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今朝のドラめもん(金融政策ウォッチ)

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お題「市場雑談系少々/エバンス総裁は4月利上げ否定も年2回利上げ説とな/刈込平均に注目?」   2016/03/31(木)07:56:34  
  いやあ期末ですなあ。

○期末なのに波乱にならないのではなくて通常が波乱なんですけどね(GCレポメモ)

毎度お馴染み東京レポレート。
[外部リンク] 東京レポ・レート(一覧) エクセルファイル (Excel:171KB)

という奴を見ていただくと宜しいのですが、期末スタート日になるGCレポレートは昨日のT+1翌日物になりますが、レートは▲0.092%となりまして、前日が▲0.095%となっておりまして、何と期末だというのに波乱なし。

・・・・・・・というのは勿論ギャグで、先日ネタにした2月末の債券貸借取引状況を見れば分かりますように、マイナス金利がおっぱじまってからGCレポ市場そのものが盛大にシュリンクしてしまい、短期市場のキャッシュを運用する受け皿としてのGC(という奥歯に物が挟まった表現になっている理由は短期のデスクにお問い合わせください)レポ市場がドライアップしてしまったために、常に市場が収縮した状態になっているので、期末も蜂の頭も無い、という日々是非常時状態になっているからなのでありました。まあある意味で異例状態だったので記念にメモを置いておきます。


○そらまあそうなりますけどね〜(信託銀行預かりのキャッシュ問題)

最初にニュース出してきたのがロイターなのですがロイターのHPの該当記事が何故か見えなかった(昨晩確認したら)ので日経とか毎日の記事を引用。

[外部リンク] 信託銀各社、ファンドの資金に手数料 マイナス金利負担を転嫁
2016/3/30 13:36日本経済新聞 電子版

例によって一見客は肝心なところが読めないので無料公開されている部分のみ。

『三菱UFJ信託銀行や三井住友信託銀行など信託銀大手各社は、顧客の投資信託やファンドが運用する資産のうち、現金部分について新たな手数料を徴収する。4月中旬から始める。日銀のマイナス金利政策で日銀の当座預金に預ける資金の一部にマイナス金利が課されることとなるため顧客に転嫁する。事実上のマイナス金利適用となる。三菱UFJ、三井住友が顧客への案内を始めており、みずほ信託銀行も導入を検討中』(上記URL先より、以下は会員ページでみてちょ)


共同の記事を毎日がリファーしているので毎日のページで解説をば確認。

[外部リンク] 信託銀行 一部顧客にマイナス金利 資金に手数料
毎日新聞2016年3月30日 21時05分(最終更新 3月30日 21時05分)

『手数料を課すのは、信託銀行が受託した資金のうち、日銀の当座預金に預け入れた部分が対象。日銀の政策に合わせ0.1%を上限とする見込みだ。信託銀行は資金を一時的に運用する場として、金融機関の間で資金を貸し借りするコール市場を使ってきた。だが、コール市場はマイナス金利での取引が常態化しているため、日銀への預け入れを増やしている。

 三井住友信託銀行と三菱UFJ信託銀行は4月18日から導入する。みずほ信託銀行は、資産運用会社からは手数料を徴収する方針だが、年金基金に対しては「費用を負担してもらうことを含めて対応を検討中」と説明している。(共同)』(上記URL先より)

ということですが、これまではアロケーション上で必要となるキャッシュとか資金繰り管理上必要になるキャッシュとかは、日々の資金管理的に最終的にその資金を支払いなどに使わないとなると、当日の余った資金を最後の所では有担保コールとか無担保コールとか(全体の額として多かったのはマイナス始まる前の頃には有担保コール)で資金運用する、という建付けになっていたのに対して、ご案内の通りのマイナス金利開始で、コール市場に出すとまさかのマイナス金利になりますし、有担保コールローン市場では担保となる国債等がドマイナス金利になってしまい、これまたゼロに近いプラス金利での取引が申し訳程度にしかできなくなってしまいましたとなりました。

・・・・・・・となりますと、従来はコールローンなどでどこかに行っていた資金が運用出来なくなって信託銀行さんに滞留→その資金はプラス金利の時代には信託銀行さんの手元に無かったもの→政策金利適用残高(つまり▲0.10%)盛大に拡大あばばばばー、とまあそうなるのですからそらまあそうよというお話で、これは今般の政策を投下された時点から先行きの姿としては順当にそうなりますよねという話ではあります(だからMRFはマイナス対象から外して的なお話が出たりしていた)。

でまあこういうのはマイナス金利の実施が示唆されると皆さんで「さてどうしましょ」と始まるものなのですが、何せこの前のマイナス金利が青天の霹靂にも程があったので、2月からのマイナス金利適用に対して準備諸々に時間が掛かるというのは致し方無い所なのですが、まあこういう風に対応するにしたって時間が掛かるのに「じゃあ2週間後に今まで全くやった事がない上に実施するとか考えられていなかった制度を導入するからお前ら対応しろ」などという政策を打ち込んだ挙句に「パソコンあるから対応できるだろ」とか総裁が国会でのたまったらしいというフィージビリティーもへったくれも無い状態になっていたので2か月ほど掛かりましたという所なのでしょうな、よー知らんけど。

なおMRFの資金に相当する部分だけはお助けスキームが出たのはご案内の通りですが、これも制度の詳細が出ていないからどこからどこまでがマクロ加算残高になるのか分からんのですが16日から適用なんだから早く出せよという感じですし、マクロ加算の見直しについてもどの程度のマクロ加算になってくるかでコール市場のイメージが全然違ってくるから5営業日とかそういうギリギリの所で出すなよと思う訳で、とにかく今回の政策はフィージビリティーを考えないで頭の中だけで考えた感の強い施策が続々出てくるのが市場参加者の血圧を上げるのであります。



しかしまあ何ですな。この前出ていたオモシロQ&Aでもそうですし、それ以前から延々と日銀の説明では「預金金利はマイナスになりません(キリッ)」とやっている訳ですが、まあもとよりこういう話になるのは設計した時点で分かっていた筈で、預金金利がマイナスにならないアピールをしまくっているのはこちらの事案との整合性という文脈で考えると誠に味わいが深いものを感じる訳でして、日銀がゴリゴリ詰められたらどうするんだろうなあと今から興味津々ですが、そもそもゴリゴリ詰める人がいるのかどうかは知らん。

いやね、「預金金利がマイナスになりません」ってえのは預金金融機関がお前の所の自分の体力で吸収しやがれゴルァというお話であって、短期間で終わるようなマイナス金利政策だから一時的なもんですのでちょっと吸収してよテペヘロというのならまだ話は分かるのですけれども、4月展望レポートでまたまた物価2%達成時期の先送りもとか言われる何時まで経っても出前のやってこない店屋物のような状態になっている状態の中ですから、まーそっちの方も無茶振りな話ではあるんですよね。

つーかですよ、そもそも「ポートフォリオリバランスを更に推進」だの「期待に強力に働きかける思い切った政策」というのならば、預金金利マイナスだのも辞さずで、世間からの猛批判に対しては「これにより物価目標を達成すると皆様の生活もウハウハなんです!」と言い放って堂々と構える、という位の決死の覚悟でマイナス金利をやって頂かないと話にも何にもならない訳で、単に頭の中で考えて「これでゼロ金利制約が取れた」とか喜んでいるだけとかもうアホかと馬鹿かという感じですわな。

・・・・・・・・・いつの間にか全然違う悪態になっていました。

#なお、これが開始された後のマネーマーケットに関するインプリケーションについてという話の方が重要だろお前と言われそうですが、そこに関しては気が向いたらネタにするかもしれませんがオトボケでネタにしない方向で鋭意検討中



○ハト派代表格のエバンス総裁キタコレ

[外部リンク] Investing | 2016年 03月 30日 21:48 JST
BRIEF-年内2回の利上げを予想─米シカゴ連銀総裁=CNBC

あらまということでCNBCを探したらありました。

[外部リンク] Fed's Evans: April rate hike would be surprising
Matthew J. Belvedere @Matt_Belvedere
6 Hours Ago

でもって何かインタビューのビデオの方は会員とかじゃないと見れ無さそうですが(記事もこれ暫くすると一部公開になるんでしたっけ、CNBCの仕様はあまり覚えていない)、とりあえず今の所は記事が読めるので少々。

『The Federal Reserve is reluctant to plow ahead with more interest rate hikes because of increased global risks, Chicago Fed President Charles Evans told CNBC on Wednesday.』(上記URL先より、以下同様)

ほうほう。

『Evans spoke a day after central bank Chair Janet Yellen struck a dovish tone compared with recent comments by other Fed officials advocating hiking interest rates.』

さいでしたな。ただまあイエレン講演ってFOMCの結果とその時の会見での冒頭説明から見るとそんなに新しい話はしていなくて、ちょっとインフレ期待の低下に関する部分の説明が詳しくなっていたかなあという感じに見えましたが。

『He told CNBC's "Squawk Box" he believes Yellen has made it clear all meetings are live.』

『"I would say the threshold for having confidence that inflation is sustainably moving up towards our 2 percent inflation target is pretty high," he said. "I'd be surprised if we met that condition, myself, in April."』

ということで、2%上昇に向けた確信度がそんなにホイホイ上がって4月利上げできるかよヴォケとは言っているものの・・・・・・・・・・・・・(途中にインフレが上ブレしたら云々の話があるが割愛して)

『The June meeting has been seen as the more likely time for the next rate increase, because Yellen is already set to hold a news briefing after the release of the policy statement. No news conference is scheduled for April and no meeting is scheduled for May.』

というのはCNBCの説明でして、

『"I think moving in June would be on the basis of further improvement in the labor market," Evans said. "[But] I don't think we want to get ahead of ourselves."』

ふむ。

『Evans sees the economy growing at 2 to 2.5 percent this year. "We can [also] drive unemployment a little lower. The labor market is improving, and those are good conditions for the consumer to continue to thrive."』

まあそんな成長見通しを置いているのでしたら・・・・・・・・・・・・

『"I'm a little nervous about business fixed investment," he continued, "[considering] the decline in energy and the fact that we produce energy more now. It's a different type of exposure than we faced 10 or 15 years ago."』

と、企業の固定資産形成に関してやや懸念を示してはいる(これはイエレン講演でも出ていましたね)ものの、

『All in all, Evans concluded: "My assessment is the economy is going to be strong enough [and] we'll be raising rates two times this year. It could well be more if we do better."』

という纏めになっていて、ハト派代表格のエバンス総裁でもまあこういう認識、というお話ではございますってえ事ですな。なお話の都合上引用割愛しました部分ではイエレン講演での慎重さを強調した感じのスタンスを高く評価していますし、そもそもインタビューの全部を音で聞いた訳でも無いので、別にタカっぽくなったとは思いませんが、そうは言いましても市場が元々想定しているパスよりはFEDの正常化パスは早い(出来るかどうかは知らん)という事で、今後ともこのギャップが市場に時に妙なボラを与えるんだろうなあと思うのでありました。


○これは何かの布石あるいは死亡フラグでしょうか(基調的な物価の分析レポート)

[外部リンク] 動的モデル平均化法による基調的物価変動の分析

本文はこちら(31枚組)
[外部リンク] でまあ分析の方はさておきまして(おいおい)『要旨』というのが本文の冒頭&上記HTMLの方に記載されているのでその鑑賞を致しましょう。

『本稿では、複数の消費者物価コア指標を包括的に活用して、物価の基調的変動を分析するための新しい手法を提示する。具体的には、動的モデル平均化法によって算出された可変ウエイトで、複数のコア指標を加重平均することにより「複合コア指標」を作成する。』

ほうほうそれでそれで?

『複合コア指標の主な特徴は、加重平均する際のウエイトが個別コア指標のパフォーマンスに基づいている点と、個別コア指標のパフォーマンスの時間的な変化に対応できる可変ウエイトを用いている点である。』

ふーん。

『分析の結果、複合コア指標は、可変ウエイトがもたらす柔軟性により、基調的な変動に関する足もとの捕捉力や先行きの予測力において、個別コア指標よりも良好なパフォーマンスを示すことが確認された。また、可変ウエイトの動きを分析したところ、品目横断的なマクロ・ショックの影響が大きい局面では、「除く生鮮食品」に代表される除く系指標の優位性が高い傾向にある一方、品目個別的なミクロ・ショックの影響が大きい局面では、「刈込平均値」など分布系指標の優位性が高い傾向にあることが分かった。』

キタコレ!!!!!

・・・・・・・・でですね、こちらは昨年11月に白塚さんが出ていたレポート

[外部リンク] 消費者物価コア指標のパフォーマンスについて


の4ページ右側で『(足許の基調的な変動の捕捉力の評価)』というのがあって、

『足許の基調的な変動の捕捉力に関する 2 種類のアプローチでの検証結果を踏まえると、全体として、刈込平均値、除く生鮮食品のパフォーマンスが安定して高いことが確認された。ただし、除く生鮮食品は、最近時点において、原油価格の大幅な変動から、一時的な可能性が高いとはいえ、足許のトレンドの捕捉力が悪化していることも確認された。』(上記URLの昨年11月レポートより)

となっておりまして、まあ同じ結論ちゃあ同じ結論なのですが、上述のように書かれてしまいますと、物価水準がどうなっています的な話をするときに持ち出す数字が直近では日銀コアになっているのは先般のオモシロQ&Aを見ればお分かりの通りと思いますが、日銀コアの方もピークアウトして今後暫くパフォーマンスが悪化するというのは明確に想定される所である、とまあそんあ状況を考えますと、日銀コアがピークアウトしたら「刈込平均」に乗り換えるのではないかという疑惑が出てしまうようなタイミングでの投下に深い味わいを感じるアタクシでした。


ちなみに刈込平均ですけれども・・・・・・・・・・・・

[外部リンク] 基調的なインフレ率を捕捉するための指標

[外部リンク] 図表 [PDF 171KB]

を見ますと、これを書いている直近では

『総合(除く生鮮食品・エネルギー): 1月1.1→2月1.1』
『刈込平均値: 1月0.4→2月0.5』
『上昇品目比率-下落品目比率: 1月39.3→2月42.4』

となっていまして中々味わいが深いなあと感じるのでした。なお、今申し上げたのは多分ただの邪推だと思いますのであくまでもネタの一環としてご理解頂きますとありがたく存じます(棒読み)。
 


お題「イエレン議長講演はハト解釈で良いと思うのですが今後のコミュニケーション的に課題が残りそうな悪寒」   2016/03/30(水)07:54:01  
  日本のBEIがここのところ持ち直してドル円ガーという講釈をしているお方がモーサテ方面で発見されておりますが、ご参考までにこのようなニュースを置いておきますね。

[外部リンク] Business | 2016年 03月 28日 18:54 JST
財務省、物価連動国債の減額を発表 4月発行は4000億円

でまあイエレン議長の講演で市場ちゃんがそこそこ動いたと聞き寝起きの頭と目ん玉でイエレン講演を拝読したのでそちらから参ります(ネタの後入先出)。

なお寝起きでざざーっと読みつつ速攻でネタにしているのでその辺はご勘弁ありたし。

[外部リンク] Chair Janet L. Yellen
At the Economic Club of New York, New York, New York
March 29, 2016
The Outlook, Uncertainty, and Monetary Policy


○イエレン議長が個人的に慎重派&全体としての情報発信がマッチポンプ化

という感じを受けた訳ですが、基本的にはこの講演は3月FOMCとその後の会見説明(Q&Aをネタにしていませんですすいません)のラインでのお話になっているなあという感じで、「ベースラインのシナリオには特段の変化はない」けれども「年初来の海外情勢と国際金融市場情勢がよろしくない」のに加え「経済の先行きにも不確実性やリスクが増えております」ので「12月で示したよりも利上げペースが慎重になります」という話を
しているという感じです。

でもって、FOMCもそうなのですが、今回の講演でも慎重は慎重なのですが、実際問題としてはベースラインの方は同じという話をしておりまして、その一方でご案内のような説明をしている上に、良く良く見ますと(FOMCでもそうなのですが)12月FOMCでの利上げ時点との差分でイエレン議長が説明しているように読めまして、そらそもそも12月FOMCでのSEPって年4回利上げが前提になっているから、そこから見たら相当慎重になるわ、と思うので、単に市場の従来の見通しに寄ってきただけという感じでもあったりして、そこまでヒャッハーと反応するかとは思ったりもします。なお、今回はインフレ期待の低下について結構頑張ってリスクとしている感じでして、まあそっちに反応した、と考えればそれはそうかなとは思います。

ただまあ直近でFOMCの中の人たちが妙に4月利上げもあるでよ的な情報発信をホイホイと実施していたので急に市場が警戒モードになったという中でこれを打ち込まれましたので、市場がまたドテンするのは当然ちゃあ当然でして、これコミュニケーションという意味で言えば「3月FOMCで慎重なメッセージ」→「市場がヒャッハー」→「地区連銀総裁などがやや強気なメッセージを出して中和したつもり」→「市場がヒャッハー」→「議長がまたまたこの前と同じようなメッセージ」→「市場がヒャッハー」という流れになってきておりまして、市場の期待形成に対して余計なノイズを与えまくっているだけではないかと。

でもって、この一連の動きがそれなりにFOMCの中の人たちが「市場の期待がちょっとタカなりハトなりに傾いてきているのでちょっと調整しないと」とか思いながら説明にバイアスを掛けていたりすると(そうなのかは分からんけど)さらにあちゃーな訳でございまして、動けば動くほど市場に無駄なボラを与えるということになって、まーコミュニケーション的にどうなのかという感じではあります。

ということで基本的にアタクシが読んだ感じですと、3月FOMC声明文とその後のプレコンでの説明部分に大体沿った講演に読めましたが、以下駆け足で鑑賞をしたいと存じます。

題名の通りで、見通しのコーナーと不確実性のコーナーと金融政策のコーナーがありまして、2番目のコーナーが独立している時点でお察しという感じです。


○なお本論に入る前にサマリーっぽく簡単に説明が入る

というのが割と便利な講演で、実は本論に入る前の部分で概略は出ている(ただし細かい論点が本論にあるのでそこで満足するのもどうかと)のですよ。

『In my remarks today, I will explain why the Committee anticipates that only gradual increases in the federal funds rate are likely to be warranted in coming years, emphasizing that this guidance should be understood as a forecast for the trajectory of policy rates that the Committee anticipates will prove to be appropriate to achieve its objectives, conditional on the outlook for real economic activity and inflation.』

本論に入る前にいきなりこういうのが入りますのでとても慎重に利上げしますという印象を強めるのであります。

『Importantly, this forecast is not a plan set in stone that will be carried out regardless of economic developments. Instead, monetary policy will, as always, respond to the economy's twists and turns so as to promote, as best as we can in an uncertain economic environment, the employment and inflation goals assigned to us by the Congress.』

でまあ毎度のプランじゃないよコンディショナルだよという話はいつも通りなのですが、そこに「as best as we can in an uncertain economic environment」とありますので一段の慎重ぶりをアピールしているのだ。

でもってその次に・・・・・・・・・

『The proviso that policy will evolve as needed is especially pertinent today in light of global economic and financial developments since December, which at times have included significant changes in oil prices, interest rates, and stock values.』

と海外経済と国際金融情勢が昨年12月以降不確実性を増しておりましてというお話が出るのだ。

『So far, these developments have not materially altered the Committee's baseline--or most likely--outlook for economic activity and inflation over the medium term.』

ただし、それはベースラインシナリオを変えるものではない。

『Specifically, we continue to expect further labor market improvement and a return of inflation to our 2 percent objective over the next two or three years, consistent with data over recent months. But this is not to say that global developments since the turn of the year have been inconsequential.』

ではどうだと言いますと・・・・・・・・・・・

『In part, the baseline outlook for real activity and inflation is little changed because investors responded to those developments by marking down their expectations for the future path of the federal funds rate, thereby putting downward pressure on longer-term interest rates and cushioning the adverse effects on economic activity.』

これこの前のFOMC後会見での冒頭説明でもお話をしていまして、最近イエレンさんこの議論が好きなようなのですが、これって物凄い問題のあるロジックでして、「経済の動向によって市場が金利見通しを下げた事によって経済のクッションが出来たのでめでたしめでたし」という説明をおっぱじめてしまうと、この先正常化路線を継続する際に「市場の期待が変わらない中で正常化路線に着手できなくなってしまう」とか「織り込ませに行っただけで効果が出たので利上げしなくていいや」的な「市場に政策が振り回される」という格好になってしまうリスクが高まる情報発信だと思うのですよね。

まあどこぞの中銀のように債券市場そのものをゴミか虫けら位に思って踏みつけまくって俺様ロジックだけを狂犬と化して振り回すのも勘弁して頂きたいですが、こちらは市場の反応に対して反応し過ぎという印象を与える訳で、これはこれで市場に振り回されると催促相場に弱くなるので、却って市場の振幅を高めるという弊害が発生しそうですな。

『In addition, global developments have increased the risks associated with that outlook.』

キタコレ。

『In light of these considerations, the Committee decided to leave the stance of policy unchanged in both January and March.』

だそうです。

『I will next describe the Committee's baseline economic outlook and the risks that cloud that outlook, emphasizing the FOMC's commitment to adjust monetary policy as needed to achieve our employment and inflation objectives.』

つーことですが、この講演そこそこあるので、全文をべたべた貼っていくと時間も量も足りなくなりますので、相当気合入れて以下飛ばしながら参ります。


○ベースラインシナリオには大きな変化は無し

『Recent Developments and the Baseline Outlook』の所の概況は最初の2パラグラフです。

『Readings on the U.S. economy since the turn of the year have been somewhat mixed.』

ということで・・・・・・・・・・・・

『On the one hand, many indicators have been quite favorable. The labor market has added an average of almost 230,000 jobs a month over the past three months. In addition, the unemployment rate has edged down further, more people are joining the workforce as the prospects for finding jobs have improved, and the employment-to-population ratio has increased by almost 1/2 percentage point. Consumer spending appears to be expanding at a moderate pace, driven by solid income gains, improved household balance sheets, and the ongoing effects of the increases in wealth and declines in oil prices over the past few years. The housing market continues its gradual recovery, and fiscal policy at all levels of government is now modestly boosting economic activity after exerting a considerable drag in recent years.』

堅調なのは労働市場、個人消費、住宅市場、財政。

『On the other hand, manufacturing and net exports have continued to be hard hit by slow global growth and the significant appreciation of the dollar since 2014. These same global developments have also weighed on business investment by limiting firms' expected sales, thereby reducing their demand for capital goods; partly as a result, recent indicators of capital spending and business sentiment have been lackluster. In addition, business investment has been held down by the collapse in oil prices since late 2014, which is driving an ongoing steep decline in drilling activity. Low oil prices have also resulted in large-scale layoffs in the energy sector and adverse spillovers to output and employment in industries that support energy production.』

弱いのは生産と輸出、背景は2014年来のドル高と海外経済動向、それによる企業センチメントの悪化と、原油価格が弱い事による関連産業の悪影響。

先行きに関しては、

『On balance, overall employment has continued to grow at a solid pace so far this year, in part because domestic household spending has been sufficiently strong to offset the drag coming from abroad. Looking forward however, we have to take into account the potential fallout from recent global economic and financial developments, which have been marked by bouts of turbulence since the turn of the year.』

ということで国内部門が堅調で海外関連の弱さをオフセットと3月FOMCでの説明を踏襲(って当たり前と言えば当たり前ですが)。

『For a time, equity prices were down sharply, oil traded at less than $30 per barrel, and many currencies were depreciating against the dollar. Although prices in these markets have since largely returned to where they stood at the start of the year, in other respects economic and financial conditions remain less favorable than they did back at the time of the December FOMC meeting.』

というふうにございまして、さっき割愛しましたが冒頭の所でも12月に利上げしましたよというのがあって、話として12月時点との差分の話をしている部分がこういう感じで並んでいるのが今回の講演の特徴でもあって、そら12月と比較すれば慎重になるわなと思いますし、大体からして12月のSEPでの利上げパス自体が強かっただろというのもありまして、そういう意味では(勿論この講演自体のトーンはハトちっくではあるものの)イエレンハトがやってきてヒャッハーみたいに大喜びするというのも喜びすぎなんじゃないかとアタクシは思うのだがどうでしょうかねえ。

『In particular, foreign economic growth now seems likely to be weaker this year than previously expected, and earnings expectations have declined. By themselves, these developments would tend to restrain U.S. economic activity. But those effects have been at least partially offset by downward revisions to market expectations for the federal funds rate that in turn have put downward pressure on longer-term interest rates, including mortgage rates, thereby helping to support spending.』

とまあそういうことで、

『For these reasons, I anticipate that the overall fallout for the U.S. economy from global market developments since the start of the year will most likely be limited, although this assessment is subject to considerable uncertainty.』

なのであくまでも「不確実性は強い」という話で慎重になっているというお話をしています。


○リスク要因の説明部分ではインフレ期待の不安定化(下がる方)へのリスクを強調しているのでハト的

次が『Risks to the Outlook for Real Economic Activity』である。

『One concern pertains to the pace of global growth, which is importantly influenced by developments in China. There is a consensus that China's economy will slow in the coming years as it transitions away from investment toward consumption and from exports toward domestic sources of growth. There is much uncertainty, however, about how smoothly this transition will proceed and about the policy framework in place to manage any financial disruptions that might accompany it. These uncertainties were heightened by market confusion earlier this year over China's exchange rate policy.』

『A second concern relates to the prospects for commodity prices, particularly oil. For the United States, low oil prices, on net, likely will boost spending and economic activity over the next few years because we are still a major oil importer. But the apparent negative reaction of financial markets to recent declines in oil prices may in part reflect market concern that the price of oil was nearing a financial tipping point for some countries and energy firms. In the case of countries reliant on oil exports, the result might be a sharp cutback in government spending; for energy-related firms, it could entail significant financial strains and increased layoffs. In the event oil prices were to fall again, either development could have adverse spillover effects to the rest of the global economy.』

実体経済のリスクとしては中国経済のリスクと原油価格下落の継続による関連産業への悪影響や、それに関連する金融市場の動揺を挙げていますがそっちよりも『Risks to the Inflation Outlook』の方が興味深い。

『The inflation outlook has also become somewhat more uncertain since the turn of the year, in part for reasons related to risks to the outlook for economic growth.』

ということで経済見通しのリスクに対応して物価の見通しも「somewhat more uncertain」と来ているので、最近の地区連銀総裁発言などから見たら対照をなしそうな慎重さ。

『To the extent that recent financial market turbulence signals an increased chance of a further slowing of growth abroad, oil prices could resume falling, and the dollar could start rising again. And if foreign developments were to adversely affect the U.S. economy by more than I expect, then the pace of labor market improvement would probably be slower, which would also tend to restrain growth in both wages and prices.』

エライ警戒的。

『But even if such developments were to occur, they would, in my view, only delay the return of inflation to 2 percent, provided that inflation expectations remain anchored.』

でも時期が遅れる程度で済むでしょう、という事ですが、まあこの説明だと「利上げペースが遅れるわ」と読むのが妥当となります。

さらに・・・・・・・・・・・・

『Unfortunately, the stability of longer-run inflation expectations cannot be taken for granted.』

キター!!

『During the 1970s, inflation expectations rose markedly because the Federal Reserve allowed actual inflation to ratchet up persistently in response to economic disruptions--a development that made it more difficult to stabilize both inflation and employment. With considerable effort, however, the FOMC gradually succeeded in bringing inflation back down to a low and stable level over the course of the 1980s and early 1990s. Since this time, measures of longer-run inflation expectations derived from both surveys and financial markets have been remarkably stable, making it easier to keep actual inflation relatively close to 2 percent despite large movements in oil prices and pronounced swings in the unemployment rate.』

ほうほうそれでそれで?

『Lately, however, there have been signs that inflation expectations may have drifted down.』

キタコレ!!!!

『Market-based measures of longer-run inflation compensation have fallen markedly over the past year and half, although they have recently moved up modestly from their all-time lows. Similarly, the measure of longer-run inflation expectations reported in the University of Michigan Survey of Consumers has drifted down somewhat over the past few years and now stands at the lower end of the narrow range in which it has fluctuated since the late 1990s.』

インフレ期待の低下懸念をエライ勢いで説明しています。

『The shifts in these measures notwithstanding, the argument that inflation expectations have actually fallen is far from conclusive. Analysis carried out at the Fed and elsewhere suggests that the decline in market-based measures of inflation compensation has largely been driven by movements in inflation risk premiums and liquidity concerns rather than by shifts in inflation expectations.6』

『In addition, the longer-run measure of inflation expectations from the Michigan Survey has historically exhibited some sensitivity to fluctuations in current gasoline prices, which suggests that this measure may be an unreliable guide to movements in trend inflation under current circumstances.7』

『Moreover, measures of longer-run expected inflation gleaned from surveys of business and financial economists, such as those reported in the Survey of Professional Forecasters, the Blue Chip survey, and the Survey of Primary Dealers, have largely moved sideways in the past year or two.』

『Taken together, these results suggest that my baseline assumption of stable expectations is still justified.』

てなことで安定しているのではという例も出していますが、

『Nevertheless, the decline in some indicators has heightened the risk that this judgment could be wrong. If so, the return to 2 percent inflation could take longer than expected and might require a more accommodative stance of monetary policy than would otherwise be appropriate.8』

ということで、インフレ期待のアンカーについて強調しているのが今回の特徴かなあと思います。

なおその後に、

『Despite the declines in some indicators of expected inflation, we also need to consider the opposite risk that we are underestimating the speed at which inflation will return to our 2 percent objective.』

とありまして中和はしているのですがその前の部分の印象が強いですよね。

『Economic growth here and abroad could turn out to be stronger than expected, and, as the past few weeks have demonstrated, oil prices can rise as well as fall. More generally, economists' understanding of inflation is far from perfect, and it would not be all that surprising if inflation was to rise more quickly than expected over the next several years. For these reasons, we must continue to monitor incoming wage and price data carefully.』

まあどっちを強調するかで話がだいぶ変わってくるのですが、今回のイエレンさんは前者を強調していますのでハト。


○金融政策に関して

『Monetary Policy Implications』というのが最後のコーナー。

『Given the risks to the outlook, I consider it appropriate for the Committee to proceed cautiously in adjusting policy. This caution is especially warranted because, with the federal funds rate so low, the FOMC's ability to use conventional monetary policy to respond to economic disturbances is asymmetric.』

とはこの前の会見でも言ってましたし、多くのFOMC参加者も言及する話ですが、まあ慎重な利上げを正当化するお話ですね。

『If economic conditions were to strengthen considerably more than currently expected, the FOMC could readily raise its target range for the federal funds rate to stabilize the economy. By contrast, if the expansion was to falter or if inflation was to remain stubbornly low, the FOMC would be able to provide only a modest degree of additional stimulus by cutting the federal funds rate back to near zero.9』

という理屈で打てる政策が非対称(引締めは当分何ぼでもできるが緩和はあまりできない)という話をしておりまして、まあいつもの話だがこれも慎重派の後押し理屈。

『One must be careful, however, not to overstate the asymmetries affecting monetary policy at the moment. Even if the federal funds rate were to return to near zero, the FOMC would still have considerable scope to provide additional accommodation. In particular, we could use the approaches that we and other central banks successfully employed in the wake of the financial crisis to put additional downward pressure on long-term interest rates and so support the economy--specifically, forward guidance about the future path of the federal funds rate and increases in the size or duration of our holdings of long-term securities.10』

『While these tools may entail some risks and costs that do not apply to the federal funds rate, we used them effectively to strengthen the recovery from the Great Recession, and we would do so again if needed.11』

というのがありまして、これは「必要だったら量的緩和も可能」というのでハト呼ばわりしているコメントがモーサテ方面だかどこかであったような気がするが、そうじゃなくて「そういう手段だってあるんだから緩和の限界が少ないから」というのをあまり過大に考えてはいけない(慎重になり過ぎるのもイクナイ)という事ではないかと。


でもって最初の所で問題じゃないのと申し上げた市場金利の低下がクッション云々が最後にある。

『Financial market participants appear to recognize the FOMC's data-dependent approach because incoming data surprises typically induce changes in market expectations about the likely future path of policy, resulting in movements in bond yields that act to buffer the economy from shocks. This mechanism serves as an important "automatic stabilizer" for the economy.』

『As I have already noted, the decline in market expectations since December for the future path of the federal funds rate and accompanying downward pressure on long-term interest rates have helped to offset the contractionary effects of somewhat less favorable financial conditions and slower foreign growth. In addition, the public's expectation that the Fed will respond to economic disturbances in a predictable manner to reduce or offset their potential harmful effects means that the public is apt to react less adversely to such shocks--a response which serves to stabilize the expectations underpinning hiring and spending decisions.12』

これはどうなのかと思うというのはさっき書いた通りですが、

『Such a stabilizing effect is one consequence of effective communication by the FOMC about its outlook for the economy and how, based on that outlook, policy is expected to evolve to achieve our economic objectives.』

というのはどうも自分で自分をコミュニケーションの罠に追い込んでいる感じがして懸念されます。

『I continue to strongly believe that monetary policy is most effective when the FOMC is forthcoming in addressing economic and financial developments such as those I have discussed in these remarks, and when we speak clearly about how such developments may affect the outlook and the expected path of policy. I have done my best to do so today, in the time you have kindly granted me.』

ということで駆け足で鑑賞してみました。論点は網羅した積りですが抜けがあったらごめんなさい。
 


お題「CP買入を札切って未達というオペレーションが登場しました(という市場雑談)」   2016/03/29(火)07:57:04  
  さあスポ末スポ末。

○CP買入ェ・・・・だが結果が訳分からん

昨日は恐怖の期末渡しでのCP買入の結果ですけどね。

[外部リンク] CP等買入* 6,449 5,304 -0.598 -0.428

* 応札レート-0.647%以下は不採用としました。

・・・・・・・・・・いやーまあ金利が低いでしょうというのは端から想定されていて、問題はどこまで札が入るのかとか、そもそも札割れしないのかというような所ではございましたが、結果は結構な謎内容となっております。

つまりですね、今回札は買入予定6000億円に対して6449億円入っているので、別に札割れを起こしている訳でもなんでもないのですが、途中で札を切っていまして、▲59.8bpが募入になっていて▲64.7bpが募外になっているという結果になっているのが訳分からんということで一席悪態を。


・札割れでもないのに未達にするというのは「買入に限界無し」の否定に繋がり兼ねない件

この前の国債買現先の途中でレートを切る攻撃も意味不明な面がありましたが、まああれは買現先なのでふーんという感じなのですが、今回は何せ「買入」オペでございます。

従来日銀執行部の説明は「買入オペに関しては物理的に発行残高を全部買うというような極端な例でなければ買入そのものに対しては限界は発生しない」というものでございまして、その理由としては「日銀がより高い値段(低い利回り)での購入を続ければ、より高い価格になれば民間保有者の中から必ず日銀に対する売却インセンティブが生じる」ということで、であるからしてそう簡単に輪番オペの札割れのような事態は起きない、というものでした。

然るに、今回は買入オペの一環である所のCP買入で買い入れ予定額に届かない所で札を切る、という形で買入未達を発生させている訳でして、これは従来日銀が説明していた「買入オペが当面の間物理的に限界が発生することは考えられない」という事を自己否定することになっている訳ですよ。


でですな、そういやこの前は月の途中で超長期輪番を減額するという異例プレーをしておりましたが、輪番オペで今回のCPオペと同じような「札はあるけれどもレートが気に食わないので未達扱いにする」というようになりますと、それは即ち「国債買入年間80兆円」に対して実は限界があるんじゃないかという話になってきますし、つまりは3次元緩和とか言ってますが、実は金利水準をどこまでもマイナス突っ込みに行く覚悟があるのかというとそれはそれという感じですし、そうなってくると実は量についても大丈夫なのかという話になる(今後ドンドン償還再投資ニーズとのバランスで輪番に入れようという人の目線はお高いお値段にならざるを得ない訳ですよ。国債投資に対する資金のアロケーションが大きく減ってこない限りは)訳で、これはCPだから特殊というのではなく、実は国債の方にしてもとんでもないマイナス金利まで買いに行く根性が無いのであれば、量的緩和にしてもマイナス金利にしても限界は市場が現在想定しているより近いって話になりませんかねえ(一応今のところは市場では輪番オペで▲10%でも▲100%でも購入すると思っているから)。


となりますと、この前超長期輪番を月中に突如減額したのも期末要因で市場がスカスカな中で(まあ期末要因だけではなくて構造要因ですが)、輪番オペがぶっ飛ぶのを懸念したということだとは思うのですけれども、これにしても期末の市場に配慮したというよりは、今回のCP買入にあるように実は日銀としては買入の金利がぶっ飛びすぎるのも良くないと思っていて、大きく流れたら切るということになるのかよと疑問がフツフツと湧き上がってくる訳で、執行部の方は「更に三次元を拡大」とか言っていますが、実行部隊の方は相当限界を気にしているんじゃないのかねえ、とまあそういう風に思う「途中で札切る」攻撃でした。


・それはそれとして何ですかこの金利は

ちなみに恐らく▲60bp以下の金利についえ今回募外扱いにして未達にしたという結果になっているのですが、この▲60という数字の根拠も良く分からん(何で買現先は▲30でこちらが▲60なのかとかそもそも▲60の根拠とか)ですな。まあ数値自体は日銀が気に食わなければ未達にしてでも札を切ることは可能な建付けではあるので、札切ること自体はそらまあ可能性としてある(なおそれは買入オペの限界について自分で述べていることに繋がる、というのは上記のとおりですけどね)のですが、JGBフラットとか短国フラットとかの金利で切るならばまだ話は分からんでもなくて、「リスク性資産のリスクプレミアムを縮小して企業の金融環境を円滑にする」という目的がリスク性資産の買入の背景にある以上、リスクプレミアムがゼロとみられる水準までの購入をするのは話としては通るかなあとは思ったりするのですよ。

然るに、今回のCP買入は(ってまあこの前のCP買入からこの方そうですが)平均落札が▲42.8bpとなっていて、CPの代表的な年限が1か月から精々6か月くらいと成って居る中で、この年限の国債の利回りってどうでしたっけと見ますと、利付国債で精々▲10bp位、短国で6Mのカレントが▲16.1bp、1Yのカレントが▲22.4bpとなっておりまして、もはやリスクプレミアムの縮小どころかリスクプレミアムの大幅マイナス化、即ちバブルの発生に盛大に日銀が取り組む、という風にしか見えない動きになっておりまして、そもそもこのCP買入というのを継続する意味があるのかと(この前から延々と申し上げていますが今回こそは)力を込めて小一時間問い詰めたいとしか申し上げようがありません。


・結局の所「3次元緩和」で何をやりたいのかが不明瞭になっているのが問題でね

・・・・・・・・・何か前半では「札を切るのがケシカラン」と言っているのに後半では買入金利の水準がおかしいと言い出すとはお前は何を言ってるんだと言われそうですが、「3次元緩和」という事を言いだして話をややこしくしたのと、マイナス金利という量の拡大に対して相性の悪い政策をセットにしているのがこういう事態を招いているとしか申し上げようがございませんな。

つまりですね、「量が重要」というのが従来の建付けだし、今でも金融政策運営のディレクティブそのものは「量」になっているのですから、そもそも論として買入のオペで札割れていないのにレートを切って「未達」にするというのは「マネタリーベース目標はどうなっているのだ」という話になる訳ですし、いや3月末の中間ラップはこの買入未達にしても行く、というのであれば最初からオファー額減らせよという話であって、「量」はどうなったのかと申し上げたい。

でもって「金利の低下が重要」なのであって、金利が安定的に低下するためには、あまり買入オペなどで無茶苦茶に低い金利まで買う必要はなく、そんなことをしたらボラが上がって却って金利低下効果を削ぐので、突拍子もない金利での買入は行わなくても金利は十分に低下しているので問題ない、というのならそれはそれで一つの考え方として良く分かるのですけれども、もしそうするのであったら、当たり前なのですがマイナス金利政策なんぞを実施している段階で金利に低下圧力を掛けているのですから、逆に買入については従来よりもペースダウンして行っても良いという話になる筈で、今回の「途中で札切って未達」攻撃というのは事実上そういう事をしているのと同じな訳ですから、だったら「金利に重点を置きます」とやって国債買入のペースを落とした方がサステイナブルな形で債券市場の低水準の金利を維持できるでしょと思うのです。

然るに、3次元緩和になってマイナス金利と量的拡大という両方いっぺんにやるのが難しい(これで規模が少なければまだしも、国債の市中消化額分を全部買うようなペースなのが更に問題なのですよね)政策に移行した挙句に、ディレクティブはMBと長期国債80兆円(とその他資産買入)なのに政策効果の話をするときは「実質金利ガー」となっているという、何が何だか訳分からん話になっていて、もうこれこんがらがり過ぎで収拾するの不可能に近くなっているなあ(執行部が全員リアル焼き土下座して総退陣すれば別)と思うのでした。


・・・・・・・・・と、たかがCP買入如きでああでもないこうでもないと粘着するアタクシなのでございましたとさ。


○その他市場関連メモ

・TKRR

[外部リンク] 3/14-0.020
3/15-0.017
3/16-0.029
3/17-0.038
3/18-0.039
3/22-0.035
3/23-0.046
3/24-0.047
3/25-0.059
3/28-0.075

いつもだとT+1翌日物を出しますが、今回はT+0翌日物を出しておりまして、18日に謎のT/N国債買現先をオファーしたら翌週からきっちり金利が低下しているのですけれども、そもそも論として22日に国債償還があるのだから何で国債買現先を実施したのか未だにイミフとしか申し上げようがありません。

T+1の方は昨日は▲9.5bpまで金利が低下しておりまして、今日はスポ末になりますので、TKRRに反映するのは明日のT/Nになりますけれども、さて今回はどうなることやという所ではありますけれども・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・貸借取引状況ェ・・・・・・・・・・・・・・

こんなんありましてですな、
[外部リンク] どれでも良いのですが、
債券貸借取引残高等状況(毎月25日更新) エクセルファイル (Excel:54KB)

というのでも見ますと、2月末の数値が1月末、つまりマイナス金利を打ち込まれた日になるのでまだその前の状況を前提にしている時の取引状況と比較できて味わいが深いのですが・・・・・・・・・

『1.月末取引残高 (受渡し・額面ベース)』の所を見ますと最初の『(1)全体取引の残高』の所で取引残高が前月対比17.5兆円減っているのですが、一番目立つのが、

『都市銀行(長信銀等を含む)7,184 -81,954』

という数字。これは「相手方別の残高」となっていて、借入残高になっておりますので、つまりは都銀さんが保有している国債をレポ貸出(相手方都銀の借入残高だからね)して資金を調達して、その資金をIOERアーブに回していたと思われる部分でして、従来9兆円程度あったものがいきなり8兆円落ちるというこれはまた分かりやすい結果になっておりますなという所ではございます。

でまあこの数字は2月末でして、2月末の辺りのTKRRの数字(さっきの所にあります)の推移を見ますと翌日物T+1取引の金利って小幅マイナス程度で▲1bpとかの水準だったりほぼゼロ近辺だったりする(2月末は発行日要因で金利はほぼゼロ近傍)ので、そらまあそんな金利ではレポ市場で資金調達する気が置きませんよねえという状態。

でもって3月末は期末なので元よりバランスシートを拡大してこないという事で従来だとレポの金利とか下がっていた訳ですが、今回に関しては元々取引自体がシュリンクしているのでそんなに期末だからと言って金利が馬鹿下がりするのかどうかは正直良く分からん。

3月に関しては期末要因込みなので良く分からんのですが、足元でレポレートが低下してきているので、マイナス調達してマクロ加算残高対比のIOERとか、▲10bpよりも深いマイナスで調達してIOERとかそういう動きって発生するものなのかどうなのかというのは実際に金利が低いのが定着してこないと良く分からんですな。ただまあ今の感じからしてそもそも資金出す方も少ないように見えるので、取引自体が活発になってくるというのも(いずれ少々戻るにしても)あまりイメージわきませんなあということで。

#日銀から色々と面白そうな(金曜の面白いのとは別の意味で)レポートが出ていますが時間の関係上この辺で勘弁ということで本日は市場雑談メモばっかりで簡単で勘弁(日曜に大量引用ネタを投下しましたので勘弁してつかあさい)
 


お題「日銀が不評に耐えかねてついに壊れたようです(マイナス金利パンフレット)」   2016/03/28(月)07:59:50  
  金曜の午後に出た例のアレはちょっと・・・・・・・・・・・

○日銀ついに壊れるの巻

[外部リンク] 日銀の新着情報一覧ですが、金曜の夕方以降今朝の時点までトップにあるのはまさにこいつです。

[外部リンク] 5分で読めるマイナス金利

[外部リンク] とまあそういうのが出たのですけれども、まあ出た途端に「?????」という感じで、爆笑する向きがあるかと思えば情けないという向きがあると思えばなどなど、一部の皆様の中で盛大に盛り上がっておりました。

でまあ何ですな、こんなシリーズを今更になって出してくる、という辺りから想像されるのは、(1)日銀マイナス金利の評判が日に日に悪化しており「マイナス金利の効果はいずれ出てくる」とか言ってる場合ではない(2)しかも評判が悪いのが金融期間だけではないので、一般向けに仕立てたものを作ることにした(3)しかしながらもともと無理のある政策をしているので説明が無理になっていて、却って「日銀はここまで追い込まれているのか」「日銀はここまで落ちぶれているのか」という評判を出して益々逆効果、というのがもう笑ってしまうしかないですが、情けないの一言に尽きますな。


ということですが、折角ネタを提供して下さっているので拝読しようじゃないですか。


○そもそも題名に自信の無さが表れています

『5分で読めるマイナス金利』という題名ですが「5分で読める(わかるとは言ってない)」という感じでして、分かると言ってない時点で作った本人たちも「この説明は無理があると思っているんですよウヘヘヘヘ」と宣言しているようなもんでして、もうそこからして大丈夫かよという感じですね!!!!!!


ということでせっかくのネタなので最初からじっくり鑑賞。ネタにマジレス感は無いでは無いのですが、ひょっとしてそれはギャグで言っているのか(AA略)という物件を日銀トップページの新着に堂々載せる(普段だとおしえてにちぎんシリーズのコンテンツ更新はトップページの方での新着には告知されないのが仕様)位なのですから、こちらも敬意を表して拝見いたしましょう。



○個人預金金利はマイナスにならないとか言い切って良いのでしょうか

『「日銀がマイナス金利にしたって本当?」

「日銀は、3年前から大規模な金融緩和をやってきました。『量的・質的金融緩和』とか『異次元緩和』と呼ばれています。これをもっと強力にするため、1月にマイナス金利もはじめました。」』

ほほう。

『「マイナス金利になると、私が銀行に預金しているお金も減ってしまうの?」

「マイナス金利といっても、銀行が日銀に預けているお金の一部をマイナスにするだけ。個人の預金は別の話です。」』

個人預金金利がマイナスにならないという話をしていて大丈夫かと思うのですが・・・・・・・・・・・・

『「個人の預金金利はマイナスにはならない?」

「ヨーロッパでは日銀よりも大きなマイナス金利にしていますが、個人預金の金利はマイナスにはなっていません。」』

えーっとすいません、手数料の強化とか実質的にマイナス金利化を行っている件とかはスルーでございましたっけと思いつつ念のため確認しますとこんなのもありますが。

[外部リンク] マイナス金利「顧客に手数料」欧州で転嫁拡大
毎日新聞2016年2月11日 22時21分(最終更新 2月11日 22時21分)

『【ロンドン坂井隆之】日銀に先駆けて複数の中央銀行が「マイナス金利」を導入している欧州で、手数料負担を顧客に転嫁する動きが広がっている。個人の預金者にまで負担を求める例はほとんどないものの、金融機関や年金基金の収益に打撃を及ぼしており、業界からは批判の声も上がる。一方で金利低下で住宅ローンが急増している国もあり、家計の負債が過度に拡大することへの懸念も広がりつつある。昨年10月、スイスの中堅銀行オルタナティブ・バンクが、個人の預金金利を「マイナス0・125%」に引き下げると発表し、世界の注目を集めた。利息を払う代わりに手数料を徴収する仕組みで、1000万円を預けると年間1万2500円目減りする計算。同行は社会貢献度の高い事業に融資する独自の方針を持つ銀行のため顧客流出の懸念は少ないとみられるが、声明で「将来にわたって質の高いサービスを提供するために必要な調整」と理解を求めた。』(上記URL先より)

・・・・・・・となりますと「マイナスにはなっていません」としてしまうのは誤認勧誘って奴になりませんかねえ(ニヤニヤ)。

まあいずれにせよ「日銀様はマイナス金利をするが銀行はその分被れ」という今回の日銀の政策が非常に分かりやすく示されている、という意味で最初の時点から日銀政策スタンスが5分で読めて誠に結構でございますな(白目)。


○最初の見どころはこちら

『「マイナスにはならなくても少しは下がるでしょう?」

「普通預金金利は0.02%だったのが、0.001%になりました。」』

さよで。

『「それで消費が悪くなったりしない?」

「100万円預けて1年間の利息が200円だったのが10円になったということです。消費を悪くするほどの規模ではありませんよね。」』

・・・・・( ゜д゜)
・・・・・(つд⊂)コ゛シコ゛シ
・・・・・(;゜д゜)

お前は何を言ってるんだという所でして、200円が10円だから消費が悪くなるほどではないとか、こんな説明で良く説明になっていると思うわというか、こういうのを出してしまうセンスが絶望的でして、最初読んだときには爆笑の発作で腹筋の良い鍛錬になったのですが、こういうのに止めがかからずに出してしまうという時点で日銀大丈夫かと悲しくなってきました。

[外部リンク] 参考図表
2015年第4四半期の資金循環

まさにこれが出た日なのですけど、こちらの参考図表「(図表1-1)」がストックベースの金融資産保有状況になりますけれども、個人預金の額って100万円とかじゃない訳で、「もともと金利水準が低かったのだから下がったからと言って減った効果が多い訳でもない」という話をすれば良いのですけれども、そうすると実は後の方での効果の説明が出来なくなるのですよね〜。


○突然話をデフレにして誤魔化そうとするも・・・・・・・・・・・・・・・
 
『「もともと200円しかもらえなかったんだ。それがひどいんじゃない?」

「そのとおりですね。100万円預けた時の利息が1000円未満になったのは1999年。もう15年以上、預金金利はとても低くなっています。でもそれは『デフレ』だったからで・・・」』

はあ。

『「デフレって何?」

「物価が毎年のように下がることです。日本は15年間もデフレでした。」』

毎年のように下がる????????????

『「物価が下がって何が悪いの?」

「デフレで物価が上がらないということは、会社の売上げも増えないので、給料も上がりませんでした。日銀が『異次元緩和』をやってきたこの3年間で、会社はかなり儲かるようになって、春のベースアップ(給料アップ)も復活しました。デフレでなくなれば、給料も毎年上がるようになります。」』

色々おかしい。物価が上がらないから売り上げが上がらない訳ではないし、賃金が上がっても物価上昇に追いつかないのであれば実質所得が減少するので「物価が下がって何が悪いの」に対して「じゃあ物価が上がっても悪いじゃないか」という答えになってしまうのですがそれはスルーですかそうですか。というよりも消費がイマイチ伸びていないという事実そのものが日銀の上記のインチキくさい説明を棄却する現象なんじゃないですかねえ。

『「デフレだと金利も低くなるの?」

「デフレや不況のときに金利を上げてしまうと、もっと景気が悪くなって、給料や物価はもっと下がってしまいます。日本ではデフレの間も失業者が大量にでることはありませんでした。何とかやってこれたのは、金利を低くしていたからです。」』

そんなに金利が効くなら何でもっと前からマイナス金利にしていなかったの????という感じですが、デフレの間も失業者が大量に出て無かったのならそれはそれでマシだったという話になるので最早何を言ってるんだか分からない。


○マイナス金利の批判は別に「利上げしろ」という話は無いのですけれどもねえ・・・・・・・・・(藁人形論法)

次の説明もこれまたイカサマ。

『「金利を上げた方がみんな利息でお金を使うのに・・・」

「みなさんの家の収入の大部分は給料ですよね。金利を上げて利息収入を増やしても、それで景気が悪くなって、給料が下がったり、職を失っては何もなりません。」』

マイナス金利の説明をするという趣旨の筈なのですが、マイナス金利がどのように正当化されるか的な話をするのに無理があるから、今度は「利上げしろ」という意見を批判することによってマイナス金利の正当化の説明をしようとしていますが、このように相手の批判の内容を摩り替えて、摩り替えた内容を批判することによって自分の主張の正当化を行うのは「詭弁のガイドライン」の典型的な手段で、いわゆる「藁人形論法」として著名なものでして、しかもこの藁人形論法って置物リフレ一派の皆さんがよくやっている手法で、最近だとジンバブエ先生お得意ですよね。

ということで、ついに日銀も置物リフレ理論にどっぷりつかって公式で藁人形論法まで駆使するようになる位に成長したかと思いますと、心の底から悲しくなってくるというものです。



○でもって金利を下げていたらデフレを脱却するそうですが

『「じゃあどうしたらいいの?」

「デフレから完全に抜け出すしかありません。そのために、今はがまんして金利を低くして、もっと景気を良くして、物価をもう少しだけ上げていくということです。」』

この「もう少しだけ」というのがもう笑ってしまうしかない訳で、コアCPIはゼロ近辺ですよと思いますが、こういう細かい所にまで芸を入れているのが日銀クオリティ。


『「でも異次元の緩和とかマイナス金利までしなくても・・・」

「15年もデフレが続いたので、みんなそれが当たり前になってしまいました。それを変えるには、思い切った手を使わないとだめです。」』

思い切った手は分かったがその効果はどうなのよ?上手く行かないから戦局の打開にインパール作戦とか大陸打通作戦とか言われても困るのですけどねえ。


『「マイナス金利ってそんなに効果あるの?」

「マイナス金利にしたあと、住宅ローンの金利は下がって、10年固定で借りても1%以下になっています。銀行のローンセンターは大忙しだそうです。会社が借りるときの金利も下がっています。みなさんが家を建てようとしたり、会社が工場やお店を建てたりするときは有利になります。」』

お前ナメトンノカという感じで、さっきの預金の話をした時には100万円の利息の話をしているのに、今後は急に桁を操作して数字を大きくする、ということで、これは金融商品取引業者が勧誘用資料とかでやったら一発でお縄先生だろおい大丈夫かという感じです。

大体からして「銀行のローンセンター大忙し」って借り換え申し込みがバカスカって話だろナメトンノカとも思いますし、それ以前の問題としてさっきの

[外部リンク] 参考図表
2015年第4四半期の資金循環

にあるようにストックベースでは家計は盛大に資金余剰なんですけどねえ。


○銀行は大和魂があるので草でも食って生きてろということのようですよ!!!

『「そうすると銀行が損しない?大丈夫?」

「たしかに銀行にとっては、預金金利はマイナスにならないのに、貸出金利は下がるので、その分儲けは少なくなります。」』

もう最初から「預金金利マイナスにするな」ですけれども民間銀行はどこまで耐えられるのでしょうか。

『「でも大丈夫です。日本の金融機関は、リーマンショックでも傷ついていないし、とても健全です。去年もたくさん収益を上げています。日銀の預金でもマイナス金利にするのは一部だけにして、あまり銀行が困らないようにしました。」』

・・・・・(;゜д゜)

もう完全に「銀行が何とかすればデフレ脱却」的な話になってきまして、無理のある政策を実施している中でうまく行かないと銀行のせい攻撃を飛び出して銀行叩きをすれば批判を躱せるという安易な暗黒政策に完全に入ってきましたなあというお話。

大体からして「これまでの部分」より問題なのは「今後の話」であって、金融機関の体力をそぐような政策を長期間継続したらその政策の出口部分で大変な問題が起きるだろという所で、まあ銀行に対して全面的に喧嘩を売る辺りに実に香ばしいものを感じます。


○最後の方では段々ヤケクソになっております!!!!!

ここから先の辺りがヤケクソ感満載。

『「本当にそれでデフレから抜け出せるの?」

「みなさん忘れているかもしれませんが、3年前まで物価はマイナスでした。今は、ガソリンのように世界中で下がっているものを除くと、物価は1%以上上がっています。』

すっかりコアCPIの事はスルーして日銀コアCPIの数字で説明しています。

『『もうデフレには戻らない』というところまで、あと少しです。この3年間、『異次元緩和』は、たしかに効きました。それをもっと強力にするということです。かならずデフレから抜け出せます。」』

2%達成するんじゃなかったの???というか2年で2%だった筈なのに3年間でデフレ脱却も出来ていないとかそもそも政策のやり方に問題があったのか、政策のやり過ぎで副作用の方が大きくなってきて上手く行かなくなったんじゃないですか???

『「もう1%も物価が上がっているなら、十分でしょう。」』

そもそもコアCPIは1%どころかゼロですが何か???

『「景気はいい時も悪い時もあるから、ある程度バッファーがないとすぐにデフレになってしまいます。飛行機だって地上ぎりぎりは飛べないでしょう。だから、日本銀行は2%の緩やかな物価上昇を目指しています。この2%というのは、アメリカもヨーロッパも同じで、世界共通です。」』

世界共通キターという感じですが、デフレになって問題なのは物価がどうのこうのじゃなくて金融政策がゼロ制約に直ぐに引っ掛かるからという話なので、説明が雑にも程がある。

『「デフレを脱却すれば預金の利息も増える?」

「デフレから完全に抜け出せば、景気も良くなって、日本経済はもっと元気になります。そうすれば、預金金利も上がります。銀行にとっても、貸出金利を上げても大丈夫になります。これはみんなのためなのです。」』

と言ってますがそうやって全然脱却していない点についての説明を頂きたい。


○最後の部分はワロタがワロエナイ


『「話を聞くとわかったような気もするけれど、『マイナス金利』と聞いて不安になってしまったんだよね。」』

クソワロタ。

『「『マイナス』という言葉の響きも悪かったかもしれません。それと、今、世界中で金融市場が不安定になっていて、『ニューヨークで株価が下がった』とか『中国から資金が逃げてる』とか、心配なニュースが多い。このイメージと重なったのもあるでしょう。」』

はいはい海外のせい海外のせい。

『「でも、日本の会社は、全体でみると、史上最高の収益になっていて、経済は良い方向に向かっています。それに、この政策はとても強力です。いずれ『プラス』の効果がはっきり出てきて、明るくなってくると思います。」』

問題は企業の収益がトリクルダウンしてきて前向きの循環メカニズムが働くというのがワークしていないことでして、政策が実体経済に効いてくるルートがどうなっているのよというのが全然見えてこない事である訳なのですよね。でもって先々プラスの効果が出るらしいのですが、まあこんなのを出すくらいですからどう見ても「やっちまった」(しかも12月の補完措置に加えての2連続)状態になっているという認識をもって、まー相当泡を吹いているんだろうなあというのは把握しました。

最近の黒田さんの国会答弁も(断片しか見てませんが)何かちょっと大丈夫かというのがあったりとかで、QQEの限界が見えてきた的な話になって来てからの日銀はヤケクソに磨きがかかってドンドンおかしい方向に驀進しているようでオソロシスとしか申し上げようがありません。


#ということで本日はこのオモシロ文書のツッコミだけで終了しましたが、「5分で読める(わかるとは言ってない)マイナス金利の弊害」というのでも作りましょうか、というか一部から「作れ」と言われておる訳ですが皆様のリクエストがございましたら無い頭捻って考えましょうかwwww


本日は虫干しネタ2題を昨晩アップしているので下にはその続きを掲載します。









2016/03/27(28日拡大版です)

お題「虫干しシリーズを日曜版にしてみました」

ということで以下虫干しネタ関連。

○布野審議委員会見ネタ(本当は日曜の朝のつもりだったのですがすいません)

[外部リンク] ・賃上げに関する質疑にも不満が残りますのう

一番大事なメカニズムの起点だった筈なのですが・・・・・・・・・・・

『(問) 1 点目は、賃上げについてお伺いします。今回春闘の集中回答日が終わり、政府が旗振り役として賃上げを求めてきて 3 年目ですが、ベアが前年割れをするなど、ちょっと鈍さが見えていると思いますが、このあたりの背景や理由について、実業界出身者としてどういう風にみていますか。また、春闘賃上げに関して、マイナス金利の影響があったのかなかったのか、企業のマインドを前向きにすることが出来たのか出来なかったのか、という点もお伺いしたいと思います。(後半割愛) 』

でもって布野さんのお答え。

『(答) まず賃上げについては、現在交渉が進行中であると認識しており、政府及び日銀も、当然のことながら、どちらかと言うと高い賃上げを期待していますし、またその旨の情報発信も行っています。しかしながら、これは言わずもがなですが、個々の企業の賃上げは、当該企業の労使の協議によって決まるわけで、その意味では、より広範なファクターを考慮し、討議されて決まっていくものだと思います。日本銀行の希望は、皆さんには 1つのファクターとして、織り込んで頂いているものと解釈しています。(後半割愛)』

まー何ちゅうか実にこう模範回答しかしませんなあという感じですけど、肝心なのは「賃金上昇が物価目標に対してどうなんでしょうか」というのと「今回の追加緩和でその効果はあったのですか」という話なのですが、綺麗にその辺りを避けるという見事な答弁をしています。



・マイナス金利に関して

上記質疑の後半割愛という部分がそれなのですけど。

『(問)(前半割愛)もう 1 点は、マイナス金利は下げ幅に未だ余地があると黒田総裁も仰っていますが、一方で限界があるのではないかとの見方もあります。預金金利はマイナスにはならないということですので、そうすると、銀行の収益ばかり圧迫し、既に貸出金利も相当下がっている中で、それでもマイナスにして、どの程度意味があるのかと思います。マイナス金利の下限は、どの程度かということも、あわせて教えて下さい。』

『(答)(前半割愛)2 番目の質問について、マイナス金利は効果があったのかということですが、私は間違いなく効果があったと思います。』

ほほう。

『色々理由はありますが、やはり企業の収益力を計算するに際しては、金利動向は大きなファクターです。会社によって状況は違うかもしれませんが、少なからぬ会社が今後の損益等の予想をする際に、金利動向を考慮して頂いたのではないかと思います。』

にしても水準が既に低い中でどのくらいの効果になるのかとか、そもそも企業って資金余剰じゃなかったでしたっけとか、そういう話は綺麗にスルーしているのが何ともでありまして、金曜も申しあげましたが、本来はその手の話について「いや企業家から見たらその金利引き下げの直接の効果よりも別のファクターの方が」みたいな話をして金融政策議論の多様化をして頂きたいのですが、10年後に議事録出た時にどういう話をしているのでしょうかとは思ったりします。

『下げ余地については、これは様々な学者の方々の議論や理論にも幅があると思いますし、コンセンサスを事前にどうこうと言えない類のものであろうと思いますが、はっきり言えるのは、とにかくどこまででも下げられるものではないということだと思います。そういう意味では、どこかの水準に、今仰ったレベル感があるのではないかと考えていますが、それは今後の状況をみながら、そこまで行くか行かないかも含めて、金融政策決定会合で考えていくことになると思います。』

何という見事な模範解答。


・マイナス金利の評判がよろしくないのは政策委員会でも意識されているんでしょうなあ

というのはこの会見よりも後に飛び出した(月曜版のネタに投下されていますが)驚愕の「マイナス金利の説明書き」みたいなオモシロパンフレットにも現れているのですが、布野さんの説明でもやはり気にはなっているということで。

『(問) 先程もマイナス金利政策の効果はあった、ほぼ間違いないと仰っておられますが、金融機関はもちろん、広く世論という意味でも、あまりマイナス金利の評判が芳しくないということは、否定しようのない事実だと思います。この先、3 次元で必要があれば金融緩和を続けていくということでしょうが、これ程不人気な政策をもっと深堀りしていく、金利をさらに引き下げるということは、今の国民感情からすると、かなり制約というか障害が大きいのではないかと思います。そういった国民の広い意味での支持がない中で、特にマイナス金利、3 次元の中の一個ですが、これをさらに進めていくことに何ら障害はないのでしょうか。日銀としては、自分が正しいと思えばどんなに不評でもやるということでしょうか。ご意見をお聞かせ下さい。』

論点がやや発散気味、もうちょっと絞って欲しい。

『(答) 最初に申し上げたいのは、評判をみて金融政策を展開しているわけではありません。』

そらそうです。

『やはり、政策の効果を意図しながらやっておりますので、評判が悪いということは重要なファクターではありますが、あくまでも一つのファクターであると思います。何を言っているかというと、評判が悪いことによって、政策の意図する効果が損なわれる可能性をなしとはしませんので、そこのところは、よくみていかないといけないと思います。』

ただ、普通に「引締めは不人気政策だけどやらないといけないから実施」みたいな話ではなくて、今般の政策って「期待に働きかける」というのを政策のファクターに思いっきり加味している訳ですから、評判が悪い政策をすることによって期待形成が悪化したらそらまあ元も子もない、という文脈において布野さんがこう説明しているのは味わいがあるわ、と思っていたらご案内の通りで3/25に突如面白文書が日銀から打ち込まれた訳ですが。

『金利を下げていくかどうかについては、これは、1 月に政策発表した時に申し上げているように、あくまでも 3 次元のポリシーなので、「量」・「質」・「金利」の 3 次元について、政策環境をみながら、どういうミックスで、どのような形でやっていくのかを判断していきますので、必ずしも、今仰ったように金利・金利・金利ということではありません。やはり、あくまでも 3 次元と申し上げているわけで、3 次元の中で、どういう政策のミックスが良いかということは、その時々で判断していくということです。』


とまあそんな感じでしたが、とにかく布野さんガードが固いのは分かったのですが、企業経営者としてみた場合にどうなんでしょうという話をする人が必要な訳ですから、その観点で発言をしている、というニュアンスをもう少し会見で出してくれると「単に執行部に賛成するだけではないんだな」とある意味安心して見てられるという事で、もう少し企業経営者視点というのがあると良いのですがと思います。何せ石田さんが任期切れてその後に入る人次第では大企業経営者クラスの人って布野さんだけになってしまいますから。



○1月決定会合議事要旨である

これまた虫干しネタ。

[外部リンク] ・経済に関する検討部分を読んでも何で追加緩和をしたのか訳分からん

『.金融経済情勢に関する委員会の検討の概要 』を駆け足で鑑賞。

『国際金融資本市場について、委員は、年明け以降、原油価格の一段の下落に加え、中国経済の先行きに対する不透明感などから、投資家のリスク回避姿勢が強まっているとの認識を共有した。原油価格について、複数の委員は、一昨年以来の原油価格の下落には中国経済減速など需要要因も影響しているが、最近の急落の原因は主として供給要因であると述べた。この間、複数の委員は、最近における市場の不安定化は、実体経済面の動きよりも、マーケットのセンチメント主導で生じた色彩が強いとの認識を示した。また、何人かの委員は、市場参加者が中国の為替政策に関して不透明感を感じていることが不安定化の原因となっていることを指摘した。』

中国の為替政策に関してってそうなのかという感じではあるが、それは兎も角として「この間、複数の委員は、最近における市場の不安定化は、実体経済面の動きよりも、マーケットのセンチメント主導で生じた色彩が強いとの認識を示した。」っていうような状態になっている中で何でまたマイナス金利導入というようないきなりパラダイムを変えるような追加措置を実施しなければいけなかったのかというのは分からんですよね。

でもって実体経済の方ですけれども、

『海外経済について、委員は、新興国が減速しているが、先進国を中心とした緩やかな成長が続いているとの認識を共有した。先行きについても、委員は、先進国が堅調な成長を続けるとともに、その好影響が波及し新興国も減速した状態から脱していくとみられることから、緩やかに成長率を高めていくとの見方で一致した。』

とあって、

『わが国の景気について、委員は、輸出・生産面に新興国経済の減速の影響がみられるものの、緩やかな回復を続けているとの認識を共有した。大方の委員は、家計・企業の両部門において、所得から支出への前向きな循環メカニズムがしっかりと作用し続けているとの見解を示した。景気の先行きについて、委員は、所得から支出への好循環が続くもとで、緩やかな回復を続けていくとの見方で一致した。もっとも、多くの委員は、年明け以降の市場の不安定化が企業や家計のコンフィデンスに及ぼす影響には注意を要するとの見方を示した。』

ということなのですが、そもそも最初の所にあるように金融市場の動きが「実体経済の動きよりもマーケットセンチメント主導」なのですよという認識にある中で、何で急にマイナス金利にまで突っ込みに行かなければならなかったのか。という点はこの経済認識の所を見ても全く分からんという話っすな。

さらにその後の賃金の所で・・・・・・・・・・・

『雇用・所得環境について、委員は、労働需給が着実な改善を続けるもとで、雇用者所得は緩やかに増加しており、先行きも、経済活動や企業業績の回復につれて、緩やかな増加を続けるとの見方で一致した。複数の委員は、春闘での労働側の要求が控えめであり、賃金がしっかりと上昇するにはなお時間を要すると指摘したほか、最近の国際金融資本市場の不安定化がベースアップの動向に影響を与える可能性についても懸念を示した。』

だそうなのだが、そもそも国際金融資本市場の動向が実体経済を反映した動きというよりはマーケットセンチメント先行で動いているのであったら、そこまで懸念を示す話なのかよという風に思うのだが。


・では何故追加緩和でマイナス金利になったのでしょうかねえ

などと思いながら『.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要 』に参ります。

『金融政策を運営するうえでの物価動向の判断について、委員は、物価の基調的な動きが重要であるとの認識を共有した。そのうえで、委員は、需給ギャップや予想物価上昇率の動向を踏まえると、物価の基調は着実に改善しているとの見方で一致した。こうした見方を裏付けるものとして、複数の委員が、消費者物価(除く生鮮食品・エネルギー)の前年比プラス幅が着実に拡大傾向を続けていることを指摘した。』

では何故追加緩和をしたのか??

『予想物価上昇率について、委員は、このところ弱めの指標もみられているが、やや長い目でみれば、全体として上昇しているとの認識を共有した。』

なお3月会合の声明文でこの部分を一段下方修正しているのだが、つまりは追加措置が空振りになっているという話ではないかと。

『もっとも、多くの委員は、このところ、原油価格の一段の下落に加え、中国をはじめとする新興国・資源国経済に対する先行き不透明感などから、金融市場は世界的に不安定な動きとなっており、』

おうさっきの所では国際金融市場についてセンチメント先行って複数の委員が指摘してたやないけ。

『企業コンフィデンスの改善や人々のデフレマインドの転換が遅延し、物価の基調に悪影響が及ぶリスクが増大しているとの認識を示した。』

何ちゅう結論になっているのやら。

『このうち一人の委員は、企業のデフレマインドが払拭されていない中で、賃上げの動きが拡がりを欠き、物価上昇ペースが下振れるリスクには重大な関心を払わざるを得ないと述べた。』

では追加緩和をするとそこに効くのか、という点を考えたうえで追加緩和を検討して頂きたい訳で、そうではなくて「中長期的に腰を据えて緩和的な金融環境を継続する」という時間軸政策を取るだけでも効果が出るのではないか、2年2%などという形にしなくて良いのではないか、的な話ってのが野党の審議委員以外から全然出てくる気配がないのがオソロシス。


『そうした認識のもとで、多くの委員は、こうしたリスクの顕現化を未然に防ぎ、2%の「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するために、追加的な政策対応を行うことが適当であるとの見解を示した。』

そもそもモメンタムを維持も糞も何回も達成見通し時期先送りしてるじゃん。

『このうち一人の委員は、金融市場の動揺が実体経済および予想物価上昇率に影響して、2%の「物価安定の目標」の達成を後ずれさせる可能性があり、現在の段階で、予防的な観点から追加緩和を行うことが適当であるとの見解を示した。』

は?

『一方、別の何人かの委員は、国際金融市場のリスクは下方に厚いものの、国内の経済・物価情勢は、追加緩和を行うほどには悪化していないとの見解を示し、金融政策の現状維持が望ましいと述べた。このうち一人の委員は、金融緩和の度合いは大きい状態が維持されており、追加緩和を正当化する理由はないと述べた。』

全くで。

『これに対し、ある委員は、足もとでは物価の基調に問題がないとしても、市場の不安定化が将来の物価の基調に悪影響を与える可能性がある以上、予防的に政策対応を行うことが望ましいと述べた。』

そういうのを見越して全部対策を打ったというのが「逐次投入は行わない」のQQEじゃなかったのかね。

『別の一人の委員は、現在は、国内経済の好循環を中断させることなく鋭意推進すべき正念場であり、金融政策の信認を保つためにも、追加的措置を講じて補強するとともに、将来の緩和手段の選択の幅を広げることが適切であると述べた。 』

却って信認が無くなっていますけどね、という話は兎も角としても、ここにあります発言趣旨から読みとれるのは「12月に実施した補完措置で却って政策の限界論が出てきたのでなんとかしなきゃ」ということでして、「将来の緩和手段の選択の幅を広げることが適切」ってもうどう見てもそういう事ですよねえという感じ。


・でもって政策オプションだが最初からマイナス金利の結論先にありきですかそうですか

でもってその次。

『こうした議論を受けて、議長は、執行部に対し、政策対応を行う場合に採り得るオプションの提示を求めた。執行部からは、 嵶姪・質的金融緩和」の拡大(マネタリーベースの増加幅および資産買入れの拡大)、◆屮泪ぅ淵攻睛付き量的・質的金融緩和」の導入、という2つのオプションが示された。』

そもそも12月に補完措置を実施したのは,鬚茲蠅笋蠅笋垢するためだった筈なのですが・・・・・・・・・・

『このうち前者については、従来の枠組みの中での拡大であり、実務的に可能であると報告した。』

の1行で終了し、その後は延々とマイナス金利の話が始まるという時点で結論先にありき。


・実務的な影響についてちゃんと練ったものではないというのが良く分かる以下の部分・

『また、後者については、‥座預金の規模がきわめて大きいことを踏まえると、金融機関収益を過度に圧迫し、かえって金融仲介機能を弱めることがないよう、「階層構造方式」とする必要があること、△修両豺隋⊆莪先金融機関が「量的・質的金融緩和」のもとで、日本銀行の資産買入れに応じ、その結果として当座預金を積み上げてきた経緯を踏まえると、既存の残高については従来の取り扱いである+0.1%の金利を適用することが適当であること、「量」の拡大に伴い当座預金が増加していくことを前提とすると、ゼロ金利部分を可変的に増加させ、マイナス金利部分を概ね一定の規模に留める設計上の工夫を行うべきであること、を説明し、3段階の階層方式を提示した。』

『また、マイナス金利が当座預金残高の全体にかからなくても、限界的な増加部分にかかれば、新しい取引によって当座預金が増えることに伴うコストはマイナスとなるので、金融市場ではそれを前提として金利や相場形成がなされると考えられると説明した。なお、この案を採用する場合、貸出支援基金、被災地金融機関支援オペおよび共通担保資金供給は、ゼロ金利で実施することもあわせて提案された。』

実際問題としては非当預先の中で当預付利アーブによって機能していた短期金融市場の問題とか、マイナス金利をやるにしても制度面などでマイナス金利を前提にしていない建付けになっているという問題点をどうクリアしていくか等の問題点があって、3月に追加措置が行われたMRFの件なんぞはその最たるもので、短期金融市場の実務というか市場実態をちゃんと日銀の方で把握していたら何の準備もなしにこの辺り突っ込んだら色々とややこしいことになるがな、というような点をそれほど理解していなかった感は強い。


・政策委員の賛成反対も鑑賞しませう

『多くの委員は、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入について、物価の基調に悪影響が及ぶリスクの顕現化を未然に防ぎ、2%の「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するため、その導入が望ましいとの見解を示した。』

何で補完措置を使った拡大じゃなかったのでしょうかと言うと・・・・・・・・・・・・

『これらの委員は、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」によって、「量」・「質」・「金利」の3つの次元で、追加的な金融緩和措置を講じることが可能となるほか、マイナス金利を導入することにより、イールドカーブの起点を引き下げ、大規模な長期国債買入れを継続することとあわせて、金利全般により強い下押し圧力を加えることができるとの見解を示した。』

補完措置でチョンボっぽくなったのでそれを糊塗する為にマイナス金利に走るとか勘弁して頂きたいですし、金利を強力に下げるのは分かったがその効果は????

『このうち一人の委員は、理論的には、同じ量であれば付利を引き下げた方がポートフォリオ・リバランス効果を高め、より強い効果があるとの見解を示したほか、マイナス金利については、欧州諸国の経験から、効果や実務的な問題についても適切に運営するだけの知見は集積されており、問題を小さくしながらより効果を高めることができると述べた。』

いやお前欧州と日本とでは違うんだよと思いますし、ポートフォリオリバランスは分かったがだったら量の方はどうするんだという話で、これまで「量」を中心にしていたのに、マイナス金利で金利の方にフォーカスした政策をするというのであれば、マイナス金利やりながらテーパリングするみたいな事が必要だったのではないでしょうかねえ。マイナス金利で量拡大という無茶をやった結果が今月の一段のドタバタに出てきている訳です。

『別の一人の委員は、日本銀行当座預金金利をマイナス化しつつ、大量の国債の買入れを円滑に実施できるかについて不確実性はあるが、執行部の提案は、欧州の事例を参考にしつつも、日本の実情に適合した工夫が施されており、問題をかなりの程度解消するものであると述べた。』

『そのうえで、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」に賛意を示した全ての委員は、執行部の提案した当座預金に対する3段階の階層構造は、限界的な金利をマイナスとし、イールドカーブの起点をマイナスにするという緩和効果を確保しつつ、金融機関収益への過度の圧迫により金融仲介機能が低下することがないように設計されていると評価した。これらの委員は、マイナス金利の導入に当たっては、当座預金の付利金利を当初は-0.1%とし、今後、必要な場合、さらに引き下げることが望ましいと述べた。』

ということで、結局の所3層構造で量の方を何とか回すみたいな話は皆さん理解しているようなのですが、実務的な問題点(MRFなどを始めとする)に関しては何の問題意識もなく実施された、というのが非常に良く分かる議事要旨でして、正直今までの日銀ではこんな乱暴な事は無かったのでどうしてこうなったというか置物じゃない方の副総裁こそがこういう問題点に対して目配りをしないといけない訳で、罪万死に値すると申し上げておきましょう。


・反対意見は一々ごもっとも

『これに対し、複数の委員は、「量的・質的金融緩和」の補完措置の導入直後のマイナス金利の導入が、かえって資産買入れの限界と受け止められる可能性を指摘した。』

(;∀;)イイシテキタ゛ナー

何のために12月に補完措置をやったのかという話ですわな。

『このうち一人の委員は、複雑な仕組みが混乱・不安を招くこと、今後、一段のマイナス金利引き下げへの期待を煽る催促相場に陥ること、金融機関や預金者の混乱・不安を高めること、2%の「物価安定の目標」への理解が乏しいもとで政策意図に関する誤解を増幅させることなどへの懸念も示した。』

これは白井さんですかね。白井さんにしては珍しく良い事を仰せでこれはもしや麿の生霊が憑依したとかそんなことですかねえ。

『別の一人の委員は、マイナス金利の導入とマネタリーベース増額目標の維持は整合性に欠けること、マイナス金利は市場機能や金融システムへの副作用が大きいこと、海外中銀とのマイナス金利競争に陥る可能性があること、日本銀行のみが最終的な国債の買い手となり、市場から財政ファイナンスと見做される惧れがあることへの懸念を示した。』

これは佐藤さんですか。

『別の一人の委員は、マイナス金利の導入により、国債のイールドカーブを引き下げても、民間の調達金利の低下余地は限られ、設備投資の増加も期待し難いと述べた。』

石田さんとみた。

『さらに別の一人の委員は、マイナス金利の導入は、国債買入れ策の安定性を損ねたり、金融システムの不安定性を高めたりする問題があるため、危機時の対応策としてのみ妥当であると述べた。』

木内さんですね。


・これに対する再反論があるのだが

『こうした「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入に関する反対意見に対し、複数の委員は、政策意図が誤解されないためには、コミュニケーションを通じて説明を尽くすことが重要であると述べた。』

その結果が3月25日に出た面白文書とは情けない。

『ある委員は、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の効果波及チャネルは、これまで進めてきた「量的・質的金融緩和」のそれと異質のものと捉えるべきではなく、イールドカーブの起点を引き下げ、金利全般により強い下押し圧力を加えることで、実体経済への刺激を強めるという点で、「量的・質的金融緩和」の効果を強化するものと考えることが適当であると述べた。』

マネタリーベース直線一気理論は?

『別の一人の委員は、マイナス金利と資産買入れの整合性に関して、理論的には、付利金利がマイナスになっても、国債の売買価格がそれに見合って上昇すれば、金融機関にとってオペに応じる合理性はあるとしたうえで、マイナス金利の導入が国債市場に与える影響を注意深くみながら資産買入れを進めれば支障はないとの見解を示した。』

期間損益の概念に欠けますな。

『この委員はさらに、市場機能への影響に関して、欧州の事例では、マイナス金利のもとでも短期金融市場の取引は必ずしも減少していないことを指摘したほか、』

欧州の事例との違いで一番でかいのは日本の場合はMB積み上げの為に「IOERアーブ」が活発に実施されていたことではないかと思う訳で、そのためこのテイタラクになった次第。

『金融システムの面では、金融機関の収益に当面負の影響が出ることは避け難いものの、一日も早いデフレ脱却を実現することが、金融機関の経営環境を改善するうえでも重要であると述べた。』

お前ら偉そうに言ってるけど肝心の2年で2%を全然達成していないのは誰かと先ず問いたい。

『さらに別の一人の委員は、各国の中央銀行が自国の物価の安定のために必要な施策を適切に実行することは、互いの経済にとってメリットをもたらすものであるとの見解を示した。』

適切ならな。

とまあそういうことで虫干しネタ大全でした。(他にも虫干しネタがあるような希ガス)。
 


お題「オペがちょっと動きすぎのような気がします/主な意見来ました/布野審議委員会見(メモ)」   2016/03/25(金)07:52:31  
  お、おう・・・・・・・・
[外部リンク] 2016.3.24 18:00
若年の低所得者層に商品券 政府が新たな消費刺激策 28年度補正予算案の目玉

えーっと経済財政諮問会議で出ていた「全国一斉バーゲン」もそうですけれども、一時的に刺激しても経済の振幅を増やすだけの事であって、それは消費増税の駆け込みと消費増税前の財政でウッシッシと(結果として)勘違いしたのと同じことが起きるだけなんですけどにゃあ。

#浜田先生がテレビに登場しているようですが論評については以下自主規制

○CPマイナス金利とか輪番とか

・CPマイナス金利キタコレ

昨日金融ファクシミリ新聞が朝刊で出しててその後あちこちから出ましたが。

[外部リンク] Business | 2016年 03月 24日 17:44 JST
三井住友F&Lがマイナス金利でCP発行、国内で初めて

『[東京 24日 ロイター] - 三井住友ファイナンス&リース(F&L)は、コマーシャルペーパー(CP)を28日に発行する。レートは年マイナス0.001%で、マイナス金利でのCP発行は国内で初めてとなる。発行するCPは、期日が10月3日に設定された6カ月物で、発行額50億円。三井住友F&Lでは、CP発行に向けて23日に入札を実施。もっとも好条件を提示した参加者に発行を決めた。「CP発行は、資金調達手段の一つにすぎない。今後もマーケット情勢に沿った条件で、資金調達を考えていきたい」(財務部)という。』(上記URL先より)

ということでマイナス金利キタコレではあるのですけれども、最初にマイナス金利でCP発行したのがマイナス金利導入時に反対票を投じた石田審議委員がその前に社長をやっていた三井住友F&Lさんというのも何とも味わいがございます。

・・・・・・・・って言いましても付利金利をもっと下げたらどうなるのかというのは別問題としまして、足元の環境で何でこうホイホイマイナスになるかと言えば、それは日銀がCP買入でとんでもないマイナスまで購入しているというのもファクターとして大きいと考えられる訳で、更に来週には末受渡日のCP買入が6000億円も予定されているというのが何ともな所です。

では今後CPのマイナスが恒常化するのかと言うとそこはまだ分からんとしか申し上げようが無いのですが、日銀CPオペ前提のマイナス金利ってえのも何だかなあという感じで、それだけで見れば全部が全部マイナス金利に突っ込む訳でもないとは思うのですが、超過準備マイナスチャージに対して資金を有価証券に逃げさせないといけない、という動きがCP方面にどれだけ向かうのよという話ですわな。うんうん。


・超長期輪番謎の減額

昨日の輪番オファーのうち輪番を
[外部リンク] 国債買入(残存期間1年超3年以下) 4,000 2016年3月28日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 4,200 2016年3月28日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,400 2016年3月28日
国債買入(残存期間25年超) 1,600 2016年3月28日

つーことでご案内の通りですが昨日は超長期輪番が月中ですが急に200億円×2のオファー減額が実施されました。

でまあその結果超長期があばばばばーでスティープしましたが、流動性が益々無くなっている国債市場で輪番を月の途中で突如動かしますとそれは物凄い勢いで市場にボラを提供することになる訳で、いやあの何でここで減額したのよという感じです。

減額するならするで月末の数値見直しの所で見直しをするならば、それはそれで材料になってしまうのはやむを得ないっすが、そこまで大騒ぎになる話ではないの訳ですし、大体からして今月もう殆ど残っていない所で急に減額する意味が何なんだということで、更に余計な思惑を生みますし、大体からして今や国債マーケット超最大プレーヤーしかも成行で買うので価格関係ない人という凄まじい方がちょこまか動くと、市場に対して余計かつ巨大な不確実性を高めるんですけど勘弁してください。

まあ期末前でここもとのフラットニングと札の流れ方を見て、輪番札割れあるいは札割れもどきが発生してオペ爆発でオペの限界とか言われるのを避けようと思ったとしか考えられないのですが、この前の国債買現先と言い、突如訳の分からんオペを入れてきて価格形成に変な介入をしてこようとするのは何なんでしょうかね。額面と価格の乖離が大きくなったので額面調整するというのなら別に月の途中に慌ててやる必要はないのですし。

でまあこの減額をまた来月買入から戻しでもしたら更に混乱が発生してしまいますが、期末でフラットニングがバカスカ進んだから減らしたけれども、またあっさり戻すとか言い出したら、益々何が何だか分からないので月末の買入明細公表を楽しみにしたいと思います。まあここの所急に何か変な物でも食ったのかというような感じで、妙に動きすぎで市場のボラを無用に拡大しているだけにしか見えないですよ。


○3月MPM主な意見キタコレ

1月議事要旨の前にこっちというのも何ですが(大汗)。

[外部リンク] まあ見解が真っ向対立していて鑑賞物としては面白いのですが、議論がちゃんと成立しているのかという点については大変に寒々しいものを感じますな。

・物価についての真っ向対立

『(物価)』から。

『・消費者物価前年比は、当面0%程度で推移するが、原油価格が2月半ばに下げ止まっているため、2017 年度前半頃に2%に達すると予想する。

・消費者物価は、原油価格下落や予想物価上昇率の弱含みの動きなどのリスクは残るが、「物価安定の目標」の2%へ向けて進んでいく。

・賃上げの動きは弱く、インフレ予想を示す指標も低下している。

・春先以降、基調的な物価が前年同月比+1%台前半を維持する蓋然性は低下した。』

って思いっきり正反対モードでもう乾いた笑いしか出て来ないのですが・・・・・・・・・・


・結局効果は金利の低下でその先の話は苦しいと

『.金融政策運営に関する意見』の『(「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」導入決定後の全般的評価)


というのがこれまた実に味わい深いのですけどね。

『・「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入決定後、貸出の基準となる金利や住宅ローン金利ははっきりと低下しており、金利面では政策の効果は既に現れている。

・「マイナス金利付き量的・質的金融緩和 」は、金利を低下させるという点で、制度の設計段階で考えていたとおりの効果が現れた。


とまあそれしか言えないのですけれども、

『・「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」のもとで、企業や家計の資金調達コストはきわめて低い水準まで低下しており、金融環境はきわめて緩和した状態にある。』

という評価なのでしょうが、元々調達コストは極めて低い訳で、それが実際に設備投資などにワークして行かないと話が始まらないのですけれども・・・・・・・・・・・

『・住宅ローン金利の低下は、住宅投資を刺激するほか、借り換えを通じて債務者の金利負担を減らすため、消費にプラスに働く。』

とのことですが、問題は設備投資の方だと思うのですけどねえ。


・与党政策委員が逐次投入脳になってきている風情

でまあちょっと飛ばしまして、

『・最近の弱い指標をみると、前回会合で「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を決定したことは
適切であったと思われる。』

とかまた出たよ「やらなければもっと悪かった理論」なのですが、従来は「必要な措置を全部投入する(キリッ)」という話だったのに、こういう意見が平気で与党政策委員サイドの方から出てくる辺りが、既に政策対応の考え方が「逐次投入」化してきている事の表れでしょうなあと思うのでありました。


・これは酷い

その先にあるのが今回の「主な意見」の中でこれは酷いとしか申し上げようがないものの白眉の一つ。

『・マイナス金利については、市場もそれを前提に動き出し、関係する多くの経済主体でも対応が採られていることから、元へ戻すという選択肢は採り得ない。』

・・・・・・・・・・・・orzorz

えーっとそれは「現地軍が勝手に暴走して戦闘状態に入ってしまったが戦闘が始まってしまったので戦争を停止するという選択肢は取りえない」と言うような理論ですかそうですかとしか申し上げようが無い。じゃあお前は何かやったらそれが失敗だろうが何だろうが止めることはしないという事かと小一時間問い詰めたいですし、こんな考えの人間が政策委員会にいるということ自体が信じがたい。


・まあ何と申しますか

その次のも微妙にもにょる。

『・マイナス金利政策は撤回が望ましいが、導入直後の撤回は市場を混乱させるほか、日本銀行の信任を失墜させるリスクがあるため、効果を明確に示せない限り現状維持にすべきと考える。』

いやそこは日本銀行の信任よりも経済に与える副作用が大きいと判断するなら勇気ある撤退も必要なんじゃないかとは思うので、撤回が望ましいという所は結構なのですがちょっとうーんという感じ。


・ちなみに反対の人の見解らしき部分

『・副作用が効果を上回ると判断し、当座預金の三層構造を将来の出口に備え維持しつつ、政策金利を+0.1%に戻すことを提案する。』

これは佐藤審議委員の提案にありましたね。

『・ポートフォリオ・リバランスは、国内での再投資対象が限られており、期待される効果に必ずしもつながっていない。』

ですなあ。

『・マイナス金利導入の副作用として挙げたリスク、すなわち、国債買入れの限界と誤解される、催促相場になる、金融機関や預金者の懸念・不安を招き2%目標への誤解を高める、複雑な仕組みが政策効果を削ぐという点が全て顕在化している。』

イイシテキダナーとは思いますが、もしこれが白井さんの見解だったら白井さん反対票を入れて欲しかった所です。佐藤さんか木内さんの見解かもしれないですけど。

『・副作用を上回る効果が期待できる金融政策の余地が限られる中、国債市場の流動性と金利の安定を維持して、既存の政策効果を確保することが最も重要である。国債買入れの減額はそれに資する。』

木内さんですな。既存の政策効果を確保すればそれで緩和的な環境が維持できるし、これ以上の政策拡大は副作用の方が大きい、というのも重要な考え方だと思うのですけれども、何故かそういう点検をしないんですよねえ主流派は。

『・「物価安定の目標」は、柔軟に解釈すべきである。』

佐藤さんですね。


・金融仲介機能に対する影響で無茶苦茶な見解登場

『金融仲介機能に対する影響)』から。

『・銀行収益は、デフレ脱却により大きく改善することを指摘しておきたい。なお、「量的・質的金融緩和」の導入以来、銀行部門全体の経常利益が大きく増加している。』

足元までの話では無くてその先の話がだなあ・・・・・・・・というかそもそも物価目標達成していない日銀が「指摘しておきたい」とか何を上から目線で話をしているんだこのクソボケとしか申し上げようがございません。

更に酷いのはこれ。

『・銀行が長短金利差で利益を得るものである以上、追加緩和で、イールドカーブがそれ以前よりもフラットになったことに不満があるのはもっともだが、利益の源泉が長短金利差だけであれば金融仲介を十分に行っているとは言えない。』

・・・・・・・・・いやあの信用リスクを取っていますし、その信用リスクに見合うスプレッドがちゃんと確保できているのかという点で低金利環境の長期化と民間資金需要の乏しさに伴ってスプレッドが物凄い勢いで低いのですけどねえ。

というか信用リスクが利益の源泉になっていなかったらそれこそ金融仲介を十分すぎるほどしている訳で、信用リスクスプレッドをバカスカ取った方が金融仲介機能の不全だと思うのですけれども、このお方は何を言いたいのかさっぱり分からんですし、大体からして2年で達成するとか大口叩いている日銀がどの面を下げてこういう事を言うのかと小一時間で、これは今回のキングオブこれはひどいの2大名物見解という感じです。


・もちろんちゃんとした見解もありましてですね

『・マイナス金利下では金融機関のB/S圧縮により信用収縮となる可能性がある。』

『・ マイナス金利政策は金融仲介機能の低下から経済に悪影響をもたらすほか、将来の金融不均衡蓄積のリスクを高める。また、人々の不安を高め、デフレマインドをかえって強める方向に作用している。』

ですなあ。

『・マイナス金利など従来の政策が金融システムの潜在的なぜい弱性を助長してきた面がある。「物価の安定」から「金融システムの安定」へと政策の重点を移す、政策のリバランスが必要な局面にある。』

ほほう。


・最後の部分も色々と味わいがある

最後の『(その他)』が今回のMRFお助け扱いその他の話です。

『・「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の緩和効果を最大限に引き出すため、今回の実務面の対応策のように改良・工夫を重ねていくことは政策当局としての当然の責務である。』

いやー苦しい説明ですな。

『・特例的取扱いはマイナス金利の限界を示唆し、市場の振幅を高めかねない。催促相場に入った以上、市場との対話はきわめて難易度が高くなった。』

まあこれはこれでそうだと思う。つまりは最初の時点からMRF適用除外に関して決定すべきだったとしか思えん。

『・「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」が国民経済にもたらす効果について、金融機関との取引の収支という点に限定するのではなく、経済全体としての幅広いメリットがあることを根気よく説明し、広く国民各層の理解を求めていく必要がある。』

つーて結局「金利が下がりました」だけじゃん。

『・マイナス金利が国民の一部に不安をもたらしている面もあり、期待に働きかける難しさを感じる。』

これは正直でよろしい。

『・サプライズが日本銀行の政策反応関数を不透明にし、市場の不安定化に拍車をかけた。』

首が外れるほど頷いてしまいました。

『・マイナス金利導入決定後の急激な金融市場の収縮、国債市場のボラティリティ上昇等に起因する金融市場全体の不安定化が、経済に及ぼす悪影響を注視したい。』

ということで。


○布野審議員会見ですが質疑が何か噛み合っていないというか布野さんが質問を躱している感じです

[外部リンク] というネタをやる積りだったのですが、若干寝坊してしまったので(本当に)明日(起きれれば土曜の朝だが遅くて日曜朝)追加で投下しますが本日はちょっとだけ。


・質疑が噛み合わないというか巧みに躱してしまっているというか

こんな質問があるんですけどね。

『(問)(前半割愛)もう 1 つは、今、日銀は 2%を達成するために、色々な政策を総動員するということですが、消費者からみると、もしかするとまだ金利が下がるのではないかという観測が生まれないでしょうか。消費者レベルでもゼロ金利に近いところで借りられるという憶測がでれば、またさらに、消費が先延ばしされるのではないかという見方もあります。必要な人は家でも車でも買うと思いますが、必要ない人は、いくら金利が低いと言われても、借りた金は返さないといけませんので、この点をマーケティングのプロとしてどう判断されていますか。』

『(答)(前半割愛)その上で、2 番目の質問の金利が下がるかどうかということですが、金利が下がるか下がらないかは、刻々と変化する状況をみながら、各委員が考えた結果を決定会合に持ち寄り、そこで討議するプロセスの中で、どういう政策になるかが、その会合毎に決定されるものだと思っています。』

これ質問の仕方もあまり良くないと思うのですが、本来「金利が下がるからと言って消費が本当に喚起されるのか」とシンプルに聞けば良いのに、余計な言い方をしているので答えやすい方の言葉尻を捉えて回答するというプレイを演じていまして、布野さんは中々一筋縄ではいかないという感じっすね。

ちなみにその次に、

『(問) 金利が低ければ、必ずしも消費に結びつくとは限らないのではないか、ということに関してはどう思われますか。』

と質問し直していますが、

『(答) 消費も投資も金利だけが唯一のファクターでないのは明らかです。金利を下げたことが大きく貢献するのは間違いありませんが、その他の要素も当然あるわけで、民間の需要が喚起されるには、例えば予想物価上昇率の動向であるとか、様々なファクターが影響を与えると理解しています。』

という形でいなしてはいるのですが、どうも「金利が下がると効果がある」という執行部理論はそのままどっぷりと説明しているようでして・・・・・・・・・・・・


・設備投資に関する質疑はちょっとがっかり

『(問) (前半割愛)また、マイナス金利の効果についてですが、金利が 2 月に大きく下がりましたが、さらに下がることによって企業の設備投資が追加的に促されるのか、そこに疑問を持つ専門家がいます。委員が実際に企業経営に携わられた経験も踏まえて、さらに金利が下がることは設備投資を促せるのか、見解をお聞かせ下さい。』

『(答) (前半割愛)マイナス金利が設備投資を促すかどうかということですが、私は金利が下がれば、間違いなく設備投資を促すということを疑っていません。』

お、おう・・・・・・・・・・・・

『既に自己資本や自己資金の形でお金を潤沢に持っている会社は、借りないで投資をするので、そんなに影響がないかもしれませんが、今後の日本経済の潜在成長率を底上げしていくという観点で考えると、例えば、必ずしもお金を十分に持っていない若い方々や意欲のある起業家には、新しい時代を切り開いていただきたいという思いがあるわけで、そういう人達にとっては、現在の金融環境は、必ずやプラスであると思います。』

いやあのそういう方々の場合金利水準がどうのこうのよりもアベイラビリティの方が問題であって、借入金利が低いからよーしパパ起業しちゃうぞーという話にはならないと思いますし、金利を下げるだけではなく成長戦略が必要的な企業経営者としての知見を活かした議論を政策委員会の中でぶつけていただきたい所なんですけど・・・・・・・・・・

というメモだけ置いておきます。
 


お題「布野審議委員金懇デビュー戦は特段の独自色は出ていませんな」   2016/03/24(木)08:02:45  
  あらま。
[外部リンク] Business | 2016年 03月 23日 11:35 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
日銀の岩田副総裁が入院、腰部手術で回復に1カ月

なおあえてコメントはしないことにしておく。


○FOMCの中の人たちがバランスを取りに来ているのではないかと思う件

ブラードキター!
[外部リンク] 米セントルイス連銀総裁:4月利上げ検討を-物価と雇用見通しで
2016年3月24日 01:03 JST 更新日時 2016年3月24日 03:53 JST

と思ったらロイターによりますと、
[外部リンク] Business | 2016年 03月 23日 23:10 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
インフレ期待なお懸念━セントルイス連銀総裁=通信社

という話になっていて、ナンジャソラという感じでございますけれども、この前のFOMCで出した物件が市場に対してハトメッセージを強く与えてしまった、という結果になってしまったとFOMCの中の人たちが認識した結果、色々な人がバランスを取りに来ているのではないかと思うのですけれどもどうなんでしょうか。

まあブラードの場合は元々物価が上がったらホイホイタカ派になる人なので、コロコロドテンしてくるのは織り込んでおかないといけないのですけどね。

ちなみに(必ずしもカバーしていない場合がありますが)こちらを見ると直近のFOMCの中の人たちの発言がカバーできるリンク集になっておりますので、チェックを入れておくのがオヌヌメ(セントルイス連銀謹製)。

[外部リンク] でもって直近ポコポコ発言が出ているのですが、MPMにFOMCに諸々ということで連銀総裁講演を細かく読む所まで手がががががでございますが、ここはフォローしておかないとイカンですな。


しかしまあ何ですな、どうもこう利上げ着手前からそうなのですが、特に利上げの予定が狂ってあげられなかった場合が特にそうですけれども、FOMCで出てくるメッセージやイエレン議長の会見での話っぷりが市場に与えるインパクトが強くて、その後FOMCの中の人たちが調整発言するみたいな流れが発生するというのが、少なくともこれで2度目となっている訳で、どうもイエレン議長になってからの市場との対話が混乱とまでは言わないですけれども、ギクシャクした感じはしますなあと思います。



○布野審議委員のデビュー戦金懇挨拶はひたすら執行部ペースの後に成長力強化の話が出ます

[外部リンク] わが国の経済・物価情勢と金融政策
── 兵庫県金融経済懇談会における挨拶要旨 ──

ということで布野さんが何か独自色出してくるかと(かすかに)期待をしたのですが、まあ今回の金懇挨拶は政策とか見通しとかには見事に執行部ペースの話をしている感なので、執行部理論の確認という感じにしかならんなあという所です。


・リスク要因はおもに海外とな

最初が『2.最近の経済・物価情勢』なのですが、基本的に直近の展望レポートや声明文で示されている話を行っているのですが・・・・・・・・・・・

『(1)海外情勢』のケツではこんな話が。

『今後のリスク要因としては、中国をはじめとする新興国や資源国経済の動向に、引き続き不透明感が強いことに加え、資源価格下落の影響もあって、世界経済の成長ペースの不確実性があります。また、米国経済の動向やそのもとでの金融政策運営が国際金融市場に及ぼす影響、ヨーロッパにおける債務問題の展開や景気・物価動向、又、中近東などにおける地政学リスクなど、先行きのリスク要素は多岐にわたっており、幅広い視点から注視していく必要があると考えています。』

ということですが、その先にある『(2)日本経済・物価情勢』の部分と『3.経済・物価見通しを巡る主な留意点』についての中では先行きの留意点みたいな話はしているものの、「リスク要因」として明示的に説明しているのは上記の部分でありまして、国内要因に関してはインフレ期待の足元での低下というネタは勿論あるのですけれども、経済のリスクは海外ですよというのを強調するというパターンになっておりまして、自分の所の金融政策の効きが悪かったり副作用があったりするからという話はしたくない、という執行部の心意気を感じますな。


・でまあ留意点に関してを見るのですけど・・・・・・・・・・・

『以下では、こうした経済・物価見通しが実現していくに当たって私自身が注目しているポイントを含めて、経済・物価見通しに関する留意点をお話ししたいと思います。』

ということですが・・・・・・・・・・・

最初は『(1)雇用・所得環境』。

『まず、雇用・所得環境ですが、労働需給は着実な改善を続けており、雇用者所得も緩やかに増加しています(図表6、7)。雇用面では、労働力調査の雇用者数は増加しており、女性やシニア層の労働参加も高まっています。そのもとで有効求人倍率は着実に上昇しており、短観の雇用人員判断DIにおける人手不足感も強まっています。失業率も、振れを伴いつつも緩やかに低下しており、このところ3%台前半で推移しています。』

『先行きも、労働需給は着実な改善を続けていく可能性が高いとみています。賃金面では、特に、労働需給の影響を受けやすいパートの時間当たり名目賃金が、最低賃金引き上げの動きもあって、このところ改善が明確となっています。先行きは、労働需給が引き締まり、予想物価上昇率の高まりが明確になるにつれて、賃金には基調的な上昇圧力がかかっていくと考えています。』

『このような雇用面・賃金面の見通しのもとで、先行きの雇用者所得は、増加ペースを緩やかに高めていくとみています。もっとも、企業収益が高水準にある中、失業率が3%台前半まで低下していることとの対比でみると、これまでのところ賃金の改善の程度は幾分鈍く、労働分配率も低下傾向を続けている点には留意が必要です。』

とまあこんあ調子でして、せっかく産業界から審議委員に就任されているのですから、別に日銀執行部提案賛成マンなら賛成マンでも良いのですけれども、そうは言いましても産業界に長くいた人による視点で、執行部の示しているシナリオに対して別の視点からの点検を加えることによって委員会制、合議制の良さを生かすようにして頂きたい訳で、いやまあ布野さんが実際にそういう事をやっておられて金懇挨拶では別にその辺の独自主張をしないだけ、というのならばなるほどということになるのですけれども、外野で見ている方としては何かこうスパイスを少し入れて欲しいんですよねえと思うのでした。


それからここでは春闘とかベアの話が出て来ないというのもお洒落でして、基本今回の挨拶が執行部ベースであることを勘案致しますと、どうもベアが(2%物価目標の早期達成に対して見た場合に)明らかに期待外れモードになっている件についてはフェードアウトしてオトボケモードに入ろうとしているようですな。その前はずーっと春闘賃上げ春闘賃上げと連呼していたのですが、いざ都合が悪くなってくると別の話を始めて誤魔化しに掛かるものの、株安や円高が進むと泡を吹いて突然サプライズ狙いの追加緩和をする、というような流れでここから先も行く(となると実は4月展望レポートはしらっと下方修正するけど追加緩和をしないという流れになるのだが)のではないかと思わせてくれる所でもあります。


次が『(2)輸出動向』である。

『次に、輸出動向についてお話しします。輸出は、足もとでは持ち直しが一服しています(図表8)。具体的には、中国を含む新興国経済の減速の影響などから資本財で弱めの動きが続いているほか、IT関連ではスマートフォン関連が下振れています。但し、自動車関連は、基調的には生産拠点の国内回帰の動きもあって、米欧向けを中心に増加しています。先行きの輸出は、当面、新興国・資源国の期待成長率の低下や資源価格の低迷長期化、それに伴う素材・エネルギー関連の過剰設備の存在を踏まえると、下振れし易い状況にあり、留意が必要と考えています。』

『自動車関連は、先進国向けを中心に、しっかりとした増加を続けるとみられる一方で、資本財やIT分野は、新興国経済の減速の影響から鈍い動きとなり、持ち直しが一服した状態が続く可能性があります。今後とも、世界経済の動向を注視していきたいと思います。』

ということでこちらもまあ普通に普通の話。


・設備投資が実質金利の低下によって出てくるというQQE理論がですなあ・・・・・・・・・・

その次が『(3)設備投資動向』ですけど。

『次に、設備投資動向についてお話しします。企業収益が高水準で推移するなかで、設備投資は緩やかな増加基調にあります(図表9)。12月短観における本年度の事業計画をみると、新興国経済の減速にもかかわらず、設備投資計画は総じて堅調さが維持されています。』

『先行きは、々眇綵爐隆覿伴益、低金利や緩和的な貸出スタンスといった投資刺激的な金融環境、製造業による国内投資の積極化を背景に、緩やかな増加を続けると見込まれ、先行指標となる機械受注統計も緩やかに増加しています。』

つーても力強い話でもなんでもないと思いますし、この手の経済アセスメントの話を執行部がするときになると、とりあえず明るめの話は強調するのですけれども、肝心の「2%物価目標を早期に達成する」という点から考えた場合に十分に力強いのか、という件についての説明を避ける傾向にある(そらまあ足りないのだから避けるんですけど)のが日銀執行部系の説明での仕様になっていて、何ちゅうかこう目標対比の現実が足りないのならもっと緩和をするのか、それとも中長期的な方法(中長期目標でもローリングターゲットでも)にして無理の少ない方法でサステイナブルな緩和を行えよと思うのですけどねえ。

『これまで企業は、期待成長率の伸び悩みから、高水準の企業収益との対比で見て、抑制的な設備投資スタンスを維持してきたように窺われますが、今後、期待成長率が緩やかに上昇し、収益力も持続的に改善するもとで、投資スタンスは徐々に積極化していくとみています。もっとも、このところの国際金融市場におけるリスク回避の動きが、企業マインドひいては企業の設備投資姿勢に与える影響にも十分留意していく必要があると考えています。』

これはその通りだと思いますが、マイナス金利導入で実質金利が一段と下がると設備投資が出てくるという置物実質金利理論はどちらに???という感じですな。


・物価についての説明も鑑賞

次が『(4)物価動向』。

『次に、物価上昇率を規定する主な要因であるマクロ的な需給ギャップと予想物価上昇率について、お話しします。』

まあ基本的に執行部ベース何ですけどね。

『第一に、マクロ的な需給ギャップについては、輸出・生産の持ち直しを受けた製造業稼働率の上昇や労働需要の更なる改善などを反映して、改善方向に向かうとみています(図表10)。2016年度は、駆け込み需要による成長率の加速も見込まれるもと、景気拡大に伴う生産要素の稼働状況の高まりを反映してプラス幅を拡大していくと見込まれます。』

駆け込み需要の後の話は・・・・・・・・・???

『第二に、中期的な予想物価上昇率についてです。マーケット指標や各種のアンケート調査などをみると、このところ弱含んでいますが、企業の価格設定や家計の支出行動をみると引き続き、やや長い目でみれば、全体として上昇しているとみています。』

おお執行部モード。

『企業の価格・賃金設定スタンスには明確な変化がみられており、』

[外部リンク] 2016.3.16 22:22【28年春闘】ベア大幅削減、「世界のトヨタ」が決定打

・・・・・・・・・・・・いや何でもないです。

『消費者側も、雇用・所得環境の改善などを受けて、企業の価格改定の動きを受容していると思われます。』

お、おぅ・・・・・・・・

『労使間の賃金交渉においては、一昨年以来、企業業績や労働需給を反映して、賃上げの動きが拡がっています。先行きについても、実際の物価上昇率が高まっていくもとで、中長期的な予想物価上昇率も上昇傾向をたどり、物価安定目標であるプラス2%に向けて次第に収斂していくとみられます。』

という話なのですが、この辺は執行部の作文ではなくて産業界出身として何か一言頂きたかったのですけど・・・・・・・・・・

『なお、引き続き、原油価格の下落等の影響が、企業や消費者の物価見通しに与える影響については、十分に注意していく必要があると考えています。』

てな訳で、執行部が原油価格をどこまで言い訳に使えるのかというのも見ものではあります。


・でまあ金融政策に関して

『4.金融政策運営』の部分ですけれども、説明に関してはこれまた執行部通りなので大体割愛しても問題なのですが一応ちょっとだけ引用。

『この「量的・質的金融緩和」は、大規模な長期国債買入れによってイールドカーブ全体にわたって金利低下を促すとともに、プラス2%の物価安定目標に向けた明確なコミットメントとこれを裏付ける大規模な資産の買入れを継続することにより、企業・家計の投資・消費活動を活性化させていくことを主な波及経路としています。』

といつもの執行部説明が最初のQQEの所の説明に入っていますが、現実問題としてそれがサステイナブルに活性化できているのかという話は華麗にスルーであります。

『今年に入り、新興国・資源国経済に対する先行き不透明感や、金融市場の不安定な動きがみられていたところです。こうした動きを背景として、企業コンフィデンスの改善や人々のデフレマインドの転換が遅延し、これまで着実に改善してきた物価の基調に悪影響が及ぶリスクが高まっていました。このような認識のもと、日本銀行としては、こうしたリスクの顕現化を未然に防ぎ、プラス2%の物価安定目標に向けたモメンタムを維持するため、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を決定したところです。』

問題はそれを実施した後のMPM声明文で予想物価上昇率が弱含みになっているという認識を示すような結果になっている事のような気がしますが・・・・・・・・・・・・

『日本経済の将来のためには、長きにわたりデフレが続いてきた中で定着してしまったデフレマインドを払拭する必要があります。従って、現状では、金融緩和がもたらす様々な影響について目配りしつつも、プラス2%の物価安定目標の実現に向けて、金融緩和をしっかりと推進していくことが、より重要と考えています。』

ということなのですが、そもそも物価安定目標の実現に向けた政策手段として今のやり方ではない方法が無いのか、という話は存在しないのが今の日銀主流派クオリティ。

『プラス2%の物価安定目標への道筋は、なお道半ばにあります。こうした状況を踏まえると、今後も物価安定目標の実現をめざし、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を着実に推進することが重要と考えています。また、プラス2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現することが私どもの目標ですが、持続的かつ安定的に達成することを考えた場合、物価の上昇とともに賃金も増えていくなど、経済全体がバランスのとれた好循環を維持するなかで、物価目標を達成していく必要があると考えています。日本銀行は、今後ともプラス2%の物価安定目標の実現を目指し、「量」・「質」・「金利」の3つの次元の緩和手段をすべて動員して、しっかりと金融緩和を推進していきたいと思います。』

ということで、結局の所行っている手段の妥当性を考えるのではなく、薬が効いていないのは服用量が足りないからだ理論で引き続き敵の重武装したトーチカに白兵銃剣突撃を行う攻撃が続くというのは把握した。


・最後に成長力の強化という話が来るのですが・・・・・・・・・・・・・・・・

その次に『5.日本経済の課題』というのがありましてですね、

『次に、私なりに、より長期的な視点から、日本経済が置かれている状況を考えてみたいと思います。長きにわたりデフレが続いてきた日本経済が全体として取り組んでいくべき課題は、成長力の強化であると考えています。』

という話が始まりましてですね、

『わが国の潜在成長率は、日本銀行の推計によると「0%台前半ないし半ば程度」にまで低下しています(図表13)。潜在成長率が低下してきた背景には、\瀏投資の先送りによる資本ストックの伸び率低下、⊃邑高齢化や労働時間減少による労働投入の減少、イノベーションの停滞による生産性の伸び率低下、などが指摘されています。潜在成長率を引き上げるためには、こうした要素を引き上げる取り組みを着実に進めていくことが重要と考えています。』

という話になっておりまして、まあ以下の話はほーという感じではあるのですが、設備投資の部分を引用してみますとこんな感じです。

『第一に、設備投資については、企業は、将来を睨みながら品質基準や付加価値を見て厳しく選別したうえで、生産を国内回帰させる動きをみせているほか、同時に研究開発分野の拡充も進めています。』

そこには実質金利がマイナスだからどうのこうのという話が無いというのが(実際にそうなのだからこちらの話の方が妥当なのだが)お洒落ですね。

『グローバルなリスクに晒されている多くの日本企業は、リスクを管理しながら持続的に成長する為に、投資を複数の分野にバランス良く且つ戦略的に配分して、独自の競争力のあるサプライチェーンを構築していく過程にあると思われますが、そのもとで日本の重要性が再認識されつつあると見ています。即ち、「日本企業にとって日本でしか出来ないことがある」との見方が広まって来ていますので、こうした観点を踏まえた投資行動が、より積極化していくことを期待しています。』

何か後半の説明に謎感はありますが、せっかく産業界からボードに入って頂いたのですから「だからこそ実質金利をガンガン下げれば自動的に設備投資が出るものではない」という話をもっと政策委員会の場にぶつけていただき、実質金利を別に上げる事は無いにせよ、無理をして下げた場合には効果よりもそれ以外の弊害とのバランスを考えるべきではないか、的なお話をしていただきたいと思うのですけれどもねえ。

というような感じで鑑賞の巻でした。会見ネタは明日。
 


お題「社債買入ェ・・・・・・・・/中曽さんの講演をもう見てられないと言いつつ鑑賞/総裁会見ネタの虫干しメモ」   2016/03/23(水)08:05:09  
  ネタの後入れ先出しで誠に遺憾なアタクシです(すいません)。

○昨日は社債買入があばばばばー

昨日は社債買入があったのですが・・・・・・・・・・・

[外部リンク] 社債等買入 2,625 1,500 -0.251 -0.143 94.1

・・・・・・・・・・・orz

前回2月22日に実施したのが平均▲3.1bpの足切▲13.0bpだったのですが、今回はこれまた盛大にマイナスが深くなって(まあ一連の流れから順当ちゃあ順当ですけれども)しまいまして、いやもう何なんですかという水準になっておりまして、与信リスク取って金利払うんですよ良いんですかそれという感じではあります。

でまあCP買入もそうなのですが、そこまで特攻してマイナス金利を買いに行く政策的意味というのを考えて頂きまして、買入というのをやって頂きたい訳で、マネタリーベースを増やしたいなら国債(長期国債とか短期国債とか)でも買えば良いんじゃないですかねえとか思う訳ですが、この辺の点検というのをMPMではちゃんと行わないのでしょうかとかねがね疑問に思っておりますがどうなっているんでしょうかねえ。

しかしまあ何ですな、この調子で行きますとこの辺の買入系オペがとてつもないマイナス金利になって「それで良いのか」という話になると思われますし、まあそれ以前の問題として、そもそもマイナス金利が適用されている超過準備額がそんなに多くないのに、国債買入を含めて各種買入をマイナス金利でガシガシ買っていったら新規買入部分で逆鞘がドンドン拡大する(冷静に考えると基礎部分でプラス10bpの付利を未だに行っているので平均すると日銀の当座預金のコストってまだプラス金利ですからねえ)のですが日銀の財務は大丈夫なんですかねえ、というか出口でもないのに期間損益が問題になりだすと洒落にならんと思うのだが。


○という中でこれはもうお前は何を言っているんだレベルの講演キタコレ

CP買入がぶっ飛んで社債買入がぶっ飛んでいる昨今にこの講演が公表されるとか何というギャグとしか申し上げようがないのでネタの後入先出法(違)。

[外部リンク] 金融安定に向けた新たな課題と政策フロンティア
─非伝統的金融政策、マクロプルーデンス、銀行の低収益性─

マクロプルーデンスとか寝言は寝て言えとしか申し上げようがありませんし、お話をしているのが中曽さんということで、もう悪い冗談にしか見えませんので、読むのも無駄という感じですが、過去のちゃんとした中曽さんがどす黒くなるとどういう風になるのかというケーススタディとしてちょっとだけ確認しましょう。

・金融安定の重要性を唱えるなら今の政策との乖離is何??

冒頭から。

『物価安定と金融安定という責務を果たすために、我々、中央銀行は、次から次へと現れる新たな課題に対応していかなければなりません。私自身、セントラルバンカーとして、1990 年代と 2000 年代の金融危機への対処や、20 年近く続く日本経済のデフレとの戦いの中で、最前線で取り組んできました。』

ほほう。

『その際には、常に「金融安定の重要性」を強く意識し続けてきました。』

で現在は???????

『そこで、本日は、なぜ金融安定が重要であり、それに向けた新たな課題に対して、どのような政策設計を行っていくべきかという問題について、非伝統的金融政策、マクロプルーデンス、銀行の低収益性をキーワードに、論じてみたいと思います。』

ということで悪い冗談にしか見えないのですが、その次に資産バブル崩壊に関する話をしておりますがその辺は割愛してその結語部分に飛びます。

『こうした経験から、我々は、ゞ睛札轡好謄爐琉堕蠅老从僂了続的成長の基盤であること、∪在成長率の変化は金融循環の振幅を増幅し、金融システムの安定性に影響するということを痛いほど学びました。』

なのになぜマイナス金利という金融システム(広義も含む)に負荷を掛ける政策を実施するんでしょうねえ。

『マクロプルーデンスの視点が国際的に広く認知されるようになったのは、先般の国際金融危機以降だと思いますが、これに先立つわが国の金融危機以降の経験は、その重要性を十分に示唆しています。そして、私のセントラルバンカーとしてのマクロプルーデンス重視のスタンスは、この時の経験によるものです。』

>私のセントラルバンカーとしてのマクロプルーデンス重視のスタンス
>私のセントラルバンカーとしてのマクロプルーデンス重視のスタンス
>私のセントラルバンカーとしてのマクロプルーデンス重視のスタンス

・・・・・・・・・えーっとそのようなスタンスはどこに忘れて行ってしまわれたのでしょうか???マイナス金利導入以降のMPMのステートメントでは「必要な調整を行う」という文言が「追加的な金融緩和措置を講じる」と追加緩和先にありきの文言に代わっているのですけれどもあれはマクロプルーデンス重視のスタンスとやらとは背馳すると思うのですけれども中曽さんの所感を小一時間お伺いしたいものです。


でですね、

『次に、現在に至るまでの金融政策運営と、そのもとでのマクロプルーデンス政策の考え方についてお話しします。』

というのが次に有る訳ですが・・・・・・・・・・・・

『バブル崩壊後、潜在成長率が低下したことによって、日本では、金融政策運営のメルクマールとなる自然利子率も大きく低下しました(図3)。金融緩和とは、実質金利を自然利子率より引き下げることを意味します。名目短期金利に非負制約があると考えられるなかで、実質金利を引き下げるために、2013 年4月に導入した「量的・質的金融緩和」においては、次のようなブレークスルーを図りました。』

ということでQQEの話になるのですが、だったら直前の所で「∪在成長率の変化は金融循環の振幅を増幅し、金融システムの安定性に影響する」という状態となっている中で極端な金融政策ショックを与えるということは、従来以上にマクロプルーデンスに配慮した金融政策運営をしないといけない筈なのに、政策効果の点検も碌にしない中で「薬が効かないのならもっと飲めば良いじゃないか」とばかりに追加緩和は打つけど段々副作用の方が大きくなっている、という今の状況こそマクロプルーデンス重視のスタンスとやらを持って十分に点検すべきじゃないですかと思うのですけれどもねえ。

『今年1月に日本銀行が導入した「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」は、「量的・質的金融緩和」を一段と強化することで、企業や家計の経済活動をサポートし、2%の「物価安定の目標」を早期に実現することを目的としたものです。その効果波及メカニズムはこれまでと同様であり、実質金利をさらに押し下げることを狙いとしています。』

それまでも実質金利押し下げ政策を実施していて物価2%の達成がドンドン遅れていくし、日銀の言う基調的物価の方も怪しくなってきているのに同じ政策をより拡大するというのはマクロプルーデンスの面でどうなんでしょうかねえ。

『従来、金利の非負制約の存在は常識と考えられてきましたが、リクスバンクを含む欧州の複数の中央銀行がそうした制約を一定程度除去できることを既に実証したことは、こうした政策を導入する後押しとなりました。』

金利がマイナスに出来るからやってみた、というのは分かりましたが、問題はその実質金利引き下げが効果があるのかという話や、そもそも論としてマイナス金利が与える期待面へのデメリットとか、先行きの金融システムへの負荷とかそういう問題があるのではないかと思いますし(まだネタにしてなくてすいませんが)1月の政策導入時にその辺じっくり検討していたように見えないのですけどねえ。

『実際、マイナス金利導入後、イールドカーブは下方に大きくシフトし、銀行の貸出金利も低下するなど、金融環境は一段と緩和度合いを増しています(図4)。また、金融機関のポートフォリオ・リバランスの面でも、世界的な金融市場の不安定な動きなどの影響から減殺されている面はありますが、金融機関の外債投資などの動きも活発になってきています。』

金融機関が外債投資をすると何で「企業や家計の経済活動をサポートし、2%の物価安定の目標を早期に実現する」のか小一時間問い詰めたい。


・ということでやっと点検している話が出てくるのですが

『このように前向きな金融仲介の動きがみられるなかで、マクロプルーデンスの観点からは、その金融安定面への影響を注視していく必要があります。その際に重要なことは、“鷯錣亡墨妥な金融環境が金融セクターの過度なリスクテイクを通じて金融を不安定にしないかという「過熱方向のリスク」と、低金利による収益圧迫が金融機関の健全性やリスクテイク能力を減殺しないかという「収縮方向のリスク」の両面への目配りです。』

ふーん。

『現在、首都圏のマンション価格がバブル期のピークを超えるなど、一部で不動産取引が活発化していますが、不動産セクターのレバレッジが過度に上昇しているわけではなく、全体として金融面の「過熱方向のリスク」に大きな懸念はないとみています。』

それはマイナス金利を導入する前の話ですよね。

『金融セクターは、リスク量に対して充実した資本基盤と、相応に強いストレス耐性を備えており、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」のもとで、前向きのリスクテイクやポートフォリオ・リバランスを進めていく力は十分にあるというのが基本的な現状認識です。』

それはマイナス金利を導入する前の話ですよね。

『他方、非伝統的金融政策に特有の問題というわけではありませんが、金融緩和を継続するもとで、金融機関の預貸利鞘は長期にわたって縮小傾向にあり、収益の圧迫要因となっています(図5)。特に、非伝統的金融政策が実施される経済状況のもとでは、預金金利の下げ余地は小さくなっているため――預金スプレッドのバッファーはほとんど残っていないため――、追加的な金融緩和は利鞘を非線形的に圧縮する可能性があります4。』

はい。

『それでも、日本の金融機関が健全性を維持しているのは、金融緩和に伴う経済情勢の改善が、これまでのところ、貸出の増加や信用コストの減少、有価証券による投資収益の増加という形で、利鞘縮小の影響を補って余りある収益改善効果を金融セクターにもたらしているためです。したがって、「収縮方向のリスク」も現時点では小さいと考えています。』

これもまたこれまでの話であって今後の話はどうなっているのでしょうか????????

『「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」は、量と質の大胆な緩和を継続しながら、マイナス金利という強力なエンジンを付け加えた枠組みであり、金融システムに対して強い刺激を与えていくと考えられます。したがって、今後も、マクロプルーデンスの視点から、金融システムの状況についてしっかり調査分析していくことが重要です。』

でも弊害があったからと言ってマイナス金利撤回する訳じゃなくて追加緩和するんですよね???

『調査分析の一環として、日本銀行では、半年に一度、「金融システムレポート」を公表しています。このレポートでは、金融機関のリスク量と財務基盤のバランス、マクロ・ストレステスト、マクロ・リスク指標(いわゆるヒートマップ)など、様々な角度から金融システムの安定性を評価しています。こうした金融面での点検を中立的に行っていること自体が、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」への信頼を高めることに繋がると考えています。』

・・・・・・・・ちょっと何を言ってるか分からない。


・ワープして結論に飛んで置物執行部理論が健在であることを確認

でまあこの後もああだこうだとお話があるのですが、段々読む気も起きなくなって来るので割愛致しまして最後の結論部分。

『最後になりますが、潜在成長率の変化によって、金融政策やマクロプルーデンスの効果が左右され、物価安定や金融安定にも影響が及ぶとすれば、そのことは、中央銀行の政策設計思想にも、当然関係してくることになります。』

で?

『金融政策の面では、長引くデフレのもとで人々の予想物価上昇率が低下し、それと同時に潜在成長率も低下したことが、金融政策の有効性に対する制約となったことは否めません。この点、日本銀行は、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」により、2%の「物価安定の目標」を実現することを企図していますが、そのことは、デフレマインドの払拭と資本形成の促進を通じて、潜在成長力の引き上げにも資するものと考えています。』

ということなのですが、そもそも論として物価目標2%を安定的に実現するためには潜在成長率がゼロ近辺という状況の下では無理があるという話になっておらず、相変わらずの「潜在成長率や経済の成長力に関係なく2%物価目標は安定的に達成可能である」という2%はグローバルスタンダード(キリッ)の理論だけは何時まで経っても健在でありますなあという感じです。

・・・・・・・・でまあ何ですな、話がちょっとそれるのかもしれませんが、そうやって「金融政策のみで物価安定を達成できて、しかもその水準が一義的に定まっている」というロジックって中央銀行員からしてみると「中銀の政策が物価コントロールに対して万能である」という中銀万能論に繋がる理屈であって、それって自分たちの力が万能である、ということになりますので、そーゆー文脈で考えると中央銀行員にとって魅力的な考えではないかと思うのですよね。

それに対して麿路線までの場合、濃淡の差はあれども金融政策は必ずしも万能ではなく、その限界も考えながら運営していかないといけませんよねえという話だった訳で、それに対して今の執行部理論って日銀万能イェーイ!!って話な訳ですから、そういう点から考えると中曽さんがすっかり真っ黒クロスケになるのもにんげんだものと考えるとそうなのかも知れませんなあというお話。

いずれにせよ、「物価目標を達成すれば潜在成長率が引き上がる」という順序が逆ではないかと疑問符が百個ほどつくことをしらっと仰せである、という所を見るに、まあ今の政策を現実的に見直そうという話が執行部から出てくる為には人が変わらないと話にも何にもならんという事が良く把握できる講演なのでした。

そしてマクロプルーデンスの観点から昨今の各種買入オペの金利やら流動性が極端に低下してボラの上がりっぱなし状態になっている債券市場についての感想はどうなっているのかという話は永遠に出てこないだろうなあとも思うのでありましたとさ。



○そういえば総裁会見を碌にネタにしていなかったのですが(汗)ちょっとだけ追加

この前もちょっとだけネタにしましたが(汗)前回(金曜日)申し上げたようにそもそも会話が成立していないという代物なので・・・・・・・・・・・・

[外部リンク] ・大演説質問とその応答を確認

質問がまあ面白いのですが、こういうのは本来3人くらいが分けて質問をしないと中々良い答えにならないと思うのでもうちょっと何とかならんのかねとは思ったりもします。

『(問) 黒田総裁が就任されて 3 年経って、その間に金融緩和を 3 回行われたわけですが、私の理解では、一部とはいえ内容を撤回されたのは今回が初めてではないかと思います。MRFについてマイナス金利を適用しないということですね。』

『先程、マイナス金利は幅広くプラスの影響をもたらすと、国民各層に幅広くプラスの影響をもたらすとおっしゃいましたが、必ずしもそうではないからこそ撤回されたのだと思います。』

ニヤニヤ。

『そこで質問なのですが、なぜ 1 月 29 日の会合でマイナス金利を適用したときに既にやっておかなかったのか、その理由としては、そこまで検討する時間も余裕もなかった、いわば拙速だけどやってしまったという理由なのか、それとも思ったより金利がこんなに下がってしまって、ややびっくりした、あるいは国民各層からこれほど批判が出るとは思わなかったので、やっぱりちょっと引っ込めておこうと、それらの中のどれかなのではないかと思うのですが、どういう理由から 1 月 29 日にやっておかなかったのかということがまず 1 点です。』

そらまあ拙速だったんでしょうけれども。

『 次に、このように一部とはいえ撤回し始めると、例えば地方銀行であればメガよりも経営基盤が弱い、だからやめてくれ、あるいは信用金庫なども同じようなものだと思います。そういう各層からの撤回要望など出てくれば、その度に対応するのか、マイナス金利を掘っていけば一段とそういう声が強まってくると思うのですが、個々に対応していくのか──まるで消費増税に対する軽減税率の政治の迷走をみているような気もするのですが──、そういうことになるのかどうか。』

政治の迷走は余計ですがまあ言いたいことは理解できる。

『最後に、ここまで色々な方がおっしゃっているように、国民各層にはやはり不評だと。ただ、不評であっても日銀 1 人、日本の中で日銀 1 人がこれは良いものだと信じていれば、国民の支持がなくともマイナス金利をより深堀りしていくなど金融緩和をやっていくのであると、そのようなお考えなのかどうか、この 3 点お願いします。』

でまあこういう質問は賛成する訳は無いと思いますがその回答。

『(答) まず第 1 点については、ご指摘のいずれも当たらないと思います。』

は?

『私どもは、MRFについて、何がしかの影響が出る可能性があるということは考慮しており、その際どのような対応が必要かということも考慮していました。その上で、具体的にマイナス金利が適用になった後に、関係する業界団体等から様々な陳情、あるいはご意見がありまして、そういう方々と十分議論した上で、適切な対応をしたということです。』

そういうのを「泥棒を見て縄をなう」というのではないのでしょうか????????

『従いまして、これは「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」をより円滑に実施するために行ったものであり、撤回したとかそういうものでは全くありません。』

つまり撤回ではなく泥縄と。

『それから、他への波及云々ですが、先程始めに申し上げた通り、MRFは個人の株式投資など、証券取引において決済機能を担っているということでありまして、今回の措置はこうした実情にかんがみて、昨年の残高を上限に 0%を適用するマクロ加算残高の対象としたものです。今回の措置によって、ポートフォリオ・リバランスがよりしっかりと進展していくということを期待しているものであり、他の事情とは全く異なっていると思っています。』

MRFの機能を不全に追いやると証券総合口座の機能に影響が出てくるのですが、ポートフォリオリバランスという話はそれは金利とかでやる話じゃなかったでしたっけと思うのですが、預金金利のマイナスは無いという話と言い、事実上の現金課税をして強制的なポートフォリオリバランスをさせた方がリバランスそのものは進むんじゃないですかねえ(良い事とは思わないが)。

『最後の点につきましては、これも先程申し上げたように、マイナス金利というものはわが国では初めての経験でもありますので、様々な声が聞かれていることは認識しています。先程申し上げたように、金利が明確に低下しており、貸出の基準となる金利、あるいは住宅ローン金利もはっきり低下しています。金利面では政策効果は既に現れており、その効果が、今後、実体経済や物価面にも波及していくと考えています。そうした下で、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」についての評価もポジティブなものとして定まっていくと考えています。』

金利が下がって効果云々じゃなくてその先に行くかという話ですし、評価については全然ポジティブになってこないのですけどねえと思いますが、まあそこはどう思うかの話だからこう言うんでしょうなあ。


ということで総裁会見の一部鑑賞でした。マイナス金利導入のMPM議事要旨ネタが遅れてすいません(汗)。
 


お題「さあ本日は国債償還ですよ(市場雑談メモ)/イエレン会見ネタでありまする」   2016/03/22(火)08:02:58  
  花粉の野郎が実にケシカラン状態で(それを言い訳に)連休中の更新もできませんでしたけれどもどうしたら良いでしょう???

○色々と債券市場が悲惨なことになっている件について

何はともあれ金曜はオペデーでしたのでメモメモ。

金曜のオペオファー
[外部リンク] 国債買現先 5,000 2016年3月22日 2016年3月23日
国庫短期証券買入 17,500 2016年3月23日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 4,000 2016年3月23日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 4,200 2016年3月23日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,600 2016年3月23日
国債買入(残存期間25年超) 1,800 2016年3月23日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 20,000 2016年3月18日 2016年3月22日

ということで色々とあったのですが・・・・・・・・

・朝から謎の国債現先オペオファー

最初に打ち込まれた国債買現先

国債買現先 5,000 2016年3月22日 2016年3月23日

というのが朝から謎の一発にも程があるオペレーションでした。

えーっとですね、22日は国債発行要因があるのでGC市場でのファンディングニーズがあるのはその通りで、暫く前まで▲10とかでやっていたGCの金利が若干上昇していましたのですが、それは国債発行要因によるものであって、現実問題としてそこのGC金利上昇が短期市場における金融環境の引き締まりによって発生しているものではなくて、短国の金利とか中短期の国債の金利とかはご案内のように木曜の短国入札が強くなっていたことに示されるように、短期市場の需給は寧ろタイト化が進みつつある(22日以降のキャッシュ潰しニーズがあるから)という状態になっている訳でして、そういう中で国債買現先オペを打つ意味が1ミリも理解出来ないのですが何なんでしょ。

まあ当然ながらこんな中で国債買現先オペを打つもんだからその後の輪番結果(この次に出ます)との合わせ技で「日銀が短期金利が一段と低下するように促したから輪番オペにも影響して債券市場が壊れた」という評価がたぶん市場のあちこちで言われている(らしい)ようで、金曜の債券市場は日銀のオペが能動的に壊しに来ましたなあというような風情になっているのがクソワロタというかワロエナイ。

国債買現先オペを打つ理由として考えられるのは幾つかあるのですが、(1)固定金利オペや貸出支援オペが全然伸びなくてMB達成のうちの短期部分がキツくなっており、短国買入についても短国が海外の買い意欲が強くなってきて(国内は知らんが基本としては担保等のモノとして必要な部分だけは買いが入るでしょうがマイナス金利ですからねえ)結構しんどいという状態の中、国債買現先ならばマイナス金利で資金供給できるから資金供給の補完ネタで使えないかなあと考えて期末対策を実施、(2)単にGCレートが上昇(と言ってもマイナス)してきたのでオペを打ってみた、(3)能動的に短期金利下がれーというメッセージを出したかった(理由は債券市場の金利を一段と下げたいのか為替がらみか)、位しか思い浮かばないのであります。

でもって(1)の固定金利代替ですけれども、そらまあ超過準備の政策金利水準(▲0.10%)よりも相応に低い金利であれば札は一応入ると思うのですが、T/Nのオペを朝イチに打ってもファンディングの基本的な部分は終了している訳でして、金曜の22日みたいな資金需要のありそうな時ですら(後に述べるように)碌な札が入らないのですから、まあこれで期末の数字を作れると思う時点でちょっとちょっとという感じ、(2)GC金利上昇抑制の積りでやっているのならば、要因が単なる国債発行日要因の需給であるのに打つのはセンスなさすぎで、この要因が例えばカウンターパーティーリスクへのリスクプレミアムが拡大する、というような形でのリスクプレミアム拡大によるものであれば、ファイナンシャルコンディションの悪化に対応するための現先オペというのは妥当なのですけれども、GC金利上昇の背景となっているものが何なのか把握しないのか出来ないのかと小一時間問い詰めたい所です。余談ですがかつてリーマンショックの時にGCやら現先やらのレートがカウンターパーティーリスク削減とかでドンドン上昇する中で盛大に放置した結果として短国やCPなどの金利が上昇(社債のスプレッドも拡大)することになり、最終的にCPや社債の買入オペを実施する破目になったという事案もあって、市場価格のヒアリングするならその背景についてもちゃんと考察して頂きたいと毎度思うのでありますけどねえ。なお(3)の意味で何かやったというのならまだ分かるがそういうのはオペではやらないんじゃなかったでしたっけ???????

とまあそういう訳で非常に訳の分からんオペでしたが結果。

[外部リンク] 国債買現先(3月22日スタート分)* 6,518 3,848 -0.200 -0.120

* 応札レート(期間利回り)-0.30%以下は不採用としました。

・・・・・・・・そら札が入らんわなと思いますが、足切が▲0.20%なのに『* 応札レート(期間利回り)-0.30%以下は不採用としました。』ってクソワロタとしか申し上げようがない訳で、これはつまり▲20の次に入った札が▲30でその次は▲40とか▲50とかオモシロレートになっていたという事だと思われますが、入れる方の足元の見方が実に素敵で大変に素晴らしいとしか申し上げようがない。しかしこの▲30は入れさせないというのも良く分からんですよね。

確かに札を途中で切るのは裁量で可能ということになっているのですが、国債買現先オペで出来上がり金利を政策金利マイナス20bpで切る(入れさせない)んだったらそもそも論としてCP買入とか何であんな出来上がり金利まで落札しているのかと小一時間問い詰めたい(ちなみに想定問答としてはCPの場合は買入残高目標があるから)訳ですし、そもそもこの▲30bpという切る水準の意味もさっぱり分からん。

なお、役に立たない豆知識として申し上げますと、昔昔その昔に利上げをした日に資金吸収オペを(利上げアナウンス後に)即日実施したという事例があったのですが、この時は貸出ファシリティ(ロンバード金利)を資金吸収の上限にしていた(それ以上の金利で資金吸収をするとロンバードとの裁定が効くから)という事で即日変更後のロンバード金利(当時0.75%)で足切をした、というのはありましたが、この時はまあ足切をする意味も分かるので特に違和感は無かったのですが、今回ってそもそもが政策金利よりも低い水準での資金供給を行い、当座預金との裁定を効かせてくるのを前提にしている筈なのに▲30で切ってくるというのもさっぱり意味が分からない訳で、何ちゅうかこう実に?????なオペでございましたし、たかだかT/N5000億円の国債買現先オペでこれだけ能書きを申し上げるアタクシも大概に何が何だか分からんオッサンですな(笑)。


・短国買入は増額

短国買入は1.75兆円でオファーされていまして、これは元々(資金需給見込みを見た段階で)想定されていたよりも多いオファーになっていますが、固定金利オペが落ちまくっている現状を考えたらまあ打ち込まれるよねと思われた上に、新発はまだ残っているのでこちらに関しては順当ちゃあ順当ですが、短国買入も増額ですねえこのキャッシュが余ってくる22日を控えてという事で、本日からの市場がどうなるのかがオソロシ庵ではありまする。

なお結果は
国庫短期証券買入 38,397 17,503 -0.004 0.007 89.7

ということでこちらはまあ足切が強かよとは思いますがこんなもんでしょ。


・輪番が爆発

でもって輪番オペ結果

国債買入(残存期間1年超3年以下) 7,632 4,001 -0.048 -0.033 53.2
国債買入(残存期間3年超5年以下) 11,250 4,202 -0.044 -0.033 34.5
国債買入(残存期間10年超25年以下) 3,503 2,600 -0.147 -0.060 5.8
国債買入(残存期間25年超) 3,558 1,800 -0.240 -0.135 85.0

ということで中期の輪番も大概に強いのですが、何が強いと言って超長期輪番2発の方が盛大に流れまして、足切レート水準って20年カレント入れると0.30%割れですし、30年カレント入れると(なお30年カレントはSCレポが爆発しているので入れられない模様)だいたい0.35%ですよ先生という結果でございまして、その後債券市場が爆発したのは言うまでもありません。

一時20年カレントとか輪番足切水準まで強くなっていてナンジャソラと思いましたが一応その後少し押し戻されたというものの、20年カレントは▲8.5の0.345%で0.35割れ、30年カレントは▲14.0の0.455%、中短期も現先オペの余波もあって強くて2年が▲2.0の▲0.220%で5年が▲3.5の▲0.220%と2年5年のイールドが同じになっておりますし、10年カレントも▲4.5で▲0.100%とまたまた政策金利にコンニチワということになっております。

てな訳で、22日の国債償還金着金を前にこの有様という市場になっておりまして(もちろん22日の償還再投資を織り込んだ動きがあるからでもあるのでしょうが)、これはヒドスというか何というかで、朝一の国債買現先から始まって債券市場を盛大に爆発させにいっているオペレーションという状態になっておりまして、この調子でやっていったら思いの外早くに債券市場がゴーストタウンというよりは世紀末救世主伝説状態になって、一部の超短期的な投機的なプレイがヒャッハーヒャッハーと言いながらモヒカンでバイクに乗って暴れまわる中で世紀末救世主は残念ながら出てこないので債券市場カオス状態となって善男善女の方々はドンドン去っていくという姿しか想像できません、ナムナム。


とまあそんな市場で大丈夫かとしか申し上げようがない。


○順番が逆になりますがFOMC会見のイエレンさんの最初の説明部分を見ると確かにこれはハト

[外部リンク] Transcript of Chair Yellen’s Press Conference
March 16, 2016


・海外経済の見通しガーが多い言い訳

『CHAIR YELLEN: Good afternoon. Today, the Federal Open Market Committee decided to maintain the target range for the federal funds rate at 1/4 to 1/2 percent. Our decision to keep this accommodative policy stance reflects both our assessment of the economic outlook and the risks associated with that outlook. The Committee’s baseline expectations for economic activity, the labor market, and inflation have not changed much since December: With appropriate monetary policy, we continue to expect moderate economic growth, further labor market improvement and a return of inflation to our 2 percent objective in two to three years. However, global economic and financial developments continue to pose risks. Against this backdrop, the Committee judged it prudent to maintain the current policy stance at today’s meeting. I will come back to our policy decision momentarily, but first let me review recent economic developments and the outlook.』

ということでお話が始まるのですが、冒頭で早速「global economic and financial developments continue to pose risks」とか言ってまして、国内要因というよりも海外要因ですよあと金融環境ね、という話をしているのが特徴なのですが、これ言い出すと政策反応関数が分かりにくくなってしまうのであまり良い傾向とは思えないのですけどねえ。


でもって労働市場は強いという事を説明していまして、内容も良く成って居るという話をしているのですが、ただ例によって例のごとく「改善の余地はある」という話をしております。その辺は割愛して。


・全体的にはいつもの話

『The improvement in employment conditions so far this year has occurred as economic growth appears to have picked up from the modest pace seen in the fourth quarter of last year. Household spending is expanding at a moderate rate, supported by continued job gains and increases in inflation-adjusted incomes. In contrast, business investment has been weak, in part reflecting further reductions in oil drilling as a result of low oil prices. Net exports also remain soft as a consequence of subdued foreign growth and the earlier appreciation of the dollar. Looking ahead, the Committee expects that, with gradual adjustments in the stance of monetary policy, economic activity will continue to expand at a moderate pace and labor market indicators will continue to strengthen. 』

全体的な話としてはあまり変わった話をしていなくて、雇用環境と家計は堅調、企業投資は原油価格の影響が出ている、海外とこれまでのドル高のせいで輸出が弱いという話をしております。

『Ongoing economic growth and additional strengthening in labor market conditions are important factors underpinning the inflation outlook. Overall consumer price inflation--as measured by the price index for personal consumption expenditures--stepped up to 1-1/4 percent over the 12 months ending in January, as the sharp decline in energy prices around the end of 2014 dropped out of the year-over-year figures. Core inflation (which excludes energy and food prices) has also picked up, although it remains to be seen if this firming will be sustained. In particular, the earlier declines in energy prices and appreciation of the dollar could well continue to weigh on overall consumer prices. But once these transitory influences fade, and as the labor market strengthens further, the Committee expects inflation to rise to 2 percent over the next two to three years. 』

物価に関しては別にノリノリではないけれども、まあ足元上がってきているせいもあるのか淡々とした感じですが・・・・・・・・・・


・インフレ期待の低下を懸念している感はある

『The Committee’s inflation outlook rests importantly on its judgment that longer-run inflation expectations remain reasonably well anchored. However, the stability of longer-run inflation expectations cannot be taken for granted. Survey-based measures of longer-run inflation expectations are little changed, on balance, in recent months although some remain near historically low levels. Market-based measures of inflation compensation also remain low. Movements in these indicators reflect many factors and therefore may not provide an accurate reading on changes in the inflation expectations that are most relevant for wage and price setting. Nonetheless, our statement continues to emphasize that, in considering future policy decisions, we will carefully monitor actual and expected progress toward our inflation goal.』

ということで市場のインフレ期待が低下している件に加え、賃金や価格の設定動向を注視したいという結構それは地雷なんですけど言うかねえという部分を言明しているので、ここは実際の動きが弱くなると利上げパスがどーんと遅れるというネタなので要注意。


・海外経済ガーキタコレ&金融環境の話がそれはちょっとという件

その次がSEPの話ですがそこは割愛しましてその次。

『Since the turn of the year, concerns about global economic prospects have led to increased financial market volatility and somewhat tighter financial conditions in the United States, although financial conditions have improved notably more recently.』

ということでファイナンシャルコンディションタイト化キタコレなのだが、それって「自分の尾を追う犬」となるリスクがあって、市場の増幅を却って高めるネタなのだが・・・・・・・・・・・・・

『In addition, economic growth abroad appears to be running at a somewhat softer pace than previously expected. These unanticipated developments, however, have not resulted in material changes to the Committee’s baseline outlook. 』

でもってその理由が・・・・・・・・

『One reason for this is that market expectations for the path of policy interest rates have moved down, and the accompanying decline in longer-term interest rates should help cushion any possible adverse effects on domestic economic activity. 』

いやいやそれは言っちゃあマズイでしょという話で、市場の見る政策金利パスが下がったので市場のボラ上昇による金融環境の悪化のクッションになったという説明って、要は市場が状況が悪くてFEDの元々想定している金利パスが困難になってきたという動きになっている訳ですから、それをポジティブな要因とか言っちゃうのはこれまた「市場に振り回されるFED」っぽい話で、ハト派は大喜びですけれどもコミュニケーションポリシーとしてはちょっとダメな感じがする。確かにそれはそうであっても言及すべきではなかったと思う。

『Indeed, while stock prices have fallen slightly since the December meeting and spreads of investmentgrade corporate bond yields over those on comparable-maturity Treasury securities have risen, mortgage rates and corporate borrowing costs have moved lower. Of course, the Committee will continue to monitor these developments closely and will adjust the stance of monetary policy as needed to foster our goals of maximum employment and 2 percent inflation. 』

株が下がってスプレッドが拡大しているけれどもモーゲージ金利や企業借入コストは低下しているとな。


・でもって最後に金融政策だがこれはハトチックに読めます罠

『Returning to monetary policy, as I noted earlier, the Committee decided to maintain its target range for the federal funds rate. This decision partly reflects the implications for the U.S. economy of the global economic and financial developments I just mentioned.』

ということで海外ガーとファイナンシャルコンディションガーである。

『In addition, proceeding cautiously in removing policy accommodation at this time will allow us to verify that the labor market is continuing to strengthen despite the risks from abroad. Such caution is appropriate given that short-term interest rates are still near zero, which means that monetary policy has greater scope to respond to upside than to downside changes in the outlook. 』

金利の引き下げ余地が少ない→ショックに対する緩和の余地が少ない→緩和的な政策を継続しておいた方がお得(引締め余地は大きいので)という話でこれまたハトチックというかハト系のFEDのメンバーがお話をよくするポイントをここでプレコンでもしてくるという攻撃。

『As we indicated in our statement, the Committee expects that economic conditions will evolve in a manner that will warrant only gradual increases in the federal funds rate. The federal funds rate is likely to remain, for some time, below levels that are expected to prevail in the longer run. This expectation is consistent with the view that the neutral nominal federal funds rate--defined as the value of the federal funds rate that would be neither expansionary nor contractionary if the economy was operating near potential--is currently low by historical standards and is likely to rise only gradually over time.』

緩和的な政策を継続という話の中で中立金利(長期的ではなく足元の)水準が低い状態ですという認識まで登場させております。

『The low level of the neutral federal funds rate may be partially attributable to a range of persistent economic headwinds that weigh on aggregate demand, including developments abroad, a subdued pace of household formation, and meager productivity growth.』

というのが理由だと。

『There is considerable uncertainty regarding the evolution of the neutral funds rate over time. However, if these headwinds abate, as we expect, the neutral federal funds rate should gradually move higher as well.』

ということで、将来的には中立金利が徐々に上昇するとは言ってますが、上記にありますように海外ガーというのが入っていたりして、まあハトチックですなあという感じです。

以下の部分はSEPの金利見通し、金利正常化はプリセットコースではない、判断は毎回の会合で行う、資産買入については当面残高を維持し、それが下振れリスク対応にもなっている、という話をしていますが割愛します。
 


お題「業態別当座預金とか固定金利オペとかCP買入とか/総裁会見はコミュニケーションが成立していない件について(メモ)」   2016/03/18(金)07:45:29  
  追加緩和すると消費増税が先送りになりますなあw
[外部リンク] 首相、消費増税先送り検討…経済減速に配慮
読売新聞 3月18日(金)3時12分配信


○色々と市場メモ雑談

・業態別当座預金

ご案内の通りですが。
[外部リンク] 業態別の日銀当座預金残高(2月)

こちらからエクセルで落としてきますと、まず業態別の表を見た場合ですが、思いっきり見れば分かりますように、全体の当座預金が3.2兆円増える中で、減少している所と増えている所があるという図ですな。

でもって増えているのが信託銀行(+8.3兆円)その他当座預金取引先(+1.4兆円、ただし証券は殆ど動いていません)となっていまして、一方で減っているのが都市銀行(▲2.4兆円)、外国銀行(▲1.9兆円)、その他準備預金適用先(▲2.9兆円)となっています。

[外部リンク] コール市場残高(2016年2月)

[外部リンク] コール市場残高(2016年1月)


末残出し手の方でみると・・・・・・・・・・(上が2月で下が3月、左が有担、右が無担)

信託    14,800 18,273
(うち投信)5,426 10,863

信託    127,062 31,405
(うち投信)24,199 30,805

末残取り手の方でみると・・・・・・・・・・・・(同様)

都銀等* 87   1,000
地銀  1,786 10,070
信託  875  13,943
外銀   0   850

都銀等 27,322 20,382
地銀 5,955 14,646
信託 2,575 14,483
外銀 0 860

とまあそういう事になっていまして、信託の有担保、無担保コールが落ちた分が思いっきり超過準備拡大に跳ねていて、減っているのは特に都市銀行という結果でして、ここの部分はIOERのアーブが発生していた分が無くなった(超過準備付利が無くなったから)ので都市銀行の取りが無くなって、コールの金利がマイナスになってしまって運用不能になってしまった資金を残さざるを得なくなってしまったというバランス関係になっている訳ですな。

ちなみに有担保コールについては市場残高が盛大に落ちておりまして(無担保よりも落ち方が盛大)、これは国債等を担保にしてファンディングして同じくIOERでアーブをするというのがワークしなくなった為にドロップしていると思われるのですが、この数値に関してはコール市場残高の1月と2月の出し手と取り手の明細を見ながら考えるとある程度の想像は付くのですが、実際にはこれ以外の所の数字も見ないと全貌が分からないと思われるのですけれどもその辺についてはちょっと割愛しておきます。まあ短期のデスクの人にでも質問してくらはいとは思います。


でもってもう一つのタブ。

(参考)付利の対象となる当座預金残高(当月16日〜翌月15日の平均残高、適用金利別)1

の方ですけれども、「マイナス金利適用残高」の数値を見ますと2月の時点で出ていた業態別当座預金残高の際に出ていた試算値対比でどう変わったか(前の月のはアタクシが手元で保管していたものと比較しますので一応正確な積りですけれども違っていたらすいません)と言いますと、

マイナス金利適用残高が減っている先:都市銀行▲1兆、外国銀行▲2兆、その他準備預金適用先▲3兆、準備預金制度非適用先▲1.1兆
マイナス金利適用残高が増えている先:信託銀行+7.6兆

ということになっておりまして、結局の所最初に起きているのはコール市場が大きくシュリンクしたことにほぼ整合的なデコボコが生じることになった、というお話だったというメモでした。


・オペェ・・・・・・・・・・・・・・

昨日のオペオファー(除く補完供給)
[外部リンク] CP等買入 5,000 2016年3月23日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 8,000 2016年3月22日 2016年4月4日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2016年3月22日 2016年7月1日

オペ結果
[外部リンク] 共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(4月4日エンド分) 4,600 4,600
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(7月1日エンド分) 220 220
CP等買入 6,088 4,993 -0.385 -0.194

まず共通担保オペですが、マイナス金利になってからこのかたロールが落ちまくっておりまして、そらまあゼロ金利でも要らんわなとしか申し上げようがない(だって余計に資金を取ったらマイナス金利適用に食い込むんですから)訳で、こんなオペ落とすわなと思われます。今回は固定金利オペの期間を一本短いのにして(2週間物とか昔のオペみたいですね)札が入るように工夫をしたようですが、落ちが1.1兆円(うち1兆が昔のシグナルオペの成れの果て)あってロールが4820億円という結果になっておりますし、しかも足が短い期末越えの所しか札が入ってこないという有様。

そらまあ余計に金をとったらマクロ加算残高を食いつぶしてしまいますし、政策金利残高だって適用金利をこれからも必要なら下げますとか総裁が言う中ですからオペ先的にはそら資金取らんわなという話ですが、この調子でドンドン固定金利オペがドロップすると短国買入を増やして短期オペの資金供給額を調整しないといけなくなるんですよね・・・・・・・・・・

ということで昨日の短国入札結果

[外部リンク] (3)募入最低価格 100円02銭4厘0毛(募入最高利回り)(-0.0973%)
(4)募入最低価格における案分比率 79.0420%
(5)募入平均価格 100円02銭5厘3毛(募入平均利回り)(-0.1025%)

となっておりまして、前週が▲0.0902%/▲0.0802%だったので、金利はちゃっかりと低下して平均がマイナスチャージよりも低い(ほぼ同じですが)マイナスになりましたが、これは22日発行ということで期末残高調整の対応とかもありますでしょうが、ここに来て固定金利オペが盛大にドロップしているので、残高調整の為に短国買入にしわ寄せがやってくるという今後の見通しというのもあるでしょうなあとか思うのでした。なお昨日は2年も妙に強くなっていましたけれども、この辺りの話と関連しているのかは知らん。


さてもっとアレなのはCP買入でしてですな・・・・・・・・・・・・・

(再掲)
[外部リンク] CP等買入 6,088 4,993 -0.385 -0.194

お、おぅ・・・・・・・・・・

えーっとですな、2月24日のCP買入が▲3.7bp/▲29.8bp、前回3月7日のCP買入が▲10.9bp/▲19.8bpと成って居た訳ですが、今回は5000億円の買入予定に対して6088億円しか札が無くて結果は前回の足切レートレベルが平均になるということで、▲19.4bp/▲38.5bpとか何ちゅうハチャメチャなマイナスレート買っていますねんとしか申し上げようがないのですが、恐ろしい事に今月はCP買入がもう一発予定されていて、しかもその買入受渡日が3月末に設定されています(3月末に満期になるCPが多いから残高調整のためには仕方ないのだが)ので、次回こそこれは札割れとか足切レート夢の▲500bpとか▲1000bpとかいうようなオモシロレートになってしまうのでしょうかと今から頭がクラクラします。

ということで、このCP買入ほど今更何のためにやっているのかさっぱり意味が分からないオペレーションでございまして、1回始めたオペについて何の検証もしないままダラダラ続けるとかプルーデンス的な意味でも良く分かりませんのですが、もう少し物事を考えて頂きたいものであると存じます。


○総裁会見がもはや問答の体をなしていない件について

イエレン会見ネタとか色々と積み残しネタがある上に時間の関係上本日は途中までなので、まあ連休もあるしちゃんと整理整頓しておきます(きっぱり)。

[外部リンク] ・インフレ期待について

『(問) マイナス金利政策を導入してから 1 か月が経つわけですが、先程の総裁のご発言ですと、実体経済へこれから波及していく、これからポジティブな評価も出てくるのではないかということで、実体経済への波及という意味ではまだポジティブな効果が出切っていないということだと思います。当初導入した時、人々の物価観であるとか、企業のマインドの委縮であるとかを止めるところに狙いがあったと思うのですけれども、そういう意味では、何らか効果が出ているのでしょうか。もし効果が出ているのであれば、もう少し期待インフレ率が上がっても良いような気がするのですが、このところ弱含んでいるということで、なかなかそういうところも効果が出ていないのではないかという気がするのですが、その点についてお考えをお願いします。(後半割愛)』

という質問に対する答えなのですが・・・・・・・・・・・・・・・

『(答) 「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を、前回の金融政策決定会合で決定した際にも申し上げましたが、年初来、原油価格の下落が続き、あるいは中国経済その他新興国経済に対する不透明感など様々な要因から、市場がかなり動揺していました。そうしたもとで、企業のコンフィデンスの改善あるいは人々のデフレマインドからの転換が遅延してしまうリスクがあると考えて、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入しました。』

そんな能書きは要らん。

『その後の経過をみると、先程申し上げた通り、実質金利がかなり大きく低下していますので、今後、設備投資や住宅投資等にポジティブな影響が出てくると考えています。』

は?

『そうしたもとで、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」導入後も、国際金融資本市場は動揺が続いていまして、特に原油価格もさらに下落するとか、新興国経済に対する不透明感も続くとか、色々なことがあったわけですが、最近に至って、ご承知のように市場もやや――完全にではないと思いますけれども――落ち着きを取り戻しています。その背景には、原油価格も 35 ドルを上回るような状況になってきているとか、中国経済その他の不透明感も和らいできていることなどもあったと思います。』

全然関係ない。

『また、G20のコミュニケにおいてかなり明確に、世界経済の「回復を維持・強化する」、そのために「金融、財政及び構造政策を個別にまた総合的に用いる」としたことも、ポジティブに影響したのではないかと思います。そうしたもとで、先程来申し上げている通り、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の効果が実体経済に波及していくと考えていますが、もちろんその波及状況をよくみていかなくてはならないと思っています。』

インフレ期待が下がっているという認識についての説明が皆無。

『ある程度の期間はかかるとは思いますが、従来の「量的・質的金融緩和」が実体経済に対する効果をもたらしてきたように、』

だったら何で2年で2%達成していないのでしょうか???

『今回の「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」も、実体経済にプラスの影響をもたらすと考えています。(後半割愛)』

全く答えになっていない・・・・・・・・・・・


ということで追加の質問。

『(問) 先程の質問で、インフレ期待の部分について、あまり明確にお答えがなかったので繰り返しで恐縮ですが、マイナス金利導入以降のインフレ期待の動きを、今どのように評価されていますでしょうか。また、マイナス金利政策のインフレ期待に与える影響・効果を、他の政策との違いという観点も含めて教えて頂ければと思います。(後半割愛)』

『(答) インフレ期待につきましては、先程もごく概括的に申し上げましたが、予想物価上昇率の指標としては様々なものがありまして、各種のアンケート調査や物価連動国債を用いたBEIなどの指標だけでなく、企業の価格設定スタンスや家計の支出行動も、予想物価上昇率の変化を反映するものだと思います。』

能書きは要らん。

『このうち、企業の価格設定スタンス、あるいは家計の支出行動につきましては、先程申し上げたように生鮮食品、エネルギーを除いた消費者物価の前年比上昇率は 28 か月連続プラスで、最近では+1%を超えるところまで上昇していますし、企業の価格改定の動きも進んでいます。』

最近伸びが鈍化してきてるだろ。

『従いまして、予想物価上昇率はやや長い目で見れば全体として上昇しているとみられるという判断に変わりはありません。ただ、アンケート調査や、特にマーケット指標などは、年明け以降の原油価格の一段の下落の影響などを受けて、このところ弱含んでいますので、このような動きを踏まえて公表文の表現を修正したということです。(後半割愛)』

マーケット指標が弱含んでいるのは最近の話じゃなくてもっと前からの話なのに急に持ち出すとかインチキ説明にも程があるのですが、まあ一事が万事のこの調子で読んでいて血圧が上がる会見だわこりゃというか、質問してる方ももっと吊るし上げにしろよふざけるなという風情が益々強まっているコミュニケーション崩壊状態ではございますので、時間の関係上続きは後日(できれば連休中に更新しますがその場合週明けの駄文のケツにつけておきます)ということで(怒)。
 


お題「寝起きでFOMCだが市場の反応が(あたくし対比)思ってたより大きいですの」   2016/03/17(木)07:53:01  
  えーっとあの年金アロケーションの専門家だった筈のタカ&トシ先生はいつの間にか米国金融政策の専門家になっているのでしょうか>モーサテ

#ああやってホイホイ乗換が出来て、それで涼しい顔をできるような面の皮と心臓があれば人生楽しいだろうなあとそんな才能の無い小市民のアタクシは思うのでした

#なお、FOMCと全然関係ないですが、昨日話題を攫っていたのは業態別当座預金残高でしたので、まあそこの超過準備推移とマイナスチャージがどこでどう食らっているのかをぜひ鑑賞して下さいませ

○FOMCは市場の反応がアタクシ的には想定以上でして・・・・・・・・・・

例によってFOMCの時は公表文書を先に読んで(他を見ないで)から市場のプライスアクションを確認するのですけれども、ドル安が盛大に進行していて金利が下がっていたようでして、えーっと米国金利市場とかの織り込みって利上げ良くて2回うっかりしたら1回とかになっていた筈だったのにそういう反応なのかとふーんと思うのでした。

ということで声明文。

[外部リンク] ・第1パラグラフ:

『Information received since the Federal Open Market Committee met in January suggests that economic activity has been expanding at a moderate pace despite the global economic and financial developments of recent months.』(今回)

『Information received since the Federal Open Market Committee met in December suggests that labor market conditions improved further even as economic growth slowed late last year.』(前回)

今回は景気の現状判断について「expanding at a moderate pace」と格上げになっておりまして、その一方で海外景気と金融動向についてはdespite以下にわざわざ記載されるように(懸念としての)格上げになっています(後でもこの部分は示されます)。



『Household spending has been increasing at a moderate rate, and the housing sector has improved further; however, business fixed investment and net exports have been soft.』(今回)

『Household spending and business fixed investment have been increasing at moderate rates in recent months, and the housing sector has improved further; however, net exports have been soft and inventory investment slowed.』(前回)

企業の固定設備投資に関して判断が下方修正されていまして、あとはヨコです。



『A range of recent indicators, including strong job gains, points to additional strengthening of the labor market.』(今回)

『A range of recent labor market indicators, including strong job gains, points to some additional decline in underutilization of labor resources.』(前回)

アタクシはここをみて実は「おー」と思ったのですが、労働市場に関する現状判断部分に関して「underutilization of labor resources」という労働市場のスラックを示す部分の表現が削除されていまして、これは労働市場に関するアセスメントとしては結構象徴的に強くなっていると思うのですけれども過大評価でしょうかねえ。


『Inflation picked up in recent months; however, it continued to run below the Committee's 2 percent longer-run objective, partly reflecting declines in energy prices and in prices of non-energy imports.』(今回)

『Inflation has continued to run below the Committee's 2 percent longer-run objective, partly reflecting declines in energy prices and in prices of non-energy imports.』(前回)

物価の現状に関しては「2%よりも低い水準」というアセスメントは同じですが、今回は「picked up in recent months」と入っていて、まあ指標もそういう推移だから当然ちゃあ当然なのですが、労働市場の上記の表現変化も合わせますと、グローバル経済と金融市場への懸念とか企業の投資の所を下方修正しているよりもこちらの上方修正の方が気になるアタクシだったりするのでした。


『Market-based measures of inflation compensation remain low; survey-based measures of longer-term inflation expectations are little changed, on balance, in recent months.』(今回)

『Market-based measures of inflation compensation declined further; survey-based measures of longer-term inflation expectations are little changed, on balance, in recent months.』(前回)

市場ベースのインフレ期待に関しては「一段と低下」から「低い状態」となっており、まあこちらは相変わらずではありますが方向性としては低下じゃなくなりましたなという感じ。


・第2パラグラフ:こちらも海外リスクに言及

『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The Committee currently expects that, with gradual adjustments in the stance of monetary policy, economic activity will expand at a moderate pace and labor market indicators will continue to strengthen.』(今回)

『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The Committee currently expects that, with gradual adjustments in the stance of monetary policy, economic activity will expand at a moderate pace and labor market indicators will continue to strengthen.』(前回)

グラデュアルな金融政策の調整によって経済はモデレートな成長軌道を維持する云々は全文一致。

『However, global economic and financial developments continue to pose risks. Inflation is expected to remain low in the near term, in part because of earlier declines in energy prices, but to rise to 2 percent over the medium term as the transitory effects of declines in energy and import prices dissipate and the labor market strengthens further. The Committee continues to monitor inflation developments closely.』(今回)

『Inflation is expected to remain low in the near term, in part because of the further declines in energy prices, but to rise to 2 percent over the medium term as the transitory effects of declines in energy and import prices dissipate and the labor market strengthens further. The Committee is closely monitoring global economic and financial developments and is assessing their implications for the labor market and inflation, and for the balance of risks to the outlook.』(前回)

前回「今後の動向を注意してリスクバランスへの影響を確認する」としていた海外経済と海外金融動向については今回リスク要因に格上げになっています。それから物価の現状判断に関しては、物価が足元で弱い状態であることについて「further declines in energy prices」から「earlier declines in energy prices,」となっていて、まあこれは単に原油価格が落ち着いてきたことが背景にあるとは思いますが、先行きという意味ではこの一時的現象が今後改善してくるでしょうというような話になるんでしょうなあという所で。


・第3パラグラフ:書き出しが変わっているのですが

『Against this backdrop, the Committee decided to maintain the target range for the federal funds rate at 1/4 to 1/2 percent. The stance of monetary policy remains accommodative, thereby supporting further improvement in labor market conditions and a return to 2 percent inflation.』(今回)

『Given the economic outlook, the Committee decided to maintain the target range for the federal funds rate at 1/4 to 1/2 percent. The stance of monetary policy remains accommodative, thereby supporting further improvement in labor market conditions and a return to 2 percent inflation.』(前回)

金利政策の部分が据え置きなのは良いとして、最初の所が「Given the economic outlook」から「Against this backdrop」になっているのはどういうニュアンスの変化を意味するのかがアタクシ頭が悪いのでピンとこないのですが誰か教えてジェネラル。



・第4パラグラフ:今後の金融政策がどうのこうのの部分は見事に全文一致

『In determining the timing and size of future adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will assess realized and expected economic conditions relative to its objectives of maximum employment and 2 percent inflation. This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments. In light of the current shortfall of inflation from 2 percent, the Committee will carefully monitor actual and expected progress toward its inflation goal. The Committee expects that economic conditions will evolve in a manner that will warrant only gradual increases in the federal funds rate; the federal funds rate is likely to remain, for some time, below levels that are expected to prevail in the longer run. However, the actual path of the federal funds rate will depend on the economic outlook as informed by incoming data.』(今回)

『In determining the timing and size of future adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will assess realized and expected economic conditions relative to its objectives of maximum employment and 2 percent inflation. This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments. In light of the current shortfall of inflation from 2 percent, the Committee will carefully monitor actual and expected progress toward its inflation goal. The Committee expects that economic conditions will evolve in a manner that will warrant only gradual increases in the federal funds rate; the federal funds rate is likely to remain, for some time, below levels that are expected to prevail in the longer run. However, the actual path of the federal funds rate will depend on the economic outlook as informed by incoming data.』(前回)

見事に全文一致なので単に並べて張ってみただけという手抜きバージョン。


・第5パラグラフ:バランスシート政策に関する文言も全文一致

『The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction, and it anticipates doing so until normalization of the level of the federal funds rate is well under way. This policy, by keeping the Committee's holdings of longer-term securities at sizable levels, should help maintain accommodative financial conditions.』(今回)

『The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction, and it anticipates doing so until normalization of the level of the federal funds rate is well under way. This policy, by keeping the Committee's holdings of longer-term securities at sizable levels, should help maintain accommodative financial conditions.』(前回)

全文一致なので手抜きである。


・第6パラグラフ:ジョージおばちゃん利上げ提案キタコレ

さすがのカンサスクオリティ。

『Voting for the FOMC monetary policy action were: Janet L. Yellen, Chair; William C. Dudley, Vice Chairman; Lael Brainard; James Bullard; Stanley Fischer; Loretta J. Mester; Jerome H. Powell; Eric Rosengren; and Daniel K. Tarullo. Voting against the action was Esther L. George, who preferred at this meeting to raise the target range for the federal funds rate to 1/2 to 3/4 percent.』(今回)

『Voting for the FOMC monetary policy action were: Janet L. Yellen, Chair; William C. Dudley, Vice Chairman; Lael Brainard; James Bullard; Stanley Fischer; Esther L. George; Loretta J. Mester; Jerome H. Powell; Eric Rosengren; and Daniel K. Tarullo.』(前回)

ということでジョージ総裁が利上げ提案でございましたとさ。



○SEPは年2回利上げに後退&中立FF金利がまたまた低下の巻で市場とのギャップが埋まった感じですが・・・・・・・

[外部リンク] ということで、今回のドットチャートの特色というか見どころはそこなのですけれども、正直それって市場が織り込んでいたんじゃネーノと思っていたので、出てきたドットをみて「ああまあこんなもんでしょ」と思ったのですが、市場は思いっきり反応していたみたいですね。

・・・・・・・とまあそういうことで、まあこちとらマザーマーケットにいないで外野にいるからこの辺の感覚がイマイチ肌感覚として分からんのですが、「市場はこう思っているけれども、そうは言ってもFEDはそこそこ利上げを頑張ってくるんじゃないか」と結構身構えていたのですねという所でございまして、正直申し上げて「FF先物の織り込む利上げパスは〜」的な講釈をちょっと鵜呑みにしていた自分がここにいるという感じで、誠に遺憾なので反省しないとイカンですかねえアタクシ。

ということでまずは順序をスルーしてドットから。


・ドットは市場の見方に寄ってきたのですが市場は寄って来られてビックリというのが味わいがある

2016年末のFF金利

0.50-0.75:0人→1人
0.75-1.00:4人→9人
1.00-1.25:3人→3人
1.25-1.50:6人→4人
1.50-1.75:2人→0人
2.00-2.25:1人→0人

ということで、「これから2回利上げ」がメジャー票で収斂してはいるのですが、ただ7人というそれほど少なくない人たちは3回とか4回とかの利上げを入れている点は意外に下がらんなあという所です。まあ4回の人は超タカ派の方々でしょうが。

ロンガーランのFF金利

3.00:2人→5人
3.25:6人→7人
3.50:6人→2人
3.75:2人→2人
4.00:1人→1人

ということですので、3.25とか3.50で入れていた人たちが降りてきたという感じ(タカ派の人はあまり動いていない)になっていまして、潜在成長の低下だのその辺りの認識を反映しているというお話であって、まあこの辺は利上げパスが遅れますよねという話で、先般の(割と正常化積極派と見られている)フィッシャー副議長の講演での言及にも通じている感じでして、「利上げ路線は継続するけれども中立金利水準も下がっているしそこまで慌てて利上げせんでもよかろう」という感じにはなっているのでしょうな。



・足元の物価見通しは下がっていますが・・・・・・・・・・・

面倒なので手抜きでMedianの数字で行きますよ。左から2016、2017、2018、ロンガーランです。

Change in real GDP   2.2  2.1  2.0  2.0
December projection  2.4  2.2  2.0  2.0

Unemployment rate  4.7  4.6  4.5  4.8
December projection 4.7  4.7  4.7  4.9

PCE inflation      1.2  1.9  2.0  2.0
December projection 1.6  1.9  2.0  2.0

足元の物価見通しの所でどどーんと下がっているのとGDP見通しがやや下がっているので、そちらに反応してヒャッハーという事なのでしょうが、より後ろの方を見るとそんなに変わっていないですな。失業率についてはロンガーランも下がっているので見通しが下がっているのも整合的は整合的ですが、いずれにしてもロンガーランの失業率よりも低い状況が見通し期間中継続する、という見通しですから別にこれはハトとかいうモノではないと思うのですが、市場の反応はハトとしてとらえているようですな。

・・・・・・となりますと今度はプレコンの方を確認したいとなりますが、さすがに寝起きでそこまでは手が回らない(回る場合もあるのですが今日は勘弁ということで)のでパスという所です。

#今日はプリンターのご機嫌が麗しくなくちょっと時間ががががでもあったのですが(汗)
 


お題「決定会合である」   2016/03/16(水)07:52:59  
  ナムナム。
[外部リンク] ベア、トヨタ1500円 ホンダ1100円 電機大手も慎重
2016/3/16 0:53日本経済新聞 電子版

2%物価目標達成に向けた前向きの循環メカニズムとは何だったのかと小一時間問い詰めたい。


○声明文比較:色々とツッコミどころの多い声明文ですの

[外部リンク] でもって今回なんですけど、方式が変わったことによって比較の対象がちょっと違ってくるようになりまして、展望レポートのある会合においては声明文に相当する部分は展望レポート基本的見解の最初の辺りと比較するのが吉なのですよね。

[外部リンク] 概ねこちらの2ページ目の冒頭と比較するのがよろしいかと思いますが、他に比較するのはやはり前回の声明文になります。

[外部リンク] ・「量」が出て「金利」が引っ込み追加利下げ文言が外れるの巻

皆さん最初に気が付いたと思いますが。

『1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、以下のとおり決定した。』(今回)

ということで、以下の部分について前回は「金利」→「量」→「質」(資産買入方針)になっていたのですが、今回は「量」→「質」→「金利」になりまして、しかもそれに加えまして、

『(3)「金利」:政策金利(賛成7反対2)(注2)日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用する。』(今回)

『(1)「金利」:マイナス金利の導入(賛成5反対4)(注1)金融機関が保有する日本銀行当座預金に▲0.1%のマイナス金利を適用する1。今後、必要な場合、さらに金利を引き下げる。(以下の階層構造の説明など割愛)』(前回声明文)

とありまして、「今後、必要な場合、さらに金利を引き下げる。」という文言が外れるという大変に素敵なことになっておりまして、後で申し上げますマクロ加算残高の追加と合わせますと、要するにマイナス金利の悪評と副作用をあまり真剣に検討しないで現場の分かっていない頭の良い方々の思いつきで打ち込んでみたものの、やってみたら弊害出まくりで日銀ビビッてるよという事のようで大変に香ばしい。

ちなみに木内さんと佐藤さんは(提案内容が若干違うのですが)マイナス金利政策からもとに戻す提案をしていますが、白井さんと石田さんはあっさりマイナス金利容認の方に戻ってしまって惜しいですな。


・なお相変わらずマクロプルーデンスの観点が欠如した政策継続文言は続く

それから、前回声明文ではさっきの3次元の他に、『(4)「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の継続』というのがあったのですけど、今回はここに相当する部分は声明文の項番5に移っていまして、前回の追加緩和実施の時にわざわざ金融政策ディレクティブっぽい所に動かしたのに何か格下げっぽくなっているのが訳分からんという所ですな。

なおその文言ですが、

『5.日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を継続する。今後とも、経済・物価のリスク要因を点検し、「物価安定の目標」の実現のために必要な場合には、「量」・「質」・「金利」の3つの次元で、追加的な金融緩和措置を講じる(注4)。』(今回)

『(4)「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の継続日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を継続する。今後とも、経済・物価のリスク要因を点検し、「物価安定の目標」の実現のために必要な場合には、「量」・「質」・「金利」の3つの次元で、追加的な金融緩和措置を講じる(注3)。』(前回声明文)

となっていまして(ちなみにこのガイダンスだか決意表明だか良く分からん文書では3つの次元で、という部分では前回から量→質→金利の順になっています)、相変わらず「追加的な金融緩和を講じる」という書き方になっていまして、金融政策第二の柱による点検というのはどこに行ったんでしょうかねえと申しますか、こういう「追加緩和先にありきの点検しかしない」というのであったら何のためにマクロプルーデンスとかやっているのかと小一時間問い詰めたい状態ですわな。


・景気認識の文言は見苦しいにも程がある

ということで声明文項番2の比較は前回の展望レポート基本的見解の冒頭部分(2ページ目の『1.わが国の経済・物価の現状』)との比較が適切です、というかそういう比較をするような作り込みに前回の展望レポートから変更しています。

しかしまあ何ですな、項番2を見た瞬間にゴテゴテして見苦しいと思う訳で、こういうゴテゴテのヘッジクローズ満載の文書は碌なもんじゃないという経験則というか日銀文学鑑賞のお作法(?)があります。

『2.わが国の景気は、新興国経済の減速の影響などから輸出・生産面に鈍さがみられるものの、基調としては緩やかな回復を続けている。』(今回)

『わが国の景気は、輸出・生産面に新興国経済の減速の影響がみられるものの、緩やかな回復を続けている。』(1月展望レポート)

何だよこのヘッジクローズの長さはという所で、輸出生産の現状を下げた上に、緩やかな回復の頭に「基調としては」を入れるとか、ここまでヘッジクローズ入れるとみてられない。


『海外経済は、緩やかな成長が続いているが、新興国を中心に幾分減速している。そうしたもとで、輸出は、足もとでは持ち直しが一服している。』(今回)

『海外経済は、新興国が減速しているが、先進国を中心とした緩やかな成長が続いている。そうしたもとで、輸出は、一部に鈍さを残しつつも、持ち直している。』(1月展望レポート)

これ海外経済の文言が判断をどうしているのか一瞬見ると訳分からないのですが、最後の所が「緩やかな成長」だったのが「幾分減速」なので下方修正ですな。でもって輸出に関しては判断下方修正。

『国内需要の面では、設備投資は、企業収益が高水準で推移するなかで、緩やかな増加基調にある。個人消費は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、底堅く推移している。一方、住宅投資はこのところ持ち直しが一服しており、公共投資も高水準ながら緩やかな減少傾向にある。以上の内外需要を反映して、鉱工業生産は、横ばい圏内の動きが続いている。』(今回)

『国内需要の面では、設備投資は、企業収益が明確な改善を続けるなかで、緩やかな増加基調にある。また、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、個人消費は底堅く推移しているほか、住宅投資も持ち直している。公共投資は、高水準ながら緩やかな減少傾向にある。鉱工業生産は、横ばい圏内の動きが続いている。』(1月展望レポート)

企業収益の所は「明確な改善」から「高水準で推移」になっていて、まあ強めの判断ではあるので細かい話かもしれませんが方向性が横向きになっていますな。個人消費に関しては同じですが、どこがどう「雇用・所得環境の着実な改善」なのかは意味不明。住宅は判断が下がっており、公共投資はと生産は前回と同じになっていますが、最初の所では「鈍さがみられる」じゃなかったのかよという微妙なテイストが。


・金融環境文言にもイヤミを申し上げておきませう

『わが国の金融環境は、きわめて緩和した状態にある。』(今回)
『わが国の金融環境は、緩和した状態にある。』(1月展望レポート)

ここに来て金融環境の文言を変化させているのですが、マイナス金利政策の効果かくにん!よかった!と言いたいというお気持ちが非常によく伝わる実にイジマシイというか物悲しい話というのもあるのですが、それよりもアタクシ的に何だかなあと思うのは、そもそもの認識でありまして、マイナス金利で金利そのものは低下したかも知らんけど、市場機能の悪化とか流動性の極端な低下などによって、ファイナンシャルコンディションが本当に緩和しているのか、実は引き締まっているのではないのか、という考察を行わないという態度がこの「きわめて」の文言追加に表れていると考えますと、おいそこの置物じゃない方の副総裁お前は何の為に座っているんだと小一時間問い詰めたいというか失望したというかな文言でもあったりします。とまあ「きわめて」の一言でネチネチと絡むアタクシ。、


・物価についてはご案内の通り予想物価上昇率文言が

『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、0%程度となっている。予想物価上昇率は、やや長い目でみれば全体として上昇しているとみられるが、このところ弱含んでいる。』(今回)

『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品、以下同じ)の前年比は、0%程度となっている。予想物価上昇率は、このところ弱めの指標もみられているが、やや長い目でみれば、全体として上昇しているとみられる。』(1月展望レポート)

(以下同じ)となっているのは展望レポートはこの後延々と文言があるためなので比較する意味はありませんが、ご案内のように予想物価上昇率については何とこの期に及んで「このところ弱含んでいる」という文言が入るの巻。というか「全体として上昇しているがこのところ弱含んでいる」とか上がっているんだか下がっているんだか最早意味不明にも程がある文章で落涙を禁じえません。


・先行き見通しは足元を下方修正

こちらの比較対象は1月展望レポートの2ページ目『2.わが国の経済・物価の中心的な見通し』の『(1)経済情勢』の冒頭一段落です。

『先行きのわが国経済については、当面、輸出・生産面に鈍さが残るとみられるが、家計、企業の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続するもとで、国内需要が増加基調をたどるとともに、輸出も、新興国経済が減速した状態から脱していくことなどを背景に、緩やかに増加するとみられる。このため、わが国経済は、基調として緩やかに拡大していくと考えられる。』(今回)

『先行きのわが国経済を展望すると、家計、企業の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続するもとで、国内需要が増加基調をたどるとともに、輸出も、新興国経済が減速した状態から脱していくことなどを背景に、緩やかに増加するとみられる。このため、わが国経済は、基調として緩やかに拡大していくと考えられる。』(1月展望レポート)

「当面、輸出・生産面に鈍さが残るとみられるが、」とヘッジクローズがありますが、だいたいこのヘッジクローズのように当面が当面で済まなかったりしますし、大体からしてどこに「所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続する」のかと小一時間。

物価の比較対象は1月展望レポートの『<概要>』の二つ目の項目の最初の部分です。

『消費者物価の前年比は、エネルギー価格下落の影響から、当面0%程度で推移するとみられるが、物価の基調は着実に高まり、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる(注3)。』(今回)

『消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、エネルギー価格下落の影響から、当面0%程度で推移するとみられるが、物価の基調は着実に高まり、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる。』(1月展望レポート)

こちらは引き続き同じですな。


・リスク要因文言ですが追加緩和して1か月半経過しているのに前回と変わっていないのはなぜでしょうかねえ

こちらは前回声明文との比較になります。

『4.リスク要因としては、中国をはじめとする新興国や資源国に関する不透明感に加え、米国経済の動向やそのもとでの金融政策運営が国際金融資本市場に及ぼす影響、欧州における債務問題の展開や景気・物価のモメンタム、地政学的リスクなどが挙げられる。こうしたもとで、金融市場は世界的に不安定な動きが続いており、企業コンフィデンスの改善や人々のデフレマインドの転換が遅延し、物価の基調に悪影響が及ぶリスクには引き続き注意する必要がある。』(今回)

『2.(前半は景気物価認識なので割愛)もっとも、このところ、原油価格の一段の下落に加え、中国をはじめとする新興国・資源国経済に対する先行き不透明感などから、金融市場は世界的に不安定な動きとなっている。このため、企業コンフィデンスの改善や人々のデフレマインドの転換が遅延し、物価の基調に悪影響が及ぶリスクが増大している。』(前回声明文)

というか金融市場が不安定なのはお前の追加緩和政策が原因だろうと小一時間ですし、大体からして不安定というほど不安定かよという感じでして、その時点でお前は何を言っているんだ状態なのですけれども、前回の声明文の項番3に、

『日本銀行は、こうしたリスクの顕現化を未然に防ぎ、2%の「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するため、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入することとした。』(前回声明文)

ということになっておりまして、リスクの顕現化を未然に防ぐために盛大に派手な政策をやって1か月半経過して「効果かくにん!よかった!」と連呼しているのにリスク認識は相変わらずという状態になっていまして、まあ追加緩和フラグであるというのはそうでしょうなあと思いますけれども、これだけのコスト払ってやっている政策なのにモメンタムの改善が進んでいない上に予想物価上昇率が弱含みというのであれば、そもそもマイナス金利政策の導入が間違っていたのではないか、という反省は無いんですかねえ、ってまあそんな反省が有る訳もなくインパール攻略に向けてアラカン山脈に兵を送り込み続けるのが黒田日銀クオリティなのですが。


・実務的な対応を出したという割に実施時期が先という時点でもうね

項番6である。

『6.また、日本銀行は、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を円滑に実施する観点から、実務的な対応を決定した。』

だったら最初にやれとしか申し上げようがない訳で、如何に今回のマイナス金利がやっつけで碌に考えも無く導入されたかというのが分かりやすい話です。

『すなわち、0%の金利を適用する「マクロ加算残高」の見直しを原則として3か月毎に行う、』

最初はMPMマターみたいな話でしたが、そらまあこっちの方が普通だろという所ですが後程少々。

『MRFの証券取引における決済機能に鑑み、MRFを受託する金融機関の「マクロ加算残高」に、受託残高に相当する額(昨年の受託残高を上限とする)を加える、』

だから最初からやれよという感じですが、これ3月16日じゃなくて4月16日からスタートという辺りに何かもう作り込みが全然出来ていなくて、マイナス金利始めてから慌てるの巻なのがよく見えますな。

『6睛撒ヾ悗梁濬仭加に向けた取り組みをより一層支援するため、今後「貸出支援基金」および「被災地金融機関支援オペ」の残高を増加させた金融機関については、増加額の2倍の金額を「マクロ加算残高」に加算することとした2。


こちらに関しては何と5月16日からのスタートでして、次回MPMじゃないと要綱の改正が間に合わないってことですので、これまた直前でねじ込んできた案件という香りがプンプンただようこのドタバタぶりが、マイナス金利政策を拙速で打ち込んできた後の混乱というのを思いっきり見せてくれる代物です。


○マクロ加算残高の拡大関連少々

ということで。

[外部リンク] 「補完当座預金制度基本要領」の一部改正等について

『1.「補完当座預金制度基本要領」(平成28年1月29日決定。以下「基本要領」という。)を別紙1のとおり一部改正すること。

2.1.の一部改正後の基本要領6.に定める基準比率の見直しおよび7.に定める特例的取扱いについては、総裁が決定し得る扱いとすること。

3.マネー・リザーブ・ファンド(以下「MRF」という。)の証券取引における決済機能に鑑み、MRFを受託する対象先のマクロ加算残高に、MRF受託残高に相当する額(昨年の受託残高を上限とする。)を加えること(別紙2)。

4.基本要領4.(3)イ.に定める基準比率の見直し・公表の時期等については、以下のとおり取扱うこと。

(1)2016年3月16日を起算日とする積み期間の基準比率は、当初の基準比率から変更せず、ゼロとする。

(2)2016年4月16日および同年5月16日を起算日とする積み期間については、両積み期間に適用する基準比率を4月前半(注)に公表する。

(注)各月の積み期間の起算日の概ね5営業日前に公表することを想定しています。

(3)2016年6月16日以降については、原則として、3積み期間ごとに基準比率を見直すこととし、それぞれ見直しを行う月(6月、9月、12月、3月)の前半(注)に当該基準比率を公表する。』

ということになったのですが、MRFの方はさておきまして、マクロ加算の掛け目部分についてMPMじゃなくてこれは通常の政策委員会で決定して公表するのかどうかは要綱を見ても良く分からず、これは金融市場局の一存で決めるのか通常の政策委員会に掛けるものなのかは

[外部リンク] 日本銀行当座預金のマイナス金利適用に関する
実務面のQ&A(取引先金融機関等向け)
(2016 年3月 15 日版)


『A.基準平均残高に、全ての取引先につき一律の掛目(基準比率)を乗じることにより計算します。基準比率は、原則として3積み期間ごとに見直し、公表します。』(Q&Aより)

というのを見ても良く分からんという代物で、何かこうどうやって計算するのか、どういう思想で数字を決めるのかがちゃんと示されないというのは不確実にも程があるんですが、どうせこれもやっつけでぶち込んで来たからこういう曖昧なものになったんでしょうなあという感じです。


それからMRFの別紙2ですけどね、

『補完当座預金制度の利息の計算方法の特則』

ということで、

『1.趣旨
「補完当座預金制度基本要領」(平成28年1月29日付政委第9号別紙1.。以下「基本要領」という。)5.に規定する利息の計算方法については、マネー・リザーブ・ファンドが有する証券取引における決済機能に鑑み、基本要領によるほか、当分の間、この特則に定めるとおりとする。』

やらないよりは大幅にマシで歓迎はするけど最初からやれ。

『2.利息の計算方法
マネー・リザーブ・ファンドを受託している対象先(再信託等が行われている場合には再信託等の対象となっている先)については、次の(1)または(2)の、いずれか小さい方の金額を基本要領4.(3)のイ.およびロ.の合計金額に加えるものとする。

(1)基準期間におけるマネー・リザーブ・ファンドの受託残高に相当する金額
(2)付利対象積み期間におけるマネー・リザーブ・ファンドの受託残高に相当する金額

(附則)
この特則は、平成28年4月16日を起算日とする積み期間における利息の計算から適用することとする。』


附則にあるように、これ(1)の金額が年間平残なのかピークなのかも良く分からんですし、計数をどう把握するのかとかも良く分からないので4月16日から適用という辺りにこれまたもう細部詰めてる余裕が無かった感が強いのですが、こんなんマイナスやる時点で分かりきった話じゃんと思う訳で、やらないよりはマシなのですが、どんだけ準備しないでマイナス金利を入れたのかが良く分かるお話です。

それから、「MRFで受託している部分の金銭信託金額に相当する金額」にしておけばシンプルじゃん(ただしMRFに変な抜け道設定が来ないように販売会社は制度の趣旨にそう募集を行うものとして適宜状況を報告させて問題があった場合はマクロ加算から除外するとかの防止措置は必要でしょうけれども、基本的に証券総合口座専用なのでそんなに無茶なことにはならない筈なんだが・・・・・・・)と思うのですが、どうも抜け道防止を考えたのか「昨年の受託残高が上限」というのが見た瞬間微妙に変なメッセージを与えるんじゃネーノと思いましたですよ。

つまりですね、

[外部リンク] 統計データ

投信協会の統計ページの時系列データの所にある『公募投資信託の資産増減状況(実額) 』を見ますと(エクセルです)分かりますけど、MRFの残高って2012年の数値から2013年末にかけての推移を見れば大きく増えていますように、株高とか円安が進行すると残高って基本的に増える傾向があるんですよね(利食い売りと新規資金の参加の両方があると思う)。

ということで、株高とか円安とかでウマーという政策を(表面上はそうは言ってないけど実質的には)実施しているのに、あたかもMRFの残高が増えると困る的な表現になる「昨年の残高を上限」というのは抜け道防止のためとはいえ、見せ方としてちょっと下手じゃないのと思う(実際にはMRFで運用する短期の商品がことごとくマイナスになって全部がキャッシュにならない限りはそう簡単に昨年残高(資金残高ではなくて当然ながらMRFの純資産でしょうから)を上回る事は無いと思うのですけれども、何せ先日の報道を見ると保振もCPマイナス発行のDVP対応するみたいな話が炸裂していますし、国債はもとよりあの惨状でコールもマイナスと来ますと先行きどうなるのよという感じはしないでもなくて、何で「MRFでの受託している金銭信託分」というシンプルなものにしなかったのか意味がワカランチ会長ではありますな。

とまあ今回の措置はいろいろと細かい実務の所が従来以上に複雑でして、本当はここで謎ETFと住宅ローン担保信託受益権の話もしないといけないのですが時間と量の関係で以下明日に続く、と言いたいけど明日は多分FOMCネタで手一杯のような気がしますすいませんすいません。
 


お題「決定会合ですよという雑談/フィッシャー副議長は講演で均衡金利の低下に詳しく言及していた件(虫干しネタ)」   2016/03/15(火)07:52:50  
  さて決定会合ですの。

○ということでプレビュー雑談とか

[外部リンク] Markets | 2016年 03月 14日 15:13 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は反発、長期金利一時-0.055%に低下

『<15:10> 国債先物は反発、長期金利一時-0.055%に低下

長期国債先物は反発。前週末の米国市場で株高・債券安とリスク選好地合いとなった流れを受けて東京株式市場も堅調だったことから、朝方は上値が重かった。期近3月限の最終売買日を迎えて持ち高調整の動きも見られた。ただ、前場中盤以降に下値で買い戻しが入りプラス圏に浮上。後場は海外勢を巻き込んだニーズが強まり、上昇幅を拡大した。』

『現物債は、午前は日銀金融政策決定会合や米連邦公開市場委員会(FOMC)と日米金融政策イベントを控えて様子見ムードが広がり閑散だった。午後の取引では先物が急上昇した段階で、長いゾーン中心に利回りに強めの低下圧力がかかった。あすの会合で日銀が追加緩和に踏み切る可能性があるとの見方が一部に浮上したとの声が聞かれた。』(上記URL先より、以下同様)

一部に浮上というよりは「最近の日銀は何をしでかすか分からないから追加緩和があった時にウマーな宝くじトレードでも入れますか、どうせ下がる訳でもないし」というような発想ではないかと思料。

『長期国債先物中心限月6月限の大引けは、前営業日比22銭高の151円19銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は同3bp低下のマイナス0.045%。一時マイナス0.055%まで低下した。』

てなわけですが超長期は5.5毛強とかやっておりまして、また性懲りもなくブルフラットするの巻な上に2年が1毛強とか5年が2.5強だとかの引値にしていまして、まあこれは宝くじあるいは追加緩和ヘッジという感じですかねえという風情で。


・・・・・・・・・でまあ本日の会合ですが、何せ最近の日銀はロジックもへったくれも全面崩壊状態になっている上に、マイナス金利導入からこの方は最早ヤケクソ状態になっているようにしか見えません(だいたい先般の読売国際での総裁講演とかあんなテキストまともな中央銀行の作文じゃないだろうということで、あの作文を見てもはや正気ではないことは把握した)ので、何をやりだすか予想しろというのが無理ゲー。

でもそんな事を言っているとそれはそれでスットコドッコイですので一応取りうる手段を考えて見ますけどね。


・拡張性重視なのでやるなら単発ではないでしょうなあと思うのだ

まず基本的には12月と1月の政策で一番主張したいのが「緩和政策の拡張性」であるという事を勘案しますと、12月の手直しおよび1月の3方向攻撃というのを基本的には全部使って来るでしょうし、その時にどこぞのドラギ総裁みたいに弾切れみたいな言い方は絶対にしてこないでしょうと思うので、何かやるとしたら「全部乗せ」で行くのか「思いっきり逐次投入」にするのかという感じになってくるんでしょう。前者の場合は基本的に3方向出してくるし、思いっきり逐次投入だったら毎回あるいは四半期ごとにホイホイ何か出してくるみたいな話ですが、逐次投入は黒田さんのこだわりに合わないような希ガス。

ということですと、次回ってやっぱり利下げ10bp位やって国債買入10兆位乗せてETF買入を乗せてという姿になると思うのですが、さすがに2月16日から実際のマイナスチャージが始まったばかりなのに今回追加のマイナス金利拡大というのは余程のアホじゃない限りやらないと思う(ただしヤケクソになっているのでやっても不思議じゃないという凄みがあるのが恐ろしい所です)ので、間違って今回やるなら小幅のETFと国債買入。いやまあ正直ETFだけやっておけば十分だとは思いますけれども、それはあまりにも品が無いのでさすがに黒田さんと言えどもやらんでしょと思いますが、やったら爆笑しておくわ。

先般の補完措置があったので、国債買入の時にわざわざ買入年限を拡大する必要もないのですけれども、7年〜12年の所を景気づけに7年〜15(とか20とか)年とかにして、実際の買入年限はそこまで伸ばさないで気持ち延びる程度で推移させる(そもそも15年とか20年とかやるのが無理なのですよね)というのも買入拡大のセットで投下というのはやっても不思議ではないですな。

マイナス金利の拡大ですが、こちらはマイナス金利の評判がアホほど悪い上に、マイナス金利の先輩である所のECBが今回マイナス金利打ち止め発言はするわ、マイナス金利の弊害の話を思いっきりするわ(大体からしてTLTRO2とかマイナス金利でお困りの金融機関の皆様に対するお助けスキームですからねえ)と、客観的には限界以外の何者でもないのですが、先般の読売国際での講演をみればお分かりのように、負けを認めると死んじゃう病に罹患しているのではないかと心配される黒田日銀としては、「マイナス金利の負けを認めないためにさらなるマイナス金利の拡大」をやりだすリスクが無茶苦茶高い人たちなので何をやりだすか分からん。

#まあいずれにせよ、本格的な意味で追加緩和するならば、3月よりも1月の影響を見て、かつ賃金動向を見極めたうえでの4月というのが話としては普通だとは思いますけどね


・マクロ加算残高について

その他細かいけれども注目されているのは「マクロ加算残高」の扱いでそこにMRF関連も含まれるちゃあ含まれるかなという感じです。マクロ加算残高の掛け目ですけれども、今の所の建付けだとMPMマターになっていて、しかも適用開始がMPMの次に来る積み期間ということになるので、今回やっておかないと次の変更時の適用期間が5月16日スタートになります。でもって今回やっておかないと3月20日に国債償還要因で超過準備がどどーんとマクロ的に積みあがってしまいますので、金融機関的に言えば負担が増える話すし、金利については一段の運用難となります。

マイナス金利投下以降ここまでの金利低下が足りない、と思うのでしたらマクロ加算残高はいじってこないと思うのですが、まーここまでの金利低下はマイナス金利投下によって発生した「政策効果」の中で一番効いたというか効きすぎたというかそれしか効いていないという代物ですので、まあこの金利低下で十分満足している、というのであればマクロ加算の掛け目を増やす可能性はあるかなあとは思います。

ただまあ何ですな、このマクロ加算の掛け目というのも結構アレな作りになっていまして、マクロ加算の掛け目って個別の金融機関ベースにブレークダウンすると「当該金融機関の基礎残高(昨年の超過準備残高の年間平残)に何%増し」となっているので、基礎残高と直近残高の乖離という個別金融機関毎のデコボコそのものは解消されない上に、元々基礎残高が殆ど無い人たちにとっては何のお助けにもなっていないというのが頭の痛い所で、金融機関ごとの偏在はそのまま残るんですよね。まあ偏在するからコールなどの取引がマイナスで成立するというのもあるので偏在必ずしも悪い話でもないのでしょうけれども。

とまあそんな訳で、マクロ加算の掛け目を4月積み期間までの資金需給を勘案して拡大してくるかどうか、というより拡大の期待の方があるような気がしますけれどもどうなるんでしょうねえという所ではあります。一応当初の説明では「3か月ごとの頻度でマクロ加算残高を20兆円増えるようにする」というイメージ図が出ているので、本来は4月のMPMでやった方が美しい(展望レポートMPMは3か月頻度ですし)のですが、資金需給的には3/6/9/12の国債償還要因があるので、その前のMPMでマクロ加算をいじっておいた方が良いのと、足元までの金利低下の勢いが良すぎるので、そこの金利動向に関する考え方も垣間見れるのではないかと思います。

元々のイメージにある「政策金利残高」というのはあくまでもあれはマクロ的なネットの残高であって、実際にはIOERアーブによって発生していた超過準備が消えることによって個別の金融機関における偏在があった訳で、その偏在の影響が意外に大きい、という認識であればマクロ加算をいじるべきだし、そうじゃないなら今回は見送って「3か月毎見直し」の最初の話(なお別に3ヶ月毎な訳でもなく都度判断という説明にはなっている)で進めるということになろうかとは思いますが良く分かりません。

一応この辺については
[外部リンク] を改めて読んでおくのが吉かと。


・まあしかし何ですな

などと書いてみましたが、マクロ残高の話はさておきまして、実際にやるべきなのは「そもそもこの実質金利低下が効くという話が本当に効いているのか」ということであって、それを考えたらメリットよりも副作用の方がでかいだろうという話になり、量に戻るか金利政策にするかのどちらかに焦点を置いた政策(長期化を前提にするならば量的緩和は止めて時間軸政策に切り替えるべき)にすべきなんですけどね。ついでに置物の辞任と焼き土下座もお願いします。



○そういえばフィッシャー講演の最後の所(長期停滞論に関して)です

[外部リンク] Vice Chairman Stanley Fischer
At the "Policy Challenges in an Interconnected World" 32nd Annual National Association for Business Economics Economic Policy Conference, Washington, D.C.
March 7, 2016
Reflections on Macroeconomics Then and Now

長期停滞論に関する言及部分です。

『Secular stagnation: During World War II in the United States, many economists feared that at the end of the war, the economy would return to high pre-war levels of unemployment--because with the end of the war, demobilization, and the massive reduction that would take place in the defense budget, there would not be enough demand to maintain full employment.』

ほほう。

『Thus was born or renewed the concept of secular stagnation--the view that the economy could find itself permanently in a situation of low demand, less than full employment, and low growth.10 That is not what happened after World War II, and the thought of secular stagnation was correspondingly laid aside, in part because of the growing confidence that intelligent economic policies--fiscal and monetary--could be relied on to help keep the economy at full employment with a reasonable growth rate.』

ということで長期停滞論に関しては昔から折に触れて指摘されている論点と。

『Recently, Larry Summers has forcefully restated the secular stagnation hypothesis, and argued that it accounts for the current slowness of economic growth in the United States and the rest of the industrialized world.』

ということでサマーズの長期停滞論に関して。

『The theoretical case for secular stagnation in the sense of a shortage of demand is tied to the question of the level of the interest rate that would be needed to generate a situation of full employment. If the equilibrium interest rate is negative, or very small, the economy is likely to find itself growing slowly, and frequently encountering the zero lower bound on the interest rate.』

ここでは金融政策との関係という話になっておりまして、長期停滞で均衡金利水準が低下した場合に、経済状況によって(緩和が必要な時に)年がら年中ゼロ金利制約に直面することになるでしょうというお話ですな。

『Research has shown a declining trend in estimates of the equilibrium interest rate. That finding has become more firmly established since the start of the Great Recession and the global financial crisis.11 Moreover, the level of the equilibrium interest rate seems likely to rise only gradually to a longer-run level that would still be quite low by historical standards.』

でもって均衡金利水準の低下と、中々それが戻ってこないことについてはフィッシャーさんも言及していまして、先日引用した部分でもそうですが、この辺りの話を見ますと、フィッシャー講演自体はニュースヘッドライン的には金利正常化に意欲を示したようにはリファーされていますが、確かに正常化意欲は普通にあるのかも知れませんが、そのパスは結構ゆっくり目になりそうな説明をしているのがこの回の講演での特徴かなあとは思うのですけどどうでしょうかねえ。

『What factors determine the equilibrium interest rate? Fundamentally, the balance of saving and investment demands. Several trends have been cited as possible factors contributing to a decline in the long-run equilibrium real rate. One likely factor is persistent weakness in aggregate demand.』

『Among the many reasons for that, as Larry Summers has noted, is that the amount of physical capital that the revolutionary information technology firms with high stock market valuations have needed is remarkably small.』

『The slowdown of productivity growth, which as already mentioned has been a prominent and deeply concerning feature of the past six years, is another important factor.12』

『Others have pointed to demographic trends resulting in there being a larger share of the population in age cohorts with high saving rates.13』

『Some have also pointed to high saving rates in many emerging market countries, coupled with a lack of suitable domestic investment opportunities in those countries, as putting downward pressure on rates in advanced economies--the global savings glut hypothesis advanced by Ben Bernanke and others at the Fed about a decade ago.14』

これ文章の分け所が難しくて結局1パラをぶつ切りしてしまいましたが、トレンドグロースの低下に関する理由はこれらとかそういう話をしておりますな。

『Whatever the cause, other things being equal, a lower level of the long-run equilibrium real rate suggests that the frequency and duration of future episodes in which monetary policy is constrained by the ZLB will be higher than in the past.』

色々の要因が起こしているにしても、長期的な均衡金利水準の低下は金融政策がゼロ金利制約に達しやすいという結論は同じですなと。

『Prior to the crisis, some research suggested that such episodes were likely to be relatively infrequent and generally short lived.15 The past several years certainly require us to reconsider that basic assumption. Moreover, recent experience in the United States and other countries has taught us that conducting monetary policy at the effective lower bound is challenging.16 And while unconventional policy tools such as forward guidance and asset purchases have been extremely helpful and effective, all central banks would prefer a situation with positive interest rates, restoring their ability to use the more traditional interest rate tool of monetary policy.17』

ということで、ここの最後にプラス金利の方が政策調整しやすい云々という話がありまして、まあここを捉えて正常化に対する意欲というのはそれはそれで(ペースは別にして)あるというのも把握できますな。

『The answer to the question "Will the equilibrium interest rate remain at today's low levels permanently?" is also that we do not know. Many of the factors that determine the equilibrium interest rate, particularly productivity growth, are extremely difficult to forecast. At present, it looks likely that the equilibrium interest rate will remain low for the policy-relevant future, but there have in the past been both long swings and short-term changes in what can be thought of as equilibrium real rates.』

均衡金利水準が今後も低いままかどうかについては分からんが、足元については低水準、ということですので正常化意欲はあれどもペースは遅くなりそう。

『Eventually, history will give us the answer. But it is critical to emphasize that history's answer will depend also on future policies, monetary and other, notably including fiscal policy.』

ということで、最後には金融政策だけではなくて財政政策などの他の政策が均衡金利水準(つまりトレンドグロース)に影響してくるという話をしてこのコーナーが締まっております。

#虫干しですいませんすいません
 


お題「ECBである」   2016/03/11(金)07:47:59  
  会見で若干ミソをつけたようなので会見テキストを後で熟知しないといけませんが。

○まあ一応色々なものを出してきましたが、これ実は信用緩和に期待してるんじゃネーノ??

と直感的に思ったのですが、実際には会見QAや実際にどうするのかを見ないと何ともですけどね。

[外部リンク] Monetary policy decisions
10 March 2016

『At today’s meeting the Governing Council of the ECB took the following monetary policy decisions:』

ということで色々と打ち込むの巻。

『(1)The interest rate on the main refinancing operations of the Eurosystem will be decreased by 5 basis points to 0.00%, starting from the operation to be settled on 16 March 2016.

(2)The interest rate on the marginal lending facility will be decreased by 5 basis points to 0.25%, with effect from 16 March 2016.

(3)The interest rate on the deposit facility will be decreased by 10 basis points to -0.40%, with effect from 16 March 2016.』

コリドアの幅は狭くするのかと実は思っていたのですが、MROはゼロ金利に止めていて結果コリドアが拡大しているのはナンジャソラという気がしますが、そちらに関してはあまり文句もついていないようなので別に良いのかねという感じですがそれは兎も角としまして、預金ファシリティ利下げ10bpってまあ順当は順当。

階層別構造を打ち込んでもっと下げてくる、という見方もあったと思いますが、そちらの打ち込みは無かったという事で、これが日銀の盛大なコケっぷりを見て変なもの打ち込まない方が良いという判断が根底にあったのでしたら笑いますけどどうなんでしょ。


『(4)The monthly purchases under the asset purchase programme will be expanded to ユーロ80 billion starting in April.』

4月から月間買入額を600億ユーロから800億ユーロに拡大とのことで、そういや最近PSPPの状況チェックのネタを失念(というかやってるヒマがなかった)しておりましたけれども、買入の期間が長くなっていけば買入によるバランスシートの拡大とマイナス金利のコンフリクトが生じてくる(日本のように)と思いますので、実際問題としてそのへんどうなのよというのは、他の資金供給オペの推移なども含めてECBのオペ内容(ストックの方)も見て、日本の場合と比較するのが吉かと漠然とイメージ中。

『(5)Investment grade euro-denominated bonds issued by non-bank corporations established in the euro area will be included in the list of assets that are eligible for regular purchases.』

キタコレ!!!と思ったのはアタクシ的にはこっちで、ユーロ建ての非金融機関発行の投資適格級の社債についてPSPP(か別の名前か知らんけど)の買入対象銘柄になりますということで、社債買入オペ投下キタコレというお話。

でまあこれはキタコレはキタコレですし、非金融機関のクレジットコンディションが改善してコストの低下やアベイラビリティの拡大が進展するのが緩和政策の効果です(キリッ)という話を延々としておりましたので、直接ルート投下キターではありますが、これによって借入金利が低下するとなりますと、金融機関的には一段としんどくなる可能性もあるなあとか思ったりもします。

もちろんこれによる貸出金利低下の効果の方が大きい、というのであれば当然投下される政策ではありますが、信用リスクスプレッドを中銀の買入で人為的に縮小させる、というのも程々にしないと金利低下による企業のコスト低下よりもクレジットスプレッドに大きな歪みを発生させることによる資源配分の歪みや、ファイナンシャルスタビリティに対する悪影響とかのほうが出てくるのでお取り扱いは慎重に、とは思いますけどね。

『(6)A new series of four targeted longer-term refinancing operations (TLTRO II), each with a maturity of four years, will be launched, starting in June 2016. Borrowing conditions in these operations can be as low as the interest rate on the deposit facility.』

会見の方でもうちょっと説明がありましたが、どうも貸出増加支援オペしかも貸出を人よりも多く増やしているとご褒美でマイナス金利で金を貸してやるわという制度のようですね。

『The President of the ECB will comment on the considerations underlying these decisions at a press conference starting at 14:30 CET today.』

いうことで金利と量に関してはまあこの程度かなあというアタクシ的には小出し感があるのですが、社債買入の方がおー出してきましたなあという感じなのと、割と分かりやすいのを投下した、というのが(当初)好感されたんんですかねえと。


○会見から少々

ということで会見。

[外部リンク] Introductory statement to the press conference

Mario Draghi, President of the ECB,
Vitor Constancio, Vice-President of the ECB,
Frankfurt am Main, 10 March 2016

・冒頭説明から少々

『Based on our regular economic and monetary analyses, we have conducted a thorough review of the monetary policy stance, in which we also took into account the new macroeconomic projections by our staff extending into the year 2018. As a result, the Governing Council has decided on a set of measures in the pursuit of its price stability objective.』

経済見通し見直しの結果追加緩和を投下で、次にありますが「comprehensive package」という事のようで。

『This comprehensive package will exploit the synergies between the different instruments and has been calibrated to further ease financing conditions, stimulate new credit provision and thereby reinforce the momentum of the euro area’s economic recovery and accelerate the return of inflation to levels below, but close to, 2%.』

ここも毎度の追加緩和での理屈になりますが、今回は特に社債買入ネタを投下したので、「further ease financing conditions, stimulate new credit provision」というのに説得力一応増すの巻。

『First, as regards the key ECB interest rates, we decided to lower the interest rate on the main refinancing operations of the Eurosystem by 5 basis points to 0.00% and the rate on the marginal lending facility by 5 basis points to 0.25%. The rate on the deposit facility was lowered by 10 basis points to -0.40%.』

これはさっきの通り。

『Second, we decided to expand the monthly purchases under our asset purchase programme from ユーロ60 billion at present to ユーロ80 billion. They are intended to run until the end of March 2017, or beyond, if necessary, and in any case until the Governing Council sees a sustained adjustment in the path of inflation consistent with its aim of achieving inflation rates below, but close to, 2% over the medium term.』

増額はしているものの、時間軸的な時期は2017年3月のままなのね。

『To ensure the continued smooth implementation of our asset purchases, we also decided to increase the issuer and issue share limits for the purchases of securities issued by eligible international organisations and multilateral development banks from 33% to 50%.』

買入にあたって買入適格の国際関連機関等の買入限度を33%から50%に拡大するそうな。

『Third, we decided to include investment-grade euro-denominated bonds issued by non-bank corporations established in the euro area in the list of assets that are eligible for regular purchases under a new corporate sector purchase programme.』

キタコレ。

『This will further strengthen the pass-through of our asset purchases to the financing conditions of the real economy. Purchases under the new programme will start towards the end of the second quarter of this year.』

ということで、ここの部分に「further strengthen the pass-through of our asset purchases」とお話をしていますので、利下げとか買入拡大とかしていますが、実際問題としてはこっちに期待しているんじゃネーノと思う訳で、全方面にバズーカを撃っているように見せてはいますけれども、実際問題としては金利幅10bpだしコリドア却って広がっているし、攻撃正面は信用緩和のような気がするんですけどどうなんでしょうかねえ(会見でもうちょっと見えるかもしれませんが、会見はさっきからBGMで流しているだけなのでちゃんと聞いていないです、汗)。

『Fourth, we decided to launch a new series of four targeted longer-term refinancing operations (TLTRO II), starting in June 2016, each with a maturity of four years. These new operations will reinforce the ECB’s accommodative monetary policy stance and will strengthen the transmission of monetary policy by further incentivising bank lending to the real economy.』

ほうほうそれでそれで?

『Counterparties will be entitled to borrow up to 30% of the stock of eligible loans as at 31 January 2016. The interest rate under TLTRO II will be fixed over the life of each operation, at the rate on the Eurosystem’s main refinancing operations prevailing at the time of take-up.』

4年の貸出で貸出金利は貸出時のMRO金利で実施とは太っ腹。最初のは適格なローン残高の30%まで出しますよという話ですが、ここでちょっと惜しいのは預金ファシリティとMRO金利の間に40bpの差があることで、4年FIXはオイシイけど目先40bpの逆鞘というのが何とも。

『For banks whose net lending exceeds a benchmark, the rate applied to the TLTRO II will be lower, and can be as low as the interest rate on the deposit facility prevailing at the time of take-up. There will be no requirement for mandatory early repayments under TLTRO II, and switches from TLTRO I will be allowed.』

でまあ更にインセンティブがついていて、貸出増加がベンチマークより多い(って要するに他より多いとかそういう事でしょう)場合はご褒美でこの貸出金利がより下がりますよ一番下がると預金ファシリティですよ、ということでして、このご褒美金利がどういう使い方をされるのか分かりませんが、まあこの部分に関してはウマーですな。ある意味裏口の階層構造的なサムシングも感じますけど。それから過去のTLTROからの振り替えも可能だそうで。

『Finally, looking ahead, taking into account the current outlook for price stability, the Governing Council expects the key ECB interest rates to remain at present or lower levels for an extended period of time, and well past the horizon of our net asset purchases.』

必要ならばさらなる措置もしますというのはいつもの話なのでこれは別に変った話ではない。

『Separate press releases with further details of the measures taken by the Governing Council will be published this afternoon at 15:30 CET.』

ECBのトップページが変わってからこの手のリリースの置き場所が訳分からなくなってしまって(トピック別になっているのは良いのだけれども、「What's New」は一覧性を持たせてほしいと思うのだが、ECBにしろBOEにしろ最近サイトの新着が読みにくいんですよね。

『Adding to the measures taken since June 2014, with today’s comprehensive package of monetary policy decisions we are providing substantial monetary stimulus to counteract heightened risks to the ECB’s price stability objective. While very low or even negative inflation rates are unavoidable over the next few months, as a result of movements in oil prices, it is crucial to avoid second-round effects by securing the return of inflation to levels below, but close to, 2% without undue delay.』

目先の物価マイナス化は避けがたいし、2%達成も遅れるのですが、それによる2次的効果によるインフレ期待の低下を避ける為にもこの政策を投下しましたよと。

『The Governing Council will continue to monitor very closely the evolution of the outlook for price stability over the period ahead.』

まあこれはお題目みたいなもん。


・経済物価の部分から少々

『Let me now explain our assessment in greater detail, starting with the economic analysis.』

ということで以下の部分をちょっと拝読。

『Euro area real GDP growth was confirmed at 0.3%, quarter on quarter, in the fourth quarter of 2015, supported by domestic demand, while being dampened by a negative contribution from net exports. The most recent survey data point to weaker than expected growth momentum at the beginning of this year. Looking ahead, we expect the economic recovery to proceed at a moderate pace.』

『Domestic demand should be further supported by our monetary policy measures and their favourable impact on financial conditions, as well as by continued employment gains benefiting from past structural reforms. Moreover, the low price of oil should provide additional support for households’ real disposable income and private consumption, as well as corporate profitability and investment. In addition, the fiscal stance in the euro area is slightly expansionary, partly reflecting measures in support of refugees.』

ということで、国内需要に関してはそんなに弱い話はしていませんが、金融政策の効果とか物価が弱いので実質可処分所得が好調とか、まあ話がそんなに威勢の良いものではないのと、最後の一文はほほーと思いましたよ。

『However, the economic recovery in the euro area continues to be dampened by subdued growth prospects in emerging markets, volatile financial markets, the necessary balance sheet adjustments in a number of sectors and the sluggish pace of implementation of structural reforms.』

まあこれは今に始まった話ではないようにも思えますが。

『This outlook is broadly reflected in the March 2016 ECB staff macroeconomic projections for the euro area, which foresee annual real GDP increasing by 1.4% in 2016, 1.7% in 2017 and 1.8% in 2018. Compared with the December 2015 Eurosystem staff macroeconomic projections, the outlook for real GDP growth has been revised slightly down, mainly reflecting the weakened growth prospects for the global economy.』

スタッフの成長見通しは低下したと。

『The risks to the euro area growth outlook remain tilted to the downside. They relate in particular to the heightened uncertainties regarding developments in the global economy, as well as to broader geopolitical risks.』

成長見通しのリスクがダウンサイドに寄っているというのも毎度同じ。

『According to Eurostat’s flash estimate, euro area annual HICP inflation was -0.2% in February 2016, compared with 0.3% in January. All main HICP components contributed to this decline.』

物価はヘロヘロ。

『Looking ahead, on the basis of current futures prices for energy, inflation rates are expected to remain at negative levels in the coming months and to pick up later in 2016.』

あちゃー。

『Thereafter, supported by our monetary policy measures and the expected economic recovery, inflation rates should recover further.』

金融政策の効果でその先は上がっていくんですとよ。まあそうだと良いですね(棒読み)という感じですが。

『The Governing Council will closely monitor price-setting behaviour and wage developments in the euro area, paying particular attention to ensure that the current low inflation environment does not become entrenched in second-round effects on wage and price-setting.』

従来は2次的効果としてのインフレ期待をどうのこうのとか言ってましたけれども、今回は2次的効果に関して価格設定行動と賃金の動きを見て行きます、と具体的な動きに対して言及していますな。これらが弱くなってくるとまた何かやらないといけなくなるという意味ではちょっと相場張っている感がある。

『This broad pattern is also reflected in the March 2016 ECB staff macroeconomic projections for the euro area, which foresee annual HICP inflation at 0.1% in 2016, 1.3% in 2017 and 1.6% in 2018. In comparison with the December 2015 Eurosystem staff macroeconomic projections, the outlook for HICP inflation has been revised down, mainly reflecting the fall in oil prices over
recent months.』

ということで、以下マネタリーの話と毎度の構造改革とか財政の話になるのですが時間の関係もあるのでパスということで(汗)。

#ということで市場ネタとか昨日の続きとか華麗にパスしてしまいましたすいませんすいません
 


お題「市場がジェットコースター&分断/フィッシャー副議長講演から少々」   2016/03/10(木)07:45:54  
  いやもう市場がバタバタすぎるし流動性無いし分断されまくっているしで疲れますのう。

○またまた市場メモメモ

・いやーエライ動きましたなあ

[外部リンク] Markets | 2016年 03月 9日 15:19 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が大幅反落で引け、長期金利-0.015%に上昇

『<15:10> 国債先物が大幅反落で引け、長期金利-0.015%に上昇

国債先物中心限月3月限は前日比77銭安の151円61銭と大幅反落して引けた。前日に大きく買われたことで高値警戒感が浮上し、朝方から短期筋の売りが先行。日銀の国債買い入れ結果で前日まで好需給を保ってきた超長期ゾーンの売り圧力が意識されると、午後の取引開始直後から一段安となり、一時151円42銭と2月18日以来、約3週ぶりの安値まで売られた。市場では相場急落について、10日の5年債入札に対する警戒感や、先物限月交代に絡むテクニカル的な取引などの要因も影響したとの見方が聞かれる。』(上記URL先より、以下同様)

ということですが、前場途中から長い所が弱めで、輪番が思いっきり甘いことろで打ち込みが入ったので更に下げ、という事ではあったという展開ですな。

『大阪取引所は、国債先物が規定の10銭を超える約定が発生する注文が出されたため、即時約定可能値幅(DCB)制度を発動し、午後0時32分58秒から30秒間、取引を一時停止する措置を取った。』

ほうほう。

『現物市場は前日までのブルフラットニングの巻き戻しから超長期ゾーンを中心に利回りが急上昇した。40年超長期国債利回りは一時同18bp高い0.740%、30年超長期国債利回りは一時同21bp高い0.725%、20年超長期国債利回りは一時同18bp高い0.485%を付けた。超長期を対象にした日銀国債買い入れが最短18日まで間隔が空く可能性があることで、「きょうの日銀買い入れで売却できなかった参加者から、過剰なリスクを減らす動きがあったのではないか」(国内金融機関)とみられている。また、10年最長期国債利回り(長期金利)は同8.5bp高いマイナス0.015%と3月3日以来の水準に上昇した。』

とまあそういう解説ですが、何気にワロタというか何というかなのは、一昨日との対比で見た場合、30年は前日の上げを帳消しにした(なお新発はまだ入札レベルよりお高い)という流れですが、20年はカレントで11.5毛強くなった翌日が16.5毛甘になっていて、結局30年が相対的に強いんかいという辺りに何ちゅうかなものを感じてしまいますな、うんうん。

しかしまあ何ですな、マイナス金利政策の効果という意味ではどう見ても副作用ではありますけれども、この債券市場の壊れっぷりたるや卒倒レベルですなという所でして、まー何も実務面考えないでほんの数日程度の検討で強引に突っ込んだマイナス金利政策の弊害爆裂という風情で実にアレですの、という単なる備忘メモです。


・何気に短い方も謎が深まる件について

とまあ超長期がそんな状況ではございますが、昨日は中短期の引けも全般的に盛大に甘くなっていて、BB引けを見ますと2年カレントが4.5毛甘になっていたり、残存1年の所でも軒並み5毛甘水準の引けとかになっていまして、えーっと短い所に何でそんなに影響が出るのよという中々の謎展開。

でもって昨日申し上げたようにGCレポレートの方は今週に入って下がっていますし、CP発行レートとかは下限張り付き状態になっている中な訳で、何でここが急に甘くなりますねんという感じではあるのですが、確かにその一方でコールについてはゼロ近傍からなかなか下がらないとか、もう思いっきり市場分断が進んでいる感じでして、マイナス金利対応の事務面とか法務面とかそういうのが固まってくるとこの分断が解消されるから無問題、という意見もあるでしょう(というか日銀執行部はそう言っているようだが)けれども、マイナス金利という市場状況によって従来の市場参加者が参加しなくなるとか、より進んだケースでは退出を余儀なくされるとか、そういう流れによって市場の分断状況がオワランチ会長になるという可能性もこれまたある訳でして、少なくとも今起きているのは「短期市場機能の大幅低下」であり、これが本当に戻るのかどうかという点について日銀が楽観するほどにならないのでは、と危惧される所ではあります。

まあそんな中で3Mの入札がありますが、こちらはロットがあれば海外に捌けるでしょうから最終的に消化に問題は無いでしょうし、GCレポレートの水準が下がってきているのでファンディングコストの逆鞘も大幅に軽減されてきていると思うので、まあ在庫にはしやすい筈なのですが、一方で利付の中短期で昨日のBB引け(まあこんな空中戦状態になっているのでBB引けも微妙にあてにならないのですが)が上記の有様というところなのでどうなるのやらという所ではあります。


○ECBプレビュー雑談(というかただのメモ)

まあ本日のECBですが、注目されるのは日本の例を見た影響がどう出るのか、という所に尽きるとアタクシ的には思っていまして、日本の場合もマイナス金利そのものが悪かったのか、事務面無視したサプライズが悪かったのか、既にある莫大なQEとの組み合わせが悪かったのか、という辺りECBはECBなりに考えているでしょうから、(悪いのはサプライズと組み合わせとダマテンでの政策転進かなあと思うけど)それが今回の結果に影響するかどうか、会見で誰か質問しそうですし楽しみですな。



○フィッシャー副議長講演の講演での現状認識はタカでもハトでもなくまあ普通じゃないかなあと

[外部リンク] Vice Chairman Stanley Fischer
At the "Policy Challenges in an Interconnected World" 32nd Annual National Association for Business Economics Economic Policy Conference, Washington, D.C.
March 7, 2016
Reflections on Macroeconomics Then and Now


前半はパス(面白いんですけど)しまして後半から参ります。前半はMacroeconomics Then and NowのうちのThenでここからがNowとなっていまして、

『Well, that was then, and many of the problems we face in our economy now relate to the changes in the stylized facts about the behavior of the economy: Every one of Kaldor's stylized facts is no longer true, and unfortunately the changes are mostly in a direction that complicates the formulation of economic policy.6』

『While the basic approach outlined so far remains valid, and can be used to address many macroeconomic policy issues, I would like briefly to take up several topics in more detail. Some of them are issues that have remained central to the macroeconomic agenda over the past 50 years, some have to my regret fallen off the agenda, and others are new to the agenda.』

ということで課題が並んでいるのでこちらが今の論点ということで。

・フィリップス曲線はワークしているよという説明

『Inflation and unemployment:』というのが最初のお題。

『Estimated Phillips curves appear to be flatter than they were estimated to be many years ago--in terms of the textbooks, Phillips curves appear to be closer to what used to be called the Keynesian case (flat Phillips curve) than to the classical case (vertical Phillips curve). Since the U.S. economy is now below our 2 percent inflation target, and since unemployment is in the vicinity of full employment, it is sometimes argued that the link between unemployment and inflation must have been broken.』

『I don't believe that. Rather the link has never been very strong, but it exists, and we may well at present be seeing the first stirrings of an increase in the inflation rate--something that we would like to happen.』

フィッシャーさんは折に触れてこの話をしていますが、今回も最初がこれでして、つまりは雇用の状況が良い状態が続いているのであれば物価は上がってくるでしょ、という認識には変化が無いというお話ですな。


・生産性の低下は影響が大きいと指摘

次が『Productivity and growth:』

『The rate of productivity growth in the United States and in much of the world has fallen dramatically in the past 20 years. The table shows calculated rates of annual productivity growth for the United States over three periods: 1952 to 1973; 1974 to 2007; and the most recent period, 2008 to 2015. After having been 3 percent and 2.1 percent in the first two periods, the annual rate of productivity growth has fallen to 1.2 percent in the period since the start of the global financial crisis.』

生産性が低下してきているということで・・・・・・・・

『The right guide to thinking in this case is given by a famous Herbert Stein line: "The difference between a growth rate of 1 percent and 2 percent is 100 percent." Why? Productivity growth is a major determinant of long-term growth. At a 1 percent growth rate, it takes income 70 years to double. At a 2 percent growth rate, it takes 35 years to double.』

『That is to say, that with a growth rate of 1 percent per capita, it takes two generations for per capita income to double; at a 2 percent per capita growth rate, it takes one generation for per capita income to double. That is a massive difference, one that would very likely have severe consequences for the national mood, and possibly for economic policy.』

『That is to say, there are few issues more important for the future of our economy, and those of every other country, than the rate of productivity growth.』

生産性が2%から1%に低下というのは「1%低下」ではなくて「半分」である、という説明をだしていまして、生産性低下の影響が大きいと。

『At this stage, we simply do not know what will happen to productivity growth.Robert Gordon of Northwestern University has just published an extremely interesting and pessimistic book that argues we will have to accept the fact that productivity will not grow in future at anything like the rates of the period before 1973. Others look around and see impressive changes in technology and cannot believe that productivity growth will not move back closer to the higher levels of yesteryear.7』

『A great deal of work is taking place to evaluate the data, but so far there is little evidence that data difficulties account for a significant part of the decline in productivity growth as calculated by the Bureau of Labor Statistics.8』

生産性の計測に関しては簡単に計測できるという訳でもないので、そこをどう計測するのかという点はマクロ経済の研究としても大きな課題でその点について精度を高めるような取組が続いているそうな。


・ゼロ金利制約の話ではマイナス金利に関するコメントが微妙に答えを避けている感じ

『The ZLB and the effectiveness of monetary policy:』というお題ですが・・・・・・

『From December 2008 to December 2015, the federal funds rate target set by the Fed was a range of 0 to 1/4 percent, a range of rates that was described as the ZLB (zero lower bound).9 Between December 2008 and December 2014, the Fed engaged in QE--quantitative easing--through a variety of programs. Empirical work done at the Fed and elsewhere suggests that QE worked in the sense that it reduced interest rates other than the federal funds rate, and particularly seems to have succeeded in driving down longer-term rates, which are the rates most relevant to spending decisions.』

ゼロ金利制約の中でQEは効果を出しましたという話はまあ当然にされますわな。

『Critics have argued that QE has gradually become less effective over the years, and should no longer be used.It is extremely difficult to appraise the effectiveness of a program all of whose parameters have been announced at the beginning of the program.』

QEが累積すると効果が無くなる、という反対論があるが・・・・・・・・

『But I regard it as significant with respect to the effectiveness of QE that the taper tantrum in 2013, apparently caused by a belief that the Fed was going to wind down its purchases sooner than expected, had a major effect on interest rates.』

Taperingトークで金利が上がったのを見てもQEに効果があったということではないか、という説明はインチキくさいですがまあ言いたい事は分からんでもない。

『More recently, critics have argued that QE, together with negative interest rates, is no longer effective in either Japan or in the euro zone.That case has not yet been empirically established, and I believe that central banks still have the capacity through QE and other measures to run expansionary monetary policies, even at the zero lower bound.』

ということで、欧州と日本のマイナス金利込み政策に関しての批判が出てきていますが、としらっと言及しているのが中々お洒落ですが、マイナス金利への話は避けてQEは効くと信じています(キリッ)で話を躱しておりまして、これはフィッシャーさん的にも中々ムツカシヤな話(始まったばかりでもありますし)という事なんでしょうな。


・財政と金融政策の機動性

次が『The monetary-fiscal policy mix:』です。

『There was once a great deal of work on the optimal monetary-fiscal policy mix. The topic was interesting and the analysis persuasive. Nonetheless the subject seems to be disappearing from the public dialogue; perhaps in ascendance is the notion that--except in extremis, as in 2009--activist fiscal policy should not be used at all. Certainly, it is easier for a central bank to change its policies than for a Treasury or Finance Ministry to do so, but it remains a pity that the fiscal lever seems to have been disabled.』

機動性がどうのこうのの話はまあそうですねという所で


・金融セクターの安定性

次が『The financial sector:』ですな。

『Carmen Reinhart and Ken Rogoff's book, This Time Is Different, must have been written largely before the start of the great financial crisis.』

そう来たか。

『I find their evidence that a recession accompanied by a financial crisis is likely to be much more serious than an ordinary recession persuasive, but the point remains contentious. Even in the case of the Great Recession, it is possible that the U.S. recession got a second wind when the euro-zone crisis worsened in 2011. But no one should forget the immensity of the financial crisis that the U.S. economy and the world went through following the bankruptcy of Lehman Brothers--and no one should forget that such things could happen again.』

金融危機を起こさせないことが重要というのはまあ順当な論点。

『The subsequent tightening of the financial regulatory system under the Dodd-Frank Act was essential, and the complaints about excessive regulation and excessive demands for banks to hold capital betray at best a very short memory.』

ここでしらっと金融規制による金融引き締め効果について言及しているのがチャーミング。

『We, the official sector and particularly the regulatory authorities, do have an obligation to try to minimize the regulatory and other burdens placed on the private sector by the official sector--but we have a no less important obligation to try to prevent another financial crisis. And we should also remember that the shadow banking system played an important role in the propagation of the financial crisis, and endeavor to reduce the riskiness of that system.』

ということで、金融規制による引締めというデメリットがあっても、金融危機を起こさせないのが大事という話を(順当ですが)していまして、この辺りを見ますとフィッシャーさん金融正常化派とは言っても、その際に規制による引き締め効果を勘案して正常化をしてくるでしょうなあという風におもわれます。


・原油価格の評価は急激な下落jの悪影響も指摘

『The economy and the price of oil:』というのが次でして・・・・・・・・・・

『For some time, at least since the United States became an oil importer, it has been believed that a low price of oil is good for the economy.』

と最初はトータルプラスという話をしていますが、

『So when the price of oil began its descent below $100 a barrel, we kept looking for an oil-price-cut dividend. But that dividend has been hard to discern in the macroeconomic data. Part of the reason is that as a result of the rapid expansion of the production of oil from shale, total U.S. oil production had risen rapidly, and so a larger part of the economy was adversely affected by the decline in the price of oil. Another part is that investment in the equipment and structures needed for shale oil production had become an important component of aggregate U.S. investment, and that component began a rapid decline. For these reasons, although the United States has remained an oil importer, the decrease in the world price of oil had a mixed effect on U.S. gross domestic product.』

ということで急速な下げによる悪影響も指摘して、「 mixed effect on U.S. gross domestic product」としています。

『There is reason to believe that when the price of oil stabilizes, and U.S. shale oil production reaches its new equilibrium, the overall effect of the decline in the price of oil will be seen to have had a positive effect on aggregate demand in the United States, since lower energy prices are providing a noticeable boost to the real incomes of households.』

価格が落ち着いてきて、シェールの生産も安定してくればトータルではプラスの効果になるでしょう、という結論にはなっています。


・長期停滞論の所が長いのですが時間がががががが

すいませんすいません。『Secular stagnation:』の所がやたら長いのですが時間と量の関係上(たぶん)明日続きをやりますです。はい。
 

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