が強まると、時として、資産価格の上昇やレバレッジの拡大という金融的不均衡が蓄積していく。不均衡はある閾値を超えて拡大すると、金融システムを不安定化させ、ひいては実体経済や物価を不安定にすることになる。その意味で、物価動向と並んで、金融的不均衡にも注意が必要であるし、金融政策運営に当たっては、従来考えられていたよりも長いタイム・ホライズンでの判断が必要となる。それと同時に、中央銀行を金融政策遂行の組織として「純化」することは適当ではなく、規制・監督の分野に関与することの必要性も明らかになった。』

ということで、明らかにいつもの麿節なのですが、まあ今回は「過度な緩和政策の長期化が金融不均衡の拡大を招く」的な言い方をしていなかったので台無し講演にならなかっただけの話で、お話自体はご覧の通りのいつもの麿だったりするのが誠にアレでございます。

まあね、これはこれで正論なのですけれども、それでしたら「今から話をする件は一般論として話をするものであって、現在の日銀の金融政策の枠組みに関連する話をしている訳ではありません」と思いっきり断ってから話をした方が台無し講演にならなくて済むのではないかと思うのですが(断っても台無しになるかも知れんが)どうでしょうかねえ(ニヤニヤ)。

『そうした将来の政策運営にとっての課題とは別に、もう1つの課題は、現在の政策運営の課題である。中央銀行はこの難しい局面において、どのような政策対応をすべきだろうか。もちろん、具体的な政策措置は国によって異なるが、共通する要素を取り上げながら、この問題を考えてみたい。』

・・・・・・・とか何とか引用しているのですが、気が付けば講演全文引用しそうな勢いになっておりまして誠に遺憾なのですけれども、まあ読むとオモロイと思いますけどね。



・中央銀行役割期待の変化というお題

次の小見出しが『3. 中央銀行を巡る現在の経済・社会情勢』でしてその途中から。

『このような状況の下で、中央銀行が今後の政策を考える上で、以下の3つの社会的潮流を事実として認識する必要がある。』

『第1は、多くの先進国で、中央銀行に対する期待が高まっていることである。このことを最も端的に象徴しているのが、欧州債務問題発生後のECBの政策を巡る議論である。中央銀行の重要かつ伝統的な役割は金融機関に対する「最後の貸し手」であるが、昨年夏以降は、政府に対する「最後の貸し手」という、それまで聞いたこともなかった新たな概念を使って、中央銀行の資金供給の拡大を求める声が強まった。』

クレクレは甘えキタコレ。

『このように中央銀行への期待が高まるに至った最大の理由は、低成長や高失業が長く続いていることである。これに加えて、先進国の財政状況が大きく悪化し、財政政策を発動する余地が限られてきていることが挙げられる。因みに、G7諸国の国債残高の対GDP比率は第2次世界大戦直後の水準に匹敵するまで上昇している。さらに、中央銀行の場合は、機動的に政策決定が出来ることも理由として挙げられるかもしれない。これは、金融市場の求めるスピードと、民主主義プロセスの中で決定される財政政策や構造政策のスピードが大きく違っていることの反映でもある。』

まあ米国金融危機でもこの論点はありましたな。

『現在起きている現象をどのように解釈するにせよ、中央銀行に対する期待が高まる一方で、その期待に見合う成果が実現しないと、最終的には中央銀行に対する国民の信頼は低下することになりかねない。そして、後述するように、そのことは中央銀行の政策運営に対しても影響を与えることになる。』

まあオマエガナーという感じですが。

『中央銀行に関連して現在起きている第2の重要な変化は、金融政策と財政政策の境界線が不明確化しつつあることである。』

というのは良く言われる話ですが、この後の論の進め方を見るとまあ麿はやっぱり麿という話になっているのが麿クオリティなので鑑賞しませう。

『前述のように、現在、中央銀行は非伝統的政策の一環として、長期国債の買入れを大量に増やしたり、リスク資産の買入れを行っている。これらの政策は将来、キャピタル・ロスが発生し、最終的に国庫納付金の減少という形で納税者の負担になる可能性があり、また、ミクロの資源配分に介入しているという点で、準財政政策の領域に近づいている。』

『民主主義社会において、独立した中央銀行が強制通用力のある通貨を無制限に発行できる権限を与えられているのは、中央銀行は財政政策の領域には踏み込まないという理解が共有されていたからである。それにもかかわらず、中央銀行が準財政政策の領域には踏み込むことになると、中央銀行に独立性を付与する正統性が失われ、最終的に中央銀行への信頼は低下することになりかねない。』

準財政政策への領域に踏む込むのは遺憾とな。包括緩和の話はどうしたという感じですが、これが麿の一般論攻撃クオリティである。しかしまあこういう小難しい表現にしているからスルーされているけど、真面目に突っ込むと「じゃあお前が今やっている包括緩和政策とこの話の整合性はどうなっているんだ」という話になる訳で、何かもうちょっと物の言い方を考えた方が良いような気がする、いやまあ言っている事自体は正論も正論ではあるのですけど・・・・・・・・・・

『第3の変化は、上述の2つの変化の系とも言えるが、中央銀行がこれまで採用したことのない異例の政策を展開していることを反映して、中央銀行の望ましい政策のあり方を巡って、意見が大きく分かれるようになっていることである。』

キタコレ。

『前述のECBを巡る政策はその代表例であるが、米国でもインフレへの警戒からFRBの金融緩和に対する強力な反対論が存在する一方、幾分改善したとはいえ、なお高い失業率が続いていることを反映して、エコノミストの間では、さらなる金融緩和を求める意見も聞かれる。日本でも金融緩和政策や財政健全化の進め方について、意見が分かれている。』

日本の説明部分で審議委員人事の話でもすりゃ中々面白いのですがそこは言わない所が微妙に惜しまれる所ではございます(ニヤニヤ)。

ということで一大引用大会になってしまいました。もうちょっとあるのですが時間も量も多過ぎになったのでここで勘弁。
 


お題「いきなりネタが大量投下されております(--)が毎度の麿講演を鑑賞」   2012/04/20(金)08:02:46  
  まあ物理的に何やりますねんと思うのですけれども、為替市場と株式市場が何か良く判ってない中で大騒ぎになるの図で、まあ日銀はこの(金利市場以外の)クレクレをどうコントロールするのかが難しいですなあ。身から出た錆とは言え・・・・・・

最近の債券市場の動きを見てると日米とも金融緩和がどうしたこうしたのネタがプライスアクションにあまり反映されていないように見える次第で、日本は兎も角米国も追加緩和ガーのネタに対して肝心の金利市場が反応しにくくなってきているというのは緩和政策の効きが段々落ちてきているという話なのかなとか思う今日この頃。まあ他の資産市場が反応すれば良いのかね(・・?)

・・・・・何かネタがどかどか投下されておりますので適宜料理しようと思ったのですが、麿講演の鑑賞だけで量も時間も一杯になってしまいましたので、本日は麿講演鑑賞会で勘弁してくんなまし。本当は山口副総裁の講演とか西村副総裁の会見とか、金融システムレポートとかそれに関連した日銀レビューとか、ネタは満載なのでございます。


○ニュースヘッドライン的には台無し講演では無かったですけれどもやっぱり麿節ではないかと

[外部リンク] Foreign Policy Associationにおける講演(ニューヨーク)の邦訳 ──

ニュースヘッドライン的には金融政策に関する話のほんの一部分がネタになって「白川総裁も金融緩和の継続を強調」という風になっておりましたけど、この講演を読みますと話の筋そのものは麿節全開だと思うのです。

ただまあ今回に関して言えば、BISビューちっくな話をあまり強調しなかったこともあってニュースヘッドライン的には隙を出さなかったという所でしょ。

・金融緩和がどうのこうのの部分

ということでその金融緩和云々の部分ですが、折角なのでその前の部分から引用してみます。

『構造政策の必要性に迫られているのは、どの国も同様である。人口一人当たりの実質GDP成長率について、過去10 年間の平均をみると、日本は他の先進国とほぼ同程度、そして、生産年齢人口一人当たりの実質GDP成長率については、日本が最も高い。それににもかかわらず、日本の実質GDP成長率は1990年代以降低下し、過去10 年平均では他の主要国に比べ見劣りする。』

ほう。

『これらの数字が示すように、現在、日本が直面している最も大きな挑戦の1つは、先進国では過去に例を見なかったような人口動態の急激な変化への対応である。日本の場合、成長率の低下にしても財政悪化にしても、相当程度は人口動態の急激な変化への不適合から生じている。そして、これによる潜在成長率の緩やかな低下は将来所得の予想を引き下げ、支出を減少させることを通じて、緩やかなデフレの大きな原因となっている。』

ということで人口動態がどうのこうのの話をしている所なんぞはいつもの麿クオリティである。

『金融政策の効果波及メカニズムは、中央銀行の行動が金融環境に影響する第1段階と、その金融環境が企業や家計の支出行動に影響を与える第2段階とに分けられるが、金融環境という点では、日本は先進国の中で最も緩和的である。それにもかかわらず、日本経済が緩やかなデフレから脱却しない最大の理由は、成長力が徐々に低下していることである。』

最近はこの金融政策の波及効果の2段階論というのが日銀の主な説明の柱になっています。

『日本経済がデフレから脱却し、物価安定の下での持続的成長経路に復帰するためには、成長力強化の努力と金融面からの後押しの両方が不可欠である。このような認識の下、日本銀行は当面、消費者物価の前年比上昇率1%を目指して、それが見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置により、強力に金融緩和を推進していく方針である。』

でまあヘッドラインになったのはこの辺ね。


・でもまあそれ以外の話って中々麿節であったりする

まあ麿節麿節とか申してますが、話そのものはまあ正論ちゃあ正論だけどまたそんなに物議を醸すような事を言わんでもという気もするといういつもの話です。で、その話自体は中々のイイハナシダナーではあって鑑賞用としては大変に面白い。

『1. はじめに』から。

『輸送・通信技術の著しい進歩や、その結果生じている国民と経済の相互交流の増加により、世界は実質的に小さくなってきているが、残念ながら、外交政策は、日常生活の忙しさ故に、しばしば後回しにされてしまうテーマである。正に、Foreign Policy Association(FPA)の活動がきわめて有益となる所以である。1918年の創立以来、ほぼ1世紀にわたって、FPAは、グローバルな問題に対する意識を高め、理解を促し、そして学識ある見解を提供するという、触媒としての役割を果たしてきた。それゆえ、心より尊敬する多くの方々が含まれているメダル受賞者の仲間に、今晩私が加えて頂けることは、光栄である。』

ほほう。でまあ今回はグローバル金融危機の話をしますよ云々の部分は引用割愛して。

『繁栄がかなり脆弱であるという点を連想させる一節を、ケインズ卿の「平和の経済的帰結」の中に、見出すことができる。FPAは、ヴェルサイユ条約締結時の米国代表団を率いたウィルソン大統領が提唱した「正しい平和(Just Peace)」を促進するために創設された組織であること、そしてケインズ卿が前述の著作を執筆した背景には、国際社会が全体として、ヴェルサイユ条約の目的の達成に失敗したことがあること、を踏まえると、このケインズ卿の著作を引用することは、今日の場に相応しいように思う。』

『ケインズ卿は、第1次世界大戦前の世界を、ロンドン市民の中流階級が、容易に「電話で、全世界の様々な産物を注文することができ」、「自分の富を世界の好きな場所に投資することができ」、「どの国にも安価で快適な輸送手段を確保できる」という「経済的黄金郷(Economic Eldorado)」ないし「経済的理想郷(Economic Utopia)」と描写している。さらには、このような状況は、「正常で、確実な、一層の改善という方向以外には変化しないもの」と見なされていた。私は、この一節を読む度に、経済的繁栄をもたらすグローバル化の力が大きなものであったこと、また、2度の世界大戦を踏まえると、そうした繁栄の達成は束の間であったこと、そして第1次世界大戦前の状況と今回の世界的な金融危機に至る我々の経験には類似性があることに、いつも驚かされる。』

とまあ中々格調の高そうなお話。


・中央銀行のマクロ経済の安定に対する機能を果たすには独立性が重要という話キタコレ

・・・・ということでお話が始まるのですが、次の小見出しが『2. 中央銀行を巡る過去50年間の経済・社会情勢の変化』でここがもういきなり国内情勢を勘案すると実にこうイイハナシダナーの話ではあるのですが、これを金融政策スタンスが気に食わないから審議委員人事潰すというような事を平気で行うどこぞの政党の財金部会で話をしたら凄い怒号が飛んできそうですなあというような話でございます。ということで引用(^^)。

『現在、中央銀行がマクロ経済の安定に重要な役割を果たす存在であることを疑う人はいないと思う。しかし、第2次世界大戦後の歴史を振り返れば分かるように、中央銀行がそのような存在として認識されるようになったのはそんなに昔のことではない。中央銀行の役割が高まることを可能にした条件として、私は少なくとも次の3つの変化が重要であったと思う。』

『第1は、いささか自明に過ぎると思われるかもしれないが、金融政策が財政政策と明確に分離されたことである。第2次世界大戦中は米国や日本を含め、多くの国で、そもそも自律的な金融政策は存在せず、金融政策は財政政策の僕(しもべ)として、国債発行への協力を強いられていた。戦争終了後も、金融政策は直ちには自由度を回復しなかった。米国において、FRBが長期国債の金利を財務省の定めた上限金利以下に維持するという制約から解放されたのは、財務省とFRBの間でアコードが締結された1951年のことであった。』

つまり財政政策の下僕にしようとしているどこぞの政治家連中をdisってるんですね、わかります。

『第2は、マクロ経済の安定に果たす金融政策の重要性が正しく理解されるようになったことである。1960年代から70年代前半にかけては、今から考えると誤った理解であったが、インフレは成長や雇用を確保するための必要悪のコストと見なされることが多かった。このような理解を背景に、景気の後退や回復に対応して金融緩和や引き締めが裁量的に行われ、実際のインフレ率は、人々の予想インフレ率の上昇とともに徐々に上昇していった。』

ほほう。

『このため、インフレ率の上昇は、景気回復をもたらさないばかりでなく、経済主体の貯蓄投資に関する意志決定を歪めたり、市場の資源配分機能の低下を通じて、経済の低成長をもたらした。いわゆるスタグフレーションである。1960年代から70年代前半にかけての苦い経験を通じて先進国が学んだことは、経済の持続的成長には物価安定が必要であり、金融政策は物価安定を目的に運営されるべきであるということであった。』

まあここは「インフレを否定する白川総裁の考える物価安定ってデフレですね」とか言われそうな文脈だなあと思ってしまいますが、まあ毎度の麿節である。

『第3は、上述の理解に基づき、中央銀行に法的な独立性が与えられるようになったことである。中央銀行が物価安定を追求するためには、短期的な利害から解放され、中長期的な観点から金融政策を運営することが必要となる。これを法律的に担保するのが、中央銀行の独立性である。1980年代には法的な独立性を与えられた中央銀行は限られていたが、1990年代に入り、日本を含め多くの国で中央銀行法が改正され、中央銀行に金融政策運営の独立性が与えられるようになった。』

で、その独立性に逆行する日銀法改正の動きをdisるということですかそうですか。
 


お題「西村副総裁講演/ちょっとだけ別のメモ」   2012/04/19(木)08:03:31  
  目途導入時の文書にあった話ですにゃ。

『こうした「物価の安定」についての基本的な考え方に基づき、具体的に日本銀行の目指す方向性を示す上で、「目途」の導入以前にお示ししていた「中長期的な物価安定の理解」に替えて今回「目途」を導入した意義は大きいと考えています。』

ほう。

『各政策委員がそれぞれ金融政策を考える際には、拠り所とする日本銀行が目指すべき「物価の安定」についてのそれぞれの考え方があります。従来の「理解」では、各政策委員が中長期的にみて物価が安定していると理解する物価上昇率を数値で示し、それらを束ねたものを範囲として示していました。物価上昇率が、その範囲から外れていれば、どの政策委員からみても「物価の安定」が実現していないということが明らかになる、というので紛れはないのですが、これでは日本銀行が組織として何を拠り所にしているか分かり難いとの声がありました。また、「理解」という言葉の語感について、日本銀行が「物価の安定」の実現を目指して能動的に行動している感じが伝わり難いといった問題もありました。そうした点を踏まえて、今回、日本銀行が目指すべき「物価の安定」とは何かを組織として決定することにした訳です。名称についても、日本銀行の政策姿勢を明確に伝えるものとして「目途」、英語では「Goal」を選びました。』

『また、「目途」への移行に合わせて、当面の「目途」とより長い目でみた「目途」とを切り分けたことは、重要なポイントであると考えています。』

ほほう。

『このもとで、経済構造の変化など先行きの不確実性が大きい中でも、日本銀行が現時点で目指している物価上昇率を、当面の「目途」としてピンポイントで示しました。他方で、より長い目でみた場合に、成長力強化への取り組みの成果が挙がり、持続的な実質成長率が十分高まっていくなら、持続可能な物価上昇率、ひいては名目成長率も次第に高まっていくと考えられます。そうした長い目でみた可能性を念頭に置き、「中長期的な物価安定の目途」は「2%以下」と幅を持たせ、原則としてほぼ1年ごとにこれを点検していくこととしています。』

判ったような判らんような言い方ですが、要するに「経済が成長軌道に乗ってきたら1%の目途を引き上げます」と受け取って下さいという事ですの。

『以上のような「中長期的な物価安定の目途」の背後にある考え方が正しく共有されていれば、もはや名称を巡る議論は本質的ではなく、また、これを弾力的なインフレ目標と呼んでも、私には違和感はありません。』

つーかフレキシブルターゲットでしょこれ。


2月政策変更のロジックについて。

『次に、2月の金融緩和強化を事前に予想することが難しかったという点についてです。日本銀行では、2006 年3月から、金融政策の運営方針を決定するに際し、2つの「柱」により経済物価情勢を点検してきています。これは、\莵圓の経済・物価に関するメイン・シナリオが、物価安定のもとでの持続的な成長の経路をたどっているか、新たな枠組みに基づいて言い換えれば、「目途」の達成に向かっているか、という第1の「柱」と、△修Δ靴織瓮ぅ鵝Ε轡淵螢に対して、どのようなリスク要因があるか、という第2の「柱」の両面からの点検を踏まえて政策運営を行うという枠組みです。2月の政策変更について、この2つの「柱」に基づく政策運営の枠組みから逸脱しているため予想が難しかった、という解説も見受けられますので、この点をご説明したいと思います。』

ほほう逸脱しないとな。つーことで言い訳コーナーが始まります(^^)。

『2月の決定会合の時点を振り返りますと、国際金融資本市場の緊張の和らぎ、米国経済に関する改善の動き、復興関連需要等による内需の底堅さなど、国内外で前向きの動きがみられていたものの、経済活動の水準から見れば海外経済の減速や円高等もあって日本経済はリーマン・ショックの後の大きな落ち込みからなかなか回復できない厳しい局面が続いていました。同時に、1月会合の議事要旨で明らかにされているように、長引くデフレを巡る議論を進める中で、日本銀行の金融政策運営に関する情報発信が不十分で、その意図が十分に企業・消費者・市場に伝わっていないのではないか、そのために強力な金融緩和の効果が大きく減殺されているのではないか、という認識が政策委員会内で次第に広がっていました。』

はあそうですか(棒読み)。

『更に1月25 日に米国FRBが物価上昇率2%を「longer-run goal(長期的な目標)」としたことで、市場、メディア等の間で中央銀行の物価の安定を目指す姿勢について、改めて関心が高まっていました。』

え、これでしょ??

『つまり「目途」の達成という観点からみて、先行きの経済・物価に関するメイン・シナリオの実現に必要な緩和効果が減殺されているリスクを考えざるを得ない状況になったのです。』

これはこれで理屈は通っているのですが、そうなると「今回の目途導入で緩和的な金融環境が実体経済に波及する経路が強まる」というような話になってしまい、それはそれで日銀のロジック的に微妙な気がするんですけどね。

『そうした状況も踏まえ、「目途」の達成に向けて、経済・物価に関するメイン・シナリオの実現をより確かなものとする観点から、日本銀行の政策意図を一層はっきりと伝える必要性が意識され、また、そのような対応を取らない場合に「目途」の達成の遅れにもつながりかねないことが懸念され、それが2月会合の政策決定につながりました。』

ふーん(棒)

『そして意図を明確にするために、資産買入等の基金の思い切った増額も行いました。これは、この時期見られた前向きの動きを金融面から強力に後押しする形になると考えられ、目に見える金融緩和の効果が期待できると考えたわけです。』

ふーん(棒)

『従って、「理解」から「目途」に替わったことで、2つの「柱」による政策運営まで変更された訳ではありません。今まで日本銀行の政策意図に関する情報発信が不十分であったため、日本銀行の政策意図が十分に伝わっていなかったことが、結果的にサプライズに繋がった一因であるように思われます。「目途」の導入は、まさにこの情報発信の問題を是正しようとすることが目的であった訳です。この点、十分な情報発信を目指して、今後とも工夫を続けていきたいと考えています。』

結局第一の柱なのか第二の柱なのかが良く判らんままの説明であったりしますが、第一の柱という事か??どうも丸め込んでいる感がありますな。


・追加緩和の可能性とかいう小見出しは中々

『当面の政策運営において、追加緩和の可能性は高まったのか?』というお洒落な小見出しが(^^)。

『次に、結局のところ、日本銀行の緩和姿勢は強まったのか、今後の追加緩和の可能性は高まったのか、という難しい問いに対して、なるべく分かりやすくお答えしたいと思います。』

キタコレ。

『既に述べましたように、「目途」と2つの「柱」に基づく我々の政策運営に変化はありません。繰り返しをお許し頂いてもう一度申し上げれば、現在の金融政策の運営方針は、「消費者物価の前年比上昇率1%を目指して、それが見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置により、強力に金融緩和を推進していく」というものです。この表現は、2月の金融政策決定会合の議事要旨にも記述されているとおり、「日本銀行として、今後も必要に応じて追加的な手段を講じていく姿勢にあること」を表しています。』

まあ正直この声明文とかを見ればこの話って自明としか言いようがないのですけれども、麿の台無し講演とか(そういやまた米国出張するようですが、海外に行くと急に発言が麿節全開になる麿の口に誰か鍵を掛けておいた方が良いのではないでしょうか)で対話がややこしくなっている(金利系の人たちは「ああまた麿か」というような反応だったと思うのですが、やはり普段から金融政策見てる訳では無くて、急に金融政策ネタをメインテーマにした他市場的にはややこしくなる、という事でしょうな)のでこの説明はまあ時宜得てるんじゃないですか。

『こうした我々自身のデフレ脱却に向けた断固たる姿勢の明確化が、これまでよりもしっかりと金融市場に浸透してきており、それが一部では日本銀行は変わったとの印象を持たれているのではないかと考えています。』

でまあ金融政策オタクでも無い限りベンダーヘッドラインがこの部分までをネタにして打ち込まれてそこしか見ないので、まあそーゆー点では今回の講演は狙い通りという感じですかね。実際はこの後にこんなのが続く。

『実際の政策判断は、あくまでも「目途」に照らして経済物価見通しやリスク要因を点検した結果に依存し、政策効果についての判断も重要です。金融政策の効果がいつ出るかには不確実性が大きく、しばしば(時には長い)可変なラグがあると言われますが、この性質は最近のような非伝統的な金融政策でも変わりません。』

『この点、先ほども申し上げたとおり日本経済の現状は、前向きの動きがみえてきたとは言え、世界経済を中心に不確実性は依然として大きいと考えています。また、2月と3月の政策変更が、経済・物価に関する人々の中長期的な期待にどのような影響が及ぶのかについても、無視できない不確実性があります。今後、こうしたリスク要因を十分に考慮に入れながら、しっかりと先行きの経済物価動向を点検し、適切な政策運営に努めて参りたいと思います。』

ということで。


○時間が無くなったのでその他世間話

・英国の追加資産購入拡大をポーゼンさんが取り下げたとな

Minutes of the Monetary Policy Committee Meeting held on 4 & 5 April 2012
[外部リンク] the stock of asset purchases, eight members of the Committee (the Governor, Charles Bean, Paul Tucker, Ben Broadbent, Spencer Dale, Paul Fisher, Adam Posen and Martin Weale) voted in favour of the proposition. One member of the Committee (David Miles) voted against, preferring to increase the size of the asset purchase programme by a further £25 billion to a total of £350 billion.』

・・・・・・・・・・追加資産購入拡大を提案し続けていたアダム・ポーゼン委員じゃなくて今回の追加資産購入拡大提案はマイルズ委員だったとはほほうという感じですが、議事要旨はこれから読む。


・三重野元総裁ご逝去

[外部リンク] 康 元日本銀行総裁の逝去について

まあ平成の鬼平と言われてバブル退治に活躍したらバブル退治どころか日本経済も退治してしまいましたねえというような話で、実にタイミングが悪い時に鬼平タイプが就任しましたねえとか言うような感想で片付けてしまうのはちょっとアレ。

金貸しの手先をちょっとだけやっていた実感からすると、金利少々引き上げた位でそう簡単に投機熱って収まらないのでございまして、要はそこに対してホイホイとファンディングが付くような状態であれば投機資金って絶賛投入されるという風に思う次第で、もちろん利上げも効いているとは思いますが、それよりも総量規制とか3業種への貸出枠規制とかの方が「こうかはばつぐんだ」状態だったような気もします。その辺の規制関連は大蔵省と日銀の両方がやっていた話ですし、利上げどうのこうのよりもプルーデンス政策のウィングが効いていたって気もするのですが、別に根拠のある話では無いのでそう自信満々にいうことでもありません(汗)。

大体からして当時は「バブル退治は正義」という風潮だった訳でして、その辺りの反省とかそもそも何でバブルになりましたねんというような反省とか、まあそっちの方の話をしないで日銀ガーの一方でFRBは偉大とかいう話をしてもしょーもないですなとか思うのでありました。

じゃあお前は何をどう分析するのかと言われますと能無しなのでどうもすいませんとしか言いようが無いのが残念な所ですが(自爆)。
 


お題「西村副総裁講演/ちょっとだけ別のメモ」   2012/04/19(木)08:03:00  
  今月は期初というのもあるけどカレンダーの設定のマジックもあって妙に忙しいですな、うんうん。

○西村副総裁講演である

[外部リンク]
 


お題「本職の説明でこれは無いわ/『金融市場インフラのための原則』の公表についてのメモ」   2012/04/18(水)08:03:59  
  どうも最近悪態成分が高まって遺憾でございますな。

○本職がこれはマズイだろと思うインフレ目標解説

こんなのがありましてですな。

[外部リンク] 2014になったらマンデートは達成できるというコミットメントですか?」と質問したらどういう答えになるんでしょうかねえ。

大体からしてその文言だってその前は「mid 2013」って言ってたのが先般「late 2014」に変わったのですけど、そうやってホイホイ変更して良いもののどこがどう「目標に到達するまでの時間的な経路をも明示化」となるのかと小一時間問い詰めたいのですけどねえ。

更にツッコミますと、このガイダンス文言は「金融政策を継続するコミットメントではなく、現状の経済状況および先行き見通しを踏まえたガイダンス(だからご案内みたいなもん)文言であって、経済状況が変われば金融政策継続の時期も変わる」という説明をFRBは何度もしてますがな。バーナンキの会見でもそうですしFOMCの議事要旨でも何回も出ていますけれども、それを「政策目標達成のコミットメント」と言うのは嘘八百にも程がありますがな。

大体からしてFOMCが示すSEPではデュアルマンデートに関わる数値の先行き見通しが示されていますが、前回のSEPで失業率に関して「longer-run」で示された望ましい数値は見通し期間中には到達しないという先行き見通しを示していますがな。

つーかね、そもそもFRBが実際問題として目指しているのは単純に足元の数字なのでは無くて「中長期的な数値」なので見通し期間中に「中長期的に見た場合の失業率がデュアルマンデートに則した範囲内になるという見込みとなる」という達成が出来るかもしれないという面があるので、まあ見通し期間中に中長期的な目標が達成できているのかどうかというのは現時点での見通しだけでは判らんというのもあるんですけどね。

まあいずれにしてもFRBがデュアルマンデートの「目標達成に向けた期間と経路を明らかにした」というのは虚偽表示にも程がある訳で、FRBと日銀を比較して日銀を批判したいというのは判りますし、まあそれはそれで一つの手法ではありますが、自分の論拠に使う事実関係を自分の説明に都合の良いように誇張するとか、これが産経新聞の某みたいな電波だったら電波浴扱いしておけば(どうせ産経ですし)良いのですけれども、本職がそれをやるのはダメなんじゃないかと思いますけどねえ。つーか投資勧誘資料でそういう事やったら誤認勧誘で金商法違反と言われても文句が言えない話なんですけれども、本職のアナリストがそういう姿勢でいる(まさか無知でこういう説明しているとは思えないのでわざとでしょ)のは職業倫理を疑うレベルですがな、と思いますが如何でしょうかねえ。


・日銀の目途がどうのこうのですかそうですか

『一方、日銀の白川方明総裁は、あくまでも追求すべき「目標(objectiveもしくはtarget)」ではなく、「(中央銀行の総意としての)目途」であるとして、達成義務のある「目標」であることに否定的な見解を示した。つまり、今回の「物価安定の目途」は、政策審議委員各自が「物価が安定している」と考えるインフレ率の単なる集計値である従来の「物価安定の理解」から、中央銀行の「総意」になると定義を変えただけで、政策的な達成義務はないと言明したのである。』

だそうです。まあ政策的な達成義務はないと言明とか随分とこちらは悪意で解釈してますなあ(達成に向けて努力するという話をしていて、単にその達成時期に関して明言できないという説明だとしか思えないのですが、まあ極端に悪意で解釈すれば時期を明言しない努力目標に意味があるのかという言い方は出来ると思うので、そこはツッコマないが)という感じですな。

つーかね、これは書いている人のテクニックの問題ですけれども、FRBの示した『principles regarding its longer-run goals and monetary policy strategy』にはobjectiveとかtargetという言葉は使っていなくて、日銀の英文版(ただし正本は日本語版なので英文版はあくまでもご参考ではありますが)でもgoalという単語を使っているのですが、この書き方だと(この部分は先ほどのFRBガーの所の続きね)如何にもFRBが示しているのはobjectiveとかtargetであるかのような印象を与えるような操作をしている所とか(FRBがobjectiveとかtargetとかいう言い方をしている、とは一言も言っていないので別にその点で嘘八百を書いている訳では無いが)、最早アジビラのテクニックといった風格を漂わせるホンモノの香りを感じます。

ご参考→[外部リンク] 本報告書は、システミックに重要な資金決済システム、証券集中振替機関、証券決済システム、清算機関、取引情報蓄積機関を含む金融市場インフラ(FMI)のための新たな国際基準を主な内容としている。本報告書は、これらFMIのための既存の基準に置き換わるものである。

・ 新たな基準は、従来の3つの基準と比較して、内容の更新・調和・強化が図られている。これらの強化された基準は、金融危機、特に参加者破綻に対してFMIがより頑健になるよう設計された。

・ 本報告書は、FMIの規制・監督・オーバーサイトを行う関係当局の責務を更新したものも含んでいる。

・ CPSSとIOSCOのメンバーは2012年末までに新たな基準を採用し、可能な限り早期にその適用を開始するよう努める。FMIは可能な限り早期に新たな基準を遵守することが期待される。』

つーことで、資金決済やら証券決済の集中機関に対する国際基準についての話になりまして、まあ一見すると市場に関係なさそうにも見えますが、この辺りの利用に関してどういう規制が行われるのかとか、担保や証拠金の扱いがどうなるのかとか、意外に価格形成に影響を与える面もあろうかと。

あとはまあその手のビジネスにも影響でるような話なのですが、ざっと見た所ではこの辺りのインフラに関して求められる賦課とかの議論からすると、いわゆる集中決済機関のようなものとか取引所のようなものをより公的関与の強いものにした方が良いんじゃネーノとか思った次第で、一方で取引所が世界的に見て上場企業になっているという辺りから何とかした方が良いんじゃネーノという風にも思うのですけどね。

まあ事務やる部分と決済の部分を分離するという方向でやっていくのかも知れませんけれども、FMIのインフラとしての頑健性とか健全性というのを求めるという方向性と、上場企業としての行動というのは整合性がとりにくいんじゃないかとゆー気がするんですけどどうでしょうかねえ・・・・・・・

と雑感だけで恐縮至極。
 


お題「ダドリー総裁の先週の講演ネタである」   2012/04/17(火)08:07:01  
  雇用に関して。

『Even though the unemployment rate has declined sharply from 9 percent last September to 8.2 percent in March, it is still unacceptably high. In addition, many other measures of the labor market remain weak. The labor force participation rate, the percentage of people employed, and the total number of hours worked in the economy all dropped sharply during the recession and remain well below their pre-recession levels, even taking into account the impact of demographic shifts. Also, it appears that productivity growth has slumped recently. Although that means that a given amount of growth translates into bigger employment gains, it certainly is not an unmitigated positive development.』

ああだこうだと話をしていますが、まあ失業率は低下傾向だけど労働市場を巡る環境は依然として宜しくなく、雇用環境の改善に繋がる経済成長までには至っていないので今後も厳しいですよという話をしていますので、まあさっきと同じくで少なくともタカにはなり得ませんがなという事ですな。

そして「経済には顕著な向かい風がある事を忘れてはならない」キタコレというのが次に。

『Also, we cannot lose sight of the fact that the economy still faces significant headwinds and that there are some meaningful downside risks. In the headwinds department, I would include the run-up in gasoline prices mentioned earlier because that will sap purchasing power, the continued impediments to a strong recovery from ongoing weakness in the housing sector, and fiscal drag at the federal and state and local levels. In terms of downside risks, these include the risk that growth abroad disappoints and the risk of further disruptions to the supply of oil and higher oil prices.』

従来の住宅セクターや財政削減に加えて石油関連価格の上昇による購買力の低下も経済に対するダウンサイドリスクに加わったという話ですな。

んでもってインフレは落ち着いてきて今後も抑制されるでしょうという普通の話。

『While the underlying core inflation rate, that strips out volatile food and energy prices, has been somewhat higher than expected a few months back, it appears that the annual rate of core inflation1 has peaked and we expect it to begin to decline later this year. Finally, inflation expectations, which play an important role in the inflation process, remain well anchored. By this I mean that people expect that the rate of inflation will continue to be relatively low for some time to come.』

ちなみに、金融政策で何をどうするみたいな話は今回は行っておりませんので、経済見通しのみという所です。


○イイハナシダナー(;∀;)

こちらのダドリー講演は経済見通しに関する所がまあ普通に金融政策のインプリケーションという部分なのですが、お話として読んでて面白いのは実は前半分のような気も。

『What the New York Fed Does』という所で、NY連銀が地区の景気状況を把握するためにどのような事をやっているのかという話をこれでもかと説明しているのですが、この説明を見ておりますと(そらまあ国土の広さの差があるけど)日銀の支店(大きな支店は別にして)だとそれこそ支店長と調査にあたる人が1名とか2名とかいうような陣容で地域経済の調査をしているのとはだいぶ違ってまあ日銀としてはウラヤマシスという感じなのではないかと思いますけどどうなんでしょうかねえ。

今回のダドリー総裁の日程(?)はこのようになっているそうな。

『To help me gather more information about the region, yesterday, I had breakfast in Syracuse with business and community leaders at the Center for Economic Development. Then I met with the staff of PathStone, a community development organization, met faculty and students at the Maxwell School of Syracuse University and had lunch with university officials who manage the tech transfer process. In the afternoon, we drove to Skaneateles Falls to tour Welch Allyn, a manufacturer of medical diagnostic instruments. Dr. Julie Shimer is the president and CEO. Dr. Shimer was also recently appointed chair of the Empire State Development Corporation, and we talked about challenges and opportunities for economic development in New York State.』

『After this morning’s gathering, I will speak with staff of the Empire Justice Center, meet with Lt. Governor Bob Duffy, convene a meeting of our Upstate Advisory Board, whose members are major leaders in the upstate economy, and visit the Roswell Park Cancer Institute to learn about their role in economic development in western New York and in the broader world arena.』

中々充実した日程ですな。んでもって連銀スタッフのお仕事はこんな感じ。

『My colleagues and I at the New York Fed continually track conditions in our District, and we have created a number of tools for that purpose. For example, my staff produces monthly indexes of economic activity for New York City, the state of New York and New Jersey. These indexes are essentially measures of local output-similar to gross domestic product, or GDP, at the national level. These measures provide a more complete gauge of activity than the employment report, which is another important metric at the state level. We have also constructed a consumer credit panel to track local household credit conditions at the county and even the zip code level, including the amount and type of personal debt and whether payments are being made in a timely way.』

『In addition, we conduct a periodic poll about the credit needs of small businesses, which are an important source of new jobs. We are just launching our latest poll that also includes questions about the skill needs of small businesses and whether the right kinds of skilled labor are available. Almost 900 regional businesses responded to our last poll, some of which were from this region. If you, as a representative of a small business, would like to participate in our current poll, please pass your card to my colleagues, who are in the audience, or see me after the speech and we will be glad to add you as a respondent.』

だそうで、何とも充実してますなあと思うのでありました。


さてさて、それはそれとして最初の所でダドリー総裁が中々良い話をしているのですな、という感じで今日は講演を後ろから読んでいる格好になっています(^^)。

『I have the great fortune to serve as vice chair of the FOMC that meets eight times a year in Washington to set interest rates and make other decisions about monetary policy. The members of this committee all strive to set policy to advance the mandate given to us by Congress to promote the maximum level of employment consistent with price stability.』

とまあここまでは良いとして・・・・・・

『Sometimes we have different views on the specific policy choice at hand, and you should view this as completely appropriate: these are hard questions-particularly during difficult economic circumstances such as we face today. In fact, I think we make better decisions as a committee because we don't all think alike.』

色々なビューがあって議論があるのが重要という話をしている訳で、まあ当たり前の話だと思うのですが、一方でどこぞの国では「政策に対する考え方がケシカラン、こういう政策の考え方を持つ人間じゃないとダメ」と言って政策委員人事に臨む政治がある訳ですな。

『But we are united in our commitment to our dual mandate and in our belief that Fed independence is essential to the public interest. That independence allows us to make tough decisions insulated from short-term political pressures.』

>That independence allows us to make tough decisions insulated from short-term political pressures.
>That independence allows us to make tough decisions insulated from short-term political pressures.
>That independence allows us to make tough decisions insulated from short-term political pressures.

ま、米国の場合は逆方向の「short-term political pressures」のような気もしますが、追加緩和したら株が上がって為替が円安に振れたけどその勢いがなくなったから緩和の効果が落ちているとかどう見ても短期的視点です本当にカムサハムニダな論点で政治的圧力をせっせとお掛けになられる政治家の皆様たちにおかれましてはちったあ落ち着けやと思うのでありますけどねえなどと存じます。
 


お題「ダドリー総裁の先週の講演ネタである」   2012/04/17(火)08:06:32  
  こうして見るとアンダルシアとアストゥリアス(特に前者)の州議会選挙結果が効いていやがりますなあという所ですなあ>スペイン

モーサテのゲストコメンテーターがこの前のロイターの記事をネタにして(つーか為替市場とかこれに反応していたのでまあ為替の人だからネタにするわなあと思ったが)いたのですが、次回会合で追加緩和を検討するでしょう追加緩和を実施するでしょうって金利市場関係者だったらまあ少なく見積もっても半分くらいの人はコメントする話ですがな。

つーかこれって「日銀筋」でも「政府筋」でもない「関係者」でして、それこそあたくし辺りがロイターに話をしても「関係者」扱いになるんですけど、正直このニュースで為替市場反応したのを見た時には呆れると同時にロイターのヘッドラインの打ち方のあざとさというか営業優先姿勢(このレベルの話なら決定会合当日にも同じ話いくらでもあったのですけど、わざとタイミングをずらして目立つようにした、というのが見え見え)に対して可及的速やかに企業としての天寿を全うすべきであると心底思いましたけどね。といいつつ一応記事のURL貼っとくわw
[外部リンク] 04月 11日 13:47 JST

・・・・・・・また朝から悪態をついてしまったorz

で、今日は先週のダドリー講演である。

まあ先週は色々な人の講演があって、本当はラスキンおばちゃんとかイエレンおばちゃんの講演をネタにすべきところではあるのですが、どっちも量が多くて正直読み切れていないので一番短いダドリー先生のでとりあえず勘弁(--)

で、先週12日の講演の時には追加緩和がどうのこうので米国株式市場が反応したりしてたような気がするんですが・・・・・・
[外部リンク] sum up, the incoming data on the U.S. economy has been a bit more upbeat of late, suggesting that the recovery may be getting better established. But, while these developments are certainly encouraging, it is far too soon to conclude that we are out of the woods in terms of generating a strong, sustainable recovery.』

まずは景気に関してですが、「足元の経済指標はやや強くなっており、景気回復傾向が確りとしてきた事を示唆する」と基本的な見方を強めているというのがそもそもの前提にあるのですが、その次に「しかしながら我々は森を抜けて力強く持続的な回復に向かっているというにはまだ程遠い状態にある」という話をしています。

でですな、まあこの後で引用しますが、景気に関しての話の冒頭部分って上記と同じ表現になっていて、その後にああだこうだと懸念材料を並べているので、まあ印象としてはタカには当然の如く見えませんけれども、じゃあ思いっきりハトなのかと言いますとそもそも論として景気が強まっているという話をしているので、別に思いっきりハトな訳でも無かったりするんじゃネーノという気もする。

『On the inflation front, the year-over-year rate of consumer price inflation has slowed in recent months, and despite the recent rise of gasoline prices, we expect inflation to moderate further in 2012.』

まあインフレに関してはそんなに変な話は無いのですが、これはまあFOMCメンバーの中でも意見がおおむね一致している所(ただし追加緩和の影響についてとか、先行きの緩和政策継続の影響についてではインフレ加速懸念を示す人はいます)です。

まとめ部分はこの先もあるのですが、後は地域経済(今回の講演はシラキュースで実施)の話になりますので引用割愛。


○景気認識に関して

景気に関する話は『National Economic Conditions』と『Regional Economic Conditions』というのがあるのですけれども、後半の方はまあ国内景気に対してNY連銀管内というか地元経済に関する全国平均との違いについての話で、まあネタとしては興味深いのですけれども、金融政策へのインプリケーション的にはスルーで良いので華麗にスルーして前半の米国経済に関する部分から。

『The incoming data on the U.S. economy generally has been a bit more upbeat over the past few months, suggesting that the recovery may be finally establishing a somewhat firmer footing.』

という事で「somewhat firmer footing」キタコレという所。具体的な数値の話が続く。

『Real GDP expanded at a 3.0 percent annual rate in the fourth quarter of 2011, the fastest growth since the first half of 2010. The average monthly job gain was 212,000 in the first quarter of 2012, up from 164,000 in the fourth quarter. Sales of light-weight motor vehicles were about 14-1/2 million at an annual rate in the first quarter, the best quarter for vehicle sales in four years. Survey measures of business activity have rebounded from their dips in the middle of last year, and are now at levels that typically indicate solid overall growth. Even housing starts have firmed somewhat in the last few months, although they remain at depressed levels.』

全体的に景気の良い話ですが・・・・・・

『While these developments are certainly encouraging, it is still too soon to conclude that we are out of the woods. To begin with, the economic data looked brighter at this point in 2010 and again in 2011, only to fade later in those years.』

ということで、さっきのまとめと同じ展開である(つーかまとめの部分と同じ展開なのは当たり前だが^^)。

『Moreover, the United States experienced unusually mild weather over the first quarter, with the number of heating degree days more than 20 percent below the average of the preceding five years, which may have pulled forward some economic activity and hiring.』

『In this regard, the somewhat softer March labor market report that was released last Friday may reflect the earlier positive influence of the mild weather on job creation in January and February, although other less sanguine interpretations are also plausible. We thus will need to see more data to determine the extent to which the March data represent a transitory weather-related setback.』

でまあこの部分がほほーという感じなのですが、暖冬が雇用を押し上げた可能性についての判断が必要という論点でして、1月2月が妙に押し上げられていて実は雇用拡大のトレンドが思ったより強くない可能性というのと、3月が単に反動で伸びが良くなかっただけでトレンドとしての雇用拡大が続いているのかという点を今後の雇用統計を見ていく中で確認していく必要があるという話を出されますと、このロジックを持ち出すという事は少なくとも3月雇用統計一発で追加緩和を打ち込むというのは話としてはややおかしいですよね、という事になるのではないかと思うのですがどうでしょうか。勿論6月の追加緩和(というか長期金利お助け施策?)を排除する話でも何でもないですけれども、少なくとも「この前出た3月雇用統計が悪かったので追加緩和」というロジックには無理があるという話じゃネーノと思う。

『Regardless of the importance of the mild winter in distorting the economic data, real economic activity has yet to be strong enough on a sustained basis to make a big dent in the overall amount of slack in the U.S. economy. While growth was stronger in the fourth quarter, most of it was due to inventory accumulation. Growth of final sales remained quite weak. Historically, quarters in which inventory investment makes significant growth contributions are typically followed by quarters in which that growth contribution is modest or even negative. That appears to be what is shaping up for the first quarter of this year. 』

つーことで、実質的な経済活動については米国経済のスラックを大きく埋めるほどの持続的な強さはありませんがなという話になってきまして、徐々にハトトーンになってくるのだ。

『Based on available data, our current expectations are that real GDP will expand at around a 2-1/4 percent annual rate during the first quarter of 2012.』

2012年の1Qの実質GDP伸び率は年率換算で2.25%程度との予想ですがこの数字は後で出て来るので重要。

『Even with the robust increase of light vehicle sales, overall consumer spending in the first quarter appears to be rising at a similar moderate rate. At the same time, real disposable income has been flat over the past three months, and the large increase of gasoline prices is likely further sapping consumers’ real purchasing power. And growth of business investment spending, which softened in the fourth quarter of 2011, may have been even a little softer in the first quarter of this year.』

とまあそんな感じでイマイチ感が漂う話ですな。

『To put the recent pace of growth into perspective, we believe that the economy’s long-run sustainable growth rate-what economists call the potential growth rate-is around a 2-1/4 percent annual rate.』

ということで実質2.25%というのが潜在成長率と推測される数値とな。

『We need sustained growth above that rate to absorb the still substantial amount of unused productive capacity. Thus, our recent growth rates are barely keeping up with our potential.』

つーことで、経済のスラックを埋める成長を目先では見込んでいない、という話でもありますので、そういう意味あいからは緩和政策の継続という結論になるんでしょうなあという事で、もちろんこちらの講演はタカでも無い、というのが結論になろうかと思います。
 


お題「3月決定会合議事要旨ネタと言いつつあたくし的雑感を混ぜています」   2012/04/16(月)08:15:42  
  ふむ、東京時間はあまり反応してなかったように見えた中国GDPネタだが海外時間になってスペインとの合わせ技一本になったのですか、よー知らんが。

で、3月会合議事要旨である

[外部リンク]
 


お題「金融経済月報は微妙にアレな部分があったりする/オペ技術論的雑談」   2012/04/13(金)08:02:24  
  ううむ、景気見通しが悪化したら追加金融緩和というのは当たり前の話の筈なんだが、それでQE3期待がどうのこうのというのは市場がそっちに行きたがっているのと、FEDも長期金利上げたくないからその辺を口先介入しているというのの阿吽の呼吸状態なんだろうなあ。と発言の中身を見ないで言ってみるけど、内容は週末に読む。

○金融経済月報である

[外部リンク] 359,200

13日の資金需給見込み
[外部リンク] +27,900

とまあこんな状態でありまして、今日には当座預金残高が38兆円ペースに乗るという状態になっておりまして、まあ要するに資金需給ってそれだけぶれるんだから単月の当座預金残高がどうのこうのとか一々言うかねとも思いますが、このように当座預金座残高が積みあがって余剰資金溜まって来ますと(特に6か月の)固定金利オペに応札するインセンティブが下がってくるという問題がある訳です。つまりですな、資金需給的に余剰資金が溜まる時期になる(あるいは近づく)と固定金利オペ残高の目標を達成する為に金利入札オペを抑制的にしないといけないとかアホウな問題が発生するのでございまして、何が何やら状態になるのですな。

今後は買入系のオペの残高が増えてくるのも当然ながら資金需給には効いてきますので、そうなりますと固定金利オペの残高維持が益々窮屈になり、固定金利オペ残高維持の為に資金供給オペの実施がやりにくくなるとかどう見ても本末転倒です本当にありがとうございましたという展開が見え見えな訳でございまする。つーかもう見えているけど。

つまり何が言いたいのかと申しますと、元々は固定金利オペからスタートしているから仕方ない部分はあるのですが、買入系のオペが拡大されて行く中で固定金利オペの存在理由も存在するメリットも低下している、つーか足元では邪魔化している訳でございまして、この固定金利オペに関しては純粋にオペ技術論として考えた場合に見直すというか、実施額の大幅削減をするのが必要じゃないですかねえと思うのですよ。まあ極端に言えば固定金利オペ全廃して金利入札オペに戻して、その一方で買入系に回せばとか思いますけれども、さすがに35兆は中々しんどいでしょうなあとか思うと、固定金利オペの増やし過ぎはどう見ても失敗だったなあという感じになって参りました。

つーても、この状態って後になるほどしんどくなってきそうですから、4月会合とは言いませんけれども、どこかのタイミングで基金オペの内訳見直しとかをした方が良いのではないかと思いますです、はい。

という何が何だか判らない雑談で恐縮至極。
 


お題「総裁会見(引用増量企画)/その他メモ」   2012/04/12(木)08:03:10  
  ・ということで誰も受け取ってくれないボール投げ発言

『(問) 政府との関係についてお伺いします。消費税増税の法案には、成長率を努力目標で入れている。一方で、国家戦略室がデフレ関係の閣僚会議を開いて、総裁もオブザーバーとして参加されるというように、色々協力が求められるようになっています。あるいは、圧力という言い方もあるのかもしれません。その「政府との協力」について、どのようにやっていかれるのかについて、お考えをお聞かせ下さい。』

『(答) ご質問の中にあった国家戦略会議で、デフレ脱却等に関する新たな会議の開催が決まったこととの関係でお答えした方が良いと思います。もちろん、ご質問の趣旨は理解しましたが、かなり抽象的な問題意識も沢山おありと思いますので。』

『日本銀行として、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することは、極めて重要な課題であると認識しています。そうした認識を持って、私どもとしては、現在、強力な金融緩和政策を展開しています。同時に、わが国経済は現在、急速な高齢化のもとにあり、この状況に対する社会全体としての対応が遅れている結果、趨勢的な成長率が低下しているという、長期的・構造的な課題に直面しています。このことが、日本のデフレの問題の根源にあると思っています。そういう意味で、繰り返しになって恐縮ですが、成長力の強化と、金融面からの下支え、この両方が不可欠であり、関係する当事者、つまり、企業、金融機関、政府、日本銀行が、それぞれの役割や持ち場に則して、全力を尽くしていくことが大事だと思っています。』

ということで、まあここで「繰り返しになって恐縮ですが」とあるように何度も成長力強化の話をしている訳ですが、これがまた残念な事にボールを投げてもそもそもそこの趣旨が報道ネタにもならないという所が日銀カワイソスではありますけどにゃ。

『国家戦略会議には、昨日も出席しました。新たに開催される会合では、デフレを生みやすい日本経済の構造に関する検討が行われると聞いています。日本銀行としては、日本銀行としての職責をしっかり果たすと同時に、こうしたデフレを生みやすい日本経済の構造に関する検討が行われ、しっかりとした取組みが政府からなされることを、強く期待しています。成長力の強化について、今般、日本銀行は更なる措置を講じ、その結果、大口・小口、外貨・円貨、それからABLと、色々な道具を揃えました。こうした成長力の強化という面でも、中央銀行の立場から、出来ることはしっかりやっていきたいと思っています。』

とりあえずまあ言いたいことは判るのですが、たぶんメッセージは全然伝わっていないと思われるのがテラ残念。


・金融政策の効果がどうのこうのとかアラン・ブラインダー的な「自分の尾を追う犬」的な論点とか

『(問) 金融緩和の効果に関してお伺いします。もちろん、金融政策の効果に関しては、時間がかかることは分かっていますが、2月の直後、総裁をはじめ審議委員の方々がそれ相応の効果があったことを認めておられるように、米国経済の明るさと欧州の金融市場の安定によって為替市場でも円高が修正され、株価も上昇し、マインドも改善するような動きがしばらくあったかと思います。これが、先程言及された先週の雇用統計を受け、米国での追加的な金融緩和期待、金利差の縮小、それによって円高修正の動きが再び円高方向に振れたり、株価も一頃は1万円を超えていたのが、ここへきて下がっています。先日の短観をみても、やはり円高の修正や株価の上昇がすぐには経営者のマインドには影響していないと思いますが、その辺を含め、2月の金融緩和の効果が減衰しているのかどうか、お伺いします。』

まあ比較的丁寧な質問ではありますが。

『(答) 金融政策の効果について、金融市場での価格の変化に力点を置いたご質問かと思います。金融市場における為替あるいは株価の動きは、経済に影響を与える1つの要因です。しかし、この金融市場における価格形成については、日本銀行の金融政策だけでなく、様々な要因で変動するものです。従って、金融市場の変化と金融政策のスタンスを、いわば1対1で対応付けて考えることは、必ずしも適切ではないと思います。』

まあそらそうなのだが、為替市場とか株式市場とかのクレクレは残念ながら1対1対応状態なのが残念である。しかもまあついこの前まで「2年金利ガー」とか言ってたのに急に最近になってマネタリーがどうのこうのとか言い出す連中ですしねえ。で、更にこの続き。

『前回の記者会見で、2月以降の為替あるいは株価の動きについて、基本的には、世界的なリスクオンの流れの中で生じているということを申し上げました。振り返ってみると、世界経済を考えていく上で最大のリスク要因は欧州の債務問題でしたが、これが最も深刻であったのは、昨年11月から12月でした。その後、欧州のリスクは少しずつ緩和され、現在は、大きくみればテイル・リスクが後退しています。そうした中で、従来、安全資産として買われていた円から、それ以外の資産へのシフトが生じたことがまず基本的な流れであり、そうした大きなリスクオンの流れの中で、日本銀行の金融緩和政策の効果もあったと思います。』

ほうほう。

『この数週間の変化でみると、このリスクオンの流れが、スペインの問題、イタリアの問題、あるいは米国の雇用統計の解釈を巡って、また少しリスクオフの流れ、モードになってきていると思います。』

ちょっと待て、おまいら決定会合声明文では「国際金融資本市場も、総じて落ち着いている」って3月から判断引き上げとるじゃろと思うのでありまして、あっちの判断とこの説明の整合性ってどうなのよと思うのですけれども・・・・・・・・・・いやまあ細かいツッコミなのだが気になるわさ。

『私どもの金融政策は、ベースとして金利に働き掛け、これが経済全体に影響を及ぼしていくと考えています。現在、私どもが行っている政策について、よく「非伝統的金融政策」と言われます。確かに、非伝統的な金融政策を行っていますが、効果波及のメカニズム自体は、非伝統的というわけではなく、伝統的なメカニズムです。』

で、その効果波及の伝統的なメカニズムが成長力が失われている結果として弱くなっているのが問題です(だから成長力強化が必要なのです政府もよろしくお願いします)って説明をもっとした方が良いのではないかという感じはするのですけど、まあこの質疑の流れとは関係ないけど・・・・・・

『つまり、短期金利が既にゼロになっているため、長期金利、あるいはリスクプレミアムに働き掛けていくという、金利を通じて影響を行使しているわけです。この面でみると、私どもが基金の買入れを行っているゾーンの金利は低下していますし、それがベースとなって為替あるいは株価へも影響を与えていると思います。(以下割愛)』


というような話をした後に、アラン・ブラインダー氏の言う「市場の尾を追う犬」の論点の話がございまして、別の質問の後半部分から。

『(問)(前半割愛)2点目は、2月の決定会合における物価上昇の目途と追加緩和の効果について、その後、非常に円安なり株高が進んで、効果が出ていると、マーケットなり政治家なり、国民の中では受け止められていると思います。それにより、もっと日銀が緩和すればいいではないか、効果があるからもっとやれ、という声が非常に強まっていると思います。それに応じて、逆にやらないことが失望感を強めかねない状況に陥っているように思います。そうした現状について、どのように受け止めておられるのかお伺いします。』

『(答)2点目については、先程、2月の政策変更による金融緩和強化以降の金融市場の動きについてご説明しました。この間、金融市場に影響した一番大きな要因は、何といっても欧州債務問題が改善し、リスクオンのモードに切り替わっていたということだと思います。一昨年秋に包括緩和を始めて、基金を設けて以来、4回に亘り基金を増額しました。全部で5回の措置の後のマーケットの反応をみると、非常にはっきりしていますが、例えば円安・株高の方向に向かっている時もあれば、そうでない時もあって、全体として必ずしもそこに1対1の関係があるわけではありません。』

そらそうや。

『ただ、為替なり株価の当面の反応は別として、私どもが金利に働き掛けることにより、そのことが経済全体に対して影響を及ぼしているものと判断しています。マーケットの短期的な反応だけをみて金融政策を運営すると、長い目で見た経済の安定ということにむしろ背馳することも多いと考えています。あくまでも軸足は、物価と景気の姿をみて政策運営を行っていくということです。』

自分の尾を追う犬という論点です罠。

#他にも色々ある(今回の会見要旨18ページもある)のですが、まあこんな所で量もアホのように多くなったので勘弁


○時間が無くなったのでメモだけ

・輪番オペが既に3回目とな

昨日は輪番オペがあった訳ですが、月に4回実施する輪番が何と今月は前半のうちに3発実施。

・・・・・・でまあ何でですねんという話ですが、こらまああたくしの想像の世界ではありますが、恐らく単純にカレンダーの関係と国債決済期間のT+2化移行が絡んでいると思います。

つまり、そもそも論として受渡しが月末跨ぎになる買入系のオペは避けられる傾向にある(連休絡むと更にそうなる)のでそもそも今月の場合最終週にオペ入れるにしても前半にしか入れられないというのがあり、更に23日約定から国債決済期間のT+2化が開始になるので、その移行に絡んでフェイルが増えたりするような事が無いとも言えないので、とりあえず今月は23日以降の約定を避けてみましたという事(23日約定と決済日が同一になるから20日の約定も避けるような気がする)で、その結果としてまあ日程上3週間で4回輪番やらないといけませんなという事になったのではないかと愚考致します。

というメモでした、いやお友達と話しててそんな結論になってみたんですが、実際の所どうなのか誰か知ってたら教えてつかーせ。
 


お題「総裁会見(引用増量企画)/その他メモ」   2012/04/12(木)08:02:42  
  武者先生、株で曲げるからって債券方向のお告げを出すのはお願いだから止めてくださいませ。というかこのお告げはあまりにもオソロシスなのですけど・・・・・・((((;゜Д゜))))
[外部リンク] 今月、追加の金融緩和を見送られたわけですが、このままいくと2月に設定された物価上昇率1%という目途、事実上のインフレ目標は達成できるとお考えなのかを伺います。また、以前から、デフレ脱却に真剣であると繰り返しおっしゃっていると思いますが、改めてこの気持ちは変わっていないかを教えて下さい。』

『(答) 日本銀行の金融政策の基本スタンス、つまり、デフレから脱却し物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することが極めて重要であるという政策の基本スタンスは、一貫して変わっていません。金融政策を運営していく上で、先行きの経済・物価の見通し、これが一番基本となる要因です。この点について、本日の決定会合でも入念な点検を行いましたが、次回の決定会合は展望レポートの会合ということで、特に念入りに点検し、そうした経済・物価の見通しに基づいて適切な金融政策を行っていきたいと考えています。』

ということで、まあこちらではタイムホライズンの話は避けて、その代わりに次回の金融政策決定会合での念入りな点検云々とまあサービス発言。

『(問) 1%の達成は可能とお考えですか。』

『(答) 1月の中間見通しでは、2012年度についてはプラス0.1%、2013年度についてはプラス0.5%という見通しを公表しました。この見通しがどういう計数になるかということについては、次回展望レポートの作成作業の中で検討し発表していきたいと思っています。大事なことは、物価がどういう方向に向かっているかということだと思います。日本の経済が緩やかなデフレ状態になって、長い期間になっているわけですが、そうした長いプロセスを経て現在の姿があるわけです。従って、この先の経済・物価がどういう方向に向かっているのかということが大事なわけですが、物価情勢をみると、2009年の夏から秋、この時期が一番悪かったと思います。これは、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比、刈込平均の物価指数の前年比、あるいは消費者物価指数の中で上昇・下落の品目数の差など、様々な数字からみると、今申し上げたようなことが言えると思います。そうした状況と現在を比較してみると、確実に物価情勢が改善していく方向になっています。先行きの見通しについては、こうした物価の動きがどのように改善していくのか、しっかり点検していきたいと思っています。』

ということで確実に改善方向になっているそうですが、まあ随分と時間が掛かりそうな話ではありますなあ(棒読み)という気はしますがね。んでもって更にそのちょっと後にこんなツッコミが。


『(問) 今月下旬に展望レポートが出ると思いますが、このレポートで示す物価上昇率の見通しに関して伺います。現時点で、2013年度の物価上昇率の見通しは0.5%ですが、今月下旬のレポートで「物価安定の目途」としている1%に届かない見通ししか出ない場合には、デフレ脱却の姿勢を明確に示すために、追加金融緩和を含めてきちんとした姿勢を示さないといけないなど、具体的な手段を含めて、こうしなければいけないというお考えをお持ちかどうか、お聞かせ下さい。』

ニヤニヤ。

『(答) 決定会合における金融政策の議論は、毎回その時点での経済・物価・金融のデータに即して判断するものです。現時点で、次回会合での決定について予断を持つということは、慎まなければいけないと思っています。大事なことは、経済・物価の軌道が望ましい方向に向かっているかということです。私どもとしては、この1%の実現を目指して、金融政策の面から強力な金融緩和を行っていくという方針を既に明らかにしています。このような物価の望ましい姿を実現していくためには、成長力の強化と金融面からの下支え、この両方が不可欠です。』

とまあここら辺までが次回の金融緩和拡大の有無に関する発言。

『それから、物価上昇率と金融政策の関係ということでは、おそらく、ご質問の方の問題意識には、いわゆるインフレーションターゲットの導入国における金融政策の運営があると考えます。例えば、英国について考えてみると、目標が2%で、その上下1%を超えて物価が変動している場合には財務大臣に対して公開書簡を出すというシステムになっていますが、現在、英国では、3%を超えた状態が長く続いています。しかし、2%の達成に向けて短期間に急激な金融引締めを行うことは避けています。』

ふむ。

『日本銀行としては、英国とは方向は逆ですが、望ましい姿を実現していくこと、「どういう方向に向かっているのか」ということ、それが非常に大事なポイントだと思っています。』

ふーん(棒)。

『いずれにせよ、今申し上げたことは、次回の会合での政策決定の具体的なあり方についてコメントしたわけではなく、基本的な考え方として、成長力の強化も大事であるということ、それから、短期間に一気に実現するということでは必ずしもないとすれば、「どういう方向に向かっているのか」が大事だということを、申し上げた次第です。』


・目途達成のタイムフレームがどうのこうのに関する質疑

まあさっきの部分でもその手の話がございますが、より具体的な質問がその後に。

『(問) 次回の展望レポートについて、少し整理させて頂きたいと思います。展望レポートは、経済成長や物価の見通しを示すものだと理解していますが、その一方で、最近、2月に示した「目途」について、具体的にどのようなステップを経て1%を達成していくのかということを日本銀行に示して欲しい、という声もあると思います。そうした中で、今月下旬に展望レポートを公表するということですので、具体的な「道筋」を示して欲しいという声が出ていることに対して、展望レポートの作業の中でそういう声に答えることを考えていく必要があるのかについて、総裁自身はどのように整理していらっしゃるかを教えて下さい。』

まあそんなのを示されたら苦労せんわという所でしょうけれども。

『(答) 「道筋」というものが多少文学的なので、どのようにお答えしていいか分かりませんが・・・。従来もお示ししていますが、2012年度と2013年度にどのような物価上昇率の経路を辿っていくのか、あるいはその見通しを巡って委員の間の見通しがどのように散らばっているのかということを、数値あるいはグラフでお示しすると同時に、なぜそのような違いがあるのかについての分析または見方についても、従来から行っているように丁寧にしっかりと説明をしていきたいと思っています。』

要するに「それが示されるようならこんなに苦労してませんわ」という事ですねわかります。

『物価の動きを規定するもう1つのファクター、すなわち、成長力の強化という取組みがどうなっていくのかについては、これは日本銀行自身が直接操作できる変数ではありませんので、ここについては、日本銀行としての独自の見通しを置くのはなかなか難しいわけですが、定性的にはそうしたことも物価のパスには影響していくということは、再々申し上げている通りです。』

という部分がよーするに政府とか政治方面に対してボールを投げている話で、実はこの前の部分でもうちょっと切々と(かどうか知らんが^^)主張している部分があるのですがそれは後で引用致します。

更にこういう質問も。

『(問) 2点お伺いします。1点目は、先程の質問にあった1%の目途の件ですが、どういうタイムホライズンか、一体いつまでにできるのか、ということです。中長期ということについて、先程、遠い先のことではなく、持続的に1%の物価上昇を見込める状態をつくりたいというお話でしたが、どういった道筋で、いつできるのかという疑問が、非常に多いと思います。そうしたきちんとした具体的な目途というか、時期的なものを、今後出していくお考えがあるのかどうかについてお伺いします。(2点目は割愛)』

『(答) 1点目の時期的な目途については、先程、別のご質問で答えたつもりです。どの中央銀行にとっても、望ましい状況を実現していく、そのタイムホライズンの長さは、非常に大事な要素です。先程、英国の例を申し上げましたが、FRBの場合について考えてみると、FRBはデュアルマンデートで、物価の安定と雇用の最大化が目標です。FRBの現状見通しでは、先々3年経っても望ましい状況に到達しないという姿です。そうであるからといって、機械的に政策を運営しているわけではなく、どの程度のスピードで望ましい状況を実現していくかということ自体を、中央銀行が判断しているということです。必ずしも機械的に行っているわけではないということです。日本銀行の行っている政策についても、できるだけ誠実に、望ましい姿へのパスを示していきたいと思っています。』

と、今度は(あたくしもさっきネタにしましたが)FEDのSEPをネタに出してそんなタイムホライズンを具体的に示せるなら苦労せん罠という説明をしているのですが、はてさてこういう話って「道筋ガー」とか言ってる人に通じているのかねという疑問はある。正直各国中銀のこの手の文書とか声明文とか講演とかを散々趣味のように(というかほぼ趣味の世界の物好き状態だが^^)読んでいるあたくしだからこの説明受けてもその通りですなあとか思うのですけれども、そもそも「インフレ目標ガー」とか言ってる人たちってその辺の海外との比較とかになると日銀にいちゃもんつける為に都合の悪い部分は知っててやってるのか知らないでやってるのか知らないけれども華麗にネグってしまうのがアレですし、大体からして金利市場以外の人たちは相変わらず(今日のモーサテでもやってましたが)ピントの外れた金融政策論議をして更に議論をややこしくしている次第で、まあ困ったもんですなあとか思いますです、はい。

#ま、しょうがないから「株式向け」とか「為替向け」のアナリスト説明会でもやったらどうでしょうかとか思いますけどねえ

でもってその後に玉投げ部分の発言がある訳ですが。

『しかし、先程申し上げた通り、金融緩和からの下支えと、様々な成長力強化の取組み、この2つがあって初めて実現するものです。従って、日本銀行だけでいついつに完成します、と明確に示せるというものではなく、私どもとしては、ある程度の姿を示していくということです。そして、できるだけ早く実現していきたいという思いは、もちろん再々申し上げている通りです。』

まあ玉を一生懸命投げても誰も受け取ってくれないのはカワイソスですけどにゃ。
 


お題「決定会合レビューおよび関連雑談」   2012/04/11(水)08:02:59  
  ○ドル特則の詳細決定

[外部リンク] InterBank Offered Rateをいう。以下同じ。)を適用し、それ以降返済期日までの間は、6か月経過時における米ドルの6か月物LIBORを適用する。

5.貸付金額
貸付金額は、貸付先の希望する額とする。ただし、その金額は、基本要領8.の規定にかかわらず、6.に定める貸付限度額および当該貸付先が差入れている共通担保の担保余裕額相当額を超えることはできない。

6.貸付限度額等
(1)貸付総額の上限は、基本要領9.(1)に定める貸付総額の上限とは別に、120億米ドルとする。

(2)貸付先毎の貸付額の上限は、基本要領9.(2)に定める貸付先毎の貸付額の上限とは別に、10億米ドルとする。

7.貸付受付期限

6.(4)に定める貸付限度額算出の根拠となる時点は、借り換えにかかるものを除き、平成26年3月31日以前に限る。

(附則)
本措置は、本日から実施し、平成30年6月30日をもって廃止する。』


てな感じで一部拾って引用しましたが、まあ要するに6か月LIBORで最長4年程度の貸出をしますよという話で、対象が外貨建ての投融資に関わるものという、大体3月会合で示された骨子にあるような内容。全体で120億ドルまでということで、現在の為替換算で概ね1兆円程度という話でございますな。

まあ以前政府の出した総合円高対策の日銀バージョンみたいなもんですが、日銀の場合はJBIC経由での貸出とかではなくて、金融機関相手の貸出になるので日銀的には金融期間相手のリスクを取っているという話ですし、そもそも共通担保を担保として取るので、まあ円建て担保でドル貸しますよ系の話ではありますわな。

特段どうという話でも無いようなあるようなという所ですが、一つ言えるのはこれで日銀が昔から持っているドル資産が財務省に移管とかしにくくなりましたねという所ですわな。


○何故か今回は宮尾審議委員が追加緩和提案見送り

声明文ですけど。

『1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(全員一致(注))。』

脚注ではこうですな。

『(注)賛成:白川委員、山口委員、西村委員、宮尾委員、森本委員、白井委員、石田委員。
反対:なし。』

・・・・・・・・宮尾審議委員は何で今回追加の資産購入提案をしなかったのか理解に苦しむ。



○総裁会見についてはテキスト出てから詳しく書きますが簡単に

[外部リンク]
更新日時: 2012/04/10 18:19 JST

『4月10日(ブルームバーグ):日本銀行の白川方明総裁は10日午後、定例記者会見で、27日の次回金融政策決定会合について、経済・物価の見通しを「特に念入りに点検し、そうした見通しに基づいて適切な金融政策を行っていきたい」と述べた。』(上記URLより)

ということで、今回の総裁会見のベンダーヘッドラインを見ておりますと、概ね「次回に〜」「次回に〜」の連発でありまして、まあ次回の政策決定会合に向けて点検しますよとか展望レポートは大事とか、普通に読むと次回の会合で何かそれらしいことをしましょうかねえというのを示唆する内容って感じですわな。

例えばブルームバーグ(プロフェッショナル版)の日銀関連のヘッドラインを一部だけ引用するとこんな感じである。ちなみに決定会合後の定例記者会見のエンバーゴが外れるのは16時30分でございます。

16:31 JBN *日銀総裁:次回会合では特に念入りに点検し適切に政策運営
16:32 JBN *日銀総裁:物価上昇1%めどに強力に金融政策を推進する
16:34 JBN *日銀総裁:次回会合の判断を予め予断持つのは慎む
16:34 JBN *日銀総裁:展望リポートは非常に大事

というような感じで、これを見てまあ債券先物は7銭位上がった(まあ誤差とも言えますけどね^^)のですが、英語のヘッドラインを見ますと(まあ正しくはロイターととか時事とかのヘッドラインも見ないといけない訳ですが)こんな感じ。

16:32 BN *SHIRAKAWA SAYS WILL TAKE APPROPRIATE POLICIES
16:32 BN *SHIRAKAWA : WILL CAREFULLY EXAMINE PRICE OUTLOOK AT NEXT MEETING
16:33 BN *SHIRAKAWA SAYS NO CHANGE TO EASING TO END DEFLATION

とかなんとかいう感じでして、日本語のヘッドラインで出てくるニュアンスだともう「次回が〜」の連呼なのですが、英語だとあんまりそういうニュアンスがヘッドラインでツタワランチ会長だったせいもありまして、ドル円市場を(債券先物もそうですよ)16時半前から目を皿のようにして見ておった訳ですが、会見公表前の水準が大体81円10銭近辺で、その後81円00銭近くまで下がったものの、結局はあまり動かずでおそらくニュース詳細が出た辺りでは81円20銭とかその辺りまで反応している、という感じでして、まあこれまた誤差ともいえる数字ではございますけれども、今回の総裁会見は特段台無し発言も無かったようで誠に結構。


○ということで市場の反応らしきものメモ

えーっとまあ昨日の市場ですけれども、決定会合の結果は12時09分に出た訳ですけれども、その前に何故か81円70銭とかにイントラデイで円安になっていたのですけれども、その後20銭程度円高に振れましてまあそうだろうなあとか思っておりましたら14時過ぎ位だったような気もしますが、まあ欧州勢がもさもさと起動する時間帯と思われる頃には81円30銭とか20銭とかになっておりましたなあという所でしたわな。

んでもって総裁会見に対する反応は上記の通りで、一瞬円高になりかけたものの、会見内容が伝わるとまあ誤差の範囲内で円安気味という感じではございましたという所ではないかと思います。

株価は思いっきり為替連動みたいな感じに見えました。まあ引け後にソニーだのシャープだのがお洒落な決算を出しやがりまして、おまけに欧州債務問題ガーのネタ復活で今日はあばばばばーの悪寒がしますけど、まあそれは本当は金融政策決定会合と関係ないのですが、ど〜せ鬼の首を取ったように言い出す人がいるんでしょうなあ〜というのに百万ドラクマ。

債券市場が一番ワケワカランチ会長だったのですが、上記のように昼休み中に結果が出た訳ですけれども、後場の寄り前にいきなり業者間スクリーンのビットがポコポコ叩かれて先物は前場から10銭位下で寄る有様。実はお友達から「何でこんなに売られてるんだよ〜」と電話を受けて最初債券じゃなくて為替の事だと思っていた位に寝ぼけたあたくしなのでございましたが、そもそもここから先の追加緩和って量的緩和とかの世界なんですから追加緩和が即長期金利低下につながるのかどうかって怪しいだろとか思う(瞬間芸では金利低下で反応するでしょうけれども中期的に見た場合に、って話ね)のでありまして、わけわかんねーとか思ってたらその後は引けに掛けて絶賛上昇ブルフラットとなって、まあ良く判らん反応ではございましたことですよ。


○ということで何か違う気がするのだが

先週末の米国雇用統計の流れに加えて欧州債務問題ガーとか言ってNYダウ様が今朝も絶賛下落という事で、NYではドル円が80円台で戻った訳ですが。

[外部リンク] Stability関連のもので、金融政策に関する話はスルーでした)けれども、まあ日銀会合と総裁会見の前後の動きを見たらこういう話になると思うのですが・・・・・


共同通信から。
[外部リンク] 01:07 【共同通信】

『【ニューヨーク共同】10日のニューヨーク外国為替市場は日銀の追加緩和見送りを受けて円買いドル売りが先行し、円は一時、1ドル=80円85銭をつけて3月上旬以来、約1カ月ぶりの円高水準となった。円は対ユーロでも一時、105円台をつけ、約1カ月ぶりの高値となった』(上記URLより)

ロイターから。
[外部リンク] 04月 11日 06:22 JST

ということで、何かロイターと共同はこういう話をしているのですが、さすがのモーサテも今日は追加緩和見送りガーとかいう話してません(そもそも先ほどの総裁会見にあるように次回会合での追加緩和のようなものについて、それなりにサービス発言が出ている訳でございますし・・・・・・)次第で、たぶん決定会合前後および総裁会見前後の動きを見ますとそれ以外の要因で動いたんじゃネーノと思うのですけどねえ。

どうもロイターと共同は追加緩和煽り報道をする傾向にあるようで、まあ正直ロイターはベンダー代が高いのでブルームバーグとの2択を迫られたら当然のようにカットするから普段見ない(ので精神衛生には良いが悪態ネタに困る^^)のですけれども、共同はブルームバーグとかからヘッドラインが流れてくるので(-_-メ)。

[外部リンク] 19:02 【共同通信】

というか会見では「市場の細かい動きに一々対応するのは如何なものか」という事で、かつてアラン・ブラインダーFRB副議長が指摘していた「市場との対話は大切だが、市場との対話を重視しすぎると『自分の尾を追う犬』となってしまうリスクがある」(だいぶ意訳)というような話をしているのですが、このニュース最初共同がベンダーに流していたヘッドラインには「過度の」が抜けていまして、「日銀総裁、緩和期待をけん制」とかどう見てもお前それは違うだろうというヘッドラインを流していて盛大に画面に向かって突っ込んでしまったのはあたくしでございます。

あのですな、その追加緩和煽りと日銀は追加緩和に消極的という方向にバイアス掛ける報道って何考えてやっているのか知らんですけれども(というかだいたいわかるが)、アジビラ作成業じゃないんだからもっと淡々と報道して頂きたいと思うのですよね。

その反動であの筋の悪い日銀審議委員反対騒動とか日銀法改正のネタとかが飛び出してくるという環境つくりにも手を貸しているという点で言えば共同通信様におかれましては(以下猛烈に悪口雑言になるので自主規制)。


○これは予想通りのクオリティですが相変わらずヒドス

[外部リンク]

『4月10日(ブルームバーグ):民主党の宮崎岳志衆院議員は10日、日本銀行が同日の金融政策決定会合で追加の金融緩和を見送ったことについて「誤った判断だ」との認識を示した。見送りが満場一致だったことに関しても「政策委員会の構成が不適切であることが裏付けられた」と指摘した。』(上記URLより、以下同様)

『追加緩和見送りについて  「大変、遺憾だ。誤った判断だと思っている。2月に行った緩和効果がはげ落ちようとしているわけだから、インフレのめどを設定した以上は、それを達成するためにここは緩和すべき場面だ。市場の期待を裏切るし、マーケットとの対話に完全に失敗している」』

・・・・・・まあ予想通りの反応なのでこんなもんでしょうとは思いますが、2月に行った緩和効果がはげ落ちようとしているとか、金融緩和の効果を株式市場と為替市場の短期的な値動きだけで判断されても困るのですけどねえ。大体からして株にしたって為替にしたって一義的に金融政策で動く訳では無くて、他にも色々なファクターで動くもので、足元では欧州債務問題のスペインへの再点火とか、年初来あまりにも調子が良すぎた米国経済指標の反動とかがあると思うのですが、それを捕まえて「金融緩和効果がはげおちようとしている」とか何なんでしょうかね。


そらまああたくしらは市場で飯食ってますから市場の動きで一々ああだこうだ言いますけれども、本来金融政策の効果というのは資産市場とかじゃなくて実体経済に対して波及させるものであって、しかもその効果っていうのは半年とか1年とか良く判らないけど時間的ラグをもって波及するもので、株価の動きを見て「緩和効果がはげおちる」とかムキーッとなるとかどんだけ近視眼なんだよというかどこの株屋の回し者だよと思う次第。大体からして最近出た経済指標だとCPIも上がったし景気ウォッチャー調査も上がっているんですけどその辺はスルーで株価と為替だけ見て効果ガーですかそうですか。

つーか、「市場の期待を裏切るし、マーケットとの対話に完全に失敗している」とか昨日の市場の反応のどこをどう見るとそういう結論になるのかさっぱり判らんのですけれども、勝手に市場を持ち出さないでくれよとか思いますわ。

為替が1円動いたとかで一々大騒ぎして追加金融緩和しろとか決定会合の度に言ってたらキリが無いにも程があるだろアホウとか思うのでございまして、まあ結局の所その辺のクレクレというよりは最早その筋の方のベンツに車ぶつけたかのような反応をするゆすりたかり的なのに一々対応してたらゆすりたかりが更にエスカレートするがなと思いますので、まあ淡々と次回に追加緩和のような物をするというので宜しいんじゃないですかねえと存じます次第でございます。

何か他にも悪態いう積りだったのですが忘れたので(アホです)今日はこんな感じで(^^)。
 


お題「決定会合レビューおよび関連雑談」   2012/04/11(水)08:02:27  
  公共放送ニュースによりますと、お縄先生は「政権交代の味を民主党は国民にまだ十分に与え切っていない」と仰せだった、と石井一さんが仰っておられますが、これ以上味わうのは勘弁なんですけどねえとは思うものの、最近は貧すりゃ鈍すを地で行くように自民党が野党時代の民主党以上に劣化しているのでまあねえ・・・・・

という訳で(どういう訳だ)決定会合レビューである

#公共放送ニュースネタ追記だが、7時台の公共放送ニュースで景気ウォッチャー調査の話題をして景気の良い話をしているしているのにちょっとビックリ


○声明文比較でござるの巻

まずはお約束の声明文比較。

[外部リンク]
 


お題「大体雑談で恐縮ですが」   2012/04/10(火)07:46:28  
  金利の市場が今回の決定会合を全然ネタにしていないのにモーサテの為替と金利のコメントの人が注目ポイントを「日銀金融政策決定会合」としてるのは何ですねん。つーかお前ら勝手に注目するのは良いけどちったあ勉強しろよとか思うのですけどねえ。ま、さすがに散々悪態ついたのが聞こえたのかどうか知らんが、「今日何も無かったら円高株安で大変です」コメントが無かったのは少々進歩したわと思いましたがwww

そして公共放送の世論調査の内容を見てまた血圧ががががが。
[外部リンク] 23時35分



○オペ関連雑談

オペ関連のネタが色々とあったのにスルーしまくっていましたのでまとめてメモをしておきます。

・社債買入オペ貫録の札割れ

先週金曜の資産買入等基金による社債買入ですが・・・・・・

オファー
[外部リンク] 2,000 2012年4月12日

結果
[外部リンク] 772 772 0.000 0.003

ということで貫録の大幅札割れとなったのですが、前回の3月9日は2165億円の応札があったのでいきなりずいぶん減りましたなという感じでございますが、単に応札可能玉の問題か期初のせいなのかは良く判りませんが、それにしても前回対比で結構応札減りましたの。

でまあしつこく申し上げておりますように、このオペレーションに関しても残高は基本的に目標額としておいております関係上、札割れが続くとマズーな話でございまして、これが恒常的になるようですと、オペのオファー頻度を上げるしかありませんけど、それでも足りない場合は何等かの振替措置を取ることになるかどうかという話になろうかと思います。

まあそれで国債買入増やしたら喜ぶ人いるからそれはそれで目くらましに宜しいんじゃないですかねとか思いますけどにゃ。


・共通担保金利入札貫録の残高ゼロとか基金共通担保オペとか

先日ネタにした金利入札方式の共通担保オペですけれども、順調に(?)期落ちをロールしなかったのでめでたく先週水曜日に金利入札方式の残高ゼロと相成りましたけれども、足元では2月21日の国債償還要因に加え、年度末から年度初にかけての財政払い(交付税とか諸々の財政執行による)によって資金需給が余剰に振れて、3月前半に11兆円あった共通担保金利入札方式のオペ残がゼロになっても(その間に6か月物の固定金利オペが1.6兆円打たれているので実質的には足元ではオペ残が前月対比で大体10兆弱減ったイメージ)当座預金残高自体は3月前半よりも10兆円位増えておりますな。

つーことで、足元ではGCレートも多分0.10%をちょっと割る位が実力のようですし、昨日の2か月TBもほぼ0.10%水準(まあまともにロットを買いに行ったら0.10は買わせてくれないでしょ)という感じで、足元は資金余剰感ありありという流れ。

んでもって今後の基金による国債と短期国債買入の拡大が待っておりますので、今月はそのまま余剰で推移するので共通担保オペの金利入札は(もしかしたら国債決済期間短縮対応で新しくメニューに加えた本店オペ先日付方式の午前中オファーというのを事務周りの練習を兼ねて実施するかもしれませんけど)入れにくい状態が続くでしょうな。

つーかですな、資金の余剰感が強いので、共通担保の固定金利方式の方も中々こうあっぷあっぷでして、3月29日には6か月物のオペが8760億円応札とか素敵な事になっていましたが、先週金曜の3か月物オペも応札が9445億円とかになっていまして、これまたオペ残確保大丈夫ですかという感じですわな。

まあこちらに関しては金利入札方式オペの残高を絞ったりして(というかゼロにしてますが^^)何とか固定金利オペに誘導するようにしていますけれども、現実問題として資金余剰が溜まってくるとオペ残確保は中々大変ではないかと思います。まあ端的に言ってしまえばメガバンクさんとかに超過準備額を拡大して貰うしかやりようが無いと存じますが、それをやるとゆー事は基金オペに「ご協力」の札をという事に繋がりますが、基金オペの金利というのは最初の作り込みの時点で「固定金利」になっているので、間違って利下げのような事をすると「ご協力の札に対する背信行為」になるのがお洒落というものです(^^)。


・どうでも良い豆知識の整理(誰得豆知識ですが)

ちなみにどうでも良い豆知識ですけれども、ECBのLTROの場合は適用金利は実を言うと固定金利ではなくて「期中のMRO金利の平均」となっていまして、つまり期中に政策金利が変更になった場合、フルスライドでLTROの適用金利って変更になります。また、日銀の実施した施策の中で前回実施した企業金融支援特別オペについてはこれまた期中のコール誘導水準金利の平均となっていましたが、この固定金利オペは何故か期中固定金利に設定されています。

まあ固定金利にしておいた方が、いざ利上げ近しという話になった時に応札がわんさかやって来るという効果がありますし、逆に変動方式にしちゃいますと応札が全然来なくなって(特に長いもの)絶賛大札割れになるというのがあるのと、そもそも途中でコールの誘導目標をレンジにしているので元々の金利水準の設定が出来ませんがなという話でもある(補完当座預金金利にするという手はあるが、通常時は金利コリドアを作る関係上補完当座預金金利での貸出にしたらサービスレートにも程がある)という事で、まあ利下げの可能性を考えないで設定したんでしょうなあという所で。



更にどうでも良いですが、これ書くときに念の為調べた訳ですが。

2009年12月の固定金利オペ導入時にはこう決めたのですけれども・・・・・

[外部リンク] 01:14

えーっと、防災に200兆円集中投資って財源はどこにあるんでしょうか?????
もしかして日銀引き受けでプリンティングマネーでもするってんでしょうか?????

あのね、プリンティングマネーなんて一回やったら歯止め効かなくなるでしょという話で、プリンティングマネーを止めるなんて不人気な施策を民主主義国家で選挙に負けたくない政治家がやりたがるわけがないから、仮に法律で縛ったって次の政権党がひっくり返したらそれまでの話でしょと思うのですけれども、どうやってプリンティングマネーの歯止めをかけるつもりなんでちゅかねえ????????

いやね、民主党のウソツキ財源マニフェストも大概に酷かったですけれども、あれは一応無駄削減だの何だの言ってるだけ脳味噌の内容としては疑いがあるけれども、財政を考えるという意味での意識はありましたわなあ(現状認識は無茶苦茶でしたけれども)という事で、河野さんの日銀審議委員反対の時と同様に野党民主党がやっていた事の劣化コピー、というのも民主党に悪い位に筋が極端に悪化している自民党って何なんでしょと思う訳よ。

しかし何だか良く判りませんが、公共放送では自民党のマニフェストに関してこの200兆円の話が出ていないのが(テレビでも同様)何なんでしょという感じです。

[外部リンク] 政権公約の骨子を発表
4月9日 17時43分

[外部リンク] 消費税率10%政権公約
4月10日 6時7分

まあいずれにせよ、ちょっと自民党の財金関連の議員様たちが暴走し過ぎじゃないですかねえと思う次第で、日銀審議委員人事の一件で金融(というかまあ基本は金利系になるとは思いますが)市場関係者の支持を相当暴落させたと思われますが、更にこの200兆円云々は何ぼなんでもちょっとねえと思いますが大丈夫か自由民主党。


・人のふんどしシリーズ

hamachan先生の所から

[外部リンク]
 

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