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お題「石田審議委員講演/期末でもない末初市場雑談メモ」   2015/07/31(金)08:02:32  
  「2年債(米国)の金利が上昇すれば金融政策(の変更)を意識したドル買いが強まると思われます(キリッ)」とか某モーサテの電話為替コメントの人が仰せだが、マーケットの皆さんが金融政策を意識するから2年債の金利が動くのであって、2年債が動いたから為替市場が金融政策を意識するというのは、「為替市場は金利市場を見ないと金融政策動向を判断できません」と言ってるようなもんなので間抜け感が漂うのですが。いやまあ仰りたい趣旨は分からんでも無いが。


○石田審議委員講演である

ちなみに
[外部リンク]
2015/07/30 16:44 JST

会見の発言要旨とかをベンダーで拝見しておりまして、会見がまたいい感じのようなのですけれども、こちらは質疑の要旨が今日になって出てきますのでそちらを楽しみに待ちたいということで今日は講演ネタで参ります。

[外部リンク] 『次に、当面の経済・物価情勢をみていくうえでの注目点についてお話します。』

ということで・・・・・・・・・・

『まず1点目は、輸出・生産動向です。』

てなことで威勢の良くない方の話がキタコレですな。

『実質輸出は、昨年7〜9月以降、3四半期連続で増加しましたが、4〜6月は年前半における海外経済の減速がややラグを伴って影響したことなどから▲3.6%となりました(図表10)。また、鉱工業生産も、そうした輸出の動きに加え、国内における軽自動車の在庫調整や関連する素材産業の下振れなどから、足もとでは鈍さがみられています。』

ですな。

『こうした輸出・生産のもたつきは、来月に公表される4〜6月の実質成長率を下押しする要因となるとみられますが、問題は、夏場以降、そうした踊り場的な状況を脱し、再び緩やかな増加傾向を辿っていくかという点です。』

ということで、まあここは審議委員の与野党(?)を問わずという所でしょうが、足元4-6の所がパッとしないのはさておき、ここから先の回復(需給ギャップのプラス化による物価上昇圧力)や、執行部シナリオの「賃金から物価への内生的な物価上昇メカニズム」が本当にワークするのか、というのがまず最初の日銀ベースラインシナリオの関門という事になりますな。

『今のところ、輸出・生産とも、米国経済のリバウンドや在庫調整の進捗などから、振れを伴いつつも緩やかに増加していくとみていますが、その一方で輸出面では、中国経済の下振れ懸念と新興国への波及、原油安に伴う世界的なエネルギー関連投資の落ち込みが下押しに作用する可能性があるほか、生産面でも、素材産業における在庫調整の進捗ペースにやや不確実性があります。いずれにしても、想定される下振れリスクに留意しつつ、今後の改善ペースをよくみていきたいと考えています。』

とまあそういうことで、下振れリスク意識チックに見えるのですが、会見での発言をベンダーで見たところではそんなに先行き景気を弱めに見ている訳ではない的な発言があったみたいです。


『2点目は、物価に大きな影響を与える個人消費と実質所得の動向です。』

キタコレ!!

『個人消費については、足もとの指標は天候要因もありやや弱めのものがみられますが、今春のベアの反映や夏のボーナスの増加など所得面の下支えが期待されることから、当面は底堅く推移していくとみています。』

実際問題としてこれって少なくとも7-9の所はベアとか賞与とかの所があるから堅調に推移する筈という認識は日銀のみならず市場でもしていると思いますので、ここがいきなり出オチ状態になると吉本新喜劇もビックリのズッコケモードになってしまうのですよね。さてどうなりますやら。

『ただし、下期以降、物価の本格的な上昇が見込まれるなかで個人消費の底堅さが持続していくためには、実質賃金の改善が重要なポイントになってくると考えています(図表11)。』

順当ですが当然の指摘。なお執行部はここの部分に対して「去年とは傾向が違うので大丈夫です(キリッ)」としか説明しないのは先般ネタにした中曽副総裁の質問に全然正面から答えない熊本金懇での質疑応答を見れば一目瞭然。

『昨年度の経験を振り返ってみると、消費税率引き上げの影響もあって表面上の物価が大幅に上昇するもとで賃金の改善が追い付かず、実質賃金は大幅なマイナスの状態が続きました。それが消費者の家計防衛的な行動に繋がり、個人消費のもたつきをもたらすとともに、積極化しつつあった販売サイドの価格設定スタンスを弱気化させたとみております。』

仰せのとおり。

『今年度入り後の物価動向をみると、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は0%程度で推移していますが、日用品や食料品を中心に構成される日経・東大日次物価指数は強めの動きとなっており、今のところ物価上昇トレンドが昨年のように腰折れる兆しはみられません(図表12)。このこと自体は、販売現場における価格設定スタンスの強さを示しており、消費が底堅いことの証左でもあるとみています。』

つーことですのでこの辺では別に弱めの話はしていない。

『もっとも、消費の持続性に大きく影響する実質賃金は、足もと急速に改善しているとは言え、やっと水面付近に達したところです。今後、実質賃金がどのようなペースで改善していくか、注目していきたいと考えています。』

ということですが、名目賃金ってそう簡単にホイホイ毎月のように上がってくれないと思うので(一回上がれば前年比ベースでは上昇しますけど)どうなることやら。

『また、個人消費の動向をみていくうえでは、年金受給者の動向にも留意する必要があります。』

なるほど。

『高齢化の進展ともに、年金受給者は4,000 万人近くに達しており、個人消費全体に及ぼす影響も大きくなってきています(図表13)。年金受給者の消費を巡っては、やや長い目でみると、マクロ経済スライドなどによる実質の年金給付額の減少が消費を下押しする可能性もあり、これまで以上によくみていく必要があると考えています。』

ということで基本はベースラインシナリオに乗ってはいるものの留保付きという感じに見えます。


『最後3点目は、設備投資の動向です。設備投資については、昨年中は、駆け込み需要の反動や為替相場・原油価格の動向を巡る不確実性の高まりなどの影響もあって、収益水準や事業計画との対比でみて伸び悩む局面もみられましたが、今年1〜3月の実質GDPでははっきりと増加に転じました。その後も、6月短観では製造業・大企業を中心に強めの計画となっているほか、機械投資の先行指標である機械受注も増加しており、企業の投資スタンスは明確に改善してきているとみられます。』

ここまではベースラインシナリオと同じ説明なので強い。

『先行きの設備投資については、企業収益の改善や緩和的な金融環境、為替相場の動向を眺めた製造業による国内投資の積極化などを背景に、緩やかな増加を続けるとみています。しかしながら、このところの海外経済の下振れとそれに伴う輸出・生産のもたつきが、攻めに転じつつある企業の心理を弱気化させるリスクもあると考えています。』

キタコレ。

『景気が緩やかな回復を続けていくなかで、企業が内外需要の先行きに対し、どの程度の自信・確信を持てるかが、当面の設備投資の増加ペースを左右していくものとみています。』

てな訳で、この講演テキスト見ただけの印象では結構下振れ警戒しているなあという感じなのですが、先ほど申し上げた通りで、会見の発言要旨がベンダーから出てきていて、そちらを見ると(ちなみにベンダーの方では景気よりも物価目標に関する話の方が盛大に注目されていますけど)景気先行きには基本的に楽観的な趣旨の発言が出ていたようですので(詳しくは本日出てくる会見要旨を見て確認したいと思います)、ここでの字面ほどの下振れ警戒ではなくて「留保付きの楽観シナリオ」という程度の感じなのかなあとも思われます。ここは今日の会見録で判断したいと思います。


・まあ石田さんと言えばメインイベントは物価の考え方ですよね!!!!!!

ということで『.日本銀行の金融政策』ですけれども、最初の政策の説明部分は割愛して『2.物価の基調的な動きについての見方』を正座して鑑賞したいと思います。


『物価の基調をみていく際、私自身としては、昨年来のエネルギー品目の変動が消費者物価全体に大きな影響を及ぼしている状況を踏まえると、当面はエネルギーを除いた総合指数もみていくことが適当と考えています(図表16)。』

キタコレ!!

『類似の指標として、「食料およびエネルギー除く総合指数」があり、これをみていくべきだという意見もありますが、わが国は家計の消費支出に占める食料費の割合が全体の4分の1を占めており、先進諸国の中でも非常に大きくなっております。家計に与える影響度を考えると、食料品を除くことは適当ではないと考えています。』

でまあご案内のように食料品に関しては絶賛上昇中でありますので、図表16を見ますと(上記URL先から見てちょ)総合除くエネは直近+1.2%という数値になっています。なおこの前の金融経済月報でも出てきて話題のコア除くエネは+0.7%ですね。

『また、基調評価に当たっては、わが国の消費者物価指数の構成品目の特性も勘案する必要があると考えています。』

さあ盛り上がってまいりました!!!!!

『たとえば、わが国の公共サービスや家賃の価格は粘着的であり、米国と比べて景気との連動性が低いという特性があります。それに加え、持ち家の帰属家賃については、家計の現実の支出との関連がなく、また、指数自体が住宅の質の劣化を反映していないことなどによるバイアスが存在するとの指摘もあります(図表17)。』

図表17というのが日米比較の帰属家賃の推移(だいたい10年分)なのですが確かにご指摘の通りです。

『個々の物価統計が真の「物価」の姿を捉えることには限界があることを踏まえつつ、構成品目の特性や家計の現実の支出項目、インフレ実感などとの関係を意識しながら物価動向を総合的に評価していくことが政策運営上必要であると考えています。』

(;∀;)イイシテキタ゛ナー

なお講演テキストにはないですが、図表を見ると「除く帰属家賃」は+1.5%というウヒョーな数値になっているのですよ先生!!!!!!さすがにちょっと目立つからそこまではコメントをしなかったということでしょうけれどもお察しですかそうですか。



ということで、この項はここで終了しておりましてシンプルな説明になっているのですが、この問題というのは物価安定目標の理念的な部分をどう現実の判断に落とし込むか、という意味における物価安定目標の定義というか考え方に関わる非常に重要な論点でありまして、どこぞの置物リフレ理論みたいに「CPI2%達成すれば何もかもハッピーで当然皆さんの生活は向上しますよ」的な単純な話ではない「そもそも物価安定目標で目指すものって何なんですか」的な所にまで波及する話でもあったりしますな。

つーかまあ本当の本当に出口を意識するような事になった場合って、この「物価安定の判断を実際問題としてどういう所を考えて行うのか」というのが、まあ相変わらず何が何だか示されていないですし、そもそも論として、明らかにそうでしょと思うのは、置物リフレ理論的な連中とそうじゃない人の間には大きな差がある訳でして(そもそも置物一派のいう「インフレターゲット」って「恣意性を排したルールベースの金融政策判断によって物価を安定化させる」という考えがベースにあって、ジャッジメンタルな部分を排除するというのが肝になっている筈だったんですよねえ)、一方で出てくる政策というのは当然一つになる訳ですから、ここの見解についてもっと各政策委員の考え方を示して頂かないと、マジで物価がホイホイ上昇した場合に金融政策の先行き期待が不連続的に変化するような不安定な状態になるのを懸念するんですけどね。

いやまあ理念的には「景気循環サイクルの中で平均的に2%程度の物価」であって「社会の皆さんの経済活動の中に2%程度の物価上昇という前提が安定的にビルトインされている」というのが物価安定目標の意味するところである(ただし置物一派の説明だと単にCPIがどう動くかというリジットな話だったりするかもしれませんけどね)。というのは分かるのですが、それだけを確認するためには物凄い後付にならないと分からないですし、金融政策の波及効果のタイムラグに加え、今行っている非伝統的政策が異例も異例の政策であることを考えると、前述した理念的な部分だけで判断できた頃には時既にお寿司なインフレ期待や実際のインフレの好ましくない上方シフトが発生しているリスクがある訳ですから、じゃあどう判断するのかという事についての考え方って無いのかねと毎度思うのですよね、となぜかいつものアタクシの雑談になってすいませんすいません。


・金融政策の波及効果の中で第二の柱ネタ投下キタコレですな

気を取り直して(汗)続きである。

『金融政策に関するお話の最後として、「金融政策の波及効果と金融システムの安定」という点について、少しだけ触れておきたいと思います。』

これは!

『現在、日本銀行が実施している「量的・質的金融緩和」は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指して行っていますが、その過程では、当然のことながら、企業金融や金融市場、各種資産市場に諸々の波及効果を生じさせています。』

ですね。

『金融機関は、国債の保有額を減少させる一方、外貨資産を含めた各種リスク資産を増やす、いわゆる「ポートフォリオ・リバランス」を進めています。また、強力な緩和効果により、長期金利は極めて低位に安定していますが、それによって金融機関の資金運用利回りは低下する一方、企業の資金調達コストが大きく低下しています。さらに、実体経済や企業収益の改善を通じて、株価が上昇しているほか、不動産取引も活発化してきています。』

QQEでポートフォリオリバランスなのかというのは少々もにょるのですががががが。

『これらは、いずれも「量的・質的金融緩和」の導入時に想定していたメカニズムのもとで発現した効果であり、基本的には前向きに捉えることができると考えています。物価安定のもとでの持続的な成長を実現する観点からしっかりと点検すべき金融面の大きな不均衡や過熱感についても、今までのところみられていないと判断しています。』

まあ見られているとか警戒レベルという事になるとそれは木内審議委員モードになりますのでこうなるわな。

『もっとも、「量的・質的金融緩和」のもとで金融システムの安定を図るという観点からは、これら金融活動の活発化や実体経済の活性化が行き過ぎることで、先行き金融システムにリスクが蓄積していくことはないか、より長期的な視点を踏まえつつ、予断を持たずしっかりとみていく必要があると考えています。』

キタコレと申しますか、まあこれは一応執行部の説明というか展望レポートでも同様に書いてある話ではあるのですが、何せ金融政策決定会合議事要旨を見るとどこのアホウか知りませんが「QQEの副作用は理論的にも無い(キリッ)」とか言い出すオッペケペーはいるわ、この手の話を自分からは絶対にしてこない黒田総裁(というか執行部)はいるわという状況でございますので、良く良く考えれば極めてノーマルな石田さんのこの説明部分も「おー」と思って受け止めてしまう所が今の政策のあばばばばーな所ではないかなどと思ったりするのでありました。

以下は京都経済に関する話とかなので華麗にスルーします。



○市場雑談メモメモ

・TKRRは案の定マイナス

[外部リンク] でまあこちらの「翌日物T+1スタート」を見ますと・・・・・・・・・・

2015/7/29:0.047%
2015/7/30:-0.011%

ということでいきなり6bp低下でヒャッハーヒャッハーという結果でございまして、つまりは今日スタートの月末月初のGCレートがマイナスに突撃ということで、昔は期末でバランスシート縮小する人たちがいて、かつ国債残高調整ニーズで債券現先などのニーズが強まるというのがあって金利低下(なお超大昔の資金不足時代は期末のバランスシート縮小の動きでコールの出し手が減るので末初レートは上昇するのが仕様)というのがあって、いつの間にやらそれが四半期になったと思ったら今月いきなり大爆発モードとかもうねというのは昨日申し上げた通り。

何か一応後付でベンダー解説記事とかもちょっとは出ていたのですが、なんだかなあという説明になっていて(晒し上げをするのは自粛しておく)今般の末初GC急速シュリンクは何ちゅうかこうぐぬぬな感じの流れではありますな。なお月初入り後の受渡のGCのレートは(月曜が短国発行日要因もあるので)普通のレートに戻っているっぽい(詳しくは今日のTKRRをご参照くらはい)ので、まー月末要因的なサムシングを感じはしますけれども、いずれにせよGCレポ市場そのものがこうホイホイとシュリンクするというのは市場構造的に残高とかターンオーバーがでかい市場であっても、参加者のバラエティが乏しく、厚みの無い市場であるが故の極端な振れというお話であって、まだまだ資金取引市場としては脆弱(というのが術語として適切なのかという議論はあるが)な面が大きい市場なのではないか、とまあそんなことを思ったりした次第であります。

その他の論点もいろいろとあって、図らずも面白いネタになった(ただしマニア向け)のですがその辺の話はおいおいするかも知れませんししないかも知れません。


・3M入札はまたまたマイナスですかそうですかとか

お、おう・・・・・・・・・・

[外部リンク]
(4)募入最低価格における案分比率 89.3386%
(5)募入平均価格 100円00銭1厘1毛(募入平均利回り)(-0.0044%)

先週よりも強くなっているのですがナンデスカコレはという所ですが、そらまあ前日に末初のGCがマイナスに突っ込むとか見せられますと、この短国そのものは月初の発行日なので末初関係ないとはいえ、短国のニーズがより強くなるかもしれませんよね的なイメージも湧くのかも知らんが、そもそも論としてマイナス金利で短国買うならマイナス金利のGC出しても話は変わらん(正確には微妙に違うがその話はミクロすぎるので割愛)と思うのでマイナスを深くして入札するもんかよとは思いますががががが。

[外部リンク] なお売買参考統計値的には昨日(発表公表日付は今日ですが実際に出てくるのは昨日ですので昨日と書いています)の3Mの平均値単利はマイナス1.3bpとなっておりますので、暫く前のような入札直後にマイナス7.7bpとかそういう凶悪な状態でもないようでございます。ちなみに前週の短国3Mの売参は昨日は前日と変わらずにマイナス0.2bpで、その前の週の短国3Mの売参も変わらずのマイナス0.1bpですかそうですか。

まあ本日は短国買入の実施が予想されている訳ですが、どういう事になるのやらオファー額から応札、落札水準など注目しておきます。
 


お題「だいたい寝起きでFOMCであるが第1パラグラフに盛大に手が入っています」   2015/07/30(木)08:19:24  
  昨日の外需と言うか中国輸出銘柄総コケの寄りを見てちょっと目がテンになったんですが。

○寝起きでFOMCだが分かりやすい示唆出さないって僕言いましたよね!

[外部リンク] 『Information received since the Federal Open Market Committee met in June indicates that economic activity has been expanding moderately in recent months.』(今回)
『Information received since the Federal Open Market Committee met in April suggests that economic activity has been expanding moderately after having changed little during the first quarter.』(前回)

この総括判断ですが、「1Qちょっと弱かったのから改善して」というのが抜けたのは兎も角として、「economic activity has been expanding moderately」という基本認識は同じなのですが、ここまで得られた情報がその基本認識を「indicates」となっていて、前回が「suggests」ということで、動詞が変わっているのですな。

でもってこちとらジャパンドメドメ人間なのでこの変化をどういうニュアンスとして理解すれば良いのかがデイリーコンサイス英和辞典引きながらレベルなのが残念なのですが、「示唆する」が「示す」になったんですから経済の拡大に関する認識が強まったという事になると思うのですけれどもどうですかねえ(てきとう)。

でもって今回は語順が変わっているので、今回のに合わせて前回のを引用しますので、前回分は引用語順が変わってまいりますのでよろしゅうに。

『Growth in household spending has been moderate and the housing sector has shown additional improvement; however, business fixed investment and net exports stayed soft.』(今回)
『Growth in household spending has been moderate and the housing sector has shown some improvement; however, business fixed investment and net exports stayed soft.』(前回)

住宅セクターに関する評価が「some improvement」から「additional improvement」に変わっていますので上方修正。家計と企業の投資と純輸出に関しての評価は同じですね。

『The labor market continued to improve, with solid job gains and declining unemployment. On balance, a range of labor market indicators suggests that underutilization of labor resources has diminished since early this year.』(今回)
『The pace of job gains picked up while the unemployment rate remained steady. On balance, a range of labor market indicators suggests that underutilization of labor resources diminished somewhat.』(前回)

労働市場に関する表現はかなり強くなっていて、一発目に「The labor market continued to improve」とぶちかましていまして、更に労働の増加に関しての表現も「picked up」から「solid job gains」になり、失業に関しても「remained steady」から「declining unemployment」になっていますし、労働市場のスラックに関する表現もスラックが「diminished somewhat」「has diminished since early this year」と、これもまた強くなっていて、労働市場に関する表現はやたら強くなったなあという感じです。

『Inflation continued to run below the Committee's longer-run objective, partly reflecting earlier declines in energy prices and decreasing prices of non-energy imports. Market-based measures of inflation compensation remain low; survey?based measures of longer-term inflation expectations have remained stable.』(今回)

『Inflation continued to run below the Committee's longer-run objective, partly reflecting earlier declines in energy prices and decreasing prices of non-energy imports; energy prices appear to have stabilized. Market-based measures of inflation compensation remain low; survey-based measures of longer-term inflation expectations have remained stable.』(前回)

物価に関してですが、エネルギー等の輸入価格の影響ガーとかインフレ期待は安定している(これは安定していないというアセスメント出したら政策アクション直結なのでそれ以外のものは出てこないでしょうが)という話は同じなのですが、前回にあった「energy prices appear to have stabilized」というのが抜けて残念無念というかぐぬぬという所でして、まあここに関しては「原油価格の安定という見通しが遅れるから利上げは先に延びた」という解釈をすることも可能だと思いますが、次のパラグラフで先行き見通しがあるのですが、こいつが一言半句変更なし、という状況になっている所からして、「原油価格の一時的な動きではなくて重要なのは基調の見通し(キリッ)」という理屈が飛び出すの巻で大きく変化させるという事でも無かろうという解釈をすることも可能で、どちらかというと後者押しのアタクシ(別に前者の考えが無いとは言わない)。


・第2パラグラフ:見通し部分は盛大に全文一致

全文一致なのに比較するのも何ですが並べてご確認くらはい。

『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability.』(今回)
『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability.』(前回)

これはいつもの呪文みたいなもん。

『The Committee expects that, with appropriate policy accommodation, economic activity will expand at a moderate pace, with labor market indicators continuing to move toward levels the Committee judges consistent with its dual mandate.』(今回)

『The Committee expects that, with appropriate policy accommodation, economic activity will expand at a moderate pace, with labor market indicators continuing to move toward levels the Committee judges consistent with its dual mandate.』(前回)

これまた同じ。

『The Committee continues to see the risks to the outlook for economic activity and the labor market as nearly balanced. Inflation is anticipated to remain near its recent low level in the near term, but the Committee expects inflation to rise gradually toward 2 percent over the medium term as the labor market improves further and the transitory effects of earlier declines in energy and import prices dissipate. The Committee continues to monitor inflation developments closely.』(今回)

『The Committee continues to see the risks to the outlook for economic activity and the labor market as nearly balanced. Inflation is anticipated to remain near its recent low level in the near term, but the Committee expects inflation to rise gradually toward 2 percent over the medium term as the labor market improves further and the transitory effects of earlier declines in energy and import prices dissipate. The Committee continues to monitor inflation developments closely.』(前回)

ということで見通しとしての文言は全く持って全文一致キタコレであります。


・第3パラグラフ:金利政策運営に関する文章では1か所だけ謎の(謎ではないが)単語「some」が入ったよ

『To support continued progress toward maximum employment and price stability, the Committee today reaffirmed its view that the current 0 to 1/4 percent target range for the federal funds rate remains appropriate. In determining how long to maintain this target range, the Committee will assess progress--both realized and expected--toward its objectives of maximum employment and 2 percent inflation. This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments.』(今回)

『To support continued progress toward maximum employment and price stability, the Committee today reaffirmed its view that the current 0 to 1/4 percent target range for the federal funds rate remains appropriate. In determining how long to maintain this target range, the Committee will assess progress--both realized and expected--toward its objectives of maximum employment and 2 percent inflation. This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments.』(前回)

今回は金利政策に変更ありませんよああそれから金利を変更する際には足元および先行きの見通しがマンデートにきっちり向かっているかどうかを判断して決めますけどその時には特定の経済指標だけではなくて幅広い経済の状況やインフレ期待や金融市場や海外の動向なども見ますよ。とまあここも前回と同じ。

『The Committee anticipates that it will be appropriate to raise the target range for the federal funds rate when it has seen some further improvement in the labor market and is reasonably confident that inflation will move back to its 2 percent objective over the medium term. 』(今回)

『The Committee anticipates that it will be appropriate to raise the target range for the federal funds rate when it has seen further improvement in the labor market and is reasonably confident that inflation will move back to its 2 percent objective over the medium term.』(前回)

ということで、今回変わったのは利上げタイミングに関しての話の部分で、利上げに対しては労働市場のさらなる改善と中期的に物価が2%レベルのマンデート水準に戻るという見通しが妥当であるという自信が出来たときですよーんという所で、物価の所は相変わらず「reasonably confident」という表現になりますけれども、労働市場に関しては前回が「when it has seen further improvement」だったのが、今回は「 when it has seen some further improvement」となっていて、この「some」ってのが入ったのは条件を厳しくしたのか緩くしたのかどっちですねんっていう謎文言。

とは申しましても、その前の所で労働市場の認識を散々強くしていますので、この「some」というのは「あとちょっと」という事と理解するのが自然のような気がします。


・第4パラグラフ:資産買入に関しても全文一致

『The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction. This policy, by keeping the Committee's holdings of longer-term securities at sizable levels, should help maintain accommodative financial conditions.』(今回)

『The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction. This policy, by keeping the Committee's holdings of longer-term securities at sizable levels, should help maintain accommodative financial conditions.』(前回)

相変わらず変わらないのですが、出口政策の時にいつまでバランスシートの大きな状態を引っ張っていられるかというのは注目したいところです。まずは金利を上げてからの話となるようですが。


・第5パラグラフ:利上げしてもペースは緩やかという話も全文一致

今回も同じ。

『When the Committee decides to begin to remove policy accommodation, it will take a balanced approach consistent with its longer-run goals of maximum employment and inflation of 2 percent. The Committee currently anticipates that, even after employment and inflation are near mandate-consistent levels, economic conditions may, for some time, warrant keeping the target federal funds rate below levels the Committee views as normal in the longer run.』(今回)

『When the Committee decides to begin to remove policy accommodation, it will take a balanced approach consistent with its longer-run goals of maximum employment and inflation of 2 percent. The Committee currently anticipates that, even after employment and inflation are near mandate-consistent levels, economic conditions may, for some time, warrant keeping the target federal funds rate below levels the Committee views as normal in the longer run.』(前回)

同じですの。


・第6パラグラフ:今回も全員一致である

どうせなら誰か利上げ主張すれば面白かった(不謹慎)のですが、まあ今回会見もSEPも無くて、しかも前回予告ホームランをしている訳でもないのに入れるというのもアレですかそうですか。

『Voting for the FOMC monetary policy action were: Janet L. Yellen, Chair; William C. Dudley, Vice Chairman; Lael Brainard; Charles L. Evans; Stanley Fischer; Jeffrey M. Lacker; Dennis P. Lockhart; Jerome H. Powell; Daniel K. Tarullo; and John C. Williams. 』(今回)

『Voting for the FOMC monetary policy action were: Janet L. Yellen, Chair; William C. Dudley, Vice Chairman; Lael Brainard; Charles L. Evans; Stanley Fischer; Jeffrey M. Lacker; Dennis P. Lockhart; Jerome H. Powell; Daniel K. Tarullo; and John C. Williams.』(前回)


でまあ何ですな、利上げ時期がどうなのよという話ですけれども、今回の場合はそもそも「利上げしたら中立金利まで一直線」という方法を取らんと思いっきり言っているという事は、逆に考えれば「中立金利まで確信持って引き上げオッケーという前に利上げ着手する」という事でもあると思うのですよ。

んでもってそれっていわゆる糊代論ちっくな利上げでもあって、利上げしても様子見タイムがあるというスタンスでやるんだったら、初回利上げって基本的にとっとと実施して糊代を作ってから様子見タイムに入った方が政策のフリーハンドを確保できるのでそんなに引っ張らないんじゃネーノとか思うのですけどね。その代り様子見タイムに入る関係上9月に上げても年内の追加なし、みたいな話になると思いますし、長期金利がいきなりすっ飛ばれても困りますからこんな説明機会が無いFOMC声明文で次回利上げ示唆とかする訳ないと思っていたのですが、意外に「次回利上げの示唆が出る」という予想が多かったのを後付で知るこのアタクシ。

えーっとですね、「次回利上げの示唆が出る」というのは、前回がそうだったからそうだという話だと思うのですけれども、前回は初回利上げ後に中立金利に向けて直線一気だった訳で、今回とは全然利上げ後のスタンスが違う訳なのでして、中立金利に向けて直線一気攻撃が出来るのにconfidentな状態まで利上げを引っ張るんだったらそら予告ホームランもできるでしょうが、今回はそういう形ではない(その背景としてFEDの人たちあまり言わないですけれども、そらまあ前回の正常化局面の着手が遅れてサーチフォーイールドを促進した結果クレジット(というかサブプライムというか住宅というか)バブルを発生させたという反省はあるんでしょ、と思うのですけどね)のですから、今回次回の示唆が出ないから次回無しみたいな発想は何ぼ何でも短絡的にも程があると思います。

つーか「利上げしたいけど長期金利跳ねさせたくない」んだったら長期的な見通しでハトちっくなものを見せながら正常化路線に入ることによって、足元金利を徐々に正常化に向けさせながら長期金利はあまり上げないという攻撃に出るもんじゃないのかねえと思うのですけどにゃ。



○市場メモ雑談

・四半期期末でもないのに月末のレポ市場がががが

えーっとですね、たぶん今日の東京レポレートのGCレポT/N取引のレート辺りで出てくるんじゃネーノと思うのですが、四半期末にバランスシート要請上レポ取引がシュリンクするとか現先やらGCのレートが低下(というか最近はマイナスに突っ込むとか)というのは最近(昔は半期だったのが今や四半期)すっかり仕様になっておりますが、なんか昨日のスポ末の所でレポが妙にシュリンクしたようで、四半期末でもないのにそういう事になるのかと。

でまあ背景は制度会計的なサムシングでしょとしか申し上げようがないですが、その辺に関しては勉強が追いついていなかったりするので(すいません)どこのどういう制度がヒットしてただの月末なのに四半期末チックな話になったんでしょうかねえというのは何となく幾つかの想像は出来るけど不勉強なのでこれから要研究ですな(人はそれを泥縄という・・・・・・・・・・)。

しかしまあ何ですな、金融機関のバランスシート制約が強くなってくる、というのはバーゼルだのボルカーだのその手の規制攻撃によって方向性としては今後も強まる話ではあるのですが、そういう状況ってえのは「量的金融緩和」を実施している中央銀行にとっては中々痛い話でございまして、国債買って中銀がバランスシートを膨らませて政策効果を出しましょうとしますと、必然的に中銀のカウンターパーティーたる民間金融機関のバランスシートも拡大してしまう訳で、その中でバランスシート制約が厳しくなってくる、と言う話になりますと、そもそも論として中銀がバランスシートを拡大する為のカウンターパーティーis何処?という事になって、それはつまり量的馬鹿拡大が技術的限界を迎えるという事になるんですがそれは。

とかなんとか考えますと、バランスシートを拡大しつづける政策というのも金融機関のバランスシート制約を強化する金融規制というのは本質的に相性が悪く(なおリスク資産の買入というクレジットイージング政策を実施するのだったら親和性があります、念のため)て、そちらからもQQEを今のままで継続するのって難しくなりますけど、物価がアガランチ会長という中でどうこの政策落とし前つけてくるんでしょうねえ。


・本日は3M入札ですが・・・・・・・・・・・・・・

ここもと短国は入札がぶっ飛んだり短国買入の前の日に突然特定銘柄がぶっ飛んだりとか相変わらずの貫禄の板スカスカぶりを発揮しておりますが、今回の短国買入もどうせ流れて100円とかそういう話になるんでしょうなあともうてきとうなコメントしか申し上げようがありませんですが、とりあえずこの銘柄自体は発行日が月末を跨ぐものの、月末の現先とかレポがシュリンクしたという位ですから在庫が重いとは到底思えずで、まー普通に強いんでしょうね。入札よりも短国買入のオファーとその結果の方が読みにくいので(苦笑)、金曜の方が注目だったりするような気もします(--;
 


お題「中曽副総裁会見にアレコレ突っ込んでいたらそれだけで終わってしまいました(汗)」   2015/07/29(水)08:03:48  
  http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150727/k10010168351000.html
民主・枝野幹事長「礒崎補佐官は更迭すべき」
7月27日
18時31分

法的安定性を軽視する(そうではないと釈明してたみたいですが)のは、確かにトンデモナイにも程があるのだが、批判しているこのご本人って東電の一連のアレの時に金融機関に一方的に債権放棄を求めるという法的安定性を損なう発言をして電力債の一般担保に対する市場の疑念が大発生という金融市場的な大問題を発生させた訳ですし、当時は官房長官というより高い立場だった訳でして、その張本人が「更迭すべき」とか言うのにはお前が言うなとしか思えんし、大体その手の法的安定性軽視チックな事を色々やってたのお前らの政権時代だろうと小一時間。

#小泉郵政解散も参院で法案否決されて衆院解散とか何だかなあでして、流れはその頃からなんですけどね


○中曽副総裁会見は質問に対して正面から答えていない感じがするのだが

中曽さんの会見である。
[外部リンク] 『第2に、地域の企業が直面する課題として、人手不足や、為替円安を背景とした原材料などの仕入れコストの増加を指摘される方が多かったと思います。』

ほほう。

『この点と関連して、まず人手不足については、県の有効求人倍率が1.11倍(5月)と統計開始以来、最高水準になっていますが、景気の好循環のもとでの労働需給の引き締まりという側面とともに、若年層の労働力の県外流出が進んでいることを反映した面があるとの指摘が多く聞かれました。そうした中で、人手の確保がままならないことが、ビジネスの制約になっているという声も聞かれました。今後も、首都圏などへの人材流出が懸念されることに変わりはなく、地元の新卒者の半分くらいが県外就職している現状を踏まえて、いかに地元に人材を繋留するか、地元の企業への就職につなげられるか、これが大きな課題であるとのことでした。』

人手不足の方はそういうことで熊本県からストローチューチューと人材が吸い上げられているという話があるのですが、では円安はどうでしょうかと言いますと上記の続きはですね。

『第3に、地方創生に向けた各方面での取り組みに関する現状についてお伺いしました。(以下略)』

・・・・・・・・・?????

という事で、人手不足で大変ですよ的な日銀金融政策の見通し的に都合の良い(需給ギャップがプラスに転換して賃金上がって内生的な物価上昇が起きる的な)話の解説はせっせとするのですけれども、円安でコストプッシュが起きている的な日銀シナリオ的に微妙に都合がよろしくない話(コストプッシュでも物価が上がればそれがバックワードにインフレ期待が上がる、という以前の説明は、昨年消費税とその便乗も含めてコストプッシュ的な物価上昇が起きる中で消費がコケるという残念な事態になって都合の悪い理屈になった)の説明はスルーですかそうですか。


・原油と期待インフレの話では正面からの説明を華麗にスルー

『(問) 2点伺います。1つは、足許で原油価格が若干下落してきておりますけれども、その背景と今後の物価および期待インフレに与える影響をどのようにみていらっしゃるのかお聞きします。』

うむ。

『もう1つは、午前中の講演で、価格改定の動きが拡がりつつあることは近年になかった特徴であるとおっしゃっており、物価について結構強めな評価をされているという印象を受けたのですが、副総裁就任以降、デフレ脱却や、2%目標の達成の確度という意味で、最も強く感じておられる、手応え、自信を感じておられるというふうに理解してよいのでしょうか。』

最初のと逆の質問をしてどういう答えになるのかを聞いてみたいと。


でまあ原油の話ですけどね。

『(答) まず、原油の話です。今一度、原油価格の下落が経済に与える影響を整理すると、原油の消費国では実質購買力の上昇から経済にプラスに働く一方で、産油国については、収入減少からマイナスに働きますが、世界経済全体としてみると、成長率を押し上げる方向に働くというふうにみています。この見方は変えておりません。そういう観点からすると、わが国は、原油の輸入国ですので、原油価格の下落は、企業収益の改善、あるいは、家計の実質購買力の上昇につながることから、わが国経済にとってもプラスに働くとみております。』

『物価面については、短期的には、エネルギー価格が下がりますから、物価の押し下げ要因として働きますけれども、長い目でみれば、経済活動の改善を通じて物価の押し上げ要因として働くというふうに考えています。これが、一般的な考え方です。』

では何で去年追加緩和したんでちゅかねえ。

『日本銀行は、今年から、政策委員が経済・物価見通しを作成するに当たって、原油価格について、市場において成立している先物の価格などを参考にして、一定の前提を置いています。具体的には、7月の中間評価では、ご案内のように、ドバイ原油の価格が1バレル60ドルあたりを出発点にして、見通し期間の終盤である2017年度末にかけて、70ドル程度に緩やかに上昇していくという、かなり長いタイムスパンでみた原油価格の仮定を置いているわけです。』

ということで、原油価格がインフレ期待に与える影響ガーと言って前回追加緩和を実施したのに対して今回はどうなんですか、という質問に対して答えるのでしたら、本来はここで前回の追加緩和に関する解説もすべきだと思うのですが、そこは答えないで今の展望レポート見通しの説明をおっぱじめております。

『今申し上げましたように、これはあくまでも、経済・物価見通しを作成するうえでの前提、ワーキング・アサンプションであり、日本銀行としての原油価格の見通しを示ししているものではありません。従って、短期的な動きでこの前提を変えるつもりはありません。』

3か月前の展望レポートとは前提の数値違っていますが(単純に直近価格と原油価格フォワードの数値使っているだけでしょ)短期的な動きで前提は変えないというのは要するにこの置きがブレても金融政策にインプリケーションはないと言いたいんでしょ。

『足許の先物のカーブの形状は確かに期近物が低下しているのは事実でありますが、期先ほど高くなるという、いわゆるコンタンゴ形状が維持されているというふうに思います。いずれにしても、原油価格の動向については、私どもとしてもよくみていきたいと思っています。』

よくみていきたいとか言ってる割にはインフレ期待に与える影響という質問に対する回答は全然していないというのが中々味わいがあります。


でもって原油価格が伸びないと期待インフレがバックワードで落ちないかという肝心の質問については答えないまま次の話になる、


・物価見通しに関する説明では市場との認識ギャップでオモシロ発言登場

『それから、2番目の物価については、本日時間をかけて説明したつもりですが、もう1度そのポイントを繰り返させて頂きたいと思います。』

いやだから期待インフレの話はと言いたいがどうもゼロ回答のようですね。ではその先。

『まず、なぜ講演においてそういうことを申し上げたかというと、市場の一部などで、今ゼロ%程度の物価上昇率が本当にこの先早めのピッチで上昇していくのだろうかという見方があり、日本銀行の見方とギャップがあるということを改めて認識したからです。』

>市場の一部などで
>市場の一部などで
>市場の一部などで

・・・・・・・・・(;゜д゜)

えーっとすいません。日銀の見通しが額面通りに逝くと金利市場が思っていたらもう今の時点で出口政策の心配をしていないといけないのですけれども、今の価格形成を見てなぜ「市場の一部」が日銀の見方に疑問という話になるのでしょうかねえ。「大部分」の間違いではないかと思うのですが、中曽さんがこういう言い方をするのが何ともアレ。

『私どもは、この夏場以降、物価の基調の高まりとエネルギー価格のマイナスの寄与の縮小、この両面が物価上昇に効いてくると考えています。具体的には、本日の講演の繰り返しになってしまいますが、エネルギー価格のマイナスの寄与は、今年7〜9月がピークで、マイナス1%程度の下押し要因になります。従いまして、その影響が剥落するだけで、1%くらい消費者物価の上昇率を押し上げることになります。これに、物価の基調の高まりも加わります。私どもが、今年の秋以降、消費者物価の上昇率が早めのピッチで高まっていくという根拠には、今申し上げたようなメカニズムがあるわけです。』

だそうですので、まあコアコアがコケだすといきなり日銀の心が折れるわけですよ。

『実際に、本日講演で用いた図表11をご覧頂ければ、エネルギーを除く部分の寄与度は、足許は0.7%程度まで高まっているわけであり、今申し上げたようなメカニズムが作用しているということを示しているというふうに思います。こうしたメカニズムが実際に働いている、どういうふうに働いているか、これをよく説明することがコミュニケーション上も重要だと思ったので、本日はある程度時間を割いて説明をしました。』

それは良いのだがコアコアって「インフレ期待は全般として上昇していると考えられる」という説明をしている割には講演の図表11に出てくるコアコアってここ1年位0.5%前後で安定しているようにしか見えませんけど何で今後上がっていくのでしょうかねえ(ニヤニヤ)。

『今後、そうしたメカニズムに沿って物価が上昇していくか、これを見極めることが金融政策運営上もポイントになると考えています。』

だそうです。


・個人消費に関する質疑

『(問) 2点お伺いします。1つは個人消費について、先程地元経済界からも小売に関しては売上の回復がなかなか乏しいというような話があったとのことですが、現状、高額品の販売とか外国人の消費が堅調な一方で、消費者の節約志向はなかなか根強く、消費の二極化というか、格差というべきか、そういった状況がまだ残っているというふうに思います。個人消費が景気を押し上げるメカニズムについて、改めてお話し頂きたいと思います。(後半割愛)』

そもそも言うほど強くない個人消費が本当に伸びるのかという点は内生的な物価上昇メカニズムがワークするのかという日銀シナリオのポイントでもあるのですがさてどういう答えでしょうか。

『(答) まず、個人消費ですが、私どもは色々な指標をみています。』

色々な指標を見て自分の説明に都合の良い指標を持ち出すんですね、わかります!!!

『例えば、これまでやや個人消費が弱いのではないかと言われていた背景として、消費者コンフィデンスが弱いのではないかといったような議論があったわけですけれども、このところの消費者コンフィデンス、例えば景気ウォッチャー調査において、家計動向関連の先行き判断D.I.は横ばいを示す50を5か月連続で上回っており、コンフィデンスは改善傾向にあると私どもは判断しております。その背景は、ベースアップであるとか、夏季賞与などの賃金引き上げの動きがあるとみています。』

だそうですが・・・・・・・・・・

『確かに、各種販売統計をみますと、天候要因などによるもたつきも一部にはあるのですが、小売店売上高などを中心に堅調に推移しているのではないかと思います。』

ではその辺の説明があるかと思えば華麗に先行き見通しの話になる。

『先行きについても、多くの企業でベースアップを含む昨年を上回る賃上げが実現しており、名目賃金の賃上げが実現すると同時に、これまでの原油価格の下落などもあって、今後、実質賃金がある程度持続的な形で増加していくと予想されますので、これが消費を下支えていくことになるのではないかと考えています。』

だったら秋以降物価が上昇したらまた実質賃金が下押しして消費が落ちるんですけどねえ。なんちゅうか説明がハイパー楽観シナリオに基づいているので説明が部分部分ではあっているのだが全体の整合性が怪しいとかリフレ派学者先生の説明みたいですっかり置物先生の瘴気に当たってしまったのでしょうか中曽副総裁も。

『多少、今、二極化している部分はあると思いますが、今申し上げましたような実質賃金の持続的な増加が下支えをしていくと思っています。』

そもそもアグリゲートされた賃金は上がっているのかも知らんが、実際問題として全体の水準が上がって上昇しているという姿でもないでしょうし、そもそもさっきの講演で「株高も消費を支える」みたいな二極化上等な話してましたよね。

『いずれにしましても、雇用・所得環境の着実な改善が続く見通しにありますので、そういう観点からみると、個人消費は引き続き底堅く推移していくと判断してよいのではないかと思っています。』

ということで、なんかこうナローパスな説明をしているなあと。


・2%はともかく物価はいつ1%になるのかという割と斬新な質問

『(問) 先程、7〜9月に物価におけるエネルギーのマイナス寄与度が1%程度になるというお話をされておりました。これはあくまで寄与度の話だとは思いますが、2%を目指す上で、1%というのは1つ大きな節目だと思います。副総裁は、原油価格が想定通りという前提であれば、1%を超える消費者物価の上昇率が実現するのは、秋以降の大体いつ頃とお考えなのか、今後2%に向けて、物価がどういう足取りを辿っていくのか、今のお考えがあればお聞かせください。』

なるほど。

『(答) 繰り返しになってしまいますが、7〜9月が、エネルギー価格のマイナスの寄与度が一番深くなりますので、それを過ぎた後に、実際どのくらいのペースでマイナスの寄与度が剥落していくかがポイントになります。1%を超える物価上昇率が厳密にいつ実現するかということを申し上げるのは難しいのですが、先程申し上げたようなメカニズムが働くとすると、先行的に見えてくるのは、CPIから生鮮食品とエネルギーを除いた部分――先程の図表11でいうと橙色の部分です――、この部分を注目していくことによって、CPI、コアCPIがどの段階で1%を超えていくかというのもある程度予見できるようになるのではないかと思っています。』

2%だと先の話なので「2016年度前半を中心に(キリッ)」と見通しを出しているのに、1%だと目先直ぐに当たり外れがバレてしまうという問題があるだけに正面から答えないというのが中々こう味わいがあります。

エネルギーの下押しを除くコアコアで0.7%程度でここから需給ギャップが改善して期待インフレも更に上がるんでしたら1%なんぞ楽勝という説明になる筈なのですが、ここでも言質を与えないようにするという辺り、先ほど来(この先もそうですが)の質疑を見ていて思います「答えにくい質問に正面から答えないで本筋を外して回答」攻撃が目立つ中曽副総裁の今回の説明っぷりも合わせると、執行部実は自信は全然なくて、とりあえず時間だけ稼いでおけばラッキーパンチがあるかもしれないとか思ってるんじゃないのか疑惑がフツフツと湧き上がってくるわけですよ。

まあ中曽さんの方が元々の日銀の方ですし、インチキ成分が少ないお方(なお日銀プロパーと言っても福井の俊ちゃんみたいに渾身の狸親父(褒めています)でインチキ成分満載な方もいますけどね)とお見受けされるので、この辺は正直に答えるのを避けようと正面から答えない攻撃をしているという事でもあるのかなあと思いますがどうでしょうかね。インチキ成分が高ければ「我々の見通しと原油価格などのエネルギー価格動向が置き通りに推移すれば今年度のどこかの時期で行きますがな何言ってるんですか」という感じで話をすると思うのですけどね。


・これは私の質問ではありません

いやーこれはワタクシが聞きたい質問を突っ込んで下さいまして感謝感謝。

『(問) 物価上昇に関して2点お伺いします。先程、今後実質賃金の改善が個人消費を支えるというお話がありました。今の0%程度の物価上昇で辛うじて実質賃金がプラスになるかどうかというところだと思いますが、今後1%の物価上昇が秋以降出てくると、実質賃金が逆に悪化することで、個人消費を支えるにあたって懸念がないのでしょうか。』

ねー。

『もう1点は、物価上昇の見通しについて、市場のエコノミストと日銀の見方にまだ大分乖離があると思うのですが、実際に日銀の見通し通りに秋以降、物価上昇が加速していくとなると、市場に織り込まれてない状況で、金融市場が逆に不安定化するというようなことはないでしょうか。』

(;∀;)イイシテキタ゛ナー

ということでこの質問に対する回答を鑑賞。

『(答) 1点目のご質問について、本日の講演の中で、「経済の体温が上がってきている」という表現を使いました。これはどういうことかというと、1つは、企業あるいは家計が、物価上昇をある程度前提に行動するようになっているということです。』

良くわからんのだが物価上昇をしたら経済は成長するのか??インフレ下の実質マイナス成長だってあるように思えるのだが。いやこれが「企業の投資活動などが積極化してきているのは成長期待が高まっていることを反映しており」というのだったら経済の体温は上がってきていると思うのだが。

『例えば企業であれば、設備投資をするようになっていますし、賃金を上げるようになっています。それから、価格については、付加価値を高めながらある程度価格を引き上げていく、そうした企業行動が顕著になってきているということを、本日のスピーチで申し上げました。』

付加価値を上げて価格を上げると統計上は品質改善でチャラだと思うのですがそれは。

『だからこそ、東大物価指数、一橋大物価指数をみても、去年の4月以降のように物価が落ちないで、継続的に上がるような状態になっています。』

昨年下がっている時には全然この話ないで結局追加緩和をする破目になったのですが、説明に都合の良い時だけホイホイ出してきますなあ。

『つまり、体温が上がっているというのはそういうことを指したつもりです。』

だそうです。

『要するに、一般的な経済・物価環境において、需給ギャップが引き締まってきているということもあると思いますが、企業や家計の物価観が徐々に変わってきているということだと思います。その中で、実際に賃金が継続的に上がってきているわけですから、ある程度、物価が上がってきても、これを吸収していくようなメカニズムが働きつつあるのではないかというふうに思います。』

継続的にって消費税増税とか要請大会とかで2年間上がっただけですけどね!!!!!

『個人消費がある程度底堅いと判断をしているのは、繰り返しになりますけれども、名目賃金が継続的に上昇する中で、実質賃金の継続的、持続的なプラスの状況が、徐々に具体的に表れつつあるということが1つ下支えになっているからだというふうに思っています。』

ということで、結局実質賃金の伸びが鈍化した場合に消費がコケないかという質問に対しては正面から答えていない次第。そらまあ置きの話だから答えられないというのもありますが、まあ要は日銀の心が折れるのは実際に物価が上昇をし始めた時に消費がコケてしまうとやはり心が折れるわけですな。


でまあ市場の方に関して。

『2点目のご質問について、日銀と市場の見方が乖離しているということですが──だからこそ、と言った方がいいと思いますが──、本日、私どもが考えているメカニズムを改めて詳しく説明したというのは、ご指摘のように、見方についての乖離があることが背景だったということです。』

そんなことは質問していない。

『コミュニケーション上も、こういったメカニズムについて、どうして私どもが物価についてこういう考え方をするのか、この時点でよく説明をしていくことが良いのではないかと考え、今回この機会で少し時間をかけて説明をした次第です。』

そんなことは質問していませんけどねえ。

つまりですね、見通しを説明して本当に市場が日銀のシナリオを完全に信じたら市場が今のままで済む訳が無い(目標達成したらQQEは終了なのだから)ですし、実際の物価が上昇傾向を日銀の言うとおりにしだしたら急に市場の方が慌てだしてあばばばばばばばばーとなる(綺麗に言えば「期待の不連続的な変化が発生する」です^^)のじゃないですかその点についてどうお考えですか、という質問なのですよ。

でまあそれって日銀シナリオの布教活動云々の話ではなく、QQEの効果とメカニズムに関しての説明がよくわからん(それこそMBなのか実質金利なのか、その金利にしても中期なのか長期なのか超長期なのか、とかそういう話から始まり定量的な話も含む)状態ですと、政策を戻すときにどこから戻していくのかというのが皆目見当つかん、というのがあり、更に言えばそもそも「2%を安定して達成」という概念的な定義はあれども実際にどういう状況の時にそれを認定するのかも分からん(から出口のタイミングが読めない)という話な訳ですが、そちらに関しては答えたくないのか答えられないのか知らんですけれども華麗にスルーというのがこれまた今回の会見でみられる華麗にスルーな中曽さんの面目躍如という所ですな。



・輸出は大丈夫なのかという質問

『(問) 足許で生産と輸出の伸びが鈍化しています。需給ギャップの改善が遅れると、先行きの物価を押し上げる力も弱まると思いますが、そのリスクについて、どのようにお考えでしょうか。』

と言う質問ですが・・・・・・・・

『(答) 足許の輸出と生産について、確かに持ち直しているとは思うのですが、鈍さがみられる点についてはその通りだと思います。』

うむ。

『この背景について、輸出については、要するに1〜3月の米国経済における寒波などによる一時的な減速がラグを伴って影響しているとみています。また、最近のアジア経済のもたつきも影響しているとみています。こうした輸出の動き、一部業種における在庫調整、これはスピーチの中でも申し上げましたが、軽自動車や鉄鋼といった製品の在庫調整が重なって生産の鈍さにもつながっていると思っているのですが、先行きについては、輸出は海外経済の回復、あるいは既往の円安による下支え効果もありますので、これらを背景に、振れを伴いつつも緩やかに増加していくと考えています。また、生産もこうした輸出の増加や在庫調整の進捗に伴って、振れを伴いつつも緩やかに増加していくとみています。つまり、このところの輸出・生産の鈍さは一時的なものであるとみています。』

中国やアジアが盛大にコケた場合にはどうなるのでしょうかねえ。

『実際、6月の短観において、企業の業況感が総じて良好な水準で推移していることや、予測指数が先行きの生産の増加を示しているということは、そうした一時的であるという見方に沿うものであると判断しています。』

ということですが、こちらのシナリオがコケた場合にどうなのかという話は無いのは仕方ないかなとは思うのですけれども、まあこの辺も先ほど申し上げたように中曽さんのインチキ成分がやや弱いなと思う所で、インチキ成分が高ければ「輸出が多少弱くても国内の前向きの循環メカニズムがここに来て一層強化されているので、そちらが経済を押し上げていく効果が続きます(キリッ)」という説明になると思うのですが、この辺りは中曽さんのインチキというかハッタリ成分の足りないところですな、うんうん。


・本当に足元だけで大丈夫なのという念押し質問に対して長々と説明しているのだが・・・・・・・・・・・

最後の質疑である。

『(問) 今の質問にも関連しますが、黒田総裁の会見でも4〜6月の成長率が相当程度落ち込むというお話がありました。本日のスピーチでは、米国の利上げ後の新興国の不安定化に関するお話もありましたが、成長率の落ち込みは4〜6月だけにとどまるのか、7〜9月の成長率も落ち込むことになり、秋以降の物価上昇や今後の賃上げといった動きに影響を与えるリスクがないのか、という点について、どのようにお考えでしょうか。』


『(答) リスクという観点でお答えしたいと思います。』

ほほう。

『色々なリスクについては、認識しておく必要があると思っています。私どもが中間評価でお示ししたのは、ベースラインシナリオと上下双方のリスクがあるということです。どういったリスクがあるかというと、私自身は、海外のリスク要因についていくつか注目しています。』

ほっほー!!

『今、ご質問の中で触れられた米国の金融政策が正常化に向かって利上げが実際に行われるようになった場合に、国際資金フローの巻き戻しを通じて、新興諸国を中心に不測の影響が及ばないかどうか、これはよくみて参りたいと思っています。』

あれ??

『特に、新興諸国の企業セクターでは、対外債務がかなり膨らんでいるようですし、また、リーマン危機後は国際金融規制の強化によって、金融機関のマーケット・メーキング機能、つまりショック吸収力が低下しているのではないかという指摘もありますので、こういった点も含めて、よく影響をみていく必要があると思っています。』

??????

『ギリシャについても申し上げたいと思います。ギリシャについては、本日のスピーチの中でも申し上げましたが、なお不確実性が高い状態が続いています。特に、私どもは中央銀行の観点から、ギリシャの銀行セクターについて、非常に関心を持ってみているのですが、ギリシャの銀行における預金の流出をみると、ピークから半分程度減少しています。また、今年に入ってからも前年末比で2割程度減少しています。これは預金が減少しているだけでなく、貸出も両建てで落ちている部分もあるのではないかとみています。日本の1990年代の銀行危機の経験を踏まえると、預金だけでなく貸出も落ちているわけですから、信用仲介機能はかなり低下している可能性があると思っています。』

お、おう・・・・・・・・

『ギリシャ経済を建て直していく上では、銀行セクターが信用仲介機能を十分に回復して経済活動を支えていくことが必要だと思っています。現在、欧州安定化メカニズム(ESM)による金融支援プログラムの締結に向けた交渉が行われていると理解していますが、ギリシャの銀行セクターの信用仲介機能の早期回復には、ELAなどによる流動性支援と同時に、資本増強を迅速に行うことが非常に重要ではないかと思います。迅速な資本再構築というのは、日本の銀行危機の経験から得られた貴重な教訓の1つでありますので、迅速に対応して、ユーロ圏経済の安定化を図ることが、国際金融市場、日本経済にとっては大事なことであると思っています。』

・・・・・・・・・・??????????

ということで、どうも国際金融市場が不安定化するケースの話をリスクとして延々と話をしているのですが、質問者はそういう事よりももっと直接的に経済活動の下振れリスクについて質問していると思われる訳で、なんちゅうかこう質問に対して華麗にスルーな香りがする応答で目出度く締まる中曽さん会見でありましたとさ。


・ところでコアコアがどうのこうのって・・・・・・・

何か会見ヘッドラインだとコアコア指数をどうのこうの的なのがあったのだが、該当するのって物価のメカニズムに関する説明の所だけで、そこの話って特にコアコアを重視します的な話ではなくて、あくまでも物価上昇するという日銀のメカニズム説明だったようにしか見えない(見落としはない筈だが・・・・・・)ので、ヘッドライン詐欺だったということで良いのですかねえ・・・・・・・・・・・


#ECBの買入額確認とかその他小ネタがあったような気がしましたが引用大会で終了で勘弁です(汗)
 


お題「中曽副総裁講演はまあ想定通りですが今の執行部ロジックの説明でもある」   2015/07/28(火)08:07:22  
  上海株がアイヤーのようですがこちとら夜の温度調整に失敗して結果として、寝坊したので中曽副総裁講演関連だけで勘弁(眠)。

今回は熊本での金懇挨拶です。
[外部リンク] 熊本県金融経済懇談会における挨拶 ──

○「物価の基調」と「内生的なメカニズム」が説明あるいは言い訳の柱である

冒頭のご挨拶部分でさっそくこんな話が。

『日本銀行では、15 年近く続いたデフレからの脱却を目指して、一昨年の4月に「量的・質的金融緩和」を導入しました。その後、「量的・質的金融緩和」は所期の効果を発揮しており、そのもとでわが国の経済・物価状況は大きく改善しています。昨年夏以降の原油価格の大幅な下落の影響などから、消費者物価の前年比上昇率は低下し、最近では0%程度となっていますが、後で詳しくご説明するように、物価の基調は改善を続けています。』

ということで、「物価の基調」攻撃は今回も当然のように健在でございまして、展望レポートもそうでしたが、「基調が強い」「内生的な物価上昇メカニズムが働く」というのが今回の金懇挨拶における説明のベースになります(副総裁の説明だから当たり前だが)が、この説明って本当の本当にそういうのがワークしまくっているというよりは、足元の物価が弱い点についての申し開き(=基調が強くてエネルギーが押し下げ)と、輸出が弱くて生産も影響を受けている点についての申し開き(=メインを内生的な物価上昇にしておけば輸出が少々弱くてもヘーキヘーキという話になる)のような気がだいぶするのが残念な所です。

でまあ『2.内外経済の現状と先行き』になりますけどね。

『最初に、内外の経済情勢についてです。わが国の景気は緩やかな回復を続けており、企業部門・家計部門ともに所得から支出への前向きの循環が明確になってきています。すなわち、企業部門では、収益が過去最高水準となり、設備投資の増加がはっきりとしてきました。また、家計部門では、2年連続でベースアップが実現するなど、賃金は増加し、個人消費も底堅く推移しています。』

というのが続く、というのがメインになっていますな。

『一方、昨年秋以降、増加が続いてきた輸出については、最近は幾分増勢が鈍化しています。ただ、これは海外経済の一時的な減速によるものであり、先行きは、海外経済が回復するもとで、これまでの為替相場の動きにも支えられて、振れを伴いつつも、緩やかに増加していくとみています。』

ミーもまあ一時的ですなあとか思ってはいるのですが、上海株式市場がアイヤーとかいうのに加えて原油以外の商品価格が全般的にあばばばばーとなっていたりと、そういうのを見せつけられるとちょっとうーむこれはというのを意識する動きが市場ちゃん的にはやや出てきているような気もせんでもないがまあそれは兎も角。


○経済見通し

・海外→輸出→生産についてはヘッジクローズてんこ盛り

でまあこの後海外と国内の説明になるのですが、海外の説明部分の細かい部分はまとめて割愛致しまして(寝坊の癖に手抜き)結論をば。

『以上、全体として海外経済は、米中経済の減速から一時的に成長率が鈍化しましたが、先行きは、先進国を中心に緩やかな回復を続けると考えています。もちろん、海外経済については、米国の金融政策の正常化が国際金融資本市場に及ぼす影響、ギリシャの債務問題、中国を含む新興国経済の動向など、様々な不確実性があり、引き続き、注意深くみていきたいと思います。』

米国と中国については一時的ということで、米国の場合は季節要因と港湾ストなどのリアル一時要因で、中国については政策対応が出るから大丈夫でしょうという一般的なというかまあ普通の見方だったりします。

『海外経済の動向を踏まえて、わが国の輸出および生産についてみてみますと、増加が続いてきましたが、足もとではやや勢いを欠いています(図表5)。輸出については、1〜3月の海外経済・物価が今の所から全然上がらなかったら2%もへちまもないのですが。



○金融政策のメカニズムは相変わらずの実質金利ルートだが

『3.わが国の物価情勢と金融政策運営』という所に参ります。

『(「量的・質的金融緩和」のメカニズム)』という所だが、もう開き直っているのか随分とポンチ絵が雑になっています。

『まず、現在、日本銀行が進めている「量的・質的金融緩和」のメカニズムについて振り返っておきたいと思います。「量的・質的金融緩和」では、物価上昇率を勘案した実質金利の低下を主な波及チャネルとして想定しています(図表10)。』

でまあ図表10というのは貼り付けるスキルが無いので貼りませんが、上記URL先の19枚目(最後から2番目)になりますが、置物大師匠がQQE実施後に中央大学だかで持ち出した面白そうなメカニズムのポンチ絵から比べて随分とこりゃ雑になりましたなあというのが少々味わいがあるところで、要するに波及ルートの説明がちゃんと整理できてないんだろというのは非常に良くわかります。

『すなわち、2%の「物価安定の目標」に対する強く明確なコミットメントとこれを裏打ちする大規模な金融緩和によって予想物価上昇率を引き上げるとともに、巨額の国債買入れによってイールドカーブ全体に下押し圧力を加えることによって、実質金利を引き下げることが政策効果の起点となります。実質金利の低下により民間需要が刺激されることで、景気が好転し、需給ギャップが改善します。需給ギャップの改善は、実際の物価上昇率を押し上げます。実際の物価上昇率が上昇すれば、人々の予想物価上昇率がさらに押し上げられます。』

実際にこのルートで何がどのように定量評価されるのかについての説明って5月の長期実質金利が100bp下押し効果というのしか見た事ないし、それにはMBの説明は無くて長期国債買入のストック効果での説明になっているんですよねえ。

で、他の波及ルートの説明とかが整理できていないというのは、これ政策が目出度く出口方面に向かうにしろ、エネルギー価格の剥落分が落ちた後にやっぱり2%がすぐに行きそうにないからゴメンナサイをするにしろ、追加緩和をするにしろ、という事になりますが、これだけの規模の政策をやっているのですから「何がどういう風に効いているのか」というのをある程度きちんと整理しておかないと、追加にしろ見直しにしろ出口にしろ、政策をどう運営していくかという「考え方」が全然見えてこないのはコミュニケーションポリシーとして如何なものかと申し上げざるを得ません。


で、その効果。

『(「量的・質的金融緩和」の効果)』から。

『「量的・質的金融緩和」は、今申し上げたメカニズムが働くもとで、所期の効果を発揮しています。名目長期金利は、日本銀行の大量の国債買入れによって低下し、10 年債の利回りでみると0.3%程度の低下となっています。中長期の予想物価上昇率については、各種のアンケートや、市場で取引される物価連動国債の利回りから計算する値など様々な指標がありますが、「量的・質的金融緩和」の導入前と比べて0.5%程度上昇しているとみられます。名目長期金利の低下幅と予想物価上昇率の上昇幅を合わせると、実質金利の低下幅は1%弱程度ということになります。』

これが例の説明ですな。

『「量的・質的金融緩和」導入以降の金融市場や経済・物価の好転は、実質金利の1%程度の低下と概ね整合的なものと考えられます。』

ほほう。

『金融市場は、「量的・質的金融緩和」の導入に対して比較的早く反応し、株価は大きく上昇し、為替市場ではそれまでの過度な円高の修正が進みました。貸出も緩やかに伸びを高め、現在は、2%台半ばの伸び率となっています。円高の修正や株価の上昇、貸出の増加の動きは、実質金利の低下による金融環境をさらに緩和的なものとしました。』

実質金利が100bp下がったのって最近の話で株や円高修正の話はその前の話ではないかという気がするのだが、どっちが先に効いているのか分からんし、そもそも実質金利ルートの話をするのは良いのだがETFの買入などのリスク性資産の買入に関してはどういう評価になっているのよと小一時間。


『このような緩和的な金融環境のもとで、企業・家計の両部門で所得から支出へという前向きの循環メカニズムが働き、わが国経済は大きく好転しました。』

何か凄いなその話の繋がり方。

『もちろん、賃金などのコストが上昇する一方で、スムーズに価格転嫁ができる企業ばかりではないため、個々の企業のレベルでは景気が良くなったという実感を持ちにくい方もいらっしゃることとは思います。しかし、わが国経済全体でみれば、収益や賃金の増加を伴いながら緩やかに価格が上昇し、その結果、収益や賃金はさらに増加するというデフレ期とは逆の好循環が働き始めており、そのもとで経済の体温は徐々に上がってきていると思います。』

経済の体温キタコレということで、ここでも基調的な話です。


○物価に関しては「秋以降上がる」そうなのでこうご期待

『(物価の見通しと先行きの金融政策運営)』である。

『経済の好転を受けて、物価の基調も着実に改善しています。』

基調キタコレ。

『消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、「量的・質的金融緩和」導入前の-0.5%から、昨年4月には、消費税率引き上げの直接的な影響を除くベースで+1.5%まで改善しました(図表11)。しかし、その後は、昨年夏場以降、原油価格が大きく下落したことや、消費税率引き上げ後の需要面の弱めの動きを背景に、消費者物価の前年比は低下し、このところ0%程度となっています。先行きも、エネルギー価格下落の影響から、夏場までは0%程度で推移しますが、その後早めのピッチで上昇率を高め、2016 年度の前半頃に「物価安定の目標」である2%程度に達すると見通しています。』

ということで、実を言えば原油価格「だけ」が弱含みで推移する分には「前提条件が違ったのでタイミングがずれてしまいますよテペヘロ」といって誤魔化すのが可能なので、この大口の真価が問われるのは実は原油が確り上昇してきたときです。

なお、もっと意地悪に解釈すると、原油価格が中々上昇しないんじゃネーノと日銀の方で見るようになっているので、上記のテペヘロ言い訳を持ち出せるんだったら目先について威勢の良い話をしても無問題だぜヒャッハーという事になって、「早めのピッチで上昇率を高め」とか威勢の良い見通しをだしているのではないかという疑念も。


『こうした見通しについては、「今0%程度なのに、本当に来年度の前半頃に2%まで上昇するのか」という疑問を抱かれるかもしれません。これについては、消費者物価のうちエネルギー価格に影響される部分とそれ以外の部分の動きに分けて考えるのが分かりやすいと思います。』

例の「除く生鮮、エネルギー」のコアコア指数炸裂である。エネルギーの押し下げ寄与が7-9で-1.0%ほどあるのでそれはそれという言い訳は何回か出ていますがせっかくなので当該部分を引用しておきます。

『まず、エネルギー価格に影響される部分です。原油価格は、昨年半ばまでは1バレルあたり100 ドルを超えていましたが、その後大幅に下落し、一時は40 ドル程度まで低下しました。割合にして、6割以上の価格下落になります。こうした原油価格の下落は、ある程度の時間差を伴いつつ、ガソリン価格や電気代など各種のエネルギー価格の下押しに寄与します。その影響は、今年の夏場が最も大きく、消費者物価を前年比で1%程度押し下げると考えられます。』

これですな。

『逆にいえば、もし原油価格が下落していなかったとすれば、この夏の消費者物価の前年比は、実際よりも1%程度高くなるという計算になります。また、原油価格が下落し続けるのでない限り、前年比でみたマイナスの影響はいずれなくなります。原油価格の先行きを予想するのは困難ですが、現状程度の水準からごく緩やかに上昇していくと仮定すれば──先物価格などをみると、そのように予想している関係者が多いようですが──、消費者物価の前年比に与えるマイナスの影響は、今年度後半から次第に縮小し、来年度前半には、ほぼゼロになります。』

どうでも良いのですが商品先物価格って基本的に需給の大きなブレを跨ぐ時(収穫時)以外って(限月の部分での先高期待とかも影響するのかもではあるのだが)期近と期先って保管コストによって裁定するもんじゃないのですか。よー知らんけど。

『すなわち、エネルギー価格のマイナス寄与が剥落するだけでも、この夏と比べて、来年度前半には、物価上昇率は1%程度高まることになるのです。』

ゼロが1%上がっても来年度前半は1%なんですけど残りは?????

『こうした変化に加えて、物価の基調についても、さらに改善していくものと見込まれます。物価の基調的な動きは、経済全体としての需給ギャップと、予想物価上昇率によって規定されると考えられます。』

残りの1%はこれで行くという説明ですな。

『まず、需給ギャップについては、「量的・質的金融緩和」導入の直前には-2%程度でしたが、その後、労働需給が引き締まり、設備の稼働状況も高まってきたことから、過去の長期平均である0%程度まで改善しています。先行きについても、潜在成長率を上回る成長が続くもとで、需給ギャップはプラス幅を拡大していくと見込まれます。』

『次に、予想物価上昇率は、先程申し上げたように、全体として上昇しているとみていますが、特に、このところの企業の賃金・価格設定行動の変化に注目しています。賃金設定については、多くの企業において2年連続でベースアップが実現しています。さらに、価格戦略についても、これまでの低価格戦略から、付加価値を高めて販売価格を引き上げる戦略に切り替える動きがみられています。デフレのもとでは、企業は販売価格を引き上げることができず、収益確保のため人件費などのコストをできるだけ抑制することで対応してきました。しかしながら、景気回復が続くもとで、仕入価格や人件費などの上昇を販売価格に転嫁できる企業が増えてきたように見受けられます。とりわけ、新年度入り後、価格改定の動きが拡がりつつあることは、近年になかった特徴といえます。先般の日本銀行の支店長会議においても、多くの支店から、こうした内容の報告が聞かれました。』

それは良いのだが元々QQEやった時期に出していたフィリップスカーブを見ると需給ギャップが少々改善した程度では安定して2%とか全然無理で、期待インフレをかなり劇的に上げる形でカーブをシフトアップさせないといけない、という話だった筈なのですが、サーベイとかBEIとか最初のうち持ち出していたインフレ期待の数値って上がってましたっけ最近????という話はしないのが執行部クオリティ。

『このような変化は、データ面からも確認できます(図表12)。消費者物価指数(除く生鮮食品)を構成する524 品目のうち、上昇した品目数から下落した品目数を差し引いた指標をみると、このところ一段と上昇しており、直近5月は2003 年以降で最も高くなっています。さらに、日用品や食品価格を速報している東大や一橋大の物価指数をみると、4月以降、前年比ではっきりとしたプラスに転じており、直近までプラス幅の拡大傾向が続いています。昨年は、4月の消費税率の引き上げにあわせて、多くの商品で値上げが行われましたが、販売不振のため、ほどなく価格下落に転じました。今年の動きは、昨年とは対照的なものといえます。』

まあここからエネルギー要因のマイナスが剥落して実質賃金のプラスが縮小からマイナスに転じてきたときに本当に消費がコケないのかがポイントで、コアCPIそのものはゼロ近傍で実質賃金がプラスという時期にこの話をして喜んでいる場合ではない(単純喜んでいるのではなくて明るいネタ探しの一環で言い訳に使っているのだけだとは思いますが)と思いますがね。


『このように、「量的・質的金融緩和」が所期の効果を発揮するもとで、企業収益の改善や雇用・賃金の増加を伴いながら、物価上昇率が緩やかに高まっていくというメカニズムが働いています。先行きの消費者物価の前年比は、当面0%程度で推移するとみられますが、物価の基調が着実に高まり、原油価格下落の影響が剥落するに伴って、「物価安定の目標」である2%に向けて上昇率を高めていくと考えられます。2%程度に達する時期は、先程申し上げたように、原油価格が現状程度の水準から緩やかに上昇していくとの前提に立てば、2016 年度前半頃になると予想しています(前掲図表9)。』

というのが結論ですが、まあナローパス&ナローパス&ナローパスですわなという事で。


○最後に『(日本経済の成長力強化)』と言う項を置いているのがチャーミング

でまあ上記のような小見出しが入っているのが何気にチャーミングで、先般もタイで黒田総裁がアジア経済の成長の話をしているなかで(ややシバキ風味の入った)構造改革の重要性を盛大に主張していまして、これはアジア向けの話といいつつ日本も意識しているだろとか思って読んでいましたので、この部分はそれとの関連で項目設けた感があって味わいがあります。

ただ、中身はシバキアゲ的な棘を外して説明しているなあということで、中曽さんもここは強調したかったと勝手に想像するので敬意を表して構造改革に関して指摘している部分を引用してみますね。

『第1に、経済が好転している今こそ、構造改革を前に進める好機だということです。経済が好転することで、構造改革の必要性や具体的な課題がより明確になるからです。例えば、?子高齢化が進むわが国で、成長力を引き上げるためには、女性や高齢者の労働参加が重要であることは頭では理解できても、失業率が高い状況では切実な問題とはなりませんでした。経済が好転し、労働需給がタイト化したことで、企業や世の中全体に労働面の供給制約が意識され、女性や高齢者の活躍促進に向けた施策の実現が進みました。また、規制改革という文脈でも、企業や家計の経済活動が活発になることで、規制や制度のうちどの部分が経済活動の障害になるのかが明確になります。実際のニーズが生じることは、規制改革を進める大きな原動力になります。』

ほほう。

『第2に、構造改革が経済に及ぼす影響についてです。構造改革は、基本的には、経済の長期的な成長や持続性を高めるために行う必要があるものです。この点、欧州をはじめ海外では、構造改革は短期的には痛みを伴い景気を下押しするのではないかという議論が行われています。しかし、構造改革には、成長期待を高め、短期的に消費や投資を促進し需要を刺激するものも?なくありません。』

ふーん。

『例えば、企業活動のフロンティアを拡げ、企業が「やってみたかったこと」を実現したり、企業の挑戦心を喚起したりするような規制改革は、将来の企業の生産性や利益を高めるという予想を生み成長期待を高めることで、短期的にも投資を誘発する効果があると考えられます。また、将来の社会保障の持続性に対する人々の信認を高めることができれば、家計がより安心してお金を使うことができるようになります。このような構造改革は、短期的にも経済の好転に寄与するものです。』

とまあそういうことで引用大会で恐縮至極でありました。会見ヘッドラインが飛び交っていましたがテキスト見てから判断したいので会見ネタは明日。
 


お題「短国買入ェ・・・・・・・・・・・で悪態少々/日銀のペーパーから2本(ちょっと前のです、汗)」   2015/07/27(月)08:10:47  
  内閣支持率関連@読売
[外部リンク] 読売新聞 7月26日(日)22時1分配信


内閣支持率関連@日経
[外部リンク]
2015/7/26 22:00日本経済新聞 電子版

まあ傾向はどこも変わらないのですが、支持が減って不支持が増えてというのの角度がでかいのが何ともでして、下手に見え見えのネタを打ち込みに逝くと却って墓穴を掘りそうな悪寒もする中安倍ちゃんサポートの為に追加緩和キタコレとかいうネタで何とかストが一本打ち込んでくるに300ドラクマ。


そういやFTの関連ではやはりこれですか。
[外部リンク]
2015/7/24 10:59

『甘利明経済財政・再生相は「日本メディアが世界的な経済メディアたるFTを傘下に収め、国際社会に日本の経済事情をより正確に発信できるようになることは喜ばしい」と述べた。』

『石破茂地方創生相は「グローバル化に対応した報道、日本経済をけん引する報道がなされていくとよい」との期待感を示し、約1600億円の買収額には「驚くような金額だ」と語った。』(以上上記URL先より)

何を期待するんでしょうかねえ(意味深)。


#他人事だからどうでも良いのだが渡辺先生そんな勢いで年がら年中モーサテに出て研究は大丈夫なのでしょうか・・・・・・


さてまあ金曜は相場のネタと言えば輪番が無い(流動性供給だから)ので短国買入となるのですが・・・・・・・・

○市場雑談というか短国買入ェ・・・・・・・・

・短国買入2兆円オファーとな

金曜の駄文で1年カレント短国の売参がどうのこうのと申し上げておりましたが、まあ何でダラダラと申し上げていたかと言えば金曜は日銀の短国買入が予定されていた訳ですよね。

ということで短国買入のオファーを正座してまっていたのですがオファーはこちら。
[外部リンク] 20,000 2015年7月28日

・・・・・・うーんこのという感じですが、金曜日付の売買参考統計値は金曜に申し上げたように1年カレントの545回が前日比謎の4毛強の-6.5bpで6Mのカレント543回が-3.7bp(前日比3糸甘)で、3Mカレント547回が-0.2bp(これは前日比はあまり意味がないが7糸強)でその前の週の3Mカレント546回が-0.1bp(変わらず)となっていた訳ですが、さて落札結果はと言いますとこうなっていました。

[外部リンク] 36,729 20,002 0.005 0.009 49.5

あちゃーというか何と言うかで、3.6兆円しか札が無いのになぜ2兆もオファーするかねというか何と言うかで、これですと3Mに関しては9日に馬鹿入札になって10日の短国買入1.75兆円が全額この銘柄だったという544回(の売参は-7.7bpで前日比変わらず)だとこのレートでも入札レベルより強いのですが、直近2銘柄ですと出来上がり金利がプラスになるので今回は1年カレントか6Mカレントが入ったんでしょうなあという所ではありまして、平均で入ったとして1Yカレントが-6.0bp、6Mカレントが-3.2bpでの日銀様お買い上げの図となったと思われます。もし3Mの544回が残っているなら-7.2bpですな。

で、落札銘柄の分布を見ながらネタにしようかなとも思っていたのですが、この買入を反映した保有短国の残高一覧は31日付分になって、17日と24日の買入が両方跳ねてくるので、いまいち何が入ったのか分からんというのと、31日付の残高が出るのが8月4日とかになって随分後になるので、まあ今回は短国買入ェ・・・・・・・・の印象が残っているうちに以下悪態なのである。


・そもそも短国買入の残高が多くないですかねえ&MBの進捗が進み過ぎでディレクティブ的にどうなのかと

短国買入残高
[外部リンク] 一方で営業旬報を見ますと
7/20
[外部リンク] 3/31
[外部リンク] 12月末のMB
[外部リンク] 2,758,800

3月末のMB
[外部リンク] 2,958,600

6月末のMB
[外部リンク] 3,250,500

ということで、12月末はその前からの流れで目途の数値みたいなのがありまして、3月の所では金融政策決定会合の議決通りに「年間80兆円MB拡大」に合わせてきっちり20兆円のMBを積んできたわけですが、6月の所でご覧のとおりで3月末対比で10兆円余計に積んでいまして、

7月23日のMB
[外部リンク] 3,221,700

となっていて、ここから短国が若干のマイナスになりますが、長期国債が輪番マイナス超長期発行と流動性供給入札でプラスになって、更に今月は月末に財政の払い超があるので、この調子だと7月もMBって残高を普通に維持することになるのですが、そもそも6月に10兆円上ブレさせているのに何で残高をシャカリキになって維持しないといけないのかがワカランチ会長(9月にはまた国債償還要因があるのに)。


とまあそんなこんな感じでありまして、何でまた金曜は2兆円も短国買入せにゃならんのよとも思うのですが、6月に余計に積んでいるのでなければまあ分かるのですけれども、上記のように6月に従来通り四半期リニアで積んでいくなら20兆円で良い所を30兆円MB積んで(そもそもその時点でディクティブ的に如何なものかと思うのだが誰も突っ込まないし、マネタリーベースガーと言っていた人たちが何も言わないのはもっと謎)いるのに買入せんでエエノニというのは今ウダウダと申し上げた訳ですけど・・・・・・・・・


・これで市場機能がどうのこうので問題ないとか言い出すのはヘソが茶を沸かすレベル

それよりも何よりも、金曜にグダグダと申し上げて何で訳の分からんことを書いているのというご指摘も頂いた訳ですが、翌日に短国買入を控えて短国1年カレントの1銘柄だけいきなり4毛強とかいう売買参考統計値(いやまあこれが他の中短期の利付国債やら周辺の銘柄が全般的に金利低下しているとか、この銘柄だけそれまでの売買参考統計値が甘かったとかいうならともかく)攻撃が出るってえのは、まあ翌日の短国買入が予定されている中でちょっと日銀舐められてませんかそれはというお話だったのですが、露骨に言うのもどうかなと思って訳の分からん書き方をして日銀のお手並み拝見しようと思ったら、まあお手並みの方がご覧の結果という事になりましたとさという事ですな。

まあ何ですな、短国買入の実施前日に特定銘柄だけ他のイールド形成とかと全く関係なくいきなりレートを下げられる攻撃という「市場に足元見られまくり攻撃」が起きた翌日の短国買入なので、ちょっとどうなるかを楽しみにはしていたのですが、2兆円とか買入オファーして来るというのは要するに「相場がどうなっても知らんがとにかくMB積むので短国を買う」という姿勢だという事になりますし、まあ足元見た方の思惑にずっぽり嵌っている辺りが何とも残念な所ではありますが、まあ前日の1年カレントだけ4毛強攻撃からの一連の動きに市場機能とは何ぞやという脱力モードになっておりまして悪態シリーズという事になる訳ですな。


まあそんな市場ですが、どうも日銀執行部様などによりますと相変わらず市場機能に問題はないとでも言いたいんでしょうが、今度どこぞの副総裁が「市場機能に大きな問題はない(キリッ)」とか言い出したら毛を抜いて詫びるべきだという状況にしか見えませんけど、誰だか知らんけど決定会合で2回連続で「現状、金融面での不均衡や金融緩和の副作用を示す理論や事実に基づく具体的な根拠はない(キリッ)」とか言い出す審議委員は脳味噌を取り換えた方が良いのではとか思うのでありました。



・このMB拡大が定量的に効いてすぐにでも物価目標達成するなら短期的には我慢なんですけどね

とまあそういう状況でして、最近の短国市場ではマイナス入札で発行された短国を更に日銀が飛んで
ないマイナス金利(1年短国で言えば入札の平均利回りが-1.9bpで2.5兆円出ていますが、先週金曜の短国買入で日銀の購入した利回りは平均で-6.0bpになりますな、2兆円のうちどこまでが新発1年だか分からんけど)で買うとか何の意味あるんだよと小一時間問い詰めたい次第でございまして、市場を通すことによってその間に買入利回りが思いっきり下がるとか、単に流動性の無い市場を更に流動性無くしているだけの効果しか無い訳で、そんなにMB積みたいなら償還分は1年短国で乗換(必要なければ現金償還でより必要なら市中購入)してくれた方が、発行自体が減ってしまいますけれども日銀買入という巨大な需給要因が無くなって却って価格形成が普通になるわとか悪態の一つもつきたくなる次第。


まあこうやって市場積み上げるMBに何か定量的な意味があって、こうやって積み上げをするとリニアだか対数だか知らんですけど、マネタリーベース直線一気理論で物価目標が達成できるからというのでしたら別に良いのですけれども、「2年で達成するために必要な措置は実施した(キリッ)」とか置物理論だかマッカラムルールだか2倍2倍理論だか知らんけど打ち込んだ挙句に途中で追加拡大をしてしかも2年で達成しないというテイタラクな中で何のために市場ぶち壊してまで買入をしなきゃいけないんですかねえとか思いますし、今日は短い方の話があまりと言えばあまりだったので悪態シリーズでしたけれども、こんなの早晩輪番でも似たような話になって、そうなってくると債券短期の国債市場両方ともになるのですが、マーケットメーカーの流動性バッファ機能とか全然無くなってしまい、金融政策正常化をする際にも日銀が流動性バッファー提供する破目になるとか、どこの統制市場だという状況になりそうな悪寒。

そもそも市場からの買入を実施しているのって財政ファイナンスに対して市場からの牽制機能が働くようにするためとか言う話があった筈なのですが、買入のやり過ぎで市場機能がこの有様になってしまう中で、今度は出口の時どうするの(出口しないつもりなら別に問題ないのですが)と思いますし、どうせQQEなんて超異例政策を実施しているんだったら、QQE実施中の期間限定で買入分の償還乗換に関して全部または一部実施した方が良いんじゃないですかねえと。いやまあストックビューで言えばその分市中消化が減るからツーペーではあるのですが、フローの買入が減るとフローが価格形成に与える影響が軽減しねえかと思うのですけどねえ。


とまあ一部のマニア向け悪態で誠に恐縮至極というものです。


○日銀のペーパーネタ2題ほどだが頭がついていかないのでご紹介するから皆さん読んでちょ

ええまあ無学なもんで論文に計算式とギリシャ文字が出てくる時点でゲロゲロマーライオンになってしまいますもんでご紹介だけなのですけどね。


・均衡イールドカーブに関するペーパー(いまさらですが6/4のもの)

[外部リンク] 本文はこちら
[外部リンク] 『本稿では、均衡イールドカーブの概念とその計測方法について解説する。均衡イールドカーブとは、単一の年限に限定されていた均衡実質金利の概念を、全ての年限に拡張したものである。実際の実質イールドカーブが均衡イールドカーブに一致していれば、需給ギャップはゼロに収束していく。』

『わが国のデータを用いた実証分析によると、過去の緩和局面では、短中期ゾーンを中心にイールドカーブ・ギャップ(実際の実質イールドカーブと均衡イールドカーブとの乖離)が拡大することで、緩和的な金融環境が実現していた。これに対し、量的・質的金融緩和のもとでは、短中長期全てのゾーンで、イールドカーブ・ギャップが拡大していることが確認された。こうした均衡イールドカーブには、伝統的な金融政策のみならず、イールドカーブ全体に働きかける非伝統的な金融政策においても、政策運営上の指針となることが期待される。』

ということではありますが、本文の序論部分から引用します。

『均衡実質金利は、景気を加速も減速もさせない中立的な実質金利である。実際の実質金利が均衡実質金利を上回ると、景気に対して引き締め的に作用し、下回ると緩和的に作用する。こうした性質をもつ均衡実質金利は、中央銀行が短期金利を操作する際の参照点と位置付けられ、Laubach and Williams (2003)など中央銀行関係者を中心に、様々な方法によって計測が行われてきた1。日本銀行でも、小田・村永(2003)や鎌田(2009)が、わが国の均衡実質金利の計測を試みている。』

『もっとも、近年の先進国では、特定の年限(例えば翌日物)の実質金利と均衡実質金利との金利ギャップから、金融環境の緩和度合いを評価することが難しくなっている。ゼロ金利制約に直面し、名目短期金利の低下余地が失われて以降、主要な中央銀行は、伝統的な短期金利コントロールからイールドカーブ全体に働きかける政策へと、軸足を移しつつある。当然、金融環境の緩和度合いを正しく評価するためには、単一の年限だけでなく、イールドカーブ全体の動きに注目することが必要となってくる2。』

『こうした問題意識のもと、本稿では、従来の均衡実質金利を拡張した、均衡イールドカーブの概念とその計測方法について解説する。均衡イールドカーブは、これまで単一の年限に限定されていた均衡実質金利を、全ての年限に拡張したものである。均衡実質金利が景気中立的な実質金利であるように、均衡イールドカーブは景気中立的な実質イールドカーブである。』

という中々チャレンジングなお話でして・・・・・・・・・・

『金利ギャップと需給ギャップとの関係を記述したIS 曲線から均衡実質金利を求めることができるように、均衡イールドカーブは、イールドカーブ・ギャップ(実際の実質イールドカーブと均衡イールドカーブとの乖離)と需給ギャップとの関係を記述したIS 曲線から求めることができる。具体的には、イールドカーブを3つの要因に分解し、各要因の均衡値からのギャップと需給ギャップとの関係を定式化する。』

引用ちょっと端折りまして、

『同趣の先行研究であるBrzoza‐Brzezina and Kot?owski、2014)と異なり、イールドカーブ・ギャップの形状に応じた景気感応度の違いや、均衡イールドカーブと実際の実質イールドカーブとの期間構造の違いを識別しながら、均衡イールドカーブを計測できることが、本稿のモデルの利点である。』

『本稿の構成は次のとおりである。2 節では、均衡イールドカーブの概念について、3 節では、その推計方法について解説する。4 節では、本稿のモデルをわが国のデータに適用したうえで、1990 年代以降の均衡イールドカーブとイールドカーブ・ギャップの動向について報告する。最後の5 節は結びである。』

という事で、以下お話があるのですが、最初のうちは計算式見ても概念的な話なのですが、後に来るとアタクシが泡を吹く話になっていますので頭の良い皆様に読んでくらはいという所ではあるのですが、頭の出来がアレなアタクシが読みまするに、要するに均衡金利の概念is需給ギャップがゼロになる点、という概念から、需給ギャップとイールドカーブの形状から後付で推計するというのが基本的な概念になるようですな、うんうん。

でまあ『4.実証分析』という所に飛びますと・・・・・・・・・・・

『前節で解説した推計モデルを、わが国のデータに適用する。DNS モデルとNYCモデルの推計に用いる観測データは、図5 のとおり、実質ゼロクーポン金利、需給ギャップと潜在成長率であり、サンプル期間は、1992 年第3 四半期から2014 年第4 四半期までである。』

何ちゃらモデル云々は本文見て下さいませという所ですが、DNSというのが動学的なネルソン=シーゲルモデル(何だか知らん)でNYCが均衡イールドカーブモデルだそうですお。

『具体的には、実質ゼロクーポン金利として、名目ゼロクーポン金利を「コンセンサス・フォーキャスト」の期間別インフレ予想で実質化した系列を採用する6。インフレ予想の調査対象期間が10 年先までに限られているため、10 年以降の予想については、6〜10 年先の予想で不変と仮定している。また、半期ごとの調査であるため、線形補間により四半期化している。』

まあモデル云々はアタクシ頭が悪いのでワカランチ会長ですが、前提にこういうのを置いてるのねというのが味わいがありまして、期間別インフレ予想で実質化すると言いましてもインフレ予想そのものが何ぼだか分からんのでここで既に置きが入っていますなと思いますが、将来物価安定目標が達成できていて中長期のインフレ期待が2%でアンカーされている、という風に見なすのなら実質化はそんなに難しくないのかも知れません。

とは言いましても、これインフレ期待が全期間にわたって2%でアンカーされているという状態になって居ない中でインフレ期待がアンカーされている、という認識で均衡イールドカーブがこうなりますおとか計算すると、その計測しにくいインフレ期待を(中央銀行の政策運営的に)都合の良い解釈をした結果推計にバイアスが掛かりそうな悪寒がしますな、というのは把握した。

『推計に使用した実質ゼロクーポン金利の年限は、1、2、3、7、10、20年であり、需給ギャップと潜在成長率は、日本銀行調査統計局による試算値である。』

でまあ需給ギャップと潜在成長率に関しても当然ながら計測に誤差があるので、これは逆に「こういう望ましい経済状態になっている場合の均衡イールドカーブが」というような「ロンガーランの均衡イールドカーブ」のイメージを出すのには良いのかも知れませんが、足元の状況を均衡イールドカーブで評価して緩和的か引き締め的かという議論をするには結構諸刃の剣な香りもしますな。

でまあその結果らしき部分ですけどね。

『わが国では、大手行の貸出残高のうち、Tibor などを指標金利とする変動金利貸出の割合が5 割を超えており、短期金利の影響を受けやすい経済活動の割合が半数近くに上ると推測される。この点を踏まえ、ω=0.5かつτ= 1年のφ(τ)が他の年限よりも十分に大きいと仮定すると、(10)式のベータ分布f1(・),f2(・)はそれぞれ、前掲図3(3)のように、τ= 1年にピークをもつ右下がりの分布と、τ= 5年にピークをもつ分布になる9。』

式がウダウダ出てくるのは勘弁してください、というかこれテキストに貼るときに一々補記しないといけないので死ねる。

『推計されたf1(・),f2(・)の形状からは、以下のことが推察される。まず、短期ゾーンでは、変動金利貸出の対象先を中心に、1 年の金利ギャップに対する感応度が突出して高くなっている。また、中長期ゾーンでは、固定金利貸出の対象先を中心に、景気の平均的な周期と符合する3〜5 年の金利ギャップに対する感応度が相対的に高くなっている。なお、それ以降の年限の感応度については、年限が長くなるにつれ、単調に減衰していく傾向が読み取れる。』

とまあそういうのが過去の推計値として出ているのですが、これってあくまでも過去の推計になるので、資金需要に対応するための市場動向とか、貸出とか銀行の資産保有に関する規制制度に変化が生じた場合に将来においても同じようになるのかというのも解釈に幅があるでしょうなと思います。蛇足かもしれませんがボルカールールだのバーゼル3だのとかで金融機関の行動に制約が強くなると、それだけで金融環境に対しては引き締め的に働く訳で、そういう制度面の変化が需給ギャップに対する金利の感応度とか適正水準についても変化をもたらす可能性ってどうなんでしょうかね。


でまあ折角ですので最後を引用しますね。

『本稿では、均衡イールドカーブの概念とその計測方法を紹介した。本稿のNYCモデルは、イールドカーブ全体の情報を勘案したうえで、イールドカーブ・ギャップの形状に応じた景気感応度の違いや、均衡イールドカーブと実際の実質イールドカーブの期間構造の違いを識別しながら、全ての年限について均衡実質金利を計測できることが利点である。また、イールドカーブ・ギャップからは、特定の年限だけでなく、イールドカーブ全体からみた金融環境の変化を捕捉することができる。』

『もっとも、金融政策の分析手段として広く浸透している動学的確率的一般均衡(DSGE)モデルなどの金融政策モデルや、テイラールールなどの金融政策ルールは、均衡実質金利の期間構造を想定していない。このため、全ての年限の金利情報を反映した均衡イールドカーブに対して、既存のモデルやルールを直接適用することができない。こうした既存のモデルやルールを均衡イールドカーブと整合的なかたちに拡張・一般化することは、理論的にも実務的にも重要なテーマだと考えられる。今後の課題としたい。』

ということで、従来は長期金利は知らんがなというのが中央銀行の基本スタンスだったのですが、こういう概念を出してきましたなという事で。


・この前ご紹介した家計のインフレ期待のアンカーがどうのこうのは最後の最後に味わいがあった件

[外部リンク] 『本稿は、家計のインフレ予想の性質と中央銀行による予想の安定化について考察する。家計のインフレ予想に関する個票データは、様々な歪みを伴っている。本稿では、正規逆ガウス分布を当てはめることによって、そうしたデータの歪みを除去する。こうして得られる分布は潜在分布と呼ばれ、その性質を調べることによって、家計のインフレ予想の特徴、特に、インフレ予想の期間構造的な関係性があぶり出される。』

『分析結果によると、長期のインフレ予想は、現実の物価動向に左右されにくく、逆に、短期のインフレ予想は、現実のインフレ率によって影響されやすいことがわかった。』

そらそうよ。

『また、本稿は、中央銀行の政策スタンスが家計のインフレ予想に、どの程度影響を及ぼし得るのかという点についても分析を行った。分析の結果、2013年に日本銀行が導入した物価安定目標や量的・質的金融緩和は、インフレ予想のアンカー強化に寄与したことが確認された。』

キタコレ!

『もっとも、家計のインフレ予想が現実の物価動向から全く影響を受けなくなった訳ではない。その意味で、インフレ予想のアンカーを強化する余地は残されている。』

で、この「もっとも、家計のインフレ予想が現実の物価動向から全く影響を受けなくなった訳ではない。」というのが実は味わいがありまして・・・・・・・・・・・・

本文
[外部リンク] B.インフレ実績とインフレ予想』というのがあってこちらが中々味わいがある。

『当補論の目的は、家計が将来のインフレ率について予想形成を行う場合、どの物価指数から最も大きな影響を受けるか、例えば、ヘッドライン指数からなのか、あるいは、何らかの部分的な指数なのか、という点を明らかにすることである。ここでは、現実のインフレの指標として、消費者物価指数のヘッドラインと3 つの部分指数に注目する。すなわち、「総合」、「総合(除く生鮮食品)」、「総合(除く食料およびエネルギー)」、「食料およびエネルギー」である。これらの物価指数を(5)式に代入し、最尤値が最も大きくなるものを家計の予想形成過程において最も影響の大きい指数と定義する。』

ということで結論は・・・・・・・・・・

『B は推計結果である。最も影響度の大きい消費財は、予想期間の長さによって異なる。長期予想を形成する際、家計はコアCPI、すなわち、「総合(除く生鮮食品)」に着目している。これに対し、短期予想を形成する際には、家計はCPI 総合に注目している。』

ほほう。

『また、家計のインフレ実感が「食料およびエネルギー」、つまり、家計が日常接している消費財の価格と整合的であるという点は興味深い17。家計は、予想形成に当たっては、広い財・サービスの価格を考慮するが、足元の物価情勢を理解する際には必需品の価格に注目する傾向がある。』

ほっほー。

『最後の点は、家計のインフレ予想の安定性を考える上で重要な含意を持っている。4節で議論した通り、家計のインフレ予想は、インフレ実感からの影響を受けて変動する。そして、ここでの実証結果は、そのインフレ実感が食料品価格やエネルギー価格から特に強い影響を受けていることを示唆している。食料品価格とエネルギー価格の家計のインフレ予想形成における心理的役割は、家計の支出における金銭的な役割以上に重い。』

ということはエネルギー価格が下がっている状態が長引いたらインフレ予想が下がる筈なのにインフレ予想が安定しているのは単に足元で食料品が上がっているからではないかという結論ですね!!!!!!!!!!

などと最後の所だけ引用しちゃいましたが、前も申しあげたように中身の方もご覧アレということで。
 


お題「市場メモ雑談/黒田総裁の先日の講演はアジアに仮託して日本の話をしているようにも見えますな」   2015/07/24(金)08:05:40  
  ほほう
[外部リンク]
読者数で世界最大の経済メディアに
2015/7/24 0:20

FTは90年代後半からの日本の金融危機の頃に日本関連の次々と記事を打ち込んできた論調がどこからどうみても「人の不幸でメシがウマイ」状態の煽り記事というのがてんこ盛りという印象が強烈過ぎてその頃から好かん。

それはそれとしてモーサテで北野さんの師匠直線一気理論disキタコレ!!


○またまた市場メモ雑談

・3M入札はまたまたマイナス足切とな

[外部リンク]
(4)募入最低価格における案分比率 59.1778%
(5)募入平均価格 100円00銭0厘8毛(募入平均利回り)(-0.0032%)

精々流れても100円でしょとか申し上げていたらそもそもそこまでも流れないの図となっておりまして、そんなにマイナスで買いがあるのかよと言うとそらまあ日銀様がお買い上げになりますからというのはあるのですが、6月にMBを「年間80兆円」を上回るペースで積んでしまっている分の調整がどこで入るのやらとか思っていたら3Mマイナスが深くなった先々週に短国買入を増額しなくてほほーという状況に対して先週何のことはない2.5兆円とか買入をドドーンと増やしてしまい、「オペ先のポジションが重くなると日銀がお助けしてくれる」という事でオペ狙いの人たちをエンカレッジしてしまった感があるのでその分だけ札が上で切れたという所ですかにゃあ。

まあ先々週みたいに突如上で切れてその後レートが進んで翌日の短国買入が1.75兆円の落札中全部が3M新発となるとかいうような現象ではなくて普通に落札レベル近辺での推移だったみたいなのでまあそうですかねえという所ですが。


・売参ェ・・・・・・・・・・・

売買参考統計値はこちら
[外部リンク] 27年7月24日 (金) 発表」という名前になる)ものとなりますので、ここで今日付の売買参考統計値と昨日付の売買参考統計値を見ますと、って物凄い銘柄量がありますけどこの文章の流れでございますので当然ながら短国の利回りとかになりますけどね。

で、ここの「国庫短期証券」のカテゴリー(償還の早いものから順に並んでいる)を見ていきますと、「国庫短期証券 545」という銘柄にぶち当たるのですが、こちらの「平均値」の「単利」を見ますと、本日付(昨日の引け)の単利利回りが「-0.065%」となっていますが、この銘柄昨日付(前日の引け)の単利利回りが「-0.025%」となって4毛強という華麗な金利低下を示しておりますな、うんうん。

なお、前日比で平均値単利が低下した銘柄としては昨日の3M新発もあるのですが(売買参考統計値の短国はWI取引が始まる日の引け分(=翌日発表という形の奴)から数値が出てくるので入札前の時点から利回り等を見れます)、こちらは本日付が「-0.002%」で昨日付が「0.005%」となっていて、この銘柄も金利は下がっているのですが、その幅は0.7毛となっておりますな。まあ元のプラスというのがWI時点ということでそもそも今の状況だと取引皆無状態ですし、入札が流れるのの期待込みみたいな感じの数字だと思われまして、入札が普通に流れずにマイナスで落着した水準となって、その数字自体もマイナス0.2bpって上にあるように入札の足切利回りなのでまあこれはこんなもんかなあと。

まあそんなことで1年短国カレントの545回債が前日比4毛強と華麗に金利低下しているのでございますが、良く見るとその周りの銘柄別に強くなっていないし、2年債の売参(短国の次にある「中期国債 331(2)」以下の銘柄)を見ると前日と同じ利回りだったり、短国では6Mカレントの543回債の利回りが-0.037%で前日の-0.040%からこちらは金利が上昇していたりしまして、ほうほうそうですかそうですかと不肖このアタクシは茶を啜りながら売買参考統計値を眺めて備忘メモとして事実関係を並べて置いてみましたが、置いてみたというだけで他意はありませんからね!!!!!!!!!!!



・そういえば忘れていたのでECB資産買入のラップ確認だが毛ほどペースが落ちてるのかな

すいませんすいません
[外部リンク] 7/17残高と前週比増加額
CBPP3 EUR 100.2 billion +EUR 1.9 billion -
ABSPP EUR 9.4 billion +EUR 0.1 billion -
PSPP EUR 227.6 billion +EUR 11.2 billion -

今月のラップは以下の通り。

7/10残高と前週比増加額
CBPP3 EUR 98.2 billion +EUR 2.2 billion
ABSPP EUR 9.3 billion +EUR 0.4 billion -
PSPP EUR 216.3 billion +EUR 11.7 billion

7/3残高と前週比増加額
CBPP3 EUR 96.1 billion +EUR 1.8 billion -EUR 0.3 billion
ABSPP EUR 8.9 billion +EUR 0.3 billion
PSPP EUR 204.7 billion +EUR 10.2 billion -EUR 0.6 billion


ついでに先月後半の数値はこうです。

6/26残高と前週比増加額
CBPP3 EUR 94.6 billion +EUR 2.5 billion
ABSPP EUR 8.6 billion +EUR 0.3 billion
PSPP EUR 193.9 billion +EUR 11.6 billion

6/19残高と前週比増加額

CBPP3 EUR 92.1 billion +EUR 2.2 billion
ABSPP EUR 8.3 billion +EUR 0.1 billion
PSPP EUR 182.3 billion +EUR 11.9 billion

ということで、先週1週間の買入がトータルで132億ユーロで、その前が143億ユーロですが、もうちょっと前のペースを見ると大体140億ユーロ/週のペースで打ち込んでいる感じですので、先週は買入ペースが気持ち程度ですが落ちていまして、これはやはり7月に本格的に入ってそろそろ取引が夏モードになってくる(まあ先週だとギリシャモードだと思いますが)ので、以前クーレ理事が余計な発言して物議をかもした「市場の流動性に配慮して買入ペースを調整するけど後で帳尻するから安心してください」攻撃が入るのかなあとか思ったりしたのですけれども今週の実績も合わせてみないと良くわからん。

とは申しましても、クーレ理事の例の発言が出て欧州債券市場が前倒しヒャッハーとなっていた時(ただの朝三暮四にしか見えないが)ですともっと有意に買入の額をいじってくるのかと見られていたと思うのですが、まあECBの皆様が懸念する程の事も無く買入が比較的順調に進んでいるので別に変な調整をして物議を醸すことも無かろうという判断になっているのだと思います。

でまあその買入が順調になってきたのって、要するにドイツ様の金利低下が止まって反動でヒャッハーとなって金利が上昇した結果として買入が円滑に進んでいるだけだったりするのでございまして、そうなりますとそもそも論として何のためにPSPPやっているのかと小一時間問い詰めたいところではありますな。

・・・・・・・・ただし、その答えに関しては先日ネタにした(のはいいのですが質疑応答をまだネタにしていません遅れ遅れですいませんすいません)ECB定例理事会後の会見でのドラギ総裁の説明でして、国債金利水準の話をするのではなくて「企業や家計の借入がやりやすくなった」とか「金融緩和の影響による金利低下が企業や家計の借入金利にパススルーされてきた」というようなところをメインに押し出していまして、つまりは「国債市場金利そのもの」という説明をしらっと後ろに下げまして、「ファイナンシャルコンディションの改善」という話をすることによってその辺のツッコミを有耶無耶にするという作戦に出ている訳ですな(あと金融緩和政策のパススルーのもう一つの話として域内のフラグメンテーションの改善というのも出していて、それもファイナンシャルコンディションの改善という文脈で説明している)。

欧米の場合は基本「中長期的な期待インフレはアンカーされている」という説明になっているので、日本のように実質金利の話を持ち出すのが若干苦しいのですが、金融環境という意味で言えば欧米はまだ金融危機の後遺症がどうのこうの的な説明ができるのが強いちゃあ強いですな。そのかわり市場金利水準そのものには(下がった時は触れるけど)上がった時にはスルーするというのが仕様となっているのですが。

一方でジャパンの場合は金融機関のバランスシートに問題がある訳でもなく、金融危機っていつの時代の話でしたっけ状態になっていて、今更金融緩和によるファイナンシャルコンディションとかいう話には持って行けないですので、インフレ期待と実質金利での説明が主になるんですけど、それって本当にどういう効き方を実体経済にしているのよとなると説明がモゴモゴ状態になってしまう訳で、まー毎度悪態を申し上げているように「ところで何のためにMBと長期国債年間80兆円も積まないといけないの」的な所が単に今更引くに引けないから以外の明快な説明がどうもねえという所ではありますな、うんうん。

#いつの間にか悪態に(汗)


○やっぱり面白いので黒田総裁の先般の講演から少々

[外部リンク] Sen Lectureにおける講演の邦訳
日本銀行総裁 黒田 東彦
2015年7月21日

これなんですが、アジアの成長に関する話をしながら実は日本の課題について言いたいんだろうなあと思いながら読んでいたのでそういう風に思うのかもしれませんけどどうですかね(^^)。

まずは最初の方から。

『経済成長をいかに持続させるかという問題は、学術関係者、政策担当者にとって、近年ますます関心の的になっています。先進国の「長期停滞論」に関する議論は、その典型例かと思います2。個別国の経済成長率は世界の平均値に回帰する傾向があることを考えると、今は高い成長率を謳歌している新興国も、いつかは同じような課題に直面するかもしれません3。』

うむ。

『そうしたことを踏まえると、アジアがこの先数十年間にわたって本当にしっかりとした成長を続けられるのだろうかという話は、決して心躍るような明るいものにはならないかもしれませんが、一考に値する問題だと思います。以下では、アジアにおける経済成長に関する定型化されたファクトを確認した後で、そうした経済成長をいかに持続させるかということを議論したいと思います。』

ということですが、これアジアの成長持続の話ではあるのですが、日本の成長をどう進めていくのか(そもそもそうならないと2%物価上昇が安定的に持続できないでしょ)という点を念頭に入れたお話なのかなあとか思いながら読んでしまった次第なのです。


でまあファクトの方は飛ばしまして課題の方に参ります。『3.経済成長の3つの罠』という小見出しから。


・成長の天井論に関して

『いったい、アジアはこの先も高い経済成長率を維持していくことができるのでしょうか。過去のパターンに従えば、アジアにはまた別の先導役が現れることを期待できるかもしれません。しかし、実際にそうなるとの保証はありませんし、仮にそうなったとしても、先導役一国に頼りきりになる訳にはいかないでしょう。アジア全体としての繁栄を維持していくためには、比較的所得水準の高いアジア諸国が、ある程度高い成長率を維持していくことが必要です。』

うむ。

『私は、アジアが成長を持続していくためには、避けなければならない罠が3つあると常々考えています。既に指摘したとおり、アジアには各国間での様々な違いがありますが、これら3つの罠は、各国の置かれた状況によって程度の差こそあれ、多くの国に当てはまるものと思っています。』

ということで・・・・・・・・・・・

『1つ目の罠は、「中所得の罠(middle-income trap)」です6。歴史を振り返ると、多くの国が中所得国から高所得国の段階に移行する過程で困難に直面しました。外国から入ってきた技術や農村部で得られた余剰労働力が提供してくれる成長機会を使い果たしたところで、いわゆる「ルイスの転換点」が訪れます。』

『この転換点に達するまでは、各種の成長会計分析によると、速いスピードでの資本蓄積、高い全要素生産性の伸び、労働投入の持続的な増加によって高い成長率が実現するのが一般的です。しかし、転換点に達したところで、成長が鈍化する可能性が高まります。もっとも、ルイスの転換点に直面した国でも、技術革新と新市場開拓によって、若干の減速はあるものの、成長を続けていくことが可能だと思います。』

ふむ。

『アジアでは、日本とNIEsはこの罠を乗り越えて、1970 年代と1990 年代にそれぞれ高所得国の仲間入りを果たしました(図表4の右パネル)。中国のほか、タイを含むいくつかのASEAN加盟国は、中所得国の中でも上位に位置しており、ある程度の確度で中所得の罠を回避して、高所得国に移行することができるのではないかと思われます。アジアのそれ以外の国の多くは、中所得国の中でもなお比較的低めの所得水準です。この先も高い成長を続けていく潜在能力があるということではないでしょうか。』

ということですが・・・・・・・・・・

『次に、2つ目の罠として、「人口動態の罠(demographic trap)」があります。』

キタコレ。

『平均余命の上昇に出生率の低下が重なるかたちで、高所得国はもとより、中所得国のうち上位に位置する国々も含め、多くのアジア諸国では高齢化が既に進展しつつあるか、近々進展することになると考えられます。』

ですなあ。

『「生活水準」を示す重要な指標である「1人あたり国民所得」の成長率に決定的な影響を及ぼすのは、総人口に占める生産年齢人口の割合です。高齢化の進展は、この割合の趨勢的な低下、すなわち、退職した高齢者が増える一方で、働き手である生産年齢人口が相対的に減っていくことを通じて、国民1人あたりの所得の伸びを抑制します。この場合、それぞれの働き手は、自らの稼いだ所得のより多くの部分を退職者の生活を支えるのに充てる必要が出てきます。』

『図表5は、既にアジアのいくつかの国は以上のメカニズムを通じて人口動態の変化が深刻な影響を及ぼすフェーズに至っていることも含めて、アジア各国で人口動態の変化にどの程度違いがあるのかをみようとしたものです。このグラフにおいて、横軸は生産年齢人口の変化率、縦軸は総人口に占める生産年齢人口の割合を表しています。後者の割合が上昇することを「人口ボーナス」、低下することを「人口オーナス」と呼ぶことが多々あります。グラフにおけるそれぞれの輪の大きさは、生産年齢人口の絶対数と比例するように描かれています。』

『これを見れば明らかなとおり、非常にゆっくりとした動きをする人口動態であっても、長い目でみると大きな変化をとげます。日本は、人口オーナス期に既に深く入っており、生産年齢人口の絶対数も目立ったペースで減少しています。NIEsや中国、いくつかのASEAN加盟国も、そう遠くない将来にこうした日本の動きに続く見込みです。』

これなんですよねえ。

『この間、インドと他のアジア各国は、少なくとも今世紀半ばまでは、人口動態的にはより有利な条件に恵まれることが予想されます。』

うむ。

『最後に、3つ目の罠として、「マルサスの罠(Malthusian trap)」があります。マルサスの元々の研究は、限りのある資源(マルサスの場合は土地)の存在により、成長が抑制されるというものでした。例えば原油などの天然資源をとってみても、その供給に限度がある場合は、長期的には世界経済の成長の足かせになると考えられます。我々日本人は無尽蔵と考えがちな水資源も例外ではありません。世界経済を見渡すと、水不足が工業化や農業開発の深刻な制約となっている例は多々あります。こうした観点からすると、近年における資源多消費型の新興国の成長鈍化も、自動安定化装置――あるいは、資源制約を踏まえた適切な政策対応――によって成長が実際に抑制されたことを示唆しているとも考えられます。地球温暖化を含む環境問題も、マルサスの罠の一形態として解釈できると思います。』

普段日本の場合は成長の天井論の話って避けて通っている感がある黒田総裁なのですが、成長の天井論についての話をするというのはやはり最初の方に(先日引用しましたが)『しばらくの間――英語では中央銀行総裁としての帽子を脱ぐと言いますが――中央銀行総裁という立場は忘れさせていただき、今晩は、「非伝統的金融政策」や「量的・質的金融緩和」ということは一切口にしませんので、悪しからずご了承ください。』と言っただけに、日銀総裁としてピーターパンだの魔法の粉で空を飛ぶだのと言わない場合はこういう話になるのねという所であります。


・で、生産性向上が重要という話になる

『4.生産性の向上』という小見出しに入ります。

『以上3つの罠を乗り越えていくうえで鍵となるのは、生産性の向上、より厳密には全要素生産性の向上であることは、広く認識されているとおりです。イエレンFRB議長も最近の講演で、「より高い生活水準を持続するうえで最も重要な要素は、生産性の向上である」と発言されました7。私も全くその通りだと思います。』

キタコレ。

『例えば、「マルサスの罠」については、「土地資源の制約から成長ひいては人口の伸びも抑えられる」というマルサスの不吉な予言が結局実現しなかったのは、18 世紀に農業部門の生産性の伸びが著しく高まり、膨大な人口に見合うだけの食糧供給が可能になったためです。一例をあげますと、中南米原産のジャガイモがアイルランドに伝えられると、同じ面積の畑から、従来収穫していた穀物に比べて2倍あるいは3倍の人々をまかなうに足る食糧生産が可能となりました。この場合、ジャガイモの導入により、アイルランドの農業部門の生産性が大きく高まったことになります。』

どうでも良いのですが食えなくなってその時期以降も移民を新世界に大量輩出していたアイルランドを例に出すのってどうなのよという気がするが(それからモンスーンアジアの場合はそもそも論として米作のカロリー効率が高いんじゃなかったでしたっけ)。

『現代においても、生産性が向上すると、以前より少ない生産年齢人口での経済成長が可能になり、「人口動態の罠」を克服できるようになります。外国から入ってきた技術や農村部で得られた余剰労働力のメリットを使い果たした後でも、ある程度の水準の生産性の伸びを維持できれば、「中所得の罠」から抜け出ることができます。』

アジアの話をしているが暗に日本の話をしているようにも見える。

『全要素生産性の帰趨が成長の重要な要素であることは、アジアの奇跡の幻想に関する議論を例にとってみても明らかです。1997 年から1998 年のアジア通貨危機のはるか以前に、クルーグマン教授は、NIEsあるいはアジアの「4匹の虎」の高成長は全要素生産性の高まりによって十分に支えられたものではないため、持続不可能であると主張しました8。結果からすると、この主張は正しかったと考えられます。アジア通貨危機には、持続的かつバランスのとれた成長にシフトしていくうえで避けられないものであったという側面もあると思われます。』

でまあこの間の事実についての説明部分は引用していると長くなるので割愛してその先ですが。

『そこで次に問題になるのは、どのようにして全要素生産性の伸びを高めていくのかという点です。仮に生産性の伸びがもっぱら外生的な要因で決まるとすると、この問いに対する答えは悲観的なものになります。この場合、我々としてできることは、何らかの外生的なショックや時の運によって生産性が高まるのを期待することだけです。都市経済学の研究者であるモレッティ教授によって指摘されているとおり、都市の繁栄の歴史を紐解けば、そうした見方にも全く根拠がない訳ではありません9。』

『例えば、ワシントン州シアトルがハイテク産業の集積地となったことには、シアトルがマイクロソフト社の創業者達が生まれ育った土地であり、彼らが馴染みのある場所に会社を移したいと考えたということが大きく影響しています。米国のそれ以外のハイテク都市についても、多少なりとも同じような話が聞かれます。生産性の向上についても同じような考え方が当てはまるのであれば、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズのような天才が我々の国に生まれるのをただ待つしかない、ということになります。』

『しかしながら、幸いにも、経済学はこの点についてもっと前向きな見方も示してくれています。生産性は内生的に決定されるところが大きいという見方です。』

ということで次の『5.いかに生産性を引き上げるか』である。

『生産性の伸びを高めるのは何か、経済学の研究では、既にその候補となる生産性の決定要因に関して長いリストが用意されています。しかし、ここではそれらを網羅的にみていくことはせず、私自身が重要と考えるポイントを3つだけ挙げたいと思います。』


『1つ目は人的資本です。どのように人的資本を計測するかは難しい問題ですが、よく用いられる簡便的な指標は教育年数です。図表7では、教育年数の長い国ほど緑色が濃くなるように各国を色分けしています。このうちアジアに注目すると、日本、韓国、スリランカといった国が濃い緑色になっています。実は香港とシンガポールも同じグループに属するのですが、この地図では見えづらいと思います。アジア全体としてみると、北米や欧州と比べると色が薄く、南米と同じような感じに見えるかもしれません。このことは、アジアには人的資本蓄積の余地がまだかなり残っていることを示唆しています。』

以下説明が続くのを割愛しますが、まあそうですなと思うのだが日本の成長力は何故上がらんとか思う。

『生産性を引き上げていくための2つ目の鍵は、マーケット・フレンドリーな(市場メカニズムに即した)ビジネス環境です。例えば、市場経済の礎となる「財産権の保護」、あるいはより一般に「法の支配」は、イノベーションが活発に生まれるためには欠かせない要素であり、生産性向上の土台となるものです。』

どこぞの国をdisってますね(たぶんそういう意味ではない)。

『私は、多くのエコノミストと同じように、健全な競争と適切なインセンティブ付けが市場メカニズムを十分に機能させるうえで必須であり、これがあってこそ持続可能かつ頑健な成長が実現すると考えています。この点、様々な分野における規制緩和は強く奨励されます。できることはまだたくさん残っていますが、アジア経済はこの点で着実に前に進んでいると思います。』

どうもアジアに仮託して日本の話をしているように見えてしまう。またまた途中を割愛して3つ目。

『生産性を高めるうえで重要な役割を果たす3つ目の要素は、しっかりとした金融部門です。創造的破壊こそが生産性向上の源泉であるという見方に、私自身異論はまったくありません16。』

ほー。

『シュンペーターが指摘したとおり、金融仲介には、革新の精神に溢れた企業家や、より広く価値の創造者をサポートするという重要な役割があります。現代でこれに該当する例は、成長志向の企業に対して金融面のサポートだけでなく経営面でのアドバイスも行うベンチャー・キャピタルです。もちろん、金融仲介の役割は起業者をサポートすることに限定されません。イノベーション主導の経済成長を実現するうえでは、ビジネスの発展段階にあわせて広範な金融機能が切れ目なく提供されることが求められます。』

日本の金融機関向けの話にも見えてくる・・・・・・・・・


でまあ金融の話も端折りまして最後の所ですけど。

『本日のお話では、アジアがしっかりとした経済成長を持続していくためには、生産性の向上が鍵となるという点を強調しました。私自身の考えでは、持続的な人的資本の蓄積、市場機能を尊重した制度設計、しっかりとした金融部門の3つが、生産性向上に重要な役割を果たします。アジアでは、これらの分野で望ましい方向での進捗がみられますが、まだ課題はたくさん残っています。』

うむ。

『本日私がお話しした内容は、広い意味では構造改革の一部に分類されるものです。一般的にみて、既得権益の存在等の理由により、構造改革の実施はいついかなる場合でも困難を伴うものです。また、景気の循環局面によっては、改革を先延ばしにしようという誘因が強く働きます。これは、構造改革の実施によって経済が短期的に下押しされることへの懸念があるためです。』

『しかし、こうしたマイナス面を勘案したとしても、私は必要な改革を実行するのは今しかないと考えています。構造改革には短期的に負の影響があるという点は誇張されるきらいがあります。これを改革に着手しない言い訳として使うことは避けなければなりません。構造改革がうまくデザインされたものであれば、企業の先行きの収益見通し、さらには家計の恒常所得を改善させ、現在の需要を減らすどころか、むしろこれを増やす方向に働くはずです19。』

ということで、確かにアジアの話ではあるのだが、日本の話をしているようにも見えますし、黒田さんの本質的な部分では構造改革論者であって、それって一歩間違えるとただのシバキアゲになるんだよなあとか思いながら読んでしまいました。

で、引用増量企画になりまして誠に恐縮至極です。
 


お題「市場メモ雑談/西村前副総裁インタビューから雑談メモ」   2015/07/23(木)08:03:57  
  ほほう。
[外部リンク] UPDATE 1-英政府、20年までに最大40%の歳出削減を要請
2015年 07月 22日 00:29 JST

『オズボーン氏は声明で「歳出見直しは赤字を消して黒字にし、英国人が分相応に生きていくための次のステップとなる」と強調した』(上記URL先より)

ギリシャはあのテイタラク、ブラジルに至っては五輪開催前からあばばばばーとなっている訳ですが、英国でも「分相応に生きていくために財政縮小」ですかそうですかorzorz


○市場メモ雑談

・短国保有残高ェ・・・・・・・・・

[外部リンク] 毎度のこれですが、今回は7/17の残高が出ていましたので、前回の7/10と比較して差分を取るとあら不思議(でもなんでもないが)。前回対比で増えているのが1銘柄という事態が。

でまあこいつなのですが、7/10に実施された短国買入の分がきっちりと反映されているのですけれども、7/10の短国買入と言えばその前日に3M短国入札が妙に上で切れてショートカバーでマイナス7bpレベルまで進んで、そのまま売買参考統計値がついてしまっていた曰くつきの入札の翌日の短国買入でして、まあ案の定入った1銘柄というのはその短国544回債17500億円一発という状態。

・・・・・・・いやまあそういう建付けだから仕方ないのは仕方ないのですが、入札を上で切ってショートカバーで周りの他の銘柄対比でそれはちょっとという利回り乖離がついたのがそのままベースになって日銀打ち込みになってしまうってのはなんだかねえという感じでございますな。

MB残高達成というのと、直接引受は(償還乗換のケースを除いて)しません的な原則を踏まえると今の買入方法になるのですけれども、市場に対して買入のフローにしろストックにしろ最大プレーヤー状態になってしまっている現状ですと、日銀の買入オペのタイミングとかによって市場の価格形成に思いっきり影響がでてしまい、しかも日銀は別に割高割安とか調達コスト対比での価格とか運用利回りとかを考えないで市場に入ってくる(当たり前だが)となりますと、そらもうどう考えても市場の価格形成の中でコストだの割高割安だのというのがどこかに飛んでしまう罠というお話。

引受をしないのは市場メカニズムを通すことによって財政ファイナンス化というか財政規律がガバガバになる誘因を排除する、ということの筈ですが、買入の規模がフロー的にもストック的にも市場の通常の価格形成機能を壊す(その代わりにオペタイミングを見据えた価格形成が行われる訳ですが)という状態になっている中で市場からの買入というのに固執する必要があるのかよと小一時間だなあと思うのでした。

なお、来月の短国償還額は8.1兆円になりまして、財政(国債以外)は昨年並みだとすると若干の払い超(2兆円程度)になりますが、そもそもMBの積みが早い分はどう調節するのでしょうかねえとは思いつつ。9月の短国償還額は4.9兆円しか無い所に来て国債償還要因がありますので、足元の買入ペースだと9月のペースは本来がたっと落ちる筈なんですけど。

でまあややこしい事に10月はすでに償還が(上記の544回1.75兆円攻撃が効いて)6.1兆円に乗っていますので、10月になると短国買入のペースがまた上がるとか、MB目標の帳尻だから仕方ない面はあるのですが、フローのデコボコが定期的になりますと「短国を買える時期と買えない時期が画然と分かれる」というオモシロ事態になってしまって、運用商品として何だかな〜という感じになったりもするのでした。


#なお本日は3M入札ですがどうせまた安くなってもゼロ近辺でしょ(なげやり)


・20年国債入札ェ・・・・・・・・・・・・

[外部リンク] 6. 価格競争入札について
(1)応募額 3兆3,684億円
(2)募入決定額 1兆892億円
(3)募入最低価格 101円80銭 (募入最高利回り)(1.188%)
(4)募入最低価格における案分比率 50.3938%
(5)募入平均価格 101円85銭 (募入平均利回り)(1.185%)

ここ数日相場が強含む中での入札だからニーズが厳しいとは何だったのかというような強い結果になって、超長期中心に落札結果発表後強含みになったのですが・・・・・・・・

毎度のロイター記事
[外部リンク] 2015年 07月 22日 15:26 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続伸、長期金利一時0.410%に低下

『長期国債先物は続伸。前場は前日の米債高を受けて高寄りした後、20年債入札を前にした調整で上値が重くなった。後場は順調な入札を確認すると強含みで推移した。現物債は、午前の取引で先物安につれて長期ゾーンを中心に利回りに上昇圧力がかかったが、入札を順調にこなすと、長いゾーンの利回りに低下圧力がかかり、イールドカーブはブル・フラット化の形状となった。20年債利回りは7月9日以来の1.160%に低下した。長期国債先物中心限月9月限の大引けは、前営業日比12銭高の147円51銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は同変わらずの0.415%。一時は7月8日以来となる0.410%を付けた。』(上記URL先より)

ということで、入札後ブルフラットするのですが、別に新発がショートカバー祭りになるとかそういうのではなくて、先物とかは落札結果後に高値をつけにいったもののその後は高値圏ながらも上が重そうな感じで推移して行く中で、引けに掛けて超長期は一段高する一方で10年カレントは0.40%の手前で寸止めするもんだから10年と20年30年のカーブが引値ベースで2.5毛とか3毛とかフラットニングするというお洒落な展開。

なお本日は超長期の輪番が実施される事が市場的には想定されていますのでお察し。


○西村前副総裁のブルームバーグインタビューから雑談を

先週こんなんがありました。
[外部リンク]
2015/07/16 06:01 JST

西村さんってもともとはミクロ経済の人でしたな。なお本1冊は読みました。

『(ブルームバーグ):前日本銀行副総裁の西村清彦東大教授は、消費者物価(CPI )の家賃には計測方法に問題があるほか、構造的に下押し圧力がかかっているため、物価2%を短期間に目指そうとすれば、他の品目が2%よりずっと高く上がらなければならなくなり、スパイラル的な物価上昇やバブル的現象が起こる可能性がある、と述べた。』(上記URL先より、以下同様)

物差し変更キタコレ。

『「退任後、『2年』で達成するという公約を聞いたときはさすがに驚いた。CPIの構造的な問題を考えれば、2年というのがいかにあり得ないか、ということが分かる。これは恐ろしく大胆なことをやるなと思った。しかし、出てきた政策は新しいものは何もなく、ただ単にたくさんやるというだけだったので、大丈夫なのかなと思った」と語る。』

いやきっと「今までとは違って期待に直接働きかけているんです」という事だと思いますよ(棒読み)。

『その上で、「2年がたち、人口減少の下で潜在成長率、生産年齢人口当たりの生産性を上げるという根本的な問題がこの間できたかどうか問い直す必要がある。これは金融政策の範囲を超えるが、金融政策も全体の政策の1つなので、そういう面での評価は避けられない」という。 』

ということですが。

『西村教授は「今のCPIで2%を短期間で達成するためには、帰属家賃が上昇しないなら、他の品目が2%よりずっと高くないとできない。2年で2%という約束をしたときに想定されていた、多くの品目が2%前後で上がるという姿とは異なってくる。本当にそういう高いインフレ率を目指しているのか、きちんとした説明が必要だ」と指摘。』

『「2%を目指しているはずが、結果的にそれを大きく超えるところを継続的に目指すことになると、さまざまな副作用、金融市場でバブル的なものが起きる可能性もある。人々の予想インフレ率も日銀の想定以上に上昇し、スパイラル的な物価上昇が起こる可能性もある」という。』

まあ何ですな、結局この辺の所が問題なのであって、物価安定目標っていうのは「安定して推移させる事の出来る水準」に置かないとそれは持続的に維持できないのですが、その水準が他と全く独立で特定水準に設定できるものなのかというのってえのは考えないといかんのではないかと思ったりします。

でまあ物差しというか統計の精緻化の問題はそれとは別に話をしていかないと、水準への考察と精緻化の話がごちゃごちゃになって話がややこしくなるというか複雑骨折を起こすだけの話になるのでこれがまたヤヤコシイのですけれども、来年の基準改定に向けて精緻化の話を金融政策枠組みの話に絡めてくる人がいたりしますと(ってそれで大喜びで記事書いている最右翼がブルームバーグなんですけどね)、それはそれで誠に遺憾に存じますという感じでもありますが、まあ金融政策ネタの潜在的な地雷ネタになりそうではあります。



『物価上昇率を2つの国で同一にしていないと、為替相場に一方向の圧力が継続的にかかり続けるという購買力平価の考え方は、長期的にみれば正しい、と西村教授はいう。しかし、「そもそも、欧州連合(EU)の消費者物価指数(HICP)には、持ち家の帰属家賃は含まれていない。各国で比較すると言っても単純に比較はできない」と指摘。さらに、「日本の場合、帰属家賃に制度的な下方バイアスがある下で短期間に2%を目指すことが、本当に他の国の通貨との関係が安定するような金融政策運営になるのか、という問題が生じる。結果的に、逆に円安圧力を過度に加えてしまうことになるかもしれない」と語る。』

ここがまた微妙というか区分けが難しい話で、看板としての「2%」を維持するのは特に為替レートに対する長期的な影響と言う話からしてそらそうよという所なので2%を取り下げるのは難しいと思いますけれども、看板としての2%というのは良くても、その持続的維持が難しいと思われるというか維持するのに無理がありますよという状況に置いて、「2年で」という例のコミットメントが(だいぶ空文化しているとはいえ)生きているのがこの先の運営をややこしくしますなあと思ったりします。

まーそもそもは2%ピンポイント的なリジットなターゲットにしているかのようなQQE当初の説明に色々と無理があったという話で、だんだん現実的に収拾すべく「基調」とかの話を繰り出しているのですけれども、どうも黒田総裁の説明では「2年という期間を区切るのも重要」と言うのを下げる気はなさそうでして、年末だか来年だか知らんですけれども、「基調はそのまま強いですし原油のベース効果剥げてほら物価が上がってきたでしょ」という辺りのワンチャンスがある筈なので、そこで何らかの落とし前を付けに逝かないと現実的な収拾が出来なくなって金融緩和インパール作戦状態になるんじゃネーノとか思うのでありました。


なお、余談にも程がありますが、原油が下がると「追加緩和ガー」という論者も相変わらず多いのですが、今の日銀の企画屁理屈を敷衍して考えますと、原油が下がって物価が上がらん分には「基調の物価はご覧の通り上がっていまして、今弱いのは原油のせいです」「おまけに原油価格が弱い分には企業コストや個人の燃料費などにプラスなので経済にプラスだぜヒャッハー」と言う話になりますし、まあ消費者サイドとしても実質賃金に正の影響を与えて大変に心地よい状態になる、とまあそういう事を考えますと、原油が下がって追加緩和ガーというのは今の黒田会見やら展望レポートやらで堂々展開されている日銀の理屈に全然乗ってないですよね、とまあそういう結論になる筈です(と思います)。

もっとどうでもよいのですが、昨日ネタにしていて思ったのですが、企業の価格設定行動どうのこうのの話でよく言われるポジティブネタで「付加価値を高める形で価格の引き上げを行う行動が」みたいなのがあって、まあもちろんそれってネガティブな話ではないのはその通りなのですが、良く良く考えたら付加価値上げて価格上げても物価統計的にはヘドニックが掛かってツーペーなのではないかという気がしたりしまして(--;何ちゅうかこうこの手の経済物価賃金とかの話をするときって名目値と実質値を無意識のうちに適当に使い分けてしまって良く良く詰めて考えると????になったりするのはアタクシが頭が弱いからですかそうですかorzorzorz

で、最後の小見出し『出口について対話が不可欠』はまあ仰せのとおりですわ。

『西村教授は黒田総裁が量的・質的金融緩和の出口を議論するのは時期尚早と言い続けていることにも懸念を示す。「皆、量的・質的金融緩和には本当に出口があるのか心配している。金融政策決定会合で出口について議論し、それを公にしないといけない」と語る。その上で、「昔であれば『民は由(よ)らしむべし、知らしむべからず』で良かったかもしれないが、今は市場があるので知らせなければ混乱が生じる。市場と対話することが大事だ。何度か失敗するかもしれないが、お互いにそこで学習していくわけで、対話もせず、お互い学習もしないと、混乱が起こった時に対応しようがない」としている。』

ま、昨日と同じことになるのですが、2年程度を原油価格のある意味神風で1年先送りできましたけれども、何ぼ何でもそれをまた先送りという訳にも逝かなくなる中で、物価目標の定義にしろ、金融政策がどう効いたのかという話にしろ、色々な諸々を「気合」で有耶無耶にしているツケが何倍か返しで回ってくる時期がだんだん近くなってくると思うのですが大丈夫かねとアタクシも思うのでありました。

#諸般の事情で本日は雑談メモちっくに簡単になってしまいまして誠に恐縮至極
 


お題「6月議事要旨ネタと関連してコミュニケーションに関する愚見解を適当に混入しております」   2015/07/22(水)08:06:35  
  新国立が責任者不在の中でドンドン話がおかしくなって次第に時既にお寿司モードになっている訳ですが、これはきっと「ジャパンに共同謀議能力無し」という姿を世界に見せて東京裁判で連合国に示された共同謀議というプロットを(銃声)。

○議事要旨ネタで時間を使い果たしてしまったのでメモだけ置いておく(大汗)

・総裁講演は割と面白いですよ

[外部リンク] Sen Lectureにおける講演の邦訳

『本日は、開発経済と切り離すことのできないトピックである経済成長についてお話ししたいと思います。より具体的には、アジアの経済成長をいかに持続させるかというテーマでお話しします。ルーカス教授がいみじくも述べられたように、「いったん経済成長について考え始めると、それ以外のことは考えられなくなる」のは事実です1。したがって、しばらくの間――英語では中央銀行総裁としての帽子を脱ぐと言いますが――中央銀行総裁という立場は忘れさせていただき、今晩は、「非伝統的金融政策」や「量的・質的金融緩和」ということは一切口にしませんので、悪しからずご了承ください。』

ということですので、内容は今の金融政策と全然関係ないので政策インプリケーションはないのですが、読み物としては面白いしそんなに長くないのでどうでしょう。というかこれもネタにする積りだったのに下のMPM議事要旨のせいで時間切れorzorz


・金融研究シリーズ

[外部リンク] /アーカイブ資料、歴史研究』で商業手形割引と国債担保貸出に関する変遷の指摘とかがあったのですが、歴代日本銀行総裁論(吉野)辺りで書いているのと別の指摘があるなあとか思ったりして、こういうのは掘っていくと無茶苦茶面白いんだろうなあ(ただしマニア向け)と。


ということで単なるメモでした、以下メインイベント。


○6月会合議事要旨である

[外部リンク] 『以上のような海外の金融経済情勢を踏まえて、わが国の経済情勢に関する議論が行われた。』

ということで。

『わが国の景気について、委員は、家計・企業の両部門において、所得から支出への前向きな循環メカニズムがしっかりと作用し続ける中で、緩やかな回復を続けているとの認識を共有した。』

なお前向きな循環とか前向きな動きと言うのが連呼されるのでした。

『何人かの委員は、1〜3月期の実質GDPの2次速報値が設備投資を中心にはっきりと上方修正されたと指摘したうえで、消費税率引き上げ後に一旦減少していた国内民間需要が改善し、所得から支出への前向きの循環が明確になりつつあることが確認されたとの認識を示した。』

はっきりと上方修正だの前向きの循環だの認識が強まっていますなあ。

『景気の先行きについても、委員は、緩やかな回復を続けていくとの見方で一致した。』

まあこれはこれとして。

『何人かの委員は、増加を続けてきた輸出や生産が海外経済の一時的な減速の影響などから足もとやや勢いを欠いており、4〜6月期は一旦成長率が低下するものの、所得から支出への好循環が続くもとで、その後は成長率を高めていくとの認識を示した。』

所得から支出への好循環が続く、というように7月展望レポートで示されたのと同様に国内の循環メカニズムが強くてワークするから成長が継続するというような内生的な部分を強調する見通しになって来ていまして、このあたりの話が展望レポートで明確化された格好。


以下個別の需要要因。

『輸出について、委員は、持ち直しているとの認識で一致した。多くの委員は、3四半期連続で増加してきた実質輸出が4〜5月は減少していることに言及し、1〜3月期の米国経済や中国経済の減速がラグを伴って影響しているとの見方を示した。このうちの一人の委員は、内訳をみると米国向けの自動車輸出が大きく減少しているが、米国の自動車販売が堅調であることを踏まえると、一時的な落ち込みの可能性が高いと付け加えた。先行きの輸出について、委員は、振れを伴いつつも、海外経済の回復などを背景に緩やかに増加していくとの見方で一致した。』

輸出の先行きは特に懸念していないという感じですし、7月声明文で現状認識を下方修正したのは「振れを伴いつつも」の範囲内ということですかそうですか。

『設備投資について、委員は、企業収益が改善する中で、緩やかな増加基調にあるとの認識を共有した。何人かの委員は、1 〜 3 月期のGDPベースの設備投資が高めの伸びとなったと指摘したうえで、所得から支出へという前向きな循環メカニズムがしっかりと働いているとの認識を示した。』

設備投資の所に前向き循環メカニズム認識キタコレ。

『先行きの設備投資についても、企業収益が改善傾向を辿る中で、緩やかな増加基調を続けるとの見方で一致した。何人かの委員は、堅調な機械受注の動きや積極的な設備投資計画は、こうした見方を裏付けていると指摘した。このうちの一人の委員は、中小企業を対象とする調査においても、設備投資に前向きな動きが拡がっているように窺われると付け加えた。』

威勢がいいなおい。

『一方、ある委員は、一部のアンケート調査では外需の弱さに起因するとみられる製造業のマインド悪化が示されており、今後輸出の回復が遅れた場合に設備投資の下振れに繋がるリスクには注意が必要との見方を示した。』

やっと慎重な見解が出てきました。


・さて前向き循環に必要な個人部門の認識はどうでしょうかねえ

でまあ前向きな循環メカニズムに必要な個人部門は以下の通り。

『雇用・所得環境について、委員は、労働需給が着実な改善を続けるもとで、雇用者所得は緩やかに増加しており、先行きも、経済活動や企業業績の回復につれて、緩やかな増加を続けるとの見方で一致した。』

昨日の金融ファクシミリ新聞(何だか知らん人は金利屋さんに聞いてください)朝刊の1面大見出しは「賃上げが期待外れ」でサブタイトルが「5月大幅鈍化で個人消費の足かせ」だったけどな!!!!!

『何人かの委員は、今春の賃金改定交渉におけるベースアップを含めた賃上げの効果から、所得環境は一段と改善していくと述べた。このうちの一人の委員は、夏季賞与について、大企業を対象としたアンケート調査をみると、昨年に続く前年比プラスが見込まれると付け加えた。』

へえへえそうだっか。

『実質賃金について、何人かの委員は、今後は、消費税率引き上げの影響が一巡するため、持続的な上昇が期待できるとの認識を示した。』

エネルギー価格のベース効果が落ちて見通し通りに物価が上昇パスを辿ったらまたまた実質賃金ってマイナス転しないのでしょうかねえ。

『この点に関連して、ある委員は、実質賃金の持続的な上昇は物価安定目標の実現にも重要であり、そのために不可欠な生産性上昇に向けた企業の取り組みを後押しする観点から、政府によるコーポレート・ガバナンス改革などに期待していると述べた。』

何か見解を端折っている(議事要旨だから仕方ないけど)みたいなので何を言いたいのかが微妙な出来に仕上がっているのですが、実質賃金の持続的上昇云々は理屈としてはその通りなのですが、賃金の改定というものが通常年1ペースになるというジャパン的な慣行を勘案すると、持続的上昇というのを確認するには少なくとも3回程度の賃金改定を見ないといけない訳であり、そもそも物価安定目標の実現を「2年」で切ったのは何だったのかと小一時間問い詰めたくなりますな。でもって後段の「生産性上昇」は分かるのですが、何でそこでコーポレートガバナンス改革に期待というのが最初に出てくるのかと小一時間でして、規制緩和とかじゃないのかよと思うのだがここでコーポレートガバナンス改革というのが出てくる所に唐突感が物凄く漂いますな。


気を取り直して消費に関して。

『個人消費について、委員は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、底堅く推移しているとの認識を共有した。』

ほほう。

『複数の委員は、株高による資産効果も消費の底堅さを支えていると付け加えた。』

株高は無限に続かないのでその資産効果は本質的にワンタイムエフェクトではないでしょうかと思いますし、消費のマス部分にとって株高による資産効果ってナンデスカソレ状態ではないかと。

『何人かの委員は、百貨店売上高が増加を続けており、サービス消費も堅調に推移しているとの見方を示した。』

百貨店って海外観光客でかさ上げされてるんじゃなかったでしたっけと思いますし、まあサービス消費は堅調かも知らんけど、日常品価格は威勢よく上昇継続していて、そっちの支出ってどうなっているのよとかそういうのは気になるんですけどねえ。で、日常品の所で節約志向高まると今は選択的消費の部分を落としていない人も徐々に影響出てくるんじゃネーノとかどうも悪い予感しかしないのは貧乏性だからですかそうですか。

『何人かの委員は、天候不順の影響もあって、足もとの指標には弱めの動きを示すものもみられていると述べた。』

ふむ。

『先行きの個人消費について、委員は、雇用・所得環境の着実な改善が続くもとで、引き続き底堅く推移するとの見方で一致した。複数の委員は、このところの食料品や日用品の価格上昇が消費者マインドに悪影響を及ぼす可能性には注意が必要との認識を示した。』

ということで最後の所で「このところの食料品や日用品の価格上昇が消費者マインドに悪影響を及ぼす可能性には注意が必要との認識を示した」という至極当然の指摘が登場して参りましたが、その前の部分を見ると個人部門好調的な話ばかりが並べられている印象で、7月展望レポートの強気見通しと整合的ちゃあ整合的ですが本当にシナリオ大丈夫かよという感じではあります。


以下住宅、生産、物価の話と金融面の話がありますが割愛して次に参ります。


・金融政策に関する検討部分ではまず政策効果の逓減の話がありますが・・・・・・・・・・・

続いて『.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要』です。

『多くの委員は、「量的・質的金融緩和」について、所期の効果を発揮しているとの認識を共有した。』

まあお約束なのでこれは良いとして。

『これらの委員は、需給ギャップや中長期的な予想物価上昇率に規定される物価の基調は、今後も改善傾向を辿るとの見方で一致した。多くの委員は、「量的・質的金融緩和」の導入以降、名目金利が低位で安定的に推移する一方、やや長い目でみた予想物価上昇率は全体として上昇しており、実質金利は低下しているとの認識を示したうえで、そのことが企業・家計の支出行動を支えていると述べた。』

はあそうですかという所ですが、一方でこのような見解が・・・・・・・・・・

『複数の委員は、このところ長期金利が一時0.5%台まで上昇する場面があるなど、「量的・質的金融緩和」の効果は逓減してきている可能性があるとの見方を示した。』

『もっとも、何人かの委員は、わが国の金利は、海外金利の上昇にもかかわらずイールドカーブ全体にわたって低い水準で安定的に推移しており、「量的・質的金融緩和」の緩和効果は引き続き大きいと指摘した。』

でまあここの話なんですけど、最初の「効果は逓減」の部分ですが、これまた議事要旨の要約の仕方が微妙な出来になっていて、一見すると0.3%が0.5%になって逓減って随分と細かい話だなおい、という印象を受けてしまうので何だかなあなのですが、たぶん前段の逓減を指摘している人の見解を勝手に脳内補完すると、「そもそも買入をここから増やしたからと言って名目の金利が下がる訳でもないどころか、流動性を無くしてドイツ国債金利みたいにボラを高めて却って金利を上げる可能性があるし、国債買入の残高そのものが定量的にインフレ期待に効果を与えているという訳でもないから、そういう意味で考えれば買入残高の拡大効果が逓減してるんじゃねえか」という事を言いたいのかなあと、逓減している系の審議委員が講演などで主張するロジックを敷衍して勝手に脳内補完したのですがどうでしょうかね。

そしてこの部分って結局の所「LSAPの効果がどのようなルートで効いているのか」という最も重要な問題に関して「全体として効果を出している」的なふわっとした話でずーっと来ている辺りに論争の根っこがある訳でございまして、LSAPがどのようなルートで金融市場や期待のどの部分に働きかけ、その働きかけの結果として実体経済のどのルートに効いているのか、という話が何となくの話しかなくて、数字で出たのって5月の頭に出た「LSAPで長期金利100bpほど押し下げ効果」という話だけという状況だからだと思うのですよね。

でまあそこが微妙なだけに政策としてどこがどう効いていてというのが分からないまま、日銀の展望レポートが正しいのであれば(正しいのかは禿しく怪しいですがそれはともかく)来年には出口の少なくとも準備という話になるのですが、その時って正常化するのにまずはあまり問題の無い所から徐々に正常化という話になるのですが、そもそも何がどう効いているのかが分からん中ではどこをどう正常化していくのかってのすらワカランチ会長という事になりますので、まあこの効果話っていうのはLSAPの効果とかの話と共にもっとツッコミを入れていただきたいものだと期待します(どうせ突っ込むのは野党審議委員の皆さんしかいませんので野党の皆さんに期待します)。


・物価動向の判断云々

さらに続く。

『金融政策を運営するうえでの物価動向の判断について、委員は、「物価安定の目標」は安定的に達成すべきものであり、金融政策運営に当たっては、物価の基調的な動きが重要であるとの認識を共有した。』

原油価格が下がって3週間前の変更なしから突如慌てて追加緩和をしていた昨年10月とは何だったのかと。

『何人かの委員は、消費者物価上昇率が0%程度で推移するもとでも、先行き物価上昇率が高まるという予想が維持されているとの見方を示した。』

そもそも生活意識アンケートとかの物価見通しって昔から安定してませんでしたっけとか言ってはいけません。まあこれが追加緩和の効果です(キリッ)という説明になっているので生温かく見守るとしましょう。

『また、何人かの委員は、速報性の高い物価関連指標などをみると、新年度入り後、直近まで前年比プラスで推移しており、日用品や食料品などで価格改定の動きが拡がりつつあると指摘した。このうちの複数の委員は、外食などのサービスや耐久消費財でも、為替円安や人件費の上昇によるコスト増加分を転嫁する動きがみられていると付け加えた。』

東大物価指数とかその辺の話ですが、これでは前向きな循環メカニズムではなくてそれはコストプッシュインフレというものではないかと存じますし、そうなりますとエネのベース効果剥落したら昨年の二の舞になりませんですかねえ。

『こうした動向の背景として、複数の委員は、企業の価格設定行動において、付加価値を高めつつ販売価格を引き上げる動きが拡がっているとの認識を示した。』

日用品や食料品で「付加価値を高めつつ販売価格を引き上げる動きが拡がっている」ようには到底思えなくて、単純に量目を変えて購入単価を維持する形の値上げとかそういうのばかり見えてしまうアタクシは貧乏性でございますかそうですかどうもすいませんねえ。

『ある委員は、雇用・所得環境の改善を背景にユニット・レーバー・コストが安定的に上昇する中で、次第に物価上昇率が高まっていくとの見方を示した。』

価格上昇でも消費が落ちなければな。

『一方、一人の委員は、消費者物価指数の動きからは物価情勢に目立った変化はみられていないと述べた。』

ま、日常品とか食料品は実感的には結構な上昇をしていて、おかげで最近ダイエットが進んで誠に結構(違)という感じなんで目立った変化はみられていないというのもやや違和感がががががが。

『これらの議論を受けて、委員は、予想物価上昇率は、やや長い目でみれば全体として上昇しているとの認識を共有した。そのうえで、多くの委員は、先行き、物価の基調を規定する需給ギャップは着実に改善し、予想物価上昇率も高まっていくことから、原油価格下落の影響が剥落するに伴って消費者物価は伸び率を高め、2016 年度前半頃に2%程度に達する可能性が高いとの見方を共有した。』

そこに至るまでには消費がコケずに更に伸びていくというのが必要ですがさてどうなるやら・・・・・・・・・・

『一方、一人の委員は、需給ギャップの改善ペースや賃金上昇率が緩やかであるほか、世界的なディスインフレ傾向が続いていることを踏まえると、物価上昇率の高まりはかなり緩やかなものにとどまると述べた。』

どうなんでしょうかね。アタクシ的には「1回はまた上昇するのだが、それが消費の伸びを急速に抑えたり、消費を失速させたりするので元の木阿弥」というのがありそうに思えるんですけど、こればっかりは先になってみないと分からんですね。


・2か月連続で珍理論「QQEの副作用は理論的にも存在しない(キリッ)」を見る事になるとは世も末

でまあ現状維持という決定をしますよ的な話の後は毎度おなじみの木内さんの提案。

『一方、一人の委員は、需給ギャップがゼロ近傍まで改善する中、逓減している「量的・質的金融緩和」の追加的効果を副作用が既に上回っており、導入時の規模であっても、金融面での不均衡の蓄積など中長期的な経済の不安定化に繋がる懸念があると述べた。』

ここの理由は前回5月と同じです。でまあ提案も同じなのでそこは飛ばしますが、その木内さんに反対する見解が披露されていますので鑑賞しましょう。

『これに対し、何人かの委員は、消費者物価上昇率が0%程度で推移するなど2%の「物価安定の目標」に向けてなお途半ばである現時点での減額開始は、政策効果を減殺するとの見方を示した。』

これね、政策効果を減殺するという主張は良いのですが、どこがどういう形で減殺するのかという話をしていると思われますので、その論拠を議事要旨の方に示して頂きますと、先ほどから申し上げている「LSAPの政策波及ルート」に関する政策委員会多数派見解を想像するのに役立つと思いますので、できればこの議論部分って(執行部的にはどうせ否決される提案の議論なんぞにスペース割きたくないんだろうなというのも分かるけど)もう少し掘り下げて頂きますと読んでる方も読み甲斐があるというものなのですがどうっすかねえ。

で、最後にまたこれが登場。

『このうちの一人の委員は、現状、金融面での不均衡や金融緩和の副作用を示す理論や事実に基づく具体的な根拠はなく、減額開始は金融市場に影響を及ぼすおそれもあると述べた。』

>金融面での不均衡や金融緩和の副作用を示す理論や事実に基づく具体的な根拠はなく
>金融面での不均衡や金融緩和の副作用を示す理論や事実に基づく具体的な根拠はなく
>金融面での不均衡や金融緩和の副作用を示す理論や事実に基づく具体的な根拠はなく

・・・・・・・・いやー先月の議事要旨に続いて2打席連続で登場する「QQEの副作用は理論的にもない」というこの珍理論なのですが、まあ5月から急に登場した上に2か月連続で登場という時点で大体どの審議委員が主張しているのかの想像がつく訳ですが、手を変え品を変えこれでもかと珍理論を繰り出してくるのをあと5年近く(あ、言っちゃった)鑑賞させられることになるとは熱中症と関係なく頭がクラクラして参りますなあという所で。

なお、今回の議事要旨では木内さんに対する反対意見を言っている人が人数的に拡大したのと、「今の減額開始は政策効果を減殺」という風にトーンが強くなっているのがほほーという感じでして、前回はこの部分の記述が

『これに対して、ある委員は、現状、金融面での不均衡や金融緩和の副作用を示す理論や事実に基づく具体的な根拠はないと述べた。別の一人の委員は、資産買入れの減額に関する現時点での情報発信は、タイミングや方法次第でせっかくの緩和効果を削ぐリスクもあり、細心の注意を払う必要があるとの見方を示した。』(5月決定会合議事要旨より)

となっていて、そもそも反対意見を表明しているのが2名(後の人はスルーしている訳ですな)だし、理論的云々の珍理論はさておきまして残りの人の反対トーンも今回の方が表現が強くなっているのはちょっと興味のある事象だなあとは思いましたですが、それがどのような政策インプリケーションがあるのか(無いのか)は今の時点では判断付きかねますので、今後の政策委員会の皆様の講演などを拝読したいと思います。


・MPM回数削減に関する部分はまあ普通の話

『.金融政策決定会合の運営の見直しに関する委員会の検討の概要』の部分はまあ普通の話をしているのですが・・・・・・・・・

『委員は、こうした見直しによって、政策決定の基礎となる経済・物価見通しを、より高い頻度でより詳しく示すとともに、会合後速やかに会合における「主な意見」を公表することができるとの認識で一致した。』

『多くの委員は、〇揚彰毎に、経済・物価見通しを公表したうえで、△修涼羇屬硫餽腓魎泙瓩董金融政策を決定する会合を年8回開催し、2餽臀了後は速やかに情報発信を行うという枠組みは、近年主要中央銀行で主流となってきており、適切なものであるとの見方を示した。何人かの委員は、新たに公表する「主な意見」について、情報発信の一層の充実という趣旨や従来どおり公表する議事要旨との役割分担の観点などを踏まえながら、今後具体的に検討を重ねていく必要があると述べた。』

まあこの辺はそうですねという話ではあるのですが、日本と米国の場合は委員会制の性格を前面に出した情報発信を行っているという事もある中で、日本の場合って総裁の講演みたいなのはやたら多いのですが、他の政策委員がまとまって見解を皆がアクセスできる方法で出してくるのって黙っていると年2回程度の金融経済懇談会の席上という事になっていて、せっかく委員会制になっているのに、執行部とそれ以外の間で情報発信の頻度に差があり過ぎるような気がするんですよね。

でもってMPMの回数が減ることになりますし、出てくる展望レポートが増えるという事になると、見通しとかそっちの方は良いのですが、政策意思決定プロセスの中で執行部がどう考えて、というのではなくて、「政策委員会の委員会の中の意見が」どのように変遷していくのかというような部分がより見えにくくなってしまうような気がするんですよね。

という訳で、審議委員の方々には更に激務化の悪寒がするのですが、MPM減る分の情報発信に関して「執行部以外の審議委員が情報発信する機会をもう少し増やす」というのを意図的に実施して頂きたい(できればどこかのベンダーのインタビューとかではなくて金懇が良いと思うのですけれども)なあとか思うのですがロジ的に無理があるとかそういう話なんですかねえ・・・・・・・

#ということで思わず長くなってしまいました
 


お題「内閣支持率ェ・・・・・・・/金融経済月報/市場メモ/ECBの政策効果は金利そのものよりも貸出環境で説明」   2015/07/21(火)08:04:38  
  連休中にネタ投下します(キリッ)と申し上げましたが梅雨明け後の暑さで全然こうパワーが出ませんでですねえ(いいわけ)。

○内閣支持率がアイヤーとな

共同通信と毎日新聞は17、18で実施

[外部リンク] 16:51 【共同通信】

[外部リンク] 毎日新聞 2015年07月19日 東京朝刊

朝日新聞とフジサンケイは18、19で実施

[外部リンク] 産経新聞 7月20日(月)13時55分配信

でまあ数字には微妙に差はありますが大体傾向は同じようなもんで、しかも18、19でやってる方も傾向同じという事は新国立見直し効果込みやんという所で(まあそうだわなあと思うが)、こんな展開になるんだったら憲法解釈の変更で云々というよりも憲法第9条2項にイシューを絞って憲法改正を正面切って出せばよかったような気もしますが、どうせ9条2項以外にも色々と余計なものを出してきてややこしい事になっていたかも知れませんけどね。


でまあここらで安保じゃなくて経済に目を向けてと言いたいところですが、事ここまで至ると引くという訳にも逝かないですからねえ・・・・・・・・・さてどうなるのやら。


○金融経済月報である(汗)

[外部リンク] 例によって概要から。

・現状認識は声明文通り

『わが国の景気は、緩やかな回復を続けている。』(今回)
『わが国の景気は、緩やかな回復を続けている。』(前回)

ということで・・・・・・・・

『海外経済は、一部になお緩慢さを残しつつも、先進国を中心に回復している。そうしたもとで、輸出や鉱工業生産は、振れを伴いつつも、持ち直している。企業収益が改善するなかで、業況感は総じて良好な水準で推移しており、設備投資は緩やかな増加基調にある。雇用・所得環境の着実な改善を背景に、個人消費は底堅く推移しているほか、住宅投資も持ち直しつつある。この間、公共投資は、高水準ながら緩やかな減少傾向に転じている。』(今回)

『海外経済は、一部になお緩慢さを残しつつも、先進国を中心に回復している。そうしたもとで、輸出は持ち直している。設備投資は、企業収益が改善するなかで、緩やかな増加基調にある。雇用・所得環境の着実な改善を背景に、個人消費は底堅く推移しているほか、住宅投資も持ち直しつつある。この間、公共投資は、高水準ながら緩やかな減少傾向に転じている。以上の内外需要を反映して、鉱工業生産は持ち直している。』(前回)

輸出と生産に「振れを伴いつつも」という下方ヘッジクローズが入っているとゆーことで、展望レポートの方では先行き見通しをむしろ強めにしているという中ですけれども、声明文通りで現状認識は下がっていますぞな。


・先行き見通しは華麗に全文一致

『先行きについても、景気は緩やかな回復を続けていくとみられる。』(今回)
『先行きについても、景気は緩やかな回復を続けていくとみられる。』(前回)

とまあこちらも声明文通り。

『輸出は、振れを伴いつつも、海外経済の回復などを背景に緩やかに増加していくと考えられる。国内需要については、公共投資は、高めの水準を維持しつつも、緩やかな減少傾向を続けるとみられる。設備投資は、企業収益が改善傾向をたどるなかで、緩やかな増加を続けると予想される。』(今回)

『輸出は、振れを伴いつつも、海外経済の回復などを背景に緩やかに増加していくと考えられる。国内需要については、公共投資は、高めの水準を維持しつつも、緩やかな減少傾向を続けるとみられる。設備投資は、企業収益が改善傾向をたどるなかで、緩やかな増加基調を続けると予想される。』(前回)

項目別の話ですけれども、輸出は上記のように現状認識で下げていますが、そもそも前回の時点で振れ云々と予想しているので想定の範囲内です(キリリッ)という話になる訳で、見通しの需要別項目は全文一致なのだ。

『個人消費は、雇用・所得環境の着実な改善が続くもとで、引き続き底堅く推移するとみられる。住宅投資は、持ち直していくと予想される。以上の内外需要を反映して、鉱工業生産は、振れを伴いつつも、緩やかに増加していくと考えられる。』(今回)

『個人消費は、雇用・所得環境の着実な改善が続くもとで、引き続き底堅く推移するとみられる。住宅投資は、持ち直していくと予想される。以上の内外需要を反映して、鉱工業生産は、振れを伴いつつも、緩やかに増加していくと考えられる。』(前回)

更に個人消費以降を見ても何とまあ先行き文言同じでして、生産にもヘッジクローズが既に入っていたので想定の範囲内です攻撃ですぞなという所で。


・リスク要因は例によって同じ

『この間、リスク要因としては、新興国・資源国経済の動向、欧州における債務問題の展開や景気・物価のモメンタム、米国経済の回復ペースなどが挙げられる。』(今回)
『この間、リスク要因としては、新興国・資源国経済の動向、欧州における債務問題の展開や景気・物価のモメンタム、米国経済の回復ペースなどが挙げられる』(前回)

毎度変化ないですなあ。


・物価ですけど・・・・・・・・・・・

『物価の現状について、国内企業物価を3か月前比でみると、国際商品市況の動きを反映して、横ばい圏内の動きとなっている。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、0%程度となっている。予想物価上昇率は、やや長い目でみれば、全体として上昇しているとみられる。』(今回)

『物価の現状について、消費税率引き上げの直接的な影響を除いたベースでみると、国内企業物価は、国際商品市況の動きを反映して、3か月前比で緩やかに上昇している。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、0%程度となっている。予想物価上昇率は、やや長い目でみれば、全体として上昇しているとみられる。』(前回)

消費税云々はさておきまして、国内企業物価は横ばい圏になってしまいましたね。


『物価の先行きについてみると、国内企業物価は、国際商品市況の動きを反映して、当面、横ばい圏内で推移するとみられる。消費者物価の前年比は、エネルギー価格下落の影響から、当面0%程度で推移するとみられる。』(今回)

『物価の先行きについてみると、国内企業物価は、国際商品市況の動きを反映して、当面緩やかな上昇を続けるとみられる。消費者物価の前年比は、エネルギー価格下落の影響から、当面0%程度で推移するとみられる。』(前回)

ということで、国際商品市況の動きによるものという事ではあるのですが、国内企業物価の見通しの方も「横ばい圏内」となっていまして、確か日銀の説明だと「国内企業物価は消費者物価に対する先行性がある」みたいな話をしていた筈なので、これで展望レポートの方は強い味方を継続しているというのは何ですねんという感じではあるのですが、月報の見ているタイムスパンと展望レポートの見ているタイムスパンが違います(キリッ)という話と、そもそも月報では現象的な部分を重視していますけれども、展望レポートではメカニズムを重視しています(キリッ)という話になりまして、メカニズム的に言えば今回の展望レポートでは所得と物価の内生的な循環メカニズムによる物価上昇みたいな話を強調している形になっているので、そのような目先の細かい話は知らんがなという事になっていると思います。日銀の説明と言う名のああいえばこういう企画屁理屈を想像すると。

#金融環境以下は割愛


・物価のあれは単に「ああ言えばこう言う」シリーズであってあまり深く悩む必要はないと思います

そういやこんなんありましたけどね。

[外部リンク]
2015/7/18 23:36日本経済新聞 電子版

『日銀は消費者物価指数(CPI)の基調を把握するため、新しい指標に着目し始めた。金融政策の目標に置く生鮮食品を除いた指数から、昨夏以降の原油安の影響が残るエネルギーも除いたもので、1〜2月を底に上昇幅が拡大している。加工食品やサービスの値上げなど足元の物価動向を確認する狙いだ。』(上記URL先より)

ということで、これ月報本文の図表『消費者物価の基調的な変動』となっている部分なのですけれども、今月ですとファイル54枚目の図表31、先月ですとファイル50枚目の図表29でして、前回は『(1)ラスパイレス連鎖指数』、『(2)刈込平均値』だったのですが、今回は『(1)刈込平均値・ラスパイレス連鎖指数』、『(2)総合(除く生鮮食品・エネルギー)』、『(3)上昇・下落品目比率』ってなっていまして、その(2)総合(除く生鮮食品・エネルギー)が出たのを捕まえて上記のような報道が行われていましたなというお話。

・・・・・・・・でまあこういう報道が出ると「さては日銀は目標のセッティングを誤魔化しにかかってきやがったか」という妄想も出るのではあるのですが、この図表のページを見れば分かりますように、前月に無かったものの今月に出てきた(2)と(3)の図表って「CPIの数字が低迷しているように見えますがほらご覧の通り実は強いんですよ!」という説明に都合の良いものが出ている訳ですよ。

つまり、(2)の太線として出ている「総合(除く生鮮食品・エネルギー)」は足元に来て若干ですけれども上を向いていて、あくまでも足元弱いのはエネルギーのせいですよエネルギーが戻ったら戻りますがなウハハハハハという話をしているものであり、(3)の「上昇・下落品目比率」に関しては過去暫くなかったレベルの比率が出ているぞなウエーハッハッハという話をしているものなのですな。

とまあそんな具合でありますが、そもそも論として上記のグラフって2007年以降の数値をちゃんとトレースしている訳ですし、大体からして日銀は物価のトレンド見るのにいろいろな数値を見ているのですから、別に今回新しく出した、という訳でもないのですよね。ただまあ都合の良い説明をするのにここぞとばかり持ち出されたという感じは思いっきりするのでもにょりますけれども。

ご参考でこんなんありますよ(日銀レビューシリーズ2006年)。
[外部リンク] 企画局 白塚重典
(なお白塚さんは本日現在企画局審議役(政策調査課長事務取扱)です)

本文はこちら
[外部リンク] ○市場メモ

・業態別当座預金残高

[外部リンク] 先週木曜に出ていたんですけどね(汗)。

6月積み期間は四半期の国債償還が掛かるので超過準備の平残は増えるのが仕様になっていまして、今回に関しては当座預金で16兆円、超過準備で14兆円ほど平残が増えてまして、さすがに各業態ともに残高が増えているのですが、今回大きかったのは「その他準備預金制度適用先」かなあという感じで、四半期末で3兆とか4兆とか増えるのは仕様なのですが、今回6兆も増えていまして、超過準備への置きがいつもより多いように見えるのは意図的なのか自然体で償還が多かったのは人の懐だから知らんがなという所ですけれどもちょっと目につきました。


・短国買入ェ・・・・・・・・・・・・・

金曜の短国買入
[外部リンク] 25,000 2015年7月22日
(以下のオペ割愛)

えーっとすいません。MB年間80兆円ペースから6月末の時点で上振れして推移しているのですが何で買入ペースを上げるのよという所で、2兆ならともかく2.5兆円ってそんなに買入前倒しする必要があるのかねと小一時間。

落札結果
[外部リンク] 55,610 25,001 0.005 0.010 70.7

いやまあ先週の短国買入の前日に3Mが無駄に強くなって3Mばかり打ち込まれてしまい、6Mが宙に浮いた状態になっているから、出来るだけ足の長いのを買いたい上に1Y新発も出たところだから増額しましょうどうせ世の中に玉も余っているみたいだし、ということだというのは結果を見ればわかる(というか見なくても分かるが)のですが、こういう買い方をしちゃうと「6Mと1Yは玉が余って困っていても日銀が買いたくて仕方ないので、そうなった場合は短国買入を増額してくる」という期待をオペ先に与えてしまいまして、いわゆる一つの日銀トレードに安心感を盛大に与える事になってしまいますので価格形成が相変わらずのアレになってしまうというリスクががががと思いますし、3Mを強くして打ち込むと6Mと1Y買うために買入が増えるという話になれば3Mを強くしておけば買入がドンドン高水準になるとかいうような思惑が出てきても不思議では無かったりする(さすがにMB目標との整合性とか市場の状況は見ると思うのだが)ので何だかなあ感が漂うオファーではありましたな。落札結果はまあ弱めだけど。



○ドラギ総裁のECB会合後の会見冒頭説明だが金融政策効果の説明が「貸出環境の緩和」になっている件について

このページ無駄にでかくて一覧性が悪化してますな。
[外部リンク] Mario Draghi, President of the ECB,
Vitor Constancio, Vice-President of the ECB,
Frankfurt am Main, 16 July 2015

ということで本日は冒頭ステートメントをば。

『Ladies and gentlemen, the Vice-President and I are very pleased to welcome you to our press conference. We will now report on the outcome of today’s meeting of the Governing Council, which was also attended by the Commission Vice-President, Mr Dombrovskis.』

『Based on our regular economic and monetary analyses, and in line with our forward guidance, we decided to keep the key ECB interest rates unchanged.』

まあここまでは良い。

『Regarding non-standard monetary policy measures, the asset purchase programmes continue to proceed smoothly. As explained on previous occasions, our monthly asset purchases of ユーロ60 billion are intended to run until the end of September 2016 and, in any case, until we see a sustained adjustment in the path of inflation that is consistent with our aim of achieving inflation rates below, but close to, 2% over the medium term.』

APPは「continue to proceed smoothly」だそうで、2016年9月まで継続してその後も2%目標達成に向けたパスに対しての進捗に応じて調整しますよと。

『When carrying out its assessment, the Governing Council will follow its monetary policy strategy and concentrate on trends in inflation and the medium-term outlook for price stability.』

で、その判断としては「trends in inflation and the medium-term outlook for price stability」に集中するよという話をしておりまして、まあ昔からそういう話はしていますけれども、現実の足元の物価ではなくて、「物価のトレンドと中期的な物価安定の見通し」を見ますという話を入れているのであって、ここでも原油価格ガーとか物価のトレンドガーという話がある訳ですな。


『All in all, the information that has become available since the Governing Council meeting in early June has been broadly in line with our expectations.』

足元の状況は見通し通りに推移とな。

『Recent developments in financial markets, which partly reflect greater uncertainty, have not changed the Governing Council’s assessment of a broadening of the euro area’s economic recovery and a gradual increase in inflation rates over the coming years.』

最近の金融市場の不確実性の拡大そのものがECBの経済先行き見通しやら金融政策に対する見方を変化させている事はありません(キリッ)。

『The ECB’s monetary policy stance remains accommodative and market-based inflation expectations have, on balance, stabilised or recovered further since our meeting in early June.』

ということで・・・・・・・・

『The latest information also remains consistent with a continued pass-through of our monetary policy measures to the cost and availability of credit for firms and households. Our measures thereby continue to contribute to economic growth, a reduction in economic slack, and money and credit expansion. The full implementation of all our monetary policy measures will lead to a sustained return of inflation rates towards levels below, but close to, 2% in the medium term, and will underpin the firm anchoring of medium to long-term inflation expectations.』

んな訳で、金融政策効果の話をしている中でしらっと「pass-through of our monetary policy measures to the cost and availability of credit for firms and households」ということで、実際の市場金利が暴れてあばばばばーとなっている点は華麗にスルーして、金融緩和政策の効果で家計や企業に対してそのパススルーが起きて金融環境が緩和している、というのを効果として強調しているのがチャーミングというものです。

『Looking ahead, we will continue to closely monitor the situation in financial markets, as well as the potential implications for the monetary policy stance and for the outlook for price stability. If any factors were to lead to an unwarranted tightening of monetary policy, or if the outlook for price stability were to materially change, the Governing Council would respond to such a situation by using all the instruments available within its mandate.』

先行きに関してはギリシャ絡みも含めまして「closely monitor the situation in financial markets」というのはそら入れますなという所で、例によって「unwarranted tightening」になったら金融政策を投下とは言っていますけれども、恐らくその場合っていうのはコア国の金利を下げても仕方ない(というか上段のようにそもそもコア国の金利については華麗にスルーしてクレジットコンディション的な話をしている訳ですから)ので、そうではなくてクレジットイージング的な事にならざるを得ないという所ではないですかね。


で、この後が経済物価情勢の話になりますが経済は飛ばして物価に。

『Inflation bottomed out at the beginning of the year and has moved back into positive territory in recent months. According to Eurostat, euro area annual HICP inflation was 0.2% in June 2015, slightly down from 0.3% in May.』

物価底打ち宣言キタコレ。

『On the basis of the information available and current oil futures prices, annual HICP inflation is expected to remain low in the months ahead and to rise towards the end of the year, also on account of base effects associated with the fall in oil prices in late 2014. Supported by the expected economic recovery, the impact of the lower euro exchange rate and the assumption embedded in oil futures markets of somewhat higher oil prices in the years ahead, inflation rates are expected to pick up further during 2016 and 2017.』

物価は今後原油下落のベース効果が剥落してきますと徐々に上昇に転じますというどこかの中銀でも聞くこの説明。

『The Governing Council will continue to monitor closely the risks to the outlook for price developments over the medium term. In this context, we will focus in particular on the pass-through of our monetary policy measures, as well as on geopolitical, energy and exchange rate developments.』

リスクに関してはバランスの時は特に言わない(経済の所ではダウンサイドリスクがどうのこうのという話をしている)ようになったのね。


で、あまり引用しないけどマネタリーの所も引用する。

『Turning to the monetary analysis, recent data confirm robust growth in broad money (M3). The annual growth rate of M3 was 5.0% in May 2015, compared with 5.3% in April. Annual growth in M3 continues to be strongly supported by its most liquid components, with the narrow monetary aggregate M1 growing at an annual rate of 11.2% in May.』

M1主体にマネタリーの伸びは良好。

『Loan dynamics continued to improve.』

ということでローンの伸びが改善している件を説明。

『The annual rate of change of loans to non-financial corporations (adjusted for loan sales and securitisation) increased to 0.1% in May, up from -0.1% in April, continuing its gradual recovery from a trough of -3.2% in February 2014.』

『This is consistent with the positive evidence from the bank lending survey for the second quarter of 2015. Banks reported a continued net easing of credit standards on loans to enterprises which was stronger than expected in the previous survey round. Net demand for loans to enterprises increased further, supported by demand for credit related to fixed investment.』

『Fragmentation in terms of credit demand in individual countries decreased and the targeted longer-term refinancing operations helped to improve the terms and conditions for credit supply.』

ローンの態度も需要も伸びているし、ユーロ圏のFragmentationも改善していると。

『Despite these improvements, the dynamics of loans to non-financial corporations remain subdued. They continue to reflect the lagged relationship with the business cycle, credit risk, credit supply factors, and the ongoing adjustment of financial and non-financial sector balance sheets. The annual growth rate of loans to households (adjusted for loan sales and securitisation) increased to 1.4% in May 2015, after 1.3% in April.』

ただ非金融機関に対する貸し出しの伸びはまだ満足いくものではないと。

『Overall, the monetary policy measures we have put in place since June 2014 provide clear support for improvements both in borrowing conditions for firms and households and in credit flows across the euro area.』

ということで、今回の説明では金融政策効果で金利が下がって的な話を華麗にスルーして、主にクレジットコンディションの説明をしているのが目立つなあという事で、恐らくこの調子で長期金利が下がって上がって元に戻るどころか更に上昇したりしてた時間があった件については、一方的に金利が上がらない限りは知らんがなというスタンスが続くのでしょうな、と思うのでした。
 


お題「本日は時間と量の都合によって総裁会見だけで勘弁である」   2015/07/17(金)08:06:20  
  当初の予定では金融経済月報とかドラギ先生の落語とか昨日の3M入札ガーなネタとかも投下するつもりだったのですが、総裁会見レビューをしていたら思いのほか長くなってしまいましたので総裁会見ネタだけでご勘弁賜りつつ、先週休んでいたこともありますので連休に何か投下する所存(キリッ)。


○総裁会見レビューが思いのほか長くなってしまった・・・・・・・・

[外部リンク] 冒頭説明の中から展望レポート中間レビューの説明部分を念のため引用しますが、昨日ネタにした声明文と同様に物価の2016年度見通し中心値が2.0→1.9になったものの、見通しは不変ということのようで。

『経済・物価の先行きについては、今回の会合で中間評価を行いました。4月の展望レポートで示した見通しと比較しますと、成長率は、2015年度について、このところの輸出の鈍さなどから、幾分下振れる一方、2016年度、2017年度については概ね不変です。消費者物価は、概ね見通しに沿って推移すると見込んでいます。』

『すなわち、わが国経済は、2016年度にかけて潜在成長率を上回る成長を続けると予想されます。2017年度は、消費税率引き上げの影響などから、減速するとみられますが、プラス成長を維持すると予想されます。物価面では、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、エネルギー価格下落の影響から、当面0%程度で推移するとみられますが、物価の基調が着実に高まり、原油価格下落の影響が剥落するに伴って、「物価安定の目標」である2%に向けて上昇率を高めていくと考えられます。』

ほほうそうですか。

『2%程度に達する時期は、原油価格が現状程度の水準から緩やかに上昇していくとの前提にたてば、2016年度前半頃になると予想されます。ただし、一部の委員が、物価の見通しについて、より慎重な見方をされました。』

しかしまあ何ですな、原油価格が上がらなければ2%程度に達さなくても知らんがなという話になるのかどうかというのが相変わらずファジーな訳でして、昨年の追加緩和の時は「原油価格低下で期待の低下懸念」という話だったのに、今はアダプティブな期待形成的な問題はなくて基調は確りという説明になっていまして、まあ何ちゅうか一つ一つの話自体はそれ単体だと説得力があるのですが、過去との整合性を考えるとどうもこう「その時にやりたい政策に対して適合的な理屈をこねてくる」という印象の方が強い訳ですよ。

でまあ当面は原油価格の影響による下押し効果がどうのこうの的な部分で話が先送りされているから良いようなものの、「その時にやりたい政策に対して適合的な理屈が飛び出す攻撃」を念頭に入れますと、じゃあ今度原油価格のマイナスが剥落して物価がホイホイ上昇したら(するのかどうか知らんが概ね1%近辺まではという見方が平均的な筈)別の適合的な理屈が飛んでくるのではないか的な懸念が出て市場の期待が不連続的に変化する可能性だってあるんじゃネーノとまあ思うのですがねえ。


・中国経済とギリシャの質疑は結構あったのだが正直それは聞くだけ無駄だと思う

冒頭説明の次の質疑は中国でその次がギリシャですが・・・・・・・・・・・・

『(問) 中国経済についてお尋ねします。最近中国の株式市場では、株価が不安定な状況が続いています。今日発表されたGDPの伸び率も7%と横ばいになりました。今後、中国経済の減速が続いていくという見方が大勢ですけれども、これが日本経済、世界経済に与える影響について、総裁はどのようにみていらっしゃいますでしょうか。』

『(答) 中国経済については、ご指摘のように、本日公表された中国の4〜6月期のGDPが前年比で+7.0%ということからも確認されたように、総じて安定した成長を維持しているとみています。』

目標値に何故か着地する中国の統計いや何でもないです。

『先行きについても、当局が金融・経済面の両面から景気下支えに向けた施策を相次いで講じていることもあり、中国経済は、成長ペースを幾分切り下げながらも、概ね安定した成長経路を辿ると考えています。今後とも、中国経済の動向については、注意深くみていきたいと思っています。』

という答えしか返ってこないのでこの先でも中国の質問有ったけど基本的に暖簾に腕押し糠に釘。

『なお、上海の株価については、ご案内の通り、昨年後半以降かなり大幅な上昇を続けた後、6月半ばから下落しました。その背景としては、そもそも株価が昨年後半の2倍以上に上昇するもとで、市場参加者の間で高値警戒感が拡がっていたことに加えて、信用取引が巻き戻されたことなどが影響しているとみられますが、引き続き注視をしていきたいと思っています。』

全部注意してみる攻撃ですわな。


ではギリシャ。

『(問) ギリシャを巡る一連の情勢についてお伺いします。先日のユーロ圏首脳会議で合意された内容については、ギリシャ議会が15日までに支援の条件とされている構造改革案を承認することが必要になってきますが、仮に承認された場合、ギリシャを巡る危機というのは、これで回避されたとみていいのでしょうか。また、今回の一連のギリシャの財政を巡る問題は、多額の債務を抱えている日本の財政問題について、どのような示唆があると総裁はお考えでしょうか。』

後半の質問は一ひねりしていますが・・・・・・・・・・

『(答) ご承知の通り、先般のユーロ圏首脳会議で、ギリシャ政府が付加価値税の見直し、あるいは年金改革について所要の立法措置を行うことを条件に、ESM(欧州安定化メカニズム)による金融支援の協議を開始することが合意されました。日本銀行としては、ギリシャの債務問題が、関係諸機関や欧州各国の協力のもとで、解決に向けて着実に進展していくことを強く期待しています。まずはギリシャ政府が所要の措置を講ずるということが必要ですし、その上でESMによる金融支援の詳細等が固まり、それを着実に実行していくということを通じて、問題の解決に向けて着実に前進することを強く期待しています。』

まあそうしか言いようがない罠。

『後段のご質問については、ギリシャと日本の財政状況を単純に比較することはできないと思いますし、また、財政運営についてはあくまでも、政府・国会の責任において行われるものであって、具体的なコメントは差し控えたいと思います。』

と言いつつも・・・・・・・・・

『その上で、一般論として申し上げますと、』

一般論キタコレ。

『いつも繰り返しているように、国全体として財政運営に関する信頼をしっかりと確保することは非常に重要であると思います。この点、政府は、経済の再生と財政の健全化を同時に進めていくという方針を示した上で、いわゆる基礎的財政収支を「2020年度までに黒字化」するという財政健全化目標の達成に向けて「経済・財政再生計画」というものを定めたところです。政府による財政健全化に向けた取り組みが、着実に実行されることを強く期待しています。』

しかし最近の総裁会見での説明ってこの語尾の決め方が定型文っぽくて「想定問答通り」って感じなのが多くなってきましたな。良く言えば慣れてきたとかいう事なのかもしれませんけど悪く言えば2年で2%がドンドン先送りされる中であまり威勢の良い話ばかりしていると総ツッコミになるから抑えないとという意識なのかもしれませんなとか思ってしまうのですがどうなんでしょ。


・1.9%も2%キタコレ

ちょっと先に行ってまあこの質問が来るわなという話。

『(問) 物価の見通しについてお伺いします。2016年度の物価見通しの委員の中央値が若干下振れして1.9%になりました。先程総裁のお話しで2016年度前半頃に2%というのは変えないとおっしゃいました。2016年度前半頃に2%に達するということと、2016年度の物価見通しが1.9%ということの整合性が分かりにくい部分があるので、ご説明頂けますでしょうか。この1.9%というのは、2%程度の「程度」の中に入っていて、必ずしも2%にこだわらないというお考えなのか、教えて下さい。』

そらまあそういう質問になりますがな。

『(答) 2%程度という時に、1.9%も2%程度に入るとは思いますが、』

出たな。

『「物価安定の目標」自体は、ヘッドライン(総合)の消費者物価指数で2%を目標にしています。ただ、物価の基調をみていく必要がありますので、その際には、展望レポートあるいは中間評価にもある、生鮮食品を除く消費者物価指数──生鮮食品は非常に変動しますので、それを除いた消費者物価指数──の対前年比で基調をみています。』

さっきも申しあげましたが、この辺りの説明がやりたい政策(今だったらに現状維持ですけど)に対して適合的な説明攻撃に見える訳でして、じゃあ2%目標というのは「出てくる経済指標などから見てどういう状態なのか」という部分に解釈の幅が相当出てきそうに見えるわけで、そうなると市場の先行き金融政策に対する期待というか予想がどこかでいきなりジャンプする可能性もあるよねと思うのですが、物価がホイホイ上昇してくる時にこの辺りは日銀のコミュニケーションの真価が問われるところになりそうな気もするし杞憂のような気もします。

『それに加えて大きな原油価格の下落が昨年の秋から起こり、その動きを除いた指標やその他様々な指標をみながら、当然この金融政策は運営していくということになると思います。』

金融経済月報の方でコアCPIをエネルギー要因と除くエネルギー要因に分解したのが図表として出ていたのですが、基調ガーの話を強調している訳ですけれども、あまりここをフォーカスするとそもそも物価目標の指数として何が適切なの的な話に発展してカオスになりそうな希ガス。

『この2016年度の生鮮食品を除く消費者物価の上昇率が1.9%というのは、あくまでも年度全体の数字ですので、一定の時点で2%を超えることがあるかもしれませんし、それ以下のこともあるかもしれませんが、平均的にみて2016年度が1.9%ということだと思います。先程申し上げたように、委員の多数意見では2016年度前半頃に2%程度に達する可能性が高いという見通しは変わっていません。』

元々QQE投下した時は2%へのリジットなターゲットみたいな話になっていて、その後2014年度に入って伸びがパッとしなくなってくるとしばらく鳴りを潜めていたと思ったら10月追加緩和でまたリジットなターゲットみたいな話をして、最近は基調ガーという話になっている、と言う風にまあ外野的には見えてしまうだろうなあと思う訳でして、2%物価目標の達成とは何ぞやという問題を説明ろくすっぽしないままでどこまで通るのかは見ものではあります。



・海外要因はリスクだが一時的ですよ問題ありませんよという話

『(問) 支店長会議や短観の結果を踏まえ、また色々とお話を聞いていると、概ね日銀の予想している通りに事が進んでいるように思います。一方で今、海外は非常に減速しているということもあるのですが、今の日銀の一番の懸案事項は、海外要因、海外経済になるのでしょうか。』

うむ。

『(答) 足許の動きをみると、国内要因よりも海外要因の下振れが輸出や生産に影響し、成長率にも影響する可能性が高くなっています。ただ、それは先程申し上げたように基本的には一時的なものであり、米国経済も欧州経済も、元の成長軌道に戻ってきていますので、先進国を中心に世界経済全体が回復していくという見通し自体は、IMFの見通しもそうですが、基本的には変わっていません。』

はあそうですか。

『このところの弱めの輸出や生産に、海外要因がかなり大きく効いていることは事実だと思いますし、今後のリスク要因についても公表文で述べている通り、新興国・資源国経済の動向、欧州における債務問題の展開や景気・物価のモメンタム、米国経済の回復ペースなどを挙げているところであり、その意味では全くご指摘の通りだと思います。』

輸出や生産を声明文でもあるように現状認識下げたものの、結局展望レポート中間評価の方では先行きの見通し下げてませんがなという辺りに、リスクとしては気にするけれどもシナリオ的には知らんがなというのが表れておりますな。


・基調ガーと言ってるがインフレ期待はどうなのかというツッコミ

『(問) 物価の見通しについて伺います。先日の短観で、企業の景況感は改善したにもかかわらず、1年後の物価見通しはなかなか上向いてきません。さらに、日銀が調べている期待インフレ率も、昨年一時期1%を超えましたが、足許0.7%くらいで推移しています。なかなかデフレマインドは根強いなと思うのですが、こうした期待インフレ率の動きは、これまでは日銀の想定内の動きなのでしょうか。現状分析とその背景、将来はまた上向いていくのかどうかの見通しについて、総裁のお考えをお聞かせ下さい。』

BEIが上がったりしていた時には期待インフレがどうのこうのという話を前面に出しておきながら都合が悪くなると基調ガーの方向に行くとはどういう事やという質問ですね!

『(答) 短観でも色々な民間の調査でも、景況感が上向いている、あるいは景気が緩やかな回復過程にあることは、ほぼ一致していると思います。その上で物価については、生鮮食品を除く消費者物価が、前年比0%程度で推移していることは事実で、そこには中間評価の注3にもある通り、エネルギー価格の下落が相当大きく効いています。』

で?

『ただ、物価上昇率が昨年秋頃の1%くらいのところから足許0%程度まで下がってきたわけですが、そのもとでも期待インフレ率自体は、昨年10月の「量的・質的金融緩和」の拡大もあり、比較的維持されているとみています。』

そもそもサーベイベースの数値ってそうホイホイ上がったり下がったりしてましたっけという疑問を持ってはいけません。

『期待インフレ率は色々な要素で決まっていますが、日本の場合は、実際に物価が上がってくると期待インフレ率も上がるという傾向――バックワード・ルッキングな傾向――はまだあるようにも思われます。先程申し上げたように、エネルギー価格の下落の影響が次第に剥落していく、そして来年度前半頃には全くなくなることから言いますと、実際の物価上昇率は年度後半、秋口以降、かなりのテンポで上昇していく可能性がありますので、そうしたもとでは期待インフレ率自体も次第に上昇していくのではないかと思っています。』

ということですので、秋口以降に物価が上がると期待インフレが上がるとの仰せですが、それによって消費マインドがコケたら元の木阿弥になってしまいますけれども、そちらの説明は華麗にスルーするのはまあある意味お約束みたいなもん(これが麿だと丁寧に説明した挙句に「なんだ期待インフレが上がらないと思っているのか」という話になって進軍ラッパモードにならないんでしょうな)ですが、実際の物価が上がって期待インフレがどう上がるのかを正座して待機したいと思います(棒)。

『なお、期待インフレ率は、そのままでは見えないので、アンケート調査のような形で見るか、ブレーク・イーブン・インフレーションレートなどのように、物価連動国債から逆算して、物価連動国債市場の参加者のインフレ期待を計算するなどでしか分かりませんが、アンケート調査も、消費者、生産者、そしてエコノミストと色々あり、それぞれに色々な数字が出ていますし、それぞれのバイアスもあると思います。』

期待インフレがそのままでは見えないのに期待インフレを2%にリアンカーという中々禅問答的な話になっておりますが、まあ実際問題としてはそうでしょうなと思いますけど、QQE導入当初の単純な説明は何だったのかと小一時間。

『また、ブレーク・イーブン・インフレーションレートも、物価連動国債市場が非常に小さくて参加者も少ない、流動性も低いということもあって、完全に市場参加者の真のインフレ期待を反映しているかも議論のあるところです。』

置物師匠・・・・・・・・・・

『従って、期待インフレ率、期待物価上昇率については、そうしたアンケート調査あるいは市場の指標などを総合的に勘案してみていくしかないと思います。』

まあ総合的に勘案するしかないというのは分かりますが、しつこく申し上げるとこのあたりの話が「総合判断」に傾いてくると出口を意識するようになった時に(そうなるのかはかなり知らんがなという感じですけど)ここのファジーさが仇になりそうな悪寒。

『全体としてみると、昨年秋以降、エネルギー価格の下落を反映して消費者物価上昇率自体はどんどん下がってきたわけですが、期待物価上昇率はあまり下がらずに、比較的よく維持されていると思いますし、先程申し上げたように、今後実際に上がっていく過程では期待物価上昇率も上がっていくのではないかと思っています。』

てな事で、結局の所次に日銀がしょんぼりするのは秋口以降の物価推移とその時にインフレ期待が上がるのかを見た結果見込み違いだった場合という事になるので、これ下手したら10月展望レポートも「いよいよこれからです」で粘ってくるかも知れませんな。その前に輪番が爆発したらアレですが。


・ネタ質問ですけどね

『(問) 2点お伺いします。1点目は、最近、総裁は、世界各国の著名なエコノミストの方達との交流について執筆されています。今でも交流されているということだと思いますが、総裁ご自身は、一般に言うリフレ派に属するとお考えでしょうか。』

ワロタ。

『2点目は、総裁は2013年に就任前の国会でのヒアリングで、金融政策で2%の物価安定は達成可能だということを、はっきりおっしゃっていますが、原油で色々な影響があったにせよ、そのお考えに今でも変わりはないのでしょうか。』

微妙にイヤミな質問ですな。

『(答) 前者は、日本で、リフレ派と言われる人達の主張がどういうものなのかという確たる定義があるとも思われませんし、私自身リフレ派の一員であると宣言したこともありませんので、何ともお答えしかねるということかと思います。』

置物師匠とジンバブエ先生涙目。

『後者は、私は、今でも、そうであると思っています。』

ここはぶれませんな、麿ドクトリンとは思いっきりここで違いを見せてきます。

『と申しますのは、その際も、あるいは、その後も常に申し上げていましたが、物価上昇率を決める要素は色々あるわけです──最近で言いますと、原油価格が下落すると物価上昇率が下がるとか、あるいは、円安になると物価上昇率にプラスの圧力がかかるとか、色々な要素があることは事実なのです──が、長い目で見て、そういった色々な要素がある中で、金融政策としては、物価安定目標──日本の場合、多くの中央銀行と同じく2%という物価安定目標を掲げているわけですが──に向けて、様々な要因を踏まえた上で2%に持っていく責務があるし、持っていくことができると考えています。』

ここの説明はぶれない。

『ちなみに、それ以外のことでは、理論的に考えて、先程申し上げたように原油価格とか、為替とか、色々なことが影響するとは思いますが、そういったものは基本的には金融政策が動かせるというよりも別な要素で動いています。金融政策は、金融市場に対する働きかけを通じて、実質金利、期待インフレ率などに影響を与えて、需給ギャップを縮小し、予想インフレ率の上昇をもたらすことを通じて、物価安定目標を達成することに尽き、どこの国でも物価安定を達成する責務を負っているのは中央銀行であるということには変わりはないと思います。』

一方リフレ派の置物師匠副総裁は「2年で2%になっていない理由」などという言い訳を講演でしたりしておりましてですなあ(ニヤニヤ)。



・出口に関してどこまでこれで通せるのでしょうかねえ

『(問) 先程、金融政策で2%の物価が達成可能だと言われていましたが、やはり金融政策の効果が出るには1年とか2年とか時間がかかると思います。総裁も就任された時に「2年程度で2%」と言われたと思うのですが、結局、2年程度ぐらい見ていたのが、結果として2016年度ということになると、3年以上かかっていることになると思います。』

とまずイヤミを打ち込んで・・・・・・・・・

『一方で、2016年度の前半に2%の物価が実現されるということになると、現状から見て1年なのですが、金融政策の効果に時間がかかることからみると、2016年度前半に2%にいくことに自信を持っているのであれば、先行きの政策のことをもう少し言及されてもよろしいかと思います。』

日銀の「強力な金融緩和」が本当に強力に効くのであればそうなんですよねえ。まあ直感的には効き方がリニアや対数的なのではなくて、どこかでいきなりジャンプするような効き方をしそうな悪寒もありますが。

『やはり安定的に2%ということは、先行きではなく現実に足許が2%にいってからでないと、先行きの出口や政策論といった辺りは、なかなかお話しできないのかなと思うのですが、その辺りに関してお伺いします。』

たぶん市場は足元が2%まで待たずに先行きの政策を考えて動くと思います。まあ物価が1%割れで延々とうだうだしていたら別に今のままだと思います(輪番オペの技術的限界の話はさておきまして)けど。

『(答) 何度も申し上げている通り、原油価格の前提を踏まえると、原油価格下落の物価上昇率に対するマイナスの影響はだんだんと小さくなっていき、来年度の前半にはゼロになります。これは、金融政策とは関係なくそうなるので、中間評価の注3にもあるように、物価上昇率に対するかなり大きなマイナス要因が消えてしまう、そして他方で、潜在成長率を上回る成長が今年度、来年度と続くことで需給ギャップも縮んでいき、さらにプラスになっていくので、来年度の前半頃に2%程度に達する可能性が高いと、私あるいは政策委員会の多数はみています。』

さいですな。

『そのことと、出口の議論を具体的にすることは別の話です。』

ほえ???

『物価安定目標の達成で何よりも重要なのは、それが安定的に持続できるようになっているかどうかであり、やはりその判断のもとで、その時点での金融経済情勢を踏まえて、具体的な出口を探っていくことになると思いますので、今の時点で、出口について具体的に議論するのはやはり時期尚早であると思っています。』

いやだから金融政策の効果のタイムラグがある上に期待を変化させるような超強力な金融政策を実施しているんですから、期待をリアンカーさせるとか言ってもデフレ均衡からのシフトアップが2%で止まる保証ってどこにも無いでしょというツッコミをしていると思うのですが、華麗にこの答えで通すという辺りに、そもそも達成に対する確信度があるのかよとかツッコミをしたくなってしまいますがな。



・これまたイヤミ質問ですが・・・・・・・・

『(問) 中間評価について、改めてお伺いします。今年度の物価見通しが、前回に比べると、0.1%程度下がって、概ね横ばいということですが、過去から累計してみると、例えば昨年10月から4回連続で下がっていたり、1月から比べると0.3%下がっている、あるいは、GDPにしても、昨年度の成長率は6回下方修正されています。』

(・∀・)ニヤニヤ

『こういうトラックレコードをみると、この先大丈夫だとおっしゃっていても、本当にそうなるのかな、という疑問を若干感じてしまうのですが、つまり日銀の見通しに対する説明責任や、あるいはクレディビリティというところは、傷はつかないのでしょうか。』

まあ日銀の見通し通りに行くと金利の市場が全員確信していたらそろそろ出口政策の心配をしている筈なんですけどねえ。

『(答) 見通しは当たらないといけないということは、その通りだと思うのですが、昨年来申し上げているように、いくつか予想外のことがあったことは、日本銀行に限らず、政府にしても民間のエコノミスト達にしても同じだと思います。』

出たな。

『1つは、消費税増税後の反動減がやや長引き、成長率に対して、おそらく予想外に、特に4〜6月、7〜9月に影響が出たことは事実だと思います。』

そうじゃなくて増税前の駆け込み部分を過小評価したんじゃないですかねえというのと、物価上昇による実質所得の低下の影響を過小評価したんじゃないですかねえと思うのだが、それを原油市場の動向と同列にして(この次に出ます)天変地異扱いするのはちょっと・・・・・・・・・・・

『それから、原油価格の大幅な下落──5割以上の下落──は、ほとんど誰も予想できなかったことであり、そういった様々な要因で、成長率や物価見通しが、その通りにならなかったということではないかと思っています。』

まあこれはこれとして。

『経済見通しですので、どうしても予測の誤差というか、そういうものはありますが、まさにおっしゃったように、それがどういった要因でそういうことになったのかということは、十分分析して、明らかにしていく必要はあると思っており、従来からそのようにしています。各国政府やIMF、OECD等の国際機関も含めて、経済見通しの正確化については、色々な努力はしていますが、上振れ、下振れということが、ある程度起こりうるということは、予測技術の進展にもかかわらず、様々な予測しがたい事態が起こるために避けられないことですので、それだけで予測に対する信頼性が損なわれたということにはならないと思います。』

言いたいことは分かるが見苦しい言い訳に見えてしまうような気がするんだが。

『ただ、予測は当たるに越したことはないことは事実です。今後とも、見通しの正確化については引き続き努力していきたいと思います。』

いやだからそういう状態でどうやって「2%の物価安定目標を達成した」という判断が出来るのかが良くわからんとイヤミを申し上げて思いのほか長くなってしまった総裁会見ネタはこの辺で。
 


サーバートラブルでご迷惑をおかけします   2015/07/16(木)08:04:49  
  http://ameblo.jp/fpeye  


サーバートラブルでご迷惑をおかけします   2015/07/15(水)08:12:14  
  http://ameblo.jp/fpeye  


お題「MPMプレビュー雑談/ギリシャ関連のドキュメント/日銀WPより/師匠の国会答弁がまたまたアレだった時の会議録より」   2015/07/14(火)08:05:20  
  日曜にはこんなのがありましたが、

[外部リンク] 日本テレビ系(NNN) 7月12日(日)21時15分配信


昨日は朝日新聞は兎も角(なお朝日だからと言って極端に違う訳でもない)国営放送もこれですか。

[外部リンク] 「支持する」41%「支持しない」43%
7月13日 19時00分

・・・・・・・・・こうなったらアレです。ここで政権浮揚の為に追加金融緩和(銃声)

まあ日程考えたらここらでやっておくという事なのでしょうがさてどうなるのか。

[外部リンク] 与党側 あす委員会採決の方針
7月14日 4時59分


○金融政策決定会合プレビュー雑談

今日明日と7月MPMでして、まあ微妙に難しい時期にぶつけられましたなという所ですけれども、とりあえず明日の段階でまだギリシャ問題がどちらの方向にしろ片付いている訳でもなく、まだ流動的と言う状態ですから、まーギリシャを理由に何かするというのもちょっと。

しかも足元では短観が別に悪い訳ではなくて、支店長会議の結果に関しても現状判断は微妙な引き上げという状態になっている、とまあそういう状況にある中ですと動く理由というのが無いなあという所です。

日銀の現在の金融政策の建付けからしますと、「追加緩和=マネタリーベース拡大ペースの拡大」、というのが最初にあって、それに加えて「長期国債買入残高の拡大」というのがセットになっている、という説明になっています。すなわち「マネタリーベースの量」と「日銀のバランスシートで保有する長期国債」に意味があるという建付けになっておりまして、両方を相応の規模で拡大することが出来る政策としては、市場のキャパから考えて「長期国債残高拡大ペースの10兆円拡大」しか無いですねという話になります。

ついでに言えばこの長国10兆円拡大に関しても今の輪番オペのインパクトからしまして、ペース拡大を実施するのはオペの限界をより速めるだけとなりますので、後に来れば来るほど物理的に施策打ち込み自体が難しくなってきます。

なおETFだけ拡大、という選択肢も無くは無いでしょうが、先ほどのように主な政策パスが「マネタリーベースの拡大で期待に働きかける」「長期金利への低下圧力で実質金利を引き下げる」という物がメインになっているだけに、MB拡大ペースが有意に伸びてこない施策の場合は説明が付きにくいですし、そもそも論として白川さん時代の当初に打ち込んだETF、REITの買入の実施というのは「市場のリスクプレミアムの縮小を目指す」という代物で、黒田さんのQQEの時にこれらの資産買入の意味合いがファジーになって誤魔化されているものの、さすがに「特定の資産価格を適正水準よりも高値維持することによって政策効果を出す」という話はよーせんでしょうから、株価やREITが暴落しているならともかく、相応の高水準に居る中で株やREITだけの購入拡大というのは筋が中々通しにくいと思います。

・・・・・・・・・というのがまあ常識的な見方になると思いますが、ちょっと円高株安に振れるとすかさず追加緩和ネタを出してくる面白い人もおいででありますように、内閣支持率が下がってアイヤーという事になると政治的資源の確保にいきなりサポート的な緩和を打ち込んでも別に不思議ではないというのが今の黒田さんというのだけは気になります。まあそれで追加やって本当に債券は買いになるのかというとこれまた怪しげですけれども・・・・・・・・・・・・

なお実際問題として、政策ロジックのうち政策のどの部分がどう効いているかの説明に変更を加えない限り、追加緩和で切れるカードはあと1枚しかない(付利下げやマイナス金利は量的政策とコンフリクトが起きるので「MBの量」に対する政策目標を放棄しないといけない)という大事なカードですので、そのカードはFEDが金融正常化を断念してコリャダメだ状態になった時に温存せざるを得ないと思いますがはてどうなるのやら。

まあ今回やったら思いっきりサプライズですし、幸か不幸か今回は直前の国会答弁なども無いので、後から某大門先生に「だましうち」とか言われなくても済みますよどうでしょうかねえ(棒読み)。


○ギリシャェ・・・・・・・・・・・・

[外部リンク] 07月 14日 05:24 JST

『[ブリュッセル 13日 ロイター] - ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は、ギリシャ第3次支援協議が約4週間かかるとみて、同国向けのつなぎ融資を検討する。14日夜か15日朝に、つなぎ融資の方法を決める方向だ。』(上記URL先より)

ということで、この辺を見るあるヨロシ。

[外部リンク] Euro Summit, 12/07/2015

『Main results

On 13 July 2015, the leaders from the euro area member states agreed in principle that they are ready to start negotiations on an ESM financial assistance programme for Greece.』

で、「Euro Summit statement, Brussels, 12 July 2015」ってのがあって、 そこをクリックすると条件がああだこうだと書いてあるPDFに飛ぶのですが、ページ上の表示がハイパーテキストプロトコルになっているのでアタクシの手元のPC環境(というかアドビのバージョンとWindowsの関係で)だとPDFアドレスが表示できませんすいません。

『There are a number of strict conditions to be met before negotiations can formally begin.

The agreement will have to be approved by the Greek parliament and by several national parliaments.』

ということなので合意したけれども国会でひっくり返されたら元も子も無いという話だが、まあさすがに今回そういう話になるのかというと成らんでしょうとは思いますが良くわからんですからねえ。

『"I welcome the progress and the constructive position of Greece that helps to bring back trust among euro zone partners", said Euro Summit President Donald Tusk.』

ということで、『Next steps』というのがあって、

『Following national procedures, the Eurogroup will work with the institutions to swiftly take forward the negotiations. Euro area finance ministers will also urgently discuss how to help Greece meet its financial needs in the short term, the so-called bridge-financing.』

つーことでギリシャ議会の動向が重要というお話でして、条件でああしろこうしろという話はさっきの「Euro Summit statement, Brussels, 12 July 2015」先のファイルに(7ページ組で色々とあります)あって、これを議会が承認したらつなぎ融資出るよという話のようですな。

上記URL先の下の方に関連リンクというのがあって、ダイセルブルームさんのステートメントがありますけれども、

[外部リンク] Press remarks by J. Dijsselbloem, President of the Eurogroup after the Eurozone summit of 12 July 2015

最後の所に同様に、

『So over the next two days the focus of attention will be on the Greek Parliament. As soon as they have completed the legislative process, the other national parliaments will get to work, and hopefully by the end of the week we can take a decision on mandating the institutions to draw up an agreement.』

とありますので、まあギリシャ議会がこれを承認してまずは夏休みしながら行きましょうやということでしょうかよくわかりません><;


#そういや話は違いますがちょっと書き物をサボっている隙にECBのトップページが妙な体裁になっていて見難いこと見難いこと(通常のPC的に)


○この時期は色々と日銀からWPとかその手のが出るがこれは面白い(と思う)

[外部リンク] 『要旨

本稿では、わが国における個別銀行のデータを用いて、市場金利の変動に対する貸出金利の反応度 ―― 貸出金利の「追随率(pass-through)」 ―― を計測する。欧州のデータを用いた先行研究では、リレーションシップ貸出の比重が高い銀行において、追随率が低めとなることなどが指摘されてきたが、わが国における2000年代前半以降のデータを用いて分析しても、概ね同様の結果が得られた。』

一応これでも元金貸しの手先だったので経験的な体感的な部分からは整合的。

『本稿ではさらに、各銀行の直面する貸出先企業のバランスシート特性も考慮して追随率を推計したところ、これらの特性も、銀行間での追随率のばらつきを決定する要因として重要である可能性が示された。』

ほう。

『もっとも、2008年の金融危機発生後に限ってみると、リレーションシップ貸出の比重が高いとみられる銀行でも、追随率を高めて貸出金利の大幅な引き下げを行ったことや、追随率が必ずしも貸出先企業のバランスシート特性に応じた形で決定されなくなったことも判明した。こうした結果は、金融危機後も追随率が大きく変化していないという、欧州のデータを用いた最近の研究とは異なる。この背景には、わが国では、金融危機後も銀行部門が全体として健全性を維持する中で、大幅な金融緩和と貸出競争の激化により貸出金利の低下圧力が強まったこと、危機直後にCP・社債市場などの機能が低下し、代替的に銀行貸出に対する需要が増加したこと、公的部門による銀行貸出の支援策が広く導入されたことなどの影響があると考えられる。』


ということですが、本文は
[外部リンク] 『既存研究において、貸出金利の設定行動は、市場金利(インターバンク市場などにおける銀行の調達金利)の変動に対する貸出金利の反応度 ── 貸出金利の「追随率(pass-through)」── の観点から分析されることが多い。これは、銀行の貸出金利が、市場金利の変動に対して?なくとも短期的には完全に連動せず、ある程度遅れて追随する傾向があることが知られているためである(いわゆる貸出金利の「粘着性」)。貸出金利の追随が完全でないということは、例えば金利上昇局面において、銀行が、何らかの要因に配慮することにより、自らの貸出利鞘を縮小してでも、貸出先の資金調達コストを引き上げないように努めていることを意味する。』

で海外の先行研究の例についての記述部分を端折りまして引用しますが、

『これらの研究で概ね共通して得られている結果は、.螢譟璽轡腑鵐轡奪彗濬个糧羹鼎高い銀行において、追随率が低めとなること、⊆己資本や流動性が潤沢な銀行では、追随率が低めとなること、の2点である。』

うむ。

『,砲弔い討蓮▲螢譟璽轡腑鵐轡奪彗濬个持つ特性の一つとして指摘されることの多い、「異時点間の金利平準化機能」によって解釈可能である。これは、リレーションシップを通じた将来利得が見込まれる下では、銀行は、必ずしも一時点での採算の観点から貸出金利の設定を行うのではなく、より長期的な視野に基づき、顧客に対する取引条件の平準化(一種の「保険機能」の提供)を行う可能性があるということである。この場合、貸出金利は、市場金利の動きに対して大きく反応せず、追随率は低めになる。』

それは分かりますな。

『また、△砲弔い討癲基本的には、こうしたリレーションシップ貸出との関連で解釈することができる。すなわち、自己資本や流動性の点でバッファーを潤沢に持つ銀行は、取引先企業に対して、一時点の採算から乖離した条件を提示することが可能であり、長期的な視点から取引条件を平準化する結果、追随率は低めになる、ということである。』

なるほど。

『もっとも、これらの既存研究では、銀行間における追随率の異質性を、主として銀行サイドのデータを用いて説明しているが、実際には、追随率が、各銀行の直面する貸出先企業のバランスシート特性にも影響を受ける可能性が考えられる。』

つまり・・・・・・・・・・・

『例えば、貸出先企業が、銀行借入だけでなく、CPや社債など代替的な手段によっても多額の資金調達を行っている場合、銀行貸出金利の設定は、それらの代替的な市場における金利動向に影響される可能性がある。また、リレーションシップを持つ貸出先企業の財務状況が外的要因等により一時的に悪化した場合、仮に将来利得が見込めるならば、銀行が取引条件平準化の観点から貸出金利をスムージングする結果、追随率が低めになる可能性も考えられる3。』


『このため、追随率の決定要因を分析する際には、銀行が直面する貸出先企業の特性も勘案することが、既存研究の拡張の方向性の一つと考えられよう4。』

なるほど。

『本稿では、こうした点を踏まえつつ、わが国銀行の貸出金利の追随率を四半期データを用いて計測する。推計に用いる期間は、銀行合併によるデータの不連続性が深刻になるのを回避するため、2003年以降とする。この時期には、貸出金利が趨勢的には緩やかな低下傾向を辿ったが、例えば2005〜2007年頃など、市場金利の上昇に応じて小幅ながら上昇する動きも含まれている(図表1)。』

まあこの点は仕方ないでしょうなと思いますが、そもそも論として全銀で預金超過に転じてからとその前とか、金利がもっとでかい桁の数字で上がったり下がったりしていた時はどうだったのかというのに関しては、まあ確かに今それを研究しても現在や近い将来へのインプリケーションは無いのかもしれませんが、その辺りでどういう風になっていたのかというのも興味はありますな。

ちょっと飛ばして。

『本稿ではさらに、2008年秋の金融危機以降において、追随率がどのように変化したかという点にも分析の焦点を当てる。』


『金融危機後の貸出金利の設定について分析した研究は現状限られるが、Gambacorta and Mistrulli (2014)は、イタリアの個別銀行のデータを用いて分析している6。彼らは、金融危機後においても、.螢譟璽轡腑鵐轡奪彗濬个療拗腓い強いケースでは、他の貸出と比べて追随率が低めであり、異時点間の金利平準化機能が発揮されたこと、⊆己資本や流動性が潤沢な銀行は、追随率が低めとなっていること、を報告している。これらの結果は、イタリアでは、金融危機後も、追随率の設定方法が大きく変化していないことを示唆している7。』

『もっとも、わが国では、欧州諸国とは異なり、金融危機の発生後も、銀行部門が相対的には健全性を維持するなかで、大幅な金融緩和と貸出競争の激化により貸出金利の低下圧力が強まったことや、中小企業向けの貸出条件緩和策など公的な銀行貸出支援策が広範に導入されたという事情もあって、金融危機後に追随率が変化した可能性が考えられる8。本稿では、こうした点に関する考察も行うこととする。』

とのことですが、まあ図表を眺めながら対応する前後の本文を読みながらユルユルと読んでいくのが吉のように思えます。


○置物師匠ェ・・・・・・・・・・・・・

こんなのが参議院のサイトに出ています。
[外部リンク] 平成二十七年六月十六日(火曜日)

ちなみに上記URL先ですが、暫くすると国会会議録システムの方に移行するので、実際には国会会議録システムからH27/06/16の参議院財金を検索するようにした方がよろしいです。

でまあこちらの質疑応答なのですが、師匠が登場するのは質問の1発目になる民主党・新緑風会の風間直樹委員との質疑なのですが、これインターネットで参議院がやっている審議中継を聞きながら「おいおい大丈夫か」という展開になっていたところでして、『○委員長(古川俊治君) 速記を止めてください。〔速記中止〕』という感じで速記が止まったのが都合4回。

で、この質疑は文書にされても頭がクラクラとしますが、実際の質疑応答の方が全然問答として成立していなくて、「聞いたことに答えろよ」という顔をしている質問者とその隣の大塚委員の表情が何ともという感じでした。

なお、大塚さんが慌てて速記を止めさせた部分はそのちょっと前から以下の通り。

『○風間直樹君 岩田さん、それ全然質問に対する答弁になってない。
 今おっしゃっているのは、日銀が達成しようとする目標のことをおっしゃっているんですよ、岩田さんは。私が聞いているのは、今のままだと財政ファイナンスだとみなされるんじゃないかということなんです。そうみなされないために日銀がどういう国債の買入れ基準を持ってやっているのか、その結果、日銀の法定準備金が食い潰されるおそれがない、どうしてないのか、そのことを聞いているんです。もう一回言ってください。

○参考人(岩田規久男君) ですから、二%の物価安定を超えて財政ファイナンスをするわけじゃありませんの、
その心配はないということを申し上げているんです。(発言する者あり)

○委員長(古川俊治君) 一回速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(古川俊治君) 速記を起こしてください。

○参考人(岩田規久男君) 要するに、二%を達成するために、物価安定の目標のために長期国債を買っているんであって、そのことに関して、そういう、中央銀行が物価安定のために長期国債などを買うということに対して、それが財政ファイナンスだと言っているような、私、国はないというふうに思います。アメリカにしろ同じことをやったわけですね。物価安定の二%と、アメリカの場合は雇用の最大化がありますけれども。ECBも同じですね。あるいはイギリスのイングランド銀行も同じですね。要するに、物価安定のために長期国債を随分買ったわけです。

 先ほど申したのは、二%安定的になるまでは、だから、財政ファイナンスのためにやっているんじゃないということを申し上げているんです。これはどこの中央銀行でも同じです。』

でまあこの「二%の物価安定を超えて財政ファイナンスをするわけじゃありませんので」というのが微妙にアチャーだったので大塚さんが止めたという形でして、その後大塚さんが黒田総裁への質問の冒頭でこんな発言をしていました。


『○大塚耕平君 民主党の大塚でございます。

 今日は、岩田副総裁は私は答弁お願いしておりませんが、岩田さん、もしお時間があれば、今日は御質問しませんけれども、冒頭のところだけちょっといてください。

 日銀で私も十八年間仕事をさせていただきましたので、風間さんの横に座っておりますと、私もOBとして怒られているような気がして非常にいたたまれません。』

ワロタ。

『  先ほど私が席を立ったのはどういう意味かと申し上げますと、岩田さんのおっしゃりたいことは私はよく理解できましたけれども、話の流れの中で、二%に達した後は財政ファイナンスしないという、こういう文脈で御発言されたんです。後で議事録見てください。』

会議録もそうなっています(^^)。

『  それで、与党の先生方にもお願いしたいんですけれども、これ、私がもし理事をさせていただいておりましたら、この局面、日本のマーケット、とりわけ長期金利に影響を与えないように、理事の判断であそこは止めて、ちょっと岩田さん、先ほどあなたは二%に達した後まで財政ファイナンスはしないと言ったけれども、いや、それは間違いだから訂正をしてくださいと言って、理事として止めて、議事録を修正してもらう努力をします。あるいは発言を訂正してもらう努力をします。そのぐらい、副総裁、ここでの一言一言は重いんです。何となく流れで、ふわっとした発言で済む場所じゃないということだけ是非御理解いただけますか。』

いつもそういう答弁ばかりしているという認識は共有されているんでしょうなあ・・・・・・・・・・・・

『  そのまま、この場の雰囲気はそれで流れたとしても──ちょっと後ろ、今大事なところなんだからちょっと待って。バックベンチも、本当に大事なときにアシストで話しかけると、人間、両方の音聞けないから。』

お付きの事務方怒られるの図(><)。

『その後、二%に達するまでは財政ファイナンス今しているというふうに、いや、副総裁が発言したというふうに勝手に解釈されて報道されたら困るんですよ。だから、あそこは訂正するべきではないかということで、大変私も越権で席を立ったことはおわびを申し上げますけれども、みんな、日本国を悪くしたいと思っている人は一人もいませんから、日本国が財政的な問題で混乱に至らないように一言一言は論理的に整合性のある形で御発言をいただきたいという趣旨で思わず席を立ちましたことは、お許しをいただきたいと思います。』

ちなみに師匠の答弁での説明ってまあ「ああ言えばこういう」という応答はできているものの、質問の角度を変えて質問すると微妙に整合性の無い答弁をするもんだからこの回でも何だか蒟蒻問答状態になっている、というのは上記URLでご確認いただければと思いまする。まあ質問する風間さんのポイントもイマイチ絞れていないというか「だから何なんだ」という所がはっきりしていないのもありますけどね!!!!
 


お題「お休み中の日銀関連文書ネタとかで勘弁である」   2015/07/13(月)08:06:20  
  人が1週間駄文書きをサボっていたら色々とありましたようで(大汗)、ということで先週のネタから備忘録的に幾つかメモを置いておきます(自分用ですな・・・・・・)。

○ギリシャのアレで総裁談話とな

ギリシャの国民投票はクソワロタとしか申し上げようがない(というか投票締め切り直前では報道では「大接戦」とか言ってたように思えるのだが)のですが、その結果を受けて総裁談話が出ていたとな。

[外部リンク] 日本銀行

でまあ内容の方は注意しますとかそういう話で別段新しい事でもないのですが、総裁談話が直近に出たのって以外では2011年の震災後の為替絡みの所まで遡る(三重野さんの件は金融政策関係ないですからさておく)という事で、黒田総裁になって初めてですのでそれなりに警戒したという事ではありますな。

[外部リンク] ・支店長会議挨拶

[外部リンク] 『(1)わが国の景気は、緩やかな回復を続けている。先行きについても、緩やかな回復を続けていくとみられる。

(2)物価面をみると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、0%程度となっている。先行きについても、エネルギー価格下落の影響から、当面0%程度で推移するとみられる。

(3)わが国の金融システムは、安定性を維持している。そうしたもとで、金融環境は、緩和した状態にある。

(4)「量的・質的金融緩和」は所期の効果を発揮しており、日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する。その際、経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う。

(5)昨日のギリシャにおける国民投票では、関係諸機関による金融支援策に対する反対票が賛成票を上回る見込みであると報じられている。日本銀行としては、引き続き、内外の関係機関との連携を密にしつつ、金融市場の動向を注視していく。』

ということで、これ前回と比較しますと(5)が加わったのと、(1)の所が前回は『(1)わが国の景気は、緩やかな回復基調を続けている。先行きについても、緩やかな回復基調を続けていくとみられる。』(前回)となっていて、「基調」攻撃が外れた分だけ前回より強い内容という事になっています。

ちなみについでに過去のを確認してみましたが、昨年の4月までは上記の(4)に対応する部分の頭からが『「量的・質的金融緩和」は、所期の効果を着実に発揮しており、日本経済は2%の「物価安定の目標」の実現に向けた道筋を順調にたどっている。』(2014年4月の挨拶)となっていまして、実現に向けた道筋を順調にたどっていないのに所期の効果を発揮とは何ぞや(なお2014年7月以降が現在と同じ表現なので、所期の効果も「着実に」は発揮していないようですな(ニヤニヤ)。

まあ物価目標達成時期を区切ってリジッドに対応するのがQQEのキモだった筈なのですが、「基調」で誤魔化すという話は昨年も1回やりかけて、その後10月の謎の追加緩和が登場するという図になっている訳ですな、一応確認の為に。


・さくらレポート:今回は設備を強めにして生産と消費は足踏み的な感じですか

概要
[外部リンク] 『I. 地域からみた景気情勢』ですけど。

『各地の景気情勢を前回(15年4月)と比較すると、8地域(東北、北陸、関東甲信越、東海、近畿、中国、四国、九州・沖縄)で、景気の改善度合いに関する判断に変化はないとしているほか、北海道からは、生産の増加などを踏まえて判断を引き上げる報告があった。』

ということですが、何せ前回は『3地域(北陸、東海、近畿)からは、回復テンポが強まっているとして判断を引き上げる報告があった。』(前回さくらレポート概要より)となっていまして、回復テンポ引き上げとな!という感じでしたので、今回この調子で上がっていたらさすがに腰が抜けるところだったので横ばいでもはあそうでございますかという感じ。

『各地域からの報告をみると、内外需要の緩やかな増加を反映して生産が持ち直している中で、雇用・所得環境が着実な改善を続けていること等を背景に、全ての地域で、「緩やかに回復している」、「回復している」等としている。』

これまた前回が『各地域からの報告をみると、内外需要の緩やかな増加等から生産が持ち直している中で、雇用・所得環境が着実な改善を続けていること等を背景に、全ての地域で、「緩やかに回復している」、「回復している」等としている。』(前回さくらレポート概要より)となっていましたので、前回の判断を踏襲して改善傾向が続いている、という形になっているので、基調判断自体は横ばいになっていますけれども、前半の所が「内外需要の緩やかな増加等」とか困った時の必殺技「トォー!」が入っていた訳で、それが外れたりしてて、内容は横ばいだけども気分は上向きでルンルン(死語)と言った所っすかねえ。

『公共投資は、東北、関東甲信越から、「緩やかに増加している」、「足もと増加している」との報告があったほか、近畿、四国から、「高水準で横ばい圏内の動きとなっている」等の報告があった。一方、5地域(北海道、北陸、東海、中国、九州・沖縄)からは、「高水準で推移しているものの、減少している」等の報告があった。』

公共投資は前回が増加1、横ばい4、減少3なのでやや下がっているように見えますが、関東甲信越が横ばいから増加になっているのがあるのでそんなに変わらないのでしょうかね。

『設備投資は、3地域(北海道、北陸、東海)から、「一段と増加している」、「大幅に増加している」、3地域(東北、関東甲信越、近畿)から、「緩やかに増加している」、「増加している」との報告があったほか、3地域(中国、四国、九州・沖縄)から、「底堅く推移している」、「持ち直している」等の報告があった。この間、企業の業況感については、「改善している」、「総じて良好な水準が維持されている」等の報告があった。』

これは前回のと比較すると見やすい。

『設備投資は、3地域(北海道、北陸、東海)から、「一段と増加している」、3地域(東北、関東甲信越、近畿)から、「増加している」、「緩やかに増加している」との報告があったほか、3地域(中国、四国、九州・沖縄)から、「持ち直している」等の報告があった。この間、企業の業況感については、「製造業を中心にやや弱めの動きがみられる」との報告があった一方、「改善傾向が続いている」、「総じて良好な水準が維持されている」等の報告があった。』(前回さくらレポート概要より)

全体的に前回よりも強くなっていますな。

『個人消費は、雇用・所得環境が着実な改善を続けていること等を背景に、北海道から、「回復している」、4地域(北陸、東海、四国、九州・沖縄)から、「緩やかに持ち直している」、「持ち直している」等の報告があったほか、4地域(東北、関東甲信越、近畿、中国)から、「底堅く推移している」、「全体としては堅調に推移している」との報告があった。』

これまた前回のと比較する。

『個人消費は、雇用・所得環境が着実な改善を続けていること等を背景に、北海道から、「地域や業態間でばらつきを伴いつつも回復している」、4地域(北陸、東海、四国、九州・沖縄)から、「緩やかに持ち直している」等の報告があったほか、4地域(東北、関東甲信越、近畿、中国)から、「全体としては底堅く推移している」等の報告があった。』(前回さくらレポート概要より)

前回は消費も強くなっていたのだが今回はそんな感じでもないように見える。


『住宅投資は、近畿から、「全体として弱めの動きとなっている」との報告があった一方、3地域(北海道、中国、九州・沖縄)から、「下げ止まっている」等、3地域(北陸、関東甲信越、東海)から、「持ち直しつつある」との報告があった。この間、東北、四国から、「高水準で推移している」、「底堅く推移している」との報告があった。』

住宅は前回弱いのが2で下げ止まりが3で横ばいが1で高水準だの底堅いのが3だったので上も下も減ったという感じですけど、弱い方の表現のニュアンスは若干改善しています。前回は明らかにその前対比で強くしていましたけど今回はそうでもない。

『生産(鉱工業生産)は、内外需要の緩やかな増加を背景に、4地域(北海道、北陸、東海、近畿)から、「高水準で推移している」、「増加している」等、3地域(関東甲信越、四国、九州・沖縄)から、「緩やかに持ち直している」、「持ち直している」等の報告があった。この間、東北、中国から、「横ばい圏内の動きとなっている」等の報告があった。』

前回大幅に上方修正していた生産ですが、今回は東北が判断を若干下げていて、こちらは足踏みという感じになっていて、設備投資の所が強くなっているので印象として強い感じかなあとは思うものの、まあ微妙ちゃあ微妙かもしれませんな。


・さくらレポート地域の視点は一見威勢が良いがただの二極化ではないかという気がする件について

『II.地域の視点』というのが毎回のネタで、前回は『各地域における製造業の生産動向・生産体制』という製造業が回帰するでしょうか的な話で、しらっと結論部分でシュートを投げ込んでいた感じでしたが、今回のお題は『各地域における消費関連企業の最近の販売動向と事業戦略』となっています。

『1.消費関連企業の最近の販売動向』

『各地域における消費関連企業の販売動向をみると、昨年の消費税率引き上げ後は駆け込み需要の反動の影響等から低迷していた先が少なくなかったが、足もとにかけては、雇用・所得環境の改善や株価上昇による資産効果等に加え、訪日外国人需要の増加もあって、売上が持ち直しに転じる先が着実に増加しており、業態や地域等でばらつきを伴いながらも、全体としては緩やかな改善基調にある。』

ばらつきですかそうですか。

『主要業態別には、百貨店は、富裕層や訪日外国人における高額品を中心とした堅調な需要を主因に、多くの先で販売が緩やかに増加している。また、食品スーパーでは、高品質の生鮮食品や総菜を中心に売上を伸ばしている先が多く、コンビニエンスストアも、新規出店や高付加価値商品投入の効果等から増加しているとの声が聞かれる。さらに、家電量販店は、省エネ・高機能製品等の販売が堅調となる中で、訪日外国人需要が売上全体を押し上げている先も少なくない。この間、宿泊は、ガソリン安の効果や海外旅行からのシフト、訪日外国人客の増加等を背景に好調となる先が多く、飲食でも、高単価ながら高付加価値のメニューを提供する先を中心に堅調に推移している先が少なくない。』

ほほう。

『一方、自動車販売店は、新型車や高級車は堅調ながら、軽自動車を中心にその他の車種の不振が続いており、全体では弱めの動きとなっている先が多い。また、総合スーパーでも、他業態への客離れが進む衣料品や日用品等を中心に、厳しさが残っているとの指摘が聞かれる。』

つまり二極化と。

『地域別にみると、都市部の店舗は、高品質・高付加価値品への需要拡大等から、総じて改善基調にある一方、郊外・地方圏の店舗は、資産効果や所得改善効果が限定的なうえ、大都市やEコマースへの消費流出もあって、持ち直しの動きは鈍いとの声が多い。』

てな全体の話で、この時点で二極化と海外頼みですかそうですかという所ですが、この先の所も味わいが深い書きっぷりになっている。『(2)最近の販売動向にみられる特徴点』という所ですが。

『この間の販売動向における特徴としては、高品質・高付加価値の商品・サービスに対して需要が足もと着実に増加していることを挙げる声が多い。この背景としては、以下のような指摘が聞かれている。』

で、箇条書きになっている小見出しを並べると、

『イ.富裕層・シニア層における資産効果を背景とした堅調な支出意欲
ロ.勤労者世帯の一部における消費の持ち直し
ハ.旺盛な訪日外国人需要』

となっていまして、いやまあそれで全体的に景気が強くなってトリクルダウンとか言うのかも知れませんけれども、資産効果と一部の勤労世帯に加えて円安で相対的に安くなった日本に外国人がやってきて結果として価格設定が強気化するという図っていうのはそれ本来的に政策として目指すべきもんなのかねとか思ったりもする訳で・・・・・・

日本銀行法
[外部リンク]  日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。』

ってある訳でして、国民経済が「健全に」発展しないと拙いんじゃないですかねえとかツッコミを入れても今の黒田日銀にとっては馬の耳に(銃声)。

・・・・・・まあ何ですな、さくらレポートでの書きっぷりはそういう意味では中々滋味が深いと思うのはちょっと変に読みすぎですかそうですか。



○幾つかのペーパーが出ていましたが


・リサーチラボシリーズでインフレリスクプレミアムに関して

[外部リンク] 『インフレ・リスク・プレミアムは、将来の物価変動にかかる不確実性を表す指標である。インフレ・リスク・プレミアムがプラスであれば物価の上振れ懸念が強く、マイナスであれば下振れ懸念が強いことを意味する。わが国のインフレ・リスク・プレミアムは、2012年末までの間、長らくマイナスの状態が続いていたが、2013年初にプラスに転じた。このことは、予想インフレ率が緩やかな上昇を続けるなか、将来の物価変動に対する市場のリスク認識が物価上昇方向に変化していることを示唆している。』

ということでこの件に関しては関連のペーパーとかが以前で出ていたのをコンパクトにまとめた格好になっております。内容としてはそうですかって所ですけれども。

ここの図3に関する説明に味わいが。

『わが国のインフレ・リスク・プレミアム』

『IRPは、名目金利と実質金利のイールドカーブから、金利の期間構造モデルを用いて抽出することができる。本稿では、名目金利のゼロ制約を勘案した金利の期間構造モデル(Imakubo and Nakajima, 2015 [PDF 610KB])による計測結果を紹介する。図3は、わが国の名目金利(10年)の構成要素の推移を示している。2013年以降、予想インフレ率とIRPが名目金利の上昇要因として寄与を高めるなかにあっても、予想実質金利と実質ターム・プレミアムの低下によって、名目金利の低位安定が実現している。一般に、予想実質金利には、現在及び将来の金融政策スタンスに関する市場の見方が反映され、実質ターム・プレミアムには、実質金利にかかる不確実性のほか、中央銀行の政策対応の影響なども反映される(Bernanke, 2013)。この点を踏まえると、この間の実質金利の低下は、日本銀行の量的・質的金融緩和政策がコミットメント効果や長期国債の買入れ効果を通じて金利市場に浸透していることを映じたもの、と解釈することができる。』

ということで図3がありまして、名目金利を分解して分析する中で「実質タームプレミアム」「予想実質金利」「インフレリスクプレミアム」「予想インフレ率」と分解していて、その予想インフレ率が直近で下がってきているように見えるのがチャーミングだったりします。



こちらはWPなので結構長い。

[外部リンク] 『要旨』

『本稿は、家計のインフレ予想の性質と中央銀行による予想の安定化について考察する。家計のインフレ予想に関する個票データは、様々な歪みを伴っている。』

ここの具体的な歪みに関しては(0が多いとか5の整数倍が多いとか)本文に指摘があって面白い。

『本稿では、正規逆ガウス分布を当てはめることによって、そうしたデータの歪みを除去する。こうして得られる分布は潜在分布と呼ばれ、その性質を調べることによって、家計のインフレ予想の特徴、特に、インフレ予想の期間構造的な関係性があぶり出される。』

ほう。

『分析結果によると、長期のインフレ予想は、現実の物価動向に左右されにくく、逆に、短期のインフレ予想は、現実のインフレ率によって影響されやすいことがわかった。また、本稿は、中央銀行の政策スタンスが家計のインフレ予想に、どの程度影響を及ぼし得るのかという点についても分析を行った。分析の結果、2013年に日本銀行が導入した物価安定目標や量的・質的金融緩和は、インフレ予想のアンカー強化に寄与したことが確認された。もっとも、家計のインフレ予想が現実の物価動向から全く影響を受けなくなった訳ではない。その意味で、インフレ予想のアンカーを強化する余地は残されている。』

ということでまあ結論に関してはお察しというか、以前もこちらではWP形式ではなくて日銀レビュー形式での公表がありました次第で、QQE以降サーベイのインフレ予想が2%に徐々にアンカーされているという話ではありますな。


でまあこちらに関してははあそうですかという所なのですが、問題はインフレ予想が2%にアンカーされたからと言ってそれが消費などを全体として強くするような結果になっているのかという話ではあるのですが、そちらに関してはこちらのペーパーでは当然ながらスルー。まあそこに関してケシカランという気は全くなくて、これはこれでそうなんですねという話として、それが政策的にどういう効果に繋がっているのかというのを執行部は検討すべきという話になるんでしょうな、





○とりあえず短国入札と短国買入の結果だけおいておく

先週金曜の短国買入(めんどいから短国買入の結果だけ)
[外部リンク] 24,224 17,501 -0.014 -0.004 69.3

休み前の金曜日に改めてこちらの駄文で計算したら財政の所が思いのほか不足が少ないので1.5兆円×4本で打っても(ただし固定金利が順調に同額でロールされる前提なのだが)足りるのかと思ったら1.75兆円という刻み方をしてきて、嫌な予感がすると思ったらまたまた市場のキャパから逆算して買えるだけ買ってくるという無慈悲プレイが登場した結果足切が流れてあばばばばーだった訳ですが・・・・・・・・・・


水曜の6M入札
[外部リンク] (募入最高利回り)(-0.0156%)
(4)募入最低価格における案分比率 21.8516%
(5)募入平均価格 100円01銭0厘(募入平均利回り )(-0.0195%)

・・・・・(;゜д゜)

そもそも100円1銭という数字は今年1月の1年短国入札では見た数字(というかさすがに過去の記録を辿って確認してみたつもり)なのですが、あれは1年短国なのでBPVが2倍くらい違う訳で、イールドで見たら今回の方が低い(1月の1年短国は平均が1銭7厘だけどイールドではマイナス1.69bpなので今回のマイナス1.95bpの方が低い、足切は1銭2厘でマイナス1.19bpだからこっちも記録更新ですかねえ)という風に見えますが何ですかこれは・・・・・・・・・


木曜の3M入札
[外部リンク]
(4)募入最低価格における案分比率 72.0373%
(5)募入平均価格 100円00銭2厘2毛(募入平均利回り)(-0.0087%)

これまた足切が100円の3つ上の札で切れるとかどういう強さなんですかという所ですが、どうせ今月は短国買入が多いでしょうという毎度お馴染みのアレですかそうですかという事で、これで6Mのある週だから短国買入増額とかしたらもっとあばばばばーになるだろと思ったら金曜の短国買入は・・・・・・・・

[外部リンク] 43,368 17,500 0.031 0.031

(めんどいので短国買入の結果だけ)

オファー同額にしたのはさすがに2連発の入札結果を受けてなのかも知れんが、だったら最初の時点で1.5兆円→2兆円で打っておけよと思う次第でございますが、詳しく見ていないからその辺のニュアンスというか肌感覚は無いので良くわからん。まあ3毛1糸甘とかになっていますが、10日の売参が544回でマイナス7.7bpとか言う宇宙のファンタジーなレートになっているので、この銘柄を打ち込みに逝ったんですかそうですかという(543回はマイナス4.8bpなので3.1甘で入れたらマイナス1.7bpだから平均から見たらワークせんじゃろ)所ですな。でまあそういうのを見たら木曜の3Mは上で切りに逝ったんだろうなあというのだけは把握した(そうで無いなら6Mの方が引けが強くなる筈)のですが、これは何ともかんともなアレ結果ではありますなあと後付でデータ並べて見ただけの感想なので勘違いしていたらどうもすいません。


とまあそんなところでその前の虫干しとか海外ネタとかスルーでどうもすいません。暖機運転中という事で勘弁。
 

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