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今朝のドラめもん(金融政策ウォッチ)

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お題「本日は原田大先生の講演テキストに盛大にツッコミを入れるという不毛な超大作になりましたorz」   2017/06/30(金)08:12:41  
  下にありますように今朝はツッコミどころの多い講演のツッコミを夜なべして作っていた物件の推敲をしてたのですが、さて市況確認しようとみたらロイター(ネット版)のニュースランキングの1位にこんなのが。

[外部リンク] | 2017年 06月 29日 21:07 JST
原田日銀委員、ヒトラーが「正しい財政・金融政策」 悲劇起きた

どういう文脈なのか分からん、というのは以下にありますように講演のテキストにはそんな話が無かったのでアドリブで話をしたのか質疑応答で話をしたのか分からんのと、記事だけ見ても文脈がよくわからんのですが、こういう切り取られ方をされるリスクというのを考えて政策当局者は例え話するにしたって言葉を選んで発言する方がよろしいのではないか(市中のチンピラコメンテーターがコメントするのとは全然意味が違う)と思うのですが、まあ講演の出来がお察しの通りという状況ですからねえ。

・・・・と思ったのだが、もしかしたら講演テキストの出来が悪すぎてツッコミどころが満載なので、講演テキストへのツッコミを回避する為にデコイを置いて・・・・(んなこたあ無い)。


○その前に欧米金利が上がっているようなのでメモだけ置いておく

そもそも市況確認のためにロイターとかモーサテチェックしているので。

[外部リンク] | 2017年 06月 30日 06:08 JST
UPDATE 1-米金融・債券市場=10年債利回り6週間ぶり高水準、欧州で緩和策後退との見方

『米金融・債券市場では欧州の中央銀行が緩和的な政策を後退させる公算が大きいとの見方から米10年債利回りが一時約6週間ぶりの水準に上昇した。ただその後は米株価が軟調となったことで国債利回りは上げ幅を縮小した。』(上記URL先より)

「6週間ぶりの水準に上昇」とか言っても10年2.3%にも届いてないのですけれども、まあとりあえず出口ネタを欧州が打ち込んで来たら何かつられましたということなのか、それとも景気改善ネタなのかは知らん。

まー欧州に関してはどちらかというと「米国の正常化サイクルが頓挫しちゃうとこっちも正常化着手ができなくなるし、大体からして追加緩和の余地が無くなっているんだから景気サイクル的に下向きになりだす前に何か対応余地作っておかないと」という感じになっているんじゃないのかなあという気はややするのよ。金融政策当局って「全部弾を撃ってしまってもう丸腰」ってのは兎に角回避しようとする、というのが行動パターンなので・・・・・・・・・・・

と思ったのですがどうでしょうかね。いやもちろん糊代だけの話じゃないかも知れませんけど。


以下、不毛な超大作なのですが、本当の本当に政策的な意味が皆無なので、ただのエンターテイメントとしてご鑑賞いただきたいですし、皆様の貴重な時間を無駄にするのもアレなのでお暇な時に・・・・・・・・


○ということで例によって政策的な意味は無いが色々と突っ込んでみたのですが

[外部リンク] 他にも関連して、金融緩和をしても何も起きないが、あるとき、いきなり、金融の大混乱が起きるという議論がある。これらの議論のうち、債券市場と金融政策に多少とも関係があるものとして1)金融緩和をしても資産価格がバブル的に上がるだけで、実体経済が改善することはない、2)日銀の国債購入が財政ファイナンスと受け取られると通貨の信認を危うくする、3)同じく、中央銀行が政府の発行する国債を購入することが、財政規律を弱める、4)必要な時に金融を引き締めようとすると物価、生産、金利に大きなショックを与える、5)量的緩和の出口で金利が上昇し、債券価格が下落し、中央銀行のバランスシートが毀損して通貨の信認が失われるなどの議論がある。これらの議論が誤りであることは原田泰・片岡剛士・吉松崇『アベノミクスは進化する―金融岩石理論を問う』(中央経済社、2017年)で示しているので本稿では議論しない。』

ということですが、この話って先般の岐阜金懇でお話をしていたことだと思うのですが、まるで説明になっていないという事実につきましては先般一々ツッコミをいれさせて頂きましたとおりでございます。


・全般に渡って凄いのだが最初のは特に頭がクラクラします

最初の論点が『1.金融緩和政策は債券市場の価格発見機能を阻害するのか? 』(ちなみにジンバブエ大先生の講演テキストのPDF版って何だか知らないけど訳分からないスペースが所々に入るので、HTMLバージョンが無いと引用するときに困るという仕様になっていまして、こうやってHTML版があると大変に助かります)というのですが、こちらは論旨の矛盾とか論旨の混同とか事実説明が無茶苦茶とか色々と凄いのですよ。まあ鑑賞してみましょう。

『債券市場の多数の参加者が市場に参加して活発な売買を行うことによって債券の正しい価格はおのずから発見される。ところが、現在行っているように、日銀が国債を大量に買入れていると、市場は正しい価格を発見できないという議論がある2。』

ということで脚注2で横山昭雄さんの著書が批判的に引用されているのですが、こういうお方に批判的に引用されるということは横山さんの主張の正当性を示す、という事でもございますので、まさに金鵄勲章おめでとうございますという風情ですが。

『しかし、正しい価格とはなんだろうか。』

えーっと、「債券市場の多数の参加者が市場に参加して活発な売買を行うことによって発見される価格」って今仰せになったと思いますが。

『債券市場ではなく、例えば、コメの価格であれば、国がコメを買うことは価格を歪め、市場の価格発見機能を阻害することは明らかである。』

えーっとすいません、食糧管理制度(ちなみに食糧管理法は廃止されていわゆる食糧法(主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律)になっています)はそもそもが食糧の需給と価格を統制するために行われたものなので市場の価格発見機能とかいう話に持ち出す例として不適切なのですけど・・・・・・・・・・

『正しい価格は市場で決定される価格であり、国がコメを買い入れれば人為的に価格が吊り上げられ、価格は歪む。』

いやだから元来の趣旨からいえば公定価格が「正しい価格」になるんですが、という意味でそもそも需給と価格を政策的に統制していたものを持ち出して比較するのが話がおかしいのですが、まあこの部分はあとでブーメランのように突き刺さって来るので暫くおつきあい賜りたい。

『その結果、コメの販売量は減少し、政府にはコメの在庫が積み上がる。この在庫を売れば米価は下がるが、そもそも米価を上げるためにコメを購入したのだから、在庫は売却するのではなく始末する(捨ててしまう)しかないだろう。これが価格を歪めており、無駄でもあることは明らかである3。』

って食糧管理制度くらいジンバブエ先生のお歳だったら(なお当駄文の中の人は辛うじて米穀通帳を見たことがあったかな程度には年寄りですけど)知ってるだろと思うのだが、この脚注に

『3実際に行われている日本政府のコメ市場への介入は複雑なものだが、政府の介入と市場の関係を議論するために実際の制度を説明する必要はないだろう。』

ってあるのだが、実際の制度と全然違う話してどうするんだよとしか申し上げようがないのですが・・・・・・

『しかし、債券市場で価格が歪むとはどういうことだろうか。』

と来ましたが、ここで先にツッコミを入れて置きますと、この超乱暴な説明も中々良い所がありまして(^^)、

「その結果、国債の販売量は減少し、日銀には国債の在庫が積み上がる。この在庫を売れば国債価格は下がるが、そもそも国債価格を上げるために国債を購入したのだから、在庫は売却するのではなく始末する(償還まで保有する)しかないだろう。これが価格を歪めており、無駄でもあることは明らかである3。」

・・・・・とコメを国債、米価を国債価格と言い換えて、在庫の始末というのは要は売らないで持ち切るということですから、償還まで保有する、と言い換えてしまうとあら不思議。ジンバブエ大先生自らがきちんと今の日銀による国債購入について「価格を歪めており、無駄でもあることは明らかである」と説明しているという大変に素敵な話になっているのですな。いやはや何とも。


つーところで話を終わりにしても良いのですが、せっかく大冗談もとい大上段に『しかし、債券市場で価格が歪むとはどういうことだろうか。』とドヤ顔で話をして頂いているので、その先を鑑賞しようではあーりませんか。


『債券が社債であれば、発行企業の信用度によって金利が異なる。異なる金利が信用度の違いを反映した正しい価格ということになる。』

ほほう。

『国債であっても、さまざまな国の国債であれば、国の信用度によって金利が異なる(各国ごとの通貨の違い、インフレ率の違いを無視できる、同一通貨建ての国債であれば、金利の違いは主として国の信用度の違いとなるだろう)。財政的に厳しい状況にある南欧の国の国債金利は高く、財政が健全なドイツの国債金利は低い。これは異なる金利が国の信用度の違いを反映した正しい価格ということになる。』

ほほう。

『ここで、中央銀行が、特定の会社の社債、特定の国の国債を買い入れれば、信用度の違いから生じる金利の違いを歪めて、債券の正しい価格を発見する債券市場の機能を歪めることになる4。』

なるほど。だったら社債とCPとETFの買入に反対した方がよいんじゃないでしょうかねえ、と思いますが敢えてそこはスルーしておきましょう。

『しかし、現在、批判者が問題としているのは、中央銀行が自国政府発行の国債を購入する場合である。この時、正しい価格とは何であり、中央銀行が自国の国債を購入することが、どのような意味で価格を歪ませることになるのだろうか。』

ほほー。

『そもそも、国債市場は政府が国債を発行することによって初めて市場が生まれる。その意味では、国債市場は本来的に人為的なものである。』

????????????いやあのそれは農産品だって天然資源だって同じだと思いますが。

・・・・というのもありますが、おそらくジンバブエ大先生って国債以外の金利が長期金利の指標金利だった事があるとか、そういう金利やっている人の基礎的な知識(円債やっているのに加入者利付電電債流通利回りという言葉を知らない人間は今すぐ部内の古老に話を聞きに行くように)でありますし、大体からして金利の市場ってのは国債が無くても別に成立しうるんですけど、という時点で何か理解の根本的な欠如というものを感じさせてくれます。

まあそれは兎も角として次。

『日本銀行が国債を購入しないとすると、国債を発行する政府とそれを何らかの理由があって購入する金融機関を中心とする投資家の需要と供給によって国債の価格が決まる。』

そうですね。

『ここで日銀が国債を購入すれば、通常は、国債価格は上昇し、金利は下がる5。日銀が購入するとは、日銀の発行するマネー、マネタリーベースで購入するわけだから、ここで物価に上昇圧力をかけるはずである。すなわち、日銀は、デフレからの脱却を目指して、金利を下げ、経済を活性化し、物価を上げるために購入したのである。』

まず最初に言っておくとそれがまさにさっきのコメの買入と同じことを言っているのですから、それは「価格を歪めており」なのですから、お前は何を言っているんだという話なのですが、ここから先「金利」と「マネー」の話がゴチャゴチャになっていて言っている本人の頭の中が整理されていないのかオガクズで出来ているのか良く分かりませんが、言っていることが支離滅裂になってきます。

『現状で金利が非常に低い状況にあるので、このことが分かりにくくなっているが、90年代初までの状況であれば、分かりやすいだろう。』

ほほう。

『当時、短期金利は8%程度であった。この状況で日本銀行がマネタリーベースを拡大して短期国債を購入すれば金利が低下する。もちろん、当時はマネタリーベースの増減ではなくて短期金利の上げ下げで金融政策を行っていたわけだが、金利を下げればマネタリーベースの需要が拡大し、マネタリーベースも増大した6。』

短期金利の上げ下げで金融政策を行っているのでしたら、短期国債買って金利を下げてしまったら金融政策の目標である短期金利が下がってしまうので、金融政策の運営として間違った手段を取ることになるんですけれども大丈夫でしょうか先生。

それからですね、金利の上げ下げに関して言えば、インターバンク市場の資金需給に関しては中央銀行が基本的に支配権を持っている(インターバンク以外の参加者の資金規模が無視しえないほど巨大な場合は完全には支配できないケースもありますが)のであって、その為に銀行間翌日物金利に関しては(余程の信用危機のような事があってインターバンク市場そのものが機能不全にならない限り)中央銀行が誘導することが可能であり、それをインターバンク市場の参加者が理解しているが故に、インターバンク市場の翌日物金利を政策金利としているのであれば、政策金利の上げ下げを宣言すれば別にマネタリーベースをその前後で大きく動かさなくても金利はジャンプするんですよね。

確かに金利の上げ下げを行えば事後的にはマネタリーベースやマネーサプライにも影響出てくる筈ですが、それは金利の上げ下げによって実体経済に変化が起き、その結果マネーの需給関係が変化するためであって、中央銀行が短期市場金利の上げ下げで金融政策を実施しているのであれば、マネタリーベースの増減と政策金利の上げ下げに関しては中長期的には兎も角短期的にリニアな関係がある訳ではありません。

『債券を売却した金融機関は、金利の付かないマネーを得る。金利の付かないマネーを持っていても仕方がないので、金融機関はそのお金を貸し出す。』

はい残念。貸出というのは別に日銀当座預金の増減とは関係なく増やしたり減らしたりできます。他の金融機関に貸し出せば自分の所の日銀当座預金は減りますのでもしかしたらそういう話をしているのかも知れませんね、と思って次を読みますと案の定、

『8%の金利では貸出が増えないが、金利を下げれば貸出が増える。貸し出されたお金で人々は何かを購入する。』

って貸出が増えるという話をしていますし、人々は何かを購入するとか言ってるので、どこからどう見ても銀行融資が増えるという話をしているようですが、銀行融資というのは銀行の中での両建てが増えるだけの話で、日銀当座預金とは関係なく増えるものです。

しかも頭がクラクラしてくるのですが、「金利を下げれば貸出が増える。貸し出されたお金で人々は何かを購入する。」って言ってるんですが、金利を下げることによって投資の採算ポイントが改善するから投資が促進される、とかいう話ならまだしも「人々は何かを購入する」ってお前は何を言ってるんだとしか申し上げようがない。

『需要が増えるので、需給ギャップがあれば実質生産が増えるが、ギャップが縮小するにつれて物価は上昇していく。物価が上がりすぎてはいけないので、2%程度で収まるように日銀は債券の購入量を調節する。』

まあそもそも論として短期市場金利の誘導目標の上げ下げと債券購入量が別物なのですけれども、さっきまでは金利の話をしていたのに急にここで債券の購入量を調節とか話が変わっているのですけれども、そもそも中央銀行がどうやって金利誘導を行っているのかも分からないで中央銀行の政策委員をやっているとか頭が痛いというよりも何でこんなの選んだのかと言いたいし、こんなアホウを野に放たないでちゃんと幽閉して置けよD和S研(特定の機関を念頭に置いてはおりません^^)と言いたくなりますがまあそれは兎も角。

『中央銀行が国債市場を含む金融市場において債券を売買するのは、それによって需給ギャップと物価を適切な状況にするためである7。』

だったら最初から金利統制でもしておけばとは思いますが。

『日銀が国債を購入するのは、この意味での国債市場の機能をうまく働かせるためである。』

???????????

『日銀の国債購入が国債市場の機能を歪ませるという論者は、この意味での国債市場の機能を理解できていない。国債市場は、コメや野菜や魚の市場とは異なり、中央銀行が、経済全般の需要と供給に働きかけるための市場なのである。』

とまあここまで読んで、というか実は3回くらい読んだところまでは気が付かなかったのですが、こうやってじっくりと悪態(なおジンバブエ大先生へのツッコミに関しては不肖このアタクシもさすがに無意味に大作になるので、前日にじっくりと時間を掛けてやらないと無理ということで、実はこれ前日に夜なべしてせっせと書いて翌朝に読み直して一部いじっているのよ。何せ大先生の文章は論旨不明なので読むのも大変で寝起きとか到底無理なのよん)を書いているうちに気が付きましたのですが・・・・・・・・・

どうもこの先生、市場で決まるべき長期金利の話と、中央銀行が金融政策のために金利誘導を行って明示的に決定してそうなるように市場を誘導する短期金利の話を混同して話をしているんだ、とここで気が付いた訳です。わざとなのか素で分かっていないのかは存じませんが、素でやっているならただの馬鹿で、わざとやっているなら詭弁なのですけれどもね。

すなわち、政策金利としてオーバーナイト金利を誘導することについては別にそれを「市場を歪める」という人がいる訳もないのですが、それ以降の金利に関しては、市場で価格形成をする、という事であれば、その金利というのは市場参加者によって将来の政策金利期待(およびその基となる将来の経済物価情勢への期待)やリスクプレミアム(タームプレミアムや財政リスクプレミアム)を踏まえて自由に価格形成が行われる、というのが「正しい価格」という事になる筈であるが、今の日銀の国債馬鹿買入は明らかにその価格形成をゆがめるから問題だ、という論点での批判が来ているのに対して、ジンバブエ先生におかれましては、その長期金利の話と政策金利の話を意図的か意図的じゃないか知りませんが混同させて、「中央銀行が金融政策として金利の上げ下げをするのを捕まえて「市場の価格発見機能を阻害する」というのは間違い」と言ってはい論破、という結論を導き出しているのですな。


・・・・・・てのに気が付くのに不肖このアタクシでも4回ほど読んで気が付く、ということですから、まあこの先生相手の批判に対して、その批判の一部を改変して自分に都合の良い批判に置き換えてから反論する、という詭弁の手法については非常に長けている(置物リフレ一派の話ってこの手の詭弁のガイドラインの展覧会みたいな話なのよ)訳で、これ全然反論になっていないのですが、まあとにかく最初のこの部分が一番ひどいわと思ったのでかく長くツッコミ大会になってしまいました。

そういや余談で脚注5の所に戻りますけど、

『5クレディ・スイス証券の白川浩道氏は、日銀の国債の大量買入れによって金利が歪み、「長期金利は本来の水準から約1%押し下げられている」と言っているが(「日銀の国債保有4割超す」日本経済新聞、2017年2月9日朝刊)、日銀はデフレ脱却のために意図して金利を引き下げているのである。』

って「意図して金利を引き下げている」んだったらジンバブエ先生自分で出しているさっきの(全然実態と違う無茶苦茶な)コメの介入と同じなのですから、それは「価格を歪めている」のですがという所ですが、大先生から批判的に材料にされたということで白川浩道さんも金鵄勲章受賞おめでとうございます。


・色々と残念な反論は続く

『2.国債の大量買入れは、金利を低位に押さえつけ、長期的には過度のインフレをもたらすのか?』

というのがこれまた色々とアレ。

『すでに述べたように、日銀の国債買入れは、国債市場に政府と金融機関だけが存在する場合に比べれば、金利を低下させる。しかし、デフレで日本経済の力が発揮できない状況にあるので、そこから離脱するためにインフレを引き起こそうとしている訳である。だが、いくらでも高いインフレ率にする訳ではなく、インフレ率には平均で2%程度という上限がついている。』

って簡単に言い切っていますが、そもそもそれだけの強力な金融緩和をやるならば、本当にそんなに器用に2%程度で止められるのでしょうか??というのに関しては相変わらず出来るの一言で済んでいるのがおめでてえなとしか言いようがないのですがまあそんな話が一席あります。その他も酷いのだが。

『インフレ率が高くなりすぎれば、一般的に、中央銀行は、今度は短期または長期の国債を売ってマネーを吸収しなければならない。国債を売るためには国債を魅力的にしなければならない。そのためには、金利を高くするしかない(国債価格は低下する)。金利が高ければ、金融機関からお金を借りてくれる人は減少する。需要は減少し、物価は低下する。』

ほうほう。ちなみにこれもう少し後の方の話と矛盾する部分があるので覚えておきましょう。

『日本銀行はデフレの時には短期または長期の国債を購入し、インフレの時にはそれを売却する。目的はインフレ率のコントロールである。』

そうじゃなくてあんさんも最初に言っていたように短期市場金利のコントロールしてやって行くんじゃないのかね、とは思いますが、まあ金利を従属変数にしてマネーをいじるというのはボルカーショックみたいな例もあるからやってやれない訳ではないですから(それをやると短期市場金利が安定しないから実務的には扱いが難しい)まあそこは目をつむっておきましょう。

『これに関連して、日本銀行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和は、長期金利を目標として金融政策を行うので、アメリカが1942年から51年にかけて採用していた国債価格支持政策と同じであって、高いインフレをもたらすものだという議論がある。』

ないです、というかこれも詭弁のガイドラインで論点は「長期金利の固定化が問題」なのではなくて、それが長期化した場合に起こる財政従属の弊害なのですがね。

『国債価格支持政策は、長期金利を2.5%以下に固定するもので、その結果、確かにアメリカの消費者物価上昇率は1951年初には9%にまで上昇した8。そこで、FRBと財務省は、1951年3月4日、長期金利上限政策の終了を決定する共同声明(アコード)を公表し、政策運営の目的は金利の上限維持ではなく、物価の安定だとした9。アメリカの経験から、長期金利を固定化すれば過度のインフレをもたらすというのである。』

「長期金利を固定化すれば過度のインフレ」というのは話の途中を飛ばして飛躍させている、という意味で先ほどの批判の一部を改変する詭弁のガイドラインな訳ですな。でもって問題は、長期金利を固定化したことによって財政従属状況が発生してインフレ目標よりも金利固定が一義的に行われるようになり、その結果インフレが高進したという話であって、長期金利を固定したから即過度のインフレになるわけではなくて、長期金利固定政策はインフレになった時にそれを止めようとするときに国債管理政策との絡みで止められなくなるリスクがある、という批判なのですよね。

・・・・・・・ということですから、以下のジンバブエ先生の説明そのものは妥当なのですが、それって批判に対する反論になっていないのですよ。

『しかし、現在の日本の政策においては、2%の物価上昇率目標がついており、物価が上がれば金利を上げて消費者物価上昇率が2%を大きくは超えないようにすることが前提となっている。また、金利を一定にコントロールするのは、常識的に考えてほぼ1月半に1回行われている次回の金融政策決定会合までで、アメリカのように長期に金利を固定することを決めている訳ではない。日本銀行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和政策を、アメリカの国債価格支持政策になぞらえるのは誤りである。アメリカにおいても、1942年当時にも2%の物価上昇率目標が設定され、物価目標が金利目標よりも優先的な目標と位置付けられていれば、インフレの亢進は避けられただろう。』

そらその通りなのですが、当時問題になった原因は国債管理政策との絡みで、肝心のインフレ目標が従属的になってしまったことであり、当時の米国よりも財政状況が悪い日本において、長期金利の低位安定を長期間過度につづけた場合、同様の財政従属状況になるリスクは無いのですか?という問いに対して「インフレ目標を掲げているから大丈夫」というのはナイーブな説明にも程があります。

まあ百無量大数歩譲ってこの論旨を補完して差し上げますと、「2013年に締結した政府と日銀の政策協定により、政府は財政健全化、日銀は2%物価目標、それぞれにコミットしていることを合意している訳だから、過去の米国のような財政従属状況によるインフレ目標の逸脱という事は起きないように担保している」と説明して頂きたい訳ですが、長期金利固定化が国債管理政策に完全にビルトインされた時にこの文書が反故にされるリスクが何故無いのか(政府に関しては結局政治マターですからね)という話をしないといけませんな。



・外貨調達コスト云々の話は意味わからんのだが説明もワケワカラン部分が

次が『3.異常な低金利は邦銀の外貨調達コストを上昇させるのか?』なのですが、そもそもそんな論点で批判している人いるのかよとしか申し上げようがないので中の話は超どうでも良いのです(たぶん外貨調達コストが上昇する要因とかの勉強でもしてその受け売りでもしたくなったんでしょう)が、その最後の方がウケる。

『ドルの調達コストの上昇を云々する以前に、カバー付きの外債投資で平均的に安定して利益が上がる訳がない。日本の金利が低く、海外の金利が高いときに、金利差だけ利益が上がるのであれば、フリーランチがあることになる。フリーランチは存在しないはずだから、金利の差だけ円が上昇し、円で考えた場合には金利差の利益は為替レートの変動で相殺されるはずである(金利平価説)。為替レート変動リスクを避けるために、ヘッジをかければ、そもそも最初から儲かるはずがない。すなわち、異常な低金利は邦銀の外貨調達コストを上昇させるというのは問題設定が間違っている。儲かるはずのないことをしても儲かるはずがないだけである12。』

ちなみに「中央銀行が国債を買うと統合政府の債務が消滅する」というジンバブエも裸足で逃げ出す超理論(と最初は言ってた筈なのですが何時の間にやらジンバブエ原田という拳闘家のような名前になってしまった)もフリーランチ理論なんですけど、「フリーランチは存在しない」とか言い切りながら自分の珍理論がフリーランチじゃないのかという疑問が起きないというのが不思議です。

という話はともかくとして、カバー外債って海外の長短スプレッド取引ただし債券価格が上がったら利食いも出来るけど下がった時は長短金利スプレッドで得られるクッションとの勝負という話なのですけれども、ここの説明の脚注12が腹抱えてワロタ。

『12為替レートの決定には理屈では理解できない様々な謎がある。例えば、安達誠司「第2章 金融政策と円暴落」原田泰・片岡剛士・吉松崇『アベノミクスは進化する―金融岩石理論を問う』(中央経済社、2017年)を参照。』

いやあのカバー為替やってたら為替レートの決定云々ってこの議論と関係ないんですけど・・・・・・・・・


『ではなぜ邦銀は海外の債券に投資して利益が上がると考えているのだろうか。また、現実に利益を上げているようである。』

ヘッジ外債ってジンバブエ先生が門前仲町総研(仮名)にいらっしゃった時にも普通に存在していた取引手法なのですが。

『その理由は2つある。1つは、日本と海外の債券の質である。日本では限られた量しか存在しないが、海外には大量のミドルリスクミドルリターンのさまざまな債券がある。信用リスクを取れば、利益が上がるはずである。』

ヘッジ外債でそんなのやっている変態は普通いません(投信の海外ハイイールドみたいなのはあるけど、ここで論点となっているのは機関投資家のヘッジ外債で、そんなハイイールドとかの個別銘柄の信用リスク判断までしないといけない投資とは別物ですがな。そらまあ個別で信用リスク取っている外債投資もあるけどハイイールドみたいなのに盛大にぶっこんでカバー為替するってのはメインの外債投資ではない)。

『であるなら、為替リスクを取っても利益が上がるはずであるが、』

?????????

えーっとすいません、その前からつなげますと、「信用リスクを取れば、利益が上がるはずである。であるなら、為替リスクを取っても利益が上がるはずであるが、」とあるのですが、何がどうなるとそういう文章の繋がり方になるのか、まったく論理性というものが感じられない。

『これまでの経験上、為替は短期間に十数%も変化する。このようなリスクを銀行が取ることは難しい。しかし、ミドルリスクミドルリターンの信用リスクなら、管理しやすいということである。』

えーっとすいません、信用リスクって飛ぶときは元本すっ飛びますし、信用リスクの管理って債券の個別発行体の財務状況やらキャッシュフロー状況やら業績動向やらガバナンスやら見て行かないといけないですから相場動向見ていくだけの話よりもはるかに大変(大変だからこそそこに超過収益の源泉があるのだが)ですけど何か物凄く勘違いしてるでしょ、というか金融実務全然わかってないなというのがモロに見えてしまいます。

『私は、必要なことは、日本でもミドルリスクミドルリターンのさまざまな債券を開発することではないかと思うのだが。』

ということでこういう現実を知らない妄言を吐かれても困ります。


『第2の理由は、日本と海外のタームプレミアムの違いである。図2に見るように、日本のイールドカーブに比べて、海外ではよりスティープになっている。日本での1年物と10年物の金利差が0.2%でしかないのにドイツ、イギリス、アメリカでは1%程度となっている。したがって、短期で調達して長期で運用すれば鞘が抜ける。しかし、その場合でも裁定が働くわけだから、長期的に鞘が抜けるはずはないと私は思うのだが、現状では鞘が抜けているようだ。これはドルでの期間リスクを取っていることになる。』

いやだからヘッジ外債ってそういうもんなのですが何を自慢げに言ってるんだとしか。


・前提となる話がおかしいという例

とまあこのような不毛なツッコミを延々とやっているアタクシ(夜だと時間があるので結構考えながら書くから更に時間を食う)も大概にアホタレさんですが、ここで落ち着いて見たら不毛な話をどんだけ書いているんだという感じで、おつきあい頂いている奇特な読者の方にも申し訳ないのですが今しばらくおつきあい頂きたく。

『4.大胆な金融緩和政策は国債価格を異常に上昇させ、かつ破裂させるのか?』という所に参ります。

『大胆な金融緩和政策は国債バブルを引き起こすという議論もある。国債価格を上昇させ、かつ低下させる、すなわち、金利を異常に低下させるとともに、あるとき急騰させるというのである。』

ほうほう。

『この事例として、1)バーナンキ・ショック、2)債券版フラッシュ・クラッシュ、3)2016年7月29日の日本の長期金利急騰が挙げられている13。1)のバーナンキ・ショックとは、2013年5月22日に債券の購入ペースを減額する可能性を示唆したことから、長期金利が5月から9月にかけて1.4%ポイントも急騰した事態である。これはなだらかな金利上昇を意図して、急激な金利上昇を招いた事態である。しかし、その後、FRBが緩やかな金利上昇を目指すと、金利の上昇もなだらかとなった。』

『2)債券版フラッシュ・クラッシュとは、2014年10月15日の9時33分から45分の間で米国長期金利が0.37%ポイントも急低下した事例である。終値にかけて持ち直し、元の水準に戻った。確かに、これが市場流動性の低下がもたらすリスクとの指摘もある。しかし、その要因は特定されておらず、高頻度トレーダーの登場など複合的な要因による現象で、FRBの量的緩和と結びつける議論は米国ではないようである14。』

脚注に何かあるようですが、どうせならFRBのパウエル理事がこのフラッシュクラッシュを米国債券市場の流動性と絡めた2015年8月のブルッキングス研究所での講演でも読んでおくのは良いと思います(ちなみにアタクシも2015年8月17日〜19日にネタにしましたので過去ログ確認してちょ)。

[外部リンク] Jerome H. Powell
At the The Brookings Institution, Washington, D.C.
August 3, 2015
Structure and Liquidity in Treasury Markets

『3)2016年7月29日の長期金利急騰とは、それまでマイナス0.3%程度に低下していた10年物国債利回りがマイナス0.1%にまで急騰した事例である。しかし、2)の急低下と3)の急上昇という一時的な現象が、経済的に、また金融政策運営の上で、どのような問題を引き起こしたのか全く明らかではない15。』

つーか20bp上がったくらいで急騰とか言われても困りますが。

『他にも、長期金利が「急騰」した例は多い。MCP株式会社シニアストラテジストの嶋津洋樹氏は、1985年以降、日本の長期金利が急騰した例として12の事例を挙げ、それぞれについて分析している。これによると、日銀の国債買入れが金利の急騰を招いたケースはなく、1985年11月14日、1989〜90年にかけて、1994年、2004年のいずれの急騰ともいずれも日銀が金融を引き締めた結果、起こったとしている16。』

1994年って別に金融引き締めしてねえだろと思うし、12の事例の話なのに何で上げているのが4つの事例なんだよという感じですし、そら金融緩和して金利急騰するって財政リスクプレミアムがその瞬間に大爆発でもしない限りないだろうよ。

『要するに、これまでのところ、大胆な金融緩和政策が金利を異常に低下させるとともに、あるとき急騰させるということはなかった。』

って勝手に結論付けてるけど、いわゆるVaRショックとか大規模金融緩和と過度なデフレ継続期待に加えて金融機関の不良債権問題とか金融機関経営の懸念とかで金利が下がりまくったのが反転した事例も思いっきり有る筈なのですが何を言っているんでしょうか。

『これまでのところはなくても、金融政策の転換、量的・質的金融緩和の出口の時点のショックを心配するのであれば、同じように大規模な国債買入れを行ったFRBには安定的に出口に行けるが、日銀にはできないと言っているに等しく、根拠がない。』

ということでここで先ほどの説明でこんなのを言ってた、というのを再掲します。

『インフレ率が高くなりすぎれば、一般的に、中央銀行は、今度は短期または長期の国債を売ってマネーを吸収しなければならない。国債を売るためには国債を魅力的にしなければならない。そのためには、金利を高くするしかない(国債価格は低下する)。金利が高ければ、金融機関からお金を借りてくれる人は減少する。需要は減少し、物価は低下する。』

ってさっき言ってた訳ですが、この時って当然ながら中央銀行がそれまでじゃんじゃか国債を買って居たのを一転して売却するんですから金利って急騰すると思うのですが、さっきは出口で国債を売るという話をしているのに、ここではそういう事を無視するとか話の整合性が無さすぎて涙が出てしまします。

それに(再掲すると)、

『これまでのところはなくても、金融政策の転換、量的・質的金融緩和の出口の時点のショックを心配するのであれば、同じように大規模な国債買入れを行ったFRBには安定的に出口に行けるが、日銀にはできないと言っているに等しく、根拠がない。』

って言ってるけど、FRBだって安定的に出口に行けるかはここから先のインフレがどう進展するのかによって変わってくるかも知れないし、だいたいからして例えば対GDP比で見て米国よりも日本の方が莫大な買入をしている訳で、買入の規模を無視して「根拠がない」という方がよっぽど根拠がない訳で、1億円の買入国債残高と1京円の買入国債残高の違いがあっても出口の時の政策調整が同じように出来る、と言っているようなもんな訳で、ジンバブエ先生の方が根拠がないという誠に残念な説明になっています。


・不毛シリーズもそろそろ終盤になって参りました

『5.金融緩和によって生じる低金利は、単に将来の需要を前倒しするだけなのか?』というお話ですけれども。

『そもそも、金融緩和によって生じる低金利は、単に将来の需要を前倒しするだけで、現在と将来の生産を拡大するものではないという議論もある。』

普通そう言われますが。

『京都大学の翁邦雄教授は、「確かにマイナス金利政策で住宅建設を前倒しさせる効果はあるでしょう。しかし、その効果は、家を来年建てる代わりに今年建てるように働きかけることにすぎません。今年に前倒しさせると、その分、来年になると建てたい家の数は減ります。需要を先食いした分、・・・来年の自然利子率は低下することになります。こうなってしまうのは、金融政策では・・・長期的に建てられる家の総数は変えることができないからです。」と主張する17。』

翁邦雄さんも金鵄勲章来ましたという所ですが・・・・・・・

『しかし、私が別の機会でも繰り返し述べているように、金融政策の効果は、需給ギャップを縮小し、雇用と実質所得を拡大することである18。』

えーっとすいません、そもそもリフレの人たちの理屈って「物価が上がるという期待があれば人々は貯蓄すると物価が上がっただけ将来の貯蓄が目減りするのだからより消費をしやすくなるし、デフレだとその逆が起きるから消費が出ない」って説明していた筈なんですが、それも将来の消費を前倒しするという話じゃないんですかねえ。

つーかですな、実際に物価が上がらなくなってしまったのでそういう言い方をしなくなったというのはよーくわかるのですが、金融政策ってのは物価を適度なインフレに持って行くために実施しているのであって、適度なインフレによって消費を喚起するのは結局先食いの世界で、ただその先食いが物価が適度なインフレで安定すれば恒常的に先食いが出来ますよというだけの話ではないでしょうか。

それから、金融政策で適度なインフレに持って行くということは、名目の物価が適度に上昇するのは分かりますが、実質所得が上がるのは別に自明じゃないでしょ(現にこの前物価が上がった時には実質所得下がっていますが)。

『実質所得が拡大すれば、翁氏の比喩を使わせていただければ、人口によって建てる家の総数が決まっているとしても、より広い、より暮らしやすい快適な家を建てるはずである。すなわち、金融緩和は、単に需要を先食いしているのではなく、現在と将来の両方の需要を拡大するのである。』

ということで、そもそも実質所得が拡大する、というアプリオリに置いている前提がおかしいのでダウト。

『金融緩和が需要を先食いするだけだというのは、1930年代の大恐慌においても金融緩和に反対していたミーゼスの言葉を想起させる。ミーゼスは、「ブームは、誤投資によって希少な生産要素を浪費し、過剰消費によって現有ストックを減少させる。ブームの恩恵が払う代償は貧困化である。他方、不況は、すべての生産要素が消費者の最も緊急にニーズを最もよく満足させるために用いられる状態へ戻す方法である。」と書いている19。』

『これに対してケインズは、1925-29年の世界的投資ブームについて、「世界中で実施された投資の中には、判断を誤り、成果を生まないものもありました。しかし、疑うまでもなく、1925年から29年の5年間の建設投資によって、世界は飛躍的に豊かになりました。この5年間の富の増加は、歴史上存在したいかなる10年間、いや20年間以上に相当する、と考えられます。この拡張は、建築、世界の電化、道路や自動車関連の事業が中心でした。・・・世界的に見て、主要な食糧や原材料の生産能力は大きく拡大し、科学技術による機械化や新技術の導入により、金属、ゴム、砂糖、主要穀類などすべてにおいて生産が著しく増加しました。・・・このすばらしい生産的エネルギーの爆発が貧困と不況への序曲であったというのは、非常に愚かな見解です。厳格なピューリタンのなかには、これを、過度の拡張に対する避け難くかつ望ましい天罰とみなす人がいます。・・・私はこのような見解をとりません。企業の損失、生産の減少、失業の発生の原因は、1929年の春まで続いた高水準の投資にあったのではなく、この投資が停止したことにこそあり、高水準の投資の回復以外に景気の回復はありえない、と私は考えています。」と書いている20。』

って話だが需要を作ったの金融政策じゃなくて財政でしょ。

『私は、一生懸命働いている日本の人々に、より広い、より暮らしやすい快適な家に住んでいただきたいと思う。』

とかワケワカラン締め方をしておりますが、一番最後の『おわりに』は全部笑えるが特に最後吹いた。

『以上、大胆な金融緩和政策が国債市場を歪めるという5つの議論を検討してきた。』

検討に値しないがな。

『検討の結果、1)債券市場の価格発見機能を阻害するという議論は、そもそも何が価格発見機能であるかについての理解が不十分であること、』

原田さんの理解が不十分だったようです。

『2)日本銀行が長期金利を低位に固定すれば過度のインフレになるという議論は、日本銀行が2%の物価目標を優先目標としていることを忘れていること、』

大規模かつ長期に実施した結果財政従属が避けられなくなるのではないか、という質問に対する答えにはなっていないので残念ながら反論としては不十分。

『3)金融緩和政策が、国内投資機会を喪失させ、外貨調達コストの上昇を引き起こすという議論は、そもそも金利平価説の帰結を忘れていること、』

これは論外。

『4)金融緩和政策が国債市場を不安定にして金利急騰リスクを高めるという議論には根拠がないこと、』

と言っている方が根拠がない。

『5)低金利政策は単に将来の需要を前倒しするだけで、現在と将来の生産を拡大するものではないという議論は、需給ギャップの縮小を考慮すると正当化されないこと、が分かった。』

が分かったというのに盛大に吹いたのだが、そもそも反論として成立しない話をならべてはい論破とか言われましても困りますのでツッコミの練習に突っ込んでみましたが、正直これは苦行ですわ。何せこの先生の話が論旨がぐちゃぐちゃだし話は飛ぶし、しかもアプリオリに勝手に結論をつけてしまってその途中が盛大に飛躍しているから何を言っているのかがそもそも3回くらい読んでも分からないし、こんなの3回読むとか余程の変態じゃないと読む気が起きないでしょ。

ということで最後までお付き合いいただきました読者の皆様におかれましては平伏して感謝するとともに、皆様の貴重な時間をアタクシのツッコミ訓練の鑑賞などという不毛な行為に頂いてしまいましたことをお詫び申し上げます。

#他にツッコミどころもあると思うのですが思いついたら後学のためにご教示賜りたく宜しくお願いします、いやはや疲れた(いつもの2倍くらいの量になってしまうま)
 


お題「本日も海外の中銀発言空中戦という風情ですなあ(除く日本)」   2017/06/29(木)08:12:07  
  中銀発言で動くという空中戦ですが日本は無風というのがジャパンクオリティ。

○今度はカーニー総裁とな

[外部リンク] | 2017年 06月 29日 03:00 JST
英利上げ、数カ月以内に討議の公算=中銀総裁

『[シントラ(ポルトガル) 28日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は28日、英経済が完全稼動の状態に近づくにつれ中銀は利上げを実施する必要が出てくる可能性があり、金融政策委員会(MPC)はこのことについて「向こう数カ月」以内に討議すると述べた。』(上記URL先より)

・・・・・・・蟹先生この前は利上げ3票を受けて火消し発言してませんでしたっけという所で、別にタカでもハトでも良いのですが、いきなり豹変されるのが一番話をややこしくするのですが、まあどこぞの中央銀行も「追加緩和しない」とか言った直後にバズーカ2というのがありましたように、だいたいこういうのやりだすと後でろくなことにならんのですよねー。

と思いながらBOEのサイトを見に行くと当然ながら講演テキストがありました。
図表が多くて中身自体は正味4ページ半。

単なる紹介でもないページはこちら
[外部リンク] Panel: Investment and growth in advanced economies - remarks by Mark Carney
28 June 2017

でもって本チャンはこちら
[外部リンク] Panel:Investment and growth in advanced economies
Remarks given by Mark Carney, Governor of the Bank of England
2017 ECB Forum on Central Banking, Sintra
28 June 2017

シントラとかエストリルとかフォーラムついでにリゾートですな。

『The experience of business investment in the UK since the onset of the financial crisis broadly matches that elsewhere in the advanced world - a sharp fall followed by a feeble recovery (Chart 1). Peak to trough, the level of UK business investment fell by 20%, and it was six years before it surpassed its pre-crisis level, putting the recent experience at the bottom of the swathe of past UK cycles (Chart 2). In my brief remarks today, I will offer some possible explanations for this performance before concluding with comments on the outlooks for UK investment and monetary policy.』

ということで話が始まりまして、小見出しが

『I. Investment since the crisis』
『II. The Contribution of Central Banks to Investment』
『III. Conclusion 』

という構成になっていまして、まあ1番目は大体読まなくても話の展開は想定できるので二番目から読めばよかろう(とか言って肝心の所を読みそこなうというトンチキプレイはよくやるのだが)ということで最初の方をちょっと読むと・・・・・・・・

『Recognising that the most important contributions will be from structural policies, how can central banks support that belated investment recovery?』

その前のケツの所で『Although these secular forces may likely persist, many of the conditions for a revival in business investment are now in place.』という話をしていまして、金融危機以降に構造的な問題になっている生産性の低下とかそういう話を前段でやっていまして、金融政策はどこへという感じですが、英国の場合はそもそも論として物価の方は目標行ってるどころか盛大に上振れて推移している([外部リンク] Inflation 2.9%を見ましょうという事で)ので立場がだいぶ違う。

『First, we must acknowledge that, while the cost and availability of finance matters; internal cash flows, the profit outlook and uncertainty are far more important determinants of investment. Monetary policy affects companies’ profits and cash flows through its effects on domestic demand and, via the exchange rate, external demand.』

しらっと金融政策で為替に影響を与えて外需にも影響とか言っているのがチャーミング。

『Given the importance of internal finance for investment, and the high hurdle rates investment projects must clear, such indirect effects are more important for investment than the direct effects on the cost of capital. The biggest contributions of central banks are therefore improving the demand and profit outlooks and reducing uncertainty.』

金利経由で企業の借入コストや資本コストを軽減できるという話をしておりますな。

『Allow me to use the current situation in the UK to illustrate these points. UK output is now in sight of potential, and the capital overhang looks set to be eliminated over the next few years.』

デットオーバーハングじゃなくてキャピタルオーバーハングなのか。

『In order to expand, companies will increasingly need to invest. A strengthening global economy should tempt UK companies to do so, particularly since UK companies are generally competitive given the recent fall in sterling. Indeed, the broad-based global recovery is creating thepossibility of a self-reinforcing revival in investment.』

という話の流れからすると、キャピタルオーバーハングってBOEがスラックの事を「経済のspare capacity」って言ってるから資本というか設備とかそっちの過剰が解消してきている、という話なんでしょうな。

『The Bank of England estimates that more than 80% of the world economy is now growing above potential. Global measures of industrial production and capital goods orders, as well as world trade, have strengthened markedly over the past year, suggesting some rotation in the composition of global demand towards investment. With that more favourable outlook, investment intentions are now rising around the world (Chart 11). 』

でもって世界貿易とか海外の資本財支出とかを見ていても海外経済の多くが潜在成長を上回って成長しているという事を示しており、こんごも投資が伸びるとみられる、という説明でして・・・・・・・・・・

『If these intentions are realised, the global equilibrium interest rate could rise somewhat, making a given policy setting more accommodative.』

ドラギ総裁と同じ話キタコレという所で、これらの動きが顕在化すると世界的な均衡金利は若干上昇し、その結果として(同じ政策を継続していれば)金融政策の緩和度合いが一段と強くなるでしょうというのが来ましたな。

『The extent to which it does will depend on other secular factors that have been holding it down, including demographics, debt overhangs and the capital intensity of production.10 In this generally constructive environment, the main issues facing UK companies are uncertainties - about how consumers will adjust to a period of weaker real income growth; about market access post-Brexit; about the potential risks in the transition to new arrangements with the EU and the rest of the world.』

とは申しましても英国の場合は構造問題がまだ残っているし、ブレクジット以降のコンフィデンスがどうなって行くのかとか不透明な面もございます。

『In this context, the best contribution the Bank of England can make is maintaining financial and monetary stability by pursuing the right policies within consistent frameworks. 』

という話で以下続くのですが、途中を飛ばしまして金融政策ど直球部分を。

『The MPC has also clearly set out its reaction function consistent with its remit. Under the exceptional circumstances Brexit entails (with an inflation overshoot driven entirely by an exchange rate depreciation caused a large fundamental shock), the Committee is required by its remit to balance a period of abovetarget inflation with a period of weaker growth. As the primary objective of monetary policy remains inflation control, any overshoot of inflation above the target can only be temporary in nature and limited in scope. As such, the MPC has been clear that its tolerance for above-target inflation is limited.


現状英国の場合は物価がターゲットから思いっきり上振れていますが、これポンド安によるショックであってつまりは一時的、一方で経済が強い訳ではないのですから、政策のバランスとして緩和を継続しとります。という話をしております。

『Since the prospect of Brexit emerged, financial markets, notably sterling, have marked down the UK’s economic prospects. Monetary policy cannot prevent the weaker real income growth likely to accompany the transition to new trading arrangements with the EU. But it can influence how this hit to incomes is distributed between job losses and price rises. And it can support households and businesses as they adjust to such profound change.』

ブレクジット云々に関しては中銀が何かするという訳には参りませんが。

『As spare capacity erodes, the trade-off that the MPC must balance lessens, and, all else equal, its tolerance for above-target inflation falls (Chart 15).』

とはいえ経済のスラックが解消してくれば我々の政策を考えるバランスは変わりますし、同様にインフレが上振れて推移している状況への許容度も変わってきますよ。

『Different members of the MPC will understandably have different views about the outlook and therefore the potential timing of any Bank Rate increase. But all expect that any changes would be limited in scope and gradual in pace.』

だから利上げとか言ってる委員が増えました、つーても利上げ自体は別にドカドカ利上げする訳でもないですよ、とは断っていますな。

『When the MPC last met earlier this month, my view was that given the mixed signals on consumer spending and business investment, it was too early to judge with confidence how large and persistent the slowdown in growth would prove. Moreover, with domestic inflationary pressures, particularly wages and unit labour costs, still subdued, it was appropriate to leave the policy stance unchanged at that time.』

前回の政策委員会ではカーニー総裁のビューとしては消費や企業投資についてはまだミックスであり、海外の成長に関してもまだそこまで確信を持つには時期尚早、更に国内の賃金上昇やユニットレーバーコストの動向も抑制されているので現状維持が適切と判断しました。

と来てこのコーナーの最後。

『Some removal of monetary stimulus is likely to become necessary if the trade-off facing the MPC continues to lessen and the policy decision accordingly becomes more conventional.』

キタコレ!

『The extent to which the trade-off moves in that direction will depend on the extent to which weaker consumption growth is offset by other components of demand including business investment, whether wages and unit labour costs begin to firm, and more generally, how the economy reacts to both tighter financial conditions and the reality of Brexit negotiations. These are some of the issues that the MPC will debate in the coming months. 』

ということで今後数か月以内に云々というのがここの小見出しの最後に出てくる訳ですが、これは「今後改善すれば」ということで消費だの賃金だのULCだのブレクジットの交渉推移だの色々と留保条件付けまくっていて、別に数か月以内に利上げが適切になると言っている訳ではなくて、今後この辺りを検討して行くことになるでしょう、という話をしているのですけれども、カーニー総裁がこの前時期尚早的な話でしらっとスルーしていたのに今回は真面目(?)にちゃんと話をしている点、そもそも英国の場合は物価がターゲットを上に逸脱しているので誰がどう見ても景気が悪いのであれば文句は出ないでしょうが、そうじゃないとなってきてポンド安で物価が上がって庶民の生活ガー的な批判は思いっきり食らいやすいし説明しないと行けないでしょうから、そんなに放置プレイもできないという点、というのもあって思いっきり反応した、ということのような気はしないでもないです。


○ECB火消し発言来てるようで

[外部リンク] | 2017年 06月 28日 23:13 JST
ECB総裁発言、差し迫った政策引き締め意図せず=関係筋

『[シントラ(ポルトガル) 28日 ロイター] - 複数の関係筋は、今週のユーロ高につながったドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の発言について、総裁は弱めのインフレ期間への容認を示したものであり、差し迫った政策引き締めを意図していないとの見方を示した。ECBはコメントを差し控えた。27日の欧米金融市場では、ドラギ総裁の発言は金融緩和解除に向けて地ならしとの受け止めが広がり、ユーロが急伸。国債利回りが跳ね上がった経緯がある。』(上記URL先より)

ということで早速火消しは入っているのですが、ドラギ俊彦先生の先達の狸である福井の俊ちゃんの例を見ますとこういうのって「地均し」→「火消し」を繰り返して様子を見るというのが狸又中央銀行総裁の仕様だったりして、そういやこの地均しと火消しの連発で随分昔は悪態ついたなあと遠い目で思うのですけれども、まーこれは市場が真に受けて振り回されるの図というのが見えてきたなあと思うのは考えすぎでしょうかねえ。

ちなみに、アタクシ思いまするに、「弱めのインフレ期間への容認」というのは即ち「インフレが2%に達していなくても経済の状況を重視して正常化路線に着手することもある(さっきの蟹先生の講演でもあった「金融緩和度合いが経済の進展とともに自然と強くなる」という理屈を持ち出す)という事を意味しますので、確かに直ぐに正常化着手になるかというと謎ではありますが、その一方でまだまだ緩和は長々と続くぜという反応をするのはちとどうかと思います。

てかね、昨日も申しあげましたが、この前買入のペースを下げて期間を延ばしすことによって、80×6=480対60×9=540という謎の朝三暮四理論によって緩和の縮小ではないとか言ってたのに、昨日の講演でドラギ俊彦先生は「先般の買入の変更もこの考え(経済が良くなって来たらやってる緩和が同じだと緩和度合いが高まってくる)に基づく」とか思いっきり前に言ってた事と違う説明をおっぱじめている方が密かなポイントじゃネーノと思う訳で、まあ様子見ながら地均しと火消を繰り返しながらという展開になるんじゃないかなーと思うのでした。

というメモを置いておきます。


○なおカナダも正常化ですか(メモだけ)

[外部リンク] | 2017年 06月 28日 23:17 JST
カナダ中銀総裁「利下げ、役割成し遂げた」、7月利上げ観測強まる

『[トロント 28日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)のポロズ総裁は、2015年に実施した利下げがその役割を成し遂げたとし、余剰生産能力が使い果たされる中、カナダ中銀は選択肢を検討する必要があるとの見解を示した。ポロズ総裁はCNBCとのインタビューで「こうした(2015年の)利下げはその役割を成し遂げたようにみえるが、われわれは新たな金利決定に近づきつつあり、先入観は持ちたくない」と語った。同時に「少なくとも、余剰生産能力が着実に使い果たされつつあるという全体的な状況に配慮する必要があることは明白だ」とした。』(上記URL先より)

ほうほうそうですかという事でメモだけ。

#うーむ連日の海外ネタ出稼ぎシリーズでございますな
 


お題「ドラギ先生の発言があったので寝起きでインスタント斜め読みしてみた」   2017/06/28(水)08:16:08  
  お、おぅ・・・・・・・・
[外部リンク] 20:51
稲田朋美防衛相、都議選応援演説で「自衛隊として(自民候補を)お願いしたい」


ところで過去数回の利上げでフラットニングした2年10年のスプレッド推移のデータをそのまま10回利上げした時に適用するという説明をして米国10年金利は中々上がらないという説明をするモーサテのおじさん何ぼ何でも話が無理筋過ぎるんですけど、つーか市場がフラットニングしないのは10回利上げとか出来ないのを見越しているんじゃないですかねえ、と今日も無駄なツッコミ。

#こう年中無理筋ネタが続くとさすがにゲスト解説者の問題というよりは無理矢理トピックを作って結論をつけようとする番組編成の問題じゃないかという気がしてきた(でもそれに乗るなよ解説者とは思うけど)

#米国フラットニングの話をするならFRBの考えているターミナルレートと市場の考えているターミナルレートの差を説明してその差異はどこにあるのでしょうか、という話をした方が建設的じゃろ、番組編成的に出来るのか知らんが


○とりあえずドラギ先生が発言したようなのでインスタント読み

[外部リンク] | 2017年 06月 27日 21:02 JST
ECB総裁、政策微調整の可能性示唆

『[シントラ(ポルトガル) 27日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は27日、大規模な債券買い入れや超低金利といったECBの政策を微調整する可能性を示唆した。市場では、ECBが9月にも緩和策の縮小を発表するとの観測が浮上した。ただ、総裁は、いかなる調整も世界的な資金調達環境が良好かどうかに左右されるとした。』(上記URL先より)

ということですがドラギ総裁の発言はこちら。
[外部リンク] the economic recovery
Introductory speech by Mario Draghi, President of the ECB, at the ECB Forum on Central Banking, Sintra, 27 June 2017

まず冒頭の所がアレ。

『For many years after the financial crisis, economic performance was lacklustre across advanced economies. Now, the global recovery is firming and broadening. A key issue facing policymakers is ensuring that this nascent growth becomes sustainable.』

『Dynamic investment that drives stronger productivity growth is crucial for that - and in turn for the eventual normalisation of monetary policy.』

キタコレ。

『Investment and productivity growth together can unleash a virtuous circle, so that strong growth becomes durable and self-sustaining and, ultimately, is no longer dependent on a sizeable monetary policy stimulus.』

「no longer dependent on a sizeable monetary policy stimulus」とな。

『The discussions we will have over the next two days - in particular understanding the puzzles of slowing productivity growth and persistently low investment - are therefore highly relevant for the path of the economy and of our monetary policy.』

とは言いましても物価が上がらない件については金融政策のパスに影響すると。

『Yet as we anticipate the problems of tomorrow, we must also work on the issues of today. For central banks, this means addressing an unusual situation. We see growth above trend and well distributed across the euro area, but inflation dynamics remain more muted than one would expect on the basis of output gap estimates and historical patterns.』

経済は順調に推移しているのに生産性の伸びが弱くてインフレの拡大圧力が弱いのが従来のパターンと異なるのが我々の論点ですよと。

『An accurate diagnosis of this apparent contradiction is crucial to delivering the appropriate policy response. And the diagnosis, by and large, is this: monetary policy is working to build up reflationary pressures, but this process is being slowed by a combination of external price shocks, more slack in the labour market and a changing relationship between slack and inflation. The past period of low inflation is also perpetuating these dynamics.』

「monetary policy is working to build up reflationary pressures」という認識を示していまして、ただ金融政策が通貨膨張的なプレッシャーとして作用しているにも関わらず、外的な価格ショック、労働市場のスラックの存在、需給ギャップとインフレの関係の変化(=フィリップスカーブのフラット化)によって物価上昇が抑えられている、という認識を示していまして・・・・・・・・

『These effects, however, are on the whole temporary and should not cause inflation to deviate from its trend over the medium term, so long as monetary policy continues to maintain the solid anchoring of inflation expectations.』

これらの物価下押し効果は全体としては一時的なので、物価の弱さが中期的にトレンドを下回っているという事ではなく、したがって金融政策はインフレ期待を強固にアンカーする作用をしているとな。

『Hence we can be confident that our policy is working and its full effects on inflation will gradually materialise. But for that, our policy needs to be persistent, and we need to be prudent in how we adjust its parameters to improving economic conditions.』

金融政策が効果を発揮して効果を全てだす(=つまり上段で言っていた通貨膨張的プレッシャー)ようになってくることに対して自信を持てるようになったとか威勢のいいことを言ってますが、緩和的な金融政策は持続的に行う必要があると言って「we need to be prudent in how we adjust its parameters to improving economic conditions」と「経済の好転具合に応じて金融緩和のパラメーターを調整することについても慎重に行う必要がある」とは言っているのですが、そもそもその「金融緩和のパラメーターを調整する」というのがうへーという話なのでありますから、そりゃ反応するわなというお話でしょう。


でもって小見出しが、

『Monetary policy is effective in raising demand』
『Temporary external shocks』
『Uncertainty over slack and its impact on inflation』
『Low inflation feeding into price and wage setting』

ということで経済の需要は高まっているけれどもこれこれこういう理由でインフレーションダイナミクスへの波及が遅れております、という説明をしているのですがインスタント読みなので全部ぶっ飛ばして(手抜き)次の小見出しに参りますと『Accompanying the recovery』という今回の講演の題名と同じになるのでそちらを小見出しの頭から。

『So what do these various explanations imply for our monetary policy stance?』

というのは上記小見出しで色々とお話をしている件を受けて、というお話ですな。

『The first point to make is that we face a very different situation today from the one we encountered three years ago. Then, we also faced global shocks and significant labour market slack. But the recovery was still in its infancy. Global growth was slowing, depressing both import prices and net exports. Fiscal policy was less supportive than it is now. And headline inflation was much lower than today and inflation expectations more fragile, creating a higher risk of low inflation becoming entrenched.』

3年前の話からおっぱじまりまして、3年前は世界的なショック(世界的というよりはてめえの所だろという気もするが)や顕著な労働市場のスラックがあって、景気回復もその初期にあったし、外需が弱くて域内の財政政策も今に比べると景気に対してのサポートが弱くて、インフレは今よりも低かったしインフレ期待は壊れやすかった、だそうです。

『In this context we faced another risk, too: of permanent damage to the economy through so-called “hysteresis effects”. Given the large degree of slack at the time, the risk was that if output remained below potential for too long, we would see a permanent destruction of productive capacity. The output gap would close the “wrong way” making the losses permanent.』

というような状況が続くと履歴効果が起きて宜しくない状態が定着するリスクもありましたと。

『When we said we wanted our policy to have effects without undue delay, we meant we wanted the output gap to close “upwards” - and before such hysteresis effects could develop. This is why we had to act forcefully.[8]』

だからこそ強力な金融緩和を実施しましたと。

『Now, we can be confident that our policy is working and that those risks have abated.』

でもって今やそのようなリスクは弱まったそうで。

『The threat of deflation is gone and reflationary forces are at play.』

最初の所でもあった奴が来ました。

『And since one of the drivers of inflation today is positive supply developments, this should feed back positively into potential output rather than produce hysteresis. In these conditions, we can be more assured about the return of inflation to our objective than we were a few years ago.』

でもってポジティブフィードバックサイクルが働き出してきていくような状態になってきているので、今後数年のうちにインフレが目標に戻ることに対してより確信度が上がっているそうで。

『This more favourable balance of risks has been already reflected in our monetary policy stance, via the adjustments we have made to our forward guidance.』

だから先般フォワードガイダンスを変更しました(キリッ)ってこの前フォワードガイダンスを変更した時には「買入の総額は増えている(ただし期間が6か月→9か月になっているというインチキ)」とか言ってたのに、ここに至って前回のフォワードガイダンス変更はやっぱり緩和政策の規模調整というのをしらっと認めているのがドラギ大先生の大狸ぶりを発揮していますが、何となくドラギさんって福井の俊ちゃんチックな狸キャラクターを感じるので、まるで俊ちゃんですなとか思ったりする次第ですが、この言い方だと既に政策調整サイクルには入っている(ただし直ぐに投下する訳ではないけど)というお話でもあるのですよねー。


『Another considerable change from three years ago is the clarification of the political outlook in the euro area.』

もう一つが政治的な見通しの改善とな。

『For years, the euro area has lived under a cloud of uncertainty about whether the necessary reforms would be implemented at both the domestic and Union levels. This acted as a brake on confidence and investment, which is tantamount to an implicit tightening of economic conditions.』

『Today, things have changed. Political winds are becoming tailwinds. There is newfound confidence in the reform process, and newfound support for European cohesion, which could help unleash pent-up demand and investment.』

とは言ってもルペンがどうしたとかそういう話ではなくて毎度ECBが言ってる改革の方の話ですな。

『Nevertheless, we are still in a situation of continuing slack, and where a long period of subpar inflation translates into a slower return of inflation to our objective. Inflation dynamics are not yet durable and self-sustaining. So our monetary policy needs to be persistent.』

ただ改革の効果が出てきてスラックが良くなるのには時間が掛かるし、0近辺のインフレが長かったから物価のダイナミクスはまだ強固でもないので緩和政策は持続的に行う必要がありますと。

『This is why the Governing Council has repeatedly emphasised that a very substantial degree of monetary accommodation is still needed for underlying inflation pressures to build up, and to support headline inflation in the medium term. This is reflected in our forward guidance on net asset purchases and interest rates, as well as our decision to reinvest the principal payments received under the APP for as long as necessary.』

だから緩和的な金融政策を必要なだけ継続すると毎度申しております。

『With reflationary dynamics slowly taking hold, we now need to ensure that overall financing conditions continue to support that reflationary process, until they are more durable and self-sustaining.』

通貨膨張的なダイナミクスは徐々に起こっているものの遅いので、物価上昇に向けて金融環境を緩和的に維持する必要があります、とまあここまでは一応殊勝な話をしておりますが・・・・・・・・・

『As the economy continues to recover, a constant policy stance will become more accommodative, and the central bank can accompany the recovery by adjusting the parameters of its policy instruments - not in order to tighten the policy stance, but to keep it broadly unchanged.』

キタコレ!ということで最初にもあった「経済が好転してきたらそれに応じて金融緩和の程度を調整」という話で、政策を同じにしても経済が強く成れば緩和度合いが高まるのだから調整ですそれは引き締めではありません、ってのもう中央銀行の仕様と言える理屈(いやまあ理屈としては正しいのだが)来ました。

『But there is an important caveat that we need to consider. Financing conditions are not only determined by the calibration of central bank instruments, but also by other market prices, some of which are significantly affected by global developments.』

金融環境は海外の状況を受けた金融市場の動向によっても変化するのでそこは注意しないと、とは言ってますけど。

『In the past, especially in times of global uncertainty, volatility in financial market prices has at times caused an unwarranted tightening of financial conditions, which has necessitated a monetary policy response.』

金融市場のボラによって望ましくない金融環境のタイト化が起こることも注意しないといけません、ということなので一応留保は入れています。

『So in the current context where global uncertainties remain elevated, there are strong grounds for prudence in the adjustment of monetary policy parameters, even when accompanying the recovery. Any adjustments to our stance have to be made gradually, and only when the improving dynamics that justify them appear sufficiently secure.』

でもって最後にさっきあった慎重に対処というのがあって、その条件としては「only when the improving dynamics that justify them appear sufficiently secure.」ということではあるのですが、まあ中央銀行の仕様として、明らかに景気がヒャッハーになるまで待つという事は無いので、そこは今はそう言っているけれども、たぶんこの文言をそのままとって高圧経済キタコレと読む人はいないでしょ(イエレンが既に実演中ですし)とは思いますな、というか市場はきちんとその前の「調整が必要」に反応しているようで。

#ということでインスタント読みで終わってしまった
 


お題「6月会合主な意見/遅くなりましたがイエレン会見ネタファイナル(物価に関して)」   2017/06/27(火)08:16:18  
  おー合意したか。
[外部リンク] | 2017年 06月 27日 00:58 JST 関連トピックス: トップニュース
メイ英首相、北アイルランド地域政党と閣外協力で合意

○6月決定会合主な意見を鑑賞

[外部リンク] 年度は、海外経済が好転する中での人手不足により、企業、特に、中小企業において、更なる労働生産性の向上とそれに見合った実質賃金の上昇が実現する年になると予想する。消費も緩やかな増加基調に転じ、企業が賃金上昇を価格に転嫁しやすい好循環が実現すると見込まれる。』

『・企業がサービスの見直し等により労働生産性を引き上げることは、短期的にはユニット・レーバー・コストの低下をもたらすが、経済全体としてやや長い目でみれば、実質賃金の上昇や雇用者所得の増加などを通じて、需要面から物価の上昇圧力につながっていくはずである。』

『・サービス削減によるサービス業の生産性上昇余地は直感的にまだ大きく、雇用逼迫による賃金から物価への波及には相当距離がある。』


何ちゅうかこの統一感の無さという感じですが、まー見事に賃金の先行きの話とかそれによる物価への影響に関する部分の見解が分かれていて、これは面白いなーとは思うのですが、逆に言うとこんだけバラバラなのに展望レポートの見通しだと労働需給の逼迫で賃金が上がって物価に影響という説明の一点張りというか、そこを思いっきりメインドライバーにしているというのはどうなのかよとゆー感じもする。


・金融政策に関する部分を鑑賞

『・物価の伸びが鈍い背景には、人々の将来不安や適合的期待形成などやや構造的な要因もある。ごく短期間で「物価安定の目標」を達成することは容易でなく、緩和的な金融環境を維持し、可能な限り長く景気の拡大を持続させることが重要である。』

って野党の方が言い出しそうな話ですが、すっかり最近その部分が曖昧になっているのですが、確か「2年を念頭に出来るだけ早期に達成」という看板は引っ込めていない筈(2年はさすがに無かった事にしているが)でして、そもそも論として今の政策を複雑骨折にしているのは「出来るだけ早期に」というのを前提にした最初のQQEにおける「短期決戦前提の枠組み」を引っ張っている事によるのですから、このように「ごく短期間での目標達成は難しいが、着実に目標に向かって進むように粘り強く金融緩和を続ける」という枠組みにしないと、効用が限界的に逓減するなかで副作用がドンドン拡大するだけですよね、と野党審議委員のような事を言い出すアタクシなのだが、この「2年で達成」という置物リフレ理論がどんだけ足かせになっているかという話としてはもっとここを明確化して欲しいと思うのでした。

でもってこれは何をゆうとるんだという話。

『・2%の「物価安定の目標」の達成には未だ距離があるが、「量的・質的金融緩和」は、雇用の改善、消費の継続的な増加、財政状況の改善という成果を上げている。SNAベースの財政赤字の対GDP比は「量的・質的金融緩和」導入以前と比べて、消費税の増税分を除いても 4.5%ポイント程度低下した。これらの成果を考えれば、現在行っている金融緩和政策を粘り強く続け、需要の着実な増加、失業率の低下、それによる賃金の上昇、物価の上昇、予想物価上昇率の上昇を待つことが必要である。』

目標達成していないのに効果を上げている(キリッ)とか自画自賛されてもそれは鹿を撃ちに行ったら狸を撃ちましたので効果がありましたと言っているようなものですし、雇用の改善とかそれはQQEの効果なのかよと言いたくなるのもありますし、大体からして今やっている政策をそのまま粘り強く続けると副作用がドンドン増えてくるというコストベネフィットの論点が欠落している時点でお前は何を言ってるんだという見解で落涙を禁じ得ません。

『・2%の「物価安定の目標」への理解を推進しつつ、息長く経済の好循環を支えて脱デフレの完遂に資するべく、現在の金融政策を継続するべきである。』

だからこの件って政策の副作用の問題への考慮が無いんですよねー、ということで次は別件になりますが。

『・2%の「物価安定の目標」は、消費者物価指数の上方バイアス、金融政策の対応余地、グローバル・スタンダードの観点から堅持することが重要である。』

これってこの前も講演で出ていましたが、2%目標は別に目標として残したって良いと思うのですが、それを何が何でも短期間で金融政策単独で達成する、という今のアプローチが無茶なのであって、「我々の目標とする経済は前年比2%の物価上昇率が安定的に達成されている状況と整合的な経済状況です」という意味での目標にすれば良いだけの話。

という意味で飛ばして後の方に木内さんと思われるコメントが。

『・2%の「物価安定の目標」は、金融政策の自由度を奪っていると考えている。これを、中長期の目標へと柔軟化したうえで、金融政策の正常化に向けた道筋に関して、金融市場、金融機関とのコミュニケーションの正常化を図るべきである。』

まあ中長期に柔軟化した方が良いと思うのですが、大見栄切った手前どう収拾するのかが難しいのはその通りなんですけどね〜。まあ執行部変えるしかないですよね。政府との共同文書の縛りはあるけれども、別に「2年で達成」とは言ってない(黒田日銀が勝手に言い出した)のですから任期満了で総裁取り換えるしかないでしょう。

と普通に考えるとそういう結論になると思うのですが、何故か知らんが何とかスト相手のサーベイみたいなのをベンダーが取ると黒田再任が最多になってしまう、というのは何とかストは今の政策の枠組みをもう一段変えていかないと金融市場も金融機関も国内債券投資家も持たんのでおまいらのメシの種も無くなるんじゃという点への危機感が全然ないのかと小一時間問い詰めたい。

・・・・・すいません話がついうっかり逸れました。

『・出口への関心が高まっている背景には、日本銀行の資産規模拡大もあるが、景気が改善していることが大きく影響している。今後、景気改善が続くもとで、市場の不安を高めることがないよう、金融政策運営の考え方について、しっかりと説明していく必要がある。』

債券市場的に言えばトランプユーフォリアヒャッハーとやっていた時は「もしかしたら2017年後半は前年比効果にトランプユーフォリアが支援して物価1%台半ばとか見えてきて日銀勝ち逃げワンチャンあるで」となっていたのですが、今は債券市場以外の人が騒いでいるだけで債券市場は不安とか以前に「できねえだろ」という認識ですけれども、それ以前の問題で今の政策が目標達成に向かって進展していけば出口の議論になる筈なのであって、この「金融政策運営の考え方について、しっかりと説明していく必要がある」とは一体全体何を言いたいのかが意味不明にも程があります。

本来目標達成時期が展望レポートの通りで来年度のどこか、という話であれば、FRBの例を見ても分かるように今から出口政策に関するコミュニケーションを始めて行かないと後で色々と面倒な事になるのですが、今の時点でこのような言い方というのは要はおまいら2018年度の平均が1.9%とか誰も思ってないだろという話ですな。

『・中央銀行の財務の良し悪しは、通貨の信認を支える要素の一つであると考えている。円という通貨の信認は、日本銀行のみならず、国全体の信認に依存するところが大きく、複数の座標軸で決まってくるものだと捉えている。』

なので財務を気にするべきなのか気にしなくて良いのか良く分からん(たぶん前者)のですが、まーこの辺りの見解が「主な意見」に出てくる、というのは割と外野から出口がどうのこうの言われているのを気にしているのかなあ(単に他にネタが無いから埋め草で書いたのかも知れないけど)、と興味深く読んだのですけどね。

ただまあ気になる(これまたいちゃもんテイストが強いと言われればその通りですけど)のは、債券市場が出口的な事を少しだけでも気にして値動きしていたのって昨年の11月から2月くらいまでの話で、その時は「海外金利上昇に連れて金利が上昇」みたいな話をしていて、市場が出口とか知らんがなとなっているこの時期になってから出口がどうのこうのみたいな話をおっぱじめるというのに微妙なこのズレ感を受けるというのもありまして、佐藤さんと木内さんいなくなった後に市場のその辺りのニュアンス分かって話をしてくれそうな人が今度来られる鈴木さんだけになってしまう(中曽さんは分かっていても大本営発表マンになってしまうのが残念)のってどうなのよと思うのでした。


・なお今回の主な意見の中で一番辛辣なのはこれです

『・出口に関する真の問題は、2%の「物価安定の目標」の達成まで相当な距離がある中で、出口の時期を見通せないことである。


これは声を出して10回朗読したい名文ですが、たぶん佐藤さんではないかと思いますが、出口がどうのこうのという意見を全部粉砕して火の海にする無慈悲な攻撃過ぎて盛大にウケてしまいました。


○その他ネタですっかり飛ばしていましたが物価に関するイエレン会見を鑑賞

米国方面ネタ少々ということで。

[外部リンク] of Chair Yellen’s Press Conference
June 14, 2017

物価に関しては当然ゴリゴリと突っ込まれているのですがそれに関する部分を飛ばしていたので改めて。

『SAM FLEMING. Thanks very much. Sam Fleming from the Financial Times. We’ve now had a very long streak of-or fairly long streak of weak inflation numbers, at least measured by the CPI this morning as well. Marketplace-based inflation expectations are declining. What kind of vigilance are you now saying is needed in terms of weak inflation? How does that interact with your policy outlook? And would further disappointments argue for pressing “pause” on rate hikes or delaying balance sheet runoff? How do you think about those two potential responses to weak inflation?』

インフレが弱めでBEIは下がっているのだが政策大丈夫かと。

『CHAIR YELLEN. So let me just say, as I emphasized in my statement and always say, monetory policy is not on a preset course.』

一応そこは断るけどどう見てもバランスシート正常化とかは先々までセットしてますよね。まあいいけど。

『We indicated in our statement today that we’re closely monitoring inflation developments and certainly have taken note of the fact that there have been several weak readings, particularly on core inflation.』

ほうほう。

『Our statement indicates that we expect inflation to remain low in the near term. But, on the other hand, we continue to feel that with a strong labor market and a labor market that’s continuing to strengthen, the conditions are in place for inflation to move up.』

足もとは弱いが今後インフレが上がるコンディションは整ってきているとかどこかで聞いたような言い逃れチックに見えますな。

『Now, obviously we need to monitor that very carefully and ensure, especially with roughly five years of inflation running under our 2 percent objective-that is a goal to which the committee is strongly committed. And we need to make sure that we have in place the policies that are necessary to achieve 2 percent inflation, and I pledge that we will do that. But let me say, with respect to recent readings, it’s important not to overreact to a few readings, and data on inflation can be noisy.』

「最近の数字はノイズ」来ました!!

『As I pointed out, there have been some idiosyncratic factors I think that have held down inflation in recent months, particularly a huge decline in cell telephone service plan prices, some declines in prescription drugs.』

「特殊要因による押し下げ」来ました!!

『We had an exceptionally low reading on core PCE in March, and that will continue to hold down 12-month changes until that reading drops out. But we are-this morning’s reading on the CPI showed weakness in a number of categories, and it’s certainly something that we will be closely monitoring in the months ahead. We will-we’re focused on making our policy decisions on the medium-term outlook, and we will, you know, be looking carefully at incoming data and, as always, revising our outlook and policy plans as appropriate.』

基調は強いです中期的な見通しに変化はありませんという話を強調。

『SAM FLEMING. Any implications for beginning of runoff and further increases in the fed funds rate?』

と質問が続いても・・・・・・・

『CHAIR YELLEN. So-continue, as today’s actions show, to feel that the economy is doing well, is showing resilience.』

まあ止めるようなサインは無いのかと言われたらレジリアントですと答えるのは順当ですけど。

『We have a very strong labor market, an unemployment rate that’s declined to levels we have not seen since 2001. And, even with some moderation in the pace of job growth, we have a labor market that continues to strengthen and policy remains-remains accommodative. So, I-it’s important that inflation move up to our 2 percent objective, as our projections show we continue to expect that and believe the conditions are in place. But we will monitor incoming data, obviously, and be attentive to rethinking our outlook if it seems appropriate.』

データを見る、とは言っているけどまあ基調は強い攻撃ですよね。

・・・・という質疑の直後にこういう追い打ちの質問が飛んで来るのがどこぞの国の総裁会見と違う出来の良いところでして。

『CRAIG TORRES. Craig Torres from Bloomberg News. Hate to belabor the point on inflation, but I was wondering, I hear a lot of the so-called NAIRU in your conversation now and in other committee members’. It’s an unobservable thing. At best, it’s an estimate. And the assumptions in there seem to me that the economy today is much like the economy yesterday, when, if anything, we’ve learned that the post-recession economy is vastly different than it was before the recession. So I’m wondering, something you’ve talked about is to focus more on the change in inflation-actual inflation, and is it going up or is it going down, and basing policy more on that. What would be the risk of that, and why not adopt that if you have such a long period of underperformance?』

物価の話をまたするのもスマンがのう、と最初に言いつつも、NAIRUの話とかして今後物価が上がるとかゆうとるけど、経済構造が変化していたらNAIRUだって変化している可能性が有る訳で、そんな推測値の話をするよりも実際の物価が上がっていないやんけどうなっとるんじゃゴルァ!という口調ではないですが「現実を見て話をして下さい」とは中々強烈。

『CHAIR YELLEN. Well, we are closely looking at the actual performance of inflation and altering our views on the basis of discrepancies between what we see and our expectations. And, well, it is very difficult to pin down what is the longer-run normal rate of unemployment, and there’s a great deal of uncertainty about it, and it’s hard to pin down, especially given the fact that the so-called Phillips curve appears to be quite flat. That means that inflation doesn’t respond very much or very quickly to movements in unemployment.』

フィリップスカーブがフラット化している可能性があってNAIRU以下に失業率が改善しても物価への感応度が弱い可能性がある、というのはご指摘の通りとな。

『Nevertheless, that relationship, I believe, remains at work.』

でもワークしていると思う、だそうです。

『We have seen that operate historically. Now, in the face of very low unemployment that we have seen, while wage growth has picked up somewhat, it remains low, and inflation is influenced by a number of different factors, but we certainly haven’t seen much or any evident upward pressure on inflation. In light of that, the Committee has successively moved down its estimate of the normal longer-run rate of unemployment, and in this projection, it’s moved down to 4.6 percent, a tenth lower than it was last time. So, while the unemployment rate is below that, it’s not that much-it’s not that much below it.』

賃金の上がり方が弱いのを受けて我々のロンガーランの失業率(概ね自然失業率と同義)を引き下げました。ああそれから足元の失業率はロンガーランよりも低い所にありますけれども、ロンガーランとの乖離が小さいからそんなに賃金物価に反応してないんですよ、だそうです。


もうちょっと先に行ってまた物価に絡んだ金融政策の質問。

『HOWARD SCHNEIDER. Howard Schneider with Reuters. So, on inflation again, I just wonder, what’s the possibility that something more, sort of-I mean, nefarious is at work here,right, which is that the, sort of, weight of central bank credibility now-for a generation, really- plus globalization has just pushed the world into a low-inflation environment that’s going to be very hard to get wages and prices moving again. And then, related to that, you know, if NAIRU is 4.2, why not 4 or why not 3.8? You banked a quarter-you know, a full percentage point now, so you’re probably at less risk of falling behind whatever curve exists. Why rush?』

グローバル化とかの構造的に賃金が上がり難くて物価に効きにくいかもしれないし、NAIRUだってもっと低いかもしれないという中なのに何で利上げを急ぐのかという質問。

なお回答がすげえ長い。

『CHAIR YELLEN. So I don’t think central bank credibility-at least the Fed’s credibility-has been impaired. We look at a whole variety of indicators of inflation expectations. Professional forecasters-whether it’s in the Blue Chip or the Survey of Professional Forecasters, those expectations have remained quite steady and in close alignment with our 2 percent inflation target. TIPS-based measures of inflation compensation do not provide straight reads on market participants’ estimates and expectations about inflation. They embody other elements-risk premia and liquidity premia as well. They had moved down and now have moved-they remain at low levels, but they have moved back up again. It is true that some household surveys of inflation expectations have moved down, but overall I wouldn’t say that we’ve seen a broad undermining of inflation expectations.』

まずはインフレ期待に関する説明ですが、プロフェッショナルフォーキャスターとBEIと家計のインフレサーベイの話をしているのですが、自分に都合の悪い数字(BEI)については色々と計測上のケチを付けているのが微笑ましい。

『But you asked also, I guess, about have structural changes perhaps impacted the inflation process, and that certainly is possible. And estimates of the normal longer-run unemployment rate-they are quite uncertain. I agree with your assessment there. We’re really not certain what they are. And policy is not being-is not based on some firmly held preconceived notion.』

「And policy is not being-is not based on some firmly held preconceived notion」ってそれがホンマカイナというのを質問しているのですが結局こう言い切って返されるのよね〜。

『We’re watching very carefully how the actual economy performs. And, you know, I continue to believe, though, that with job growth running well in excess, even with the moderation of the level that’s needed to provide for new entrants in the labor market, we do have a strengthening economy. With policy accommodative, all that we’re doing in raising rates is moving-removing a bit of accommodation heading toward a neutral pace. And I see that as appropriate.』

あくまでも緩和度合いの縮小ですとな。

『We’re not moving so aggressively as to put a brake on continued improvement in the labor market. But I think that that’s a prudent move, to move in a gradual way to remove accommodation, with unemployment now-and not only, I should say, the unemployment rate, but I think any indicator of labor market performance and tightness that you could look at, whether it’s household perceptions of the availability of jobs, difficulty that firms report in hiring workers, the rate at which workers are quitting their jobs, the rate of job openings, all of these indicators do signal a tight labor market.』

労働市場の改善にブレーキを掛けるようなアグレッシブな動きはしていませんとな。

『Now, with inflation below 2 percent, I think it’s appropriate that the labor market be that tight. But, on the other hand, I think we want to avoid the risk. We want to keep the expansion on a sustainable path and avoid the risk that at some point we need-we find ourselves in a situation where we’ve done nothing and then need to raise the funds rate so rapidly that we risk a recession.』

物価は2%より低いですが、今の強力緩和を継続すると、今後いずれかの時点で物価抑制のために一気に引き締めないといけなくなって、そうなるとオーバーキルのリスクが生じると。

『So moving to some extent in a timely way to remove accommodation with a strong economy and continued labor market strength, the Committee believes, is an appropriate management of risks. But we are attentive to the fact that inflation is running below our 2 percent objective, that we’ve faced that situation now for a long time, and it’s really quite essential that we put in place policies that will succeed in moving inflation back to our 2 percent objective, and it’s a symmetric objective. So that’s a risk that we face as well. The Committee believes we have conditions in place for inflation to move up, but that’s also a risk. And those things point, I think, to a gradual pace of reducing accommodation.』

つーことで、物価についても重要ですがとは言っているのですが、ここでの説明は「物価2%に達していないのを過度に重視することによって景気を吹かし過ぎて後で強力引き締めをしないと行けなくなる点に注意すべき」というのを強調していまして、これはつまり(あちこちで指摘されていると思いますが)物価にフォーカスするのではなくて「総合的判断」で景気を吹かすアクセルを徐々にゆるめて行っています、という事を示しているのでして、物価がホイホイ上がりだせばそらもう利上げペース早くなるし、物価が上がらなくても巡航速度のままだったらやっぱり利上げ路線(とバランスシート縮小)も継続、という事になっているという話でしょうな。


○ダドリー講演があるようだが当然読めていないがメモだけ

[外部リンク] | 2017年 06月 26日 21:01 JST
金融状況の改善、米FRBの引き締めに追い風=NY連銀総裁

『[26日 ロイター] - ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、このところの利回り差縮小、株価の過去最高値更新、債券利回りの低下は、連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを進める上で心強いとの見解を示した。25日に行った講演の原稿をニューヨーク連銀が26日公表した。それによると総裁は「金融政策当局者は金融状況の動向を考慮する必要がある」と指摘。「最近のように緩和的な状況なら引き続き金融を引き締めるさらなる誘因になる」と述べた。』(上記URL先より)

講演はこちら(だと思う)。
[外部リンク] Remarks at Bank for International Settlements' Annual General Meeting
June 25, 2017
Posted June 26, 2017
William C. Dudley, President and Chief Executive Officer
Remarks at the Bank for International Settlements' Annual General Meeting, Basel, Switzerland

でまあ中身を読んでないので何ともですが、上記URL先の解説が正しいとしますと、市場が物価がそんなに上がらないんだから正常化路線は途中までしか行かないんじゃネーノとか言いながら短期上がっても長期上がらないどころか下手したら下がる、というのをやっているのは実はFEDにとってもウマーであって、さらに喜んで利上げが出来る、という謎のパズルみたいな状態になっていますなあ、と思ったのでメモだけしておきます。
 


お題「超長期輪番ェ・・・・・・・/岩田副総裁会見鑑賞だが例によって役に立たない鑑賞会」   2017/06/26(月)08:12:52  
  FF金利を上げるだけだと金利はフラット化するけれども資産買入を縮小して金利全体を上げないといけない、と某S井大先生が仰せのようですが、金利がフラット化しているのは資産買入云々じゃなくて物価が上がらない中での正常化路線がどこまで続くのかとかターミナルのFF金利が下がるんじゃないか、とか、利上げによる景気減速懸念とかの方がメインだと思いますがねえ>モーサテ


○他にネタが無いのは分かるが日銀買入が毎度ネタになる相場という備忘録

毎度のロイターさんからで恐縮ですが。
[外部リンク] | 2017年 06月 23日 15:22 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続伸、長期金利0.055%に上昇

『[東京 23日 ロイター] -  

<15:11> 国債先物は続伸、長期金利0.055%に上昇

長期国債先物は続伸。手掛かり材料が乏しく積極的な売買は控えられた。後場中盤に短期筋からの買い戻しがやや優勢になった。22日の米債市場からの影響は限られた。現物債では、連日強含みで推移してきた超長期ゾーンが軟化。残存10年超の日銀オペ結果が想定以上に悪く、需給の緩みが強く意識された。長期ゾーンもさえない。一方で金利に上昇圧力がかかってきた中期ゾーンは横ばい圏となった。日銀オペ結果から判断して在庫がある程度処理できているとの見方が出ていた。』(上記URL先より)

ということですが金曜のオペ結果。

[外部リンク] 質問は 2 点あります。まず、本日の金融経済懇談会で話題になった主な内容をご説明下さい。』

『(答) 本日の金融経済懇談会では、青森県の行政や経済界、金融界を代表される方々から、地域経済の現状や課題のほか、日本銀行の金融政策の運営に関して色々なご意見を賜りました。(以下延々と続くが割愛)』

という質疑なのですが、「質問は2点あります」って言ってるのに1点の所で応答が始まる、というのが中々不思議な会見で、実際の会見は放映とか無いからどういう流れになっているのか良く分からんのですが、勝手に師匠が答えをおっぱじめているのであればナンジャソラという感じですし、わざわざ2回に分けて説明させようとしているのであれば、通常の質疑だと「地域経済に関する質問」というのは最初の所で終わらせるのですが、わざわざ2回に分割して会見時間を稼いでボロを出さないようにしよう(地域経済に関する部分って想定問答が用意されている筈なので)という配慮が入ったのか良く分からんのですが、謎の質問形態になっています。

『(問) 次に、今のお話も踏まえて、県内の経済状況について、現状と今後の見通し、また、課題などあればお聞かせ下さい。』

と、その次にありまして、ここで2ページ分使われているのですが、まあその後も色々と謎。


・謎の質疑

3番目の質疑も謎なのだが。

『(問) 21 日のニューヨーク市場では、原油の先物価格が 1 バレル 42 ドル台まで下落し、去年 8 月以来の安値の水準となっています。今回の原油価格の下落はアメリカのオイル供給過剰懸念が主因とも言われていますが、金融市場や国内の物価動向にどのような影響があるとお考えでしょうか。また、懇談会のご挨拶で、副総裁は「物価上昇率の高まり方が緩慢だ」と認めていますが、原油価格の下落でエネルギー価格の押し上げ寄与が減少すると考えると、来年度頃としている 2%を達成する時期がさらに遠のく懸念も出るのでしょうか。』

いやその数日下がったという話で質問してどうするのというのもありますし、原油価格が下がったからどうのこうのという話は既に言い訳が入っているでしょうから聞くだけ無駄な質問なんだが。

『(答) 原油価格は一昨年頃に急落して、その後一旦立ち直ってからまた下がるというようなことが起き、最近では少し上昇トレンドに入ったかと思うと、おっしゃったようなことも起こっています。今後も原油価格が一本調子で上がっていくということはなく、上がったり下がったりしながら、トレンドとしてはある程度上昇ではないかと思いますが、一時的な下落といったことは起こってくると思っています。ただ、原油価格が急落したような時には、日本の物価に大きな影響を与えるわけですが、一時的な下落といったことは、それほど長期にわたって日本の物価に影響するということはあまり考えられません。原油価格が一時的に下がったり上がったりすることで、物価の見通しをそれほど変えていく必要はないと感じています。』

そらまあ質問がこれだとこういう答えになるわなと思ったのですが、何かこの質疑応答もなんのために質問をしたのかさっぱり意味が分からんのですけどねえ・・・・・・・・・


・・・・・・というのが前座なのですが、この先が色々と酷い。


・この質疑だが師匠の説明がさっぱりわからん

『(問) 本日の講演で、2%の物価上昇率の必要性について、景気後退の局面に入った時に必要とおっしゃっていましたが、物価の伸び率が低いまま、景気後退局面に入った場合、どのようなことが起こるとお考えでしょうか。また、今の緩和策を続けても、なかなか物価が上がらないまま、また景気後退局面を迎える可能性もあると思いますが、そのようなリスクについて、お考えをお聞かせ下さい。』

何かわざわざ二つに分ける必要ないと思うのだがまあ良いとして。

『(答) 世界経済は、昨年の前半頃に底を打ち、そのような状況で、先進国は良かったわけですが、新興国はあまり良くなかったところ、ここにきて新興国も良くなってきています。一つの要因はやはり貿易が拡大し始めたことです。これは在庫調整がほぼ終わったことなど、色々な要因があると思います。また、先進国の経済が引っ張ってきた影響がようやく新興国に波及したこともあると思いますが、いずれにしても貿易を中心に経済活動が復活してきました。貿易が復活し、生産活動も増えて、それが設備投資にも結び付くという循環に入ってきています。』

まあここは兎も角としまして、

『今年は、一昨年から昨年の前半までが非常に悪くて、そこから底を打って景気回復過程にあるので、差し当たり景気が悪くなることはなかなか考えられません。』

さしあたり悪くならないというのは兎も角として、「一昨年から昨年の前半までが非常に悪くて」って展望レポートや声明文ではその期間中ずーっと「わが国の景気は、新興国経済の減速の影響などから輸出・生産面に鈍さがみられるものの、基調としては緩やかな回復を続けている。」って説明していた訳で、勝手に過去の景気判断を「非常に悪い」とか改変するなよ・・・・・・・・・

『ようやく上昇トレンドに入ったということです。むしろ今年は非常に良くなる年ではないかというのが私の考えです。』

まあこれはさておき次がアレ。

『ただ、今おっしゃったようなリスクは、特に海外面から起こる可能性はあると思っています。』

・・・・・・・・今しがた海外要因を主因として「非常に良くなる年」と言っていたのに「リスクは特に海外面」と仰せになるというのがまるで意味が分からん。一つ一つの現象とかリスク要因に関してはそらまあ確かにこういう見方も分かるのですが、「海外が底を打って(そもそもその底を打ってというのも妙だがそれは置く)ここから非常に良くなる」という説明をしているのに同時にリスクは海外って話をしたら、それは見通しの立て方がおかしいでしょ、となると思うのですけれども。

まあ置物リフレ一派の皆さんのお得意な「パーツパーツの説明は正しいのだが全体の話の整合性が取れていないので最初と最後で矛盾した話をする(ので政策として使えないどころか有害)」という話の面目躍如でして、これ説明するなら普通に国内の需給ギャップがここにきてプラスになってきており、ここから良くなってきますという説明の後に海外リスクの話をすれば説明が変な流れにならないと思うのですが、何でこういう説明をしちゃうのでしょうかねえ。

『米国経済政策がどうなるのか依然として不透明ですし、ブレグジットがどういう影響を与えるのか、欧州の債務問題もありますし、中国でも過剰生産の問題が完全に解決したわけではありません。』

だったら何で「非常に良くなる年」という見通しが出せるのか小一時間問い詰めたい。

『さらに地政学的リスクが非常に増しているということがあります。これまではヨーロッパあるいは中東が主でしたが、最近では、日本のそばでも地政学的リスクが多くなりましたので、そのようなことが顕在化して大きくなると、人々のマインド面から、景気回復のモメンタムが削がれる可能性があると思います。』

「マインド面」とか呑気な話ではないと思うが。

『ただ、それがそれほど大きいかというと、やはり地政学的リスクがあまり大きくならないよう、なんとか歯止めが掛かるように政治は運営されるだろうと期待しています。従って、そういう意味では、日本の回復が始まったばかりなのに、もう景気が悪くなるという蓋然性は少ないと思っています。』

「日本の回復が始まったばかり」ってずーっと基調判断「緩やかな回復」なんですけど・・・・・・・・


という事ですが、追加質問が。

『(問) 物価が低いまま景気後退局面に入っていったらどうなるのでしょうか。』

結局さっきの質問に対する答えになっていなかったという事で。

『(答) 万が一のことはあまりお答えしたくありませんが、そのような場合には、やはり金融の一層の緩和ということと、もう一つは財政面での協力ということで、よほど悪いショックの場合は対応していくことになると思います。』

ということで、何のことは無いこの答えだけしておけば良いものを謎の説明をするから話が長くなるのでした。


・リスクプレミアムに働きかけるけれども特定の株価ではないとな

まあこれは師匠答えられないだろうという質問ですが。

『(問) ETFの買入れに関して 2 点お伺いします。今、景気の認識についてお伺いしたところですが、昨年の 7 月に年間の買入れ額を 6 兆円に倍増させて、まもなく 1 年になります。当時の海外経済を含めたリスク要因等と現状は変わってきていると思いますが、今、買入れ額を改めて見直す必要性についてどうお考えでしょうか。また、それに関連して、年間の買入れ額を大きいまま続けていくと、個別銘柄の株価を左右するなど、市場の機能を歪めるのではないかという懸念の声も聞かれています。そのような声に対してどのようなご意見をお持ちでしょうか。』

『(答) ETFの買入れは、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みの一つの要素として、株式市場におけるリスク・プレミアムに働きかけることを目的にしていますので、特定の株価水準を念頭に置いていません。従って、そうした水準を実現するという目的でやっているのではありません。』

まあ日銀の公式説明も突っ込まれたらこういう答えになるのだが、じゃあそのリスクプレミアムがどの程度の水準にあるとか、そういうのは計測しているのでしょ幾らほどなのですか、という話ですよね。

『つまるところETFの買入れは、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するために必要な政策であると考えてやっていますので、先行きについては経済・物価・金融情勢を踏まえて、毎回の金融政策決定会合で、適切に判断していくということに尽きると思います。』

『(問) 当時の状況として判断したリスク要因等が今も継続している、それが必要な状況には変わりないという認識でしょうか。』

『(答) 先日の決定会合で、そのように判断したということです。また、次回どのように判断されるかは議論の過程で決まってくると思います。』

リスク要因等、ではなくてリスクプレミアムは依然として大きい、あるいは今後拡大する可能性があると判断しているのでしょうか、という言い方をした方が良いと思う(そういう趣旨で質問しているのは分かるけど)。


・再度質疑応答が噛み合っていない

『(問) 物価動向について 2 点伺います。4 月の消費者物価指数が力強さに欠けていて、本日の副総裁の講演でも緩慢というお話がありました。2017 年度の見通しも 1.4%ですが、足許の動向と比べるとだいぶ距離が離れている実感がありますが、これをどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。』

『もう一つは、日銀の物価見通しですが、市場からすると、常に期待を織り込んでしまっており、高すぎるという懐疑的な見方があります。結果として、その物価見通しを引き下げることが多く、そうなると日銀がせっかくパスを示しても、その信頼が揺らぎかねないということもあると思うのですが、そういった声についてお考えをお聞かせ下さい。』

そういうのは総裁会見で聞いてほしい。

『(答) 一番最初に「量的・質的金融緩和」を始めた頃には、レジーム・チェンジということが大きく働いて、人々の期待形成が変わり、予想物価上昇率も上がり、物価も順調に上がっていました。』

えーっとすいません、だったらとっくの昔に物価目標達成している筈なんですが。

『そういう時にはむしろ、マーケットとの関係では、マーケットのほうが遅れて日本銀行についてきている状況でした。それが少し崩れてくるのは、消費税増税後の需要の弱さ等に加えて、原油価格が最大で 4 分の 1 まで下がるという想定外のことが起こり、予想物価上昇率がこれと同じように下がってしまうことを、日本銀行としては、十分には織り込めなかったからだと思います。そのためにマーケットや実態との差が開いていったと思いますので、そういう面を捉えて「総括的な検証」を行いました。』

何じゃこの説明?

『予想物価上昇率は日本ではどのように形成されるのかを検証した結果、足許の物価が上がらないと、なかなか上がらない。2013 年に「量的・質的金融緩和」を実施した時には、レジーム・チェンジの効果が働いたため、足許の物価が上がらなくても予想物価上昇率はそれ以上に上がる状況が続きましたが、今はまた元に戻ってしまい、足許の物価が原油価格等で下がると、予想物価上昇率も下がるという、いわゆる適合的期待に変わってきました。』

「足許の物価が上がらなくても予想物価上昇率はそれ以上に上がる状況が続きましたが」というのが訳分からないし、さらに「適合的期待に変わってきました」って元々適合的要素が強いというのが総括検証の結果じゃなかったでしたっけ??

『そうなると、日本銀行は少しフォワードルッキングな要素を織り込んで予想していましたので、物価に関する展望について、マーケットと日本銀行に乖離が生じ始めた。そういうことで「総括的な検証」をした結果、』

マーケットと、じゃなくて実態として外したから総括検証したんでしょ。

『今後は、需給ギャップの改善もありますので、足許の物価が上がり、予想物価上昇率も上がる、ということを繰り返しながら、次第に皆さんが、物価が実際に上がってくることを期待することによって、予想物価上昇率も、足許だけではなく、もう少し先をみながら予想するようになると私どもは考えています。適合的期待だけではなく、もう少し先行きをみた予想物価上昇率の形成の要素も加わってくると予想していますので、徐々にまた一番最初の「量的・質的金融緩和」を始めた頃と同じように、民間の予想物価上昇率も日銀に近づいてくるということが、今年から来年にかけて始まるのではないかと私は判断しています。』

何つーかわけわからん。

『(問) 1.4%と予想されていますが、足許の物価の動向が鈍いことに関して、どのようにお考えでしょうか。』

さっきと同じでワロタのだが・・・・・・・

『(答) 足許は鈍いですが、労働市場をみますと、労働需給の逼迫度を反映するパートの賃金はすでに前年比 2%台後半まで上がっています。正社員の有効求人倍率も 0.97 倍と、1 倍が視野に入ってきている段階です。さらに今年は実体経済も良いということであれば、次第にパートだけではなく、正社員の賃金も上がってくると思います。むしろ、足許の物価が少し弱いのは、一昨年から去年くらいまでの状況が尾を引いているほか、原油価格が大きく下がったために実際の物価が下がったことが効いています。今後はそれが反転していく局面に入っていくと理解していますので、足許は弱くても徐々に物価は 2%に近づく軌道に入っていくと思っています。』

会話になっていない・・・・・・・・・・


・80兆円を残した方が柔軟に対応できるという謎理論を鑑賞

『(問) 1 点目は、日銀は今の「イールドカーブ・コントロール」のもとで、金利をターゲットにしていますが、80 兆円をめどに国債の保有残高を増やしていくガイダンスも残しています。このガイダンスは引き続き維持すべきだとお考えでしょうか。また、仮に将来これを変える、あるいは取り除く場合、どのような条件のもとであればそれが可能なのかをお聞かせ下さい。(後半割愛)』

『(答) 「イールドカーブ・コントロール」では、短期金利を-0.1%、長期の 10 年物国債の金利をゼロ%程度という目標を持ってやっています。金利の裏には量があるわけで、金利の下がり方あるいは上がり方によって、国債の買入れ額は自動的に変動せざるを得ません。』

マネタリーベース理論は撤回したようです。

『そのうえで、なぜ 80 兆円のめどが同時にあるかですが、それを外さないほうが柔軟性があると考えられることが1 つあります。』

これは珍理論。

『例えば、先程、景気後退があったらどうなるのかというお話がありました。蓋然性はないかもしれませんが、万が一、非常に大きなリスクやショックが生じた時に、ゼロ%程度を維持するために、国債買入れ額のめどを外してしまった後に、やはり国債買入れ額は 80 兆円必要ということになるかもしれません。そういう意味で、国債買入れの 80 兆円はめどとして柔軟に残しておいたほうが、金融政策の運営が上手くいくのではないか。』

??????????

『いったん外したのにまた 80 兆円をめどにするといった、市場に余計な混乱を予想させる必要はないのではないか。それよりも、80 兆円をめどにして、フレキシブルに買入れ額や、イールドカーブの形状を現状程度に維持する方法を考えたほうがよいのではないかということで、80 兆円というめどを残しているわけです。
(後半割愛)』

・・・・・・・何を言っているのか分からない。


・これは良い質問

良い質問だが質問が長いのは逃げ場を無くして聞いているからです。

『(問) 岩田副総裁は、就任会見で、2%のインフレを達成するためには 2 つの条件が必要だとおっしゃっています。そのうち 2 つ目として、「2 年くらいで責任をもって達成するとコミットしているわけですが、達成できなかった時に、『自分たちのせいではない。他の要因によるものだ』と、あまり言い訳をしないということです。そういう立場に立っていないと、市場が、金融政策を信用しないということになってしまいます。市場が金融政策を信用しない状況で、いくら金利を下げたり、量的緩和をしても、あまり効き目がないというのが私の立場です」とおっしゃっています。』

ですなあ。

『もう 4 年以上経っても目標を達成できていないわけですが、その理由として先程も、原油が下がった、消費税増税の影響があった、想定外のことが起こった、といったことをおっしゃっています。本日の講演の中では、もう 1 つ大きな要因として、リーマン・ショック後、わが国の予想物価上昇率が低位にとどまり、あるいは大きく低下したために、名目金利を引き下げても実質金利が十分に下がらなかったことにある点は否定できない、とおっしゃっています。』

はい。

『これはつまり、異次元緩和を始める前の白川総裁時代のことをおっしゃっていると思いますが、もともと黒田総裁、岩田副総裁、新しい執行部というのは、前の白川総裁の政策を否定して異次元緩和をされたわけで、その政策が 4 年以上経っても上手くいっていないからといって、前の白川総裁の時代のせいにするのは、あまりフェアではないと思うのですが、いかがでしょうか。


白川総裁の説明と同じ説明になっているように見えますがどうでしょうか、と締めた方が良かったと思います。

『(答) 白川総裁時代のせいにするということではありません。率直に説明しますと、2 年くらいをめどにして達成するという時に言い訳をしない、という時の言い訳としては、合理的な説明になっていないことを言い訳と私は申し上げました。』

ほほう。

『例えば、安い中国からの輸入品が多いから日本はデフレになる、ということが、合理的な説明になるかということです。世界でデフレになっているのは日本だけだったわけですが、中国からはアメリカでもどこでも大量に輸入しています。従って、中国から大量に安いものを輸入しているからデフレになるというのは合理的な説明にはなりません。日本だけがなぜそうなっているのかを示さなければならないので、こうした合理的な説明でないことを私は言い訳と言っています。』

今も個別物価の話をしていますし、欧州や米国は物価が2%とは言いませんが1%台半ばとかに上昇している中で日本だけ低空飛行なのですが今でも。

『国会ではそれは言葉の遊びだと言われてしまいましたが、言い訳とはそういうことだと思います。合理的な説明であれば言い訳ではありません。』

これが合理的なら前の説明も合理的ですが。

『原油価格がこれだけ急落した場合、物価が下がるというのは、ある期間はどうしても起こります。なぜならば、原油価格が急に 4 分の 1 にまで下がった場合、交易条件が良くなり、例えば地方で自動車を運転して外出したり、モノを買ったりする時の輸送コストが大きく下がります。その分、他に購買する力が出てきます。他のモノを消費する購買力が生じますが、他の物価は上がるのに時間がかかります。これを物価の粘着性と言います。生鮮食品などはわりあい簡単に上がることはありますが、簡単には上がってこないモノがありますので、原油価格の下がり方を相殺してなかなか物価は上がりません。』

じゃあ日銀版コアCPIは何で上がらないのでしょうか。

『決して言い訳ではなく、時間が掛かるという意味です。』

言い訳ですが。

『原油価格が永遠に下がり続ければ、さらに金融緩和をしなければならないことになりますが、』

今原油が下がったら購買力が上がるという話をしていたのですが・・・・・・・・

『そうでない限りは、物価はどこかで底を打って反転してきますので、金融政策は最終的には効きます。』

?????

『金融政策で物価が上げられないということではなく、一時的にどうしても物価が下がることは、どのような金融政策であっても致し方ありません。』

「一時的に」はその前の上昇の方ではないでしょうか。

『「量的・質的金融緩和」を始める前の日本銀行は、どんなことをしても金融政策では物価は上がらないと言いながら、量的緩和をしました。』

そんな事は言ってません。時間が掛かるという話をしていました。

『そこに矛盾がありました。その矛盾について、合理的な理由にならないことを言っていました。例えば、人口減少は必ずデフレになるかと言えば、必ずしもそうではありません。ドイツでも人口は減少していますが、物価はむしろ上がっています。世界では色々なことが起こっていますが、日本だけでデフレが起こっている原因を探らなければいけません。』

ほほう。

『探ってみると、結局、金融政策が本当の物価安定を目指して粘り強くやっているか、コミットしてやっているか、色々と物価を下げる圧力があっても、それを跳ね返す努力をしているかということについて、日本銀行は常に努力をしてきたかと言えば、少し違うのではないかと思います。』

でも今そうやってますけど物価上がってませんよね〜。

ということでまあ見苦しい説明を鑑賞した所で終了ということで何の役にも立たない鑑賞会でどうもすいません。
 


お題「2年▲9.5bpとな/きくお師匠がすっかりアレな件について」   2017/06/23(金)08:03:32  
  何とかブームで当選すると碌なのが出ませんな。
中選挙区に戻した方が良いんじゃないのかね。

[外部リンク] 豊田真由子衆院議員が離党届を提出
6月22日 16時21分

しかし音声データとかこちらのニュースの所でもあった(ということは地上波で堂々放送されたということですが)のですが号泣地方議員並みの破壊力があるコンテンツですな(ここの地上波放送コンテンツだから大丈夫だろうと思ったらあまり大丈夫では無かった)。


○中短期ェ・・・・・・・・

[外部リンク] | 2017年 06月 22日 15:20 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が小幅上昇で引け、長期金利は横ばい0.055%

ええい長期金利はどうでもよい中短期じゃ中短期。

『<15:08> 国債先物が小幅上昇で引け、長期金利は横ばい0.055%

現物市場は需給の緩みが意識されている中期ゾーンが軟化。5年債利回りは一時マイナス0.060%と昨年12月16日以来の高水準となった。一方で原油安によるインフレ期待が後退していることで、相対的に高い利回りが確保されている超長期ゾーンを物色する動きが出ている。10年最長期国債利回り(長期金利)は同変わらずの0.055%。』

『<14:20> 10─20年利回り格差50bp割れ、原油安でインフレ圧力後退

一方、3月から相次いだ日銀買い入れ減額で需給不安が出ている中期ゾーンの利回り上昇の影響を受けて、10年ゾーンは利回りが下がりにくい状況が続いている。「日銀が中期ゾーンの利回り上昇を放置するのか、あるいは買い入れ増額に再びかじを切って利回り上昇をけん制するのか、調節姿勢に市場の注目が集まりつつある」(国内金融機関)との声が聞かれた。』(ここまで上記URL先より)

ということで昨日は2年が途中しらっと▲9.5bpつけてみたり5年が上記記事に有りますように▲6.0bpをつけてみたりとなっている訳ですが、よくよく考えて見ますと昨年11月17日の指値オペ(ただし応札ゼロ)の金利水準が、

[外部リンク]
 


お題「4月議事要旨を鑑賞していたら思いの外時間と量を使ってしまいました(大汗)」   2017/06/22(木)08:06:01  
  ほほう。
[外部リンク] | 2017年 06月 22日 01:20 JST
今年下半期の利上げを支持する公算=ハルデーン英中銀理事

最近手が回っていませんでしたがBOEの文書も読んでいかないとですなあ。

○2年がまた▲10bpとな

[外部リンク] | 2017年 06月 21日 15:13 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は横ばい、長期金利0.055%に上昇

『<15:11> 国債先物は横ばい、長期金利0.055%に上昇

長期国債先物は横ばい。20日の米債高を受け買いが先行した。日経平均株価が軟調に推移したことも買いを誘った。ただ、買い上げるには材料が乏しく、次第に戻り売りが出て上値が重くなった。現物市場は高安まちまち。中期を対象にした日銀オペで需給の緩みが確認されたことから2年債と5年債が軟化。長期ゾーンもさえない。一方、超長期ゾーンは週末の日銀オペ期待などで強含んだ。』(上記URL先より)

ということで来週火曜日に2年の入札があるからっつー事なのか存じませんが、また微妙に短い所が甘くなって超長期は堅調というフラットニングをやっておりますが、短国が強くなると戻るのですが、2年もどうもパッとしませんなあという中で3Mの入札ですが、どうせ▲10bpを明確に上回って金利が上昇してくれば何とかなるでしょうという大変に安易なイメージを持っておりますがどんなもんでしょうかねえ。


○4月決定会合議事要旨である

[外部リンク] 』の国内経済の所から。

『わが国の景気について、委員は、輸出・生産を起点とする前向きの循環が強まる中、労働需給は着実に引き締まり、経済活動の水準を表す需給ギャップのプラス基調が定着しつつあるとの認識を共有した。そのうえで、委員は、現状判断を、「緩やかな回復基調を続けている」から、「緩やかな拡大に転じつつある」へと一歩進めることで一致した。』

ということですがこれ自体は上記にあるように需給ギャップがプラス化しましたという話。でまあ需給ギャップがプラス化したという状況になったのが要は3月のデータという話ですから、7月展望レポートの時には3か月近く経過する中で全然物価が強くならない、という話になってくるとどうなのと思いますし、3か月だから波及ラグがありますよねという事であったとしても、10月展望レポートの時に前年比効果を除いた部分でどの程度上がっていますか、というのがどうなってくるのか、うまく行ってない場合にどうするのやらという辺りは楽しみにしておく件ですな。

でもって個別項目に関しては雇用と消費をば。

『雇用・所得環境について、委員は、労働需給は着実な引き締まりを続けており、雇用者所得も緩やかに増加しているとの認識を共有した。複数の委員は、今春の賃金改定交渉では、多くの企業で4年連続となるベースアップが実現し、その水準も概ね昨年並みと見込まれると述べた。このうち一人の委員は、特に人手不足感が強い中小企業において、引き上げ率が大企業を明確に上回るなど、賃上げの動きに拡がりがみられていると付け加えた。先行きの雇用者所得について、委員は、労働需給の着実な引き締まりが続き、企業収益も改善するもとで、緩やかな増加を続けるとの見方を共有した。』

ここの理屈がアレなのでして、人手不足要因が純粋に需要の盛り上がりなのかというと、人口動態の問題で人が減ってきているという要因もある訳で、それは「円安で物価が上がる」の変形バージョンみたいな話だと思いますし、「企業収益が改善する中で労働需給が引き締まっている」という威勢の良い話の部分も勿論あるでしょうが、労働需給の引き締まりが企業収益を悪化させる、というルートの事を華麗にスルーしているのが何だかねえとは毎度申し上げておりますが思います。

『個人消費について、委員は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、底堅く推移しているとの認識を共有した。一人の委員は、消費活動指数は、雇用者所得の増加との対比でみれば伸び悩む状態が続いてきたが、昨年半ば以降上昇に転じ、このところ雇用者所得に見合うかたちで伸びが高まってきていると指摘した。』

ふーん。

『別のある委員は、幅広い地域や企業規模、業種で労働需給の引き締まりがみられていることが、消費マインドの好転を支えているとの見方を示した。』

なんでそうなる。

『先行きの個人消費について、委員は、雇用者所得の着実な増加とこれまでの株価上昇による資産効果に加え、耐久財の買い替え需要にも支えられて、緩やかな増加傾向を辿るとの見方を共有した。』

ほほう。

『この間、一人の委員は、2000年代央の景気拡大局面に比べると、現在は高齢化が進んでいるため、年金受給者の増加や現役世代の社会保障費の負担増が重石となって、消費への波及が進みにくくなっている可能性があることには留意が必要であると述べた。』

ここも毎度指摘されている話ですの。


でもって物価に関して。

『物価面について、委員は、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は0%程度となっているとの認識を共有した。また、委員は、消費者物価(除く生鮮食品・エネルギー)の前年比は、小幅のプラスで一進一退の動きとなっているとの見方で一致した。』

ということで・・・・・

『ごく最近の消費者物価の伸び悩みについて、何人かの委員は、携帯電話市場の競争激化を背景に、携帯電話機やその通信料が下落していることが大きく影響していると指摘した。委員は、こうした特定のセクターにおける一時的な動きは、基調的な物価の動向とは区別して考える必要があるとの認識を共有した。』

言い訳キタコレ。

『そのうえで、多くの委員は、こうした要因を除いても、景気がしっかりと改善し、労働需給が引き締まりを続けていることとの対比でみれば、賃金や物価の改善はやや鈍いとの見方を示した。』

この話は後程出てきます。

『この間、予想物価上昇率について、委員は、現実の物価上昇率が昨年末まで小幅のマイナスで推移してきたことから、「適合的な期待形成」の要素が強く作用し、弱含みの局面が続いているとの認識を共有した。』

つー論理展開自体は既に展望レポートなどで聞かされている訳ですが、原油価格の時にも同じように「特定のセクターにおける一時的な動きは、基調的な物価の動向とは区別して考える必要がある」という話をしていて、その後結局適合的な期待形成って話になっている訳でして、特定セクターにおける一時的な動きで済ませて良いのでしょうかねえという気はするのですが、まあ大人なのでツッコミはしないことにする(してるけど)。


・物価が中々上がらない件について議論はあるのですが・・・・・・・・・・・

『2.経済・物価情勢の展望 』という所に参ります。途中から。

『委員は、実体経済から物価面への波及について議論した。現状、労働需給の引き締まりとの対比でみて、賃金や物価の改善がやや鈍いとみられることについて、何人かの委員は、企業が人手不足に直面するもとで、賃金を引き上げて労働力を確保し、これに伴うコストの増加を価格に転嫁するのではなく、営業時間の短縮や提供するサービスの見直しなどによって対応する動きがみられていることを指摘した。』

ということで、これだと「労働需給が引き締まって企業業績が改善するもとで」とはなっていませんぞな、というのが現状であるっつーことですなあ。

『これらの委員は、その背景として、人々の間にデフレマインドが根強く残っており、企業が価格引き上げに動きにくい状況があると述べた。』

最近は「期待に直接働きかける政策」という話をフェードアウトすることによって最初に言っていた威勢の良い話をフェードアウトさせる作戦に出ていますので、すっかりこうやって「適合的期待でデフレマインドが残っており」という話をしているのですが、そもそも論として企業が価格を引き上げ難いのはマインド云々の前に需要が盛り上がっている訳ではないからじゃないのと思う訳で、需要が上がらん中で労働需給がタイトになってコストプッシュで収益下がるんだったらそら値上げしにくいわという話。

・・・・・ってえのをよくよく考えてみれば、QQE最初にぶっこんだ時は(消費増税の駆け込み需要だの便乗値上げだのもありましたが)、マネタリーショックで円安に持って行って物価が上昇した所で期待インフレも上がって来てウマーという図で進んでみたものの、物価が上がって個人セクターの実質購買力がスクイーズされて需要がコケてしまいました、という話になっていた訳で、今回は人口動態がフォローになって労働需給が引き締まる中で、賃金が(後で何とかなる非正規労働者を中心にしているとは言え)上昇するのでここを起点にインフレ期待を上げて行く、という図が想定される訳ですが、その前に企業の方が労働コストの引き上げがシンドイということになるとまーたコケるという話にならんのかということにならんかと懸念されますな。

『複数の委員は、正社員の賃金の伸びが鈍いことを指摘したうえで、その背景には、労使間の賃金交渉において、前年度の物価上昇率の実績を基準とする慣行や、正社員の雇用の流動性が低いため、労働需給の引き締まりが人材獲得競争を通じて賃金上昇に結び付くメカニズムが弱いことなどがあると指摘した。』

ということですが、本格的に成長期待だの需要拡大期待があるなら正社員も増やすと思いますので、やはり成長期待の方が盛り上がるような施策が無いとって思うのですが、それを言い出すと「金融政策で2%物価目標達成」という大見得を切った話が無かった事になってしまいますので言い出せないというこの困った状況。

『そのうえで、多くの委員は、先行き、労働需給の引き締まりが一段と強まるもとで、賃金と物価への波及が進んでいくとの認識を示した。複数の委員は、労働需給が引き締まりを続けるもとで、パート労働者の賃金が前年比2%台の高めの伸びとなり、今春の賃金改定交渉において中小企業でのベースアップ率が大企業を上回る見込みにあるなど、変化は既に現れてきていると指摘した。別のある委員は、就業者の過半が中小企業で働いていることを踏まえれば、賃金上昇を実感できる世帯は着実に拡がりつつあると考えられ、これは予想物価上昇率を高めていくうえできわめて重要な動きであるとの認識を示した。』

ということなのですが、中小企業を中心に企業収益に重石になっていく、ということになりますと、設備投資とかに影響してこないかという方は気にならんのかとは思います。まあ都合の良い面をつまみ食いしてロジック作ってるなあという感は否めない。


・先行き物価見通し

その続き。

『物価情勢の先行きについて、大方の委員は、消費者物価の前年比は、ー給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率の高まりなどを背景に、プラス幅の拡大基調を続け、2%に向けて上昇率を高めていく、2%程度に達する時期は、見通し期間の中盤である 2018 年度頃になる可能性が高い、その後は、2%程度で安定的に推移していく、との見方を共有した。』

△里茲Δ糞浤囘戮琶価が上がるのであれば、物価上昇とか慣性があるでしょうからにならんじゃろというのは「2年で2%」という話をしている当初からツッコミを入れているのですが、何せ急角度で物価が上がってくれないので実際にどうなるのかは分からん。

『これらの委員は、2017 年1月の展望レポートでの見通しと比べると、2018 年度までの物価上昇率の見通しは、概ね不変との見方で一致した。この間、複数の委員は、見通し期間中には2%程度に達しないとの見解を示した。』

佐藤さんと木内さんですね。

『委員は、物価見通しの背景となる中長期的な予想物価上昇率と需給ギャップについて議論した。』

ここがロジックのベースなので。

『まず、中長期的な予想物価上昇率について、大方の委員は、 崚合的な期待形成」の面では、マクロ的な需給ギャップが改善する中で、エネルギー価格の動向などを映じて、現実の物価上昇率は高まっていくと予想されること、◆屮侫ワードルッキングな期待形成」の面では、日本銀行が「物価安定の目標」の実現に強くコミットし金融緩和を推進していくことから、中長期的な予想物価上昇率は上昇傾向を辿り、2%程度に向けて次第に収斂していくとの認識を共有した。』

そもそも△ワークしてないんですが。

『次に、需給ギャップについて、大方の委員は、輸出・生産の増加に伴う設備稼働率の改善に加え、経済対策の効果の顕在化もあって労働需給の引き締まりがさらに強まることから、需給ギャップはプラス幅を拡大していき、そうしたもとで、賃金の上昇を伴いながら、物価上昇率が緩やかに高まっていくという好循環が作用していくとの認識を共有した。』

という話で、賃金が上がって内需が伸びて、という図を想定しているのですけれども、ここまではまだワークしていない(力強さに欠ける)という状況でありますと(引用飛ばしちゃいましたが)先行き新興国が戻って来ると強くなってくるでしょう、という見込みになっている外需がコケてしまうと一気にダメダメになりそうな話のようにも思えます。やはり外的コストプッシュ的な要因だけではなくて需要増が伴わないと難しい、という事ですと海外経済がイマイチさんという状況ではどうしてもこの想定メカニズムは(コケなければコケはしないと思いますが)遅々として進まず、という事になるのではないかと。


・YCCの効果の話なのだが「金利を安定させる」のは手段であって効果と言うのはおかしいのではないでしょうか

ということで金融政策のパートに参ります。

『長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)について、委員は、前回会合以降、金融市場調節方針と整合的なイールドカーブが円滑に形成されているとの見方を共有した。』

円滑かどうかは別にして市場は安定して推移しましたな。

『一人の委員は、昨年秋以降世界的に長期金利が上昇した局面においても、わが国の長期金利は低位で安定的に推移したことにみられるように、イールドカーブ・コントロールの有効性は明確となっており、先行きもしっかりと効果を発揮していくとの見方を示した。』

これ誰が言ってるのか(与党委員か執行部の誰かでしょうが)わかりませんが、「イールドカーブ・コントロールの有効性は明確」ってYCCは「物価目標2%を早期(早期というのはまだ引っ込めて居ないことになっている筈だが)に達成する」為に実施しているのであって、そこまで散々議論をしていたように物価の伸びが期待よりも弱い、という状況になっていてナンデジャロと議論をしているのに「有効性は明確」ってお前は何を言ってるんだという話で、それは金融市場局のオペレーション部隊がディレクティブをきっちり運営できましたと言って報告するレベルの話ですがなと思うのですが、というかこういう説明をおっぱじめられますとみているこっちの方が恥ずかしくなるのでお願いだからこういう事言わせないで欲しいです事務方の皆様宜しくお願い申し上げます。

『国債買入れについて、委員は、現行の政策枠組みのもとでは、長期金利の操作目標を実現するように国債買入れを運営しており、買入れ額は、金融市場の状況に応じて、ある程度の幅をもって変動することを改めて確認した。そのうえで、委員は、金融市場調節方針との関係で問題は生じていないとの認識で一致した。』

ということですが、これ「一致した」って原田さん一致したらダメでしょ貴方は80兆円にこだわりを持っているんじゃなかったでしたっけ、というのも気になりましたな。

あとまあ今に始まった事ではないのですが、

『長期国債以外の資産の買入れについて、多くの委員は、次回金融政策決定会合まで、ETFおよびJ-REITについて、保有残高が、それぞれ年間約6兆円、年間約 900 億円に相当するペースで増加するよう買入れを行うこと、CP等、社債等について、それぞれ約 2.2兆円、約 3.2 兆円の残高を維持すること、が適当であるとの認識を共有した。』

と毎度リスク性資産の買入に関してはこの件しか書かれていないのですが、本来は「過大に拡大しているリスクプレミアムの縮小を促すことによって政策効果を発揮しやすくする」というのがリスク性資産買入の趣旨であるのですから、リスクプレミアムがマイナスになるようなところまでの買入をするというのはアカンがなという事でもありますし、この部分に関してなんらかの検討をしている風情が全然ないというのは如何なものかと思いますので、是非木内さんと佐藤さんが残っておられる次回の最後の金融政策決定会合でこの辺りのご議論をお願いしたく存じます(平伏)。
 


お題「FEDは市場とのギャップをどうするんでしょうかねえという世間話」   2017/06/21(水)08:18:06  
  どう見ても虻蜂取らずです本当にありがとうございましたorzorz
[外部リンク] 15時40分(最終更新 6月20日 18時51分)


○日銀から引き続き色々と出ているのだが

まあこの前日経で記事がちょこちょこ出ていましたように、この時期って日銀定例の人事異動があるのでその前に片付けるものは片付ける的なのもあるんだろうなあと思いながら最近のペーパーその他ラッシュを鑑賞するのでした。

・内容を読んでみようと思った瞬間にページ数を見て断念したが・・・・・・・・

[外部リンク] 決済・市場インフラ委員会(Committee on Payments and Market Infrastructures: CPMI)および証券監督者国際機構代表理事会(Board of the International Organization of Securities Commissions: IOSCO)が 2012 年 4 月に策定した国際基準である「金融市場インフラのための原則」に従って、日本銀行が運営する国債振替決済制度および日銀ネット国債系を主な対象範囲とし、情報開示を行うものである。必要に応じて、国債振替決済に付随する日銀ネットの関連事務(国債の DVP 決済、同時担保受払機能など)や日本銀行の運営体制等にも言及している。』

[外部リンク] 決済・市場インフラ委員会(Committee on Payments and Market Infrastructures: CPMI)および証券監督者国際機構代表理事会(Board of the International Organization of Securities Commissions: IOSCO)が 2012 年 4 月に策定した国際基準である「金融市場インフラのための原則」に従って、本制度および日銀ネット当預系を主な対象範囲とし、情報開示を行うものである。必要に応じて日中当座貸越や日本銀行の運営体制等にも言及している。』

というものなので(なので章立てとか文章が翻訳調)たぶん決済ネタが好きな人じゃないと読まないという奴だと思います。何気に決済ネタも好き(というか決済回りに近い事もやっていたりしたので)なアタクシ必読と言いたいが二つで約160ページェ・・・・・・・


・これも面白い人には面白そう

[外部リンク] | 2017年 06月 21日 04:45 JST
米金融・債券市場=長短期債利回り格差縮小、FRB高官のタカ派発言受け

ということですが、昨日はフィッシャー副議長のアムステルダムでの講演の中で「低金利環境のせいで不動産価格がややケシカラン事になっている」的なヘッドラインが出た辺りでドル円がホイホイと上昇する(ように見えたのだが)とか、だいたいその辺は既定路線だろという中でこの動きとなという感じ(債券よりも為替の方が)はナンナンデショという不思議感は少々。

上記URL先から引用しますと、

[ニューヨーク 20日 ロイター] -

30年債(指標銘柄) 15時33分 105*11.00 2.7370%
前営業日終値 104*09.00 2.7880%
10年債(指標銘柄) 15時33分 101*29.50 2.1582%
前営業日終値 101*21.00 2.1880%
5年債(指標銘柄) 15時32分 99*30.00 1.7632%
前営業日終値 99*26.25 1.7880%
2年債(指標銘柄) 15時23分 99*26.00 1.3480%
前営業日終値 99*25.00 1.3640%

(上記URL先より引用)

ってあって、米債の方はそれ以外のネタ(原油価格があばばばばー)で結局金利が下がっているようですが、ここもとタカ派発言出ても長い所は堅調推移というか寧ろ最近金利下がってるだろうという事でして、利上げの方は完全織り込みだったからまあ良いとして、その後の利上げ路線に関しては(それだけを盲信しても良くないのだが)FF先物とかだと結構織り込みが足りないようにも見える値付けになっているにも関わらず、SEPでも会見でもその後の主流派執行部系高官の発言が利上げやる気満々モードなのに平然と長期金利が下がるというのがもう市場とFRBの温度差拡大という所でこの後が楽しみ(不謹慎)ではありまする。


・とりあえずヘッドラインで脊髄反応してみるがカプラン総裁発言関連

だいたい人が読もうとしている側からバンバン新しいのが出て困るんですけど。

[外部リンク] | 2017年 06月 21日 05:07 JST
米FRB、国債利回り低迷するなか追加利上げに慎重になる必要=ダラス連銀総裁

『[サンフランシスコ 20日 ロイター] - 米ダラス地区連銀のカプラン総裁は20日、米10年債利回りが低水準にあるなか、連邦準備理事会(FRB)は追加利上げについて慎重になる必要があるとの考えを示した。同総裁は講演で、国債利回りが低水準にあることは市場で経済成長が低迷するとの見方が出ていることを示していると指摘。金利の現在の水準に違和感は持っていないとしながらも、「10年債利回りが現行の水準にとどまる場合、FRBはどのように緩和策を引き揚げていくか、非常に慎重になる必要がある」と述べた。』(上記URL先より)

誠にケシカラン事に
[外部リンク] and Essays by President Robert S. Kaplan

を見ましても講演テキストらしいのが載っていないのもあってヘッドラインだけで脊髄反応してみる(後で出るかも知れないが)のですが・・・・・・・・

市場の見方がFRBの見方と乖離しているから政策運営を慎重に、というのは話の筋としては仰る通りではありますが、だいたい中央銀行って(そらまあ人間自分のビューが正しいと思いながら行動するのだから中央銀行に限らず当たり前ちゃあ当たり前ですが)てめえのビューに対して市場がそう反応しないという状況を見ると「市場がちゃんと理解していなくてケシカラン」となってオリャーとばかりに「我々の考えはこうなのにお前ら分からんとはアホかと馬鹿かと」みたいな情報発信を開始して話がややこしくなる、というのが仕様でございます。後でそのネタやりますが市場との認識の乖離に関してはどう考えていくのかとゆー話もありますし、そうは言いましてもそのうち結果というのは出るのであって、市場が正しかったのかFRBが正しかったのか、という結果が出た時にどうするのかとか、まあ色々と興味は尽きないので暫く米国ネタは楽しめそうな(不謹慎)気はします。

でまあ指摘されているように、最近物価の話ダイレクトではなくて、「このように物価が上がっていく状況は満たされている」というような形での話が増えている、というのはこれまた興味深い所でありまして、物価そのもので結果勝負すると負けるかも知れないと思って、「総合的判断」「先行きの基調が強い」という話に土俵をしらっと摩り替えることによって勝負で負けたことにしない、という風になってきたのかも、という気もするのでこの辺りのロジック展開にも興味があります。


・まあBISビュー的な利上げでもある訳で

昨日のタカ派発言。

ローゼングレン総裁
[外部リンク] Stability in a Low Interest Rate Environment
By Eric S. Rosengren
June 20, 2017

Boston Fed President Eric Rosengren spoke at the De Nederlandsche Bank & Sveriges Riksbank Macroprudential Conference Series in Amsterdam, The Netherlands. He was a discussant for one of the conference papers.

フィッシャー副議長
[外部リンク] 20, 2017
Housing and Financial Stability
Vice Chairman Stanley Fischer
At the DNB-Riksbank Macroprudential Conference Series, Amsterdam, Netherlands

ということで、お二方ともオランダとスウェーデン中銀共催の「Macroprudential Conference Series」で講演していて、そらマクロプルーンデンスネタだったら利上げの話をするし金融安定とか住宅バブルとかの話をするわな、とまあ納得のBISビュー炸裂なのですが、BISビューチックな利上げという考えは当然ながらあると思います。それならフラットニングというのも整合性取れるので、実はカプラン総裁のいうような「慎重に」というのはBISビューチックに言えば非常に宜しくない態度(市場の反応で反応するというのは市場の動きを増幅させる効果があるので、リーンアゲインストザウィンドな態度ではない)なのですな。



○イエレン記者会見ネタの続き

[外部リンク] of Chair Yellen’s Press Conference
June 14, 2017

・市場との認識ギャップに関して

つーことでここまでの話に関連して市場とFRBの認識ギャップに関する質疑がありまして、14ページの下の方からになります。

『DON LEE. Thank you, Don Lee with the LA Times. The Fed's projections continued to show the longer-run federal funds rate at 3 percent. The markets are expecting 2 percent. How big of a concern is that gap in your mind? What are the reasons for that disconnect? And, you know, what are the implications and the risks for the real economy? 』

目先の話というよりもロンガーランの方についてですが、まあこちらは長期金利の水準という意味で論点としては重要な質問ではありますな。ロンガーラン3%って言ってるけど債券市場はロンガーラン2%だと思って値段がついてるけどこのギャップがそのままで問題は何か無いのか、という質問ですの。

『CHAIR YELLEN. So let me first say it's not straightforward to determine exactly what expectations are embodied in market prices because they're are Term premia that affect these rates and they may not really be as low as one would infer from a straight read.』

という答えなのだがそもそもタームプレミアムがどうのこうの言いましても金利水準は低い(30年が3%行ってないんですから)のですけど・・・・・・・・・・

『That said, in part, expectations reflect estimates of what the neutral federal funds rate is and how it's likely to evolve over time. And views have changed about that over time and there is a good deal of uncertainty about it. So, we have recently put out charts that try to show what the range of uncertainty is around our path for the federal funds rate, especially as one goes further out. There's a good deal of uncertainty and that reflects the like all the shocks that can affect the evolution of the economy. And also the fact, we're quite uncertain ourselves about what the likely-- what the evolution will be of the neutral federal funds rate.』

見通しに不確実性がある(のを示すようにチャートを工夫した)し、中立金利水準についても推測するしかないので不確実、と話の筋を外しに来ています。

『So, we do try to write that down and provide the public with information about our current expectations. And the median now stands at around 3 percent but we have uncertainty about that. Many of my colleagues, and I, think that the current neutral level is lower than that. And as I said in my opening statement, the fed funds rate path reflects an expectation that that neutral rate will be moving up some in future years. But that remains uncertain and I think that's something that market participants are trying to assess and we will be as well.』

でまあ質問の意図とズレた答えなので再質問。

『DON LEE. Are these to create a volatility in the markets as it adjust to the difference and the gap between the expectation and what the Fed's projections are for longer-run federal funds rate?』

『CHAIR YELLEN. Well, our expectations are little changed. I mean, the projections we released today are essentially identical to those. And I think the market is aware of the views of participants. And is assessing evidence itself to form their own views.』

で?

『And it's important that the market take an independent look and that we get to understand and see how market participants are interpreting evidence on the evolution of the economy. So, it's not an unhealthy thing to have such a gap. And as I just said, our own views are not set in stone but are likely to evolve as well over time.』

ということで、市場とわたしらの見方にギャップがあるのは認識しているし、何でワシらの見方と違っているのかという点について認識するのも重要だけれども、ギャップがあるのは別に問題ない、という言い方をしています。

質疑はここで終わっているのですが、さっきのカプラン総裁とは違った話をしていまして(そらまあ市場の見方が正しいのではと思って、という話になるとアセスメント変更になっちゃうから、というのはありますけれども)、しかもその後の主流派高官の発言があの調子、という事になりますと、市場のギャップとかありますが知らんがなという話になるでしょうから、当面は「FEDは強気を言うけど市場は何をゆうとりますかという反応」という感じになるんでしょうか債券市場の方は(為替は知らん)、とは思いました。


でもって物価でゴリゴリ詰められる部分をやろうと思ったら時間配分間違えて時間が無くなってしまったので明日に続くで勘弁してください(すいません)。
 


お題「市場メモ/総裁会見だがおもろくなかったです」   2017/06/20(火)08:12:43  
  このネタは今日は間に合わんのですが話自体は既定路線なんですけどね。
[外部リンク] | 2017年 06月 20日 00:43 JST
米労働市場の改善継続、インフレ率2%に回帰へ=NY連銀総裁

しかし何ですな、金利が上がると金融株が買われるようになっている訳ですから、ジャパンもマイナス金利撤回した方が株価上がるんじゃないですかねえ(個人の感想です)。


○市場雑談メモ

・債券先物出来高ェとか

[外部リンク] | 2017年 06月 19日 14:01 JST
〔マーケットアイ〕金利:超長期債利回りに上昇圧力、あすの流動性供給入札前の調整

『<13:59> 超長期債利回りに上昇圧力、あすの流動性供給入札前の調整

超長期債利回りに上昇圧力がかかっている。足元の20年債利回りは前営業日比0.5bp高い0.565%、30年債利回りは同1bp高い0.815%にそれぞれ上昇している。市場では「あすの残存15.5年超39年未満を対象にした流動性供給入札を前した調整が入っているようだ。残存10年超の日銀国債買い入れオペは今週末に予定されているが、入札から少し間隔があくため、慎重な調整が続いているようだ」(国内証券)とみられている。』(上記URL先より)

今日は超長期流動性供給が5000億円ありますが30年国債って新発で出る時8000億円ある上に30年ってまだまだ償還無いから償還再投資ってのは無い訳で、一方で輪番って25年超だけでは1000億円しかなくて、10-25を入れると3000億円、という事ですから、翌日に輪番が有る無しとかいう話を考えたとしても単純に額だけ見たら流動性供給って新発30年よりも物量的なインパクトは無い筈なのですが、毎度のように流動性供給入札はこんな感じですの。

まー投資家のカレント指向っつーか新発だから買うとかございますので、需給が違うっつーのもありますが、「いざとなったら翌日輪番で外せるので札入れできますなあ」というのが支えになっていますとか、応札義務だの落札義務だのってのがどんだけインパクトありますの、という事を示しているのであれば、応札義務の方はさておきまして、「翌日の輪番」というのが外れてしまうと国債消化に苦労する、ってのがどの程度のものなのか、永遠に出口が来ないのならまだしも、何らかの形で国債買入が減ってくる話になった時にどういう事になるのかとか考えると中々オソロシイですの。

それはさておき昨日は前後場合わせて債券先物の出来高8000枚程度とか月曜だし金融政策ネタ一段落したのは分かりますが、アチャーという感じではあります。


・先物だけ見るとまだマシなのだが現物債市場ェ・・・・・・・・・・・という流動性指標

[外部リンク] 図表7:対顧客取引のビッド・アスク・スプレッド(tightness)以降にある売買スプレッドの方は改善しているように見えるのですが、これって単に「市場が動かないからスプレッドが縮小している」だけの話ではないかと思うのよね。

つーことでまあどうせ大本営発表ベースでは「先物の板の厚みやアスク・ビットスプレッドの縮小などにみられるように国債市場の流動性の顕著な悪化は見られない(キリッ)」という話になるのでしょうが、現物市場見るとまあ動かない状態になっていますな、とは思います。

まーこの現象自体は日銀の金融政策に対する先行き変更の思惑が全然出て来ない(緩和にしても正常化にしても)というのも背景にありますし、輪番も全然「動かなく」なっていますしとなって、10年金利も動かないという状態、という外部環境も思いっきり寄与していると思いますから、動くときには動くし、その時には(まだ目先の将来であれば)売買を伴って動いてくれるとは思うのですが、そうは言いましてもこの政策がより長くなった場合にはどこかれ取引を伴わないで動くような市場の状態になるのかなあというのだけは漠然と思っていて、それが今や近い将来ではないことは多分確かだと思うのですが、では何時になったら市場がその閾値みたいなのを越えるのか、というとこれまた良く分からん。


・短国買入とか

その前に先週木曜に1年入札ありまして、

[外部リンク] 55.1

平均7糸甘足切6糸甘なのですが、昨日付けの売買参考統計値だと1年新発が▲12.4bpなので入札の平均よりはマシな所(超若干ですけど)では捌けているという結果ですが応札3.2兆円かよという感じで、投資家の使い勝手の良い3Mとは別にすっかり短国買入専用機になっておられますのう6Mと1Yはという風情。ちなみに3Mの新発は売買参考統計値が▲10.3bpで、入札レベルが平均▲10.35bpで足切▲9.91bpだったので輪番で売ると投げになってしまうので外してはいないと思うのだが日銀短国残高でもあとで鑑賞してみる。


という俺様相場メモでした。


○FEDネタ続きの前に総裁会見なのですが・・・・・・・・・・・

[外部リンク] 物価情勢について伺います。新年度入りの 4 月も企業の価格改定が非常に小規模であったという感触を受けています。経済が高水準で成長しているにもかかわらず物価が弱いという状況については、これまでもいろいろご説明はあったかと思いますが、日本に限らず、米国を含め先進国でも同じような状況が今、起きているかと思います。こうした事態が先進国で共通して起きている理由について、どうお考えでしょうか。』

需給ギャップに対する価格感応度が弱い、という答えをすると展望レポートで示しているロジックが破たんするということでイヤミ感は強めの質問ですが、まあ直球でこれを投げ込むと言い訳が苦しくなる。

『(答) まず、わが国において、潜在成長率を上回る経済成長が続き、需給ギャップが改善している割には、物価上昇率がなかなか高まらないことはご指摘の通りです。こうした傾向は、他の先進国でも多かれ少なかれ共通してみられる現象です。その背景について、学界などでいくつかの仮説が指摘されていますが、現時点でコンセンサスは得られていないと思います。』

ということですが・・・・・・・・

『この点、特に、わが国については、デフレが長期間にわたって続いたため、デフレマインドの転換に時間がかかっていることがあると思います。すなわち、賃金や物価が上がらないことを前提とした考え方あるいは慣行が根強く残っていると言えるのではないかと思います。』

・・・・・・と最近はすっかりこういう説明で通すようになりましたが、記者会見でぜひお願いしたいのは、どうせこの説明は毎回出てくるのですから、「ということは当初QQEで目指していた期待に直接働きかける政策というのはワークしなかったという事ですね」と突っ込んで頂きたいところではあります。

なお、さらにどうでも良いのですが、その質問に対しては「ベアなども行われるようになるなど、デフレではなくなったという意味で効果があった」という回答が来るので、更にツッコミをしないと行けないのですけどね。

『もっとも、このところ、有効求人倍率がバブル期のピークを超え、失業率が 2%台後半まで低下するなど、労働需給の引き締まりが一段と明確になるもとで、賃金上昇圧力は着実に高まっています。例えば、多くの企業において 4 年連続でベースアップが実現した模様であるほか、労働需給に感応的なパートの時間当たり賃金は、このところ前年比 2%台後半のしっかりとした伸びとなっています。』

ここまでは良い。

『こうした賃金の上昇は、次第に販売価格やサービス価格の上昇につながっていくものと考えています。』

という風に結論づけられるのですが、需給ギャップに対する価格感応度が弱いのであれば、労働需給のタイト化が価格の上昇に中々繋がらない、ということでもありますし、いやそうではない賃金上がるのだから価格も上昇するでしょう、というのであればそれは企業サイドの収益がスクイーズされた結果としてコストプッシュ的に価格設定を変更せざるを得ない、という事になりますから、その価格改定はサステイナブルなものなのか、という点で疑問がありまして、何ちゅうかここで話が毎度結論に飛ぶのだが、この間を埋めるロジックが「行くのだから行く」的になっているのはちょっと・・・・・・とは思います。

『以上のような点を踏まえると、わが国の物価上昇率は、先行き、緩やかに高まっていくと考えています。』

まあいずれにせよ「2年で2%」はどこかに行ってしまっているのですけどね。


・出口政策のシミュレーションは出す気は無いようで

今回は出口政策の質疑が多すぎで、しかも話が循環しているだけだし、総裁は一々大演説して質問がはかどらないし、という流れでしたが、記者の皆様におかれましても、「自分の所で質問したいこと」を質問するってのはそうなのかもしれないですけれども、他社で同じような質問が出たら別の質問に切り替えるとか、人の質問の追撃質問をするとか、そういうの考えないのかねと毎度思うのでありまして、今回は出口ネタがメディア的に使えるネタだったからという事しょうが正直つまらなかった。

てな訳で一つだけ。

『(問) 5 月の衆議院財務金融委員会での民進党の前原議員との質疑において、出口局面での日銀の財務について、総裁は、影響を含めて分かりやすく説明することは重要だと、検討していくと表明されていますが、今後の試算の公表等について見通しをお聞かせ下さい。また、前原議員は日銀が赤字になるとの試算を公表されていますが、それに対しても、一定の条件のもとでは矛盾のない試算だという認識を示されています。赤字になる可能性はあるとの認識でよいのか、また日銀が赤字になった場合、通貨の信認の低下や日銀業務への支障を懸念する声もありますが、こういった点に問題はないのでしょうか。』

通貨の信認の低下、という質問に関しては「信認」という話なのでこれは「私はそうは思いません」で話が終わってしまう訳でして、どうせ質問するなら「出口においてこれまでの政策が効果を発揮してインフレを止めないと行けなくなった場合、日銀の財務問題が足かせになってインフレを止められないという思惑が出てしまわないようにするには何らかの方策はあるのでしょうか」とか質問した方が建設的な気がする。

『(答) 金融政策運営の考え方について、日銀の財務面への影響も含めて理解を得ていくということは、非常に重要だと思いますし、これまで同様、しっかりと説明してまいりたいと思っています。ただ、ご案内のとおり、2%の「物価安定の目標」に向けての道は、まだかなりあります。今から具体的に出口がどのようになるのか、そのもとで日銀の収益がどうなるかということは、まだ道半ばの状況で、将来の経済・物価、あるいは金利などに加えて、そのもとで日銀がどういう手段をどのような順序でやるかということによって当然変わってきますので、現時点で具体的なシミュレーションを示すことは、却って混乱を招くおそれがあるために難しいし、また、あまり適当ではないと考えています。』

暫く前には出すような話もあったような気がしますが、結局出さない事にしたのね。

『いずれにしても、あくまでも 2%の「物価安定の目標」が達成され、安定的に推移する状況のもとで出口というものがあるわけですので、今の時点で具体的に出口の手法とか順序を示すのは、なかなか難しいし、またそのもとでの収益の状況等について具体的なシミュレーションを示すのは、却って混乱を招くおそれがあるのではないかと思っています。』

とまあこういう答え方で躱していますが、日銀の土俵に乗って質問するのであれば「これだけの強力な金融緩和を行っているのですから、物価が上昇した時に安定的に上昇するのではないという事は考えられないのでしょうか」と聞いて、そこから今度は「ところで物価目標を2年をめどに出来るだけ早くに達成するというのは止めたということですか」と聞けばヨロシ(なお大体その場合の想定問答も思いつくのが日銀ヲチャー病に罹患しているとしか思えんこのアタクシ)。

『従って、2 番目にご指摘の点につきましても、色々な前提を置けば色々な結果が出てくるということでありまして、今の時点で、このような財務状況になるとか、収益状況になるということを具体的な数字等でお示しするのは適当ではないと思っています。』

つーことで結局出て来ないそうです。まあそうなるかね、とは思いますが。


・80兆円の文言も下げる気がサラサラないと

『(問) 質問は 2 つあります。(前半割愛)2 つ目は、国債買入れのペースですが、80 兆円と今回も変えませんでした。ただ、足許では確か 55 兆円でかなり、だんだんちょっと離れてきているかなと思います。これは今後どのように、ずっと 80 兆円のままにしておくのであればもうこれはめどですらないような気もしますし、かといって数字を示すこと自体を止めるのか、その辺りについて、今後の見通しを含めて教えて下さい。』

『(答)(前半割愛)2 番目のご質問は、先程もお答えしましたが、80 兆円というのはあくまでもめどでして、金融市場調節方針は「イールドカーブ・コントロール」という形で政策金利残高に-0.1%のマイナス金利を適用すると同時に、長期金利について、10 年物国債金利がゼロ%程度で推移するように国債の買入れを進めるということです。国債の買入れ額は、一応のめどはありますが、そのもとで、めどを上回ったり下回ったりすることは、ある程度の幅をもって考えていくべきものだと思っています。あくまでもこれは、「イールドカーブ・コントロール」という形で金利をターゲットにしてやっています。購入額はいわば内生変数として出てくるわけですので、様々な状況によって上下に変動するものです。ただ、これまでの「量的・質的金融緩和」の経験、あるいは「イールドカーブ・コントロール」のもとでの「量的・質的金融緩和」の経験のもとでも、やはりこの程度の国債買入れは必要であったのは事実ですので、めどはめどとして十分機能しているのではないかと思います。ただ、それをターゲットにしていませんので、当然、その上にいったり下にいったり、特に毎月の買入れ額はある程度変動するということだと思います。』

だいたいこの辺りの説明を見ても今回の会見は(最近その傾向が強いのだが今回は特に)やたら無駄に長広舌をふるって会見時間を引き延ばして時間切れを狙っている感を強く受けるのですけれども。いや丁寧に説明しているつもりなのかも知れませんが、先刻ご承知の話をやたらうだうだやっている感しか受けない。

『(問) それは半分以下ですとか、例えば 20 兆円、30 兆円でも、80 兆円のめどは変えないということでしょうか。』

『(答) 先程申し上げたように、月々、結構変動していますので、足許で 80兆円をかなり下回っていても、その翌月にはまた上の方に増えるかもしれませんし、そういうめどであるという意味でお示ししていることを理解して頂ければと思います。』

ということで全然下げる気は無いようです。まあ良いんだけど何だかなあとは思います。


・ETF買入に関して

ここはちょっとだけ面白かったが多分そうはならんと思う。

『(問) 先程のETFの議論に一部関連しますが、2%の目標の達成や出口云々の議論に先立って、それとは別に例えばETFの買入れを減らす、緩和を縮小させるなどの方向に金融政策を調整することはあり得るのでしょうか。』

『(答) 理論的にはあり得ると思います。ETFの買入れの拡大をしたときと、長期国債の買入れ額を拡大したり、「イールドカーブ・コントロール」を導入したときとは、必然的に結びついているわけではありません。』

ほほー。

『ただ、ETFの買入れも、2%の「物価安定の目標」を実現するための「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の一環です。2%の「物価安定の目標」と離れて、こちらはずっと緩和しているがこちらはやめるといったことは普通考えられないと思いますが、ご指摘のような、国債の買入れによる「イールドカーブ・コントロール」と、リスクプレミアムを縮小するためのETFの買入れとが、完全にシンクロナイズして動く必要もないし、過去においてもそうなっていませんので、そこはそのようにお考え頂く必要はないと思います。これは毎回の金融政策決定会合で議論していくことですが、今申し上げたような全体の金融緩和の一環ですので、2%の「物価安定の目標」と離れて、これはこれで違うようにするという考えはないと思います。


ということなので、ETF買入が市場を歪めている、という議論が株の方から盛り上がれば、ということでしょうが、多分そうはならないと思うのでETFだけ単独で、ということにはならないと思います。


#とか何とかやっておりましたら時間切れなのですが、総裁会見は正直この位しか見るところないので本日はこれにて勘弁
 


お題「MPMは無風/イエレン会見を鑑賞(その1)」   2017/06/19(月)08:10:43  
  今後のドル円で重要なのは日米実質金利の差です(キリッ)と説明しているモーサテのおじさんですが、実質金利の差が動くには米国の長期金利と期待インフレ率の両方が上昇する必要があります!(キリッ)とか仰せなのですが両方上がったら実質金利どっちに行くかが程度次第になるんですけど・・・・・・・

・・・・・というのが今日のモーサテの「生兵法は怪我の元」でございました。とか何とかゆうとるアタクシも生兵法は良くやっていると思いますのでそういう時は教えてジェネラル。


○決定会合は想定通りの無風で

・ということで声明文比較(前回は展望レポートなので比較対象は基本的見解)。

[外部リンク] economies have continued to grow at a moderate pace on the whole』(今回英文)
『Overseas economies have continued to grow at a moderate pace, although emerging economies remain sluggish in part. 』(前回英文)

英文を見ると主文にon the wholeが入っている(日本語もそうですけど)ということなので、判断に微妙なヘッジクローズを入れているという読み方になってしまいますけれどもどうなんでしょうかねえ。

『国内需要の面では、設備投資は、企業収益が改善するなかで、緩やかな増加基調にある。個人消費は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、底堅さを増している。この間、住宅投資と公共投資は、横ばい圏内の動きとなっている。以上の内外需要の増加を反映して、鉱工業生産は増加基調にあり、労働需給は着実な引き締まりを続けている。』(今回)

『国内需要の面では、設備投資は、企業収益や業況感が業種の拡がりを伴いつつ改善するなかで、緩やかな増加基調にある。個人消費は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、底堅く推移している。この間、住宅投資と公共投資は、横ばい圏内の動きとなっている。以上の内外需要の増加を反映して、鉱工業生産は増加基調にあり、労働需給は着実な引き締まりを続けている。』(前回)

業況感の所は短観直後の時に出てくるのでこれが抜けているのは特段の意味はなくて、個人消費の所が「底堅さを増している」と判断引き上げとなっています。


『わが国の金融環境は、きわめて緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、0%程度となっている。予想物価上昇率は、弱含みの局面が続いている。』(今回)

『わが国の金融環境は、きわめて緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品、以下同じ)の前年比は、0%程度となっている。予想物価上昇率は、弱含みの局面が続いている。』(前回)

ここも表現変わらず(以下同じ、とあるのは文章の量が違うから)で、相変わらず予想物価上昇率は「弱含みの局面」の連呼なのですが、この先に見通しがありますけれども、物価見通しは相変わらず同じでして、いやまあそうなるのは大人の事情で分かるんですけどそれで大丈夫なのかと思います。


でもって先行き見通し。

『先行きのわが国経済は、緩やかな拡大を続けるとみられる。国内需要は、きわめて緩和的な金融環境や政府の大型経済対策による財政支出などを背景に、企業・家計の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続するもとで、増加基調をたどると考えられる。』(今回)

『先行きのわが国経済は、緩やかな拡大を続けるとみられる。2018 年度までの期間を展望すると、国内需要は、きわめて緩和的な金融環境や政府の大型経済対策による財政支出などを背景に、企業・家計の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続するもとで、増加基調をたどると考えられる。』(前回)

ということで基本的な部分は今回も同じです。

『輸出も、海外経済の改善を背景として、基調として緩やかな増加を続けるとみられる。』(今回)
『こうした海外経済の改善を背景として、輸出も、基調として緩やかな増加を続けるとみられる。』(前回)

同じですなあ。

『消費者物価の前年比は、マクロ的な需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率の高まりなどを背景に、プラス幅の拡大基調を続け、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる(注3)。』(今回)

『もっとも、先行きの物価を展望すると、消費者物価の前年比は、マクロ的な需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率の高まりなどを背景に、プラス幅の拡大基調を続け、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる。』(前回)

こちらも同じ、ということで先行き見通しは同じです。

『リスク要因としては、米国の経済政策運営やそれが国際金融市場に及ぼす影響、新興国・資源国経済の動向、英国のEU離脱交渉の展開やその影響、金融セクターを含む欧州債務問題の展開、地政学的リスクなどが挙げられる。』(今回)

『上記の中心的な経済の見通しに対する上振れ、下振れ要因としては、第1に、海外経済の動向に関する不確実性がある。具体的には、米国の経済政策運営やそれが国際金融市場に及ぼす影響、新興国・資源国経済の動向、英国のEU離脱交渉の展開やその影響、金融セクターを含む欧州債務問題の展開、地政学的リスクなどが挙げられる。』(前回)

とまあそういうことでリスク要因の話は基本的に経済の一発目のやつが声明文に出てくるのですけれども、それよりも「予想物価上昇率の高まりが行かない事」なのではないかと思ったりもするのですが、「経済のリスク要因」の話と「物価目標達成に向けたリスク要因」の話が噛み合わない状態になっていて、今の問題って経済自体が別に悪い訳でもないのにいつまで経っても物価目標が行く気配無し、という所になるので、ど〜もこの声明文を読んでもピンとこないなあと毎度思うのでありました。

つーことで見事に無風会合でしたぞな。


○FOMC会見の質疑応答を鑑賞の巻

[外部リンク] of Chair Yellen’s Press Conference
June 14, 2017

・バランスシート縮小着手時期関連の質疑をまずは拾ってみます

冒頭の質問がこれ。

『NICK TIMIRAOS. Nick Timiraos of the Wall Street Journal. Chair Yellen, the principles you released today say the balance sheet wind down should commence once interest rate normalization is well underway. With this latest rate increase, do you believe normalization is now well underway?』

今日利上げしたのでしたら「normalization is now well underway」ではなかろうか、というそら聞くわな、という質問ですがそのお答え。

『CHAIR YELLEN. So that is something that we've said for some time and I previously, when I've been asked what well underway means, said that I don't want to define that in purely quantitative terms but rather in qualitative terms.』

『So, there's no specific level of the federal funds rate that means we're well underway.』

まあそういうのは分かるが、だったら「well underway」とか何で最初に言うのかね、とは思う次第で、FEDってこの辺りの説明が毎度継ぎはぎ説明なんですよ。まあ日銀も同じなんですけれども、まだ日銀の場合は「どうせ全然出口に来ない」という状況だから継ぎはぎしても結果的にやってることが変わらないのですけれども、FEDの場合って出口展望しているのにとりあえず何か出してしまって後からまた説明が微妙に変わるってのが相変わらずなのは何とかならんのか、とは思う。

『But it's also a question of not only the current level but our confidence in the outlook and our projections for the future path of the federal funds rate. So, we have increased our federal funds rate target now several times. Our outlook is that we anticipatefurther increases this year and next year for the federal funds rate and our statement indicates thatif the economy continues to evolve in the manner that we expect that we would feel the conditions are will be in place to begin this process this year. 』

our confidence in the outlookが上がったから利上げはしたが、資産買入縮小を開始する訳ではありません、でもour confidence in the outlookによって縮小開始が決まりますそれはこのままなら年内でしょう、とか禅問答にも程があり過ぎる。


でもって後の方になりまして18ページ目までワープしますが。

『KAREN MRACEK. Thank you, Karen Mracek with Market News International. Today, you guys outlined the details of the plan to, when you begin to, and reinvestments. But you stopped short of saying exactly when it would be implemented, only saying this year, and adding that that depended on how the economy evolved. Can you tell us why you decided not to go ahead with it today? Is there are conditions that you're looking for?』

こらまた直球な質問だが「他に条件があるのか」とは中々よろしい。

『And then as a second question, do you think that the-- you could raise rates and begin implementation of the plan at the same time? Thank you.』

利上げとバランスシート縮小着手は同時開催可能かという質問。

『CHAIR YELLEN. So, we have tried as meticulously as we can to provide advanced warning to markets about how we would go about doing this so that market participants can prepare.』

meticulouslyというのは手元のデイリーコンサイスだと念入りにという意味で、今回のは皆さんが準備できるように事前にだしたのですよ、という言い方ですから・・・・・・・・・・

『And today's announcement is another step in that process.』

ふむふむ。

『So, we certainly wanted to get this information out before we actually undertake the beginning of this plan. And, you know, as the statement says, we've made no definite decision on the timing of the plan but the timing of initiating the plan. But if the economy evolves in line with our expectations which, you know, we will be watching, always are, we could put this into effect relatively soon.』

という言い方で「But if the economy evolves in line with our expectations which, you know, we will be watching, always are, we could put this into effect relatively soon.」って言ってるんですからそんなに後に引っ張る感じじゃないですよね、というのは分かる。

『You asked about whether or not we would do that and raise rates at the same meeting, and I would say, we've made no decision about that, and it really hinges on the outlook and our assessment of conditions.』

どちらとは決めていない、という事なのですからこれは利上げと資産買入気bの縮小着手が同時に来る可能性も残している、という回答になります。


・物価の質問が今回はゴリゴリ来ていてそれも面白いのだがその前にこの質問はお洒落

20ページの所になります。

『MICHAEL DERBY. Mike Derby from Dow Jones Newswires. In light of the plans to trim the balance sheet hopefully later this year, what have you learned about QE and your bond buying policies as a tool for monetary policy?』

縮小するのは良いのだが所でQEって金融政策としてどういうツールだったのとはこらまた良い質問。

『When they were launched, it wasn't something you had, you know, engaged in that scale before, a lot of fear and said it was going to create a hyperinflation that hasn't ever seem to come to pass. So, you know, in light of QE as potentially a tool for the future, you know, it might come back again, what have you learned about how it works in the economy? Like where do you see it affect things? You know, what are sort of the lessons learned of the experience?』

確かに一部で心配されていたハイパーインフレのような事にはならなかったけれども、それはそれとしてQEの量って何に効いたのでしょうか、というお洒落な質問に対してのイエレンさんのお答えは以下の通り。

『CHAIR YELLEN. Well, thanks. That's a great question.』

さて・・・・・・・・

『I mean, staff in the Federal Reserve and outside economists who have done a great deal of work trying to evaluate QE, I think the general conclusion is that it has worked in that it has put some downward pressure on longer term interest rates, so-called term premiums embedded in longer term interest rates.』

タームプレミアムを下げて金利を下げたのが効果、という説明ですが、元々QE2とかぶっこんだ時にはインフレ期待を下げないようにする、と言っていた筈でして、まるでどこぞの極東の中央銀行のようでございますなあというこの説明が何とも。

『There's disagreement among economists about exactly how large those effects are and it's something that's difficult to pin down.』

そらそうよ。なお極東の島国では「世界標準の金融政策」と言って国債をバカスカ買うと期待インフレに直接働きかけて世界標準の期間である2年で達成という話をしていたと思いますが息してますか??

『But obviously, it has not caused runaway inflation quite the contrary.』

確かにインフレの逸走は起きませんでしたな。

『I mean, that was never my expectation but I do remember when people were afraid that that would happen.』

ほうほう。

『We do have the tools. We have, you know, even with a large balance sheet, we intend to shrink our balance sheet now. But even with a large balance sheet, we retain the ability to move the fed funds rate and set it as appropriate to the needs of the economy.』

逆に言えば「出口政策の手段がある」という点に対するコンフィデンスが無くなるとrunaway inflationになるっちゅう話でもありますな。

『So, I think we have learned that it works. It's a valuable part of the toolkit. It's something that if we were to encounter an episode in the future of extreme weakness where I've said, we want the fed funds rate and movements in short-term interest rates, that's our go-to number one main policy tool. But if we were to hit the zero lower bound and constrained in our use of that tool, certainly balance sheet policies and forward guidance of the type that we provided, I believe based on the evidence of how they worked or to remain part of our toolkit. And we have said in the bullets that we released today on our balance sheet that in such of-- an episode of such extreme weakness in the future, those are things we would consider going forward.』

再度経済が非常に悪化して金利政策が使えなくなればバランスシート政策もあり、ということで話は何かずれてきましたが・・・・・・・・・

『MICHAEL DERBY. One small follow-up. Is four and a half trillion sort of a natural limit to how high you might want to push the balance sheet or could you envision it going higher if you needed it to? 』

バランスシート政策って物理的限界あると思うのだが、という微妙なフォロー質問。

『CHAIR YELLEN. Well, we've had no discussion of that issue, you know. And our focus now is on getting it back to a more normal size. But I would say the use of QE in the United States relative to the size of our economy is not as high as it's been in some other countries that have employed it. But that's something we haven't seriously even discussed.』

しらっと日本の方がもっとGDP比のバランスシートがでかいとか言わんばかりの話をしていますが、結局のところ「長期金利が下がった」というのと「なんかとりあえず効いた」という話しかできない(のは分かるが)という状況なのは把握した。

#時間の関係で物価で詰められている部分は明日以降にでも(汗)
 


お題「FOMCネタの続きで勘弁」   2017/06/16(金)08:21:56  
  ほほう。
[外部リンク] | 2017年 06月 16日 00:33 JST 関連トピックス: ビジネス, トップニュース
英中銀、政策金利据え置き 予想外に3人が利上げ支持

といいましても寝起きで読む勢いはないので勘弁ということで(大汗)。

#なお日銀の決定会合は基本どうでも良いのですが会見で誰かが飛ばしヘッドラインを打ってくる可能性はある、けどこのタイミングで何らかの政策変更示唆は有り得んので飛ばしに踊らされないようにするのが吉かと


○ということでFOMCネタ続きで

まずはSEPの続きである

[外部リンク] in real GDP 2.2 2.1 1.9 1.8
March projection  2.1 2.1 1.9 1.8

Unemployment rate 4.3 4.2 4.2 4.6
March projection 4.5 4.5 4.5 4.7

PCE inflation   1.6 2.0 2.0 2.0
March projection  1.9 2.0 2.0 2.0

この数字自体はメディアンですので、「たまたま真ん中の数字になったポイント」となりますから、失業率のメディアンの人と物価のメディアンの人が違うというケースもありまして、そういう点ではゴリゴリと整合性とかいうのも無粋ではあるのですが、この数値を見ますと成長見通しをほぼ変えないで失業率見通しはそこそこ下げて物価見通しが足元は下がっているけどその先は変わらん、というのは微妙。

一応ロンガーランの失業率(のメディアン)は0.1%下がっているのですけれども、これってやはり違和感あって実際はもう少しロンガーランの失業率(NAIRUみたいな話)が下がっているのか、雇用状況に対する物価の感応度が弱まっているのかというような話になってくるのか、という話になると思うのですよね。


・政策金利見通しについて

こちらももうちょっと細かく。

2017年末

(今回)
1.00-1.25%:4名
1.25-1.50%:8名
1.50-1.75%:4名

(前回)
0.75-1.00%:2名
1.00-1.25%:1名
1.25-1.50%:9名
1.50-1.75%:4名
2.00-2.25%:1名

前回の突拍子もない上の人は変態仮面かつ外れましたので無視するとして、実は年内3回(あと1回利上げ)という人が1名降参して今回で利上げ打ち止めという答えに変わっているというのは味わいがありますが、それ以外全然動いていないというのも何とも。

2018年末

(今回)
1.00-1.25%:1名
1.50-1.75%:1名
1.75-2.00%:2名
2.00-2.25%:5名
2.25-2.50%:2名
2.50-2.75%:3名
2.75%:1名
3.00-3.25%:1名

(前回)
0.75-1.00%:1名
1.50-1.75%:1名
1.75-2.00%:1名
2.00-2.25%:6名
2.25-2.50%:3名
2.50-2.75%:1名
2.75-3.00%:1名
3.00%:1名
3.25%:1名
3.25-3.50%:1名

政策金利が動かないという変態仮面は無視するとしまして、2017年末までにあと1回、と予想している人が8名いて、2017年打ち止めの人が4名いる訳ですよね(うち1名は変態仮面)。

ですから金利の低い方から12人分探していくと、実は2.25-2.50%のレンジまでの所では11人しか埋まらないのですし、金利の低い方から4人分探すと2.00-2.25%の所に1名入るという事になります。

つまり、今年は利上げ打ち止めと言いつつ来年は年4回利上げする(確かにまあ3回って据わりが悪くて2回か4回か8回じゃろ、というのは気持ちとしてはアタクシも思う)という人が1名いる上に、年内残り1回利上げ(中心的な見解)の人8名の中でも来年4回利上げする(2.25-2.50%)という考えの人が2名、来年5回(以上?)利上げするという考えの人が1名いるように見える訳ですよ。

これ前回と比較すると、前回の1.25-1.50%(年内3回)のプロットの皆さん9名の2017年の金利分布と思われるもの(つまり下の3人を切って考える)は、2.00-2.25%(3回)が6名、2.25-2.50%が3名になっていまして、2018年は3回派と4回派しかいないのですし、前回低いプロットにいた3人(うち1名は金利不変おじさんのブラードなので2名)を見ると、変態仮面をさておきますと2名とも2018年は3回利上げの所にプロットがあったので、何気に今回ってハト派と中央派の中で2018年の利上げペースが速まっている、というのが味わいがあるというかあれれ?という感じはしました。


ということでプレコンのオープニングステートメントですが、

・物価の足元は「一時的特殊要因」攻撃キタコレ!

ちなみに今朝の時点でQ&Aも出ているような気がしますがどうせそこまで手が回らないので最初からオープニングステートメントと言っておく(汗)。

[外部リンク] a slowdown in the first quarter, economic growth appears to have rebounded, resulting in a moderate pace of growth so far this year. Household spending, which was particularly soft earlier this year, has been supported by solid fundamentals, including ongoing improvement in the job market and relatively high levels of consumer sentiment and wealth. Business investment, which was weak for much of last year, has continued to expand. And exports have shown greater strength this year, in part reflecting a pickup in global growth. Overall, we continue to expect that the economy will expand at a moderate pace over the next few years.』

この辺は声明文の第1パラグラフの説明と同じなのですが、こうやって説明されると進軍ラッパに聞こえる訳で、えらい威勢がよろしゅおすなあ(棒読み)と。

『In the labor market, job gains have averaged about 160,000 per month since the start of the year--a solid rate of growth that, although a little slower than last year, remains well above estimates of the pace necessary to absorb new entrants to the labor force.』

NFP+16万は十分に強い数字だそうな。

『The unemployment rate has fallen about 1/2 percentage point since the beginning of the year and was 4.3 percent in May, a low level by historical standards and modestly below the median of FOMC participants’ estimates of its longer-run normal level.』

失業率に関してもロンガーランよりも低いと。

『Broader measures of labor market utilization have also improved this year. Participation in the labor force has been little changed, on net, for about three years. Given the underlying downward trend in participation stemming largely from the aging of the U.S. population, a relatively steady participation rate is a further sign of improving conditions in the labor market. Looking ahead, we expect that the job market will strengthen somewhat further.』

ということで労働市場に関するコメントは強いのは想定通りではありますが威勢がよろしい。

『Turning to inflation, the 12-month change in the price index for personal consumption expenditures was 1.7 percent in April, up from less than 1 percent last summer but down somewhat over the past few months. Core inflation--which excludes the volatile food and energy categories and tends to be a better indicator of future inflation--has also edged lower.』

でもって物価になりまして、足元物価の伸びが減速しているという話をしているのですが・・・・・・・・・・・

『The recent lower readings on inflation have been driven significantly by what appear to be oneoff reductions in certain categories of prices, such as wireless telephone services and prescription drugs.』

『These price declines will, as a matter of arithmetic, restrain the 12-month inflation figures until the extraordinarily low March reading drops out of the calculation.』

一時的な要因キター!ということで、まるでどこぞの大口叩いた割に全然物価目標を達成しない中央銀行の言い訳のようになっているのが実に味わいがありまして、どこぞの中央銀行の場合はただの言い訳なのですが、こちらの中央銀行の場合は「利上げとバランスシートの縮小を継続したいので足もと物価については一時的という事にしておきましょう」という奴でして、こういうのって自分のやりたい政策があるとそっち方面にバイアスが掛かる(どこぞの中央銀行の場合でもQQE2とかいうのやるときにそれまで基調は強い足元一時的にどうのこうの言ってたのが突如豹変するという事案がありましたように)という中央銀行特有の芸風に入ってきている感があります。

『However, with employment near its maximum sustainable level and the labor market continuing to strengthen, the Committee still expects inflation to move up and stabilize around 2 percent over the next couple of years, in line with our longer-run objective. Nonetheless, in light of the softer recent inflation readings, the Committee is monitoring inflation developments closely.


とは言ってますが、「in light of the softer recent inflation readings, the Committee is monitoring inflation developments closely.」なんだったら利上げ見送れよという話なのですから、取ってつけた文言であることは明白。

このあとSEPの説明になるのでそこは飛ばして、



・政策に関して:利上げに関して

『Returning to monetary policy, for the past year and a half the FOMC has been gradually increasing its target range for the federal funds rate as the economy has continued to make progress toward our goals of maximum employment and price stability. Our decision today continues this process. 』

と言ってる位でまあ一時的とか知らんがな攻撃で利上げしている訳ですな。

『We continue to expect that the ongoing strength of the economy will warrant gradual increases in the federal funds rate to sustain a healthy labor market and stabilize inflation around our 2 percent longer-run objective. That’s based on our view that the federal funds rate remains somewhat below its neutral level--that is, the level of the federal funds rate that is neither expansionary nor contractionary and keeps the economy operating on an even keel. Because the neutral rate is currently quite low by historical standards, the federal funds rate would not have to rise all that much further to get to a neutral policy stance. But because we also expect the neutral level of the federal funds rate to rise somewhat over time, additional gradual rate hikes are likely to be appropriate over the next few years to sustain the economic expansion. Even so, the Committee continues to anticipate that the longer-run neutral level of the federal funds rate is likely to remain below levels that prevailed in previous decades.』

面倒になって1パラグラフまとめて引用しちゃいましたが、自然利子率の話を持ち出して、自然利子率よりも十分に低い水準にいるからまだ緩和的、というのと、自然利子率自体は下がっているのだから利上げペースはゆっくり、という話をしているのですけれども、その一方でさっき申し上げたようにSEPのビューだと何気に先行きの利上げペースが中立〜ハト系でも若干上がっている人がいる、というのが示されておりまして、割とこう説明に整合性が取れなかったりする面もあるのよ。

でまあこれ質疑とか後から出てくる議事要旨とか見ていくことになると思うのですけれども、「インフレが加速しない中で緩和的な環境をやっていたら盛大なバブルが発生してそのツケを25年以上払わされているどこぞの極東の島国」という事例がある訳で、それに対してBISビューちっくに警戒モードなフォワードルッキング資産バブル予防、というのなら話は分かる(FEDらしくないけど)ので、その辺は確認したいなと思う。

でもってSEPの金利見通しについて言及しているが数字を出しているだけなのでパス。


・政策に関して:バランスシートに関して

『Let me now turn to our balance sheet.』って所からの説明がやたら長くて、今回は利上げは事前織り込み済みだから良いとして、こっちの説明をやたら力入れたんだな、というのは把握しました。

でもって説明が延々とあるのですが、基本的に昨日ご紹介したノーマライゼーションプランの説明を延々としているだけなのでそこは飛ばして結論に近い所を。

『Finally, as noted in today’s addendum, the Committee affirmed that changing the target range for the federal funds rate is our primary means of adjusting the stance of monetary policy.』

『In other words, the balance sheet is not intended to be an active tool for monetary policy in normal times. However, the Committee would be prepared to resume reinvestments if a material deterioration in the economic outlook were to warrant a sizable reduction in the federal funds rate. More generally, the Committee would be prepared to use its full range of tools, including altering the size and composition of its balance sheet, if future economic conditions were to warrant a more accommodative monetary policy than can be achieved solely by reducing the federal funds rate. 』

というのはプランの中にもあったのですが、しらっと「the balance sheet is not intended to be an active tool for monetary policy in normal times.」というのを入れていまして、これは(昨日も申しあげましたが)利下げするような状況に追い込まれるまでは延々とバランスシートの縮小をやる、ということですので、BS縮小着手のタイミングで利上げも可能というお話でもあるので、これはどうせ始まってから暫くしないと影響出て来ない(まあそういう風にプラン作っていると思う)のですが、着手自体はサックリとやってくる可能性は割と高いんじゃないのかなーと思うのでした。

ということで質疑応答は後日。
 


お題「FOMCである(が会見の冒頭コメントまでは多分手が回らない)」   2017/06/15(木)07:58:53  
  ということで毎度の寝起きマンだが「期待インフレ率が下がっているから利上げは間違い」というモーサテに出ている某米国コメントのおじさんが説明しているのだが、その期待インフレ率がTIPSのBEIだけってのは債券市場に詳しくない方がBEIを覚えるとついやってしまうプレイですので注意しましょう。

ああ念のため申し上げますが「利上げは間違い」という考えはありだと思いますけど、そこで「BEIの推移だけ」出してきて債券の人間が説明したら赤点再履修という意味ですからね。


○声明文:さすがに足元の物価弱含みには言及も全般的には強い物言い(と思う)

[外部リンク] received since the Federal Open Market Committee met in May indicates that the labor market has continued to strengthen and that economic activity has been rising moderately so far this year.』(今回)

『Information received since the Federal Open Market Committee met in March indicates that the labor market has continued to strengthen even as growth in economic activity slowed.』(前回)

経済に関して前回あった足元の経済活動がスローになっている云々が削除されました。

『Job gains have moderated but have been solid, on average, since the beginning of the year, and the unemployment rate has declined.』(今回)

『Job gains were solid, on average, in recent months, and the unemployment rate declined.』(前回)

雇用の増加に関しても足元モデレートになっているというのを入れていますが、基調の判断は変えていないという攻撃。

『Household spending has picked up in recent months, and business fixed investment has continued to expand.』(今回)

『Household spending rose only modestly, but the fundamentals underpinning the continued growth of consumption remained solid. Business fixed investment firmed.』(前回)

家計の支出と企業の投資に関しての判断は引き上がっています。

『On a 12-month basis, inflation has declined recently and, like the measure excluding food and energy prices, is running somewhat below 2 percent.』(今回)

『Inflation measured on a 12-month basis recently has been running close to the Committee's 2 percent longer-run objective. Excluding energy and food, consumer prices declined in March and inflation continued to run somewhat below 2 percent.』(前回)

前回はヘッドラインのインフレが「running close to the Committee's 2 percent」とか中々威勢の良い話だったのですが足元ヘッドラインインフレ滑ってここは素直に足元下がっているという話に。

『Market-based measures of inflation compensation remain low; survey-based measures of longer-term inflation expectations are little changed, on balance.』(今回)

『Market-based measures of inflation compensation remain low; survey-based measures of longer-term inflation expectations are little changed, on balance.』(前回)

インフレ期待や市場のインフレ予想の話に関しては毎度同じです。


・第2パラグラフ:目先の物価パスを下げるものの景気と海外リスクは改善と

『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability.』(今回)

『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability.』(前回)

これはいつもの話。

『The Committee continues to expect that, with gradual adjustments in the stance of monetary policy, economic activity will expand at a moderate pace, and labor market conditions will strengthen somewhat further.Inflation on a 12-month basis is expected to remain somewhat below 2 percent in the near term but to stabilize around the Committee's 2 percent objective over the medium term.』(今回)

『The Committee views the slowing in growth during the first quarter as likely to be transitory and continues to expect that, with gradual adjustments in the stance of monetary policy, economic activity will expand at a moderate pace, labor market conditions will strengthen somewhat further, and inflation will stabilize around 2 percent over the medium term.』(前回)

前回は足もとまでの景気加速ペース鈍化に対して一時的だぞという話をしていた訳ですが。今回は物価に関して「近いタームでは2%を若干下回って推移するが中期的には2%に向けて安定する」という中央銀行お得意の「目先は〜だが中期的には」というパワーワードを投下しております。

『Near term risks to the economic outlook appear roughly balanced, but the Committee is monitoring inflation developments closely.』(今回)

『Near-term risks to the economic outlook appear roughly balanced. The Committee continues to closely monitor inflation indicators and global economic and financial developments.』(前回)

リスクバランスはバランスのままですが、今後も注視してモニターするという内容の中に物価動向以外の海外経済、金融動向という部分をしらっと削除するという地味なのですが、リスクアセスメント実質強くしてるやんというのもほほーと思いました(個人の感想です)。


・第3パラグラフ:利上げ実施だが他の文言は同じ

『In view of realized and expected labor market conditions and inflation, the Committee decided to raise the target range for the federal funds rate to 1 to 1-1/4 percent. The stance of monetary policy remains accommodative, thereby supporting some further strengthening in labor market conditions and a sustained return to 2 percent inflation.』(今回)

『In view of realized and expected labor market conditions and inflation, the Committee decided to maintain the target range for the federal funds rate at 3/4 to 1 percent. The stance of monetary policy remains accommodative, thereby supporting some further strengthening in labor market conditions and a sustained return to 2 percent inflation.』(前回)

利上げしましたよーという部分以外は同じですな。


・第4パラグラフ:バランスシートの前段は文言同じです

『In determining the timing and size of future adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will assess realized and expected economic conditions relative to its objectives of maximum employment and 2 percent inflation. This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments. The Committee will carefully monitor actual and expected inflation developments relative to its symmetric inflation goal. The Committee expects that economic conditions will evolve in a manner that will warrant gradual increases in the federal funds rate; the federal funds rate is likely to remain, for some time, below levels that are expected to prevail in the longer run. However, the actual path of the federal funds rate will depend on the economic outlook as informed by incoming data.』(今回)

『In determining the timing and size of future adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will assess realized and expected economic conditions relative to its objectives of maximum employment and 2 percent inflation. This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments. The Committee will carefully monitor actual and expected inflation developments relative to its symmetric inflation goal. The Committee expects that economic conditions will evolve in a manner that will warrant gradual increases in the federal funds rate; the federal funds rate is likely to remain, for some time, below levels that are expected to prevail in the longer run. However, the actual path of the federal funds rate will depend on the economic outlook as informed by incoming data.』(前回)

ええいクソ長いという感じですが全文一致です。


・第5パラグラフ:年内にバランスシート縮小開始宣言キタコレ!

『The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction.』(今回)

『The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction, and it anticipates doing so until normalization of the level of the federal funds rate is well under way. This policy, by keeping the Committee's holdings of longer-term securities at sizable levels, should help maintain accommodative financial conditions.』(前回)

つーことで前回までは当面バランスシートを維持しますああ利上げが十分に進んで来るまではバランスシートの維持をしますよという説明でしたが・・・・・・

『The Committee currently expects to begin implementing a balance sheet normalization program this year, provided that the economy evolves broadly as anticipated. This program, which would gradually reduce the Federal Reserve's securities holdings by decreasing reinvestment of principal payments from those securities, is described in the accompanying addendum to the Committee's Policy Normalization Principles and Plans.』(今回)

つーことで、経済が見通し通りに推移すれば年内にバランスシート縮小を開始しますああそのプランについては別紙ですよということで別紙はこのあとで。


・第6パラグラフ:カシュカリさん今回も利上げ反対

『Voting for the FOMC monetary policy action were: Janet L. Yellen, Chair; William C. Dudley, Vice Chairman; Lael Brainard; Charles L. Evans; Stanley Fischer; Patrick Harker; Robert S. Kaplan; and Jerome H. Powell. Voting against the action was Neel Kashkari, who preferred at this meeting to maintain the existing target range for the federal funds rate.』(今回)

『Voting for the FOMC monetary policy action were: Janet L. Yellen, Chair; William C. Dudley, Vice Chairman; Lael Brainard; Charles L. Evans; Stanley Fischer; Patrick Harker; Robert S. Kaplan; Neel Kashkari; and Jerome H. Powell.』(前回)

カシュカリさん今回も利上げ反対でした。

ということで、声明文に関して(とバランスシート縮小プランとかSEPとか)に関して言えば既定路線通りではありますが、割と強気スタンスの物を出してきているという感じですけど、これはまあ市場が利上げそんなにできるかよというように高を括っているので逆に強めに出しておかないと市場がFED降参ヒャッハーと言い出してヤヤコシイことになるのでは、というのは考えていると思います。


○バランスシート縮小プラン:まあこんなもんじゃろという感じですがそのうち効いてくるんでしょ

[外部リンク] to the Policy Normalization Principles and Plans

『All participants agreed to augment the Committee's Policy Normalization Principles and Plans by providing the following additional details regarding the approach the FOMC intends to use to reduce the Federal Reserve's holdings of Treasury and agency securities once normalization of the level of the federal funds rate is well under way.1』

ということで、これ全員一致というのがほほーなのですがまあそれはそれとして。

『The Committee intends to gradually reduce the Federal Reserve's securities holdings by decreasing its reinvestment of the principal payments it receives from securities held in the System Open Market Account. Specifically, such payments will be reinvested only to the extent that they exceed gradually rising caps.』

以前のFOMC議事要旨に出ていたような話になりまして、いきなり止めるのではなく(そらそうよ)、今はバランスシート規模を維持する形で行っている償還再投資の量を徐々に減らしていって、バランスシート規模をちんたらと縮小していきますよというお話。

『For payments of principal that the Federal Reserve receives from maturing Treasury securities, the Committee anticipates that the cap will be $6 billion per month initially and will increase in steps of $6 billion at three-month intervals over 12 months until it reaches $30 billion per month.』

『For payments of principal that the Federal Reserve receives from its holdings of agency debt and mortgage-backed securities, the Committee anticipates that the cap will be $4 billion per month initially and will increase in steps of $4 billion at three-month intervals over 12 months until it reaches $20 billion per month.』

国債に関しては当初月に60億ドル減る程度の再投資を行い、四半期ごとにその60を120→180としていって、最終的には月300億ドル減るような再投資ペースにします。となっていまして、エージェンシー債およびMBSについては当初が月40億ドル、その後80、120としていって最終的には月200億ドル減るような再投資のペースにすると。

『The Committee also anticipates that the caps will remain in place once they reach their respective maximums so that the Federal Reserve's securities holdings will continue to decline in a gradual and predictable manner until the Committee judges that the Federal Reserve is holding no more securities than necessary to implement monetary policy efficiently and effectively.』

バランスシート削減に関しては金融政策運営上これ以上削減しなくてもよい、と判断されるレベル(超過準備が相当量削減された所になるでしょうな)になるまではこのペースで実施する、ということで、バランスシート削減に関してはテーパリングの時と違って最初から予定通りで行きまっせとやっているのは変に気を使うほうが不確実性が高まって良くないという判断でしょうがまあ妥当。

『Gradually reducing the Federal Reserve's securities holdings will result in a declining supply of reserve balances. The Committee currently anticipates reducing the quantity of reserve balances, over time, to a level appreciably below that seen in recent years but larger than before the financial crisis; the level will reflect the banking system's demand for reserve balances and the Committee's decisions about how to implement monetary policy most efficiently and effectively in the future.』

『The Committee expects to learn more about the underlying demand for reserves during the process of balance sheet normalization.』

つーことで、今申し上げた超過準備の件がありますが、超過準備に関しては最終形として恐らく金融危機の前よりは多い状態になるだろうと思われるものの、その水準がどの程度なのかというのは始まってみないとわからない面はありますから、説明としてはこういう話になるのは順当です。

で、最後の所ではこの話が。

『The Committee affirms that changing the target range for the federal funds rate is its primary means of adjusting the stance of monetary policy.』

金利の方がメインの話ですよ、としていますがこれは即ち金利云々と基本的に関係なくバランスシートは縮小するよという話でもあります、ただし・・・・・・・・

『However, the Committee would be prepared to resume reinvestment of principal payments received on securities held by the Federal Reserve if a material deterioration in the economic outlook were to warrant a sizable reduction in the Committee's target for the federal funds rate. Moreover, the Committee would be prepared to use its full range of tools, including altering the size and composition of its balance sheet, if future economic conditions were to warrant a more accommodative monetary policy than can be achieved solely by reducing the federal funds rate.』

景気の見通しが著しく悪化して、利下げをしないといけません、というような時になればバランスシートの拡大もしますよ、という話をしておりまして、まあそうなったらFED的には涙目でしょうが、利下げして行く中でバランスシート政策復活というツールを排除していません、というのを最後に入れておりまして、これまた順当な文言ではありますが、わざわざ念押しで入れているのはバランスシート縮小プランが出て金利があばばばばーと上昇されても困るという事ではあるんでしょうな。


○SEP:順当に目先の物価下げ、失業率は強くする、金利見通しはほぼ変わらず、となりました(メモ)

[外部リンク] Reserve Board and Federal Open Market Committee release economic projections from the June 13-14 FOMC meeting

ということで
[外部リンク]
 


お題「中期5年が微妙とな/レポ取引に関する日銀ペーパーより(その2)」   2017/06/14(水)08:16:25  
  http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170614/k10011016951000.html
英首相
閣外協力めぐり民主統一党党首と会談
6月14日 5時19分

いまいちよー分かっていないのだが、DUPと組むと北アイルランドのアイルランド派と英国派の対立が煽られることにならんのか???

○市場雑談メモなんですけど5年ェ・・・・・・・・

・短い所は良いのですが5年が微妙ですの

[外部リンク] | 2017年 06月 13日 15:13 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続落、長期金利0.060%に上昇

『<15:08> 国債先物は続落、長期金利0.060%に上昇

長期国債先物は続落。朝方は買いが先行する場面があったが、買い上げるには材料不足で終盤には戻り売りに押された。現物債は高安まちまち。中長期ゾーンが弱含む一方で、超長期ゾーンは逆行高した。20年債入札が強めな結果になったことや、あす残存10年超の日銀国債買い入れオペを控えていることが投資家心理を強気にさせた。』(上記URL先より)

他に講釈のしようがないから『あす残存10年超の日銀国債買い入れオペを控えていることが投資家心理を強気にさせた。』ってなりますが、明日の輪番があるから強気とかそれは投資家目線じゃなくてディーリング目線の話なのですから、「あす超長期の輪番があるのでディーラーに安心感もあり」とか解説して頂きたいのですがそれは兎も角として。

もうちょっと前の時間の所でも「中期が弱含み」とありましたけれども、引けでは何か帳尻が合っているのですが、昨日は途中で5年カレントが1.5毛甘の▲6.5bpレベルまで甘くなっていたりしてまして、2年辺りはそこまでヘロヘロ感は無いと思うのですけれども5年ェ・・・・・・という感じですの。

まーそもそも論からすると超過準備の政策金利適用部分が▲10bpだからと言って、じゃあ5年がそこで止まる義理は別にない訳でして、短国とか2年とかならまだ話は分かる(物凄いゴリゴリ言えば2年だって2年間マイナス金利政策続けられるという話じゃないと▲10bpより低い金利に突撃する必要あるの、という話になるけど、まあ短国と中長期国債だと買う側として別のカテゴリーだったりする場合もあるので、利付でロット捌ける一番短いのが2年カレントですからね)のですが、そらまあ短国やら2年の金利水準が調整されてくると5年については微妙な年限ってえ話になるのでしょうかねえ。

一方で10年金利「ゼロ%近辺」というYCCの政策があるので、この中期の扱いはオペレーション的には中々微妙な所で、中期がコケて長期に波及する時にどうしますかという話ですが、まあ波及するなら何かお助けはしないとイカンでしょうけれども、本質的には「短期▲10bp、10年ゼロ近傍、と言いつつ+10bpを暗黙の上限にしている、というのが2月のオペで示されたので今の「お約束」は+10bpキャップ」というこの一番広くて20bpという範囲で足元から10年までのJGBのカーブを引けというのがバランスが悪い訳で、以前は短い所をガツガツ買っていて短期JGBを政策金利水準より下げていたので誤魔化されていましたが、そもそもの設定が悪いよ設定が、という問題はどうするんじゃろうかのうとしか申し上げようがない。

もちろんもう一回短期JGBの金利を下げてしまえば据わりは良くなるのですけれども、それをやるのも何だかなあと思いますし中々難しいですの。



・マイナス金利で彼方の物になりましたが

[外部リンク] 19時38分(最終更新 6月14日 00時18分)

『投資信託協会が13日発表した5月の投信概況によると、短期国債などで運用する比較的安全な投信として知られるMMF(マネー・マネジメント・ファンド)の純資産総額(残高)がゼロとなり、1992年5月の販売開始から25年の歴史に事実上幕を下ろした。日銀のマイナス金利政策で深刻な運用難に陥り、取り扱っていた全ての資産運用会社が販売を停止して顧客に資金を返還。最後に残っていた野村アセットマネジメントの商品(506億円)が5月に返還された。投信協会は「金利次第で今後組成される可能性は否定できないが、当面はあり得ないだろう」と指摘した。』(上記URL先より)

つーことでナムナムなのですが、国際的なシャドウバンキング規制の絡みもあってMMFについては米国でもプライムMMFの商品性に手直しが行われたりということで、短期金融市場での資金調達サイドから見た時の安定的な資金運用サイドという訳にも行かなくなっているという(それが良いのかどうかという価値判断は微妙なので差し控えておきますが規制の方向はそうなっているので)ところでして、金利を正常化するプロセス、その後に超過準備が不胎化ではなくて現実的に減っていくプロセスの中でさてどうなるんでしょというのは将来になってみないと分からんのですけれども、米国が先に人柱になっているのでそれを参考にしながらという事かも知れません、つーてまあ日本の場合は米国ほどのシェアは無かったのですけど。


○レポ市場の国際比較という日銀レビューシリーズの続きである

趣味のマニアネタですいません。

[外部リンク] コストの上昇を受けた大手ディーラーの行動変化を重要な要因として意識している先は限られている模様である。』

うーんこの。

『もっとも、本邦においても、四半期末に一部の金融機関がレポ市場での資金調達を消極化させることが、しばしば GC レポ・レートの下方スパイクをもたらすことが指摘されている17(図表 5)。』

ということで脚注(というか最後にあるのだが)17を見ますと、

『17 日本銀行金融市場局「2015 年度の金融市場調節」27〜28 頁参照。この点、こうした一部の金融機関の動きは、四半期末におけるレバレッジ比率の開示を意識したものであるとの指摘もみられる。なお、GC(General Collateral)レポとは、取引対象となる証券の銘柄を特定しないレポ取引をいう。』

つーことでまあこれは最終的には手控えた本人じゃないと分からん話ではありますが、レバレッジ規制自体はまだ本邦では始まっていませんが、数値の開示自体が始まっている、という状況になればそら数値が同業対比やたら違っていて、それがしかも規制に引っ掛かる方向(つまり両建て取引とかが多い方)だったら悪目立ちするから控えるじゃろ、というのはありまして、変に皆で意識するとそうなりますよね、という所でしょうな。

でもってレバレッジ規制を意識して取引が控えられる、という要因があった可能性があるのでレートが下方スパイクする、というのは昨日も申しあげたとおり、GCレポ市場の厚みを支えているのがファンディング市場としてのニーズに加えてGC市場での資金調達を利用した何らかの裁定取引で下駄を履いている、という事を示している訳でして、IOERアーブとかで下駄を履いている状況下において本当の本当にT+0のGCレポ市場って拡大するのかねというのは結構疑問符をつけたくなる部分なのですけれども、じゃあ何でそうなのかと思って今ちょっと書き出したら自分で自分の書いた文章にツッコミを入れて3段落分書いたのを削除して時間を返せという事態になりましたので(涙)、もう少し考えてみます。


・国債買入の影響について

つーことで『変化の要因:中銀による資産買入れ』に参ります。

『また、非伝統的な金融政策、特に中銀による資産買入れは、様々な形で国債レポ市場に影響を及ぼし得る。例えば、準備預金の積立額の調整に国債レポ取引が活発に利用されているような場合、中銀の資産買入れによって所要準備の要調達額が減少すれば、当該取引を行うインセンティブを低減させ得る。もっとも、こうした影響は、超過準備への付利の状況や、階層構造の有無等によって大きく異なり得る。』

まー突き詰めてしまえば短期市場全般がそうなのですが、所与の制度があって、その制度に最適化した形で市場が出来る、というのもこれまたあります。

『また、中銀による資産買入れは、国債等の高品質かつ流動性の高い証券(以下、「高品質証券」)の不足を通じ、担保の確保を目的とした国債レポ取引を行うインセンティブを高め得る18。


出たな国債の希少性問題、と思ったら注18にはこのような説明も。

『18 この他、中銀による資産買入れがディーラーの超過準備の増加をもたらしている場合には、B/S コストの上昇を通じて、国債レポ取引のマーケットメイク業務の縮小をもたらす可能性もある(CGFS 報告書 16 頁参照)。』

どうもこの報告書は熟読しておかないといけないようですな(ただし一部マニア限定)。


で欧州の話も面白いのですがパスして日本の話。

『また、本邦では 2014 年入り後、SC レポ21の取引残高が減少する一方、GC レポの取引残高が大幅に増加していることが窺われる。前者の背景としては、「量的・質的金融緩和」(2013 年 4 月導入)の下での国債買入れの進捗等による国債需給のタイト化を背景に、現物市場でのショート・ポジションの造成が手控えられ、ショート・カバー目的での SC レポによる債券調達ニーズが低下していることが指摘されている22。もっとも、こうした取引残高の減少とは別に、この間、需給タイト化等を背景に SC レポレートが大きめに低下する銘柄が増加していることが注目される23。』

と、さらっと流していますがそれは国債流通市場の流動性が低下しているということが現象面として出ていますよ、ということでもあります。

『他方、後者の背景としては、a:日本銀行による「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入(2016 年 1 月)を受け、日銀当預との間での裁定取引――例えば、マクロ加算残高や基礎残高の余裕枠のある先にとっては、それぞれの適用金利である 0%または+0.1%よりも低い金利で調達できれば、調達した資金を日銀当預に積むことで利鞘が得られる24――が増加したことや、b:為替スワップ市場におけるドル調達プレミアムの上昇を背景に、国債レポ市場において非居住者による資金放出が増加したこと25、等が指摘されている。』

なお昨日と同じですが機種依存文字(マルaって奴)を引用時に改変しています。

『こうした下、ユーロ圏・本邦では、中銀が債券貸出プログラムの導入や利用条件の緩和を実施することで、資産買入れが国債レポ市場の流動性に及ぼし得る影響の緩和に努めている。』

という話なのですが、その割にはSLFについて相変わらず「補完的な措置で恒久的な利用を前提としたものではありません」という扱いになっているのですが、「影響の緩和」であって「除去」じゃないからそういう事なんでしょうかね。


・CCPの話はポジショントークだろこれ

『変化への対応:B/S コストの削減に向けた市場における様々な取組み 』というのが最後にあるのだが。

『市場における B/S コストの削減に向けた取組みのうち代表的なものとしては、中央清算機関(以下、「CCP」)を利用したネッティングの促進が挙げられる。従来、CCP への参加資格は、大手ディーラーにのみ認められる場合が多かった27。例えば米国では、大手ディーラーがトライパーティ・レポ市場において MMF 等から低利で資金を調達し、バイラテラル・レポ市場においてヘッジファンド等に高利で資金を放出するという形でマーケットメイクを行っている(いわゆる「マッチドブック取引」)。』

まあこの辺は説明を鑑賞の巻で。

『ここで、MMF やヘッジファンド等、大手ディーラー以外の市場参加者(以下、「エンドユーザー」)が CCP に直接参加できれば、異なるエンドユーザーとの間で国債レポ取引を実施するディーラーは、(資金調達・運用)両サイドのポジションを CCP を利用してネットアウトすることで、B/S コストを削減することが可能となる28(図表 7)。』

『ところが、現状では MMF やヘッジファンド等のいずれにも CCP への直接参加が認められていないことから、当該ディーラーはネッティングの恩恵を受けることができない。こうした事情を背景に、最近では、複数の CCP において適格参加者の範囲をエンドユーザーにも拡大する動きがみられる29。』

まあこれはこれとしまして、

『なお、本邦では、CCP 経由でのレポ取引が約 5割30と、ユーロ圏・米国・英国と比較しても最も高い水準にある31。この点、市場参加者からは「2018 年 5 月以降、国債の決済期間短縮化(いわゆる『T+1 化』32)が実現した際には、CCP 利用を前提とした『銘柄後決め方式 GC レポ』33が採用されることとなるため、CCP 利用が一段と広がる可能性もある」との指摘が聞かれる。


いやそれはどうかと思うのだが。

というのは、日本ってマッチドブックみたいなのガンガンやっている訳でもないでしょう(いやまあ既にバンバンやっているというのならスイマセンなのですが)し、大体からして海外とのレポでT+0後決めGCとか物理的に無理だしとか思いますし、CCP経由が5割ってのはそれは実は市場の厚みが無い(エンドユーザーの参加が少ない)という事でもありますので、CCP利用が一段と広がるというのも何か違和感ありますし、大体からして銘柄後決めT+0がそこまでバカスカ拡大するのかというとそれもまただいぶ疑問なのですが、その辺の話は時間が無くなったのでもう少し色々と考えてからまたいずれネタにするでしょうということで。
 


お題「計数ネタ等雑談/レポ市場の国際比較というマニア向けペーパーだがレバレッジ規制の影響の所は見るべきかと」   2017/06/13(火)07:50:59  
  http://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2017_0612.html?utm_int=detail_contents_tokushu_001
景気は本当に拡大?
日銀文学を見つめる
6月12日 18時48分

『日銀が、大規模な金融緩和策を導入してから4年余り。この間、2%の物価目標を達成する時期の見通しは、すでに5回も先延ばしされています。日銀の展望レポートは、企業や消費者の意識を反映できているのか。金融緩和策の正当性を守るために、数字をあてはめる作業になってはいないか。立ち止まって考えることも必要ではないかと感じています。』(上記URL先より)

(;∀;)イイシテキタ゛ナー

○市場メモ世間話

・短国の需給は良くなったものの

[外部リンク] | 2017年 06月 12日 15:14 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が反落、長期金利0.060%に上昇

『<14:42> 3カ月物TB強含み、需給引き締まる

3カ月物国庫短期証券(TB)が強含み。足元の3カ月物TB(688回)利回りは業者間取引で前営業日比2.6bp低下のマイナス0.130%で推移している。市場では「前週、最高落札利回りが超過準備の一部に適用されている付利(マイナス0.1%)を上回る水準で決まっていたことから、過度な利回りの上昇が修正されている。9日実施の日銀オペで需給の引き締まりを確認できたことも追い風になっている」(国内金融機関)との指摘がある。』(上記URL先より)

ということでまた▲13bpとかになったようですが、▲10bpを明確に下回ると日銀当座預金の政策金利見合いの買いが無くなるので強くなるにも限界っつーもんがあるじゃろとは思いますからカバー取引みたいな所なんでしょうけれども、短国の金利が上がって中短期が重そうになって・・・・・・という流れの元の部分は一旦めどが見えたとは思うのですけど、水準強くしちゃうと水曜日の3M(今週は水曜日が3Mで木曜日が1Y入札という日程)どうするんでしょという気はせんでもない。まあ新発は▲10近辺でやるのかも知れんけど。

『<15:12> 国債先物が反落、長期金利0.060%に上昇

長期国債先物は反落。前週末の海外市場で米債が下落した流れを引き継いで売りが優勢になった。先物中心限月は事実上、6月限から9月限に移行した。現物債市場では、あすの20年債入札を控えて超長期ゾーンに対する業者の持ち高調整が入った。中期ゾーンは国庫短期証券(TB)の需給引締まりなどが影響して底堅い。』(上記URL先より)

てなことで10年が微妙という事ですが、20年の入札を通過すると後は長い所の供給は来週の流動性供給入札(火曜が超長期で木曜が中期〜超長期前半)しか今月無い所に来て20日の償還があるので需給が時間の経過とともに締まってくる、とまあそういう絵のはずなんしょう(ただ流動性供給ってロット少ない割には結果で相場がぶれるという代物で、これは流動性供給入札をわざわざ事前準備するという動きが少ないとかそういう影響なんですかねえ誰かご見解お願いいたしたいのですけど)。


・そういえば国債買入ペース

久々に再計算してみた。
[外部リンク] 2017 年 4 月に公表した報告書は、金融規制等の影響によるバランスシート・コストの上昇と、非伝統的な金融政策(特に、中銀による資産買入れ)を指摘している。』

読んで無いです(汗)。まあ指摘は仰せのとおり。

『主要国の国債レポ市場は今後も多様な変化が想定されるため、市場の機能度・流動性を含め、引き続き注意深くモニタリングしていくことが肝要である。この点、2019 年 1 月以降、わが国を始め主要国ではレポ取引にかかる詳細なデータ収集を開始する予定であり、一段と肌理細かなモニタリングにも資することが期待される。


ということで本文ですが、最初の所で、

『本稿では、主要国の国債レポ市場における最近の変化について概観した後、レポ作業部会での議論や CGFS 報告書の内容も踏まえつつ、変化の要因等について整理する。』

というこのマニアネタ。


・流動性は縮小とな

『まず、国債レポ市場の規模、価格、流動性について、比較的入手しやすい市場指標(それぞれ、取引残高、レポ・レートの対リスクフリーレート・スプレッド<以下、「レポ・スプレッド」>、ビッド・アスク・スプレッド)を用いて、2014〜2016 年にかけての各国における変化を窺うと、その傾向は区々であることが分かる(図表 2)。』

でまあ図表は本文を見てちょという所ですが、

『その中でも、米国・英国では、ビッド・アスク・スプレッドが拡大する等、流動性の低下が示唆される。また、レポ作業部会が実施した市場参加者向けサーベイの結果をみると、ユーロ圏の一部の国を除き「国債レポ市場の流動性が低下した」との回答が多くなっている7。』

『この点、多くの市場参加者からは「市場流動性の低下は、レバレッジ比率規制等の影響によってバランス・シートの規模に対して賦課されるコスト(以下、「B/S コスト」)が上昇した結果、大手ディーラー(マーケットメイカー)が国債レポ市場におけるマーケットメイク活動を抑制したり、対価として求めるプレミアムを拡大したりしていることが一因」との指摘が聞かれる8。』

このレバレッジ比率って曲者でリスクウェイト関係なくグロスで掛かってくるからレポにとっては鬼門以外の何物でもない。

『この間、各国の国債レポ市場では四半期末にレポ・レートがスパイクする傾向が窺われるが、』

ってマイナス金利前の話になりますがそういや急にGCレポ市場があばばばばーになったという事案が日本にもありましたな。

『この背景としては、大手ディーラーが四半期末に国債レポ取引のマーケットメイク活動を抑制する傾向にあることが指摘されている。』

『実際、各国の国債レポ市場では、資金運用主体にとって四半期末越えの資金運用が困難化しており、レート水準如何に拘わらず、希望する取引金額での資金運用ができない場合もみられる模様である。』

という話ですが、日本の場合だとそもそもGCレポ市場が資金余剰主体の本格的な資金取引市場になっているかというとそれは怪しくて、証券ディーラーの在庫ファイナンスと、そのニーズに伴う裁定取引、以前だったらGC市場とIOERの裁定取引の市場になっているように見える次第で(個人の印象です)、おまけに日本の場合はマイナス金利のあおりを食らってレポ市場などにも(市場規模対比そんなに額は無かったと記憶していますが)安定的に資金を放出していた投信が短期公社債投信中心に出て来なくなっておりますがなとか、まあGC市場が短期市場の資金余剰主体がホイホイと出しに行くという本格的な市場になっていない(個人の印象です)のが米国とかと話が違うかな、とは思います。


・レバレッジ規制に関する復習の巻

『変化の要因:B/S コストの上昇』という所に参りまして、

『大手ディーラーに B/S コストの上昇をもたらす金融規制等の典型例は、バーゼル靴硫爾任離譽丱譽奪姑耄┻制である10。国際合意では規制としての適用開始は 2018 年 1 月が予定されているが(開示は 2015 年から実施済み)、米国・英国では先行して国内独自のレバレッジ比率規制が導入されており(大手行に対して追加バッファーを賦課等)、その結果、米国・英国の国債レポ市場では、B/S コストの上昇を受けた大手ディーラーの行動変化が強く意識されている。


開示が始まればそら数値を気にしだすのは理の当然なので、まあ以前似たような事案がジャパンでもあったように記憶しておりますが。

『レバレッジ比率規制は、「単純なエクスポージャー残高(オフバランス項目を含み、リスク・ウェイトによる調整を行わない)」に対して、一定水準以上の「自己資本」の保有を求める非リスクベースの規制であるため、リスクベースの自己資本比率規制と異なり、国債レポ取引のように、一般に低リスクであるが収益性の低い取引へのディーラーの取組み意欲を減退させる可能性を有している。』

というのが先ほど申し上げた鬼門という奴です。

『実際、ニューヨーク連邦準備銀行(以下、「NY 連銀」)のエコノミストによる分析では、米国・英国の国内独自のレバレッジ比率規制に服しているディーラーが、近年、相対的にリスクが高い資産を担保とするレポよりも、相対的にリスクが低い資産を担保とするレポについて、取引活動を縮小したことが示されている11。』

『なお、レバレッジ比率規制が B/S コストの上昇を通じて、大手ディーラーの国債レポ取引への取組みスタンスに影響を及ぼすメカニズムを考える上では、当該比率の算出方法――四半期末ベース、期中平残ベースのどちらで算出することが求められているか――も重要な意味を持つ。』

そらそうよ。

『すなわち、四半期末ベースでの算出が求められている国(ユーロ圏・本邦)の大手ディーラーには、四半期末に国債レポ取引の残高を可能な限り削減することで、B/S コストの上昇を回避するインセンティブが生ずる。他方、期中平残ベースでの算出が求められている国(米国・英国。但し、英国は2017 年第 1 四半期から)の大手ディーラーには、四半期末に限らず国債レポ取引の残高を恒常的に削減ないし抑制するインセンティブが生ずる12


以下現象としてそらそうよなのだが面白い話なので引用しますね。

『実際、両方のタイプの国の金融機関が取引を行っている米国市場13では、四半期末ベースでの報告が認められている国(特に、ユーロ圏)の大手ディーラーについて、四半期末におけるレポ取引の残高減少が顕著である一方、米国・英国の大手ディーラーについては、そのレポ取引残高に四半期末に特有の動きは然程みられない(図表 3)。』

『この間、米国では四半期末になると、a:GCF(General Collateral Finance)レポ市場におけるレポ・レートの上方スパイク(図表 4)、b:トライパーティ・レポ市場における取引残高の大幅な減少、c:NY連銀の翌日物リバースレポ・プログラム(以下、「O/N RRP」)の利用額の大幅な増加(図表 3)、といった事象が生じているが、これには、大手ディーラーのレポ取引への取組みスタンスが密接に関連していることを指摘できる。』(機種依存文字を一部改変しています)

『すなわち、GCF レポ市場は、主として中小ディーラーの資金調達に利用されているところ、ユーロ圏等の大手ディーラーが四半期末に資金放出を圧縮し、その一部を米国・英国の大手ディーラーが、各国の国内規制が求める高いコストで埋め合わせる構図となっていることから、レポ・レートの上方スパイクが生じている。』

これは分かる。

『他方、トライパーティ・レポ市場は、主として MMF 等の資金運用に利用されているところ(担保資産は米国債およびエージェンシー債。取引の相手方は、大手ディーラーに限定される)、ユーロ圏等の大手ディーラーが四半期末に資金調達を圧縮する結果、取引残高が大幅に減少することになる。』

『ここで、GCF レポ市場と同様、その一部を米国・英国の大手ディーラーが高いコストを埋め合わせるために低いレートで資金調達を行う動きが生ずれば、トライパーティ・レポ市場ではレポ・レートの下方スパイクが生ずることが想定される。もっとも、実際には、MMF 等の余剰資金の受け皿として NY連銀の O/N RRP が存在することから、当該 RRP金利がトライパーティ・レポ市場のレポ・レートの下限を画す形となり、下方スパイクは生じていない14。』

もはやマニアすぎて一部の人向けの話になっておりますので英国の話とかはスルーします。なおマイナス金利前の日本で起きたのはGCレポとIOERの裁定取引が蒸発した途端に資金の取り手が居なくなった格好なのでGCレートが下方スパイクしたとかそういう話でしたっけな。


とかマニアなのを引用していたら時間が無くなってしまったので(大汗)続きは明日にでもとは思うのですけれども(すいませんすいません)、『変化の要因:中銀による資産買入れ』の所は前半に比べるとちと微妙感があるのと、最後のCCP利用がどうのこうのは日銀のポジショントークのような気がするな、という所だけ申し上げておきます。

#超マニア向けネタでどうもすいません
 


お題「短国需給良いじゃん/黒田総裁のオックスフォード大学講演を鑑賞」   2017/06/12(月)08:18:52  
  英国総選挙は結局東京市場を直撃しなかったですが前回の経験ですかね。

[外部リンク] Morales、Robert Hutton
2017年6月11日 17:54 JST

何か良く分からんが揉めそうなのは把握した。

○何だ短国買入強いじゃんとか市場メモ

・とりあえず後付の講釈も大変ですな

別にいちゃもんをつけている訳ではないがロイターさん。

[外部リンク] | 2017年 06月 9日 15:14 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が反発、長期金利0.050%に低下

『<15:13> 国債先物が反発、長期金利0.050%に低下

長期国債先物は反発。前日に大幅安となった反動や日銀が中期・超長期を対象に国債買い入れを通告したことを受けて、買いが優勢になった。6月限の最終売買日を13日に控え、限月交代に絡む買い戻しも入った。現物債はしっかり。日銀オペ結果で需給の引き締まりを確認した中期ゾーンが強含み。超長期ゾーンもオペ結果が無難だったことから押し目買いが入った。長期ゾーンは先物に連動して金利に低下圧力がかかった。』(上記URL先より)

・・・・・・いや輪番が中期超長期で入るのは事前アナウンス済みじゃんという所で、どんだけネタが無いんですねんという話ですが、まあ金曜の場合は輪番と短国買入が総じて需給強いじゃんという話になりましたので、輪番やったら需給が良いのが確認できたから堅調でしたよという感じで、英国選挙とか知らんがなという結果で中々結構なお話(なおECBがハトちっくという市場の反応の影響は
良く分からん)。

ということですがオペ結果。
[外部リンク] 年 6 月〜8 月積み期間:20.0%

(注)これにより、日本銀行当座預金のうち、マイナス金利が適用される政策金利残高(金融機関間で裁定取引が行われたと仮定した金額)は、上記3積み期間において、平均して概ね 10 兆円台となる見込みです。』

これも買入が一定じゃなくなったので見込みで作るという事になりますので中々奥が深いですが、3-5の積み期間が17.0%で3%のプラスになっているのは先日ネタにした調節年報の財政資金の季節性って奴を反映して、6月と8月に年金定時払いがあってとかそういう奴であって、別にこれ自体は政策的な意図は無い(ある場合は「平均して概ね10兆円台」の数字が変わる時に可能性がある)という話だとは思いますが、当然ですが3か月分の平均でやっているので手前の方がマクロ加算部分の偏在が出るということになりますな、うんうん。




○往生際が悪いともいえるが味わいもある総裁講演

[外部リンク] old, learn new)」がありますが、「量的・質的金融緩和」に至る知的変遷(intellectual journey)をよく表わす言葉と言えるでしょう。』

ってドヤ顔(かどうか知らんが)で決めているのですが、そもそもホートレーの話はインフレ期待云々ではなくてフォワードガイダンスに近い話じゃないのとツッコミを一応入れて置く。

『「量的・質的金融緩和」は、実際に効果を発揮しました。インフレ期待は、「量的・質的金融緩和」の導入後、はっきりと上昇しました。中央銀行の強い意志が、人々のフォワード・ルッキングな期待の押し上げに影響することを示しています。また、「量的・質的金融緩和」による大規模な長期国債の買い入れは、イールドカーブ全体にわたって、名目金利の低下圧力をもたらしました。その結果、20年近くに及ぶ日本銀行の「ゼロ金利制約」との闘いの中で、初めて実質金利を自然利子率より有意に低い水準まで引き下げることに成功しました(図表7)。』

『こうした金融緩和の効果により、企業・家計の両部門において経済活動が刺激され、需給ギャップは大きく改善しました。企業収益は、過去最高水準で推移しています。失業率は3%を下回る水準まで低下し、ほぼ完全雇用が実現しています(図表8)。労働需給の引き締まりを受けて、賃金は緩やかながら上昇しています。特に、1990年代後半以降、長年にわたるデフレのもとで失われていたベースアップの慣行が復活し、今年まで4年連続で実現したことは特筆すべき変化と言えます。賃金の上昇を伴いながら物価上昇率が高まっていくという好循環が作用しています。すなわち、日本は、既に「物価が持続的に下落する」という意味でのデフレではなくなっています。』

と思いっきり効果を強調しているのですが・・・・・・・・・・・・・・・


・ここまで大口を叩いたもののその後に効いていないという話が入るのは

次の小見出しが『5.低インフレ下における新たな課題』なんですけどね。

『この4年間の日本の経験は、20世紀前半以降の経済学が示す「期待に働きかける金融政策」の有効性を改めて示すものと言えます。』

まずこのドヤ顔(だとは思わないが)部分が冒頭に来るんですけど・・・・・・・・・

『ただ、その政策は日本経済を正しい方向に導くものではありますが、残念ながら、我々のintellectual journeyは、まだ完了していません。消費者物価上昇率は、このところゼロ%程度で推移しており、「物価安定の目標」である2%の達成には、なお距離があります。』

なるほどまだ途中ですか、と思わせて置いて次の一文が涙を禁じ得ない。

『その主な理由は、「量的・質的金融緩和」の導入によって明確に上昇したインフレ期待が、その後再び低下し、なお弱含みの局面が続いていることにあります(図表9)。』

・・・・・(゜д゜)

これは声に出して読みたい日本語としか申し上げようがないのですが、「その後再び低下」したのでしたら、それは「期待に働きかける政策が不発だった」ということを意味するだけではないかと思うのですよ。

『我々の分析によると、日本の場合、長年にわたってデフレが続いたこともあって、欧米に比べて、インフレ期待の形成における適合的な要素が依然として強い状況です。その結果、様々な要因で現実の物価上昇率が低下すれば、それ自体は一時的な要因であっても、これに引きずられる形でインフレ期待も低下する傾向があります。2014年秋以降の原油価格の70%を超える下落や、2015年から2016年にかけての新興国経済の先行き不透明感に起因する国際金融市場の不安定化などによって、物価上昇率が低下するなかで、インフレ期待も低下しました。日本銀行は、人々の間に定着してしまったデフレマインドを抜本的に転換することを目指していますが、インフレに対する人々の認識を変えることは決して容易ではありません。ホートレーが看破したように、「問題は心理的なもの」だからです。』

って説明しているのに何で「期待に働きかける金融政策」の有効性を改めて示すものと言えます(キリッ)となるのか小一時間問い詰めたい訳でして、この部分をちゃんと総括して欲しいと思うの。

つまりですね、QQEで期待インフレが上昇したのは、大規模政策の実施に伴うマネタリーショックによって、特に為替市場における通貨安が進行したこと(まあ政策先取りして為替は動いていましたが恐らくそれも含めての話)などの金融市場における反応があって、あと今回の場合って消費増税に伴う駆け込み需要の問題と、増税前の財政絶賛拡大という人為的需要引き上げ要因があって、円安ショックによる物価のファクターと消費増税に伴う便乗含む価格引き上げによって、実際の物価が上昇したことによって、一時的に適合的な部分での期待インフレが上昇した、ということであるものの、それ自体が実際には恒常的な需要増を伴うものでは無かったからあっさりコケた、という事なんじゃネーノと漠然とあたしゃ思っているのですけれども、まあそうであれば「マネタリーショックとしてのQQE導入は金融市場経由で効果を出した」けれども「マネタリーショックなので効果が永続するものではない」という事であり、期待に直接働きかけるというアプローチには成功しなかった、とするのが評価としては妥当なんじゃないの、と思うのですよ。

然るに、こうやって「最初は効いたけれども原油ガー消費税ガー」とか言うのってそれはまあそう言わないと黒田日銀の面目玉が立たないという大人の事情は十分にわかりますけれども、そうは言ってもやっぱりここは謙虚に評価すべきだと思いますし、黒田日銀でそれが出来ないのだったらトップ変わった後でもちゃんと反省した方がよいんじゃないかなあと思うんですけどね。

『こうした事態に対応して、日本銀行は、昨年9月、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」導入の際に、「オーバーシュート型コミットメント」を導入しました(図表10)。』

やっと出てきた。

『消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまでマネタリーベースの拡大方針を維持することにコミットしています。人々が実際に2%を超える物価上昇を経験することで、適合的な期待形成を通じてインフレ期待が上昇すると考えられます。同時に、こうした経験を通じて、中央銀行の「物価安定の目標」に対する信認が高まり、インフレ期待形成がよりフォワード・ルッキングなものとなり、2%程度にアンカーされることを企図しています。』

それは良いのだがどうやって2%を超える物価上昇が経験できるのか、フィリップスカーブ的に言えば期待を押し上げられないのだったら需給ギャップのプラスを無理繰り拡大するのか、カーブが立つような話にもっていけないと無理なんだが(なお需給ギャップだけ持って行ってもサステイナブルではない)。


・なお最後にもちょっと佐藤審議委員の講演と被っている部分が

『1990年代後半以降、日本経済が直面してきた問題は、長年、日本に固有の問題と考えられてきました。しかしながら、グローバル金融危機を経て、資産バブルが崩壊し、金融システムが大きく毀損された後には、比較的長期間にわたって経済成長率が低迷し、物価上昇率も低下するということは、多くの国に共通した経験となりました。蓄積された経済学の知見を活かした中央銀行の果敢な対応によって、世界恐慌の再来は免れたほか、グローバルなデフレ懸念もかなりの程度後退しました。もっとも、今日の世界経済のパフォーマンスは、決して満足のいくものではありません。』

『振り返ってみると、「期待に働きかける金融政策」は、1970年代以降の世界的な高インフレの制圧に大きな役割を果たしました。1990年代以降の各国におけるインフレーション・ターゲッティングの導入や金融政策理論のめざましい発展も、暗黙には、高インフレへの対応を念頭に置いたものでした。こうした政策対応や理論の発展は、「大いなる安定」と呼ばれる好ましい状況をもたらしましたが、同時に、中央銀行は、「低インフレ環境下において、ゼロ金利制約のもとで、インフレ期待をどのように適切に管理(manage)していくのか」という新たな課題に直面することになりました。』

『こうした新たな課題に対する政策・理論面での対応は、まだ始まったばかりです。特に、インフレ期待の形成過程は、国・地域や時代によって異なり得るものであり、この点に関する実証分析を深めていくことが重要です。』

>インフレ期待の形成過程は、国・地域や時代によって異なり得るものであり
>インフレ期待の形成過程は、国・地域や時代によって異なり得るものであり
>インフレ期待の形成過程は、国・地域や時代によって異なり得るものであり

置物副総裁大師匠はかつて「世界標準の金融政策」を連呼していましたなあ(遠い目)

『中央銀行としては、そうした分析を踏まえて、インフレ期待を適切に管理するための具体的な手法を検討していく必要があります。日本銀行が昨年導入した「オーバーシュート型コミットメント」は、日本が置かれた状況に対応したひとつの答えですが、学界や政策当局者の間で、グローバルな観点から議論がさらに深められていくことを強く期待しています。』


ちなみに佐藤審議委員のイェールでの講演ですが、

『高すぎる長期予想インフレ率を引き下げることについて、中央銀行には過去の実績に裏付けられた信認がある。インフレとの闘いは、デフレとの闘いより容易、かつ戦略は単純である。この場合、長期予想インフレ率は中央銀行の物価目標により決まる、という経済学の前提が成り立とう。

しかし、低すぎるインフレ率により信認を失った中央銀行の物価目標は経済モデルの前提とはならない。日本のように潜在成長率と長期予想インフレ率の低下が同時進行すると、低すぎる長期予想インフレ率を金融政策で引き上げることができるかどうか、現在の経済学には十分な知見がない。後で触れるように、長期予想インフレ率がほぼゼロ%とみられるなか、潜在成長率(≒自然利子率)もゼロ%台、かつ通常の経済取引には名目ゼロ金利制約があるためである。

実際、大規模な非伝統的金融政策でも、Friedman的な貨幣数量説的メカニズムやNew Keynesian的な期待のジャンプはこれまでのところ不十分にしか起こっていない。長期予想インフレ率のリアンカリングは未だ道半ばである。潜在成長率と長期予想インフレ率がここまで低くなっていなければ金融政策はもっと効果的であっただろう。』(今年3月の佐藤審議委員の講演より)

とありまして、まあちゃんとアプローチすると被るというのはその通りなのかも知れませんが、置物リフレ理論のようなナイーブな話からはすっかり足抜けしたんですね、というのが今回の講演の見どころなのかも知れません。
 

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