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今朝のドラめもん(金融政策ウォッチ)

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お題「虫干し系ネタと雑談で勘弁」   2016/06/30(木)08:09:12  
  こっちの方が盛り上がって参りました、って参院選が空気になってしまう・・・・・・・・
[外部リンク] 2016.6.29 11:11【東京都知事選】
自民・小池百合子元防衛相が出馬表明 「崖から飛び降りる覚悟で挑戦したい」

えーっとすいません、清水の舞台から飛び降りるのでしたら分かるのですが、崖から飛び降りるってそれは投身とか入水とかを想像してしまうので日本語の用法の再考をお勧めしたいと存じますが、かつて「マダム寿司」(以下割愛)。


○日銀保有国債の償却減価法処理に関連して

昨日木内さんの会見ネタの時に国債の償却減価適用によって発生する償却損の部分(アンダーパーで買った場合はアキュム益になるけどまあ無いに等しい額でしょ)がどうなっていますねんという話をしたら、どうも昨日の0時にブルームバーグで記事が出ていたようで(汗)。

でもってこれがアタクシの検索が良くないのかネット版の方では記事がヒットしてくれないのですが、償却減価によって評価替えが発生して出る損失額について、年々拡大しており、例えば2014年度は6382億円とかになっているとの報道でして、これ地味な話なのですが日銀の財務負担を考える意味においては結構重要な論点の一つだと思いますので、ネット版の方にも記事出してちょという感じではあります。6/29の0時近辺の記事ですので詳しくはそちらをご覧あれ。

んでもって当該ブルームバーグ記事によりますと、木内さんの会見での説明の通りになるのですが、日銀保有国債のクーポン収入部分と減価償却(アモチ会計)に関しては償却を利息収入調整金の形で処理していて(ちなみに普通にアモチ会計をするときはアモチ会計での償却は利息とは別建てで処理するように思えるのだが)、決算の財務諸表上では調整額についてはクーポン収入とネットアウトして総額表示になっているようです。でもって年次の償却額に関してはブルームバーグの当該記事に記載がありますので、ネット版で出てくれば追記引用しますけれども、まあ折角ブルームバーグさんがせっせと調べたものですので敬意を表してそちらの記事をご覧あれという所です。

まあ何ですな、この財務諸表的なネットアウト攻撃ってうーむと思う訳で、グロスの数値を出して欲しいなあとは思うのですけど、もしかしてグロスで数字を出すとその「利息」の方だけ見て「こんなに利益が上がっているではないか埋蔵金埋蔵金」とか言い出す盗人ヤローが出てきて騒ぎ出すのを懸念しているのかも知れませんけどね。


○オペ関連雑談メモ

・輪番超長期は減額せずだが今日は月末

昨日のオペオファー

[外部リンク] 国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,500 2016年7月1日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 4,400 2016年7月1日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,200 2016年7月1日
国債買入(残存期間25年超) 1,400 2016年7月1日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 431 2016年6月29日 2016年6月30日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2016年7月1日 2016年10月11日

昨日に関しては輪番超長期がここもと価格が上がってきているので減額するんじゃネーノ的な話が出ていまして、輪番超長期減額したらどうなるかね的なトークで下が輪番超長期はいつも通りのロットでオファーされておりましたな。

まあ何ですな、進捗調整をしたいというのも分かるのですけれども、特に月中で進捗をホイホイと調整されてしまいますと、それだけで波乱要因になってしまいまして、マーケットが通常の時に適当に面白ボラが入るのは必ずしも悪い訳でもないのかもしれませんが、こんなマーケットになっていて日銀が超ドミナントプレーヤーの時に変に動かれるのも困りますのでねえ。

でもって本日は月末なので来月の輪番スケジュールが出てきて、超長期が減額になるんじゃネーノとか、応札が順調に減ってきている中期はどうなのとか(主に超長期という人の方が多いと思うが)他に相場ネタが無いので盛り上がる(かどうか知らん)トークではございますが、まあこの辺ももうちょっとこうシステマティックにして頂きたいですし、そもそも1枚目のレンジが無意味なほど広く、2枚目の方の具体額がカチカチになっているというあの出し方も何だかなあ的なサムシングがありますの。


・その他のオペ雑談

昨日のオペですが、
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2016年7月1日 2016年10月11日

というのも??????感が漂うオペでして、ブリクジット確定的になってUKIPのオッサンがインディペンデントデー!とか言って超満面のドヤ顔をしているのを(皆がBBC見てるので逆張りして)SKYNEWSのネット放送を見ながら呆れていた後のオペが同じく「期間3か月で1.5兆円」というオペだったのですが、今回もこの数値。

でもってこの「7月追加緩和の可能性」とかいう話をしていて、しかも追加緩和の場合に政策金利が下げられるかも知れん、という中で長い期間の固定金利資金調達ニーズとかある訳ねえだろ(しかも金利が0%という高利貸しレート)という状況になっているのですが、先週金曜日の落札額が70億円、今回の落札額は50億円となっております。

ちなみにこの2本は新規で打ち込んでいて、最近は過去のシグナルの残骸まで含めて1回8000億円を2週間物で打ち込むという形になっているのですが、これとて期間が長いと「3方向で追加緩和」と言われているのに誰がニーズあるんだよおいということで短いのを打つようにしている次第なので、3Mの固定オペなんぞやったら札が皆無なのは明確なのですけれども、まあ大人の事情でやっている振りオペというのも必要ですから仕方ありませんな、とは思いますが結構馬鹿馬鹿しいので適当な所でアリバイオペ止めればとは正直思います。


あとそういえば月曜に
[外部リンク] 国債買入(物価連動債) 1,909 253 -2.000 -2.156 59.3

というのがありまして、物価連動国債の買入が何か2円15銭安平均の2円安足切とかになっておりましてナンジャソラという風情で、まあ何と申しますかこの乖離は一体全体何なんでしょうかとか、その後の推移(以下の記述は内務省情報局検閲により削除されました)。


○さらに今更ですが決定会合の主な意見関連

やっと追いつきました(大汗)。

[外部リンク] ・物価に関しての上がるという話が根拠レスにしか見えない件

まあ経済の方はどうでもよい(などと言ってはいけませんが)ので『(物価)』の辺りから。

『・賃金の上昇を伴いながら、物価上昇率が緩やかに高まっていくというメカニズムは、引き続き作用している。

・ 予想インフレ率は弱含んでいるが、タイトな労働市場、設備投資の増加基調を背景に、需給ギャップの改善が進み、徐々に上昇率を高めていくとみている。

・ 物価は、低調な消費を受け昨年のような値上げが望めないもと、当面低迷するが、今年度後半より上昇に向かう。』

『・ 財の物価の伸び率は低下し、サービスの物価の伸び率は上昇しているが、財の伸び率低下から全体として物価は伸び悩んでいる。

・ 円安一巡や個人消費の下振れを受けて、企業は再び値上げに慎重な姿勢を強めている。』

前半3人が物価が上がるという話で後半2人がお前は何を言っているだという話ですが、どう見ても前半の説得力が皆無ですなあ。


・マイナス金利の効果の話だが住宅投資に関する評価に大本営発表的ないやーな予感がする

毎度ですが『.金融政策運営に関する意見』から先が見どころである(^-^)。

『(マイナス金利政策の効果)』

『・マイナス金利政策の効果は、金利面では、国債利回りだけでなく、貸出金利やCP・社債の発行金利などもはっきりと低下している。超長期の社債を低利で発行する動きが拡がるなど、企業の資金調達環境は、さらに緩和している。』

『・世界経済の不透明感が続くもとでも、設備投資は増加基調を続け、住宅投資が再び持ち直すなど、マイナス金利政策の効果は、実体経済面に徐々に波及してきている。


住宅投資で伸びてるのって貸家向けじゃなかったでしたっけ????

『・設備投資は緩やかな増加基調を続け、新設住宅着工戸数も住宅ローン金利の低下により再び持ち直しているなど、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」による金利低下の効果は着実に実体経済や物価面に波及しつつある。』

FSRだと不動産関連投資については抑制的な表現ですけれども一部の与信に対しては懸念を示しているのですが、住宅投資に効果が出ている云々という話がこう出てくるのは何ちゅうか現場の報告を作戦参謀がこねくり回して的なアレの悪寒がして甚だいやーな予感がせんでもない。

『・「絶対利回り 」での社債発行が定着してきているほか、固定金利でのシ・ローン組成等が行われるなど、金融実務の面でも、マイナス金利のもとでの企業の資金調達は順調に行われている。』

これはだから何なのとしか申し上げようがない。

『・銀行貸出全体の増加率は高まっておらず、マイナス金利政策の効果は明確にはみられない。不動産向け貸出の高い増加率は、将来の金融システム安定の観点から注視が必要である。』

やっと野党審議委員コメントキター!!!


・金融政策運営の話は後半の実際の運営に関する話が当然ながら盛り上がる

『(金融政策運営)』である。

『・マイナス金利政策の効果は、既に貸出金利低下や社債発行額の増加等にみられるが、実体経済への波及を当面見極める必要があり、金融政策は現状維持が適当である。』

『・現在の金融政策は継続すべきである。マイナス金利付き量的・質的金融緩和の効果は、既に金利面に現れており、今後やや時間を要するものの、その効果は実体経済や物価面に徐々に波及していく。』

『・金融政策のラグを考慮すると、現在はマイナス金利政策が実体経済と物価に及ぼす効果を見極める時期である。また、英国のEU離脱の投票結果とその後の金融経済動向を見極める必要もある。』

以上与党の皆様ですが、金融政策のラグを考慮とか、かつてマネタリーベース直線一気理論では日銀当座預金を引き上げるとあっという間に物価が上昇するという話をしていたはずなのに隔世の感がありますなあ(棒読み)。

『・今後、物価の基調は高まっていくが、下振れリスクも大きい。デフレに引き戻されないよう、物価安定目標2%に向けて息長く腰を据えた取り組みの継続が必要である。』

この「息長く腰を据えた」というのに野党の香りを感じます。

『・マクロ経済の安定と「物価安定の目標」の実現のために必要と判断される場合には、追加的な金融緩和策の実施を検討すべきである。』

まあ追加緩和で不安定さを呼んでいるようにも見えますし、追加緩和して物価が上がる訳でもないでしょとは思いますが。

『・生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価前年比や予想インフレ率指標に弱さがみられるなど、物価安定目標達成に警戒信号が点滅している。2%達成時期が遅れる蓋然性が高くなる場合には、追加緩和により、2%達成に向けた日本銀行のコミットメントを、人々とマーケットに改めて示す必要がある。』

まあコミットメントを示すための追加緩和というのは毎度の理屈なので7月打ち込むならこの理屈で打ち込んでくるんでしょう。問題はそれで別に物価上昇が加速する訳ではないことなので、実際は時間の経過とともに「コミットメント」は「物価目標達成への期待」から、「こいつら行きもしない目標の達成と称して何をしでかすか分からない」という期待へと変貌しているとしか申し上げようがない。

『・「量的・質的金融緩和」後の経済を名目GDPとGDPデフレーターで評価したい。GDPデフレーターは、国内の付加価値のデフレーターであり、輸入価格の変動を控除している。名目 GDPとGDPデフレーターは、緩和開始以来、年率 1.8%と 0.9%(消費税の影響を調整)で上昇している。それ以前はマイナスだから、その効果は明らかだ。』

どうせこれジンバブエ先生だと思うのですが、そもそも何でこういう数字を出してくるのか訳分からないですし、大体からして金融政策の効果って実体経済に対して波及ラグがあるのですから、「緩和開始以来」って随分雑な切り方だろとかツッコミどころは尽きないが誰か代わりに突っ込んでおいて欲しいです。


ということで以下の後半が見どころ。

『・ 現状の国債買入れはそれ程長く続けられない。まだやっていけるという段階で、より持続可能なものに転換していく必要がある。』

『・短期決戦型の現状の政策の枠組みを持久戦により適したものに調整していく必要がある。政策の主目的は量を増やすことから金利を下げることに既に移行している。これだけ絶大な金利低下効果が出ている以上、現行政策の持続性を確保するため、量のコミットメントについては、これを軟着陸させる方策を考える必要がある。』

この辺りはたぶん佐藤さんだと思うのだが、片方が石田さんだったりすると大変に素敵なのですけれども、惜しくも本日で任期終了ですな。

『・国債を大量に買い入れる現在の政策は、財政政策、金融政策双方の信頼性を損ねているため、見直すべきである。市場実勢からかい離した価格での資産買入れは、最終的に国民の負担に繋がる。』

『・サプライズを狙った政策は、金融政策の予見性を大きく低下させ、市場のボラティリティを高めて、政策効果を減じる可能性がある。市場との対話の正常化、双方向での対話の強化を早期に図るべきである。』

この2つは先般の金懇挨拶と会見(というか演説)を見るに木内さんでしょうな。

『・ポートフォリオ・リバランスは、借入需要がそれ程伸びないもとで、大量の資金をヘッジ付外債投資に向かわせ、ドルプレミアムの拡大をもたらしている。日本の投資家の利益が海外の投資家に移転するとともに、外国の債券利回りを引き下げ、金融緩和効果が海外へ流出しているとも言える。』

これは佐藤さんが言いそうな話ですが、これまた石田さんだったりすると非常に滋味が深いのですが、次の見解がちょうどよい晒し者になっていて大変に素敵です。

『・銀行の国債離れという趣旨の報道を受けて、これが「量的・質的金融緩和」の限界や副作用を示すという一部の議論は理解できない。国債を保有していた民間金融機関が、貸出の増加、海外への貸付、国債以外の様々な資産を購入することが金融緩和政策の実体経済への効果を生み出すものであり、政策効果の浸透を示している。』

はいはいジンバブエジンバブエという感じでして、海外貸出ガーとか効果と言ってますが、金融緩和効果の海外漏出という指摘に対して何という表面的な評価でしょう(某番組風に)という所で。
 


お題「色々とメモ&木内審議委員会見ネタの続き(その2)」   2016/06/29(水)08:00:01  
  いつの間にかこんな不定期連載特設コーナー物になっているのか。
[外部リンク] ニュース特設
マイナス金利 広がる影響

○市場その他雑感

・昨日も申しあげましたが何でそんなにドタバタするのかね

[外部リンク] 経済対策の規模や内容巡り議論が活発化
6月29日 5時51分

今朝のモーサテが報じる所によりますと本日もまた政府と日銀の協議が行われるとかいう話ですが、昨日は経済財政諮問会議があったり自民党の方からも経済対策がどうのこうのとかやたら出ていまして、いやまあこれが「しっかりした政府がちゃんとやっていますのですよ!!」的な一種のアレだったら別に良いのですけれども、

『イギリスが国民投票でEU=ヨーロッパ連合からの離脱を選択したことを受けて、自民党は、28日、国内経済への影響を最小限にとどめるため、中小企業に対する資金面での支援など経済対策の検討を急ぐ方針を確認しました。』

『これに関連して、自民党内では、下村総裁特別補佐が、先に、10兆円を超える規模の今年度の第2次補正予算案を編成するよう求めたほか、イギリスのEU離脱問題が長期化するおそれがあるとして、政府系金融機関などを通じて、民間プロジェクトに資金を貸し出す「財政投融資」も含めて、20兆円規模の経済対策が必要だという意見も出ています。』(以上、上記URL先より)

てなのを見ますと、「中小企業への資金面の支援」とか「財政投融資」とか何でそういう話になるの的なのがポンポン出てくる訳でして、何か違うんだよなあ感が拭えないですし、別に金融危機的な混乱が生じている訳でもないのに政府と日銀の協議だってそんなに連日やらんでも良かろうと思いますし、大体からしてこんなに連日協議して変に期待値を上げてしまうと(今の所この連日の協議で何か期待値が上がっているようでも無いとみられるのでまだ大丈夫そうですが)何も出て来ない場合(現状別に何かしないといけない訳ではないのだから本来何も出て来ない方が普通)に逆に失望にならんか大丈夫かと思ったりするのでした。


・昨日もブルフラットしているのでメモ

まあご案内の通りですがメモメモ。

[外部リンク] Markets | 2016年 06月 28日 15:22 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は大幅反発、長期金利-0.230%と過去最低

『<15:19> 国債先物は大幅反発、長期金利-0.230%と過去最低

長期国債先物は大幅反発。27日の海外市場で英国の欧州連合(EU)離脱決定の影響が続き、リスク回避の流れが強まったことを材料視して、短期筋からの買いが優勢になった。後場も上昇幅を拡大して一時152円95銭と過去最高値を更新した。

現物債は軒並み金利が低下。超長期ゾーン利回りの低下スピードは速く、20年債、30年債、40年債各利回りは過去最低を付けた。年金勢や生保などの一角が買い進んだとの観測が出ていた。2年債利回りも入札を無難にこなすと、金利が低下基調となり過去最低を更新した。海外勢や国内銀行勢の需要とみられている。イールドカーブはブル・フラット化の形状。』(上記URL先より)

短期筋からの買いと書いてある割には年金勢や生保などの一角が買い進んだとあって、どっちですねんとか言いたくなりますが、まあそれはそれとして昨日は昨日でまた超長期強いし2年カレントは▲30bpとかになりやがるしなのですが、何せアレなのは別に全員参加してワッショイワッショイとやっているのではなさそうな所。一応アタクシはジジイなので最高値更新的なのは何回も見させられているのですが、今回ほど盛り上がらない最高値更新も中々無いという感じで、盛り上がらないままで何かこう淡々と金利が下がっていくのを皆さんでしょんぼりしながら見ているという風情なのが何とも。


・ドル資金供給がちょっと出ていた件もメモ

[外部リンク] 米ドル資金供給(6月30日スタート分) 1,475 1,475

ということで昨日は毎週やっている1Wのドルオペに応札が14.75億ドルほどございまして、久々に2ケタ億ドルじゃんとか思いましたが、

昨年の6月末跨ぎのドルオペ(6/25-7/1)
[外部リンク] 米ドル資金供給(6月25日スタート分) 520 520

となっていまして、昨年もそういや6末跨ぎの場合は応札があったので、まあ話のネタとしては面白いのですが、特にこれがブリクジットに伴う何ちゃらかんちゃらという風にネタにされるというのはちょっと違うようにも思えますので、念のためメモを置いておきます。

なお、超どうでもよいのですが、オペ結果の過去の参照するページなのですけれども、日次公表分の開示が去年と今年のだけになっている上に、以前はカレンダー形式になっていたので見やすかったのですが、いつの間にやら1年分ダラダラ縦に並んでいるという形式になってしまい、過去のデータの参照という意味ではどう見てもユーザーフレンドリーさが大幅に後退していて甚だ遺憾なのですけれども元に戻してくれませんかねえ。


・そういえば住宅ローン債権の適格担保は明日から適用開始ですな

[外部リンク] 「適格住宅ローン債権信託受益権担保取扱要領」の実施日について
2016年6月24日 日本銀行

『日本銀行は、2016年3月14・15日の政策委員会・金融政策決定会合において、「適格住宅ローン債権信託受益権担保取扱要領」の制定を決定しましたが(注)、今般、その実施日を2016年6月30日とすることとしましたのでお知らせします。』

ということでこれまたブリクジット騒動で注目されませんでしたが(というか既定路線の話なのでそもそも実務家以外は関係ない話というのもありますが)先週金曜に出ていましたのでメモメモ。




○つーことで木内審議委員会見(遅れてすいません)ネタの続き

すいませんすいません。
[外部リンク] ・出口政策における日銀の損失に関して

『(問) 木内審議委員は、去年の 12 月に都内で講演されて、「量的・質的金融緩和」の出口で日銀の損失が 1 年間で 7 兆円に達するという試算をされました。その後にマイナス金利が導入されたわけです。そして、日銀は足許では国債を非常に高い割高な価格で買っていて、その償却額も毎年増えている状況です。出口以降、或いは出口の前も含めて、日銀のこうした財務の潜在的なロス、いずれか表面化するロスについて改めてお考えをお教え頂けますでしょうか。』

ということでこの答えもまた大演説状態。

『(答) 今ご指摘頂いた点は非常に重要だと思っていまして、昨年の 12 月に申し上げた金融政策の正常化の過程での日銀の財務体質への悪影響の可能性というのも依然として問題だと感じております。これは、マイナス金利政策導入以前・以降にかかわらず、非常に重要な問題ではないかと思っております。』

と、重要な問題と連呼しているので引用するざます。

『もちろん、将来、付利金利をどういった形で上げていくかというのにもよるわけですけれども、当座預金の極々一部だけ金利を上げていくとすれば、すなわち、極々一部だけ今マイナスになっている部分を将来プラスにしていけば、日銀の財務への悪影響は大きくならないわけですが、それは多分実現可能ではないと思いますので、正常化の過程では、その時申し上げたような日銀の資本を毀損するという問題は出てくるだろうと思っています。』

国債だから時価評価しなければ良いというのは有っても、期間損益がマイナスになるという話って意外に理解してくれていない人が多かったりするんですよね。

『それから、2 番目にご指摘頂いた点で、これはマイナス金利以降そういった傾向が強まったわけですが、我々が国債を額面以上の価格で買い入れているということで、その部分が損失になるわけです。それは、我々の会計手順に従いますと、毎期、その差をマイナスの利子所得として計上していくということになります。』

でもってここの所実はアタクシ前から引っ掛かっていて、日銀の購入国債って償却減価法で評価していることになっているのですが、国債の償却分について日銀の決算とかを見てもちょっと見に分からない(ってアタクシの財務諸表の読み込みが足りないだけなのかもしれませんが)のでして(株式の評価差損益発生とかは見ると分かるのですが)、償却をマイナス利子所得で認識しているとなりますとなるほどとは思うのですが、それはそれでイマイチしっくり来ないので、実際の所どうなっているのか教えてジェネラル(つーかたぶん日銀の広報に聞けば教えてくれそうですが、汗)。

『そうしますと、おそらくマイナス金利政策導入以降は、我々は、平均すると、マイナスの金利で国債を買っているということになります。一方で、その交替で当座預金を供給するわけですが、増えている部分は利率が0%部分だと思いますので、限界的に言いますと、マイナス金利政策以降は逆鞘のオペレーションになっているということなのではないかなと思います。』

これはマクロ加算を四半期で20兆円程度拡大するという施策にしているからこういう説明になります。

『ただ、ご案内の通りですが、過去により高い金利で国債を買った部分で、プラスの利子所得が毎年毎年計上されておりますので、平均的にみますともちろん逆鞘になってはいませんし――将来的にはなるかもしれませんが――、まだ時間的に余裕はあるわけですが、限界的にはマイナスになってきています。これがすぐに何か大きな問題を生むわけではないのですが、長い目でみますと、非常に大きな問題だろうと思っています。』

うむ。

『つまり、我々は国債などを買い増して、それに対してマネーを供給します。当座預金なので、非常に低い金利で、従来だと多くは 0.1%でした。それに対して、買う国債は、もうちょっと高い金利で買っておりましたので、その部分がいわゆるシニョレッジ(通貨発行益)という形で、我々の収益になりまして、これが日本銀行の業務を支えてきました。ただ、もう限界的には逆鞘になってきていまして、この政策をずっと続けていきますと、いずれはトータルでみても、やはり逆鞘になっていきます。そうすると、我々の経営の基盤、業務の基盤は一体どうなっていくのか。もちろん政府から補填を受けるというのも可能性としてはあると思いますが、それは今の新日銀法のもとでの枠組みとはやはり違ってくると思います。そう考えますと、ご指摘の点は今すぐ大きな問題にはならないのかもしれませんけれども、シニョレッジに支えられた我々の業務の基盤を揺るがす大きな問題になってくる。これも、やはりマイナス金利政策、非常な低金利政策が長期化した場合に、大きな潜在的な問題点の 1 つと言えるのではないかと思っています。』

ということでして、これ日銀財務の話をしていますが、良く良く考えると「マイナス金利を活用して経済対策」とか言っている人たちに対する砲撃にもなっていまして、統合政府で考えた場合に「国債の発行金利がマイナスだからそれを活用してどうのこうの」というのが実はナンセンスにも程があるという話をしている(本質的に貨幣発行益がマイナス化するのだから国債発行で儲かった積りでも統合政府で見た場合にプラスになっている訳ではないので活用するのがそもそも変ということですな)のですな。


・そもそも追加緩和の手段と言いましてもというお話

次の質疑はブリクジットになった場合にどうするのかという話ですな(質疑は先週木曜日)。

『(問) 明日にも判明するイギリスのEU離脱の可否の投票が真っ最中なのですけれども、仮にこれで市場が大きく動揺した場合、日銀及び中央銀行として何をすべきなのかという点と、おっしゃるように様々な緩和策を色々と取ってきた中で、だんだん副作用が明らかになっているとはいえ、やはり景気もそれほど強くないと、仮に景気の下支えが必要であるとなった場合、日銀は何もしないで、他の財政とか構造改革に任せるべきということなのでしょうか。 』

これまた大演説である。

『(答) 国民投票の結果で、金融市場がどうなるのかは分からない話ですが、一方で、不測の事態に備えて、主要中央銀行間で意思疎通をしているというのは事実です。英国の国民投票の結果によって、金融市場が大きく反応する可能性があります。他方で、実際、投票結果がイギリス経済、ひいては世界経済にどういう影響を与えるかというのは、例え離脱になったとしても、これからどういう交渉をしていくか次第でありますので、分からないわけです。』

うむ。

『そういう意味では、これはまず金融ショックであると理解すべきだと思います。金融面でのショックに対して、それが非常に長く続いて実体経済にも影響が出てくるということであれば、追加緩和策という議論になってくるのかもしれませんけれども、金融面でのショックに対する中央銀行の最初のリアクションというのは、流動性供給ということになるのだと思います。』

そらそうですな。

『これについては、例えば、邦銀で言いますと、ポンド或いはドルについては、十分な手当てを現時点でされていると思っておりますが、不測の事態に備えるということも重要です。ただ、これにつきましては、ご案内の通り、6 中央銀行間でのスワップ協定があり、それに基づいて、本行でも週 1 回のドル供給オペをしております。これは金融機関の求めに応じて実施するバックストップとしての機能でありまして、こうした機能は既にあるわけですので、本当に金融機関が自らのドル調達に不測の事態が生じれば、それを活用されるというのが、今の時点での我々の考えでして、何か能動的に追加策をやっていくということではありません。もちろん、実体経済にすごく悪い影響が及ぶようであれば、通常の金融政策の枠組みで何か対応策を議論するということだとは思います。』

とまあここまでが回答の前座。

『ただ、個人的に考えますと、何らかの策をしたとしても、実体経済に大きなプラスの影響を与える政策の選択肢というのはなかなか残っていないと思っています。』

キタコレ!

『技術的に行き詰っているということでは未だないと思いますけれども、長い目でみた副作用を上回る効果が期待できる政策の選択肢については、あまり心あたりがなくなってきているというのが個人的な考えです。』

「技術的に行き詰っているということでは未だないと思いますけれども」ってのも何気にポイントだと思う。

『そのため、そういった金融面のショックから実体経済に悪影響が及ぶような事態になったとしても、こういった策がいいというのは、個人的にはあまり思い浮かばないわけですが、最終的に中央銀行として重要なのは、信用秩序の維持、金融システムの安定でありますので、やはり流動性供給ということだと思います。外貨については、6 中央銀行間の枠組みがあります。これは非常に強力ですので、必要に応じて更に強化できますが、既存の枠組みによってかなり対応できると思っています。加えて、本行として独自に何かする必要があるということであれば、円貨の流動性供給の強化だと思います。これは、今、円貨が余っているじゃないかと言われれば、もちろんそうなのですけれども、やはり不測の事態になった時、或いは金融機関全体としては安定していても、個別の金融機関で問題が出てきて、システミックリスクに繋がる可能性がないわけではありません。そういうことを起こしてはいけないという観点から、我々独自としては、やはり円貨の資金供給をしっかりしていく必要があります。』

というのはこの次の部分のまたまた前振りでして・・・・・・・・・・・

『これに関しては、マイナス金利政策導入後、特に共通担保オペの残高が急激に減ってきているというのは、やや心配なところでして、これは貸出支援オペのように、マクロ加算という救済策が取られなかった結果として、場合によっては逆鞘になるためです。0%の金利で借りて、場合によってはマイナスの金利の当座預金に預け入れるという金融機関も出てくる可能性があるわけですので、逆鞘だとなかなか活用されない。やはりこのあたりを見直してどんな時でも中央銀行の流動性供給に全ての金融機関がアクセスできるような環境を整えていくということが重要だと思いますし、もし不測の事態が起こった時には、それを強化するというのが私としては重要な策なのではないかなと思っています。』

ということで、マイナス金利政策によって量的な意味では引締め的に作用する(一定以上の超過準備に対してペナルティを課すのだから当たり前だが)というお話ですし、ここのところを量的に緩和しようとしたら超過準備に対するペナルティを事実上無くさないといけないのですから、そうなるとマイナス金利の方が意味が無くなってしまう次第で。


・金融仲介機能云々に関して

これ先日も引用しましたので簡単に。

『(問) マイナス金利のことをお尋ねするのですが、北陸の地銀 6 行は過去最高益を出しているという話を伺っているのですけれども、金融機関が過剰にリスク回避をしているのではないか、そういう見方はできないのでしょうか。先程、企業の方はどちらかというと金利というよりは将来不安の方を考えて貸出金が伸びないというお話がありましたが、金融機関の方は企業側に先行きを煽っているようなそういう側面もあるのではないかと思うのですけれども、過剰リスクを取らない金融機関の姿勢というか、その辺はどういうふうにお考えになっているのでしょうか。』

とまあこの質問に対する答えもやたら大演説になるのですが、前半部分は割愛しますね。

『(答)(冒頭部分割愛)それから、挨拶要旨の中にも書きましたが、もう少し長い目でみた時に、金融機関が問題を先送りする形で、例えば効率の低い、問題のある企業への貸出を維持するということになりますと、いわゆる非効率なセクターに資本と労働が固定化されてしまうということになり、経済全体としては生産性上昇率が下がってくるということが起こってくるのではないかと思います。』

うむ。

『我々の計算ですと、80 年代は、潜在成長率は一時 4%程度であったところ、現状では 0%に比較的近い水準まで落ちてきています。これには色々な要因がありますが、1 つは今言ったような金融仲介機能が十分に果たされていない結果として非効率なセクターにお金、資本、労働が固定化されてしまっていることがあります。仮に今のマイナス金利政策のもとで、今申し上げたようなことがもう一度起こっていくということになりますと、さらに潜在成長率を押し下げることに繋がってしまうと思います。』

うむ。

『私は、マイナス金利政策は金融仲介機能を損なってしまうからマイナスなのだというふうに説明申し上げていますが、必ずしも 1 年後、2 年後の話ではなく、もう少し中長期の視点で申し上げています。』

なおこの木内さんの話に対するジンバブエ審議委員の反論は全然ラベルが違う話をしている件。

『金融政策の役割としては、需要が不足している時に需要を正常化してあげるというのが大きな役割であって、潜在成長率を高める、生産性を引き上げるというような形で供給側には直接的な影響を与えないのが金融政策です。一方で、今、日本経済が抱えている問題の多くは供給側の問題なわけで、需要不足ではないわけです。失業率が非常に低く、設備稼働率も比較的高いわけです。我々が計算している需給ギャップはほぼゼロの状態が何年も続いています。それでも経済があまり強くみえないのは潜在成長率が非常に低いからでして、それを押し上げる政策を主導するのは金融政策ではないというのが私の基本観です。』

いちいちごもっとも。

『ただ、適切でない金融政策が採られた場合には、今のような経緯で、生産性上昇率、潜在成長率がもう一段下がってしまう可能性、我々の政策が間接的に供給側を弱くしてしまうという可能性はあると思っていますので、少し長めの視点ではありますが、そういうところにも配慮しなければならないと思っています。(以下銀行収益の話になるけど割愛します)』


○その他盛大に積み残しネタがあるのでメモメモ

[外部リンク] 金融政策決定会合における主な意見(2016 年 6 月 15、16 日開催分)

こちらでは毎度のように『(マイナス金利政策の効果)』とか『(金融政策運営)』の話がありまして、こっちの意見表明が味わいがあります。まあこの「主な意見」って議事要旨と違って編集が入らない(助詞の使い方とかは統一されているのでおそらくそういう意味の編集は入っていると思いますが)のと、全員が(ほぼ)同じ文字数書いているので、与党審議委員の見解よりも野党審議委員の見解が目立ちやすいというのはありますが・・・・・・・・・・


[外部リンク] 【挨拶】全国信用金庫大会における挨拶
日本銀行副総裁 中曽 宏
2016年6月24日


・・・・・・・ただひたすら空しいとしか申し上げようがない挨拶で、いやまあお立場は理解しますが、そもそも中曽さんがもうちょっとこのアホアホ政策のブレーキを踏んでくれないと誰が踏むのよというところで、別に表面だってブレーキ踏まなくても良いのですけれども、黒田さんが暴走機関車モードにしか見えない状態になっていると中曽ブレーキはどこに逝ってるのという風にしか傍目には見えないので・・・・・・・・・

[外部リンク] 金融政策ルールとしてのフォワード・ガイダンス
2016年6月27日

面白そうなのですが『全文掲載は、英語のみとなっております。』となっていてこれがまた読むのがさすがにしんどいので後回し。本文はこちら。

[外部リンク] Forward Guidance as a Monetary Policy Rule


[外部リンク] 「金融取引の多様化を巡る法律問題研究会」報告書
――金融規制の適用範囲のあり方――
2016年6月28日
金融取引の多様化を巡る法律問題研究会

これがまたアタクシ的には非常に興味深いのですが、ぱらぱらと見たら論点が多岐に渡ってありまして中々面白いのですが精読できていない上にネタとして使うのかは分からんです。

本文はこちら。
[外部リンク]
 


お題「引き続きバタバタしているので各種メモ/英国騒動で埋もれさせてはいけないのが木内審議委員記者会見(その1)」   2016/06/28(火)07:53:21  
  厭債害債さんが渾身のエントリー2本なので目の玉よく開けて読むべし。

[外部リンク] アベノミクスとは何だったのか?

[外部リンク] 英国国民投票の評価


○市場と海外関連雑談メモ

・海外の金利が盛大に低下しているようですが

[外部リンク] 米国債:大幅続伸、英国のEU離脱決定で利回り低下観測
2016年6月28日 05:26 JST

何かこういう肝心の時にネット版のロイターとかブルームバーグだと英国金利市場の話とかが検索できないのですが、英国は10年0%台に盛大に突っ込んでおりましたし、米国も上記記事にありますように1.4%とかもうねという展開になっておりまして、別に金融危機云々でやっている訳ではない(英国の銀行株はズタボロですけど)市場な訳でして、先行き不透明で何だか良く分からんからとりあえずリスクを落としますか的なサムシングなのか、そこに景気見通しの悪化を入れているのかとゆーところですな。

ということになりますと、昨日のジャパンの債券市場におかれましては、

[外部リンク] Markets | 2016年 06月 27日 14:24 JST
〔マーケットアイ〕金利:超長期金利が過去最低更新、月末控え一段のフラット化圧力

『<14:15> 超長期金利が過去最低更新、月末控え一段のフラット化圧力

超長期ゾーンが堅調。30年債利回りは一時前営業日比2bp低い0.110%、20年債利回りは一時同2.5bp低い0.085%と、前引け間際から後場にかけて、いずれも過去最低を更新した。』(上記URL先より)

とか何とかやっていまして、昨日の場合は株は反発するわ為替の方も100円突っかけるような円高は一服している感だったのですが、債券市場だけは淡々とフラットニングをしていまして、何なんだこの債券市場と思ったのですが(とは言えまあそういう感じになるだろうなあというのがジャパン債券クオリティとも思ったのですけど)、海外の方がヒャッハーと金利下げてきているので1周して戻って来ると違和感無しの助となっているのがオソロシス。



・スペイン総選挙

[外部リンク] ELECCIONES GENERALES 2016
(スペイン語だが図表と字面を見れば分かると思いますので)

何ちゅうかこれ選挙やった意味は何なのって感じなのですが、何か知らんがスペインの債券が盛大に買われていまして(他の先進国の場合と違いまして^^)政局安定への期待で買いということのようですな。まあUNIDOS PODEMOSが伸びなかったから金融市場的には好感したとかそういう話なんでしょうけれども。


・何か直撃でもなんでもない日本がやたらバタバタしてませんかねえ

[外部リンク] World | 2016年 06月 27日 09:43 JST
政府・日銀が緊急会合、市場安定化へ国際協調 首相「あらゆるリスクの芽摘む」

『[東京 27日 ロイター] - 政府・日銀は27日、英国の欧州連合(EU)離脱に伴い金融市場で動揺が広がっていることを受け、官邸で緊急会合を開いた。安倍晋三首相は冒頭、「(市場安定化に)必要なのは国際協調だ」と指摘。「あらゆるリスクの芽をひとつひとつ確実に摘んでいく」としたうえで、日本が率先して主要7カ国(G7)の連携を図る考えを示した。』(上記URL先より、以下同様)

ということで、先週の土曜日も浅川財務官とか雨宮理事とかの会合をやっていたと思うのですが、国際協調言いましても流動性に関して言えば既にリーマンショック以降のあれこれの時に枠組みの方は色々と出来ていて、外貨に関してもドル供給オペはある(まあいちゃもんつけるとすれば日銀のアホウがそのドル供給の担保となりうる国債をアホほど買っていることだが)訳ですし、国内の円資金に関しては超過準備を抱え過ぎで資金繰りがどうのこうのってのは今やマイナスチャージをどう回避するかの方(つまり金が余っているのでどうにかする方)でヒーヒー言ってるという状態なんですけどね。

『会合には安倍首相のほか、菅義偉官房長官、麻生太郎財務相、中曽宏日銀副総裁が出席した。首相は、週明けの東京市場の動向に「冷静かつ細心の注意を払っていく必要がある」と述べるとともに、「日本の実体経済、とりわけ中小企業の活動に影響が出ないよう、万全を期していかなければならない」と強調した。』

てな話ですが、中小企業の活動にどうのこうのというのは国際協調関係ないやんと思うのですが、それよりもですなあ・・・・・・・・・・・・・

[外部リンク] Business | 2016年 06月 27日 15:49 JST
経産省が英EU離脱で官民会合、企業は情報と通商交渉推進を要望

『[東京 27日 ロイター] - 経済産業省は27日、英国の欧州連合(EU)離脱決定を受け、英国に進出している企業14社と経済団体幹部等を集め、官民意見交換会を開催した。企業側からは政府からの情報提供と、日EU経済連携協定(EPA)など通商交渉の推進を求める声が相次いだ。』(上記URL先より)

まあ英国に進出している企業に対して状況とかの確認をしたいというのも分からんでもないのですが、そもそもこの先どういう風にEU離脱が進展していくのか分からんし、その際に貿易協定とかがどうなるのかも皆目見当がつかない状態なのに雁首揃えてやることあるんかいという感じisある訳でして、いやまあこれが単体で発生していたらふーんという感想だけだったかも知れないのですが、日銀との連日の緊急協議みたいなのをやっているのを見せられますと、何かこう政府部内がちょっと浮き足出っているような印象を与えてしまわないかと、そっちの方が気になります。


でもって特に日銀との協議なのですが、土曜日にやって月曜にやるとかいうのを見せられてしまいますと、本来そこまでバタバタしなくても良い状態なのに、「日銀は緊急会合でもするのではないか」的な期待値を無駄に上げる事になってコミュニケーション上あまり宜しくないと思うのですけどね。

そもそも論として国際協調の枠組みって金融危機にでもなれば別だけれども、そうでもないのだったら各国とも今足元での課題とかが違う訳で、協調の枠組みそのものが作れないでしょうし、金融緩和に関しても7月に通常ベースでやるならともかく(ちなみに7月やるにしたって、「実質金利の低下でこんなに効果ガー」という話をしている中で、既にこんだけ市場金利がバカスカ低下しているのに、追加緩和をする必要がそもそもあるのかよ(やったら今の政策の御臨終が近くなるだけだし)という問題もあるのだがその話は別途)、臨時会合するには国際協調の枠組みの中で何かしますというお話であって、英国の問題で日本が単独で臨時会合ってさすがに世界の爆笑王になっちゃうんじゃネーノというところですな、うんうん。


・なお即日オペの実施は無し

昨日のオペ
[外部リンク] 国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,500 2016年6月29日
国債買入(物価連動債) 250 2016年6月29日
CP等買入 5,000 2016年6月30日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 10,000 2016年6月27日 2016年6月28日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注4) 10,000 2016年6月27日 2016年6月28日

ということで、即日の共通担保オペの実施は無しということで、そらジャパンの短期金融ゴーストタウンがそういう状況なのですからオペやったって札が入る訳でもないのですが、何か安倍ちゃんが「流動性!流動性!」と言っていたかのようなベンダー報道も出ていたので、ここは一発ただのアリバイオペを実施するかとニヨニヨしながら眺めていましたがさすがに実施は無しとなっていまして、まあオペやっても誰も話題にしてくれないでしょうし、大体からして短期市場の人には「なんだただのアリバイかオファーバックめんどくせえな」位でしょうけれども、良く事情を知らない人が「日銀、緊急資金供給」とかで却って不安をあおるようなことにもなりかねないから見送りで正解だったと思います。


ついでにCP買入結果
[外部リンク] CP等買入 10,565 4,990 -0.002 -0.001 9.5

応札減ったので足切▲0.2bpに金利が低下していますが、3月とかに馬鹿みたいに金利が下がって盛り上がっていた(盛り下がっていた)流れの時はあれはあれでナンジャソラでしたが、ここもとの何かもう金利をちょっとだけマイナスにするぞ的なオペ価格の形成状況というのも何だかなあという感じがする訳でして、そもそも論としてCP買入って今更何の意味があるのかと相変わらず思うのでございました。


○木内さんの会見はブリクジット騒動でスルーされるのは惜しいのでサルベージですよ!!!!

他にサルベージものがもう一本ございますがその前に木内さん木内さん。なお全編において木内さんの演説モードになっておりまして、これがまた1回でネタにしきれない量になっておりますので続きは決定会合主な意見と合わせて明日にでも。

[外部リンク] ・冒頭の実質挨拶部分から既にカマシが入る

だいたい質問も振りが入っているのがアレですが(^^)。

『(問) 私からは、地元に関する質問に絞って 2 点ほどお聞きしたいと思います。1 点目は、先程の懇談会で、地元の金融経済界からどのようなお話が出たかということについて、2つ 3つくらい印象的なお話を教えて頂きたいと思います。2 点目は、石川県はじめ北陸 3 県は製造業が盛んな地域です。北陸新幹線開業で金沢などは観光で盛り上がっています。木内委員ご反対のマイナス金利政策に関して、これが北陸の今後の景気に与える影響についてどのようにご覧になるかというあたりを、マイナス面、プラス面あわせてお聞きしたいのと、マイナスとプラスどちらの方が大きいかということをお尋ねしたいと思います。』

いつもの「ではお願いします」的なのと全然違う(笑)。でもって答えは長いのでその一部から。

『本行のマイナス金利政策についても、色々ご意見を頂きまして、住宅ローンへの影響は幾分みられるものの、企業の設備投資への影響はほとんどみられていないといったお話が多く聞かれました。また、地元経済と密接に関係した地域金融機関の収益低下や年金生活者のマインドへの影響などを通じて、実体経済に悪い影響が出ないか懸念する声も聞かれました。』

『ご質問頂きましたマイナス金利の影響ということですが、金沢支店が公表している北陸短観の結果からみまして、企業からみた金融機関の貸出態度は一段と緩和しております。また、借入金利水準の判断も近年になく大幅な低下を示しております。したがって、金融環境は非常に良好なわけであります。』

一瞬マイナス金利政策の効果の話をしているように見えますが・・・・・・・・・

『こうした環境で実施されたマイナス金利政策ということでございますが、なかなか地域ごとの影響を分けて分析するというのは難しいわけでありますけれども、やはり一般論としましては、特に地域金融機関の収益に対して一段とマイナスの影響を与えるということは間違いないわけです。』

ということで、マイナス金利政策の前から金融環境は非常に良好という話をしている所がイヤミ感があって中々味わいが深い。

『私は、マイナス金利政策は 1 月の導入当初から反対を続けています。それは、マイナス金利政策のプラス面――需要を刺激するという面――はあるとはいえ、金融機関の収益悪化を通じて金融仲介機能を損なう、或いは国債市場の安定性を更に損ねてしまうという、2 つの副作用を考えますと、やはり副作用の方が効果を上回っているのではないかと考えているためです。これは、日本全体についての評価でありますが、おそらく当地においても、当てはまるのだろうと個人的には考えております。』


・マイナス金利は企業のニーズとズレているキタコレ

でまあ次も(というかこの会見延々と)マイナス金利政策に関するご書見をお伺いしたい→木内さんがカマシを入れる、というコンボが続いていまして、そういう意味ではオモロイのですがいつものように質問まで引用したりしていると13ページ分全部引用とか訳の分からんことになってしまいますので涙を飲んで(?)回答のダイジェストみたいな感じにする方向で。

次の質問(マイナス金利のプラスマイナスというお話)に対するお答え。

『一方で、企業の設備投資については、既に非常に低金利が長く続いてきたということがございますので、我々のマイナス金利政策をきっかけに、企業の資金需要が非常に強まるということではないだろうと思います。これについては、懇談会で、色々と議論がございました。』

うむ。

『マイナス金利政策については、企業側のニーズとずれているのではないかというご意見も頂きました。』

アイヤー!

『つまり、企業にとって、今金利が高いことが問題、或いは必要な資金が借り入れられないことが問題で設備投資を控えているというわけではなく、まさに先行きの成長期待を欠いているということがその背景にありますので、金融政策だけで対応できる部分は、やはり限られてきているのではないかというご意見も頂いたのですが、私も全くその通りではないかなと思っております。』

『当地は、比較的経済状況が良いわけですけれども、それでも設備投資意欲は比較的弱い。それについては、金利低下の限界的な効果が大分落ちてきているということと、企業が手持ちに多くの自己資金があるので敢えて銀行からの借入を増やすという動きに繋がってこないということだと思います。』

うむ。

『その大元を考えますと、やはり国内での成長期待が欠けているということなので、これに対して金融政策だけで対応していってもなかなか成果を上げられない。それ以外の施策と言いますか、財政或いは構造改革、更には懇談会の参加者の方からもっと規制緩和を進めて欲しいとのご意見も頂きまして、そういう幅広いバランスの取れた政策を行うことが、当地の経済状況が比較的良いとはいえ、更に経済状況が改善するために必要な策であり、マイナス金利政策がそこに大きく貢献するということには必ずしもならないのではないかなと思っています。』

御尤もすぎて何も付け加えることが無い。


・ジンバブエ先生は耳の穴かっぽじって聞けこの説明という部分

これまた質疑応答の途中からにします。

『確かに業務純益だけをみますと比較的高水準ではあるのですけれども、いわゆる本業の部分の収益が長期的に縮小傾向をたどっているという中で、更にこのマイナス金利政策が導入されたということで、中核的な業務の収益環境が一段と厳しくなってきており、その結果として、損失の吸収力が大分落ちてきています。』

さいですな。

『経済が比較的安定している間は、大きな問題にはならないのかもしれませんが、例えば、経済状況が悪化して、信用コストがかなり高まっていくという中で、資本が毀損されていくという時に、中核となる業務で収益が稼げないということになりますと、この一度毀損した資本を復元するのがなかなか難しいというような問題が起こってくると思います。そうすると、比較的今の時点では資本の水準が高いとしても金融機関を見る目、評価が厳しくなるということになりますし、金融機関側も、将来に備えるともっとリスクを回避しなくちゃいけないということになります。』

うむ。

『マイナス金利に対する金融機関の最初のリアクションとしては寧ろリスクを取るというふうに動く可能性はあると思いますが、一方で経済状況が厳しくなってくると、総じてリスクを回避する――例えば貸出を非常に慎重化するとか、或いは手持ちの金融資産を売却する――という形で経済・金融市場に悪影響を及ぼすという可能性もやはりあるのではないかなと思っています。』

とまあこうやって丁寧に説明をしているのが木内さんで、一方のジンバブエ先生は「景気がよくなったら貸出も増えるから目先の収益だけで文句を言う銀行はアホ」という説明しかできていない訳で、置物リフレ一派におかれましてはそもそもの人間の出来が違うというレベルなんですなあ、というかまあそういうのだから類は友を(以下悪態が過ぎるので内務省検閲)。


・コミュニケーションについての演説を読むべし

質問もちょっと面白いので引用。

『(問) 今日の挨拶要旨の中で、金融政策についてのコミュニケーションが大事だという内容があったと思うのですけれども、具体的には、どういう情報発信をすると、信任が上がるとか市場の異常な期待が抑制できるとか、そういう効果をもたらせられるとお考えでしょうか。』

「市場の異常な期待」に吹いた。以下1ページ半分の大演説である。

『(答) コミュニケーション戦略というのは、一種の政策決定とも関わってきますので、具体的にどういうことをせよというのは若干差し控えたいと思いますが、マイナス金利政策以降、コミュニケーションは一段と悪化したと思っています。それはやはり非常に予期せぬ政策が実行されたということが背景にありますので、これが問題だということです。』

(;∀;)イイシテキダナー

『つまり、市場にとって、先行きの金融政策に対する不確実性が非常に高まったということです。金融政策の予見性が低下し、不確実性が高まるということは、金融市場のボラティリティの上昇に繋がりますし、ボラティリティの上昇は金融政策の効果を削ぐ部分もあるほか、実体経済に悪い影響も与え、金融政策の信任を低下させるという面があります。そういう意味では、前回のマイナス金利政策のようなことを繰り返さないというのが 1 つ重要な点であります。』

(;∀;)イイハナシダナー

『それから、コミュニケーションの向上と言いますと、我々の政策意図をしっかり市場に伝えてくとか、我々の考えている目標、考え方をしっかり伝えてくなどという文脈で申し上げることが多かったのですが、挨拶要旨に書いてあるように、やはり双方向でなければならないと思います。』

ほう。

『通常、市場とのコミュニケーション向上は、我々の経済・物価見通しを示すということと、その経済・物価見通しと金融政策がどういう関係にあるのかという反応関数を示すこと、この 2 つが基本なのだと思います。我々が、2%の達成を目指します、2%の物価安定達成まで今の政策を続けますと言うと、表面的にはすごくクリアな政策反応関数を示しているようですが、一方で金融市場は 2%を達成しないと思っているわけです。そうすると、我々が達成するまで続けます、達成しない限り止めませんと言っていても、市場は達成できないと思っているため、達成できない時はどういう政策をするのかという答えがないと考えるわけです。そういう意味で、市場の認識、市場が考えている実現可能性とかなり乖離した目標、政策反応関数を示すということではコミュニケーションが成り立たない。』

「市場の認識、市場が考えている実現可能性とかなり乖離した目標、政策反応関数を示すということではコミュニケーションが成り立たない。」とはまさにその通りですし、そう考えますとFOMCも徐々に・・・・・

『双方向と申し上げましたのは、我々の政策運営或いは目標についても市場が考えていることに我々がある程度歩み寄っていくということが必要ではないかと思います。』

とは?

『例えば、どういった物価環境が望ましいのか、企業・家計が考えている中長期的な物価の安定とはどういう状況なのかというのは、中央銀行よりも民間の企業や家計の方が――日々の実際の経済活動をしている人の方が――そこから感じ取る中長期的な望ましい物価の状況という感覚があるのだと思います。それを市場も吸収して、市場の価格も決まったりしているわけですから、我々としても謙虚にそういった意見を吸い上げるべきだと思います。』

なお今の日銀与党政策委員に致命的に欠如しているのはこの「謙虚」ですな(誰ですがお前が言うなとか言ってる人は)。

『そういったことも踏まえますと、近い将来 2%を目指すというのは、物価目標としては妥当性が低いのではないかなと思います。』

然り。

『今までの我々の情報発信としては、我々はこう考えていますということを示すことが中心だったわけですが、実際は双方向で市場・民間からの意見も吸い上げながら、それに応じて我々の目標とか、経済・物価見通しも修正して、お互い無理のないような――完全に一致するわけではありませんが――、認識のギャップを埋めていく必要があると思います。』

なるほど。

『もちろん、次の金融政策決定会合で何をするかというのは我々も言いませんし、市場も全くは分からないのですけれども、しかしながら 1 月のマイナス金利政策のように全く予見しなかったものが出てきて、それがネガティブなサプライズを生んでしまうというようなことをやはり起こらないようにするという意味で、双方向でのコミュニケーションを強化していく、我々としても非常に謙虚に市場・民間の意見を吸い上げてくという姿勢がこれからは重要になってくると考えています。』

(;∀;)イイハナシタ゛ナーとしか申し上げようがないのだが、イイハナシダナーはまだ続く(時間の関係上明日で勘弁)。
 


お題「ブリクジットでジャパンの金融政策にどういう影響かねという頭の整理中雑談にお付き合いいただきたく」   2016/06/27(月)07:55:31  
  総選挙とかでも興味深い色割りなのですが今回はこらまた。
[外部リンク] Results
Find local results

スコットランドが独立してEUに加盟→スコットランドとイングランドの国境でパスポートコントロール発生→ハドリアヌスの長城が復活ですかそうですか(違)。

シティーの皆さんエジンバラにおいでよ。ロンドンより天気は悪いし飯は(銃声)。、


○ブレクジットのメモと7月金融政策関連雑談

・ブリクジットヒャッハー

一応市場概況を貼っておく。

[外部リンク] Business | 2016年 06月 24日 15:50 JST
ドル一時99円に急落、英投票めぐり乱高下

何が何だか分からないが記念に貼っておく。

『[東京 24日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の102.36/38円だった。英国民投票で離脱派勝利の思惑が強まり、ドル/円は一時99円に下落した。ポンド/円は約27円、ドル/円は約7円の値幅が出る乱高下の様相だった。』(上記URL先より、以下同様)

『アジア時間の早朝の取引では、ユーガブの世論調査でEU残留支持52%、離脱48%などと伝わり、ドルは一時106.87円まで上昇。ポンドは一時1.5022ドルと年初来高値を付けた。ポンド/円も160円前半まで上昇した。』

『その後は、地方の投票結果が一進一退と報じられ、各通貨ペアも激しく上下した。スポット取引の流動性が極端に低下し「通常は潤沢な流動性があるドル/円ですら、値が飛びやすい」(証券会社)とされた。正午にかけ、各地での離脱派の勝利が目立つようになったところ、離脱派勝利の可能性が高まったとのITVの分析などが報じられ、ドル/円やポンド/円、ポンド/ドルの売りが加速。ドル/円は一時99.00円まで下落し、2013年11月以来、2年7カ月ぶり安値をつけた。その後に急反発したが、当局による為替介入の気配はないとの声が聞かれた。』

株式市場もそうでしたが為替のぶっ飛びがもうねという所で、ポン円とかもうあばばばばばーという感じでございますな。

でもって債券ちゃんの方は

[外部リンク] Markets | 2016年 06月 24日 15:15 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は大幅反発、30年債利回り過去最低更新

『<15:11> 国債先物は大幅反発、30年債利回り過去最低更新

長期国債先物は大幅反発。英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票で、離脱派が過半数を超えることが確実となった段階で買いが勢いを増した。為替市場では急激な円高が進行、日経平均株価が暴落したことも逃避買いを刺激した。中心限月9月限は一時前営業日比78銭高の152円91銭と過去最高値を更新した。』(上記URL先より、以下同様)

『現物債は軒並み金利が低下。30年債利回りは0.125%を付け過去最低を更新、20年債利回りにも強い低下圧力がかかった。リスクオフ・モードが強まる中、日銀が実施した国債買い入れオペが需給の引き締まりを意識させた。中長期ゾーンもしっかりで2年債利回りはマイナス0.290%と過去最低に並んだ。国内銀行勢や海外勢が買い進んだとの観測が出ていた。イールドカーブはブル・フラット化の形状。』

『長期国債先物中心限月9月限の大引けは、前営業日比55銭高の152円68銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は同5bp低下のマイナス0.195%。一時前営業日比7bp低いマイナス0.215%に急低下し過去最低を更新した。』

超長期がカーブ的にブゥアーってやるのかと思ったら意外に中期まで引けを強くしていましたな。まあ金曜は訳分からんからとりあえずスライドで引けさせてみたという感じはしますが。

『短期金融市場では、無担保コール翌日物はマイナス0.03%─マイナス0.08%付近を中心に取引された。週末を迎えたが、取引金利水準は前日と大きく変わっていない。レポ(現金担保付債券貸借取引)GCT+1レートはマイナス0.060%とマイナス幅を縮小。TIBOR(東京銀行間取引金利)3月物は0.060%で横ばい。国庫短期証券(TB)買い入れは、1年物を中心に応札されたとの見方が出ていた。ユーロ円3カ月金利先物は、一部で日銀の追加緩和への思惑が浮上したため強含みで推移。』

まあ短期ちゃんの方はやや長い所は金融政策ネタになりますが手前は需給ですからな。


・でもって金融政策はどうなるのでしょうか:総裁財務大臣共同談話

[外部リンク] 財務大臣・日本銀行総裁共同談話

『財務大臣・日本銀行総裁共同談話

英国において、6月23日(木)に国民投票が行われ、EU離脱に賛成する票が反対する票を上回る結果となった。 この結果が、世界経済や金融・為替市場に与えるリスクについて懸念しており、引き続き注視していく。 為替市場を含む金融市場の安定性は極めて重要である。為替レートの過度な変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得るものであり、望ましいものではない。財務省としては、為替市場の動向をこれまで以上に注視し、必要に応じて対応を行う。こうした対応は、G7、G20の合意内容に沿うものである。』

『 また、外貨流動性の不足といったリスクも想定される。これについては、主要国の中央銀行が結んでいる通貨スワップ網も整備されており、日本銀行としては、こうした枠組みを活用し、必要に応じて対応を行う。 政府・日銀は、世界経済の成長と、為替市場を含む金融市場の安定に万全を期すため、他のG7諸国とも連携しつつ、対応していく。』

英文はこちら。
[外部リンク] 『Statement by Minister Aso and Governor Kuroda』

『In the referendum on June 23 in the UK, a majority voted for a leave from the EU.We remain vigilant of any risks that are caused by this consequence to the global economy and to financial and foreign exchange markets. We will carefully monitor further developments.』

『The stability of financial markets including the foreign exchange market is crucially important. Excess volatility and disorderly movements in exchange rates can have adverse implications for economic and financial stability and hence are not desirable. The Ministry of Finance will monitor further developments of the foreign exchange market more carefully than before and take appropriate measures as necessary. Such measures are consistent with the agreements in G7 and G20.』

『We are also aware of risks related to liquidity funding in foreign currencies. In this regard, a network of currency swap arrangements is already established by the central banks of major countries. The Bank of Japan will take appropriate measures as necessary, including activation of this network.』

『In order to ensure the growth of the global economy and stability of financial markets including the foreign exchange market, the Government and the Bank of Japan will work closely on these issues in cooperation with the other G7 countries. 』

声明自体はホワッとした感じで、特に何をやるという事を言ったわけではなく、寧ろ現状懸念されるリスク要因に関してお話をして、それらのリスクには対処しますと言っている感じがします。G7やG20の枠組みで、ってえ事になりますと(まあ以前よりその指摘はありますが)追加緩和するにしても例によって円安に振る攻撃での金融政策というのはできなくて、円高進行の場合に円高を緩和するという追加緩和はオッケーということですから、まー追加緩和で円安に振ってヨッシャーというのは無理だと思う。


・臨時政策委員会に関して:普通に考えて無いわ

[外部リンク] Business | 2016年 06月 25日 15:30 JST
政府・日銀、英EU離脱で幹部会合 財務官「新たな均衡点探る動き」

『[東京 25日 ロイター] - 財務省と金融庁、日銀は25日、英国が欧州連合(EU)からの離脱を決めたことを受けて財務省内で幹部会合を開催した。政策当局が連携をとり、幹部会合を開催するのは17日以来。約1カ月ごとの開催を前倒しし、英国のEU離脱で金融市場の動揺が収まらない現状にどう対処するか協議した。』(上記URL先より、以下同様)

土曜の朝ってまったりと目が覚めてまったりと公共放送ニュースを見ていたら「NY株が暴落しています政府日銀は緊急会合ですよ」とかトップからこの世の終わりみたいな勢いでニュースをやっていまして、何かこう下落率とかみると日本だけ大騒ぎしているのではないかという気も大分するのですけれどもそれはさておき。

#と思ったら今朝の公共放送ニュースも物凄い大変な事になっています的なトーンで報道している訳であって、何もここまでこの世の終わりみたいな話をせんでも良かろうと思うだよ


『幹部会合には財務省の浅川雅嗣財務官や金融庁の森信親長官、日銀の雨宮正佳理事らが出席した。会合後、浅川財務官は記者団に対し、「市場では新しい均衡点を探していろんな動きがあると思う」と述べ、引き続き市場の動向を注視する考えをあらためて示した。』

ということなので、まあ金融危機みたいなのでも起きない限り別に何か急に何かしないといけないっつーことは無くて、あるなら円高アタック来た時の為替介入じゃネーノと。


でですね、臨時政策委員会で追加対応、という人も居ない訳ではないのですが、自分の要因でもなくて臨時政策委員会の実施ってのは、俊ちゃん時代の追加金融緩和のように「やったように見せかけて逐次投入用のタマを打ちこむ」というのが何発も打てるのであれば「やったふり臨時委員会」という荒業もあるのですが、何せ今の政策はそういう「やったふり逐次投入」が全然できない状態ですから、まあG7で協調でもすれば別ですが、そうじゃない限り日銀だけが単独で臨時会合とか一人で馬鹿踊りをしても仕方ないでしょうと思いますし、大体からしてG7で協調しようったって向いてるものが皆さん違うから無理ですよね。


・7月会合の追加緩和はどうでしょう

でまあ円高だし株安ですから、今の水準のままで100円割れをうかがったり一段の株価下げという感じになってくると「何もしないのは許さん」という雰囲気になってくる可能性は高いので、それまあ追加緩和待ったなしとかいう予想になるのはまあ分かる。

先日来何度も申し上げておりますように、(1)マイナス金利政策は市場金利低下以外の効果が出て来ないのに副作用だけは盛大に先に出ているので拡大の評判が悪い、(2)資産買入に関してはMBが主役という建付けですから、国債を最小でも10兆円(やるなら20兆円だと思う)の買入を拡大しないといけないのですが、買入拡大すれば当然ながら現政策の限界が明らかになる、というのまでは人口に膾炙している状態ですよね。

そうなりますと、追加緩和をやるのは良いとしても、実際にやった場合に物価上昇が加速する訳でもないという状態で緩和政策やって自分の政策が物理的に限界が来るのが早くなる訳ですよ。しかもうっかりすると市場の方でも「今度やったらもうカンバン」と思ってしまったりすると、市場の反応が好感してくれないかもしれない(金利だけは無慈悲な買入と無慈悲な利下げなので綺麗に反応しますが)と思う次第で、意外に7月緩和するにしてもその手段とコミュニケーション方法は難しいにも程がある。

つまりですね、次回追加緩和を実施するにしても。「3方向での追加緩和」とか言っている位ですから利下げと買入拡大をしないといけないのでしょうが、「政策手段の限界があると思われてはいけない」という問題がある(限界と言われたらおしマイケル)ので、次回緩和をするにしても、そろそろ何か現実的に「長期化可能の金融政策」にして、逐次投入できるような形にするしかなくて、まあそれにはMBの目標を撤廃して金利誘導を主眼にするしか無いでしょうなあと思うのでありますし、恐らく追加で年100兆円ペースとかでやった日には政策の限界があっという間にやってくると思います。

従って、普通に予想するなら「金利下げ(10-20)、国債買入拡大(20兆)、ETF、REIT買入拡大(良く分からんが適当)」という事になるし、どれかを削ると削った分が限界呼ばわりされるんじゃネーノという事ですからまあ全部乗せでやるんでしょう。

・・・・・・・・・となりますが、単純にやっていると政策の限界はより早まる訳で、その際に政策が激突する前に何らかの回避策が出てくるとか、この際選挙後なので何か政権からタオルが飛んできてあっさり味で枠組み変更になるのかとか、単純に追加緩和するにしても目先の話と、その先の話に関してはまた別の展開(つまり手前で追加緩和をすると中期的には政策見直しの可能性が高まる、という意味)になるのではないかとか思うのですけどね。


まーもっと問題なのは現実問題として木内審議委員が指摘するように・・・・・・・・・・・・・・

[外部リンク] (木内さん会見ネタの本チャンは明日にしますすいません)

『(問) 明日にも判明するイギリスのEU離脱の可否の投票が真っ最中なのですけれども、仮にこれで市場が大きく動揺した場合、日銀及び中央銀行として何をすべきなのかという点と、おっしゃるように様々な緩和策を色々と取ってきた中で、だんだん副作用が明らかになっているとはいえ、やはり景気もそれほど強くないと、仮に景気の下支えが必要であるとなった場合、日銀は何もしないで、他の財政とか構造改革に任せるべきということなのでしょうか。』

『(答) 国民投票の結果で、金融市場がどうなるのかは分からない話ですが、一方で、不測の事態に備えて、主要中央銀行間で意思疎通をしているというのは事実です。英国の国民投票の結果によって、金融市場が大きく反応する可能性があります。他方で、実際、投票結果がイギリス経済、ひいては世界経済にどういう影響を与えるかというのは、例え離脱になったとしても、これからどういう交渉をしていくか次第でありますので、分からないわけです。』

うむ。

『そういう意味では、これはまず金融ショックであると理解すべきだと思います。金融面でのショックに対して、それが非常に長く続いて実体経済にも影響が出てくるということであれば、追加緩和策という議論になってくるのかもしれませんけれども、金融面でのショックに対する中央銀行の最初のリアクションというのは、流動性供給ということになるのだと思います。』

でもって、流動性供給という意味では

[外部リンク] 共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2016年6月28日 2016年10月7日

[外部リンク] 共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(6月28日スタート分) 50 50

てな即日オペが昨日実施されていまして、ここの所固定金利オペって昔のシグナルオペの成れの果ても残高落ちてきたので8000億円でのオファーになっていた筈ですが、今回は15000億円のオファーになっているのがお洒落というか何というか。まあ別に資金市場は何も動揺していないけれども、「このようにやりました」というのは重要なので、そういう意味では短期市場ではなくて日銀の動揺を鎮めるためには(銃声)。

で、話戻って木内さんのコメント。

『これについては、例えば、邦銀で言いますと、ポンド或いはドルについては、十分な手当てを現時点でされていると思っておりますが、不測の事態に備えるということも重要です。ただ、これにつきましては、ご案内の通り、6 中央銀行間でのスワップ協定があり、それに基づいて、本行でも週 1 回のドル供給オペをしております。これは金融機関の求めに応じて実施するバックストップとしての機能でありまして、こうした機能は既にあるわけですので、本当に金融機関が自らのドル調達に不測の事態が生じれば、それを活用されるというのが、今の時点での我々の考えでして、何か能動的に追加策をやっていくということではありません。』

まあそうですな、つーかマイナス金利って流動性という意味では逆に作用するんですよね。

『もちろん、実体経済にすごく悪い影響が及ぶようであれば、通常の金融政策の枠組みで何か対応策を議論するということだとは思います。』

ということで金融政策の方の追加策ですが・・・・・・・・・・・・・・・

『ただ、個人的に考えますと、何らかの策をしたとしても、実体経済に大きなプラスの影響を与える政策の選択肢というのはなかなか残っていないと思っています。』

キタコレ!!

『技術的に行き詰っているということでは未だないと思いますけれども、』

ここもポイントだよ。

『長い目でみた副作用を上回る効果が期待できる政策の選択肢については、あまり心あたりがなくなってきているというのが個人的な考えです。』

然り。

『そのため、そういった金融面のショックから実体経済に悪影響が及ぶような事態になったとしても、こういった策がいいというのは、個人的にはあまり思い浮かばないわけですが、最終的に中央銀行として重要なのは、信用秩序の維持、金融システムの安定でありますので、やはり流動性供給ということだと思います。外貨については、6 中央銀行間の枠組みがあります。これは非常に強力ですので、必要に応じて更に強化できますが、既存の枠組みによってかなり対応できると思っています。加えて、本行として独自に何かする必要があるということであれば、円貨の流動性供給の強化だと思います。』

ほほう。

『これは、今、円貨が余っているじゃないかと言われれば、もちろんそうなのですけれども、やはり不測の事態になった時、或いは金融機関全体としては安定していても、個別の金融機関で問題が出てきて、システミックリスクに繋がる可能性がないわけではありません。そういうことを起こしてはいけないという観点から、我々独自としては、やはり円貨の資金供給をしっかりしていく必要があります。これに関しては、マイナス金利政策導入後、特に共通担保オペの残高が急激に減ってきているというのは、やや心配なところでして、これは貸出支援オペのように、マクロ加算という救済策が取られなかった結果として、場合によっては逆鞘になるためです。0%の金利で借りて、場合によってはマイナスの金利の当座預金に預け入れるという金融機関も出てくる可能性があるわけですので、逆鞘だとなかなか活用されない。やはりこのあたりを見直してどんな時でも中央銀行の流動性供給に全ての金融機関がアクセスできるような環境を整えていくということが重要だと思いますし、もし不測の事態が起こった時には、それを強化するというのが私としては重要な策なのではないかなと思っています。』

ということで、木内さんも明示的な指摘の仕方ではないですけれども、マイナス金利が流動性供給に対して非親和的である、ということになると思うのでした。


#ということで今日は雑談で頭の整理をするのでした
 


お題「英国レファレンダムですが木内審議委員の金懇挨拶もお忘れなくご確認ください(平伏)」」   2016/06/24(金)07:44:00  
  もう残留を織り込みにいっているのか・・・・・・・・・・・・

本日はレファレンダムのため(ただの言い訳)木内さんネタだけで簡単にという感じでござりますが、まー残留大勝利にならないと最終的には落ち着くってことにはならんとチャウの??よー知らんけど。

離脱してコモンウェルスに戻る(ってコモンウェルスが寄っかかるなと言い出す気もしますが)となると世界帝国英国が第二次大戦後に欧州に回帰したのの逆という事になりますが、大英帝国の世界帝国ってのも今や無理でしょうからねえ・・・・・・・・・・・・・


ということで木内さん。
[外部リンク] わが国の経済・物価情勢と金融政策
── 石川県金融経済懇談会における挨拶要旨 ──
日本銀行政策委員会審議委員
木内 登英

まあ全くもって仰せの通りとしか申し上げようがないのですが・・・・・・・・・


○経済物価は現状で安定状態にありますがな、という経済物価認識

・小見出しがいきなりワロタ

こちらの挨拶ですが、本文1ページ目の小見出しが『1.はじめに』で、その次が『2.経済・物価情勢』というのは順当なのですが、そこの最初の小見出しが『(1)日本銀行の見解 』ってなっていてその次のページを見るとが『(2)私個人の見方』というのがあっていきなりワロタという感じです。

でもって日本銀行の見解というのが1ページにもならない説明(展望レポートでの説明)になっていますが、その先は延々と思いっきり木内さんの説明になっている、という実に素敵な展開になっております。ということで日銀の見解は普段から見せられておりますので木内さんの見解を鑑賞しましょう。


・基本感は「今の状況が実は安定状態なので2%にはそう簡単に到達しない」

『一方、私は、現在の成長率および物価上昇率は、日本経済の実力に照らして概ね安定した状態にあり、展望レポートの見通し期間中、そのような状態が続く蓋然性が比較的高いと考えています。』

大体ここ数回の木内さんの説明ってこうなっているのですが、言われて見ますと執行部の物価見通しがズルズルと後ろに倒れる中で、景気の方はそんなに大コケする訳でもなくバンバン強くなる訳でもなくと安定してるちゃあ安定しているという感じですな。

『しかし、こうした私の見通しは、数値で比較すると、政策委員の中心的な見通しと比べて相応に慎重なものとなっています。その背景には、\在成長率をはっきりと上回るような成長率をもたらす需要面からの牽引役は、金融緩和の効果を含めて、見当たらないと考えていること、内外需とも、中心的な見通しに対して下方リスクがあると考えていること、このため、需給ギャップは今後も概ね中立的な水準を維持するとみられるもとで、基調的な物価上昇率が先行き顕著に高まることを期待するのは難しいと考えていること、などがあります。以下では、こうした私の見方に基づいて、経済・物価見通しに関する留意点を幾つか申し述べたいと思います。 』

ということで説明があるので鑑賞しましょう。


・潜在成長は伸びないよと

『(イ)低迷を続ける潜在成長率 』という小見出しから。

『日本銀行の推計によると、供給面から日本経済の実力に見合った成長ペースを示す潜在成長率は、0%台前半と依然として低水準に止まっており、過去数年間においても目立った改善はみられません(図表5)。中でも、技術進歩を反映する全要素生産性(TFP)上昇率の低迷に伴い、企業の賃金設定行動(ならびに、それを通じて個人消費や物価動向など)に相応の影響を及ぼす労働生産性上昇率も低迷が続いています。』

という一方で、

『もっとも、資本や労働の稼働状態を示す需給ギャップは、過去数年、概ね中立の水準で推移しており、このことは、国内経済がその実力に概ね見合った形で安定成長を続けてきたことを意味していると言えます(図表6)。 』

まあその通りとしか申し上げようがない。


・成長期待が伸びなくてトレンドグロースが低いのに設備投資が出るかヴォケとな

次が『(ロ)中長期の成長期待と設備投資 』である。

『設備投資は、緩やかな増加基調にあるものの、企業収益が高水準で推移していることを踏まえると、期待されたほど強まっていないと思います。』

ですなあ。

『これには、近年の高収益が、為替や商品市況の変動を映じた交易条件の改善という、必ずしも持続的とは言えない価格要因の改善によってもたらされた面が強い一方、先行きの売上数量見通しが改善していないことが背景にあると考えています(図表7)。この点、潜在成長率は依然として低水準にあり、先行きもごく緩やかな改善に止まると見込まれることから、今後も、企業が、国内での設備投資には慎重な姿勢を大きく崩さないことも考えられます。』

まあこれもそうですねという感じで。


・個人消費の話をしているのですがしらっと賃金が上がらないでしょうという話を。

次が『(ハ)力強さを欠く個人消費 』になります。

『個人消費は、底堅く推移しているものの、なお力強さを欠いていると思います。足もと、消費税率の引き上げや食料品・日用品価格の値上げなど、ひと頃、個人消費を抑制していた価格面での影響は薄れてきているとみられます。』

しらっと物価が上がらないのが好影響というイヤミ。

『しかし、今春の労使交渉でのベースアップの伸びが昨年を幾分下回ったとみられるなど、賃金が期待されたほど改善していないことから、家計の賃金見通しが慎重化しており、これが個人消費の制約要因になっている可能性が考えられます(図表8)。』

『ちなみに、こうした賃金の動きの背景には、企業の間で、生産性上昇率や中長期的な成長率の見通しが高まらないもとで、ベースアップの引き上げなど人件費の上昇は、先行きの収益環境を悪化させかねないと警戒する向きが根強いことがあるように思います。』

ということで賃金が上がらないでしょう話も。

『また、このような企業の人件費抑制姿勢のもとで生じている家計の慎重な賃金見通しに加えて、財政環境や社会保障制度に根差す将来不安が、幅広い年齢層の間で、個人消費の制約要因になっている可能性も考えられます。 』

という話ですがまあ妥当ですよね〜。


・輸出についても慎重

『(ニ)海外経済と輸出の下振れリスク 』というのもパッとしないお話。

『米中の経済指標の改善や原油価格の安定化などを映じて、年初に高まった世界経済の悪化観測は、足もとやや後退しています。しかし、現在の米国経済に世界経済を強く牽引することを期待するのは難しく、先進国主導で世界経済が回復傾向を強めていくとのシナリオは後ずれを続けています(図表9)。』

うむ。

『新興国では、過剰設備や過剰債務の問題から、設備投資が下振れており、足もとの世界経済の回復力を削いでいる面があります。また、これらの問題は、米国の金融政策に影響された資金フローの変化などを契機に、新興国の社債市場の調整などという形で、グローバルな金融市場に動揺をもたらす可能性も考えられます。』

『また、世界経済が再び減速感を示し、エネルギー価格が下落する場合には、エネルギー関連企業を中心とするハイイールド債市場の調整や、エネルギー関連企業に対する金融機関の与信リスクの高まりなど、金融面でのリスクが高まる可能性にも留意したいと思います。』

とまあ景気の悪い話で。

『こうした輸出環境を踏まえると、海外経済と国際金融資本市場の動向は、引き続き、国内経済にとって最大の下振れリスクと位置付けられると思います。 』

つーことで「最大の下振れリスク」だそうです。


・物価の話もまあ想定通りではある

『(ホ)基調的な物価上昇率の動向』から。

『年度明け後、加工食品などを中心に、小売店での消費財価格の前年比は下振れる傾向がみられています。この背景には、 ̄澎揃晃が一巡していること、暖冬の影響もあって個人消費が力強さを欠くこと、D其發硫善ペースが緩やかなものに止まっていること、などから、昨年や一昨年ほど、年度初に、値上げの動きが広まらなかったことがあると思います。』

年度初の価格改定には執行部も随分期待していた筈なのですよね。

『こうしたなか、私は、消費者物価(除く生鮮食品・エネルギー)や消費者物価(除く食料・エネルギー)などの基調的な物価指標の前年比は、向こう数か月で、やや下振れると考えています(図表 10)。』

これはまあ普通。

『また、消費者物価(除く生鮮食品)の上昇率が、展望レポートの見通し期間である 2018 年度までに、「物価安定の目標」である2%に達することは想定していません。』

これもまあ普通なんですよね〜、日銀執行部的には全然違うのですが。

『もっとも、当面の基調的な物価上昇率の下振れは、円安傾向など一時的な要因の剥落によるところが大きく、今後も、物価は総じて安定した状態を維持すると考えています。また、消費者物価(除く生鮮食品・エネルギー)な5どにみる基調的な物価上昇率は、2%の物価安定目標を下回っているものの、それらは、企業や家計の中長期の予想物価上昇率と大きく乖離していないこともあって、現在の経済活動に特段支障を来しているとは考えていません(図表 11)。』

ということで、経済が実力相応に安定した状態なので物価も安定した状態で、何も問題ないでしょというのが木内さんの見解で、まー冷静に考えれば経済も物価もここのところ達観してみれば安定ですからね。

でもってここまでが前提の話で金融政策の話がキタコレで始まる。


○金融政策運営に関しては全力木内節状態ですがまあ仰せその通りと思うわ

木内さんの主張の背景を説明しますということでここから説明があるのですが、まあ仰せ御尤もというお話にはなっています(がそもそも前提の話が執行部と全然違うから木内さんと執行部の会話が成立しないでしょうが)。

・冒頭からいきなり砲撃

『(1)2つのマンデート(政策使命)のリバランス 』という小見出しからもう砲撃。

『日本銀行には、「物価の安定」と「金融システムの安定」という2つのマンデートがあります。』

いきなりの砲撃開始(^^)。

『こうした観点からみると、「量的・質的金融緩和」や「マイナス金利」といった近年の金融緩和策は、金融システムの安定は十分に確保されているとの認識のもとで、物価の安定というマンデートの達成に注力する形で進められてきたと言えます。』

一応フォローは入る。

『確かに、現時点では金融システムは概ね安定を維持していると評価できると思います。しかし、長年に亘る低金利環境のもとで、金融システムは潜在的に脆弱性を高めており、大規模な金融緩和策によって、そうした傾向に拍車が掛かっていると考えています。このため、先行きについては、決して楽観できないと思います。』

しかし返す刀で斬りかかる(^^)。

『この点から、私は、マイナス金利について、〇埔豕’修箒睛暫膕雉’修鯆祺爾気擦襪海函↓国債市場や国債買入れの安定性を損ねること、などから、所要準備額を除く日銀当座預金に+0.1%の金利を一律に適用する従来の制度が妥当と考え、導入当初から直近6月の金融政策決定会合まで、反対を続けています。』

(:∀:)イイハナシタ゛ナー

『また、日本銀行としては、「物価の安定」から「金融システムの安定」へと政策の重点を移していく、政策の軌道修正が必要な局面に来ていると考えています。そうした修正は、2つのマンデート(中間目標)をバランス良く達成することを通じて、国民経済の健全な発展(最終目標)に資するものと信じています。』


・金融仲介機能ってのは銀行の目先の収益ガーだけの話ではない、という御尤もな説明

つーことで次の小見出し『(2)健全な金融仲介機能維持の必要性 』である。

『近年、コア業務純益にみる収益力や損失吸収力は、地域金融機関を中心に、低下傾向を辿っています。足もとでは、過去数年の円安・株高の流れに変調がみられるもとで、投資信託などの売却による益出しが難しくなっていることもあり、当期純利益への下押し圧力も増しているとみられます。また、先行きの収益環境については、マイナス金利の導入に伴う貸出利鞘の更なる縮小や有価証券利回りの一段の低下、加えて信用コストの上昇などから、一段と厳しさを増すことが懸念されます(図表 12)。』

FSRでも指摘されていますな。

『こうしたなか、銀行は、収益環境の悪化に伴い、収益の拡大を企図して過剰にリスクを取る可能性がある一方、将来的には、金融経済情勢の悪化などから、かえって損失が発生することなどによって、過度にリスク回避姿勢を強める可能性があります。その場合、企業や家計の借り入れ制約の強まりや、銀行による資産の投げ売りなどによって、実体経済や金融市場に悪影響が及ぶリスクも考えられます。』

それよりも次の話が重要ですにゃ。

『また、より長い目でみると、銀行の健全性の低下は、経済の効率性や生産性にも悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、収益力の低下が続くもとで、損失吸収力が低下した銀行は、問題先の適切な処理を先送りすることも考えられます。その場合、資本と労働が非効率な企業に固定化され、経済全体では、全要素生産性の上昇率を長期に亘って押し下げることに繋がりかねません。』

この論点について別の角度から佐藤さんは「低金利の長期化を前提にした投資が増えるのはイクナイ」という説明をしていますな。

『こうした点を踏まえると、銀行の健全性の低下を通じた金融仲介機能の低下は、現在0%台前半と低水準にある潜在成長率を一段と押し下げてしまう可能性があります。金融政策は、通常、経済の需要面に影響を及ぼすと考えられますが、金融システムの安定を損ねてしまう場合には、生産性上昇率や潜在成長率といった経済の供給側にも悪影響を及ぼし、社会厚生上の損失をもたらす惧れがあります。』

一方決定会合ではジンバブエ先生が相変わらず「銀行の目先の収益がどうのこうの言うけれども経済が良くなれば銀行の収益機会も改善するだろう」と大変にラベルの低いお話をしているようで頭がクラクラしますな。


・国債市場に関して

『(3)国債市場と国債買入れの安定性に対する懸念 』という小見出しは更にイイハナシダナー。

『マイナス金利の導入後、国債金利のボラティリティが高まるなど、国債市場は一層不安定な動きを続けており、これが、金融市場全体の安定性にも悪影響を与えていると考えています。こうしたなか、国債買入れについても、応札倍率が幾分低下したほか、落札レートが市場実勢を下回る傾向が強まるなど、安定性が低下しているとみています。』

ちなみにこの「札が無くてやたら買入が強い所で決まる」という現象の他に、安定性が低下という意味ではもう一つ別の種類の現象があると思いますがその話はまた後日。

『マイナス金利の導入前は、金融機関にとって、日本銀行に長期国債を売却して金利リスクなく+0.1%の利回りが得られる日銀当座預金を積み増すことに特段の支障はなかったと思います。』

期間収益が下がる話だから「特段の支障はない」とまで言うと言い過ぎでは?結果的には確かに買入が普通に回っていたからそう評価したくなるのも分かるけど。

『しかし、多くの金融機関にとって、一時的な売却益(キャピタルゲイン)よりも安定した利子所得(インカムゲイン)の方が重要なことを踏まえると、マイナス金利の導入に伴い、保有長期国債と日銀当座預金の利回り格差が拡大したため、日本銀行に長期国債を売却して日銀当座預金を積み増すインセンティブは大きく低下したと考えています。 』

それはマイナス金利関係なくて、マイナス金利によってインセンティブが低下することになったのは、単に日銀当座預金残高を拡大することによってペナルティー金利が掛かるようになり、国債売却による期間損益のブレが単なるブレで済まなくなって「先の収益がマイナスになる」という状態になったらそら忌避するだろ常識的に考えて、という話ではないかと。

『また、マイナス金利の導入にあたって、階層型の当座預金制度が導入されたことに伴い、金融機関は、導入当初を中心に、マイナス金利が適用される政策金利残高を減らす、あるいは増やさないように行動する傾向がみられています(図表 13)。』

そらそうよ。

『この結果、金融機関は、プラスの金利水準にある超長期ゾーンを中心に国債購入を進めており、そのことが、国債需給の一段の逼迫と国債買入れの安定性を損ねている面があると考えています。したがって、マイナス金利導入後の超長期を中心とする国債利回りの低下は、政策効果が安定的に発揮されている証左とは言えないと私は解釈しています。』

しらっと砲撃キタコレ。でもそうですよね。

『なお、日本銀行は、国債保有残高の増加に伴い、償還に伴う再投資額も増加しています。このため、保有残高の増加目標を変えないもとでも、グロスでみると、日本銀行による長期国債の購入額は増加しています。そして、今年度は、日本銀行によるグロスの購入額が政府によるグロスの市中発行額と概ね肩を並べるという、国債の需給環境を考えるうえで節目の年に当たります(図表 14)。』

『このことは、日本銀行が、政府の発行額相当分を市中から購入するだけでは、残高増加目標を達成するのが難しくなってきていることを示唆しており、目標に届かない分は、金融機関から償還前の長期国債を購入する必要性が高まっていると考えられます。まさにこのようなタイミングで、金融機関の国債売却のインセンティブを下げるようなマイナス金利が導入されたことを十分に認識しておく必要があると思います。』

なるほど。


・金融政策運営について

『(4)今後の金融政策運営のあり方 』である。

『私は、国債買入れを柱とする「量的・質的金融緩和」について、需給ギャップを早期に解消させ、そのもとで物価の下振れ傾向を是正するなど、既に相応の成果を上げたと考えています。』

これはいつも木内さん説明している。

『しかし、政策効果の主な源泉と考えられる実質長期金利の継続的な低下は既に一巡しており、追加的な効果は逓減しているとみています(図表 15)。一方、国債買入れによって、「国債市場の流動性や価格発見機能の低下といった市場機能の低下などに起因する金融システムの不安定化リスクや、国債価格の大幅な変動が他の金融・資産価格の見直しを引き起こすリスクなど、国債市場の歪みから生じる様々な問題」、「国債買入れの限界や、それが意識された場合の市場のボラティリティ上昇」、「金融政策の正常化の過程での日本銀行の財務の悪化」といった数多くの副作用は逓減することなく、着実に増加しているとみています。』

仰せの通りとしか申し上げようがない。

『こうしたなか、私は、国債買入れ(長期国債保有残高の増加ペース)を減額することで、国債市場の安定を確保しつつ、効果と副作用のバランスを改善させることができると考えています。』

まあそうなのだが中々Taperも難しい所ではある。

『一方、日本銀行が長期国債の保有残高を削減しなければ、政策効果の減少に繋がる実質長期金利の上昇を回避することは可能であり、これまで獲得してきた効果をしっかりと確保することができると考えています。』

まあこれなんですけれども、10年がマイナス金利だとかやっている中ですが、その金利が上がったからと言ってそれだけで大コケするような事になるのかね、とも思う訳で、債券市場的にはそら50bpとか上がったら腰抜かしますが10年0.3%だの0.4%だので実体経済に何か問題ありますかとか、そもそも金利下がってそんなに効果出てないんだから上がってもそんなにマイナス出ないのではというのもあったりしますな。

『こうした考えのもと、私は、昨年4月から、国債買入れの減額を提案しています。また、減額の実施にあたっては、当措置がむしろ国債買入れの安定性や持続性を高めることを十分に説明する(フォワード・ガイダンス)ことで、金融市場に与える影響を軽減することができると考えています。』

佐藤さんはTaperingの際にマイナス金利を活用するという話(なおMPMでは賛成していなかったはずの白井さんがこの前モーサテではドヤ顔でその構想について説明しているというのは何なんですかねえ)ですが、木内さんはプラス金利のままでTaperというお話。まあ佐藤さんの方がやりやすい気はします(マイナス金利をどこまで引っ張るかというのが難しいが目先の運営的には佐藤さんの方が明らかにやりやすそう)。

『また、マイナス金利の見直しなど、経済活動の重要なインフラである市場機能や金融仲介機能の安定に十分配慮した政策を行うことは、これら機能の適切な発揮を通じて、資源の効率的な配分を実現し、政府や企業の生産性向上に向けた前向きな取り組みが、潜在成長率の向上ひいては国民生活の改善に繋がることを支援するものと考えています。』

然り。


・コミュニケーションに関する砲撃が中々厳しい

最後の所でこんな砲撃が。

『最後に、「金融市場とのコミュニケーションの改善」と「金融政策運営の柔軟化」が、当面の金融政策運営上の課題であると思っています。』

キタコレ!!!

『日本銀行としては、2%の「物価安定の目標」の早期実現を目指す姿勢を強調してきたため、金融市場では、展望レポートで消費者物価(除く生鮮食品)の上昇率が2%に達する時期が後ずれすると見込まれるタイミングで、追加緩和期待が過度に高まる傾向がみられています。』

2年で達成に砲撃である。

『また、マイナス金利導入後は、日本銀行が予想外の時期に予想外の内容の緩和策を打ち出すとの見方が広まるようになりました。』

これは大変に素晴らしい砲撃。

『こうした事象は、金融政策の予見性の低下と金融市場のボラティリティの上昇の一因となっているだけでなく、日本銀行の金融政策運営に対する信認の低下にも繋がっていると思います。』

全く仰せの通り。

『この点から、私は、日本銀行が、金融政策運営に関し、金融市場と十分な対話を行い、両者の認識ギャップを埋めるよう、丁寧な情報発信を心掛けていくことが重要であると思っています。 』

まあドンドン距離が広くなるし、ジンバブエ大先生みたいな喧嘩売ってるのもいるので首挿げ替えしないと無理ではないかと思われますがががが。


・中長期的に目指せばよいというお話

でもって最後の最後はこれです。

『また、私は、2%の「物価安定の目標」の実現には、政府や企業の取り組みなどを通じて、物価の基調を高めるような前向きな経済構造の変化が起こることが不可欠であり、そのためには相応の時間を要すると考えています。したがって、2%の「物価安定の目標」の実現を、金融政策のみで短期的に目指すのではなく、中長期の目標として位置付け直し、柔軟に金融政策運営を行うことの方が、金融市場とのコミュニケーションの改善と相まって、むしろ経済・金融市場の安定維持に繋がり、結果的に、日本銀行の最終目標である国民経済の健全な発展に資すると信じています。 』

ですなあ。

#ということで引用大会でございました
 


お題「今更ですがFOMCイエレン会見ネタ(その1)である(大汗)」   2016/06/23(木)08:04:08  
  http://www.boj.or.jp/announcements/press/index.htm/
今後の講演・挨拶等の予定

日程      講演者等     講演内容等
2016年 6月23日 木内審議委員 石川県金融経済懇談会における挨拶

このどう見ても明日になるとレファレンダムで話題から外れてしまうようなタイミングに金懇とは木内さんタイミングが残念すぎる。

あと、今日ネタに出来ないのですが一昨日こんなの出ていましたで。
[外部リンク] 企業のインフレ予想と賃金設定行動


○完全に出遅れておりますが(大汗)FOMCプレコンネタ(その1)

どうもすいませんすいません。
[外部リンク] 本日は質疑応答の前の所で勘弁。


・足元の経済指標が強弱まちまちで慎重なアプローチとのっけからハトだが足元偏重しすぎに思える

『CHAIR YELLEN: Good afternoon. Today, the Federal Open Market Committee (FOMC) maintained the target range for the federal funds rate at 1/4 to 1/2 percent. This accommodative policy should support further progress toward our statutory objectives of maximum employment and price stability. Based on the economic outlook, the Committee continues to anticipate that gradual increases in the federal funds rate over time are likely to be consistent with achieving and maintaining our objectives.』

まあ最初のはお約束のような言い方。

『However, recent economic indicators have been mixed,suggesting that our cautious approach to adjusting monetary policy remains appropriate.』

でまあ冒頭がこれな訳で、最近の経済指標は強弱まちまちなので、我々はコーシャスなアプローチで政策の正常化を行っていくのがよろしい。となっていて腰砕けキターとなる訳ですな。


しかしまあ何ですな、

[外部リンク] Business | 2016年 05月 28日 06:08 JST
今後数カ月の利上げ、おそらく適切=イエレン米FRB議長

『ケンブリッジ(米マサチューセッツ州) 27日 ロイター] - イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は27日、経済成長が想定通り継続し雇用創出が続けば、FRBは今後数カ月に利上げすべきとの認識を示した。発言を受け、6月または7月の利上げの可能性が高まった。イエレン議長はハーバード大学での講演で「FRBが時間をかけて緩やかに、かつ慎重に金利を引き上げることは適切だ。今後数カ月に利上げすることがおそらく適切となる」と述べた。』(上記URL先より)

この記事の元講演みたいなのがちょっとFRBのサイトで見つからなかった(探し方が悪いような気がしますが)ので上記URL記事で勘弁なのですが、先程の会見での冒頭コメントに関してはその続きに、

『As always, our policy is not on a preset course and if the economic outlook shifts, the appropriate path of policy will shift correspondingly.』

という毎度おなじみの話をしておりますので、どう受け取るのかによ寄りますが、このドテンドテンのアプローチを真に受けるとしますと、明らかに「FRBが足もとの経済データに振り回されている」という事を意味すると思われます。でまあそうなりますと、足元の状況という意味では経済データに加えてどうせ金融市場動向というのも出てくる訳で、まさしくアラン・ブラインダー元FRB副議長が指摘する「自分の尾を追う犬」状態になってきてませんか大丈夫ですかという感じ。

本来、正常化政策というゴールがあって、それに対してどういうアプローチをするか、というのであれば、こんなに足元データで一喜一憂するのではなく、中期的な見通しに沿って正常化を淡々と進めていくし、そういう自信がある中でやっていくもんだろとは思うのですが、FRBの場合は前回の正常化の時に「メジャードペース」での正常化はできたものの、そのメジャードペースを自信を持って行うまで引っ張り過ぎて正常化がビハインドしたからクレジットバブルの発生を防げなかったという反省があって、まあ着手を計画的に早めに開始したちゅーことなんでしょう。

でもってスタートが自信満々タイミングでもない、という事なので一々行きつ戻りつという事になっている訳ですが、この間に正常化のゴール地点が徐々に下方シフトしている、というのFRB的には従来に無かったパターンだと思いますので、ここがどう影響してくるのか(たぶんロンガーランの適正金利が低下している、という認識が市場に広まると、正常化路線の中で緩和度合いがFRBの想定よりも強い状態での推移になって、締め方を間違えるとどこかで金融不均衡発生のリスクを高める気がする)というのも気になるところではあります。


てな話は兎も角として。

『I will come back to our policy decision, but first I willreview recent economic developments and the outlook』

つーことで経済の話。


・経済全体の話は声明文よりもトーンが弱い感じですなあ

『Economic growth was relatively weak late last year and early this year. Some of the factors weighing on growth were expected. For example, exports have been soft, reflecting subdued foreign demand and the earlier appreciation of the dollar. Also, activity in the energy sector has obviously been hard hit by the steep drop in oil prices since mid-2014.』

『But the slowdown in other parts of the economy was not expected. In particular, business investment outside of energy was particularly weak during the winter, and appears to have remained so into the spring. In addition, growth in household spending slowed noticeably early in the year despite solid increases in household income as well as relatively high levels of consumer sentiment and wealth.』

想定通りの展開となっている物に加え、想定外の要因もあって年前半の経済は相対的に弱かったです、とまあこちらのパートも冒頭からフニャ子フニャ夫先生となっていまして、声明文の方では一応現状判断の中で幾つかのパートの判断強くしているのですが、会見での説明を見ると足元の経済がパッとしないのに対して参っているという印象を冒頭の所で与える仕様になっています。

『Fortunately, the first-quarter slowdown in household spending appears to have been temporary; indicators for the second quarter have so far pointed to a sizable rebound. This recovery is a key factor supporting the Committee’s expectation that overall economic activity will expand at a moderate pace over the next few years.』

一応個人消費の落ちはテンポラリーとか入っていますけどな。


・労働市場については雇用統計でションボリーヌの巻とな

『Despite lackluster economic growth, the job market continued to improve early in the year. During the first quarter, job gains averaged nearly 200,000 per month, just a bit slower than last year’s pace. And the unemployment rate held near 5 percent even though notably more people were actively looking for work.』

こちらは最初は威勢の良い説明。

『However, more recently the pace of improvement in the labor market appears to have slowed markedly. Job gains in April and May are estimated to have averaged only about 80,000 per month. And while the unemployment rate fell to 4.7 percent in May, that decline occurred because fewer people reported that they were actively seeking work.』

と直近雇用統計ではしょんぼりと。

『A broader measure of unemployment that includes individuals who want and are available to work but have not searched recently as well as people who are working part time but would rather work full time has flattened out. On a more positive note, average hourly earnings increased 2-1/2 percent over the past 12 months--a bit faster than in earlier years and a welcome indication that wage growth may finally be picking up.』

『Although recent labor market data have,on balance, been disappointing, it’s important not to overreact to one or two monthly readings. The Committee continues to expect that the labor market will strengthen further over the next few years. That said, we will be watching the job market carefully. 』

ということで、良い内容もあるけれども直近の労働指標が「disappointing」となっていて、1回や2回(と言ってるのでこれは来月の雇用統計がパッとしないときの予防線か)の統計に対して大きく反応するのは宜しくないのですが慎重に見ます、とあって、しかも声明文冒頭でご案内のように雇用の言及が変わっているという事を考えますと、まあ雇用の所でションボリーヌで足元の指標に思いっきり振り回されている感があるなあと思うのでした。


・物価の話は基本的に声明文でのお話とあんまり変わらない

ので引用割愛しようかと思いましたが増量企画および後で自分が見る時の為にはっておくだけ。

『Ongoing economic growth and an improving labor market underpin our inflation outlook. Overall consumer price inflation--as measured by the price index for personal consumption expenditures--was about 1 percent over the 12 months ending in April, still short of our 2 percent objective. Much of this shortfall continues to reflect the effects of earlier declines in energy prices and lower prices for imports. Core inflation, which excludes energy and food prices, has been running close to 1-1/2 percent. As the transitory influences holding down inflation fade, and as the labor market strengthens further, the Committee expects inflation to rise to 2 percent over the next two to three years.』

『Our inflation outlook also rests importantly on our judgment that longer-run inflation expectations remain reasonably well anchored. However, we can’t take the stability of longer-run inflation expectations for granted. While most survey measures of longer-run inflation expectations show little change, on balance, in recent months, financial market-based measures of inflation compensation have declined. Movements in these indicators reflect many factors and therefore may not provide an accurate reading on changes in the inflation expectations that are most relevant for wages and prices. Nonetheless, in considering future policy decisions, we will continue to carefully monitor actual and expected progress toward our inflation goal.』

前半の物価に関してはほぼ毎度の説明通り。インフレ期待に関しては「推移をよく見る」とまあ若干気にしている感は出ていますな。


・金融政策について

SEPの部分はパスしてその後。

『Returning to monetary policy, as I said, the Committee maintained its target range for the federal funds rate. This decision reflects the Committee’s careful approach in setting monetary policy, particularly in light of the mixed readings on the labor market and economic growth that I have discussed as well as continuing below-target inflation.』

足もとの経済指標などがミックストだから現状維持ですとな。

『Proceeding cautiously in raising our interest rate target will allow us to verify that economic growth will return to a moderate pace, that the labor market will strengthen further, and that inflation will continue to make progress toward our 2 percent objective. Caution is all the more appropriate given that short-term interest rates are still near zero, which means that monetary policy can more effectively respond to surprisingly strong inflation pressures in the future than to a weakening labor market and falling inflation. 』

でまあ今回はこの正常化に関してのCautionなアプローチを連呼しておりまして、利上げは何ぼでもいけるけど利下げの余地が少ないから慎重にというのを主張していますな。まーとりあえず1回の利上げしたら短期金利コントロールが出来なくて困った(上がらなくて困ったということ)という感じにはならなかったというのもあるかも知れませんな。

『Although the financial market stresses that emanated from abroad at the start of this year have eased, vulnerabilities in the global economy remain. In the current environment of sluggish global growth, low inflation, and already very accommodative monetary policy in many advanced economies, investor perceptions of, and appetite for, risk can change abruptly. As our statement notes, we will continue to closely monitor global economic and financial developments.』

はいはいブリクジットブリクジット。

『We continue to expect that the evolution of the economy will warrant only gradual increases in the federal funds rate. We expect the rate to remain, for some time, below levels that are anticipated to prevail in the longer run because headwinds weighing on the economy mean that the interest rate needed to keep the economy operating near its potential is low by historical standards. These headwinds--which include developments abroad, subdued household formation, and meager productivity growth--could persist for some time. But, if they gradually fade over the next few years as we expect, then the interest rate required to keep the economy operating at an even keel should move higher as well.』

慎重な正常化を正当化する話というのは毎度の説明で、経済に残る金融ショック後の悪影響とか、経済のトレンド生産が下がっているとか、生産性が落ちたままで推移しているとかで、これらが解消されるまでは金利は緩和的に推移させていてもヨロシという説明ですな。まあここは通常運転。

『This view is consistent with participants’ projections of appropriate monetary policy. 』

ということで、この次がSEPにおける政策金利のドットプロットの話になりまして、つまりこの先におきましてもそうですが、近いうちの次回利上げについての予告ホームランは(当たり前の如く)出て来ないという結果で、そらまあ会見の日和っぷりから予告ホームラン出る訳ないのは自明ですが、まあそうなっておりますよねという所で。

『The median projection for the federal funds rate rises only gradually to 1-1/2 percent at the end of next year and 2-1/2 percent by the end of 2018, somewhat below its estimated longer-run normal level. Although the median federal funds rate at the end of this year is unchanged from March, a number of participants revised down their projections. For 2017 and 2018, the median projection is 1/4 to 1/2 percentage point lower than in March, roughly in line with the 1/4 percentage point downward revision made to the estimated longer-run level of the federal funds rate.』

ここまでプロットの説明です。

『As I have noted on previous occasions, participants’ projections for the federal funds rate, including the median path, are not a fixed plan for future policy. Policy is not on a preset course. These forecasts represent participants’ individual assessments of appropriate policy given their projections of economic growth, employment, inflation, and other factors. However, the economic outlook is inherently uncertain, so each participant’s assessment of appropriate policy is also necessarily uncertain, especially at longer time horizons, and will change in response to changes to the economic outlook and associated risks. 』

とまあいつもの「プリセットコースではない」話をしているのですが、では今の「毎回ライブミーティングです(キリリッ)」というのがコミュニケーションとしてワークしているのかというと、どう見ても足元の経済指標に一々ドタバタしているようにしか見えない動きをしているので、これはこれで政策対応として間抜け感がだいぶ漂うように見えるのですけれどもどうでしょうかねえ。

説明の最後は資産買入政策に関してで、これも毎回同じ説明です。

『Finally, the Committee will continue its policy of reinvesting proceeds from maturing Treasury securities and principal payments from agency debt and mortgage-backed securities. As highlighted in our policy statement, we anticipate continuing this policy until normalization of the level of the federal funds rate is well under way. Maintaining our sizable holdings of longerterm securities should help maintain accommodative financial conditions and should reduce the risk that we might have to lower the federal funds rate to zero in the event of a future large adverse shock.』

ということで先週のネタと化しているものを今更(しかもQ&Aが未だという状態)とは情けないという所ですがどうもすいませんすいません。
 


お題「総裁講演の理論が実際の話に合っていない件(その2)/決定会合議事要旨を見るに6月現状維持はナンデジャロ的な」   2016/06/22(水)08:02:49  
  櫻井アソシエイツキター!!
[外部リンク] 櫻井眞審議委員の履歴の修正

おうやっと直ったかと思ったのだが、大学卒業年次ってそんなに簡単に忘れるものなのか???(そのまま院進しちゃうと忘れるのかもしれんが)


○総裁講演ネタの続きである

[外部リンク] ・国債買入の話だが話の理屈と実際の話がどうも

『5.大規模な金融資産買い入れ』の所から続きです。

『中央銀行の市場オペレーションは、国債とマネタリーベースの交換といった形で、完全代替でない金融資産の取引となりますが、理論的には、金融市場での裁定が完全に働いていれば、資産価格形成に対しては中立的であることが知られています4。しかし、金融市場での裁定が何らかの理由によって不完全である場合、中央銀行のオペレーションはタームプレミアムに影響を与えうることになります5。また、こうした金融市場の不完全性は、特に金融危機時に高まると考えられます。』

ということはですよ、そもそも「長期金利が下がって効果があった」という話をしている事の本質は市場の不完全性を高めるということなのであって、そら今の政策を継続すれば市場が更に不完全性を高めるという副作用が生じるんじゃネーノというお話ですが、ここで日銀執行部の皆様が勘違いしていると思われるのは、大規模買入によって市場の不完全性を極端なものにしても、買入を緩和していくと市場の不完全性は元に戻ると安易に考えていそうな所で、市場インフラってのは一旦壊れてしまうとそれは不可逆的な部分があって、元々やっていたものでしたら収益性が下がってもインフラ的なものだからとか社会的な意義だとか言って継続することはあっても、いったん撤退したものに再度参入する、となるとそれなりの収益見込みが出ないと参入しない訳でして、こんな金利環境で短期金融市場の市場を叩き壊してしまうと、もともとゼロ金利状態で収益的に不芳だった取引に関して出口が見えそうだから程度の理由で再参入する動きってそんなに出ない恐れがあって、そうなると出口政策って実務面で相当難航すると思うのですよね。

と何か悪態が長くなってしまいましたが。

『実際、リーマンショック直後の欧米の中央銀行の政策対応を振り返ってみると、金融市場、金融システムの安定化が最優先課題であり、そのために、大量の流動性を供給すると同時に、目詰まりを起こしている市場に介入していきました。その後、金融市場がある程度鎮静化する中で、引き続き大規模な資産購入は継続され、金融市場における様々なプレミアムの縮小を通じ、マクロ経済の安定化、デフレの阻止が図られてきました。さらに、量的・質的金融緩和では、先ほどお話ししましたとおり、フォワードルッキングな期待形成に働きかけることで、インフレ予想を押し上げることも、重要な構成要素となっています。』

リスクプレミアムがマイナスになるまで買い続けるのはそれとは別問題じゃないかと思いますし、フォワードルッキングな期待形成に働きかけるって言ってますが現実問題として達成できていましたっけ????

『こうした量的緩和について、金融政策を分析する標準的なマクロ経済モデルであるニューケインジアン・モデルに、さまざまな角度から金融市場の不完全性を導入した分析が進展してきています6。しかしながら、量的緩和がどのような環境の下で、どのようなメカニズムを通じて、効果を発揮したのかは、必ずしも十分に解明されているとは言えないように思います。実際、バーナンキ前FRB議長は、「量的緩和の問題点は、現実には効果が認められるのだけれども、理論的には効果が説明できないことである」と述べています。』

ああそうですか。

『特に、国や地域によって金融システムの構造が異なることを考えれば、大規模な資産購入の対象となる金融市場だけでなく、その金融システムを通じた波及メカニズムなど、国や地域による違いを明示的に取り込んだ分析も必要になってくると思われます。』

その割には置物リフレ理論って単に「海外の偉い経済学者も言ってる世界標準の政策ガー」だし、物価目標2%についても「グローバルスタンダード」だとか言ってると思うのですけど????


・金融政策運営の話は理論と実践が全然合っていない件

『6.金融政策ルール』という小見出しに参ります。

『ここで、若干話題を変えて、非伝統的金融政策と政策ルールについて考えてみましょう。金融政策を巡る理論的・実証的研究としては、1990 年代以降、テイラールールに代表される政策ルールに関する研究が大きく進展しました7。こうした研究においては、金融政策の効果を最大限に引き出していくために、マクロ経済の変動に応じてシステマチックに政策金利を設定していくことの重要性が強調されています。言い換えますと、金融政策の有効性を確保していくためには、民間部門が予想していないショックを与えることではなく、一貫性・予見可能性の高い政策対応を継続していくことが重要です(図表6)。』

お前は何を言っているんだという感じですが、良く良く考えれば元々の置物リフレ理論においても「インフレターゲットは物価に応じて自動運転するようなもの(なので金融政策において総合判断のような恣意性を排除すべき)」という政策のラグとか物価の遅行性とかを何も考慮しない話をしておりましたな。

『こうした政策運営の考え方は、非伝統的な政策の運営においても、基本的に共通したものと言えます。』

・・・・・( ゜д゜)

『そのため、平時から、ゼロ金利制約に直面するような極めて大きな外的ショックへの政策対応のオプションを示しておくことが、金融政策の有効性を高めていくうえで重要と考えられます。』

・・・・・( ゜д゜)
・・・・・(つд⊂)コ゛シコ゛シ
・・・・・(;゜д゜)

いやまあ原稿丸読みだと思うのですが、こういうのを平気な顔をして言えるというのがさすがとしか申し上げようが無くて、アタクシなんぞは人間としての修業が足りないと痛感するものであります。

『もっとも、わが国の 1990 年代末以降の経験や、欧米の中央銀行におけるリーマンショック後の政策対応を振り返ると、その時々に直面する状況や課題に応じて、新たな政策手段を考案しつつ、手探りで進められてきました。』

お前の出しているのは「従来の買入を爆発的に拡大する」というのと「海外が実施したマイナス金利政策の導入」であって、「新たな政策手段を考案しつつ」とやっていたのは過去の日銀だろ何自分の成果のような説明しとるんじゃヴォケと小一時間。

『現実には、さまざまな不確実性が存在していますから、将来生起する事象すべてについて、あらかじめ政策オプションを提示しておくことは難しい面があります。また、そうした想定外の事態における政策対応は、金融経済環境だけでなく、さまざまな構造的・制度的な与件を考慮して策定されるため、どうしても複雑なものとなります。』

別に複雑でも事前に出さなくても良いのだが、何も騙し討ちのサプライズみたいなことをする必要はないのだし、危機対応がまさにそうですけれども、「どういう問題に対応しないといけないのか」というアジェンダがきちんと設定されているのであれば、手法そのものは新しい政策オプションであっても、その時に必要とみられる課題はその時点で自明なのだから、政策対応という意味ではサプライズにはならんじゃろ。

『こうした不確実性が大きく、複雑な問題に対処しなければならない状況において効率的な資源配分を実現するために、どのような制度的な枠組みを構築するべきかという問題は、不完備契約(incomplete contract)理論が取り扱う分野です8。この分野は、近年、急速に研究が進み、企業組織、金融契約、法制度など、その応用範囲も広がっています。そうした新しい知見を活用し、危機対応も含めた包括的な政策ルールやその運営といった政策枠組みを考えていくことで、金融政策を巡る研究のフロンティアを広げていくことができるのではないかと考えています。』

と煙に巻いていますが、そもそも全然「理論と実践」がリンクしていないのにお前は何を言ってるんだという所ですな。


・デフレ脱却後の話をしているのだがそもそもこの理屈だと物価だけ上げるの無理という話にならんか??

『7.長期均衡』という小見出しも小見出しの時点でお前は何を言ってるんだの構えになりますな。

『マイナス金利付き量的・質的金融緩和について、その出口に至る時期や政策の進め方についてお話しするのは時期尚早と考えていますが、せっかくの機会ですので、最後に、デフレからの脱却が果たされた後のわが国経済と金融政策の関係について少し考えてみたいと思います。』

>デフレからの脱却が果たされた後

2%物価安定目標の達成じゃなかったでしたっけ??????????どうせ原稿作ってるの事務方だと思うのだが何か怪しい下心でもあるのかね????????

『金融政策を分析する標準的なモデルにおいては、トレンド成長率や定常状態におけるインフレ率は与件とされ、トレンド周りの経済変動に焦点があてられてきました。金融政策分析の中心的な問題意識は、循環的な経済変動をいかに平準化させ、インフレ率を目標水準の近くで安定化させるか、という点に集約されていたということになります。』

『標準的なマクロ経済学において、景気循環を扱う短期モデルでは、潜在成長率を外生的に決まる所与のものとする一方、潜在成長率の決定要因を分析する長期の経済成長モデルでは、短期的な経済変動は平準化され、長期的な経済成長には影響しないとして、捨象されることが一般的です。』

『これは、非伝統的な金融政策について議論するときも、基本的に同様です。非伝統的な金融政策を分析する際、通常使われるマクロ理論モデルにおいては、ゼロ金利制約に服するような大きなショックが加わったとしても、ショックが減衰するにつれ、定常状態に復帰していくと想定されます。見方を変えると、非伝統的な金融政策の分析は、大きなショックの影響について、時間を通じてどう平準化し、吸収していくかを考えていることになります。』

まあここまでは良いとしまして。

『しかしながら、定常状態が下方シフトし、長期の成長期待を反映した「自然利子率」が恒常的に低下してしまえば、実質金利低下による経済活動の刺激効果が弱まり、金融政策の有効性が大きく低減します。また、自然利子率の水準そのものに不確実性が高まることは、金融政策の緩和・引き締めの度合いの評価や、将来にわたる金融政策の経路の不確実性を高めることを意味します。このほか、潜在成長率の低下は、恒常所得の予想も低下させると考えられますから、負の所得効果が生じ、この面から経済活動の下押し圧力が生じることも考えられます。』

ということでして、デフレ脱却後に定常状態が下方シフトしているような状態だったらこのような話になるというのでしたら、そもそも論として定常状態が下方シフトしている状況を改善しないと金融政策の効果も強くならないし、大体からして定常状態が下方シフトしているのに過去の定常状態の時に適切だったとみられる物価水準を目標としてその水準を短期的に目指す、というのは政策としての実現可能性にしても維持可能性にしても問題があるんじゃないのでしょうかねえ。

『実際、主要先進国では、近年の長期停滞論(Secular Stagnation)にみられるように、大きなショックに見舞われた後、さまざまな要因によって定常状態そのものが下方シフトしている可能性について活発に議論されています9。わが国においても、潜在成長率は 1990 年代初頭までは3〜4%ほどありましたが、その後低下トレンドをたどり、90 年代後半以降は1%程度、リーマン・ショック後は0.5%以下にまで低下しています(図表7)。潜在成長率の低下とともに、景気に中立的な自然利子率も、低下傾向をたどっていたと考えられます。』

であるなら何故物価水準だけそれらの変化とは別に与件として2%水準で安定推移させる所に無理繰り持って行こうとするのかが訳分からんのですけど。

『その意味では、中長期的な定常状態を巡る不確実性と金融政策運営の関係は、わが国だけでなく、各国中央銀行が共通して直面している課題と言えます。この問題を考えるためには、長期的な経済成長と短期的な景気循環の相互作用を考慮した分析枠組みを考えていく必要がありますが、これは学術的にもチャレンジングな研究課題なのではないかと思います。』

でまあこの後が『8.おわりに』でどうでも良い話になるのですが、結局「理論と実践」と言いつつ全然実践の話になっていないのはご愛嬌としましても、理論の方も実際に今やっているQQE&マイナス金利政策の背景になっている説明と全然繋がっていないという諸葛孔明の罠のような講演になっておりまして、これで黒田さんがこっそり転向しているなら慶賀の念に堪えませんが、どうせただの原稿棒読みでしょうから、何でこんな訳分からん(今の政策運営の説明との整合性という意味で)ものが飛び出たのか良く分からんですの。



○4月MPM議事要旨である

[外部リンク] ちなみに超どうでも良いのですが、『(開催要領)』の所を見ますと事務局ということで事務方の出席者のお名前が出ているのですが、通常政策委員会室から企画役が1名、企画局から企画役が2名出席しているにこの会合では企画局から出席している企画役が3名になっていて、1月MPMでも企画役が2日目だけ3名体制になっていたので、展望レポートとセットになっている場合には人を増員するようになったのかね(かつては展望レポート回は金融経済月報無しの1日会合でそれ以外の会合の時と人員的には同じ構成になっていました)というどうでも良い事に気が付きました(^^)。

それは兎も角として、

・経済のパートから

『.金融経済情勢と展望レポートに関する委員会の検討の概要 』から。

『国際金融資本市場について、委員は、一頃に比べて落ち着きを取り戻しているものの、世界経済の先行き不透明感が根強い中、市場参加者が積極的にリスクテイクしにくい状況が続いているとの認識を共有した。ある委員は、海外の金融市場は安定を取り戻しつつある一方、わが国の金融市場については、なお不安定な状況から脱却できていないとの見方を示した。そのうえで、委員は、国際金融市場の動向やこれがわが国の経済・物価に及ぼす影響について、引き続き注視していく必要があるとの認識で一致した。』

で更に悪化しているように見えるのですが結局6月も不動だった訳で中々これは謎。

でもって途中を飛ばして、

『わが国の金融環境について、委員は、きわめて緩和した状態にあるとの認識で一致した。』

だそうなのですが、マイナス金利政策の評価としては・・・・・・・・・・・・・・・・

『委員は、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」のもとで、企業の資金調達コストはきわめて低い水準で推移しており、マネタリーベースも日本銀行による資産買入れの進捗を反映して大幅に増加しているとの見方を共有した。何人かの委員は、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入決定後、国債のイールドカーブは全ての期間で低下しているほか、これを受けて、貸出の基準となる金利や住宅ローン金利、CP・社債の発行金利がはっきりと低下していることを指摘した。』

低下してもそれが投資や消費に出ないとねえ・・・・・・・・・・・

『委員は、企業からみた金融機関の貸出態度は一段と改善し、大幅に緩和した状態にあるほか、CP・社債市場では良好な発行環境が続いており、企業の資金繰りは良好であるとの認識で一致した。委員は、資金需要は運転資金や企業買収関連を中心に緩やかに増加しており、銀行貸出残高は中小企業向けも含めて緩やかに増加しているとの認識を共有した。』

結局緩やかにしか増加せんやん。

『複数の委員は、短観の貸出態度判断DIやローンサーベイの結果は、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」導入以降、金融環境が一段と緩和していることを示していると指摘した。 』

という話ですが、マイナス金利っていうのは基本的に金融環境を引締め的にするものであって、単にこの辺の話だけで金融環境が緩和どうのこうのというのってどうなのとは思います。


『わが国の景気について、委員は、新興国経済の減速の影響などから輸出・生産面に鈍さがみられるものの、基調としては緩やかな回復を続けているとの認識を共有した。委員は、引き続き、企業収益が史上最高水準で推移しており、労働需給が引き締まった状況を保っていることを指摘し、家計・企業の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが作用しているとの見方を共有した。』

だいぶ空しい。

『もっとも、ある委員は、マクロの所得形成のモメンタム低下が見込まれるため、好循環メカニズムが力強さを増していく蓋然性は高まっていないと述べた。』

ですなあ。

『輸出について、委員は、新興国経済の減速の影響などから、足もとでは持ち直しが一服しているとの認識で一致した。先行きの輸出について、委員は、当面、海外経済の減速や最近の円高進行、地震の影響などから、全体では横ばい圏内の動きを続けるが、その後は、新興国経済が減速した状態から脱していくことなどを背景に、緩やかに増加していくとの見方を共有した。』

『設備投資について、委員は、企業収益が高水準で推移する中で、緩やかな増加基調にあるとの認識で一致した。先行きの設備投資について、委員は、高水準の企業収益を背景として、緩やかな増加基調を維持するとの見方を共有した。ある委員は、3月短観の設備投資計画は、企業が前向きな投資姿勢を維持していることを示していると述べた。別の一人の委員は、先行き世界経済の下振れ懸念が強まれば、企業マインドが慎重化することで設備投資に影響が及ぶため、今後の動向には留意が必要であるとの認識を示した。』

とまあこうなっていますが、輸出の方は案の定微妙ですし、設備投資については短観に注目という所でしょうか。

『雇用・所得環境について、委員は、労働需給が着実な改善を続けるもとで、雇用者所得は緩やかに増加しており、先行きも、労働需給の引き締まりが続き、企業収益が高水準で推移するもとで、緩やかな増加を続けるとの見方で一致した。』

まあそうなるのやら。

『この間、一人の委員は、失業率の低下テンポが弱まっていると指摘し、失業率が3%を切らないと物価上昇率が2%になるのは難しいと考えていると述べた。』

またジンバブエか!

『個人消費について、委員は、一部に弱めの動きもみられるが、雇用・所得環境の着実な改善を背景に底堅く推移しており、先行きも、引き続き底堅く推移するとの認識を共有した。複数の委員は、最近の個人消費の弱めの動きについて、暖冬に加え、不安定な金融市場の動きを背景にした消費者マインドの悪化などの要因が影響しているとの認識を示した。何人かの委員は、今後も雇用者所得が増加を続けると考えられることから、先行き個人消費は底堅さを増していくとの見方を示した。この間、複数の委員は、慎重な消費の背景には、雇用環境の改善の好影響を受けにくい年金世代の消費の動向が反映されている可能性を指摘した。』

年金世代云々の話ってずーっと指摘されていますね。

生産などは割愛


・物価見通しメカニズムについて

『2.経済・物価情勢の展望 』の物価見通しについて。

『委員は、物価の基調を規定する主たる要因である需給ギャップと中長期的な予想物価上昇率について議論した。まず、需給ギャップについて、委員は、新興国経済の減速を背景に製造業の設備稼働率の改善が遅れる一方、労働需給の引き締まりは続いており、全体として横ばい圏内の動きとなっているとの見方で一致した。』

うむ。

『先行きについて、委員は、労働需給の引き締まりは続き、設備稼働率も、輸出・生産が持ち直していくに伴い、再び上昇していくと考えられることから、需給ギャップは、2016 年度後半以降、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要による振れを伴いつつも、緩やかにプラス幅を拡大していくとの認識を共有した。』

この時は消費増税前提の話になっています点はさておきまして、労働需給はともかく輸出と生産の方はさてどうなんでしょという感じなんですよねー。

『次に、中長期的な予想物価上昇率について、委員は、やや長い目でみれば全体として上昇しているとみられるが、このところ弱含んでいるとの見方を共有した。委員は、マーケット関連指標やアンケート調査の結果は、このところ弱含んでいるとの認識で一致した。』

『一方、委員は、企業は前向きな価格設定スタンスを維持しており、消費者も、雇用・所得環境の改善などを受けて、価格改定を受容しているとの見方を共有した。』

受容はしているがその結果消費は落ちると思うぞ。

『賃金設定スタンスについて、何人かの委員は、本年入り後の国際金融資本市場の不安定な動きが労使双方のマインドに影響を与えたこともあって、今年の賃金交渉においては、ベースアップが大企業を中心に昨年を幾分下回った点は懸念されると述べた。』

「国際金融資本市場の不安定な動き」だけではないと思いますが特にマイナス金利。

『これに対し、何人かの委員は、3年連続でベースアップが実現したことや中小企業においても賃上げの動きが拡がっている点は前向きに評価できるとの認識を示した。そのうえで、一人の委員は、本年度の企業の価格改定の動きが、今後、消費者にどの程度受け入れられながら進んでいくかがポイントになるとの見方を示した。この点、ある委員は、今後、消費者マインドが改善すれば、値上げに向けた企業の価格改定の動きが再び積極化していくとの見方を示した。』

ということで、価格設定行動を見たい、というお話になっていましたが、そういや最近はその話をあまり声高にしなくなっていますなあ(ニヤニヤ)。


・見通し下げの要因がダメなのに何で政策変更しなかったんでちゅかねえ

『.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要 』は中々味わいのある議論が。

『委員は、本年1月の見通しと比べて、2016 年度の物価見通しが下振れることになるが、その主な理由が、これまでの修正と異なり、原油価格の想定の変更というよりは、成長率の下振れや賃金上昇率の下振れによるものであることを踏まえ、政策面での対応について議論した。』

(・∀・)ニヤニヤ

『この点、大方の委員は、2016 年度の物価見通しは下振れるが、家計・企業の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムは持続しており、また、賃金の上昇を伴いつつ物価上昇率が緩やかに高まっていくというメカニズムも着実に作用しているとの認識を示した。』

わけわからん。出来るだけ早期に達成するというコミットメントはどうなった???

『そのうえで、大方の委員は、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の効果は、金利面では既にはっきりと現れており、その効果は、今後、実体経済や物価面にも着実に波及していくとの認識を共有した。』

まあ物価目標達成への期待が高まればフィッシャー効果で長期金利は上がるんだけどな!!!!

『さらに、これらの委員は、金融政策の効果の波及にはある程度時間が必要であること、また、国際金融市場において不安定な動きが続いており、そうしたもとでは、前向きな変化が現れにくいことから、現時点では、政策効果の浸透度合いを見極めていくことが適当であるとの見方で一致した。』

ナンジャソラという感じで、結局の所4月にやらなかったのだったら7月って結構サーベイとかでは追加緩和の期待が高いのだが(実際の市場価格形成はまた別物として)4月にこの理屈で追加やっていなくて、6月にもやっていないのに7月にやるのかねという感じが大いにあると思うのだが。

『なお、ある委員は、マイナス金利政策による金利低下の効果は、支払利息の軽減だけでなく、需要の刺激を通じて、幅広く様々な経済主体にとってプラスの効果を及ぼすものであると指摘したうえで、情報発信にあたっては、その点を粘り強く説明していく必要があるとの認識を示した。』

でマイナス金利でどこの需要がどう刺激されているのでしょうか?

『また、別の一人の委員は、マイナス金利政策は、「量的・質的金融緩和」と同様に、自然利子率より低い水準に実質金利を引き下げるための政策であると述べた。』

またこれか。

『この間、何人かの委員は、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」のもとで、国債市場などの需給がきわめてタイトになっている点を指摘した。このうち複数の委員は、そうした状況のもとでは、資産買入れの運営を、金融市場の状況に応じて、より柔軟に行うべきであるとの見方を示した。』

ということですが、たぶんその後の状況証拠からして野党の皆さんのコメントだと思いますが、この柔軟対応も良し悪しで、変な政策インプリケーションを読み取ってああだこうだというトークが最近の債券市場での流行なのでして、まあ素直に予見可能性を高めておいた方がよいかもしれませんですぜ、という話はまだまとまっていない。



・政策運営に関して

この時の威勢の良い話と6月の現状維持がリンクしないのだが・・・・・・・・・・・

『先行きの金融政策運営の考え方について、(中間割愛)「物価安定の目標」の実現のために必要な場合には、「量」・「質」・「金利」の3つの次元で、追加的な金融緩和措置を講じるとの方針を共有した。何人かの委員は、海外経済の動向や中長期的な予想物価上昇率の動向などを巡ってわが国の経済・物価の下振れリスクが引き続き大きいことを指摘しつつ、今後、毎回の金融政策決定会合でリスク要因を丹念に点検し、必要な場合には、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じるべきであることを強調した。このうち一人の委員は、日本銀行の2%の「物価安定の目標」の実現に向けたコミットメントに変化はなく、今回政策変更を行わないことが、金融政策運営の考え方の変更を意味するものではないという点について、対外的にしっかりと説明していく必要があると述べた。』

とまあエライ威勢が良いのですが、じゃあ何故6月は不動だったのかというのを考えてみるのも面白いと思いますよ。

『一方、複数の委員は、マイナス金利政策は、市場機能や金融仲介機能および国債市場の安定性を損ねると主張した。(以下木内さんの提案部分割愛)この委員(引用者注:木内さん)は、金融システムの安定をこれまで以上に重視していく必要があるとの認識を示した。』

いつも通り。

『これに対し、一人の委員は、マイナス金利政策に対する反対論には、銀行収益の悪化を指摘するものが多いが、経済全体が活性化して初めて銀行も安定した収益を得られると述べた。 』

>マイナス金利政策に対する反対論には、銀行収益の悪化を指摘するものが多いが
>マイナス金利政策に対する反対論には、銀行収益の悪化を指摘するものが多いが
>マイナス金利政策に対する反対論には、銀行収益の悪化を指摘するものが多いが

・・・・・(゜д゜)

まあ相変わらずのジンバブエクオリティですが、そもそも反対論の中で銀行収益悪化以外の話もたくさんありますし、それ以前の問題として金融システムの安定という中銀の重要テーマとか、そもそも中銀って「銀行の銀行」でしょ、というようなお話を考えるに、何ちゅうか相変わらず人の意見を聞く能力の無いお方だなあと思うのでした。
 


お題「黒田総裁講演から(その1)/その他ネタ備忘録メモ(汗)」   2016/06/21(火)07:48:40  
  白井さん技術的な話を始めると案の定だがアレ感高まるんだよな・・・・・・・・・・・・・・・・>モーサテ

「銀行も段々この仕組みについて分かってきたと思います(キリッ)」とかお前に言われたくないわヴォケと言っている銀行の資金セクションの皆様が今朝は大いに血圧を上げたのではないかと愚考されますが、脳の血管を切らないようにご自愛頂きたいものであります。

・・・・・・・あ、佐藤さんの「マイナス金利はTaperingに使うべき」論が白井さんもということで広がって参りましたなあ。


○黒田総裁が慶應義塾大学で講演とな

[外部リンク] デフレからの脱却に向けて:理論と実践
慶應義塾大学における講演
日本銀行総裁 黒田 東彦
2016年6月20日


・題名が2%じゃないのはさすがに理論も実践も・・・・・・・・・・・

この講演のお題なんですけど上記のように『デフレからの脱却に向けて:理論と実践』となっており、先日は内外情勢調査会での講演で『日本経済の先行きと2%の「物価安定の目標」の実現に向けた課題』というお題だったのですが、さすがに「理論と実践」という中で「2%」というのをお題にするのは図々しいという認識があるのですね!!!!!!

まあ何ですな、「デフレ脱却」なら「このようにできました」と言い張ることが出来る面はありますが、2%は誰がどう見ても達成できていない訳でして、達成もできていないのに「実践」もあったもんじゃないですし、大体からして2%の数値の根拠だって単に統計上の糊代論に加えて世界的に主要国が2%というのを掲げているから2%にしておかないと為替が自国通貨高に振れやすくなるというだけの話で別に理論でもなんでも無いですから仕方ないのですが、そういう所を堂々と開き直って「2%物価目標に向けた理論と実践」としない辺りにはヤケクソ度が不足していますなあという事で。

てな事はさておき。


・理論の中にマネタリーベースの意味が随分後退しているのだが

まずはQQEのお話。

『この政策は、それまでの金融政策の限界を打破するために設計されたもので、2つの要素からなっています(図表1)。第一に、日本銀行が2%の「物価安定の目標」の早期実現に強くコミットすることで、人々の間に定着してしまった「デフレマインド」の抜本的な転換を図り、予想物価上昇率を引き上げることです。第二に、大規模な国債買入れを行うことによって、短期金利だけでなく、イールドカーブ全体にわたって名目金利の低下圧力を及ぼすことです。この結果として、実質金利を短期だけでなく、長期についても大幅に低下させることで、経済に対して、より強い緩和効果をもたらすことができます。』

ということで図表1があるのですが、置物師匠が2013年8月に示していたメカニズムの図表
[外部リンク] こちらの6ページの図辺りとの違いが微笑ましいですな。

『その後、この政策は、2014 年 10 月に量・質両面での拡大テンポを引き上げたほか、本年1月には、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」として、量・質に金利の次元を加えた三次元で政策の拡張性を考えられる形としています(図表2)。マイナス金利の導入は、イールドカーブの起点を引き下げることにより、大規模な長期国債買入れと相まって、短期から長期にわたる実質金利をさらに押し下げることを狙っています。これは、これまでの量的・質的金融緩和の延長線上で、その効果を一段と強化するものであり、いわば“enhanced QQE”とでも呼ぶべきものです。』

ということで追加緩和をしました、というお話なのですが、そもそも論として名目金利の方は追加緩和をする中で達観して言えば趨勢的に低下していた訳で、ではその先の効果が思ったほど出ていないのは何故なのか、すなわち「インフレ期待に働きかける」というチャネルが効いて居ないのか(インフレ期待が全く上がっていないとはさすがにワシも思わんが2%ではないと思う)、それとも実質金利の低下が需要を喚起する効果が見込みほど無いのか(そもそも論としてデフレスパイラルのような状況でもないのに実質金利がそこまで影響を与えるのか、単にディスインフレ状態だったら名目金利でも十分ではないか、とか)とか、そういう考察がちゃんと無いのに追加緩和をしたというのが泥沼化の道でしたな。

つまりですね、そもそもこの政策って「期待への強力な働きかけによってレジームシフトを行う」というもので、そのために強力な買入を実施した訳ですからして、それって短期的なレジームシフトを行うという壮大な実験なのであって、レジームシフトが思うように進まないからと言って同じ手段を拡大するのではなくて、新たな手段でレジームシフトを行うのか、それとも短期間でのレジームシフトではなくて徐々に期待の上昇を図るのか(佐藤さんや木内さんの主張になりますが)への検討というのが必要じゃなかったのですかねと。

結局今やっているのってルーレットで外れて倍プッシュとかやっているのとあまり変わらん訳で、無限に倍プッシュできればそらまあいつかは大勝利しますが、当然ながら無限の倍プッシュというのは出来ない(元々の政策の作りも長期的に逐次投入が出来るものではない)ですし、当たり前ですが倍プッシュ続けて結局限界に達したらその時の痛手って続ければ続けるほど致命傷になるんですから、置物理論で「理論と実践(キリッ)」とか言ってる場合じゃないと思うのですけどねえ。


・ディスインフレ状態とデフレスパイラル状態を混同して説明している件

『3.デフレのコスト』という小見出しの部分では毎度の話をしているのですが引っ掛かるのはこの辺り。

『先ほども述べましたが、量的・質的金融緩和の目的は、わが国の長期デフレからの脱却にあります。これは、マイルドなデフレであったとしても、それが 15 年を超える長期にわたって継続してきたため、累積的なコストが極めて大きくなっているとの判断に基づいています。物価水準に置き直してみると、0.3%のデフレが 15 年間続けば、物価水準は5%程度下落していることになりますが、2%のインフレが 15 年間続いた場合、物価水準は 35%程度上昇している計算になります。マイルドなデフレであっても、それが長期にわたって継続した場合、経済主体の中長期的な意思決定に与える影響が大きいことは明らかだと思います。』

という前振りのあとのこの説明が物凄く謎なんだが。

『継続的なデフレの問題は、価格低下予想や将来の不確実性増大などから、企業、家計の様々な支出が先送りされ、これが経済活動の停滞やデフレをさらに長期化させる方向に作用するというメカニズムにあります。価格が下落し、不確実性が大きい状況において、支出を先送りすることが個々の経済主体にとって最適な選択ですが、その帰結として、経済活動の停滞とデフレが続いてきた訳で、マクロ経済学でいう「合成の誤謬」の典型的な事例と言えるでしょう。』

価格低下予想が支出を先送りさせる、というのも実は怪しいというのが実際に物価が上がってみたら支出が物価上昇以上に弱くなった(ただし消費税駆け込みと反動部分があって良く分からん部分があるのが困るのだが)辺りに理論の怪しさを感じる訳で、将来の不確実性増大に関してはまあ確かに支出を先送りさせているでしょうなあと思うのですよ。

でもね、例えば0.3%の物価下落の継続が何で「将来の不確実性増大」になるのかと言われますと、どう見てもその理屈はおかしい訳で、デフレスパイラルのような経済の急速な縮小と物価の下落が伴うような状況であれば、経済の縮小という将来の不確実性がある訳ですが、別に安定しているんだったら将来の不確実性云々関係ないじゃんという話ですわ。

結局の所、問題なのは経済の潜在成長率も現実の成長も低迷していたという経済状況にあるのであって、その結果として将来の不確実性増大などから支出行動が先送りされるというような動きが出て、経済状況的にそもそも上がりにくい物価が経済主体の行動によっても上がりにくくなり、長期化することによって粘着性を持ってしまった、という経済の状況によって発生した長期的なゼロから小幅マイナスのインフレというのが現象として起きた。というお話では無かったのかと。

でまあそれに対して経済をサポートする緩和政策を実施するとやっていたものの、経済の方が拡大をしているような場面においてもそれほど強くないのだから、この際一発金融政策で大きな刺激を与えてみるか、というショック療法って(アタクシはそういうアプローチは好きじゃないですけど)話としては考えられない訳ではないのでやってみました、というのがQQEだったと整理しなおした方が良いんじゃないかと思うのですよね。無理に出来もしないし今の経済の実力以上の2%物価安定目標を早期に達成するとかいうハードルを上げてしまって政策の倍プッシュを繰り返しているのが現状なのですが、そもそも「デフレが原因」という置物リフレ理論アプローチをベースにしているので、そこを直さないとどうしようもないというのが意外に根が深い問題なのですな。


・フィリップス曲線の平たん化についての説明も何か微妙

『この間のデフレの下で、わが国経済では、フィリップス曲線が下方にシフトすると同時に、フラット化しました(図表4)。インフレ率の平均的な水準が低いと、企業の価格設定行動において、価格を据え置くことの機会費用が小さくなり、価格改定頻度が低下すると考えられます。マクロ経済理論に基づくと、こうしたミクロレベルでの企業の価格改定頻度の低下は、マクロレベルでフィリップス曲線の平坦化につながるとされています1。』

ではそもそも何でインフレ率の平均的な水準が低くなるのか、という話が無くて、これって単にインフレ率が低下した場合に価格の粘着性がミクロレベルで考えた場合でも起きやすくなるというだけの話で、インフレ率の平均的な水準が低下する原因は何でしょという話に思えるが。

『さらに言うと、こうしたフィリップス曲線の平坦化、言い換えると、インフレ率の景気変動に対する感応度の低下は、単に企業の価格設定行動が変化した結果ということなのかという論点もあるように思います。わが国の長期デフレの経験と重ね合わせてみると、価格改定頻度の低下は、企業や家計の支出活動の先送り行動に象徴される経済における前向きな新陳代謝の動きが弱まっていたシグナルと考えることもできるように思います。そう考えると、フィリップス曲線の形状の変化の背後には、日本経済のファンダメンタルズの低下があった可能性も考えられることになります。』

『もちろん、これは、現段階では単なる仮説に過ぎません。この仮説を検証するためには、デフレと企業行動の相互作用を考慮した理論的・実証的な分析が必要になりますが、こうした研究は十分に進んでいるとは言えません。わが国の長期デフレの教訓を考えるうえでも、デフレとマクロ経済のパフォーマンスの関係について、知見を深めていくことが重要だと考えています。』

どうも物価の方を原因にして説明をしようとしている感があって、まあ置物リフレ理論がそうなっているのですからこういう説明になるのですが、フィリップス曲線だって要は単なる結果のプロットであって、まあ結局物価を原因とみるか結果とみるか、という話で相変わらず結果とみるという感じの説明が続いているのでアタクシ的には違和感is有るという所ですけど。



・インフレ期待の形成メカニズムの話がいろいろと??????

『4.インフレ予想の形成メカニズム』という小見出し。

『インフレ予想の形成メカニズムについて考える手がかりとなるのは、ゼロ金利下におけるフォワードガイダンスを巡る理論的・実証的な研究です。近年、多くの中央銀行が実際にゼロ金利制約に直面し、現実の問題となったこともあり、フォワードガイダンスに関する研究が大きく進展しています2。』

『これらの研究成果として、ゼロ金利制約に服し、金利を望ましい水準にまで引き下げられなくなってしまった状況においてでも、将来にわたったゼロ金利を継続するコミットメントを行うことで、将来の緩和効果を前借りするメカニズムが解明されてきました(図表5)。』

ほう。

『このメカニズムは、金融政策の実践の中では、日本銀行が 1999 年2月に開始したゼロ金利政策において初めて導入されました。当時は、ゼロ金利を「デフレ懸念が払拭されるまで継続する」というコミットメントが行われ、その政策効果は「時間軸効果」と呼ばれました。その後、理論的な研究が深まる中で、主要先進国の中央銀行でも同様の政策がとられ、最近では、フォワードガイダンスと呼ばれるようになっています。』

うむ。

『標準的なマクロ経済モデルでは、中央銀行がフォワードガイダンスを行うと、マクロ経済変数が強く反応し、政策効果が大きく現れることが知られています。理論的には、長期にわたってゼロ金利を継続するとのコミットメントを行うことで、将来の緩和効果をいくらでも前借りできるだけでなく、その政策効果が即座に実現することになります。もっとも、この点は、実際の観察事実と乖離しており、「フォワードガイダンス・パズル」とされています3。』

えーっとすいません、ガイダンスに加えてインフレ目標があって、インフレ目標達成時には緩和政策が終了するのが自明だから、「将来の緩和効果を幾らでも前借できる」というのはおかしいんじゃないでしょうか。中央銀行がハイパーインフレでも通貨が紙くずになるのも辞さずと宣言したら別ですけど。

『このパズルを考えるうえでは、2つの要素が重要です。まず一つめは、標準的なマクロ経済モデルにおいては、異時点間の代替弾力性が大きく、かつ借入制約なども存在しないため、時間を通じた消費の平準化がいくらでも可能であることです。そして、もう一つは、政策行動に対して、インフレ予想が即座に反応することです。』

『ここでは、後者のインフレ予想の反応速度という点に注目してみましょう。フォワードルッキングなフィリップス曲線を仮定する理論モデルにおいては、将来の金融緩和に関するコミットメントが信認されると、インフレ予想が即座に反応します。しかし、現実に観察されるインフレ予想は粘着性が高く、ゆっくりとしか変化しません。これは、実際のインフレ予想の形成メカニズムにおいて、過去に観察されたインフレ率の実績値に規定されるバックワードルッキングな要素が大きいことを意味します。また、標準的な理論モデルでは、金融緩和のコミットメントが完全に信認されることを無条件に仮定しており、この点も現実との乖離を生む要因になっています。』

ということでインフレ予想を引き上げる方の話に展開されるのですが、そもそも論からしてフォワードガイダンスを実施している国って日本以外は一応インフレ期待がアンカーされているという話になっていた筈ですが何か話の展開が胡散臭いがアタクシは無学なのでどう突っ込むかが良く分からんので誰か教えてジェネラル。

『わが国の経験に引き付けて考えてみますと、デフレ脱却を目指していく過程で極めて重要な役割を果たしているのは、いったん低下してしまったインフレ予想を目標インフレ率近傍に押し上げ、再びアンカーさせること(re-anchoring)です。この点は、インフレ予想におけるバックワードルッキングな要素の影響も含めて、必ずしも理論通りにはいかないチャレンジングな課題と言ってよいと思います。』

『また、現在、わが国だけでなく、世界の多くの中央銀行が短期金利の引き下げという伝統的な金融政策手段をほぼ使い果たした状況で、デフレ圧力に対応し、予想インフレ率を望ましい水準でしっかりと安定させるという、過去に例のない難しい課題への対応に迫られています。その意味で、インフレ予想の形成メカニズムは、古くて新しい論点と言えるでしょう。』

と説明しているのだが、そもそも日本はインフレ期待をこれから2%に引き上げてリ・アンカーさせないといけないが、海外主要国ではインフレ期待が安定している中で政策対応をするので、日本のQQEはそこが違うという説明をQQE導入当初からずーっとしていた訳で、海外でも同じ課題がどうのこうのという説明になっているのが従来の話と違っていて何だか妙なんですけどこの講演。


・・・・・・・・・でもってこの後小見出し『5.大規模な金融資産買い入れ』、『6.金融政策ルール』、『7.長期均衡』とあるのですが、理屈として何かどこがどう妙なのかがイマイチアタクシの中でまだ腑に落ちていない面もあるのですが、どうもこうそこはかとない違和感を感じる記述が延々と続くのですが、時間と他のネタの関係もあって(腑に落ちてないからめげた訳ではないですよ!!)続きは明日にでも。


しかしまあ何ですな、この講演「理論と実践」とあるのですが、実践の方についてはまるで関心が無いというか、実践ゆうても「長期国債をたくさん買います」みたいな話であって、オペレーショナルな実践に関しては(そらまあそうよと思うけど)黒田さんの興味の範囲外である、というのが良く分かる講演でもあって、だからこそ先般の総裁定例会見のように、個別具体論の話をすると(貸家向け貸出の伸びがマイナス金利政策の金融緩和効果とか言い出す話とかマイナス金利の金融機関への影響を2015年度決算で話をしだすように)グダグダになってしまう、というのは良く分かる内容でした。


○他のネタの予告メモでござる(すいません)

ネタが渋滞していますが今週はネタがまたまた出てくる週なので(なおレファレンダムに木内さんの金懇をぶつけているように見えますが)忘れる前に備忘メモ。

・市場参加者会合

[外部リンク] 「債券市場参加者会合」第3回議事要旨

段々マイナス金利の影響が強くなって、当初散見された太鼓持ち的なコメントが減っているように見受けられるのは味わいが深い。


・FOMCネタ&ブラードキタコレ

[外部リンク] Transcript of Chair Yellen’s Press Conference
June 15, 2016

すいませんすいません。特に日米の金融政策決定会合がほぼ同時期にスケジュールされているのでネタが出る時に一気に出てきて駄文作成が全然追いつかないです誠に申し訳ありません。


でもってあのドットチャートにおける変態仮面はブラード総裁でしたというのがありましたな。既に皆様ご案内かとは存じますが。

[外部リンク] Business | 2016年 06月 18日 04:09 JST
必要な利上げ回数、今後2年半で1回か=米セントルイス連銀総裁

『[ワシントン 17日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は17日、今後2年半で必要な利上げ回数は1回にとどまる可能性があるとの見方を示した。』(上記URL先より、以下同様)

華麗にジャスティスドテンですがドテンにも程がある。

『経済成長や政策金利目標などの長期見通しに関しては、予想と実際の行動が一致しておらず、米連邦準備理事会(FRB)の信頼低下につながっているとし、公表を止めるべきと主張した。』

お前が言うなお前が。

・・・・・・・・とまあコチャラコタ先生退任後にネタのトップランナー(元々そうでしたが)を独走するブラード大先生でございます.


あと、直近では金利云々関係ないですがカシュカリ総裁(ミネアポリス)が

[外部リンク] An Update on Ending Too Big to Fail
Neel Kashkari President
Federal Reserve Bank of Minneapolis

ということで、また金融規制絡みのお話をしています。
 


お題「総裁会見ネタである」   2016/06/20(月)07:49:12  
  都知事辞職騒動からこの方参院選がすっかり空気になっているのは如何な物かと。

○会話が成立していないのは兎も角として問題の所在を総裁が理解していないのではないかという懸念も

[外部リンク] ・PD返上の件から始まる

実質最初の質問はこちら。

『(問) メガバンクの一部で、国債入札におけるいわゆるプライマリーディーラーの資格を返上しようと検討する動きが出ています。日銀として「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を進めることと、債券市場の参加者――銀行も含めてですが――の投資行動との関係、どのような影響があるかなどの点について、どうお考えでしょうか。』

でまあ答えですが。

『(答) プライマリーディーラー資格については、財務省が基準を決め、そのもとで個別行が判断をするものであり、コメントは差し控えたいと思います。』

まあこれはこう答えるのが無難なので仕方ない。

『そのうえで申し上げますと、日本銀行では「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」のもとで、大量の国債買入れを行うに当たっては、市場の流動性や機能度を含めて、国債市場の動きを丹念に点検しています。』

は?

『また、市場参加者との密接な意見交換を行いながら、オペ運営面の工夫を行うなど、市場の安定に努めています。』

は??

『そうしたもとで、これまでのところ、日本銀行の国債買入れは円滑に行われています。』

質問は市場機能の話なのですが、結局市場機能の話ではなくて「国債の買入が円滑に行われています」という市場機能ではない方面で「上手く行っている」として誤魔化すの巻。

『過去に例のない大規模な金融緩和によって国債市場が影響を受けることは間違いありませんが、長きにわたりデフレが続いてきた日本の現状を踏まえると、そうした影響に目配りしつつも、2%の「物価安定の目標」の実現に向けて、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を継続していくことが何より重要であると考えています。』

ということで、市場機能の事は知らんがなと開き直りキタコレでございますが、市場機能の方は散々壊しておきながら2%の物価目標に関しては「2年で実施」と大口を叩いたのに3年経っても達成できなくて今の所だと見通しが4年かそれ以上掛かるという事になっている上に、全然達成しそうな感じにもなっていない訳でして、お前ふざけるなとしか申し上げようが無いのですよね。いや別に今の馬鹿買入がいついつには終了して、その後は正常化が始まる、というのだったらそらまあその期間は仕方ないと割り切って行くしかないのですが、その期間がいつまで続くかさっぱり分からんし、そもそも「2年」とか言ってたのを全然達成できないから文句が出まくっているんですよオイコラ早く目標達成しろやこのスットコドッコイがという所ですな。


・金融政策の効果と副作用の質疑も中々見苦しい

『(問) 2 問お伺いします。マイナス金利政策の導入から 4 か月が経ち、課題も整理されてきているのではないかと思いますが、実体経済への波及効果を今どのように見ているのかと、ここで見えてきたデメリットといいますか副作用についてどのように分析されているかが1 問目です。(後半割愛)』

この1問目の答えが異様に長くて、黒田さんの場合の長いのってだいたい話を誤魔化すときに行うのが仕様なんですけどこれは無残。

『(答) まず、第 1 点のマイナス金利の影響ですが、マイナス金利政策が始まって、市場の取引その他に影響を与えてきていますが、日本では初めてのことでもあり、始めは実務的な課題が色々あったと思います。』

今でもあるけどな。

『ご指摘のようにその問題はかなり整理されてきて、マイナス金利のもとで、様々な市場の取引が行われるようになってきており、それが広い意味での金利に影響を与え、特に住宅ローン金利も下がっていますし、企業向けの貸出金利もかなり下がっています。』

コールの事を言いたいんでしょうがあれは金利観で取引が行われるというような価格発見機能はまるでワークしていない。

『そうした金利への影響が実体経済に波及していくには、ある程度の時間が必要だと思います。また、その効果は、一気に現れるというよりは徐々に明確になってくるものであると思っています。』

2年を念頭に出来るだけ早期に達成するのに間に合うのでしょうか??半年くらいとかその前は言ってましたけど2月のマイナス金利開始から見てあと2か月ですよ半年って。

『従って、金融政策運営としては、常に政策効果の浸透度合いを見極めながら、先行きの経済・物価情勢をよく予想して、いわゆるフォワードルッキングに運営していくことになると思います。』

えーっとそもそも「必要な政策は全て投入して逐次投入はしない」んじゃなかったのかという風に聞きたくなりますし、それよりも「フォワードルッキング」というのでしたら、来年度中には物価が2%に達するという話をしているのですから「出口政策は何も考えていません」とか言うのもおかしくないですかねえとか、まあ説明が苦しいからそうなるのですが色々と矛盾がある訳よ。

『その上で、現状について申し上げますと、企業部門では、先程申し上げたような世界経済への不透明感が続く中で、設備投資は、収益が高水準で推移するもとで極めて投資刺激的な金融環境を背景に、緩やかな増加基調を続けていますし、各種のアンケート調査をみても、企業は前向きな設備投資スタンスを維持していると思います。また、先程申し上げた通り、持ち直しが一頃は一服していた住宅投資がかなり明確に伸びてきており、再び持ち直しています。』

これはさておき次で腰が砕けた。

『貸家が非常に伸びており、持家はまだそれほど伸びていないようですが、いずれにしても、マイナス金利政策の効果は、実体経済面にも徐々に波及してきており、今後、より明確になっていくのではないかと思っています。』

貸家向け貸出についてはFSRで一部やり過ぎへの懸念がみたいな指摘があった筈なのだがそれを効果というか???

『デメリット云々については、金融機関の収益に対する影響等が指摘されていますが、ご案内の通り、日本銀行のマイナス金利政策は三層構造になっており、実際にマイナス金利が適用される当座預金は非常に限られていまして、マイナス金利によって直接的に金融機関の収益が大きく影響を受けることはないようになっています。』

あのですね、質問は別にそんなことを聞いている訳じゃないし、金融機関が頭抱えているのって当座預金のチャージ云々よりも「このアホウ政策が何時までも(しかも規模を拡大させながら)続き、そのゴールが全然見えない」という事であって、3層云々はMB目標達成という意味では無いと困る話ではあるのですが、その話をしながら「直接的な収益への影響ガー」とか今更説明する必要は無いですし、そういう説明をすること自体が「黒田総裁は質問の筋を誤魔化して回答している」という不誠実な印象を金融機関サイドに与えていると思うので、想定問答作っている中の人たちにおかれましても、今更こういう三層構造がどうしたとかいうような話をさせないようにした方が良いと思いますよ、いやマジで。

『ただ、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」によって金利全般が低下しているもとで、貸出金利も先程申し上げたように低下していますので、それが銀行の業務純益、貸出に伴う利益に対して下押し圧力になることは事実であり、その状況は十分見ていかなければならないと思います。』

で話を終わらせればよいのにまた余計な説明が入る。

『もっとも、2015 年度の金融機関の収益をみますと、大手行も地域銀行も、極めて高い収益を上げておりまして、今のところ「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」が、金融機関の収益に大きなマイナスの影響を与えるとか、金融機関の信用仲介機能を阻害するといったことには全くなっておりません。』

マイナス金利が始まったのが2016年2月16日なんだから当たり前だお前は何を言ってるんだしか申し上げようがない訳で、こういうのも不誠実の極みにしか金融機関的には見えないでしょと思われるところでして、昨年度の収益云々も想定問答から外してくれよ見ちゃいられない。

『ただ、金融機関の収益あるいは信用仲介機能については、引き続きよくみていくつもりです。(後半割愛)』

って最後言ってるのですが、ただのおためごかしにしか聞こえないですが、まあこの説明の長い事長い事というところで、しかも長い上に余計な発言がバカスカ出るという辺りにもう何とも残念なものを。


・イールドカーブについて

さっきの質問の後半が前座みたいな感じでその後にイイシツモンダナーが投下されるのだ。

『(問) (前半割愛)もう 1 つは、今日、日本国債の 10 年債の利回りが-0.2%以下となり、ある意味で未知の領域に入ってきたと思うのですが、今までは国債価格の変化を通じて、財政に対する市場の監視機能があったと思いますが、これが殆ど失われてきているのではないかという指摘もでています。今、消費増税が見送られ財政出動が検討される中で、これから財政規律をどうやって確保していくのか、これから国債市場が果たす役割も含めて、総裁のご所見をお願いします。』

これ質問の趣旨が分散していてちょっとアカンタレですが、金曜は何でまた流動性供給入札ごときで(って他の要因もあったのでしょうが良く分からん)あんなに相場下押しするんじゃろという所でしたな。

『(答)(前半割愛)2 点目の 10 年債が-0.2%になったことは、傾向としては、今申し上げたような「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の政策効果であり、短期から長期まで金利全体が低下してきている中での政策効果の発現であるともいえますが、このところかなり急速に 10 年債の金利が下がってきたことの背景には、先程申し上げたような、英国のEU離脱に関する国民投票が近づいている中で、国際金融市場がやや不安定化してきていることの影響が、日本の国債のみならず、ドイツの国債などにも影響しているように思います。』

途中までの金利低下は「政策効果の発現」ですってよ!!!!でもって最近のはブリクジットだそうで、マイナス金利政策が強力に効果を出すと物価目標の達成時期が手前に寄るのであったら本来超長期の金利は短期程下がらなくて然るべきのだがそうなっていない事については知らんがなだそうですよ!!!!!!


ということでその後に中々良い質問、というかこれアタクシもしたい質問ですわ。

『(問) 今、必要があれば躊躇なくというお話を頂きましたが、かなり債券市場のイールドが押し下げきっている状況だと思います。そういう中で、追加の金融緩和をすることが、どのようなチャネルを通じて効果を発揮するのか、ここまでイールドが押し下がっていると、効果が無いとは言いませんが、かなり減殺されてしまうのではないかという気もしますけれども、その辺りについてご説明頂ければと思います。』

いや全く同意でして、「金利を下げて効果」であって、その金利がガンガンと下がった訳ですから、だったら追加緩和なんぞしなくてもこれだけ金利下がったから問題ないじゃない、というツッコミに対してはどういう答えをするのでしょうかねえとは興味がある話。

『(答) この点は、理論的にも実務的にも色々議論があるところですが、よく言われているように、自然利子率に比べて、どの程度実質金利が低くて、そのギャップが経済をどの程度刺激するかという問題であります。私どもは、現在のように実質金利が下がってきているということは、間違いなく経済に対して刺激的な効果を持っていると思っています。』

まあ答えになってねえ答えだろうなあと思ったら案の定ではあるのですが、自然利子率とか均衡イールドカーブの話とかをしだすと、インチキ説明的には使いやすいのですが、だいたい詭弁コースになってくるのが仕様でして、名目金利をバカスカ下げているのに物価見通しが全然上に行かないどころかドンドン先送りの下方修正になっているし、投資なども強くないし、となりますと、「名目金利が下がっているのに刺激効果が弱いのは期待への働きかけが失敗しているのではないでしょうか」という話になってくる訳で、色々とドツボに嵌ってくるのでダメダメな説明になると思う。

『イールドカーブがフラット化していることについては、よく言われているように、search for yield(利回り追求)なのかもしれませんが、全体としての一種のポートフォリオ・リバランスの行動ではあると思います。』

言うと思った。

『私どもも確かにイールドカーブの形状については関心を持っており、今後とも十分みていきたいと思っていますが、イールドカーブ全体が下がり、実質金利が下がって、住宅投資や設備投資を刺激するという金融緩和の効果は、基本的に変わらないと思っています。』

ということで、結局政策効果の波及チャネルに対する説明や追加緩和の限界的な効果についての話はスルーの巻なのでした。

でもってイールドカーブの質問はその次にもありまして。

『(問) 質問は 3 つあります。今おっしゃった金利の低下なのですが、マイナス金利を導入した時に、ここまでの長期金利の低下が想定内だったのかどうかということが 1 点目です。(以下割愛)』

『(答) まず第 1 点ですが、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入して、金利がイールドカーブ全域にわたって低下しているわけですが、ご指摘のように、超長期のところも相当下がってきています。私どもは、マイナス金利を導入することによって、イールドカーブの起点を下げ、さらに「量的・質的金融緩和」を続けるという形で、全体としてイールドカーブを引き下げるということによって、住宅ローン金利であれ企業に対する貸出金利であれ下がって、実質金利の低下を通じて住宅投資や設備投資を刺激する効果があると考えています。』

まあ通り一遍。

『そういう意味では、特に想定外ということはありませんが、確かに超長期のところが相当下がっており、これほど下がると計算していたかと言われると──それぞれの委員の頭の中のことですので何とも言えませんが──、超長期のところは想定以上に下がったという見方をする人もいるかもしれません。(後半割愛)』

それは分かったがそのインプリケーションは何かをコメント頂きたいですな(ニヤニヤ)


・政策効果の話ですけれどもボード(のうち与党の皆様)が裸の王様化しているのではないかという懸念も

上記の質問の2点目ですけどね。

『(問)(前半割愛)2 点目は、総裁のご認識ではマイナス金利導入の効果は出始めているのか、半年とかからずとおっしゃっていたと思いますが、もう影響は出ているというご認識なのかということです。(以下割愛)』

ニヤニヤ。でもってこちらでも効果の説明がクソ長くなっていて、本当に「おお!効果出てるじゃん」と誰もが思うような状況だったらああでもないこうでもないとクソ長い説明をする必要はない訳で、クドクドと説明をしているという時点で「こんな筈じゃなかった」的なものを感じますな。

『(答)(前半割愛)2 番目に、金融市場、金利にははっきりした効果が出ているわけですが、それが実体経済にどのような影響を与えるか。これは先程も申し上げたように、一定のタイムラグがありますし、その効果の出方も一定期間を経たら一挙に出てくるというものではなくて、徐々に出てくるというものだと思います。』

はいはい言い訳言い訳。

『先程申し上げたように、設備投資がかなりしっかりしていることの背景には、やはり高水準の収益ということもありますが、資金調達のコストが低下しており、今後ともそういう低い実質金利で調達できるということが背景にあって、かなりしっかりした設備投資計画となっています。』

えーっとすいません、物価目標を早期に達成するんだったら「今後ともそういう低い実質金利で調達できる」かどうかは分からないのではないでしょうかという事で、そもそも早期に達成できると思ってない本音が出てませんかねえ。

『またそれを反映した機械受注等の数字も出ていますので、そういう意味では、少しずつ実体経済に対する効果も出てきているのではないかと思います。』

『それから、住宅投資につきましても、これまでの一服状況からの持ち直しがかなり明確になってきていますが、その中身は先程申し上げたように、貸家が非常にはっきり伸びていて、持家はそれほど伸びていませんので、家計に対する住宅ローン金利の低下が既に大きな形で現れているとまではまだ言いにくいのかもしれません。もっとも、貸家の部分が大きく伸びているということの背景には、やはり実質金利の低下があって、貸家の建設等が伸びているということはあると思いますので、住宅建設にも少しずつ効果が現れてきているのではないかと思います。いずれにせよ、今後、よりはっきりとした効果が出てくると期待しています。(以下割愛)』

主な要因は違うと思うけどなあ貸家に関しては。ということで後の方で質問が。

『(問) (前半割愛) もう 1 点は、住宅投資の中で特に貸家が伸びているという話がありました。一方で、首都圏のアパートで空室率が急速に上昇しているという話もあります。貸家の急速な伸びは人口減の日本においては需要を伴っていないおそれがあるのではないかと思います。これは今後のリスクに成り得るのではないか、この辺りをどうお考えになっているか教えて下さい。』

『(答)(前半割愛)住宅投資については、貸家が増えていることは事実ですが、これ自体が何か今の時点で大きな問題を孕んでいるとは思っていません。住宅投資全体についても、金融システムとの関係について常に、金融システムレポートにおいて半年に 1 回、かなり詳しく分析し、行き過ぎがないかチェックしていますが、現時点では行き過ぎがあるとは全く考えていません。』

「全く考えていません」はマズイんじゃないですかねえというか、貸家の話ってわざわざ効果として強調するのってやはり質問者の指摘の通りなのであって、そもそも論として政策効果でアピールする種類の話じゃ無いと思うのですけれども、こうやって指摘されるまで平気な顔をして「政策効果」とアピール(他にするものが無いからというのはあるんでしょうが)するのって。それこそFSRでそれなりに踏み込んで金融不均衡に関する指摘やマイナス金利政策が長期化した場合の弊害についてなどが今回入っているのがボードにきちんと伝わっているのかが不安になるんですよね。

今回の質疑応答の中で、ああいえばこういう的な屁理屈言い逃れは兎も角としまして、気になったのはこの「本当に現場からの懸念がボードに伝わっているのか」という辺りでして、金融機関のマイナス金利政策に対する懸念って「いつまでやるんだよこの政策」というのが実は一番大きいと思うのですが、未だに三層構造ガーとか2015年度の収益ガーとか思いっきりピントのズレた説明をしていますし、上記の貸家向け貸し出しが伸びている件について堂々と政策効果で宣伝しちゃうとか、黒田総裁以下ボードの与党な皆様にちゃんと話が伝わっていないのではないかという懸念が起きるというのが今回のしょうも無い会見で非常に気になった事です。


・超長期輪番に関する質問

あと超長期輪番に関する質問があったので(さっきの質問の前半です)。

『(問) 2 点お伺いします。1 点目ですが、先程、超長期債の利回りが想定以上に下がっているという話がありました。日銀が過去数か月、超長期債の買入れ額を減額していますが、これはイールドカーブの形状が過度にフラットニング化しているとの認識を持って、それを是正するためにオペで調整しているという意図があるのでしょうか。(後半割愛)』

そらまあそういう質問が出るわな。

『(答) 前段については、先程、「各委員の方々が心の中でどのように思っていたかはわからないので、何とも申し上げかねる」と申し上げましたが、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」が様々な要因と重なったこともあると思います。例えば、最近であればブレグジットの影響もあるかもしれません。けれども、長期・超長期の金利が相当大きく下がったとことは事実です。ただ、イールドカーブ全体は十分みていますが、現段階で、イールドカーブはこうあるべきだと決めているわけではありませんので、あくまでも具体的なオペレーションの中で、その都度、市場の状況を勘案しながら柔軟に対応している中で
行われたことであると申し上げられると思います。(後半割愛)』

「イールドカーブはこうあるべきだと決めているわけではありません」ってさっきは均衡金利に対してどの程度金利が緩和的かという話をしていたような気がするのでだいぶ話が矛盾しているように見えますけれども、それはそれとして最近輪番とかCP買入もそうですけれども、動きすぎという印象が強くて、無用な不確実性を呼んで無用なボラ提供と取引の縮小を呼んでいるように思えますが、その話はまた別途。


#おおFOMC会見ネタをやってる時間がorz
 


お題「決定会合レビュー/貸出増加支援とか業態別当座預金残高とか」   2016/06/17(金)07:53:20  
  何という事・・・・・・・・・
[外部リンク] 英 EU残留支持の女性議員 銃撃され死亡 男を拘束
6月17日 1時23分

[外部リンク] Jo Cox MP dead after shooting attack

話は違いますが「条件を付ければヘリマネも有力」とか言ってるアホウが某モーサテに登場していたが、その条件がそもそも将来ちゃんと守れる訳が無いというのが現実だろお前は何を言ってるんだとしか申し上げようがありませんな。まあ否定的な紹介になっているからやや安心しましたがそもそも話題に取り上げる事すら如何な物かと思う。


○決定会合レビュー関連

・まずは市場の結果メモをしておかないと

[外部リンク] Markets | 2016年 06月 16日 15:34 JST
〔マーケットアイ〕金利:20年債利回りが初の0.1%割れ、円高・株安で一段の低下観測

『<15:08> 国債先物が一時最高値、長期金利は-0.210と過去最低更新

国債先物中心限月9月限は前日比1銭高の152円73銭と小幅続伸して引けた。米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利が据え置かれたが、今後の米利上げペースが一段と緩やかになるとの見方から、前日に米債が買われた流れを引き継いだ。円高・株安が進行する中、先物9月限は一時152円87銭と史上最高値を更新した。一方で、高値警戒感が上する中、日銀が金融政策決定会合で現行の政策維持を決定すると、緩和を期待していた参加者から売りが出て、一時マイナス圏まで軟化した。

現物市場は長期・超長期ゾーンを中心にしっかり。日銀が追加緩和を見送ったことで政策の手詰まり感が意識され、プラス利回りが確保されている超長期ゾーンを中心に海外勢などから買いが入った。

40年債利回りが一時前日比3.5bp低い0.200%、30年債利回りが一時同5.5bp低い0.150%、20年債利回りが一時同4bp低い0.100%、10年最長期国債利回り(長期金利)は一時同1.5bp低いマイナス0.210%といずれも過去最低を付けた。10年最長期国債利回りの過去最低更新は5営業日連続。5年債利回りも一時同1bp低いマイナス0.305%と過去最低に低下する場面もあったが、その後は売りが出てマイナス0.285%に上昇した。』(以上上記URL先より)

ということでまたまたロイター記事をペタペタ貼るの巻をしてしまいましたが、追加緩和見送りで一瞬先物とか弱くなりましたが、超長期はオラオラオラとフラットニングしていますなあとか言ってるうちに円高と株安がトマランチ会長になっているのも見ながら超長期一段のヒャッハー相場となって、引けは20年が9.5bpだの30年が14.5bpだの40年が18.5bpだのと、もはや%表示するよりもbp表示をした方が良いレベルになっておりましてナムナムナムとしか申し上げようがない。

まあしかし何ですな、追加緩和をしなくても金利がジャンジャン低下するとはさすがマイナス金利政策は金利面に効果を与える力が強くて、追加緩和をしなくても金融緩和効果が一段と強まるなんて日銀執行部もさぞかしお喜びの事でしょう(棒読み)。

昨日は前夜のFOMCでドリフのズッコケドタバタギャグの如く「こりゃダメだ(利上げ的に)」となってコミュニケーションが糞にも程があるだろという感じでございましたが、日銀の方は日銀でこれまたコミュニケーションがへっぽこになっている罠という感じでして、逐次投入できない政策枠組みなのに「政策の限界」と言われるのが癪だからという理由で「必要ならば追加緩和」と連呼した結果、MPMの度に政策催促相場になって、過去においてサプライズ緩和をやったが為に一定の緩和期待が自己実現的に残ってしまい、MPMの度にアタック対象になるという地獄篇になっておりますの。まあ今まで馬鹿やってた報いにも程があるので日銀ざまあという感想しか起きませんけどね!!!!!!!!!!!!


・ということで声明文鑑賞会

[外部リンク] 決定会合声明文ですが、MPMが年8回になって展望レポートが4回になったので、展望レポートの回は基本的見解の最初の所にその時の経済物価情勢についての記載があって、無い回は声明文に記載があって、その記載の体裁は合わせているという形になるので、比較対象は上記のようになります。

・現状判断は微妙にいじっている程度

『わが国の景気は、新興国経済の減速の影響などから輸出・生産面に鈍さがみられるものの、基調としては緩やかな回復を続けている。』(今回)
『わが国の景気は、新興国経済の減速の影響などから輸出・生産面に鈍さがみられるものの、基調としては緩やかな回復を続けている。』(前回)

へえへえそうだっか。

『海外経済は、緩やかな成長が続いているが、新興国を中心に幾分減速している。そうしたもとで、輸出は持ち直しが一服している。』(今回)
『海外経済は、緩やかな成長が続いているが、新興国を中心に幾分減速している。そうしたもとで、輸出は、足もとでは持ち直しが一服している。』(前回)

まあ同じちゃあ同じですが、前回は輸出の持ち直し一服に「足もとでは」とあって、とりあえず足もとでは一服しているけどこれから持ち直すもんね、という気持ちが感じられましたが、今回は降参しましたかそうですか。

『国内需要の面では、設備投資は、企業収益が高水準で推移するなかで、緩やかな増加基調にある。個人消費は、一部に弱めの動きもみられるが、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、底堅く推移している。住宅投資は再び持ち直しており、公共投資は減少ペースが鈍化している。以上の内外需要を反映して、鉱工業生産は、地震による影響もあって、横ばい圏内の動きを続けている。』(今回)

『国内需要の面では、設備投資は、企業収益が高水準で推移するなかで、緩やかな増加基調にある。個人消費は、一部に弱めの動きもみられるが、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、底堅く推移している。一方、住宅投資はこのところ持ち直しが一服しており、公共投資も高水準ながら緩やかな減少傾向にある。以上の内外需要を反映して、鉱工業生産は、横ばい圏内の動きを続けているが、足もとでは、地震による影響もみられる。企業の業況感は、総じて良好な水準を維持しているが、新興国経済の減速の影響などから慎重化している。』(前回)

業況感云々は短観が直前にあったかどうかの違いなのでパスしますが、住宅と公共投資が上方修正されていて、生産については「横ばいだが地震の影響も」→「地震の影響もあって横ばい」となって地震の影響が外書きだったのが横ばいという判断の中に含まれている、ということなのでこれも微妙に上方修正。

『わが国の金融環境は、きわめて緩和した状態にある。』(今回)
『わが国の金融環境は、きわめて緩和した状態にある。』(前回)

確かに金利は下がっているし貸出態度はユルユルなんですけど、そんなに極めて緩和しているんだったら金をホイホイ借りる動きが増えるという事になっている筈なんですけどねえ、と悪態。

『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、0%程度となっている。予想物価上昇率は、やや長い目でみれば全体として上昇しているとみられるが、このところ弱含んでいる。』(今回)

『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品、以下同じ)の前年比は、0%程度となっている。予想物価上昇率は、やや長い目でみれば全体として上昇しているとみられるが、このところ弱含んでいる。』(前回)

ということでこちらも同じ。


・先行き見通しでは怪しい文言キタコレ!!!

『先行きのわが国経済については、当面、輸出・生産面に鈍さが残るとみられるが、家計・企業の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続するもとで、国内需要が増加基調をたどるとともに、輸出も、新興国経済が減速した状態から脱していくことなどを背景に、緩やかに増加するとみられる。このため、わが国経済は、基調として緩やかに拡大していくと考えられる。』(今回)

『先行きのわが国経済を展望すると、当面、輸出・生産面に鈍さが残るとみられるが、家計・企業の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続するもとで、国内需要が増加基調をたどるとともに、輸出も、新興国経済が減速した状態から脱していくことなどを背景に、緩やかに増加するとみられる。このため、わが国経済は、基調として緩やかに拡大していくと考えられる。』(前回)

前向きの循環メカニズムかよとか思いますが、まあ相変わらず展望レポートと同じ見通しを唱えております。

『消費者物価の前年比は、エネルギー価格下落の影響から、当面小幅のマイナスないし0%程度で推移するとみられるが、物価の基調は着実に高まり、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる(注3)。』(今回)

『先行きの物価を展望すると、消費者物価の前年比は、エネルギー価格下落の影響から、当面0%程度で推移するとみられるが、物価の基調は着実に高まり、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる。』(前回)

展望レポートの物価先行きはちと後の方(本文5ページ)にありますが、今回変更点があるのはご覧のとおりで「当面0%程度」→「当面小幅のマイナスないし0%程度」ということで、「小幅のマイナス」というのが入っているのが味わいが深い訳ですよ。

つまりですね、これって物価の先行き見通しを少なくとも足元で下げている訳で、見通し下げるなら追加緩和をしないのかよ、というツッコミに関しては基調的な物価だの中期的な見通しだのという事で知らんぷりしている訳ですけれども、そうは言ってもわざわざ「小幅のマイナス」と言うのを入れているのは「言い訳が段々苦しくなっている」という事を示している物だと思われる訳ですよ。というのはそれこそ小幅のマイナスであっても「それは0%程度です(キリッ)」と開き直れば良いのですが、こうやって「小幅のマイナス」と入れる事になったのは、まー次回の展望レポートでの物価見通し下方修正含みでもあり、開き直るのが徐々にしんどくなって来たから開き直らないで済むような予防線を埋め込んでみた、とまあそんな感じでしょうというのが日銀文学的なアレであると思われます。まー基本7月展望レポート時は物価見通しを下げても意地汚く粘っておかないと(よほど新しいネタでも打ち込まない限り)打ち込む追加緩和のタマもカンバンになってしまいますから追加緩和ってやらずに済ませるなら済ませたいという所でしょうけれども、足元の円高株安もあって泡をやや出しているという感じでしょうかね。


・リスク要因はあまり変わっていませんな

展望レポートのリスク要因はスパンがやや長いので念のため3月声明文とも比較
[外部リンク] 『リスク要因としては、中国をはじめとする新興国や資源国に関する不透明感に加え、米国経済の動向やそのもとでの金融政策運営が国際金融資本市場に及ぼす影響、欧州における債務問題の展開や景気・物価のモメンタム、地政学的リスクなどが挙げられる。こうしたもとで、金融市場は世界的に不安定な動きが続いており、企業コンフィデンスの改善や人々のデフレマインドの転換が遅延し、物価の基調に悪影響が及ぶリスクには引き続き注意する必要がある。』(今回)

『上記の中心的な経済の見通しに対する上振れ、下振れ要因としては、第1に、海外経済の動向に関する不確実性がある。中国をはじめとする新興国や資源国については、資源価格低迷の影響もあって、不透明感が強い。そうしたもとで国際金融資本市場は不安定な動きが続いており、企業コンフィデンスなどに影響を及ぼす可能性については引き続き留意する必要がある。また、米国経済の動向やそのもとでの金融政策運営が国際金融資本市場に及ぼす影響、欧州における債務問題の展開や景気・物価のモメンタム、地政学的リスクなどもリスク要因として挙げられる。』(4月)

『リスク要因としては、中国をはじめとする新興国や資源国に関する不透明感に加え、米国経済の動向やそのもとでの金融政策運営が国際金融資本市場に及ぼす影響、欧州における債務問題の展開や景気・物価のモメンタム、地政学的リスクなどが挙げられる。こうしたもとで、金融市場は世界的に不安定な動きが続いており、企業コンフィデンスの改善や人々のデフレマインドの転換が遅延し、物価の基調に悪影響が及ぶリスクには引き続き注意する必要がある。』(3月)

何だ3月と同じこと言ってるじゃんという感じですが、金融市場の不安定さって足もとでは確かにブリテンの問題があるけれども、国内的には金融政策決定会合が盛大なイベントリスクになってしまっている(まあ投機の絶好のチャンスとばかりにヒャッハーヒャッハーやられている感isあるという所ですが)のですけれどもねえと申し上げておきます。



・まあ相変わらず「必要なら追加緩和」である

こちらはめんどいので3月との比較。

『日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を継続する。今後とも、経済・物価のリスク要因を点検し、「物価安定の目標」の実現のために必要な場合には、「量」・「質」・「金利」の3つの次元で、追加的な金融緩和措置を講じる(注4)。』(今回)

『日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を継続する。今後とも、経済・物価のリスク要因を点検し、「物価安定の目標」の実現のために必要な場合には、「量」・「質」・「金利」の3つの次元で、追加的な金融緩和措置を講じる(注4)。』(3月)

ということで全文一致ですが、そもそも「逐次投入はしない」と言っていた筈なのにこういう文言を入れている時点で昨今のようにMPMがイベントリスクになるわ、そもそも必要な場合に追加緩和とか言ってるけど、本来は金融政策第二の柱での点検をした場合に事と次第によっては追加緩和じゃなくて緩和規模の縮小というのもあり得る話なのに、その話が無いという時点でお前真面目にやる気あるのかとかいうのは以前より申し上げておりますとおり。


#なお会見テキストは本日出ますので週明けにでもですが、とりあえずベンダーがリファーしている質疑応答詳細を見る限りにおいて「明らかに会話が成立しておらず、質問に対してまともに答えようとしない」という大門みきしー先生もお怒りになる(それは国会だ)不誠実な会見になっているという風情のようで甚だ遺憾の極みでございます


#そういや票決で石田さん最後のひと暴れはさすがに無かったか(^^)


とまあそんな感じで。



○貸出増加支援は新規は出ているけど純増はエライ少ないとな

[外部リンク] 貸出増加を支援するための資金供給の実施結果
(2016 年 6 月実施分)

新規貸付の概要
貸付期間 4 年
貸付予定額 62,028 億円
貸付先数 62 先

借り換えの概要
貸付期間 1 年
貸付予定額 6,674 億円

(参考)貸付日時点の貸付残高および貸付先数の見込み
    貸付残高      貸付先数
大手行 149,185 億円      9 先
地域金融機関等 105,814 億円  118 先
合計 254,999 億円       127 先


前回の時点での残高が
[外部リンク] (参考)貸付日時点の貸付残高および貸付先数の見込み
     貸付残高     貸付先数
大手行 153,189 億円     7 先
地域金融機関等 91,031 億円 122 先
合計 244,220 億円     129 先

ちなみに3月末の営業毎旬報告を見ますと

[外部リンク] 貸出増加を支援するための資金供給 24,422,000,000百万円

となっていて同じなので、貸出増加支援資金供給の純増は1兆779億円になって、今般からマクロ加算は貸出増加支援供給の残高+3末残高対比の純増分(要は増えた分の2倍カウント)になるので、マクロ加算自体は2.2兆円弱増えるのですが、あんまり増えない印象。

つーか純増が1.1兆で新規が6.2兆円なので、新規がでている側から5.1兆円位返済が入っているのかよという所でして、残高増えませんなあとしみじみ思うのでした。


○業態別当座預金から少々世間話

しかしまあこの計数の注目度上がりましたよね。

[外部リンク] 業態別の日銀当座預金残高(5月)

ブツがエクセルなので表をペタペタ貼りながら話が出来ないのが何ですが、まあ今回も中々味わいがありますなという感じです。

主にエクセルの右側の『(参考)付利の対象となる当座預金残高(当月16日〜翌月15日の平均残高、適用金利別)1』の方が相変わらずオモロイです。

・都銀にトン資金繰り技術の伝承続く(だいぶ違うけど)の巻

例によって例のごとくですが、都市銀行がマイナス金利適用を回避しつつゼロ金利残高を存分に使うけれどもコールは碌に使わない、という大変に素敵なプレイをしていて実に素晴らしいというか日銀へのある種イヤミというか(^^)。

4月平残
個別行のゼロ金利残高合計:215,730億円
ご利用額:207,870億円
余らせている分:7,860億円

5月平残
個別行のゼロ金利残高合計:216,430億円
ご利用額:213,150億円
余らせている分:3,280億円

となっていて、マイナス金利適用残高は4月がゼロで5月が10億円とかもうお洒落にも程がある状態になっておりまして、その一方で

[外部リンク] コール市場残高(2016年5月)

の平残を見ると都銀はコール市場の出し手としての5月平残(こちらはカレンダーベースの5月なので積み期間とは足ズレがありますがそれはさておき)は34億円しか無く、取りの方でも平残は4100億円という事で、コール市場での裁定取引や、マイナス利回り適用回避のコール運用などしてやるもんかコノヤローという気概に溢れた資金繰りになっていて大変に素敵です。

まあその分の帳尻ってコールでやってなくてレポでもやっていないとなると、有価証券運用で帳尻を合わせに行っている筈で、ど〜せ放置すれば金は浮いて出てくるのではないかと勝手に妄想を加えて前提にすると、その分って国債なりの公社債を買うか、CPを買うかという所になるのではないかと思われます。


・個別ベースでマクロ加算部分を使いきれない摩擦的な残高の考察

今回は補完当座預金制度適用先合計の計数で見た場合、当座預金残高は5000億円弱増加していますが、マイナス金利適用残高については7,750億円減少していまして、 ゼロ金利適用残高が1.6兆円増えている分(プラス金利適用分は400億円弱減っている)で相殺されてマイナス金利適用残高は8000億円弱減って204,550億円になっています。

でもって、個別行ベースでみた枠の未利用状況を見ると、

プラス金利残高分
2月:20,089億円
3月:12,607億円
4月:17,430億円
5月:20,860億円

ゼロ金利残高分
2月:166,314億円
3月:122,941億円
4月:72,520億円
5月:61,790億円

となっていて、政策金利残高に掛からない未利用状況はこの合計になるので、

2月:186,403億円
3月:135,548億円
4月:89,950億円
5月:82,650億円

となっていまして、まあ2月は多いのは当然として、それ以降徐々に減少していたものの、5月積み期間に入って減少傾向が止まった感じになっています。でもってこの積み期間はマクロ加算の掛け目が変わるのでまた偏在が増えるではないかと直感的には思いますので、未利用額が今度は増えるかも知れませんが、この8兆円程度の部分っていうのがもしかしたらマクロ加算部分を使いきれない摩擦的な部分になるのではないか、と何となく思うのであります。

つまりですね、
[外部リンク] 日本銀行当座預金のマクロ加算残高にかかる基準比率の見直しについて


で新掛け目が出ていましたが、その数値の意味合いとして『これにより、日本銀行当座預金のうち、マイナス金利が適用される政策金利残高(金融機関間で裁定取引が行われたと仮定した金額)は、上記3積み期間において、平均して概ね 10 兆円台となる見込みです。』となっているものの、摩擦的というか、裁定取引が行えない部分というのが全体で8兆円位あるとすれば、この「平均概ね10兆円台」というのに対して、現実問題としてはマイナス金利適用残高はこれに8兆円ほどオンされて、20兆円弱になる、という風に考えるのかなあと思ったのですがどうでしょうかね、とまあそんな雑談。


・補完当座預金制度適用対象外の日銀当座預金取引先の当座預金残高が増加傾向にある件について

エクセル右のシートが『(参考)付利の対象となる当座預金残高(当月16日〜翌月15日の平均残高、適用金利別)』で、左のシートが『業態別の日銀当座預金残高(2016年5月)』な訳ですが、この5月平残のグランドトータルにあたる部分(左のシートでは『合計』、右のシートでは『補完当座預金制度適用先合計』の『当座預金残高』値を見ますと、若干の差異があります。

というのは最初から若干気になっていたのですが、ここの差分が(左のシートの方が大きい)

2月:40,512億円
3月:53,841億円
4月:65,970億円
5月:73,100億円

と何気にこの2月以降で3.3兆円も増えていましてはてナンジャラホイというお話。

差分そのものについては、左のシートは日銀当座預金残高そのもの、右のシートは補完当座預金制度適用先の日銀当座預金残高ということで、補完当座預金制度適用外の人が存在するのでその分の差分が生じているという事であって、では補完当座預金制度適用先とは何ですねんということになりますと、「教えて!にちぎん」の中に

[外部リンク] 補完当座預金制度とは何ですか?

というのもありますが、まあ要綱の方を見た方が分かり良いと思われまして、

[外部リンク] 補完当座預金制度基本要領

『2.対象先

以下のいずれかの条件を満たす者のうち、対象先とすることが適当でないと認められる特段の事情がない先とする。

(1)準備預金制度に関する法律(昭和32年法律第135号。以下「法」という。)第2条第1項に定める指定金融機関(以下「指定金融機関」という。)であること。

(2)指定金融機関でない当座勘定取引の相手方のうち、金融機関等(日本銀行法(平成9年法律第89号)第37条第1項に規定する金融機関等をいう。)であること。』

ってのがあって、(1)は要するに準備預金制度適用先で、さっきの業態別当座預金残高の左の方のシートはまさに準備預金制度適用先に関しては業態の名前が書いてあったりするのですが、日本銀行法の規定とは何ですねんと探す場合は

[外部リンク] 関係法令等

にリンクがポコポコ貼ってありまして、日本銀行法を見ますと
[外部リンク] 『(金融機関等に対する一時貸付け)

第三十七条  日本銀行は、金融機関(銀行その他の預金等(預金保険法 (昭和四十六年法律第三十四号)第二条第二項 に規定する預金等及び貯金をいう。)の受入れ及び為替取引を業として行う者をいう。以下同じ。)その他の金融業を営む者であって政令で定めるもの(以下「金融機関等」という。)において電子情報処理組織の故障その他の偶発的な事由により予見し難い支払資金の一時的な不足が生じた場合であって、その不足する支払資金が直ちに確保されなければ当該金融機関等の業務の遂行に著しい支障が生じるおそれがある場合において、金融機関の間における資金決済の円滑の確保を図るために必要があると認めるときは、第三十三条第一項の規定にかかわらず、当該金融機関等に対し、政令で定める期間を限度として、担保を徴求することなくその不足する支払資金に相当する金額の資金の貸付けを行うことができる。

2  日本銀行は、前項の規定による貸付けを行ったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣及び財務大臣に届け出なければならない。』

というのがあって前段の「金融機関」は指定金融機関と同じと思われますが、「その他の金融業を営む者であって政令で定めるもの」というのが何ですねんとなる訳でして、今度は日本銀行法施行令を見ますと、
[外部リンク] 第十条に『(一時貸付けの対象となる金融機関等)』ってのがありまして、

『第十条  法第三十七条第一項 に規定する政令で定める金融業を営む者は、次に掲げる者とする。

一  法第三十七条第一項 に規定する金融機関
二  金融商品取引法 (昭和二十三年法律第二十五号)第二条第九項 に規定する金融商品取引業者
(同法第二十八条第八項 に規定する有価証券関連業を行う者に限る。)
三  金融商品取引法第二条第三十項 に規定する証券金融会社
四  貸金業法施行令 (昭和五十八年政令第百八十一号)第一条の二第三号 に掲げる者』

とありまして、各項について該当する法令文書のリンクがありまして、そこを見ると分かるのですが(と最後は手抜きをしていますが、まあこうやって調べているという俺様向け備忘のつもりです)、2項が(日銀当預がある)証券会社、3項が日本証券金融と大阪証券金融、4項が短資会社となります(と思いますが違ったらご指摘くらはい)。

でもって日銀の当座預金取引先って

[外部リンク] 当座預金取引の相手方一覧(2016年5月末・金融機関等コード順)

というのがありますので見れば分かる訳ですが、このリストのうち資金決済というかクリアリングとかやってる所とか取引所とかと商工中金以外の政府系金融機関が補完当座預金制度適用外の先になっていますよということですな、うんうん。

だからどうしたというお話に関してはまた整理してネタにするかもしれませんがしないかもしれません。とりあえずは事実関係として誤差項が増えていてその主体is誰??というのだけとりあえず考察の巻です。
 


お題「例によって寝起きでFOMC」   2016/06/16(木)07:56:28  
  ということでFOMCだが何か微妙な芸を使いますの。

○声明文は最初に弱いのにその後威勢が良いという謎の芸風を披露

[外部リンク] ・第1パラグラフ:最初だけ恐縮して経済現状認識は妙に強くしているというわけわかんない芸風

『Information received since the Federal Open Market Committee met in April indicates that the pace of improvement in the labor market has slowed while growth in economic activity appears to have picked up.』(今回)

『Information received since the Federal Open Market Committee met in March indicates that labor market conditions have improved further even as growth in economic activity appears to have slowed.』(前回)

まあ芸が細かいという感じで、今回は現状認識として「経済活動はピックアップしたけれども雇用の改善がスローになった」としていて、前回が「経済活動の改善がスローになったけれども雇用は更に強くなった」という形にしていて、前回対比で言えば主文がポジティブなものからネガティブになったので主文的には下がっているのですが、この後の経済活動ピックアップという話の所でチマチマと上方修正を加えているので、全体でみるとやや上げているような雰囲気を醸し出しているのが面白文学となっています。

『Although the unemployment rate has declined, job gains have diminished.』(今回)
『A range of recent indicators, including strong job gains, points to additional strengthening of the labor market.』(前回)

前回の部分と順序が変わっていまして、今回は雇用に関する部分が総括判断の最初にありまして、先般の雇用統計でのNFPがあばばばばーであった件について言及した上に、雇用がウハウハですよという威勢の良い一文はしらっと削除しているという事で、まーさすがにあの数字を知らんぷりする訳には行かんじゃろという事でしょうが、NFPが戻るとまた元気になる可能性も。

『Growth in household spending has strengthened. Since the beginning of the year, the housing sector has continued to improve and the drag from net exports appears to have lessened, but business fixed investment has been soft.』(今回)

『Growth in household spending has moderated, although households' real income has risen at a solid rate and consumer sentiment remains high. Since the beginning of the year, the housing sector has improved further but business fixed investment and net exports have been soft.』(前回)

消費者センチメントの話がしらっと抜けているのですが、それは別にしますと家計の消費についての判断が引き上げ、純輸出のマイナス部分が減ってきているとか、チマチマと強くしています。

『Inflation has continued to run below the Committee's 2 percent longer-run objective, partly reflecting earlier declines in energy prices and in prices of non-energy imports. Market-based measures of inflation compensation declined; most survey-based measures of longer-term inflation expectations are little changed, on balance, in recent months.』(今回)

『Inflation has continued to run below the Committee's 2 percent longer-run objective, partly reflecting earlier declines in energy prices and falling prices of non-energy imports. Market-based measures of inflation compensation remain low; survey-based measures of longer-term inflation expectations are little changed, on balance, in recent months.』(前回)

物価に関しては市場のインフレ期待が低下している件について言及しているものの他は同じ。


・第2パラグラフ:ほぼ同じなのだが微妙に違いが

『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The Committee currently expects that, with gradual adjustments in the stance of monetary policy, economic activity will expand at a moderate pace and labor market indicators will strengthen.』(今回)

『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The Committee currently expects that, with gradual adjustments in the stance of monetary policy, economic activity will expand at a moderate pace and labor market indicators will continue to strengthen.』(前回)

ここはいつも同じ。

『Inflation is expected to remain low in the near term, in part because of earlier declines in energy prices, but to rise to 2 percent over the medium term as the transitory effects of past declines in energy and import prices dissipate and the labor market strengthens further. The Committee continues to closely monitor inflation indicators and global economic and financial developments.』(今回)

『Inflation is expected to remain low in the near term, in part because of earlier declines in energy prices, but to rise to 2 percent over the medium term as the transitory effects of declines in energy and import prices dissipate and the labor market strengthens further. The Committee continues to closely monitor inflation indicators and global economic and financial developments.』(前回)

見通しの所も基本的に同じなのですが、近いタームではない先行きの見通しの所で、エネルギーや輸入価格の影響について「transitory effects of past declines」と今回「past」が入りまして、これは先行きの見通しにおいてはフォローはフォローという超微妙だけれども先行きの物価に関しては若干ウマーなお話。


・第3パラグラフ〜第5パラグラフ:前回と同じ

一応アタクシが3回ほど目を皿のように読んだ後印刷した紙を合わせて透かし読み攻撃もしてみましたが第3〜第5パラグラフは全文一致と確認いたしましたので(違ったらゴメン)めんどいのでこちらは今回分だけ貼りつけます。

『Against this backdrop, the Committee decided to maintain the target range for the federal funds rate at 1/4 to 1/2 percent. The stance of monetary policy remains accommodative, thereby supporting further improvement in labor market conditions and a return to 2 percent inflation.』(今回)

金利は据え置き。

『In determining the timing and size of future adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will assess realized and expected economic conditions relative to its objectives of maximum employment and 2 percent inflation. This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments. In light of the current shortfall of inflation from 2 percent, the Committee will carefully monitor actual and expected progress toward its inflation goal. The Committee expects that economic conditions will evolve in a manner that will warrant only gradual increases in the federal funds rate; the federal funds rate is likely to remain, for some time, below levels that are expected to prevail in the longer run. However, the actual path of the federal funds rate will depend on the economic outlook as informed by incoming data.』(今回)

今後の金融政策に関しての説明文も同じで、毎度の能書きが書いてあります。

『The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction, and it anticipates doing so until normalization of the level of the federal funds rate is well under way. This policy, by keeping the Committee's holdings of longer-term securities at sizable levels, should help maintain accommodative financial conditions.』(今回)

バランスシートのサイズについても毎度の話をしておりまして、特段の変化はありません。


・第6パラグラフ:ジョージ総裁が利上げ提案を撤回とな

これは少々意外に思った。

『Voting for the FOMC monetary policy action were: Janet L. Yellen, Chair; William C. Dudley, Vice Chairman; Lael Brainard; James Bullard; Stanley Fischer; Esther L. George; Loretta J. Mester; Jerome H. Powell; Eric Rosengren; and Daniel K. Tarullo.』(今回)

『Voting for the FOMC monetary policy action were: Janet L. Yellen, Chair; William C. Dudley, Vice Chairman; Lael Brainard; James Bullard; Stanley Fischer; Loretta J. Mester; Jerome H. Powell; Eric Rosengren; and Daniel K. Tarullo. Voting against the action was Esther L. George, who preferred at this meeting to raise the target range for the federal funds rate to 1/2 to 3/4 percent.』(前回)

ということでジョージ総裁が何で今回利上げ提案を撤回したかについては少々興味がありますなと思うのでした。この背景がどうなのでしょうかねえ。


○SEPは経済物価見通しはやや堅調もドットチャートは案の定のヘロヘロ

今回
[外部リンク] 前回3月
[外部リンク] ・経済物価見通しは気持ち堅調という感じでしょうか

Medianで見た場合の今回の見通しですが、

実質GDP:2016年が2.2→2.0、2017年が2.1→2.0、2018年は2.0で変わらず、ロンガーランは2.0で変わらず
失業率:2016年が4.7、2017年が4.6で変わらず、2018年は4.5→4.6、ロンガーランは4.8で変わらず
PCE物価:2016年が1.2→1.4、2017年が1.9、2018年が2.0で変わらず、ロンガーランは2.0で変わらず

となっていましてあまり変わっていませんで、失業率は相変わらずロンガーランより若干強く、成長はロンガーラン近辺の推移という見込みとなっていまして、物価さえ上がれば正常状態というお話になっています。

でもって今回はその肝心の物価の所が手前で若干上がっているので、その点から考えますと今回のSEP見通しって気持ち強くなっている印象。ファンチャートの方を見ると若干上下の広がりが出ているので、見通しの不確実性は高まっているという感じですか(上下とも)。


・ドットチャートは案の定の巻

まあ正直2018年の所とかどうでも良くて、足元の数字(今回はそろそろ年後半に掛かるので来年のも含め)とロンガーランが気になるのですけれども(というのは皆さん同じだと思う)。

2016年
0.625%:1名→6名(利上げ1回)
0.875%:9名→9名(利上げ2回)
1.125%:3名→1名(利上げ3回)
1.375%:4名→1名(利上げ4回)

ということで、今回利上げできなかっただけにそら下がるわという感じで、利上げ3回と4回がほぼ皆無となりましたので、この時点でメディアンが利上げ2回になりましたな。

でもってまあずーっとここもと利上げ見通しが後ろに倒れるの巻というのが続いていた上に、今回予告ホームランが盛大に空振りになったという事になりましたので、SEPに関しても今回さらに「どうせこの見込みも先行き下方修正を余儀なくされるでしょ」という感じでタカを括られるというか舐められるというかになってきているのが現状(だから下手な予告ホームランとかしない方が良いし、やるなら日和らずに特攻しろよと思うのですが)ではないかと思いますので、こらまあ市場の方は「もう年内1回利上げしかできないでしょ」で期待は収斂するでしょうなあと思います。

しかも(ちょっと時間がないのでネタにできませんが)会見の冒頭説明の方を見ますとさすがに7月利上げ予告ホームランも無いように読めました次第でして、まあ7月利上げが出来れば年内2回利上げの観測は強くなるでしょうけれども、7月できないとなると9月、11月、12月の3回で2回利上げってさすがに物価がホイホイ上がってこない限り厳しいなあとは思うので、足元では今回下げた雇用統計の動向、もうちょっと先でみたら物価指数がどの程度伸びてくるかが年内2回利上げできるかのキーという感じでしょうかねえ、よー知らんけど。


2017年
0.625%:0名→1名
1.375%:0名→6名
1.625%:4名→4名
1.875%:5名→3名
2.125%:3名→1名
2.250%:0名→1名
2.375%:3名→1名

何か知らんですが「2018年末まで0.625%」という変態仮面の人が今回発生していまして、だったら0.375%で全部入れろや妙に中途半端だなおいという感じなので、算術平均を取ると変なことになってしまいますが、まあスタート地点の見通しが年に1回か2回なので、そこからざっくり考えると、来年に関しても年4回よりも少ないペースで見ている人の方が圧倒的という感じっすか。


ロンガーラン
2.75%:0名→3名
3.00%:5名→6名
3.25%:7名→4名
3.50%:2名→1名
3.75%:2名→2名
4.00%:1名→0名

ということで、ロンガーランのFF金利(つまり中立政策金利水準)がまたまた下がっておりまして、まあどうせ下がるだろうなあとは思っていましたが(^^)、これだと中央値がついに3%になりましたなという所で、利上げのゴールが着々とさがっていまして、こちらのSEPを見ると「政策金利が上がらないぜヒャッハー」という反応をするでしょうな、とは思いましたです。

まあ何ですな、SEPと声明文とを並べると微妙にこう温度差がある(先行き長めの話と足元の話だから違うという理屈はあると思うけど)というか、色々なものを出している結果、妙なバランスのとり方をしているような感じもしまして、そういう中央銀行文学に走るというのは要は決め打ちするような状況に無いという事なんでしょうなあ、というのは把握しましたが、これやり過ぎると中央銀行文学がどんどん訳分からなくなって政策がフラフラするの巻になってくるのであまりお勧めできないなあとも思います。

#今朝は時間の都合上これで勘弁
 


お題「金利低下ヒャッハーですの/財政論議のネジが外れ気味の中で・・・・・・/FOMC前に先般の国会鑑賞会(ただの引用大会)」   2016/06/15(水)07:58:36  
  えーっとですね、禿知事におかれましてはこの際ヤケクソで都議会解散して泥沼化することによって色々な膿が出て来ませんかねえと思いますし、大体今都知事選やって後釜に来るのが更に碌でもないのしか想像できないのですけれども・・・・・・・・・・・・・・・

○色々市場メモを置いておく

・ドイツ10年マイナス金利とな

[外部リンク] Markets | 2016年 06月 15日 01:42 JST
ユーロ圏金融・債券市場=独10年債利回り初のマイナス圏、英EU離脱懸念で資金逃避

『ユーロ圏金融・債券市場では、独10年債利回りが初めてマイナス圏に落ち込んだ。英国の欧州連合(EU)離脱懸念が高まるなか、安全資産への資金逃避の動きが加速している。英国のEU離脱の是非を問う国民投票が23日に迫るなか、離脱派が残留派をリードしていることを示す世論調査の結果が相次いで発表されたことを受け、独10年債DE10YT=TWEB利回りはマイナス0.032%まで低下。2年債利回りはマイナス0.58%、5年債利回りはマイナス0.48%とそれぞれ過去最低を更新した。』(上記URL先より)

あばばばばーという感じですが、まあ昨日はこれですか。

[外部リンク] World | 2016年 06月 15日 02:03 JST
英国のEU離脱支持リード拡大、残留派に7ポイント差=TNS調査

とありますが、簡易的に見るならBBCのこちらのページ

[外部リンク] EU referendum poll tracker

の真ん中あたりにある『Show all polling data』をポチっとなとすると出てくるのですが、13日はTNS調査だけではなくてYouGovとICMのオンラインでも離脱の方が多いという数字が出てるんですねあばばばばー。


・円債もちゃっかり連日高値更新をしている訳だが輪番ェ・・・・・・・・・・・

例によってロイターから
[外部リンク] Markets | 2016年 06月 14日 15:21 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が続伸で引け、長期金利は一時過去最低-0.175%

『<15:10> 国債先物が続伸で引け、長期金利は一時過去最低-0.175%』

『現物市場は長期・超長期ゾーンを中心にしっかり。日銀が買い入れを見送ったことで上値を重くする場面もあったが、短期筋の買いが入った。10年最長期国債利回り(長期金利)は一時同1bp低いマイナス0.175%、20年債利回りは一時同1.5bp低い0.155%、30年債利回りは一時同1.5bp低い0.225%、40年債利回りは一時同1.5bp低い0.260%といずれも過去最低を更新。5年債利回りも一時同0.5bp低いマイナス0.280%と最低を付けた。

短期金融市場で、無担保コール翌日物の加重平均レートは前日(マイナス0.050%)をやや上回る見通し。取引レンジはマイナス0.025─マイナス0.07%付近と幅広い。ユーロ円3カ月金利先物は下落。

新発1年物国庫短期証券(TB)の入札結果で、最高落札利回りはマイナス0.3587%、平均落札利回りはマイナス0.3656%と落札利回りは1年物として過去最低を更新した。』(上記URL先より)

とまあそういう事で、昨日も予想を外して輪番を入れてなくて、もしかして連日の高値更新に対して何か気にしているのかも知れませんけれども、まー何と言いますかそういう配慮みたいなのしても結局の所月間の買入というのは予定通り実施する訳でして、特に今月の場合だと月の後ろに買入が倒れれば四半期末要因とか償還再投資要因とかにぶつかるので、手前で輪番を見送って後ろに倒しても朝三暮四のエテ公とは違いますので無意味にも程があるように見えるのですけどねえ。

まー何ですな、もう最近の債券市場はオペのタイミングがどこになるか位しか変動ネタが無い(入札というのはとっかかり要因としてでかいがこちらは日程が読めている)のですが、この部分をチマチマ動かして市場との対話みたいな積りになってもあまり意味がないんじゃネーノという風に思いますな。まあインデックス更新の直後になる月末引け後に翌月の買入予定額を出す、というのがそもそも論として債券インデックス対比系の投資家を馬鹿にしてるだろという話なのですけどね!!!!!

しかしまあ何ですな、2年が▲28bp、5年が▲28bpでとうとうフラットになってしまうとかになってしまいますと、3MTBのカレント利回りが▲25bpレベルだったりする(611の引けが▲24.7で613の引けが▲26.2)のがお買い得に見えてしまうというこの恐ろしき事態。

#というよりはGCレートが凄まじくお買い得に見えてしまうのですが^^;


・1年短国入札

[外部リンク] (3)募入最低価格 100円36銭0厘(募入最高利回り)(-0.3587%)
(4)募入最低価格における案分比率 86.6511%
(5)募入平均価格 100円36銭7厘(募入平均利回り )(-0.3656%)

ということで1年短国は基本的に日銀買入専用機ですのでそもそも人外魔境レートになるのが仕様なのですが、本日の引けは▲39.8となっていまして、以前のように入札のあとで派手にヒャッハーヒャッハーとやることも見られなくなっていますが、そもそも論として中短期の金利が進む中だとああマイナス40ですかそうですかとあまり不思議に思わなくなってしまうというこの感覚のマヒという感じではあります、ナムナム。


・そういやT+1は予定通りというの変わらんのか何とかした方が良いぞマジで

[外部リンク] パブリック・コメントの募集について(「債券等の条件付売買取引の取扱いに関する規則」等の一部改正)

[外部リンク] 「債券等の条件付売買取引の取扱いに関する規則」等の一部改正について(案)

参考資料はこちら
[外部リンク] 『「債券等の条件付売買取引の取扱いに関する規則」等の一部改正について(案)』から冒頭部分を引用しておきます。

『.改正の趣旨

平成 26 年 11 月に公表された「国債の決済期間の短縮化に関する検討ワーキング・グループ」の「国債取引の決済期間の短縮(T+1)化に向けたグランドデザイン」1においては、国債の決済期間短縮化の意義として、〃荳僖螢好の削減、国債市場・短期金融市場の流動性・安定性・効率性の向上、9餾歸な市場間競争力の維持・強化が掲げられており、これらの実現に向けた国債決済期間短縮(T+1)化に当たっての課題及び対応の基本的な考え方が示されている。この中で、アウトライト取引及び SC レポ取引の T+1化に向けた課題への対応としては「銘柄後決め GC レポ取引の導入」が掲げられ、又、T+1化とグローバル化に係る課題への対応としては「日本国債のグローバル化を踏まえた新現先取引の導入」が掲げられている。』

『こうした考え方に基づき、上記ワーキング・グループの「国債決済期間短縮化検討 WG:担保後決め方式 GC レポ取引手法検討会 リーガル検討タスクフォース」において、国債に係る銘柄後決めGC レポ取引(以下、本趣旨・骨子において「レポ取引」を「現先取引」という。)の導入等に対応した「債券等の現先取引に関する基本契約書」の整備について、基本契約書の構成・内容等に係る検討が行われ、平成 28 年4月 25 日、その検討結果が「債券等の現先取引に関する基本契約書」の参考様式改定案(以下、「改定案」という。)として自主規制部門に提示された 2。これを受けて、「公社債の店頭取引等に関するワーキング・グループ」において、「債券等の条件付売買取引の取扱いに関する規則」の一部改正及び改定案を基に基本契約書参考様式の改定に係る検討を行い、今般、「公社債の店頭取引等に関するワーキング・グループ」における検討結果等を踏まえ、「債券等の条件付売買取引の取扱いに関する規則」の一部改正及び「債券等の現先取引に関する基本契約書」の改定を行うこととする。』

ということで、今回は銘柄後決めGCとかの準備という事での基本契約書等の改定ですので、これで直ちにT+1決済という訳ではないのですが、そもそも債券市場がこの死んだ状態になっているのに、取引に更にストレスを掛けるわマイナス金利状態になっているのに更にシステム投資のコストを掛けるわというようなことをわざわざやらなければならないほどのメリットがあるのかという話で、上記引用分にあります『〃荳僖螢好の削減、国債市場・短期金融市場の流動性・安定性・効率性の向上、9餾歸な市場間競争力の維持・強化』とかと全然合わない(どころかそもそも市場の流動性を日銀が叩き壊している所に制度改正入れたら一段と流動性下がるだろ常識的に考えて)と思うのですけどねえ。

と言いましてもこれをやるのとT+1は別件なので別にやるのはふーんそうですかという感じですけどね。一応メモとして。



○段々この手の話の頭のネジが外れているのですが・・・・・・・・・・・

[外部リンク] Business | 2016年 06月 14日 09:20 JST
焦点:マイナス金利、利払い圧縮分を「新財源」に 政府内で脚光

『[東京 14日 ロイター] - 金融機関には評判の悪い日銀のマイナス金利政策が、政府内で新たな財源探しの「切り札」として脚光を浴びている。マイナス金利の結果、予算計上されている利払い費が圧縮でき、その分を補正予算の財源に充てることが可能なためだ。』

『安定財源の確保が困難な「子育て支援」などの新たな財源としても検討が始まる見通しだが、マイナス金利を長期間あてにできるのか、民間の専門家の間でも賛否が分かれている。』(上記URL先より、以下同様)

・・・・・・・・・・・・orz

えーっとですな、そもそもマイナス金利政策って「物価目標2%を出来るだけ早期に達成」するために実施しているものなのですから、本来はその政策ってあっという間に終了する筈なんですけれども、「マイナス金利政策を当て込んだ予算を組む」ってその時点で「政府はデフレ脱却する気が無いのでそういう前提で予算を組んでいます」と言っている事に過ぎないのですが、そーゆー簡単な理屈も頭に入らない状態になっているのかのこの「政府内」ってのはと思う訳ですよ。

でもってそうじゃないというのであれば、物価目標を達成する頃にはマイナス金利は解消していないと行けないのに財政上の事情でマイナス金利を継続、というのであれば、それはそれほど遠くない未来に誰得高インフレでご精算ということでしょうし、誰得高インフレでご精算しないのならばマイナス金利という財源が消滅する訳でして、「出来るだけ早期に物価目標を達成する」と言っている日銀の政策が年単位のスパンで続くことを前提にするのは頭おかしいと申し上げておきましょう。

しかしまあ何ですな、生産設備の毀損的な生産要因でのハイパーインフレは良く見ますが、純粋な財政インフレというのはどういう事が起きるのかというのって自分の国じゃなかったら中々興味深い勉強になるとか罰当たりな事を言いつつ太平楽に見るという事になりそうなのですが、これが非常に困ったことに自分の国でやるというと何だよそれはとしか申し上げようがない。

ちなみに、

『SMBC日興証券・チーフマーケットエコノミスト・丸山義正氏の試算でも、マイナス金利が継続されれば22年度ごろには利払い費はマイナス、つまり利得を稼ぎ出す見込みとなる。このため公債残高は、25年度には消費税増税延期による11兆円超の残高増加額をはるかに上回る22.5兆円の圧縮効果があると分析している。』

ってあるのですが、ちょっと財務省の仕訳がどうなっているのか存じません(ただの不勉強)のでツッコミがあっているのかどうかはアレなのですが、「利払い費はマイナス」というのがイマイチ良く分からん次第でして、発行時の差益は出ているのですが、短国以外の国債ってクーポン払っているので、国債発行時の差損益を期間案分していないと「利払い費はマイナス」にはならない気もするんですが、これキャピタル加味で計算しているのか良く分からんですな。「実質的な利払い負担」という意味なのでしょうけれども。

とまあそのツッコミはどうでも良いのですが、これって要は国債利払いが全体としてマイナスということですから、その分って民間に払われる利払い分がマイナスになるという話で、そういう意味で言えば「財源」ちゃあ財源ですねという話ではありますが、量的緩和政策をして散々MBを拡大した挙句にマイナス金利ってそう考えると騙し討ちにも程がありますな(散々MB散布しておいて散布したものが持っているとペナルティーってなるんですから)、うんうん。


まあそれはそれとして、ヘリマネの話もそうですけれども、ドンドンこの手のたがが外れた話が続くという中で、基本的に財政再建論者で消費税上げ上げ論者である所の黒田総裁がたがの外れた放漫財政論議に拍車を掛けるような追加緩和をするのかねえという気もせんでもないのですが・・・・・・・・



○国会鑑賞会

ちょっと前なので
[外部リンク] から参議院の
第190回国会 財政金融委員会 第12号
平成二十八年五月十二日(木曜日)
  
ってのを検索して頂きたいのですが、FOMCからこの先ネタするのを忘れそうなのでまあここでも読んでちょというのが毎度おなじみ大門先生。まあ単に引用するだけですけど(手抜き)


○大門実紀史君 大門でございます。

 うちは元々、黒田総裁の就任には反対でございましたし、反対しておいて良かったなというふうに思っております。異次元緩和については、もう最初からといいますか、始める前からといいますか、問題点を指摘してまいりましたし、お辞めになるべきだということも再三、予算委員会も含めて指摘してきたところでございます。

 中身はもう先ほど櫻井さんから厳しく追及があった点、国民にとっては結局何だったのかと、このアベノミクスの中心である異次元緩和が。それは株持っている人とか一部の人には良かったかも分からないけれども、今や世論調査でも、この日銀の異次元緩和も含めて、もう期待していないという国民が増えて、当初は七割ぐらい期待している人がいましたけれども、今やもう半分以下と、期待しないとわざわざ言う人がもう六割超えているというふうになっている事態であります。

 もう一つ、日銀の大量の国債購入についても、その危険性について最初から指摘をしてまいりました。要するに、案の定、今、日本国債のおかしな信頼が生まれていて、国債を銀行を含めて投資家が買うのは、どんなことがあっても日本銀行に転売できる、利ざやを稼げるというのがあって買い続けられていると。明らかにこの日銀の国債の大量購入によって国債の信用バブルが起きているということは間違いないと思います。

 したがって、逆に言うと、日銀がこの大量の国債購入から手を引き始める、撤退し始めたときにこの国債の信用バブルが崩壊していくのは間違いない、それについてどうするんだということを再三、この委員会でも三年間、藤巻先生も含めて議論してきても一切お答えにならないと。時期尚早だと、そういうことに答えるのはということで、大変、何といいますか、国会における日銀の審議が非常に中身のないものといいますか、答弁がひどいものですから、そういう日銀報告審議が続いてきたんじゃないかと改めて指摘していきたいと思います。聞いてもまた同じことだと思うので、今日は違う角度で申し上げたいと思いますけれど。

 今までの総裁に比べて、黒田総裁の国会対応、今日もやっぱりいろいろ対応良くないなと思って聞いておりましたし、大変不誠実な答弁が続いている、今申し上げたこと、同じことを繰り返すのも含めて。もう一つは、この国会審議、国会での黒田さんの答弁が、むしろ今国会審議そのものが黒田政策に利用されていると、利用されてきたという点を指摘したいというふうに思います。

 去年の二月ですか、この委員会で、中央銀行はサプライズを狙うべきではないということを指摘いたしました。それは、おととしの十月三十一日に出たあの追加の金融緩和の話ですね。あれがサプライズと言われていましたけれども、その三日前にこの委員会で、日銀の異次元緩和政策は所期の効果を発揮しておりますし、順調に推移しておりますと言われた三日後にあの追加金融緩和を打ち出したということを指摘して、サプライズを狙った、国会でしかるべき答弁をされるべきであったということを申し上げたわけですね。株が下がり始めたのがそれで持ち直したわけですよね。そういうやり方がいかがなものかということをFRBの方向転換も含めて指摘したにもかかわらず、またまた同じようなサプライズをやられたということです。

 ちなみに言っておきますと、FRBはFRBの量的緩和の第三弾のときに曖昧なことを言って市場を混乱させたというようなことがあって、その後、対話を重視すると、マーケットとのですね、という方向に転換をしたわけでありますし、欧米の中央銀行も、金融政策で不必要な混乱あるいは投機的ないろんな動き、招かないために予見性を高めようと、むしろ。中央銀行が何をやろうとしているかをちょっと早く伝えようという方向になっているわけでありまして、中央銀行がサプライズ狙いやるなんということは、もう欧米の中央銀行じゃ考えられないと。これ、裏を返すとオオカミ少年みたいになっちゃいますからね。そういうことをやるべきじゃないということが今の世界の中央銀行の流れなわけであります。そんなことをやると、もう中央銀行の信頼性とか権威に関わるわけですよね。

 例えば、マイナス金利について言っても、欧州中央銀行は、マイナス金利導入の四か月前にロイターのユーロ圏サミットがありましたけど、そこで自らマイナス金利政策を真剣に検討しているということをわざわざコメントしているんです。やる可能性があるということをコメントしているわけですね。サプライズにならないように配慮をしているわけですね。

 ところが、日本はどうかというと、黒田さんは、またまたこれでもサプライズやっちゃったわけですよね。これ民進党の大久保さんが予算委員会で指摘されておりますけれど、一月二十一日の決算委員会でマイナス金利は考えていませんと言っておきながら、二十九日にマイナス金利を決定するということですよね。結果的に、またサプライズ狙いというふうに思われても仕方がないようなことをやられたわけであります。しかも、国会の場を使ってやったと言われても仕方がないんですね、結果的に言えば。

 こういうサプライズ効果を狙うことそのものが問題だと思いますけれど、国会答弁と全く違うことをやり続けるというのは、一体国会審議を何と思っていらっしゃるのか、お聞きしたいというふうに思います。いかがですか。』

『○参考人(黒田東彦君) 日本銀行の金融政策運営につきましては、従来から、二%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで量的・質的金融緩和を継続するとともに、経済・物価情勢についてリスク要因を点検し、物価安定の目標の早期実現のために必要であればちゅうちょなく調整を行うという方針を繰り返し申し上げてきております。その上で、具体的な政策決定につきましては、金融政策決定会合において、その時々の経済、物価の情勢判断、あるいはリスク要因についての委員の間での議論というものを加えて決定をしているということでございます。

 量的・質的金融緩和の導入以降の緩和策は、こうした枠組みの下で決定、公表したものであり、何かサプライズを狙ったというものではありません。』

『○大門実紀史君 前回のときの最初のサプライズはいかがなものかというときに、黒田さんは、御指摘の意味は分かりますので、そうならないようにということもおっしゃっていたにもかかわらず、このマイナス金利でいえば、大久保さんが予算委員会で指摘されているのを見れば、もう国会答弁の翌日にはマイナス金利の検討を事務方に指示されているということですね。

 余りにも、それは何か月かタイムラグがあれば国会で言ったことと違う方向が出ることもあると思うんですけれども、最初の八十兆に増やしたときの追加の金融緩和のときも、三日前の国会答弁と違うことを言うと、やると。マイナス金利についても、僅か一日、二日で違うことをやると。これは、今おっしゃったような、いろいろみんなで検討してちゅうちょなくやる、そんな一般論じゃなくて、明らかに、国会には方向性すら言わないと。国会で言わないということは、結構それ信頼されますからね。国会でやらないと言ったんでしょうと、それはみんなマーケットはそう思いますからね。国会で言ったことは非常に大きいんですよ、言ったことは。

 それは、変わるということについて、僅か一日や二日で変わるということについて何も感じられないということですか。国会審議、何だと思っているんですか。』

『○参考人(黒田東彦君) 御指摘の点につきましては、今年の一月二十一日の参議院の決算委員会におきまして御質問があった際に、マイナス金利につきましては、プロズ・アンド・コンズ、いろいろな意見はあると思いますけれども、現時点ではマイナス金利ということを具体的に考えていることはございませんと、それはそのとおりであります。

 ただ、その後、ダボス会議に私、出席するために日本を離れたわけでございまして、その際スタッフに、経済動向を踏まえて、特に市場が非常に荒れているところでございますので、帰国した後に仮に追加的な緩和を行うとしたらどのようなオプションがあるか検討しておいてほしいというふうに事務方に言ってまいりました。そして、月末に向けてダボスから帰ってきまして、金融政策決定会合が具体的に行われて、そこで二つのオプションが示されまして、一つは量的・質的金融緩和そのものを二〇一四年十月のときと同様に拡大するというオプションと、量的・質的金融緩和の方はそのままでマイナス金利を導入するという二つのオプションが示されて、委員会で相当議論してマイナス金利付き量的・質的金融緩和を導入したわけでございます。』

『○委員長(大家敏志君) 総裁、簡潔な答弁をお願いします。』

・・・・・・・・これは吹いた。

『○大門実紀史君 本当に不誠実ですよ、答弁が。聞いてもいないことを長々、周りのことを。

 私が申し上げているのは、そういう結果的にサプライズになっていることについて国会審議についていかが思われているのかということを聞いているわけでね。いいんですか、国会で何言おうと、いろいろあったら関係ないんですか、国会の答弁というのは。何でも許されるんでしょう、その後何かあったとかいろいろ理由付ければ。そうじゃないでしょう、国会の答弁というのは。長いこといろんな総裁と議論してきましたけれど、こんな不誠実な、国会の場を利用してサプライズやるような総裁は初めてですよ。

 結局、これ何でそんなことになるかというと、この日銀の異次元緩和政策そのものがやっぱり異常だからですよ。もう曲芸のような、サーカスのような、そんな異常な、異様な政策をやるから為替・株式市場のマーケットが、投機筋が動くわけですよ。もうそれがずっとやっているものだから催促相場になっちゃって、何か変わったことを言ってくれ、何か売買のネタを出してくれと、そんなことを応えようとしているし、安倍内閣そのものが株価を非常に気にする内閣だと。それに日本銀行が、大の中央銀行が一緒になってそういうことを気にするからそういうサプライズと。織り込まれちゃったら、全て読まれちゃったら、株価動かす、為替相場を動かすというのは、今投機筋が中心ですからね、できないわけですから、だからサプライズをするというようなことになっているわけですね。だから、日銀の政策は異常だから、おかしいからサプライズ狙いをせざるを得ないというようなことに陥っているということを自覚されるべきだというふうに思います。

 少なくとも国会審議との関係では、今後こういう、結果的に、後になってサプライズだと指摘されるようなことはないようにしてもらいたいんですけれども、総裁、いかがですか。』

『○参考人(黒田東彦君) 国会に対しましても、市場あるいは国民に対しましても、その時点その時点で考えておることは正直に申し上げております。ただ、金融政策はあくまでも金融政策決定会合において、その時点で得られる最新の経済データその他を踏まえて委員の中で議論をして決定されるものでありますので、決定会合の前に私から政策変更を示唆するとか、そういうことは適切でないというふうに考えております。』

『○大門実紀史君 お分かりですよね、欧州の中央銀行、FRBが。あそこだってみんな会議やって決めますよ。全然違うことを言っておいて全然違う方向を出すということはないようにみんな気を付けているんですよ、世界の中央銀行は。そのことを申し上げているわけですね。手続の話をしているわけじゃないですよ、手続の話を。どうしてそういうことお分かりにならないのかな。

 国会審議が、日銀報告に対する質疑がこれだけ中身のないものになってきているのは、本当に今の黒田日銀の非常に責任が大きいということを自覚してほしいということを申し上げて、時間になったので質問を終わります。以上です。』

ということでうっかり全部引用してしまいましたが、まあご覧のとおりという所ですわ。
 


お題「イベント前なので決定会合プレビュー雑談与太話状態(すいません)」   2016/06/14(火)07:50:56  
  ほほう。
[外部リンク] Business | 2016年 06月 13日 20:19 JST
日本国債の格付け見通し「弱含み」に、消費増税延期で=フィッチ

『[東京 13日 ロイター] - 格付け機関フィッチ・レーティングスは、日本の長期および短期の発行体デフォルト格付け(IDR)「A」を確認し、見通しを「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に変更した。』(上記URL先より、以下同様)

何だ下げないのか。

『フィッチは声明で、見通しの変更について、安倍晋三首相が消費税増税の2年半の再延期を表明する一方、財政健全化目標達成のためのさらなる具体的措置を示しておらず、「当局の財政健全化の取り組みに対する信認が低下した」と指摘した。フィッチは声明で、消費増税の実現性を疑問視。「アベノミクス」については、経済の潜在成長率の引き上げにはつながっていないとした上で、日本の成長停滞もまた、格付けにはマイナスとの見方を示した。』

ただまあこちらのコメントは中々辛辣ですのう。


○決定会合プレビュー雑談関連

・とりあえず何かメディアが煽っていますのう

[外部リンク] 日銀追加緩和は時間の問題、6-7月の予想が8割超-サーベイ
日高正裕、藤岡徹
2016年6月13日 09:48 JST

でまあモーサテでも毎日キャスターが誰彼かまわずに日銀の追加緩和はどうのこうのとか質問していて、昨日はどうみても日銀金融政策専門外の何とかストにまで質問というアホかという局面がありました(それに対して無責任な想定を説明する何とかストはお前は何とかストとしての職業意識大丈夫かと思ったですけど)が、何かこう外野が盛り上げる盛り上げるという風情。

でも6月ありますかという質問があると(今日のモーサテの人もそうですが)6月は見送るでしょうという話の方が多いのに何でこう盛り上げてくるのやらという所ですが上記URL先をちょっと拝見。

『本銀行が今週開く金融政策決定会合で追加緩和に踏み切るとの見方は少数派にとどまり、7月会合での追加緩和予想が大半を占めていることが、ブルームバーグが実施したエコノミスト調査で分かった。7月までに8割以上が追加緩和があるとみており、あとは時間の問題というのが市場の見方だ。』(上記URL先より、以下同様)

『エコノミスト40人を対象に6-10日に実施した調査で、日銀が15、16日の会合で追加緩和を行うとの予想は11人(28%)と少数派にとどまり、次回7月28、29日会合が22人(55%)と最も多かった。6、7月を合わせると33人(83%)と圧倒的多数を占めた。』

あの記事見出しだとまるで6月緩和予想がうじゃうじゃいるように見える訳ですけれども、7月緩和がメインということで、例によって嘘ではないけれども事実関係に誤解を誘発させる何のことは無い大げさなヘッドライン(ヘッドライン詐欺というのは控えておきますよ)で、ブラックアウト期間入りで飛び出すブルームバーグのヘッドライン芸という伝統芸能じゃねえかと。

『追加緩和の具体的な手法についてはエコノミスト32人(複数回答)のうち指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れ増を見込む回答が25人(78%)と最も多く、ほぼ同数の24人(75%)が付利の引き下げの可能性も指摘した。』

・・・・・・・・・とまあそんな話で以下の記事は上記URLでも読んでちょという感じですが、まあミー的な愚見解だと微妙に違うんだよなあと。


えーっとですな、多分為替がヒャッハーとなって100円切りそうな勢い、というのは前々回の追加緩和をやった時と為替の状況が似ているので、そういう意味では追加緩和をしないといけない状況に追い込まれる、というのはまあ理解できるのですが、そうでもないのであれば基本的に(皮肉にも物価が弱い事から)消費は底堅く推移していますし、実質賃金も力強いとは言えないけれども全体として悪い訳ではなく、ここから公共事業もでますし、機械受注が怪しげではありますが設備投資もコケる訳でもなさそうだし、とそれこそ中曽副総裁が金懇挨拶で説明しているように、経済状況がそんなに大コケするような感じでもなく、寧ろ底打ちから確りしてきているんじゃネーノという状況。

ただまあ日銀的に問題なのは物価が全然アガランチ会長なことな上に、2%物価目標達成に向けた物価と賃金の前向き循環メカニズムという状況になっているようには全く見えない(むしろ物価が上がらないから経済状況が悪くないという状況)な訳で、「2年で2%」の方はどうしますねんという状態になっている、ってのが状況の整理だと思うのですよね。


日銀が「2年で2%」の看板を(2年の方はだいぶ引っ込めては居ますが出来るだけ早期にというのは残していますし)降ろさない以上、物価目標との整合性という意味においては次回の展望レポートで物価目標達成時期がまた後にずれるということになると、1月の所から見て2回連続の後ずれになるのでそらお前追加緩和だろ、というのはまあ話としてはそうなるのは分かります。

とは言いましても、そもそも論として追加緩和したからと言って物価上昇の時期が早まるのかというとそういう訳でもない上に、今までの追加緩和と違いまして足元ではマイナス金利政策というのをやってしまっておりまして、このマイナス金利政策の評判が必ずしも宜しい訳ではない、という状況であるというのは考えておかんといかんと思うのですよね。

即ち、マイナス金利導入まででしたら「追加緩和すると株は上がるわ為替は円安だわでウハウハですよ先生」という認識だったから追加緩和した場合の評判もまた結構ということでやりやすかったと思うのですが、マイナス金利にしてしまってから今に至るまで経済の方に顕著な効果が出ている訳ではなく、目に見える方のデメリットが出ている状態では世間的にも評判が良いとは言えない訳で、そんな中で追加緩和をやっても一部の市場は喜ぶかも知らんが、従来の追加緩和と比べて世間のウケもぱっとしないという想定が出来ませんかねえと思うのですよ。


でもって毎度申し上げているように、マイナス金利政策を維持(または拡大)しながら国債買入を継続して行く、という政策に関しては5月以降顕著になってきた債券市場の機能低下という図となっている上にBTMUがPD資格返上検討という話も出るという状態で、2%の物価目標達成までに時間が掛かりそうな中では今の枠組みを継続していけるのかが非常に怪しいという状態になっているのですよ。

そういう状況下で追加の資産買入とかマイナス金利拡大とかをホイホイやって行っても、別に目標達成時期が一気に手前に寄ってくれる訳でもないのに、オペレーションの弊害や限界は一気に手前に寄ってくるのですから、まあ逐次投入っぽい追加緩和って難しいんじゃないですかねえ、とまあそう思う訳ですよ。これが元々の政策枠組みが逐次投入可能なスキームだったらホイホイ逐次投入しておけば良いと思うのですけどね。

まー先週の中曽さんの金懇挨拶その他の状況証拠を見ますと、マネタリーベース直線一気理論に関してはやっと日銀的にもこっそり棄却できたっぽい(ディレクティブはMBだけど)状態になったなあという証拠が幾つか出ておりますけれども、2年で達成の呪縛の方は結構きついようで、これを何とかしないと政策の爆発(または市場の完全ゴーストタウン化)待ったなしという状態であると思いますので、あとは「2年で達成だからこのペースが必要」という理論をどう変質させるかだと思うのです。



でもってですよ、今の政策を長期化することを前提に継続可能な枠組みに切り替える、って穏当な方向転換を考えるのであれば、どこかのタイミングで政府サイドの方から「デフレ脱却は日銀の政策で出来ました素晴らしいよくやった!!!」として、「ここから先は成長力の強化などを政府が前面に立って行っていくので、日銀は2%物価目標達成まで粘り強く金融緩和を維持して欲しい」というような形で名誉ある撤退(なおいちゃもんはつくでしょうけれども)するのをかなり超マジで考えないと、金利の市場そのものが消滅しちゃって名誉ある撤退すらできなくなるがなと思うのですよ。

まあそういう事を日銀が考えているのか、というと謎な面があって、死なばもろとも政策大爆発とかヤケクソになっている可能性も否めない(国家を巻き込んで大爆発しないでくれと思うけど)のですが、大爆発する気が無いのであれば(そもそも2年で達成する筈の政策を途中で拡大した挙句に3年以上やっているのがおかしいのですから)、ここで追加緩和をすると更に引くに引けなくなってしまいます(追加緩和してすかさず上記の名誉ある撤退スキームが飛び出すならまあ良いのだが)ので追加ってそもそもどうなのかなとも思いますけどどうでしょうかね。



いうことで基本やらないに越したことは無くて、いい加減名誉ある撤退をする算段を考えないととんでもないことになりますがなと思いますが、まあ追加やるなら何をするという話だと、上記記事だと一番多いETFって以外にハードル高いんじゃないのかなあと思います。つまり、ETFやるなら1月にでもやっていた訳ですし、最近は日銀がしらっと国債の方向けですけれども価格変動引当を積み増してみたりと、財務面について気にしている節がある(これは穴が開いた場合に最終的には財務省がケツ拭きをしないといけないのですから財務省も当事者みたいなもん)ので、相当やけになっている時以外はやらないんとチャウのという風に何となく思うのでした。


・一瞬為替が反応していましたが

[外部リンク] 日銀は国債購入100兆円に拡大を、将来的にジャンク債も-中原伸之氏
2016年6月10日 17:57 JST 更新日時 2016年6月13日 09:29 JST

『安倍晋三首相と長年にわたってパイプを持つ元日本銀行審議委員の中原伸之氏は、15、16の両日開く金融政策決定会合で日銀は長期国債の年間買い入れ増加ペースを20兆円拡大して100兆円にすべきだとの考えを示した。 追加緩和の選択肢として、指数連動型上場投資信託(ETF)の買い増しのほか、欧州中央銀行(ECB)が行ったジャンク債(投機的格付け)の購入も将来的にはあり得ると語った。』(上記UR先より、以下同様)

以前は中原さん「マネタリーベースの拡大は長期国債でやれば良い」という話をしていたのに、投機的格付けも買えとか随分とアレですなあとか思いますが、やはりここは最初に購入する社債はサクライアソシエイツなんかで如何でしょうか(冗談の通じない方の為に念のため申し上げますがそのような会社の社債は存在していない筈ですよ)。

『中原氏は10日のブルームバーグのインタビューで、安倍首相の消費増税再延期は「大英断だった」とした上で、「日銀がアベノミクス再スタートの号砲を打つ、それが一番、安倍さんにとっての贈り物ではないか」と指摘。「なるべく早い時期に決意を示した方がよい」と述べ、今週の会合で追加緩和を求めた。』

色々ツッコミどころがあるのだが、アベノミクスってそもそも消費増税も込みで始まっている政策なのに、消費増税の所だけ切り離して評価するのってずるくないですか(消費増税がなければその前の財政も打っていなかったし、駆け込み需要も発生していなかったのですから)と思いますし、大体からして選挙期間中に「安倍さんにとっての贈り物」とか日銀がしたらそれはちょっと・・・・・・・・・・・・・

『マイナス金利の拡大については「まだ実験期間が十分に経過していない」と述べ、効果が分かるには1、2年かかるとして、「深掘りは今はしない方がよい」と語った。さらに「深掘り」と言っても0.5-0.6%までであり、拡大する場合でもマイナス0.1%をマイナス0.2%にする程度の話だと指摘した。他国のマイナス金利も「だいたいそこら辺で止まっている」と語った。』

だそうなのですが、効果が分かるのに1、2年ってリフレ派の皆さん「私たちの政策を実施したら2年で物価目標は当然のように達成できる」って話をしていたのにマイナス金利の効果が分かるのに1、2年も掛かるのかよという所ですし、そもそもそこまで買入が持たない(しかも拡大するとか仰せですし)のですけど・・・・・・・・・・・・・

とまあそういう感じでちょっと話に無理があるのですが、それよりもついこの前のコメントがこれだったのにまた急にどうしたのやらという感じではあります。

[外部リンク] 日銀は今「動く必要ない」、安倍政権も緩和求めてない-中原伸之氏
2016年4月27日 00:01 JST



・経済財政諮問会議でその話を宜しくお願い致します

[外部リンク] 日本総研の高橋理事長、マイナス金利「副作用が出てきている」
2016/6/13 16:55

『高橋氏は「金融政策に依存することの限界を感じる」とも語り、構造改革を進めて潜在成長率を引き上げていくことが重要だと強調した。マイナス金利を含む大規模緩和は「時間を稼ぐ政策」にすぎないとし、財政健全化やデフレ脱却に向けた取り組みをしっかり進めるべきだとの考えも示した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕』(上記URL先より)

いやまあ最初からそういうお話をしておられるのであればゴメンやでなのですが、大規模緩和は時間を稼ぐ政策に過ぎないとかそんなの今更何を仰るのよという所なのですが、ぜひ経済財政諮問会議の場で強硬にご説明賜りたいものだと思うのであります。

まあしかしこういう感じで特にマイナス金利になってから時間が経過すれども評判の方が良くなるどころか悪くなっているような感じとなっておりますと、先ほど申し上げたように、そもそも「追加緩和実施」が世間的に「日銀良くやった」という話に繋がらずに「まーた余計な事をして世の中悪くなるじゃないか」となってしまうと、それこそ政府から梯子を外して気が付いたら燃え盛る小屋の屋根の上で黒田総裁と副総裁2名が置物タコ踊りを踊っているだけという素敵な展開になりかねないと思うので、そういう面もそろそろ気にしだすんじゃないですかねえ(平場でそういう発言は野党審議委員以外絶対しないと思うけど)とは思うのでした。


#ということで何かアタクシの与太話大会になってしまいました整理もつけずに思った順に書いていてすいませんすいません
 


お題「中曽副総裁の会見は所々にジレンマらしきものが見えない事も無い件について」   2016/06/13(月)07:49:41  
  どこぞの知事のあれやこれやがどうのこうのとかやっていますが、都議会がゴリゴリとやって最後にブーメランが飛んでくる楽しい展開を願います。

[外部リンク] 2016.4.14 18:14【リオ五輪】
都議28人が視察へ、計上予算6200万円から増額も

どうでもいいけど「追加金融緩和はやるべき、金融政策は限界は無い、知恵はある」だけ言って具体的に何をどうしたらどういう効果が出るのか説明しないのかできないのか知らないけど、何とかスト名乗ってお前は何を言ってるんだと朝から無駄に血圧が上がるのでモーサテは健康に宜しくないですなあ。


○中曽会見の前に金懇ネタの続きで金曜に飛ばした所をば

[外部リンク] ・「2年で達成」する必要も2%である必要もない説明なんですがこれは

『(「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」が目指すもの)』という所では2点説明している事になっていますが、実際には3点ありまして、金曜は2点をネタにしましたが、実際にはもう一つの説明があるんですよね。

『なお、2%の「物価安定の目標」については、「なぜ、毎年物価を上げる必要があるのか」という質問を頂くことも少なくありません。』

でまあ説明の前の方では「2年で達成というコミットメント」というのを重視していまして、まあそこの理屈あるいは屁理屈には変化が無いのですが。

『この点については、15 年以上続いてきたデフレが、まるで慢性病のように経済の活力を蝕んできたことを振り返って頂くと、理解しやすいように思います。』

途中に景気回復期間も結構あったと思いますがすっかりそういう説明になっていますね。

『デフレのもとでは、物価の下落が、企業の売上げや収益の減少につながり、賃金が抑制される結果、消費が低迷し、物価が下落するという悪循環に陥っていました。デフレマインドの転換が実現し、経済主体が「緩やかに物価が上昇する」ことを前提に行動するようになれば、これとはちょうど反対のことが起きます。』

というデフレ原因論の話をしているのだが、物価って経済活動の結果であって、この間に経済のトレンド成長率が低下を続けるような経済状況にあったから物価が外部ショックのようなときしか上がり難くて、しかも外部ショックでの物価上昇だと需要に悪影響を与えてサステイナブルな物価上昇をしていませんという話でしょうな、つーかこの間も円安で物価上昇した局面があった訳ですが。

『すなわち、企業の売上げや収益が増加し、賃金も増加するという好循環が生まれます。日本銀行が目指しているのは、こうした好循環を実現することです。そのことは、幅広い経済主体に恩恵をもたらすものであると考えています。』

目指すそれは良いのだが、マネタリーショックで2%の物価上昇まで行かせるのは無理があったというのが実際の結果だったんじゃないですかねえ。

『そう申し上げると、「無理に物価を上げようとすると、物価だけが上昇して、賃金が上がらず、景気が悪くなるのではないか」という質問を頂くことがあります。しかし、先程も申し上げたように、賃金が上昇せずに、物価だけが上昇するということは、普通には起こらないことです。商品やサービスの価格の上昇により、企業の売上げが伸びて、収益が増加すれば、それに見合って、労働者に支払われる賃金は増加します。実際、過去のデータをみると、時間当たり賃金の上昇率と消費者物価上昇率は、概ね同じように動いています(図表7)。』

という中で物価が上がらないんですからそれは先行きの賃金が上がらないという事を意味しているのではないでしょうか?????????????????

『日本銀行が目指しているのは、賃金の上昇を伴いつつ、物価も緩やかに上昇するもとで、経済が拡大していくという世界です。長期にわたるデフレを経た今の日本では、こうした世界は実感しにくいかもしれません。しかし、1990 年代の半ばまでの日本経済では、人々が緩やかな物価上昇を前提に経済活動を営み、賃金も物価も上昇することが当たり前のこととして受け止められていたことを思い起こして頂ければと思います。』

その間のトレンドグロースってどのくらい変化していましたっけ??

『こうした点を踏まえると、マイナス金利を含めた低金利政策がもたらす様々な影響に目配りしつつも、やはり、思い切った金融緩和によって、一日も早くデフレからの脱却を図ることが、日本経済を持続的な成長軌道に復帰させるためには、どうしても必要であると考えています。』

という話なのですが、この中曽さんの理屈だと「2年で2%」である必要は無くて、デフレ状態では無いという状況に持って行ってから、物価上昇と賃金上昇のトレンドを定着させて、その後徐々に経済が2%物価上昇を自然とするような姿になるように持って行く、という政策手法を取って何ら問題が無い、という話になると思われる訳でして、何で「2年で2%」に固執する必要があるのかさっぱり意味が分からない、という事になります。

・・・・・・という部分を時間の都合上金曜にパスしましたが、ちょうど良い事にそれに絡む質疑もありまして、会見ネタに参りたいと思います。


○中曽副総裁秋田金懇会見は

[外部リンク] ・冒頭説明の途中で吹いた

最初の説明の所ですけれどもね。

『このほか、私どもの金融政策運営につきましては、金融機関の方々から、マイナス金利政策は必ずしも設備投資の増加につながっていないといったご意見や、貸出金利の低下による収益面への影響をご心配されるご意見も頂きました。』

ほう。

『この点につきましては、当地の金融機関の資本基盤は安定していると認識をしていますが、金融機関収益への今後の影響については、注視していく考えです。私ども日本銀行としては、秋田支店を通じて、きめ細かくご意見を伺いながら、秋田県経済の発展に向けて皆様の意欲的な取り組みをサポートして参りたいと改めて考えた次第です。』

えーっとですね、貸出金利が低下して収益面で困っている件についてのお話はしているようで、今後も注視していくようですけれども、本来注視すべきは前半の意見にある「マイナス金利政策は必ずしも設備投資の増加につながっていない」の方でありまして、そっちがちゃんと出るのならば資金需要が出るのだから一方的に貸出金利低下で収益が困った困ったという事にはならない訳ですよ。

まあ問わず語りって奴だとは思うのですが、貸出が出る出ないの方に関して注視するのではなくて、金融機関収益動向を注視します、って言ってしまう辺りはこの正直者!と申し上げたくなりますが、要はマイナス金利政策で設備投資が出るメリットことよりもデメリットの方が気になっているという事で、マイナス金利政策やって金利は馬鹿みたいに下がってしまいましたが、結局金利が下がっただけ(しかも想定以上に)で他の効果が出てないよーと困惑しているんでしょうなあというのは把握した。これが黒田総裁だとそのような下々の事は知らんとなるので自信満々の黒田節となる訳ですが、中曽さんはまあそこまでは開き直れないんでしょう(ニヤニヤ)。



・三菱UFJ銀行のPD返上の件で引かれ者の小唄アゲイン

でまあ最初が順当な質問。

『(問) 2 点伺います。1 つ目は国債市場ですが、足許では三菱東京UFJ銀行が、プライマリー・ディーラーの返上を検討しているという話もあり、日銀の国債買入れが市場機能に色々副作用として表面化してきているのではないか、という指摘がございますが、こういう点に関して副総裁のご見解を伺えますでしょうか。(後半割愛)』

質問は順当ですので答えを鑑賞。

『(答) 国債市場機能についてですが、まず、プライマリー・ディーラーの関係につきましては、報道があったことは承知をしていますが、国債の発行・入札は政府の所管であって、詳しい事実関係については承知をしておりません。』

いやお前の政策のケツが回っているんだろという感じですが、まあこれは答えたくないからこう答えるしかないでしょう。

『その上で国債市場の流動性についてですが、これは講演で申し上げた通りです。』

あの寝言の通りとな。

『日本銀行は「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」のもとで、大量の国債買入れを行っていますが、その実施にあたっては、市場流動性への影響も含め、国債市場の動きを丹念に点検して、市場参加者との密接な意見交換を行いながら、オペ運営面の工夫を行うなど、市場の安定に努めているところです。』

ぷぷぷ。

『その上で、特に繰り返して申し上げておきたいのは、国債市場は、本来、市場参加者の経済成長率見通し、あるいは物価観を映し出す鏡だと思っています。つまり、成長期待や予想物価上昇率、そういったものを反映して、イールドカーブは形状されるものだと思っています。』

鏡は貴殿がとっくの昔に叩き壊しましたと思いますし、「成長期待や予想物価上昇率、そういったものを反映して、イールドカーブは形状される」というのであったらマイナス金利政策を導入した結果として、市場が2%物価目標達成への確信度を高める、という事になれば政策金利で決まる短期の部分は別にして、中長期の金利は上昇して然るべきなのですが(っていつも申していますが)、市場が鏡だとか言いながら金利が下がって「政策効果」とほざいているのがそもそも矛盾しておられるのですが。

『過去に例のない、大規模な金融緩和によって、国債市場が大きな影響を受けることは間違いありませんので、そうした鏡が曇ることのないように、国債市場の流動性や機能度がどのように変化するかという点については、引き続き注意深く点検をしていきたいと思っています。』

曇るもへったくれも鏡は既にございませんので鏡磨く代わりに(以下の部分は自主規制により削除されました)。


・80兆円必達の筈なのだが何か奥歯に物の挟まった言い方ですの

ということでさっきの部分はまあ想定通りですが後半部分が少々アレ。

『(問)(前半割愛) 2 つ目は、オペについてですが、午前中の講演で、できるだけ柔軟に金融市場調節を運営していくとおっしゃっていましたが、先週佐藤委員は、マーケットの状況によっては、マネタリーベースも柔軟に捉えていく必要があるのではないかとおっしゃっていました。中曽副総裁はこの 80 兆円という数字については、頑なに達成していくべきとお考えなのか、マーケットの状況によっては一時的に下回っても構わないというお考えなのか、その 2 点についてお願い致します。』


『(答) (前半割愛)それからオペの関係ですが、長期国債については、ご案内のように、金融政策決定会合で日本銀行の保有残高が、年間 80 兆円に相当するペースで増加するように買入れを行うこと、それから金融市場の状況に応じて柔軟に運営するということ、そして買入れの平均残存期間は 7 年から 12 年とすることを決定している訳です。この決定のもとで、具体的な買いオペレーションについては、金融市場局に委ねられています。日々、金融市場に接しているオペレーションデスクが、市場の状況に応じて柔軟に対応していますし、これからも対応していくだろうと私自身は考えています。』

「決定している訳です」と言ってるのですが、年間80兆円について必達みたいな言い方をしていないのは若干気になる。


・物価の基調に関する質問は見事に話を外してお答えのようで

『(問) 物価の基調でお伺いします。本日の講演では、需給ギャップやインフレ期待が先行き改善していくという見通しを示されておりますが、足許では、日銀が物価の基調として重視している、生鮮食品とエネルギーを除いた消費者物価指数が、+0.9%まで低下しており、今年に入ってから実際は頭打ちという状況ではないかと思っています。価格改定の動きが 4 月に入ってからもあまり広がりが見えていない状況だと思いますが、物価の基調が失速するリスクが去年より高まっているという認識があるのかどうか、また生鮮食品とエネルギーを除いた消費者物価指数が今後も下落を続けていく場合、追加緩和の有力な判断材料になるのかどうか、この点について教えて下さい。』

追加緩和というのが質問として余計な感じですが。

『(答) 本日の講演で申し上げた通り、物価の基調は改善を続けていると考えています。確かに、日次、週次の物価指数をみますと、本年度入り後伸び率は低下しています。しかし、生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価指数の前年比は、31 か月連続でプラスを続けており、直近の 4 月も、前月からプラス幅は幾分縮小していますが、+0.9%と前年をはっきりと上回って推移する姿が続いています。』

目標は2%なのですが・・・・・・・・・・

『各種のヒアリング情報なども踏まえてみますと、企業の前向きな価格設定スタンスは、維持されていると考えています。』

「価格改定の動きが 4 月に入ってからもあまり広がりが見えていない状況だと思いますが」という指摘に対して全くのゼロ回答キタコレ。

『本日の講演でも申し上げましたが、今年の春闘では、3 年連続でベースアップが実現しており、中小企業にも、賃上げの動きが広がっていますので、賃金の上昇を伴いながら、物価上昇率が緩やかに高まっていくというメカニズムは作用していると考えています。そうしたもとで、先行き、企業の賃金や価格設定スタンスは積極化していくものと予想しています。』

?????

『そう申し上げた上で――こうした点については不確実性が多いので――、今後の動向については予断を持つことなく、丹念に点検をしていこうと思っています。』

どう見ても予断を持って評価しています本当にありがとうございました。

『追加緩和については、基本的に景気・物価面と金融環境面でいくつかチェックポイントがあると思っています。景気・物価面では、2 つあると思います。』

ほう。

『1 点目は家計と企業の両部門において、所得から支出への前向きな循環メカニズムが持続しているかどうかという点。2 点目は、企業収益から雇用者所得への波及が維持されて、賃金の上昇を伴いつつ、物価上昇率が緩やかに高まっていくメカニズムが着実に作用を続けているかどうかという点です。』

ほうほうそれでそれで?

『そうしたメカニズムが作用していれば、わが国の経済は、基調として潜在成長率を上回る成長を続けますので、そのもとで、物価の基調は着実に高まってCPIの前年比は 2%に向けて上昇率を高めていくと考えています。』

それで2年で2%達成できるの????????????

『次に金融環境面では、極めて緩和的な金融環境が維持されるかどうかという点です。維持されていけば、実体経済や物価面へ、その政策効果は着実に波及していくと考えています。』

副作用の点検は??????

『ですから、今申し上げたような点を、毎回の金融政策決定会合で点検して、判断していくことになると思います。』

ということですが、副作用の点検もさることながら、そもそもこの政策が実体経済にどういうルートで効果を与えるかというメカニズムが(預金と貸出の金利がマイナスにならないと言っている以上)さっぱり分からないのでそちらの点検をお願いいたします。


・これまでの説明だと2年で達成する必要が無いのですがという当然のようなツッコミキタコレ

質問がアホほど長いのですが前半部分のみ。

『(問) 2 点お聞きします。今おっしゃった点について、ポイントはいくつかあるという中で、メカニズムが続くということを非常に重視されていることは十分理解しました。その上で、日本銀行は、黒田総裁のもとで、2013 年 4 月に、2 年を念頭に置いてできるだけ早期に 2%の物価安定目標を達成すると宣言され、ここまで既に 3 年が経っているわけですが、今のところ、展望レポートでは、2017 年度中の 2%達成という見通しを掲げておられます。』

ですなあ。

『この見通しの達成期限その他については、今、中曽副総裁は一言も言及されませんでした。これは、必ずしも 2017 年度中の 2%達成にはこだわっていないということなのでしょうか。メカニズムは緩やかでも、続いていれば、必ずしも 2017 年度中の 2%達成には、それほど強くこだわっていないと理解して良いのかどうか、これが1点目です。(後半割愛)』

この考え方は佐藤さんのローリングターゲットと同じ話になるので、そうですとは答えないのは自明ではあるのですが、さっき引用した金懇挨拶の中にあった物価上昇が必要云々という話についても実際問題としてはこの質問で指摘している通りのロジック展開だったりする訳なのですよねえ。

でもってその答えが1ページ分ある。

『(答) まず、1 点目の「物価安定の目標」の達成時期については、講演の中でも 2017 年度中と申し上げたつもりです。質問の主旨は、2 年程度での早期達成というスタンス如何、ということではないかと思います。』

その通りです。

『日本銀行はもともと、「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現することにコミットしておりまして、「2 年程度」というのは、「物価安定の目標」の実現に関するコミットメントで、「できるだけ早期に」と言う際に念頭に置いている期間です。』

実現していないけどな。

『改めて申し上げることではないかもしれませんが、日本銀行が 2%の「物価安定の目標」の早期実現にコミットすることで、人々のデフレマインドを転換して、予想物価上昇率を引き上げるということは、デフレ脱却という目的そのものですし、政策効果の起点であると思っています。』

全く仰せの通りで、正副総裁の就任会見の会見テキスト5ページにはこのような説明が岩田副総裁から行われていました。

[外部リンク] 『2 つ目は、そういう意味で、2 年くらいで責任をもって達成するとコミットしているわけですが、達成できなかった時に、「自分達のせいではない。他の要因によるものだ」と、あまり言い訳をしないということです。そういう立場に立っていないと、市場が、その金融政策を信用しないということになってしまいます。市場が金融政策を信用しない状況で、いくら金利を下げたり、量的緩和をしても、あまり効き目がないというのが私の立場です。』(上記URLの5ページにある日銀正副総裁就任会見より岩田副総裁のお言葉、赤字は引用者によります^^)


でまあご案内の通りで、直近ではマイナス金利政策を導入したら「市場が金融政策を信用しない状況になって」いるのでイールドカーブは強烈にフラットニングした訳ですが、そういう状態で「人々のデフレマインドを転換して、予想物価上昇率を引き上げる」というのにどういう効果があるのでしょうかと小一時間問い詰めたい。


『今回の 4 月の展望レポートで、2%達成時期は従来の 2017 年前半頃から、2017 年度中に確かに後ずれしましたが、企業収益から雇用者所得への波及も維持されており、賃金の上昇を伴いつつ、物価上昇率が緩やかに高まっていくというメカニズムは着実に作用していると考えています。そうしたもとで、先行き、物価の基調は着実に高まって、消費者物価指数の前年比は「物価安定の目標」の 2%に向けて上昇率を高めていくと予想しています。』

でも毎回のように達成時期が先送りされていますよね。

『もう少し私なりに整理をして申し上げますと、日本では、長いデフレのもとで、予想物価上昇率はゼロ%付近でアンカーされていたと思います。2013 年1月に 2%の「物価安定の目標」を導入して、その達成のために、同年 4 月に「量的・質的金融緩和」による大規模な緩和に踏み切った訳ですが、「物価安定の目標」を達成するためには、ゼロ%でアンカーされていた日本の予想物価上昇率のアンカーを一旦外す――ディアンカーといっていますが――ことで 2%に引き上げていくことが必要になると思っています。これは、予想物価上昇率が 2%にアンカーされている米国などに比べ、難度の高い作業です。アンカーを外すためには、その分強い起動力が必要となりますが、その装置の 1 つが、「2 年程度の期間を念頭にできるだけ早期に」という「物価安定の目標」に対する強いコミットメントだったと私としては整理しています。』

問題はそのコミットメントがいつまでも達成できない上に、そもそも足元でこそ物価があまり強く無いので消費が戻って来ていますが、物価が強かった時に消費増税の駆け込みを除けば実際にそんなに消費は強くなかった訳で、消費増税の駆け込み部分(ついでに財政もあったし)を捕まえて効いた効いたと宣伝していたけれども、実際には物価だけホイホイ上がっても良い事無いという認識もまた広まってしまったのではないでしょうかねえ。

『現在、「量的・質的金融緩和」の政策効果で、ゼロ%でのアンカーが外れて、予想物価上昇率がゼロ%から 2%に向け移行する過程であると思います。』

また戻るかも知れないけどな、というか短期的に2%じゃなくても良いんじゃないでしょうかねえ。

『確かに、「量的・質的金融緩和」導入後、既に 3 年が経過しており、2 年を超えている訳ですが、そうした遅れは極力短くして、できるだけ早期に「物価安定の目標」を達成する、そういう政策意図をはっきりと伝えていく上での物差し、つまりベンチマークとしてこの表現を温存していると私は考えています。(後半割愛)』

だったらローリングターゲットで問題ないと思うのですが・・・・・・・・・・・・


・今更ここまで来て市場機能とか言われましてもですが妙に味わいがある回答が

『(問) 国債市場への影響について重ねてお伺いしたいのですが、本日の講演でも国債市場への影響に言及していて、これは問題意識の表れだと思うのですが、中曽副総裁が、一番、何を懸念されているのか、もう少し詳しく教えて下さい。本年入り後、流動性の低下を示す指標もみられるということで、今後、国債市場でどのようになっていくことを一番恐れているのか、それと、三菱東京UFJ銀行がプライマリー・ディーラーの資格を返上することを検討するなど、こうした動きが他の金融機関にも広がった場合、どのようなことを懸念しているのか、教えて下さい。』

微妙に焦点が良く分からん質問で、後半の設例が余計なのでは????

『(答) 国債市場については、繰り返しになりますが、本日の講演の中で私が問題意識を持っている部分は尽くされているかと思いますが、要すれば、市場機能というのは、本来、市場参加者の経済成長率の見通しや、物価観を反映する、それが表れている鏡です。それをみながら政策運営を行っていくのが本来の姿と思っていますが、ご案内のように、国債市場で大量の国債買入れを続けていますので、ある程度、国債市場の流動性機能は影響を受けており、その影響の度合いをよくみていく必要があると思っているのは、今申し上げたような意味での、市場機能――市場流動性を通じた市場機能の維持――が大事だと認識しているためです。』

どこかで分けようと思ったらここまで一文orzというのは兎も角として、この「市場機能」の話をしながら買入で市場機能を圧殺していると言いながら、また市場機能が大事という、と一つの話の中でドテンを2回している印象で、まあ一応黒魔術師に魂を売ったもののまだ売り切れていないというのは何となく把握した。

『さらに言えば、2 点目とも関連しますが、国債の安定消化に関する影響度が懸念されているということだと思いますが、この点、国債発行・入札については、政府において国債市場の動向を注視しつつ、国債の安定的な消化が確保されるよう、適切に対応されるものと考えています。それを申し上げた上で、国債市場については、経済・金融情勢を市場が適切に反映して、そこで形成される金利を通じた規律が働くよう、市場機能を維持し、改善していくことが必要だと思っています。』

とまた市場機能を維持とか発言しているので黒魔術師に成りきれていないのかも知らんが、心情は理解しないこともないがこういう政策を全然止めようとしないので全く持って同情には値しないし、置物などと比較したら一番期待外れだわという風に思っておりますな。


#うーむ悪態大会だけで時間が終わってしまった
 


お題「市場関連雑談メモ/中曽副総裁の金懇挨拶はわざとやってるのかというようなツッコミどころがががが」   2016/06/10(金)08:08:15  
  なるほど。
[外部リンク] 損保、積み立て型の販売停止 マイナス金利で運用困難
2016/6/10 2:00日本経済新聞 電子版

『損害保険大手が相次ぎ積み立て型の商品の販売を停止する。東京海上日動火災保険は大手で初めて積立傷害保険の販売を10月に取りやめるほか、三井住友海上火災保険も2017年4月からマンション管理組合向けを除き積立火災保険の販売を停止する。日銀のマイナス金利政策で顧客から預かった保険料の運用が難しくなったためだ。生損保の商品にマイナス金利の余波が広がっている。』(上記URL先より)


○マクロ残高掛け目キタコレとか入札関連とか

・3M入札は穏当でしたな

[外部リンク] (3)募入最低価格 100円06銭2厘5毛(募入最高利回り)(-0.2505%)
(4)募入最低価格における案分比率 65.8362%
(5)募入平均価格 100円06銭5厘6毛(募入平均利回り)(-0.2629%)

つーことで前回が▲0.2661%/▲0.2545%でして、3M前回債の前日引けが▲0.249%とかなのでまず穏当な結果となりまして、売買参考統計値を見ましても▲0.266%が引け(平均値単利)となっていますので、まあ最近は特にこう3Mでヒャッハーと盛り上がることもなく(まあ今月はそもそも短国買入の量が少なめになるので日銀トレードヒャッハーとかやりにくいのもありますけれども)穏当に推移ですし、昨日入札の水準は低かった(と言っても事前に盛り上げ過ぎた影響のようでして盛り上がり程の結果では無かったという感じのようですが)6Mについても売買参考統計値見ると▲0.378%となっていますので、昨日の平均落札から見ると2bpちょっと進んでいますが、何かこうゼロ金利近辺でやっていた時だとこの2bpデカスという感じで見るのですが、こういう人外魔境レートになってしまうと感覚が麻痺してしまってああ2bpですかそうですかとなりますな(大汗)。

とは申しましてもこれだと今日の短国買入はカレント6Mで入るのでしょうなという感じで、レート水準が人外魔境ですけれども6mの2bpですからそれはそれで利鞘ありますからねえという所ですな。


・5Y入札

入札
[外部リンク] (1)応募額 10兆1,742億円
(2)募入決定額 2兆1,812億円
(3)募入最低価格 101円67銭(募入最高利回り)(-0.230%)
(4)募入最低価格における案分比率 36.9110%
(5)募入平均価格 101円68銭(募入平均利回り)(-0.232%)

第業鷁然
[外部リンク] 6.募入決定額 1,787億円

という結果でしたが、

[外部リンク] Markets | 2016年 06月 9日 14:03 JST
〔マーケットアイ〕金利:5年債入札の市場推計、三菱UFJMS証が応札制限上限

『<14:01> 5年債入札の市場推計、三菱UFJMS証が応札制限上限

市場関係者の推計によると、5年利付国債入札で三菱UFJモルガン・スタンレー証券が1兆2000億円を落札した。発行額の半分に相当する額で応札制限の上限になる。市場では「国債市場へのコミットメントを示したのではないか」(証券)との見方が出ていた。』(上記URL先より)

というのがちと話題になっていましたのでメモメモ。まーしかし利下げでもないと間尺に合わない水準とは言え、日銀がせっせと購入してくれますし、利下げがなかったら間尺に合わないというのを逆に考えれば間違って利下げがあった時のヘッジみたいな気持ちも入れながら残高調整とかデュレーション調整するならというのもあるでしょうし・・・・・・・・・・・・・


・マクロ加算残高掛け目キタコレ

[外部リンク] 日本銀行当座預金のマクロ加算残高にかかる基準比率の見直しについて

『日本銀行は、日本銀行当座預金のうち、ゼロ金利が適用されるマクロ加算残高の算出に用いる基準比率(「補完当座預金制度基本要領」4.(3)イ.に定める基準比率)について、次のとおり定めることとしました。

2016 年 6 月〜8 月積み期間:7.5%(注)

これにより、日本銀行当座預金のうち、マイナス金利が適用される政策金利残高(金融機関間で裁定取引が行われたと仮定した金額)は、上記3積み期間において、平均して概ね 10 兆円台となる見込みです。

次回は、2016 年 9 月〜11 月積み期間に適用する基準比率を 9 月 9 日 17 時に公表する予定です。


ということですが、毎度のこいつ
[外部リンク] 業態別の日銀当座預金残高(4月)

を見ますと、4月積み期間(4/16-5/15)の平残ベースで

当座預金残高:2,758,300億円
プラス金利残高:2,093,680億円
ゼロ金利残高:452,320億円
マイナス金利残高:212,300億円

となっていまして、基礎残高が概ね220兆円なので掛け目が2.5%→7.5%になるとマクロ加算残高が11兆円増える計算になりますな。

・・・・・・となると上記の「平均して概ね 10 兆円台となる見込み」とはナンジャラホイという疑問もありそうですが、これ良く見ますとその前に(金融機関間で裁定取引が行われたと仮定した金額)というのがありまして、4月積み期間で言いますと、個別参加者がプラス金利残高とゼロ金利残高の枠を全部使った場合にどうなるかという数字がカッコ書きにありまして、その残高が

プラス金利残高:2,111,110億円
ゼロ金利残高:452,320億円

となっていますので、個別参加者が全員プラス金利残高とゼロ金利残高をフルに使った場合にはマイナス金利残高は12.2兆円になりますと。でもってマクロ加算が今回11兆円増えていて、3か月で20兆円程度当座預金残高が増えるという計算ですから、平均のマイナス金利残高が10兆円程度とかそういう計算なんでしょうな(ざっくりにも程がある計算ですが)。

・・・・・・・・・とは言いましても、そもそも実際のマイナス金利残高は4月積み期間平残で21兆円ある訳でして、金融機関の間での偏在というのが厳然として存在する(コール市場残高とか見るとその偏在は摩擦的な部分でこれ以上減らないんじゃネーノかと思う)訳で、これからマクロ加算が増えると言いましても、20日には国債の償還が待ち構えていまして、マクロ加算が増えるのに対して国債償還と来ると、まあ常識的に考えると目先では個別行ベースで見た場合の偏在が拡大するようにも見えますので、何か掛け目足りないような気がせんでもないのですが、まあ個別行の計数とかは日銀の方が把握しているので、これで大丈夫ってお話なんだからそうなんですかねえ。よー知らんけど。

#なおもうちょっとゴリゴリ計算するともうちょっと読めるのかも知らんが今日はこんなざっくりで勘弁


○中曽副総裁の秋田金懇はわざとツッコミの余地を作っているのではないかと思いたくなる仕上がり

ということで来ました。
[外部リンク] 最近の金融経済情勢と金融政策運営
── 秋田県金融経済懇談会における挨拶 ──

何ちゅうかこう総裁講演とかと比べると気合成分(無理矢理成分ともいうが)がちと足りない感じもしますが、わざわざ突っ込んで下さいと言わんばかりのザルロジックが展開されていて、これはもしや高楼弾琴する諸葛孔明の空城の計と言う奴ではないかと疑いたくなりますが、そのまま空城に突撃するのがドラめもんクオリティ。

・経済情勢の辺りはまあどうでもよいのだが

『2.内外経済の現状と先行き』の辺りは展望レポートとか総裁講演とかの話と同じなので基本的にどうでも良いのですが、

『先行きも、企業収益が高水準で推移するもとで、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」に伴う実質金利の一段の低下効果などもあって、設備投資は、緩やかな増加基調を続けるとみています。』

などとちゃっかりと実質金利低下ガーの話を入れてみたり、、

『しかし、本年入り後、金融市場が不安定な動きとなったことなどを背景に消費者マインドが慎重化したことの影響もあって、一部に弱めの動きもみられています。』

とかマイナス金利のマインドに対する影響を絶対認めないマンとか辺りは毎度のクオリティ。

でもって先行きですけれども、景気の方は割愛して物価について。

『先行き、生鮮食品を除く消費者物価の前年比がどのように推移するかは、短期的には、エネルギー価格の動向や為替レートの影響を受ける輸入物価の動向などにも左右されますが、最も重要な要素は、物価の基調的な動きです。』

ほう。

『その物価の基調は、経済全体としての需給ギャップと中長期的な予想物価上昇率、すなわち、物価の先行きに対する見方によって決まると考えられます。』

ほうほう。

『需給ギャップは、輸出・生産面での鈍さを背景にこのところ横ばい圏内の動きとなっていますが、先行き、基調としては、潜在成長率を上回る成長が続くと予想されることから、本年度後半以降、緩やかにプラス幅を拡大していくと見込まれます。そのもとで、需給面からみた賃金と物価の上昇圧力は、今後、着実に強まっていくと考えています。』

ふーん。

『中長期的な予想物価上昇率については、やや長い目でみれば全体として上昇しているとみられますが、このところ弱含んでいます。(以下言い訳が続くのだが長いので割愛)』

という状態で何であっという間に2%行くのかさっぱり分かりませんな。

ただまあ、

『しかしながら、本年入り後、海外経済の不透明感が強まり、国際金融資本市場が不安定な動きとなったことが、労使双方のマインドに影響したこともあって、今年の春闘のベースアップの幅は大企業を中心に昨年を幾分下回りました。こうした春闘の結果を受けて、本年度の企業の価格改定の動きがどのように進んでいくか、予断を持つことなく点検していく必要があると考えています。』

「国際金融資本市場が不安定な動きとなったことが、労使双方のマインドに影響した」ってナンジャソラという言い訳になっていますが、まあ賃金と価格設定行動が振るわないですなあというのはさすがに言及せざるを得ません罠。


・金融政策の説明もまあいつも通り

でもって金融政策の説明部分は毎度の執行部理論が展開されるので引用するのも重複だから割愛しますけれども、「できるだけ早期に(2年とは言っていない)」の話は一応していまして、

『誤解のないように申し上げると、日本銀行が2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するというコミットメントにはいささかの変化もありません。』

はあそうですか。

『日本銀行が2%の早期実現にコミットすることで、人々のデフレマインドを転換し、予想物価上昇率を引き上げることは、デフレ脱却という目的そのものであると同時に、「量的・質的金融緩和」および「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の政策効果の起点であるからです。そのもとで、企業や家計の物価観は大きく変化してきました。』

と言っていますが、結局先ほどの所でありましたように、そのインフレ期待が2%になっているどころか足元では弱含みになっていまして、早期実現にコミットしてもその成果が出ないのであれば、コミットメントの効果って徐々に弱まるし、いずれはコミットメント自体への疑問が高まるんじゃないの(というかもう高まっているという気がだいぶするが)と思いますがねえ。

『4月の金融政策決定会合の時点では、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の政策効果の浸透度合いを見極めることが適当と考えましたが、このことは、必要な場合に、追加的な金融緩和措置を決定することを排除するものではありません。わが国の経済・物価見通しについては、世界経済の不透明感や不安定な金融市場など、下振れリスクが引き続き大きいと考えています。従って、今後、毎回の金融政策決定会合においてこうしたリスクを点検し、「物価安定の目標」の実現のために必要と判断した場合には、「量」・「質」・「金利」の3つの次元で、追加的な緩和措置を講じていく方針です。』

限界論言われるから意地になって言っているのですが、そもそも「こんな強力な政策をしているのだからもう楽勝で達成ですよガハハハハ」とやっておいた方が人々に物価目標達成への安心感を与えるんじゃないですかねえと思うんですけど、もうコミュニケーショングダグダでございますな。まあここの話は今に始まった話ではないが。


・言い訳コーナーが空城の計にも程がある件について

でもって『(「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」が目指すもの)』が空城の計にも程があるのですよ。

『以上が日本銀行としての基本的な考え方ですが、マイナス金利政策については、批判的な意見も少なくありません。色々な意見がありますが、ここでは2点お話したいと思います。』

ということで、最初が『1つめは、「マイナス金利政策のメリットを感じにくい」という声が多く聞かれることについてです。』となっているのですが、金利が低くて利息がどうのこうのとかそういう話はどうでも良くて、これはまた酷いというのがここの部分。

『そのうえで、ご理解頂きたいのは、金融政策の効果は、金融取引に伴って直接的に生じる損益だけではないということです。金融緩和とは、景気に中立的な金利の水準と比べて実際の金利を低くし、企業や家計の経済活動を刺激することで、需要を増加させ、ひいては物価を上昇させる政策です。』

そら来た。

『具体的にいうと、例えば、企業の資金調達コストが低下すれば、従来では採算に合わなかった事業やプロジェクトも行われるようになります。そうすれば、企業の設備投資が拡大し、また、雇用の増加や賃金の上昇にもつながります。』

・・・・・( ゜д゜)
・・・・・(つд⊂)コ゛シコ゛シ
・・・・・(;゜д゜)

えーっとすいません、超低金利を前提にしないと採算が出ないような事業への投資がバンバン出るというのは将来の過剰設備を積み上げているだけの話であって、将来において過剰の調整が起こって長い目で見たデフレ要因になりますし、資源配分の非効率を拡大するのですから経済の潜在的な成長を引き上げるような話ではないでしょうか????というか先週佐藤審議委員が釧路金懇で思いっきり「超低金利を前提にした投資が積みあがるのは良くない」と懸念をしめしていましたと思いますが・・・・・・・・・・・・

『この点、「量的・質的金融緩和」および「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」のもとで、企業の資金調達コストは、事業やプロジェクトからの予想収益率を大きく下回っています。』

という話をしているのですが・・・・・・・・・・・

『法人企業統計でみた企業の収益率(ROA)は4%程度であるのに対し、企業の資金調達コストである平均支払金利は1%程度となっており、その差は、過去に例のないレベルまで拡大しています(図表6)。これは、単純にいえば、今お金を借りて事業を行えば、企業は、借入金利を大きく上回る利益を得ることができるということです。』

ここがまた孔明の高楼弾琴キタコレなのですが、ROAって結果の話であって、その前段で話をしている「予想収益率」じゃないんですけど大丈夫ですかオッサンという所でありますし、更に申し上げますと図表6を見ればそもそもROA>金利という状態は2000年代に入るか入らないか以降、リーマンショックの時期を除きずーっと継続している訳でして、今までそういう状態になっていて設備がそんなに出ていないという状態が続いているのに、何でこれから出てくるという理論になるのか全く理解ができない。

『こうしたきわめて緩和した金融環境は、企業の新たな事業やプロジェクトに対する投資を促します。企業が投資を拡大すれば、雇用の増加や賃金の上昇という形で、そのメリットは家計にも波及していくことになります。このように、金融政策の効果は、経済全体に影響を与えるものですので、そのメリットも経済全体という視点で考える必要があります。』

ということで、もはや風が吹けば桶屋が儲かる理論になっておりますが、まあ孔明の罠なのかも知れませんが突っ込んでみる訳ですよ。


でもってその後「物価だけを無理に上げるのではない」という話があるのですがそこは時間の関係で(すいません)パスしまして更に酷いのがその次の『(国債市場への影響)』という所にあるのでそちらに突撃。

『国債市場は、本来、市場参加者の経済成長率見通しや物価観を映し出す鏡です。過去に例のない大規模な金融緩和によって国債市場が大きな影響を受けることは間違いありませんので、そうした鏡が曇ることのないよう、国債市場の流動性や機能度がどのように変化するかという点については、引き続き、注意深く点検していきたいと考えています。』

・・・・・( ゜д゜)
・・・・・(つд⊂)コ゛シコ゛シ
・・・・・(;゜д゜)

>そうした鏡が曇ることのないよう
>そうした鏡が曇ることのないよう
>そうした鏡が曇ることのないよう

それはひょっとしてギャグで言っているのか?????????

・・・・・・・という以上の言葉は無いのですが、(引用割愛していますが)イールドカーブに強力に働きかけて金利がこれだけ下がりました(ト゛ヤァ)って金融政策の効果(それは効果ではなくて手段だろと思うが)を前の方で強調している訳で、金利市場の価格形成に強力に介入したのが政策効果なのに鏡が曇るとかお前は何を言っているんだと小一時間問い詰めたいし、鏡なんぞとっくに粉々に割れてもう無いわヴォケという所なので、せめてそういう状態であることを踏まえつつ「市場の価格発見機能を弱めている事は認識していますが、それよりも金利を下げることによる政策効果が大事なのでやっています」位の説明をすれば良いものを、わざわざ「鏡が曇ることのないよう」とか金利市場全員の神経を逆なでするような言い回しをするセンスというのが全く持って理解できないし、大丈夫かとだけ申し上げておきましょう。

ということでもうちょっと孔明の罠があった気がしますが会見ネタが月曜に投下できると思いますから続きがあったら追加します。
 

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