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今朝のドラめもん(金融政策ウォッチ)

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お題「債券先物日中値幅3銭に涙する/若田部副総裁インタビューのデビュー戦が来ました」   2018/06/29(金)07:48:22  
  ほうほう。
[外部リンク] / 04:32 /
米金融・債券市場=債券利回り1カ月ぶり低水準、貿易懸念続く

(上記URL先より一部加工)       
30年債 2.9758% 前営業日終値 2.9700%
10年債 2.8456% 前営業日終値 2.8270%
5年債 2.7260% 前営業日終値 2.7050%
2年債 2.5202% 前営業日終値 2.5040%

『米金融・債券市場では、債券利回りが小幅上昇。ただ、貿易戦争が世界成長を阻害するとの懸念で安全資産である国債需要が継続し、1カ月ぶり低水準近辺にとどまっている。また、月末や期末を控えたポートフォリオリバランスの需要も相場を支援した。』(上記URL先より)

1カ月ぶり低水準!と言いましてもまあ2.8%なんでウヒョーとなるほどのレベルかというとそこまでの感はしないで、ここもとの米国景気回復基調あんど3%水準までFEDが利上げしてくるでしょうというのをたぶん中心に置く中で足元の状況見ながらレンジで推移ってな感じのレンジの相場的には上限金利的には下限ってな感じ(特に強固なレンジの意味をもっている訳ではないのでただの霊感)なんですかね、という所ですが一方の円債ちゃんは・・・・・・・・・・・・

〇おうてめえ債券先物の日中値幅3銭とかどうなっとるんじゃあああああ

・債券先物日中値幅3銭出来高12500枚レベルェ・・・・・・・・・・

ほいな。
[外部リンク] / 15:16 /
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が小幅続伸、20年債利回り0.500%に低下

『<15:08> 国債先物が小幅続伸、20年債利回り0.500%に低下

長期国債先物は小幅続伸で引けた。前日の海外市場で、米中貿易摩擦への懸念から安全資産とされる米債が買われた流れを引き継いだ。軟化していた日経平均株価が切り返すと、戻り売りも出て上値が重くなった。現物債は高安まちまち。入札が弱めになった2年債にポジションを調整する動きがみられた。一方で超長期ゾーンには押し目買いが入った。

長期国債先物中心限月9月限の大引けは、前営業日比3銭高の150円86銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比横ばいの0.030%。20年債利回りは前営業日比0.5bp低下の0.500%。』(上記URL先より)

とまあこのように書かれると小幅な動きの相場でしたか、で終わるのですが、昨日の債券先物に関しては日中値幅何と3銭とかになっておりまして、先物の3銭ってチーペストの5糸に届かない値幅なんですがこれで相場の何をどうしろという話で、自分から売買に行く投資家とかプロップとかはオファービット払って相場にエントリーした時点で日中値幅でご返済できないコスト払うことになるし、マーケットメーカーだって要る売買なら良いですけれども、要りもしない売買打ち込まれたときにポジションを外しに行ったらコストだけで負け確定みたいな感じになってしまいますのう。

ちなみに先物の売買枚数も今週は20年入札あった火曜日は1.9万枚あったのでまだ格好がつかないわけではないですが、昨日は12500枚くらいとかになって、月曜の11500枚水準に匹敵する残念な水準、つーか今週全部2万枚割れなんですが勘弁してくださいという所ですな。


・さて本日の輪番は中期と長期ですが

とまあそういう感じで見事に残念な状態なのですが、今日は一応中期と長期の輪番が予定されていまして、いやまあ足元ではトランプ大先生のハーレー・ダビットソン相手の一人ツッコミ一人ボケの夫婦漫才など、変なのを食らうリスクはあるのかもしれませんけれども、まあ長期輪番に関してはどう見ても買いすぎだし、大体からして新発をほぼ吸収しちゃうと3年後に債券先物のチーペスト超品薄問題が発生する訳で(現に発生している)、金利コントロールを10年のグリッドに置いているからたくさん買うのは話としては分かるのですが、先々の市場における価格形成とかまで考えたら今みたいに買うのは先々の為にも宜しくない。

・・・・・・などとエラソーな能書き以前の問題で、この前10年指値やった(応札はゼロでしたが)時に余計なことに10年の輪番増やしやがりまして、その増えた分をまだ半分しか減額していないのでありまする。まー元々買いすぎな5-10の輪番ですが、月末前の吉例ということでここは減額でしょ減額、というのは多分コンセンサスにはなっていないのですが、減らすならここで減らすか7月頭の10年国債入札を通過して2回目くらいの所が減らし時で、コンセンサスではなくても減るのはサプライズにはならんと思うのですけどね(コンセンサス読み間違えていたらすいません)。

なお、この前の中期減額宜しく、4300→4100にしたら輪番結果が全然普通で、却って需給のひっ迫を強く印象付けてしまい、またまた10年ゾーンがタイトになってくる、という方に1万イタリアリラと言ったところで見ております(個人の感想です^^)がどうでしょうかねえ。


〇国債市場の流動性指標が出ているのだが

うーんこの。
[外部リンク] / 17:21
若田部日銀副総裁インタビューの一問一答

一昨日は雨宮副総裁がブルームバーグにご登場でしたが、ほぼ同じタイミングということで昨日(の夕方)に若田部副総裁のロイターインタビュー記事登場となりました。

『[東京 28日 ロイター] - 日銀の若田部昌澄副総裁は、ロイターの単独インタビューに応じ、「現在の政策の効果は、副作用を完全に上回っている」との認識を示した。』(上記URL先より、以下同様)

ということですが、物凄く明確に事実として認識可能なことでもない事案に対して「完全に」とか言い切る辺りがもうその時点でこれで学者かよと言いたくなりますよね。経済とか市場とかそういう物に対して「絶対」というようなものはない、と考えるのが市場の中の人たち(平気で「絶対に」とか「完全に」とかを息を吐くように言えるのは駆け出しの初心者がイキっているのかインチキセールスが商売話法で使っているかでなければただの馬鹿、というのが市場にある程度長くいる人たちの認識ではなかろうかと)だと思いますし、まあ当然ながらロイターさんもそのような事は先刻ご承知の助であろうかと存じますので、もうこの最初の部分からロイターさん積極的にインタビュー記事に薪をくべている感じで実に味わいが深い。

以下(さっきも書きましたように)上記のロイターさん記事から引用させていただきます。

『物価2%目標の実現に向けて今後も大規模な金融緩和を継続する考えを示すとともに、物価上昇のモメンタム(勢い)が明らかに崩れた場合には、追加緩和を検討すると明言した。インタビューは27日に行った。』

だそうです。

『──好景気にもかかわらず、物価がなかなか上がらない要因をどのように分析しているか。』

いきなり直球ドストレート来ました。

『「日銀はすでにいくつかの考え方を提示しているが、最も大きいのは20年近く続いたデフレが人々のマインドセットに影響し、賃金や価格の設定行動に非常に大きな影響を及ぼしているということだ。これが土台であり、そこにいくつかの要因が加わっている」』

リフレ理論によればそれを金融政策で簡単に解決できますって話だったはずですが。

『「1つが賃金の硬直性だ。賃金は下げることが難しいため、上げられる局面でも将来の不況を心配し、あまり上がらない面がある」 』

ここの所ってどうなのよと毎度思うんだが。普通に賃下げしてただろ。

『「さらに最近は、女性や高齢者の労働参加を背景に働く人々の割合が非常に増えているが、20代から50代くらいの男性では十分に高まっておらず、労働力のスラック(需給の緩み)が存在する可能性がある。失業率が2.5%くらいまで下がっているのに賃金や物価の上昇スピードは加速しておらず、スラックがあるとの仮説には一定の妥当性があると思う」 』

主な意見でのスラックうんぬんはジンバブエ先生じゃなくて若田部さんでしたか。

『「また、アマゾンのようなオンラインでの取引が増えることで物価が下がる、いわゆる『アマゾン効果』という研究も注目されている」 』

だそうですが、うざいと言われても何度も出しますが、

[外部リンク] めには、2つの条件が必要だと思っています。1 つは、2%のインフレ目標を大 体いつ頃までに責任をもって達成するのかということに日本銀行がコミットするということです。(中間割愛)2 つ目は、そういう意味で、2 年くらいで責任をもって達成するとコミットしているわけですが、達成できなかった時に、「自分達のせいではない。 他の要因によるものだ」と、あまり言い訳をしないということです。そういう 立場に立っていないと、市場が、その金融政策を信用しないということになってしまいます。市場が金融政策を信用しない状況で、いくら金利を下げたり、量的緩和をしても、あまり効き目がないというのが私の立場です。』(2013年3月21日岩田副総裁就任記者会見、会見要旨5ページにある岩田副総裁の発言)

という話をしていた訳ですから、本来の意味で考えれば金融政策の信頼を取り戻すには「元々の置物理論はナイーブにもほどがある理論で、現実の日本の状況には適合できませんでしたすいません」と言って新たな枠組みに進めるとともに、リフレ派審議委員総入れ替え(まあ意見の多様性という意味では1名位残しても良いのかもしれないですが、机上の空論を言う人を残す意味もないですからねえ)でもした方が良いんですけどねえ、現実的に無理なのは分かっているが現実的に無理だからこのグダグダを反省もなくグダグダで放置してよいというものではなくて、壮大な失敗をしたことに関して後世にきちんと知見として残していかないと大げさに言えば人類としての進歩がないんですが、と思うのよアタシャ。

と、まあだいたいお約束の悪態で長くなりましたが記事に戻りまして、

『「様々な要因はあるが、最大の問題は、デフレからの完全転換の道筋がなかなか描けないことだ。7月の展望リポートでは、当然、こうしたことを重点的に分析していくことになる。かなりの部分はこれまでも分析を進めており、それをいかに総合するかが求められている」 』

>最大の問題は、デフレからの完全転換の道筋がなかなか描けないことだ
>最大の問題は、デフレからの完全転換の道筋がなかなか描けないことだ
>最大の問題は、デフレからの完全転換の道筋がなかなか描けないことだ

・・・・・・・えーっとすいません、それはつまり置物リフレ理論は物価目標達成に対して実情にあっていない処方箋で机上の空論でした、ということになると思うんですが何でその反省しないで今までの延長で政策やろうとするのかさっぱり分からないんですが。


でもって物価の先行きに関しては・・・・・・・・

『──物価の下振れリスクは、一段と高まっているのか。

「それはこれから議論していくが、足元で物価上昇率のプラス幅が縮小していることを非常に注視している。これがトレンドとして下がるのか、ある程度のところで上がってくるのか、判断が必要だ。基本的な経済の循環メカニズムが大きく変わっていなければ、見通しはそれほど変わらないが、そうでないならば変わる可能性がないとはいえない」 』

『──分析の結果が物価のモメンタムの判断に与える影響と、追加緩和の可能性は。

「物価の『モメンタム』は金融政策運営のキーワードだが、その意味は大きく2つにブレークダウンできる。1つは需給ギャップであり、プラス方向ならば経済が温まり、雇用と賃金が改善し、企業は価格を上げることができる。もう1つは中長期の予想物価上昇率で、その上昇スピードや、それが上がっているのか、下がっているのか、ということ」

「この2つによって、物価のモメンタムが維持されているかを検討する。7月展望リポートで経済・物価の動向について一定の見通しを出すが、これが物価のモメンタムにどのような意味を持つかがポイントになる」

「モメンタムの弱さが一時的ではなく、トレンドだと明らかになってくれば、追加緩和を考えざるを得ない。その際の手段については、イールドカーブ・コントロールにおける長短金利の変更や、買い入れ資産の多様化、国債買い入れを通じたマネタリーベースの拡大ペースの拡張など、すでに様々な手段がある。それを動かすだけでもかなりのことができる」 』

この部分ですけどね、まずこの物価のモメンタムに関する説明が、執行部理論の「需給ギャップと期待インフレ」という建付けを踏襲しているのは置物2世だから順当なのですが、一方でこの一連の質疑を見ると、アクチュアルな物価についての話もしていて、どうもこの先生の中ではまだきちんと整理ができていないように見えます。

あと、追加緩和に関しては可能とか言っている時点でゴミにも程がありますが、まあ手段がないとは言えないので、その辺を理解しているけれども大本営発表で言っているのか、単に金融市場分かっていなくて言っているのかは不明。前者ならスルーだが後者だと頭痛い。


副作用論に関しては以下の通り。

『──大規模緩和長期化の副作用に対する認識と、物価2%実現前の政策調整の可能性は。

「現在の金融政策は物価安定目標の達成に必要だが、結果として金融機関の収益性などに影響を及ぼしていることは理解している。ただ、現在の政策の効果は、副作用を完全に上回っており、すぐに何か政策変更を迫るほどの副作用が起きているとは考えていない」

「よほど資産市場が過熱した場合は、その始末をうまくしなければ先行き物価が下がってしまうリスクがあると思うが、現状でそうしたリスクは生じていないし、すぐに起きることもないと思う」 』

副作用に関しては、そらまあ別に副作用が顕在化することを懸念しているとかいうような回答がこの人から出るとは思っていないので想定の範囲内ではあるのですが、「現在の政策の効果は、副作用を完全に上回っており」というこの「完全に」というのが先ほど申し上げたように初心者のイキリか(以下の部分は内務省検閲により削除されました^^)。

だいたいからして政策の効果が完全に上回っているんだったら何で5年もかけてるのに物価目標が行かないのかと小一時間な訳で、まあ分かってないし、そもそもその副作用がどのような弊害を起こすかということもわかっていないと思うし分かろうともしてないと思う。

『──日銀が金利を低位に抑制していることで、財政に対する市場の警告機能が失われているとの指摘がある。金融緩和を続けることが、放漫財政につながるリスクはないか。

「財政の資金繰りを直接助けるという意味で、財政ファイナンス(穴埋め)をやっているとの認識は全くない。政府・日銀の共同声明では、政府が経済成長と両立する形で財政再建を進める旨の記載もある。日銀の金融政策が財政ファイナンスを行っているという批判は当たらない」』

まあこれは共同声明を盾に取ればこういう答えになるのでしゃーない。

『「財政への警告機能が損なわれているのではないか、という批判があることは承知しているが、財政の状況を測る指標は、金利だけではない。例えば、日本のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プレミアムは低位で安定している」』

・・・・・のですが、前半で止めておけばよいものをいきなりCDSとか生兵法で使ってくることがリフレ一派らしくてほっこりとするのですが、んなもんCDSに顕在化するような状態になったらもうオワコンで時すでにお寿司にも程があるんですけれどもお兄さんCDS市場ってなんだかわかってますかいな。


ということで、まあこのインタビュー全文(引用しているのは全文じゃないです)みたのですが、骨太の筋が通った見識やら、経済学に関する知見が(以下の部分は内務省検閲により削除されました^^)。
 


お題「雨宮副総裁ブルームバーグインタビューで七色の変化球を投じている風情が」   2018/06/28(木)07:43:52  
  党首討論で延々と喋って時間を潰して質問させなくするってのはちょっと・・・・・・
[外部リンク]
簡潔答弁せず時間切れ…その後「ルール守んなきゃ」
毎日新聞2018年6月27日 17時47分(最終更新 6月27日 22時53分)

まあ相変わらず相場様の方は先物売買高が2兆円割れが金曜から継続しておりまして、なんちゅうか動かんですのうモードな上にエネルギーもないわという感じになっているのがニャンとも。


〇七色の変化球か煙幕か(雨宮副総裁インタビュー記事)

こんなん来ました。
[外部リンク] 0:01 JST

『日本銀行の雨宮正佳副総裁(62)は、現時点では異次元緩和の効果が副作用を上回るとしながらも、金融機関への影響など中長期の副作用を注視する意向を示した。3月の副総裁就任後、初のインタビューに25日応じた。』(上記URL先より、以下同様です)

ということでブルームバーグキタコレですが。

『雨宮副総裁は「今は副作用が効果を上回るに至っているとは思ってないが、だんだん累積的にたまっていくものなので注意深く見ていく」と説明。2%の物価安定目標に向けたモメンタム(勢い)は維持されており、政策調整が必要かどうか「毎回の金融政策決定会合できちんと議論して判断していく」と述べた。「必要な政策の調整は排除すべきではない」としている。』

と来ましたが、副作用について「だんだん累積的にたまっていくもの」というのを明確に示してきたのは変化球か煙幕か。

『具体的な副作用としては、金融仲介機能に対する影響を挙げ、金融機関が過度なリスクを取ったり、逆に収益が圧迫され貸し出しなど適正なリスクが取れなくなったりしないか「よく点検する必要がある」と語った。金融資本市場の「価格発見機能に齟齬(そご)が発生しているかどうかも大事だ」とも述べた。』

>金融資本市場の「価格発見機能に齟齬(そご)が発生しているかどうかも大事だ」

ほほうこれはこれは。いやあの昨日出ていましたPD懇の議事要旨あたりをよーく読んでいただいたり、オブザーバー出席している(はずなのですが)日銀スタッフの方などから「丸める前の意見」辺りをヒアリングして頂きますと誠にありがたく存じます。

なお、価格発見機能自体はお前は既に死んでいる状態ではあるのですが、そこだけで政策が変更になってくれるような訳はなくて、何らかの別の屁理屈が必要だし、究極的には今のYCCという政策自体が金利市場における価格発見機能を殺しながらの市場介入という事になりますので、最終的に「政策変更したくない」という意思があればこの点では何とでも言い訳をしてくるのが惜しい所。

とは言いましても、この辺の部分って外野が散々ギャースカ言っても「知らんがな」という感じで却下されていた論点であること、先ほどの所にありますように「副作用が累積する」と時間の経過とともに副作用が増えますという認識を示したことは、雨宮さん特有の七色の変化球というかちょっとジャブで煙幕張ってみましたというかなお話かなとは思います。

でまあこれがもうちょっと市場が元気で物価動向に関してもうちょっと強気だったら市場が何かの反応を示してもよさそうなものなのですが、すっかりナマコ相場になってしまったのかまるで市場が反応を示すそぶりもない、という辺りにYCCが効きすぎなんですがそれはというものを感じるのでありました。

『日銀は7月に金融政策決定会合を開き、経済・物価情勢の展望(展望リポート)で2020年度までの物価見通しを見直すとともに、物価の低迷が続いている背景について点検を行う。16年9月には、異次元緩和の政策効果と副作用を点検する「総括的な検証」を行って長短金利操作付き量的・質的金融緩和を導入したが、今回は「総括的な検証」は行わない見通し。』

そらまあそうじゃろと思いますし、本当なら総括的検証の第2弾(2年経過したんですから)をそろそろやって下さいなとは思いますが、総括的検証パート2をやることになると、今度は物価が上がりにくい件について、金融政策単体でやれることと、そうでないことを仕切り直して考えていく、ということになってきまして、その結論として政策枠組みの変更(長期的に持続可能で副作用が累積しにくい政策枠組みの導入)になるのですが、その時点で政府との共同文書の内容をどこまで踏まえるのか、書き直しが必要なのではないか、というような話が出てきてしまうので、まー「総括検証」という言葉は使いにくいでしょうな。


でもって上記URL記事の中にも「インタビューの一問一答はこちら」ってのがあって、そこをポチっとなとしますとこちらのURL先に飛びます。

[外部リンク] 9:00 JST

『日本銀行の雨宮正佳副総裁への一問一答は以下の通り。インタビューは25日に行った。』(ここから先は直上のブルームバーグニュースインタビュー記事より、以下同様)

『-現在の政策の効果と副作用

「今は副作用が効果を上回るに至っているとは思ってないが、これはだんだん累積的にたまっていくものなので、注意深くみていく。政策の判断は毎回の金融政策決定会合できちんとやっていく」』

ということで先ほどの通り。

『――物価のモメンタムは維持されているか。

「中期的に見れば潜在成長率を若干上回るペースで成長するというのが中心的な見通しなので、需給ギャップはだんだん改善していく。その中で労働需給のひっ迫が続けば、ゆっくりではあるが企業の価格設定スタンスも変わってくるので、人々の物価観も変わってくる。需給ギャップと人々の物価観という二つの点からみて、基本的にモメンタムは維持されている」』

モメンタムというのは(前からそうですが)需給ギャップと期待インフレでして、期待インフレの方はその場で一義的に数字を出すことができないフワッとした話になるので、要は需給ギャップで勝負をしているということです。でもそれって本当にモメンタムなの??

『-総裁は7月の会合での物価点検の必要性を指摘したが、総括検証は否定した

「2016年9月の総括検証は、マイナス金利という全く新しい政策を採用した上、消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)がマイナスになるなど、政策や物価を巡る環境が大きく変わった時に行った。今はコアCPIはプラスで、長短金利操作は円滑に機能しているので16年とは環境が違う」』

うーんこの理屈だと「負けが込んできたら総括検証」ということなのですが、別に定義上勝ち戦の時に検証してもよいと思うんだが、というかその方がやりやすくないか???

『「そうは言っても、物価の上がりにくさは明らかになっているので、春先前の円高や企業の価格設定行動が慎重だとか、いろいろな理由が考えられるが、もう一度きっちり分析して議論しようという声が大きくなった」

「毎回の金融政策決定会合で物価や経済動向を総括的に検証しようと努めているが、今年に入ってからの物価の動きを考えるともう一度分析や議論を深めましょうということだ」』

つまりこの理屈ですと・・・・・・・・・・

『-次の一手は物価の好転を受けての正常化ではなく、金融機関等への副作用に対応するための政策修正という見方がある

「物価安定目標に向けたモメンタムを維持するために必要な政策の調整を行うのが今の基本的な政策の枠組みだ。その心は、モメンタムが大事なので、一定のタイムフレームやデッドラインの下でメカニカルに政策をやるわけではなく、モメンタムを維持するために調整をする」

「必要な政策の調整は排除すべきではないし、そのために毎回の金融政策決定会合で議論している。政策の判断は効果と副作用の総合判断なので、どちらかだけ見て判断するということではない。あくまで2%に向けたパスがどの程度確からしいかということと、それに伴い発生する副作用の総合判断だ」』

需給ギャップ、なかんずく労働市場の改善は進んでいるのでモメンタムは維持されているという判断ではあるものの、肝心の物価が思うようにアガランチ会長であるという状態で、そっちだけ見た場合には戦局は不利に傾きつつあるので、「モメンタム戦線」の方で勝った勝ったと成果を強調できる今の時期に敗色が見えてきている「物価戦線」の方についての戦況把握をしますが、これは敗戦処理でもなんでもありませんよ、という話で負けたことにしないで「検証」をやろうということですな。

とは言いましても、戦線の転換を伴わない「検証」をやってその後状況が改善するのかという話は思いっきりあるようにしか見えないわけでござんして、7月会合で物価のメカニズムに関する紙が出てくる(既にイーコマースに関するレポートが出てきたのと同じような感じで)とは思うのですが、「それはわかったが政策にどう使うんだその分析」というのが雁首揃えて並んでもうーんこのという感想しか出てこないのですよねー。

でですな、これ雨宮副総裁どさくさに紛れてしらっとイイハナシダナーなことを言っているのですが、今回は総括検証を行わない理由として上記のように「今はコアCPIはプラスで、長短金利操作は円滑に機能しているので16年とは環境が違う」と言っていまして、総括検証の時にはいわゆる「転進」的な説明でお茶を濁していましたが、その前の部分の話っぷりも含めて、要するに総括検証は「金融緩和強化してマイナス金利までぶっこんで長期や超長期の金利をアホみたいに下げたのに上手くいきませんでしたので敗戦処理を行いますが降伏したわけではなく戦線の整理をおこなって反撃します」ということだった訳ですが、まさかぶっこんで半年のマイナス金利をいきなり撤回する訳にもいかず、マイナス金利や80兆円を残しながらになったので、キメラみたいな政策枠組みになっているということですな、うんうん。


『-80兆円めどと実際のかい離、削除の可能性について

「何か問題が起こっているとは思ってない。一方で、80兆円のめどは、日銀が金利を低位に維持するという姿勢を示すものなので、変更や削除する場合は全体としての金融政策の枠組みを議論する中で決める。ある条件を満たしたら削除するというように、個別にピックアップして議論する問題ではない」』

80兆円自体は形骸化しまくっているのですからしらっと削除すればいいのにと思うのですが、「全体としての金融政策の枠組みを議論する中で決める」と言っていて、置物理論に気を使っているのかどうか知りませんが、こういう言い方だと簡単には外せないことになるのでこの説明は意外感がある。「別に実務上問題ないし、外部情勢の変化で金利が上昇した際には金利上昇抑止のために買入が増えて結果80兆円を超えることもありえるのでめどを変更する必要もない」くらいでしらっとかわすのかと思ったのですが、80兆円には雨宮さん思い入れがあるんですかねえ・・・・・・・・・


『-出口のリスクについてどう考えるか

「欧米が正常化に向かおうとしているときに日銀だけ緩和を続け、世界経済や市場にネガティブショックが起きた場合、追加的な緩和余地が限られることを考えると、早めに出口を出て政策対応余地を作っておいた方が良いという声があるほか、早めに出口に向かうことで市場動向等に悪影響を与え、デフレに後戻りしてしまうリスクを高めてしまっては元も子もないという声もある」』

そらそうなのですが、出口じゃなくて調整という屁理屈を繰り出す時ではないかとは思うし、大体からしてこれだけの買入とかやってろくすっぽインフレ期待に効かないんだったら多少減らしてもインフレ期待に影響ないじゃろ(寧ろマイナス金利撤回したら銀行株がヒャッハーと上昇してウマウマだと思うんだが)。

『「結局、出口の議論や出口に向けた動きは、早過ぎてもいけないし、遅過ぎてもいけない。両方のリスクがあると言うことに尽きる」

「出口までにはまだかなり距離がある。いずれ経済や物価の好転が続いて出口に向けた環境が少しずつ整っていくはずなので、そうなればわれわれとしても金融政策決定会合で議論した上で、詳しく情報発信していくことになる」』

ということで、そらまあさすがにそこは言われない限り答えないし、言われても誤魔化すと思いますけれども、物価がそう簡単にアガランチ会長である、と雨宮副総裁も上の方で認めている(アガランチ会長という言葉は使っていませんが^^)上に、最初の方では「副作用は累積して効いてくる」という説明をしておりますので、次の政策調整は出口ではなくて、「長期的に必要な緩和政策を実施するために、副作用が累積にしにくく十分に緩和的な金融環境をいかにして作り出すかの最適化を行いました」という話になると思うし、まあ本来はこの前の総括的検証がそれにあたるのですが、いきなり大転換するの無理だからワンステップ入れました、ということになると思うの。

でですね、今回のインタビューはその辺の煙幕はだいぶ張っていると思うのですけれども、変に反応されても困るから80兆円とかの辺りで「全然変える気ないもんね」というようなニュアンスを入れたりして、あまり物議を醸さないように工夫している、というのは分かりました。

まーなんですな、一応チャンスは狙っていない訳ではないのでしょうが、日銀が能動的に何かやってくるというのは政治的にも中々難しい(というのは本来の中央銀行の独立性という意味でダメダメにもほどがあるのですがそこはさておきまして)ので、こうやって煙幕を張ってみたり審議委員の方に斥候兵となってもらったりという感じで、すこしずつ雰囲気として政策調整もできるような感じをふわっと作ろうとしてるんでしょうな(だからすぐ調整するかというと全然違うけど)とか思ったのは願望込みの読み過ぎでしょうかねえ。

記事中の最後の質疑は味わいがあるのでノーコメントで引用だけさせていただく。

『-各国の中央銀行が日銀の経験から学び取れることは何か

「政策金利がゼロ制約にぶつかった後も、非伝統的政策が一定の効果を持った。日本でこういう政策をやった結果、経済が大きく改善し、物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなった。第一の教訓は、短期金利がゼロに直面した後でも政策対応は余地があるということだ」

「一方で、経済、金融の関係を含めて、物価の決まり方は非常に複雑で、一筋縄ではいかないことも同時に明らかになっている。一部で、あるいは海外の経済学界でも非常に単純に捉えていた向きもあるが、そう簡単なものではない。経済や物価という現象やその背後にあるメカニズム、決まり方について、その複雑さを謙虚に受け止める必要があるということは、非常に重要なレッスンだ」

「三つ目に、海外の中央銀行を見てもそうだが、金融政策手段はその時々の経済、物価動向を踏まえ、常に進化することが可能だということも重要な経験だ。これからも前例にとらわれず、しかしあくまで物価の安定という中央銀行に課せられた責務を達成するため、そうした気持ちで取り組んでいくことが必要だ」』

#散々引用しましてすいません>ブルームバーグさん

#ということですが中銀ウィークのレビューネタが虫干しネタと化しつつあるので成敗しないといけません(大汗)
 


お題「PD懇議事要旨と市場参加者会合議事要旨を鑑賞して過疎円債村に涙するの巻」   2018/06/27(水)07:46:59  
  なんかね、この前ちらっと何とかヴェリタスとか言うの(直近号じゃないかも知れないけど)であなたも億り人みたいなしょーもない特集やってたんですよ。でもってその中の方(6面)を見たら「毎年40万円を8%利回りで積み立てたら40年で億り人」って図入りの解説記事があってご署名しているのが日本を代表する経済クオリティペーパーの編集委員様だったりするんですけど、物凄い既視感があると思ったら一時一世を風靡した某どこぞの宣伝文句・・・・・・・・orz


〇国債市場特別参加者会合(PD懇)議事要旨に全ての円債市場が涙した!

[外部リンク] 第3特別会議室

ということで議事要旨があるので鑑賞したのですが落涙を禁じ得ない仕上がりになっております。

・流動性供給入札について

まずは流動性供給入札に関する『○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。』以下を確認しますね。

『・当局の提案に賛成する。これまで当社は残存1-5年ゾーンの増額を主張していたが、足元のマーケットでは、一部の投資家による残存3-4年セクターのオフ・ザ・ラン銘柄に対する買いは途切れてきており、証券会社としても、当該セクターの恒常的なショートカバーニーズは落ち着いてきているため、現状維持を希望する。残存15.5年超ゾーンについては、40年債入札よりも発行額が多く負担感があるため、4月の入札結果もやや甘かった。このため、当面は残存15.5年超ゾーンを増額することは難しいと考えている。流動性供給入札は4-6月期に昨年度対比増額したばかりであり、今回修正を加えると3か月で再び発行額を見直すということになるので、連続性を担保する観点からも現状維持が望ましい。』


『・当局の提案に賛成する。現在の発行額で需給のバランスは基本的に取れている。仮に残存1-5年ゾーンを増額し、残存15.5年超ゾーンを減額すると、イールドカーブをフラット化させ、最終投資家の需要を減らしてしまうおそれもある。また、残存5-15.5年ゾーンに関しては、先物のチーペスト周辺銘柄の希少性が高い状況にあるため、1回の入札当たり6,000億円の発行額を維持していくことが妥当である。』

『・当局の提案に賛成する。これまで長期間にわたって残存1-5年ゾーンの需給は逼迫しており、需給の引き締まりに対して先手を打つという観点から増額の余地もあると思うが、足元の需給を踏まえれば、引き続き1回の入札当たり4,000億円の発行で異論はない。残存15.5年超ゾーンについては、増額すると継続的な安定発行への懸念が生じかねないため、当局の提案のとおりでよい。』

『・当局の提案に賛成する。あえて言えば、残存5-15.5年ゾーンを減額して残存1-5年ゾーンを増額することも考えられるが、しばらくは様子を見ながら、需給の変動等を見極めていけばよいのではないか』

ということですが、この辺の話はPD懇だと目先の需給の話が出てきてしまうので何なのですが、とりあえず言えそうなのは中期輪番もっと減額できるんじゃネーノというお話ですかね。あと超長期の輪番って国債買入政策の持続性を担保して、ついでに将来における出口(来るかどうか知らんが)におけるバランスシートの縮小を容易にするためにも寧ろ超長期輪番ゼロにするくらいの勢いで減額したら、と思うのですが、なんかこういうのが出てくると超長期の輪番って減らしにくいのかなというイメージを持ちそうですね。

・・・・・・・とPD懇の話なのに思いっきり輪番目線で読んでしまっている訳ですが、超長期に関しては水準訂正をすればもうちょっと投資家の買いは来る(絶対水準バイヤー)とは思うので、もうちょっと輪番減らせないのかなとは思っているんですけどねえ。


・プライマリーディーラー(一部銀行ポート有り)による愚痴大会キタコレ!

さっきのは見世物としては前座(あと物価連動国債の話もあるんですが、どちらも当局案が妥当なので特に議論になるようなものではない、なお当局提案の話だから前半を前座というのは失礼に当たります、為念^^)でして、見世物としてのメインイベントは『3.最近の国債市場の状況と今後の見通しについて』の方である。

最初の意見は飛ばして2番目から。

『・FRBが利上げを継続する一方、ECBは来年夏頃まで政策金利を維持するという方針を示しており、欧州では金利が上がりづらい環境になっている。日本国債に関しては、動意が薄い状況が続いており、10年債金利が0.025%をなかなか下回らないなど、非常に狭いレンジで推移している。こうした中で、市場機能が落ちてきていると言わざるを得ないとの認識を持っている。』

さあさあ来ましたよ。

『背景としては、チーペスト周辺の1銘柄当たりの市中残高が日銀買入により1兆円未満となるなど、市場にモノがない環境になっていることがある。また、入札後のパフォーマンスがよくない中で、証券会社の体力が落ちており、市中での売買もかなり減少している。このような状況がこのまま継続してしまうことに危機感を抱いている。』

相場がウゴカンチ会長だから入札前の事前ヘッジとかもしにくい(動かんからリスク取りにくい)でしょうし、輪番に放り込むくらいしかやることはないけど、輪番以外に投資家の買いがないという状況だと、そこに向けて強くするというのにも中々しんどいでしょうな、と思う。そういやT+1化にあわせて新発の発行日が全部入札日のT+1になったので輪番に入れやすいとかいうスカタンコメントをどこかで見た記憶があるのだが、そんな話よりもウゴカンチ会長の弊害で輪番プレイとかいう言葉が徐々に死語化しつつある状況ではありますなあと思う。

『市場機能が失われ、市場参加者が減ってしまうと、何かイベントが起きたときに、受け皿になるような参加者がいなくなり、大きなボラティリティを生み出すのではないかと懸念している。市場機能をいかに残していくのかということを真剣に考えていかなくてはならないとの問題意識を持っている。』

円債市場老人会だから運用部ショックとか言い出しますが、前もおじいちゃん同じ話したでしょと言われそうですが、あれは運用部の買入停止はきっかけに過ぎなくて、元々は東証のアホウが債券先物の売買システムをグローバルスタンダードとやらのやり方にして、注意気配制度とかをなくして売買で値がすっ飛ぶようなシステムにしたせいで債券市場のヘッジ機能を当時ほぼ一手に担っていた債券先物市場の機能を壊してしまったために、リスクの大きなポジションのヘッジがやりにくくなって、例えば超長期だったら1回50億までしか売買受けれませんとかいうようになった結果として、取引のロットがさばけなくなり、きっかけと共に相場が大崩れしましたってなもんですから、流動性とヘッジ機能の確保は重要なのですな。


『・ボラティリティが非常に低い状況がこのまま続いていくと、債券部門における収益が低下し、同部門に割り当てられるバランスシートの金額も減少する。こうした低金利・低ボラティリティ・低収益の状況が続くことにより、金利が動いたときの受け皿となるマーケットの深みが失われることを懸念しており、当局においても注視してほしい。』

同じことですな。なおもう受け皿は壊れていて水を注ぎこんでもドバドバと下に流れていくのではないかと思っているんですけど。

『・外部環境に関係なく、日銀買入オペに依存した取引が中心になっており、マーケットとして重要な価格発見機能が失われていると考えている。また、ファンダメンタルズからかけ離れた低金利と低ボラティティの長期化によって、収益性が乏しくなった国債売買への興味が大きく低下しており、市場参加者も減少している。』

金利水準が低すぎて投資として間尺に合わないけど水準もファンダも関係なく自動的に購入する日銀がいてその額がでかすぎるからいつまでたっても水準訂正しないし、逆に物価動向とか見ながら金利が下がっても然るべき時になると今度は輪番減額懸念が出るから金利の自然な低下というのもしない、というこの地獄ですが、この意見の後半がこれまた手厳しいが順当。

『オファー・ビッドが狭いのは一見流動性に問題がないように見えるが、実際にはカレント銘柄中心の取引しかなく、オフ・ザ・ラン銘柄については売買できる銘柄の選択肢が少なくなっている。このような状況が日に日に強くなっていると感じており、流動性については懸念している。』

全く仰せの通りで。しかも最近は動かないのも度が過ぎるわという感じになっていますな。


『・市場参加者の行動が画一的になっており、相場観にばらつきがなくなっている。現状、積極的に一つのポジションを構築していくと、ポジションの巻き戻しが容易ではないため、過度に大きなポジションを持つことが難しいと感じている。プライマリー・ディーラーは国債市場の中で流動性を提供しなければならない立場であるが、こうした展開が続いていくと、マーケット・メイク能力が業界全体で低下していくとの危機感を抱いている。』

でしょうなー。相場観にばらつきがないから投資家の売買がマーケットメーカーの店頭でぶつかることがなくて、そうなってくるとマーケットメイクしろと言われても中々厳しい。しかも相場が動かないのですから、マーケットメイクするためのヘッジコストが容易に回収できないんですからそれはもう悲惨。


『・ボラティリティの低下によって、イールドカーブ上の銘柄間の価格修正があまり行われなくなっており、ヘッジファンド等の海外投資家やアクティブ系年金の売買も減ってきている。』

働いたら負けだと思っている、という名(迷)言がありましたが、動いたら負けみたいですからそら参加者もニート化するわなと思いますが、残念ながら食い扶持が親から降ってくるような有難いお話は無いので、ニートとか言ってられなくなるのが円債村の皆さんということで、そらもう村を出て食い扶持稼ぎにいかないといかんわなということになり、村に残っているのは空き家にしておくと家が傷むのでメンテナンスを兼ねて留守宅に住んでいる人ということになりますわ。

『本日も業者間のカレント銘柄の売買がほとんど行われておらず、このような状況が続くことによって、収益性が低下し、バランスシート・資本・人員といった面で債券部門への割り当てを考え直さざるを得なくなってきている。今後も、市場機能を確保できるかどうかが難しくなってきていると感じている。』

出稼ぎしか無かとよ。

『・カレント銘柄を取引する場合には、比較的流動性もあり、自由に取引ができる一方、オフ・ザ・ラン銘柄を取引する場合には、思うとおりのサイズで取引ができず、流動性の低下や取引のしづらさを感じている。こうした中で、流動性供給入札でオフ・ザ・ラン銘柄が発行されているのは、市場にとって非常にありがたいと感じている。』

ということですが、日銀が輪番をやる時にスイッチングオークション形式を取り入れて既発玉を市場に放出しつつ買入をしたらどうでしょうかねえ。まあそんなことしたらしたでマーケットメーカーが日銀ということになって更に死ぬのかもしれないけど。


以下はT+1のお話。

『・国債決済期間のT+1化はスムーズに進んだと認識しており、取引の執行において不便は感じていない。レポ市場においては、銘柄先決め取引と銘柄後決め取引の間にスプレッドが生じ、裁定機会となっているが、そうした部分を含めて流動性が出てくることによって、T+1化後のマーケットは形になってきていると感じている。』

『・一部の投資家からはT+2での取引を要望する声が依然としてあり、市場全体が完全にT+1決済へ移行したわけではない。ただ、そうした細かい部分を除けばトラブルなくT+1決済に移行できており、当社のバック事務を含めた体制もかなり円滑に回るようになってきている。』

『・今回のT+1化の対象外となっている海外投資家からも、T+1での取引を希望する声がちらほら聞かれている。』

海外がT+1って実質T+0なんですが事務大丈夫かとか思いますが、いや別に回るのは回るでしょうけれども、もともとこのT+1というのをコストをかけて実施する意味があったのかというのは未だに疑問。なんか途中からは「ここまでやった以上やらないとサンクコストが」みたいな感じになっていたように思えるんですけどね。

『・T+1への移行はスムーズに行われ、移行に際して大きな問題は発生しなかったと考えている。ただ、マーケットの流動性が全体として落ちている中で、事務負担が大きいため投資家のT+1でのレポ取引が減る15時以降、業者間市場におけるT+1の売買取引が更に細ってしまうことは今後の課題である。また、銘柄後決めGCレポ取引に参加する投資家層が拡大すれば、証券会社としては非常に有難い。』

色々と無理があると思うし、大体からしてT+1に関してはトライパーティーレポの話とかもあったと思うのですが、あのあたりの時って「ついていけない参加者は置いていくので後から勝手に追いついて下さい」ってスタンスだったと思う(誤解かもしれないがアタクシの受けた印象はそうだった)。

『・T+1化の当初、レポ市場の流動性が一時的に低下した局面もあった。足元ではかなり流動性が戻ってきているが、引き続き証券会社のファンディングは少しタイトになっていると感じている。』

そらそうよ。


・・・・・・とまあそういう訳で、T+1の方はともかくとして、債券市場に関する話は恨みつらみのオンパレードという大変に風情のある作品に仕上がっていますが、当然ながらここの意見の要旨って理財局の国債業務課さんのところで取りまとめている(問い合わせ先、ってのが最後にありますよん)訳でして、発言の趣旨を踏まえてどのようなトーンで文章をまとめるか、という点になりますと、これは市場の恨み節もありますけれども、財務省心の言葉というのもある訳でして、特に理財の場合は発行当局なので、国債がまともに消化できないことになりますとそらもうエライコッチャというお話ですからして、昨今の円債村のゴーストタウン化大加速に関しておう日銀お前エエカゲンニセエヤというのがある、というのまで把握しました。



〇日銀様謹製の債券市場参加者会合議事要旨はもしかしたら構成に味わいがあるかも(勝手読みですが)

先週出た奴ですが中銀ウィークによりスルーモードになっておりました。
[外部リンク]

『1.開催要領

(日時)
銀行等グループ(23 先) 6 月 6 日(水)16 時から
証券等グループ(24 先) 6 月 6 日(水)17 時 45 分から
バイサイドグループ(22 先) 6 月 7 日(木)17 時 45 分から

(場所)日本銀行本店
(参加者)「債券市場サーベイ」等に参加する金融機関の実務担当者
(本行出席者)金融市場局長、金融市場局市場調節課長、同市場企画課長、 同総務課企画役』

ということで『3.参加者の意見 』を拝見。

最初が『近の債券市場についての見方と今後の注目点 』である

『本年入り後、海外金利や内外株価は大きく動いたが、イールドカーブ・コ ントロールが強力に機能するもとで、円債金利は安定的に推移している。 』

いやまあPD懇とこちらの参加者は被らない部分がありますけれども、PD懇で示されている債券市場の惨状を前にしてこんなヨイショ意見しか言わない参加者って何なんでしょと思ってしまいますが。ただのポジショントークとか我田引水いちゃもんとかは要らんですけど、別に日銀へのヨイショを聞こうとおもってこういう会合を実施している訳ではない筈なんですけどねえ。まあ偉い人(この場合当局)が苦言を聞きたくても下々(この場合市場)が偉い人の気分がよくなるような話をしてドンドン偉い人が浮世離れしていく、というのはいずこも同じ秋の夕暮れなんでしょうな。

なお、そんな意味でこの発言が出たわけではない、という可能性も大有りなのですが、議事要旨の一発目にこれを書かれると普段市場が動かなくて良き絶え絶えの円債村のひねくれ被害妄想住民と致しましては「日銀の市場コントロール力は世界一!」とドヤ顔しているように読めてしまいますがな。

・・・・・・ただ、この議事要旨最後まで読んでから最初のここを読み直すと別の味わいが伝わってくるので、そう頭から湯気をポッポーと出さずに以下を確認してみましょ。後でまた参りますよ♪


『特に、4 月以降は、日本銀行による国債買入のストック効果に加え、財務省による国債発行が減額されたことから、金利が一層上がりにくい地合いに なっている。』

まあ本当は金利先高観が出ていないからであって、それは物価がホイホイと上がるどころか頭打ち感が出ているからなのが実際の所なのではないかと思う。目先の需給を気にしすぎ。

『為替ヘッジコストの上昇を受けて外債での運用も難しくなっていることから、引き続き円債への投資ニーズは強く、金利の上昇余地は限られている。』

とは言え円債の利回りが・・・・・・・・・


『円債市場では、ボラティリティが低い状況が長く続いている。投資家からみれば売買を行いやすい面があるが、証券会社にとっては、収益機会に乏 しく厳しい環境であると感じる。 』

行いやすいんだったらドンドン売買してください。

『先行きについては、現行政策が継続している間はファンダメンタルズや海外の動きが円債市場に与える影響は限定的であるため、政策変更の有無やそのタイミングなど、金融政策に関連した動きに専ら注目が集まっている。』

とは言いましても金融政策変更はファンダメンタルズが変わったら(物価が2%にあがったら)あり得るんですけど、という事でして、まあこの辺り見ますと「物価2%とか逆立ちしても行かない」という見方が強固に定着している、というのが伝わりますな。


でもって次のメインイベント『債券市場の機能度・流動性についての見方 』ですけど。

『前回会合以降、円債市場の機能度・流動性の状況に大きな変化はみられない。 低金利・低ボラティリティ環境が長く続くもとで、国内のファンダメンタルズや海外市場の動きへの感応度が低下するなど、価格発見機能が失われてい る。』

悪化しているようにしか思えんが。

『イールドカーブ・コントロールは意図的に価格発見機能を低下させる政策と 理解しているが、将来の「出口」局面で混乱を避ける観点からは、価格発見機能をある程度維持しておくべきではないか。 』

御尤もで。

『カレント銘柄については取引に大きな支障は感じない一方、オフ・ザ・ラン銘柄については需給が逼迫しており、希望した銘柄を意図したロットで取引することが一段と難しくなっている。』

PD懇で言ってた人と同じですかね(^^)

『ビッド・アスク・スプレッドがタイト化しているようにみえるが、ボラティリティの低下や取引量減少を受けた証券会社間の競争激化を反映したも のであり、流動性の改善とは受け止めていない。』

これまたPD懇でも同じ話がよりきつくなっていましたが。

『多様な見方をする市場参加者が存在するという意味での市場の厚みは、大きく損なわれている。実際、大口取引などでレート形成に歪みが発生した場合、それが解消されるまで時間がかかるようになっていると感じる。 』

これは良い指摘、というかこの議事要旨、後半に掛けて段々キツイ意見が出てくるような構成になっております。

『現在のような市場環境では、市場参加者は日本銀行のオペだけみていれば十分で、以前のようにファンダメンタルズや適正なイールドカーブの形状を検討する必要性を感じない。それもあって、各社とも円債の部署に人材を投入しなくなっている。』

これはまた痛烈で身も蓋もないご意見。

『円債ビジネスの期待リターンが低下していることから、投資家のポートフォリオが縮小しているほか、証券会社を中心に市場参加者が減少し始めている。 先行きにわたって収益環境が改善する見通しを持てず、若い人材の採用や育成にコストをかけ難い環境となっている。 』

残り少ない円債村村民が泣いた。

『こうした状況が続けば、マーケットメイクに関するスキルや人材の厚みが失われ、将来金利が大きく変動する局面が到来した際、投資家のニーズに対応できず、市場が混乱に陥るのではないかと懸念している。』

ですなあ。なお最後が謎のヨイショで締めているんですが。

『業者間取引等もカバーした国債市場の流動性指標については、市場参加者の肌感覚とも近く、データを詳細にみることで実際の市場で起きていることを捕捉できるようになってきたように感じる。』

うーんこの。

でまあこの後調節の話があるのですが、その前にここまでの流れを見ますと、最初の所でドヤ顔とか悪態つきましたけれども穏当な意見を入れておいてから、徐々に後半になるにつれて痛烈なのを入れて、最後に謎のヨイショっぽいので締める、という一連の流れをセットとして見ますと、一部の良識ある方を除いて市場機能とかそういうのに興味がまるでなさそうな日銀ボードメンバー(総裁もはっきり言って市場機能とか全然興味ないというか、そもそも市場を馬鹿にしているというのがヒシヒシと伝わってくるので誠に遺憾の極みなんですけど)の面々に対してのプレゼンという意味で、のっけからいきなり悪口雑言大会なものを並べられますと、偉大なる総裁様とか偉大なる学者先生様とかのような高貴な俺様が何が悲しゅうて市場などというチンピラゴロツキ、しかも何言ってるんだか分からん変な村の用語ばかり使う変なオタク連中の声を聞かなきゃいかんのじゃ、となって読んでくれないかも知れませんので、入り口は美しくしておく、という工夫が必要なのではないか、などと勝手に妄想を逞しくしながら読むと別の味わいが出るのではないでしょうか。

#なおこの辺は妄想成分が高いので「個人の感想です」ということで(^^)


でまあ一応調節に関して引用。

『市場調節運営については、市場の動きや需給をよくみて行われているほか、 市場参加者とのコミュニケーションも丁寧に行われていると評価している。』

と来てからの、

『ただし、国債買入について、増額・減額の判断基準をもう少し分かりやす く示してほしい。』

の流れには笑った。「大きな方向性として減額はしていくけど基準に関してはその場のフィーリングなんでよろしく」くらいにした方が却って良いのかも(あるいは日本全国サイコロの旅方式とか)。

『短期国債は、担保需要などを背景に需給が逼迫した状況が続いているため、 買入額を減額してはどうか。 』

ゼロでも良いんじゃないですかね。

『将来の「出口」を念頭に置くと、市場参加者のノウハウが失われるような 事態は避けるべきだと思う。そうした観点からも、金利がある程度動くような柔軟な調節運営を行ってほしい。 』

動けば文句が出て動かなければ文句が出るのでさじ加減は難しいんですけど。まあ基本的に減額していけばそのうち動きやすくはなると思うので減額減額減額減額。

『個別銘柄の需給逼迫を回避するため、国債補完供給の上限期間利回りや 長連続利用日数などを見直して、一層使いやすくすることを検討してはどうか。』

SLFはQQEやっている間の時限措置で常設ファシリティ化して、ホイホイ使えるようになると良いのですけれども、基本的にSLFはSLFであって常設とはしない、という考え方は崩れなさそうですな。


#ということで引用大会恐縮至極
 


お題「櫻井審議委員の寄稿文(ただし英語)/6月会合主な意見」   2018/06/26(火)07:39:30  
  ほほう。
[外部リンク] / 05:20
米国株式市場=急落、貿易摩擦巡る懸念強まる

『米国株式市場は大幅安。米国と主要諸国との貿易摩擦がエスカレートの兆しを見せる中、S&P総合500とナスダック総合は約2カ月ぶりの大幅な下げを記録した。』(上記URL先より)

なあにどうせプロレス・・・・・・・で良いのかはよくわからんですけど。


〇櫻井審議委員が何か投下しているのですが

ロイターさんの紹介記事。
[外部リンク] / 00:39 /
日銀、金融緩和の枠組み維持する必要=桜井日銀委員

『[東京 25日 ロイター] - 日銀の桜井真審議委員は25日、労働市場の改善や消費者物価を支援するために現行の金融緩和の枠組みを堅持する必要があるとの考えを示した。ローマで開かれた国際経済セミナーでの講演原稿が公表された。桜井委員は「物価上昇は現時点で抑制されているものの、物価安定目標達成に向けたモメンタムは維持されている」とし、「そのため、現行の枠組みにおける金融政策を当面継続することが重要だ」と述べた。また、女性や高齢者の就労が増えているとしながらも、そうした層の賃金は低い傾向にあることから、全体的な賃金の伸びが抑えられていると指摘。ただ企業が従業員の正社員化を始める中で、労働市場が改善する兆しもあるとも述べた。』(上記URL先より)

ということですが、日銀のサイトですと

[外部リンク] ―日本のケース・スタディ―(英語のみ)
第30回 Villa Mondragone International Economic Seminar への寄稿文
日本銀行政策委員会審議委員 櫻井 眞
2018年6月25日

ってなっていまして、講演したのか寄稿したのかよくワカランチ会長ではございますが、海外でのご活動といえば先代置物大先生は韓国での中銀フォーラムに一回行ったっきりでございましたので、ローマに華麗に登場(なのか寄稿だけで本人は出張していないのかよくわかりませんが)の巻。

[外部リンク] and Sluggish Growth in Wages and Prices: The Case Study of Japan

Article contributed to the 30th Villa Mondragone International Economic Seminar
"Yearning for Inclusive Growth and Development, Good Jobs and Sustainability"

Makoto Sakurai
Member of the Policy Board
June 25, 2018

ということでテキストは英語で、
[外部リンク] and Sluggish Growth in Wages and Prices: The Case Study of Japan
Presented at the 30th Villa Mondragone International Economic Seminar in Rome
Bank of Japan June 25, 2018

Makoto Sakurai Member of the Policy Board
Masahiko Kataoka Director, Secretariat of the Policy Board

Presentedとありますので、講演自体はあって代読モードだったのかもしれませんな。(金懇だって段取りは前からやっている筈で、金懇直後に海外出張とか総裁ならともかくそこまで無茶させる必要も無かろうとは思いますから、なお本人がやる気満々なら別だと思う)

とりあえず最初の所にアブストラクトがあるのでそちらを鑑賞。

『Despite the recent strong economic recovery, growth in wages and prices has been sluggish across the globe. Japan has come to face this issue ahead of any others.』

世界的にも賃金や物価の伸びが力弱いですが、ジャパンは他の皆様よりも先にこの問題が起きておりますぞな。

『The policy authorities of each economy could learn something from the case study of Japan. This article will examine some factors that have restrained growth in wages and prices in Japan, and discuss the desired policy responses to address this issue. 』

で日本の例を先行事例としていただくべく分析をちょっとしてみました、というものですが、軽い気持ちですりだしてみたら紙芝居の方が図表15枚もあってほえーという感じ。

『In relation to the theme of this session - inequality, wages, and growth - factors responsible for this curb on growth in wages and prices can be divided primarily into two categories.』

ほう。

『One is "hysteresis" brought about by past serious economic downturns. Serious economic downturns have left persistent damage to the supply side of the economy through various channels, including an increase in the number of "discouraged workers" and "involuntary non-regular employees," a slowdown in (human) capital accumulation, and the inefficient business processes that took root under excessive competition. This damage has created the slack that is easing the upward pressure on prices that has come from an expansion in demand.』

ヒステリシスキタコレですが、櫻井さんの二つ名を腹話術人形からヒステリシスおじいちゃんに昇格(??)させようかとも思うものの、ヒステリージイサンと誤認勧誘する恐れがありますし、履歴効果おじさんだと益々何が何だか分からなくなるので保留。

・・・・・という話ではなくて(汗)、賃金や物価がアガランチ会長な要因の一つとして履歴効果がありますよってな話で、過去の履歴効果によって大きなスラックが出来ていて、その効果を打ち消すのに時間が掛かりますよってお話なんですが、その一方でこの前の金懇などでの説明だと限界的な部分で供給制約が掛かっている可能性があり、みたいなお話もしていたりするので、まあ御説御尤もなのではございますが、結局どっちですねんというのがよく分からん。

もし履歴効果によって見た目よりもスラックが大きい、というのであれば追加緩和して需給ギャップにより強く働きかければいいんじゃないかという話になるはずなのですが・・・・・・・・・・・

『Besides this hysteresis, the second category includes factors of a more structural nature that reduce upward pressure on wages amid an increase in labor demand.』

a more structural nature来ました。

『These factors include: an increase in labor participation of women and the elderly, whose wages are relatively low; firms' and households' anxiety for the future; and technological innovation in the IT industry, such as robotic process automation (RPA) and artificial intelligence (AI). 』

履歴効果だけではない構造問題来ましたということで、女性や高齢者の労働参加によって相対的に賃金が低い層が増えていること、企業や家計の将来に対する積極的な見通しが持てていないこと、ITなどの技術進歩による影響、だそうな。

『If the supply-demand conditions continue to tighten, the factors in the former category will eventually mitigate with hysteresis reversing. Moreover, the reversal of hysteresis is a desirable change, in that it can enrich people's lives.』

『To bring this about, the Bank is expected to continue to maintain the adequate level of tightening of supply-demand conditions, thereby supporting the reversal of hysteresis. Given that it could take some time to reverse hysteresis, the Bank needs to conduct monetary policy while closely monitoring the economic and financial conditions so that no severe distortion will be created under the prolonged accommodative financial condition.』

でまあ履歴効果によるスラックは「金融緩和で需要超過状態を継続する(需給ギャップに働きかける)」によって徐々に解消という話になっていまして、金融政策で期待に直接働きかけてどうのこうのという話は全然ないのはまあ予想通りなのですが、だったら元々の政策の建付けの方を何とかしてほしい(元々の建付け「期待に直接働きかけるためにそれを裏付けする強力なコミットメントと大規模な緩和」は死んでいないので)。


『Meanwhile, factors in the latter category need to be addressed in a more structural way.』

その一方で構造問題はより構造的な対処が必要キタコレですよ。

『Monetary policy and structural policy must nonetheless address the issue interactively, since these factors are somewhat related to each other. 』

金融政策だけではなくて構造政策が必要ですよ。

『This article consists of three sections. Sections I and II are assessments of the factors responsible for sluggish growth in wages and prices, jointly written by Makoto Sakurai and Masahiko Kataoka. Section III is a personal assessment by Makoto Sakurai of the current situation and what policy responses should be made. 』

ということで、分析のパートはたぶん政策委員会政策スタッフ(秘書)の方と思われる方との共同分析、最後の『III. Framework of Monetary Policy』が政策運営の話になっていて、『A. Assessment of the Current Situation and Monetary Policy for the Time Being 』と『B. Future Policy Conduct in the Longer Run』となっていますがその中身はまた後日。

なお、途中の小見出しですけれども、

I. Reversal of Hysteresis
 A. Labor Input
  1. Decline in the labor force participation rate
  2. Increase in involuntary non-regular employees
 B. Labor Productivity
  1. Sluggishness in business fixed investment
  2. Reduction in the cost of education and training
  3. Excessive competition among firms

II. Factors of a More Structural Nature
 A. Labor Force Participation of Women and the Elderly
 B. Future Anxiety
 C. Technological Innovation
 D. Factors Specific to Particular Industries

III. Framework of Monetary Policy
 A. Assessment of the Current Situation and Monetary Policy for the Time Being
 B. Future Policy Conduct in the Longer Run

とまあこういう構成になっていまして、なんとなく字面で分からんでもなさそうな感じではありますけれども、まーいずれにせよ櫻井さん(総括検証の前あたりから時々そういうのはありましたけれども)最近は急に物価が上がらん構造的な原因および履歴効果を強調して政策無理すんな的なお話をするのが割と目立ってきておりますし、寧ろ執行部のスポークスマンというか先駆けの鉄砲玉的な感じで目立って来た感じがするのでちょっとした台風の目かも知れませんな。・・・・・・と考えますと誰とは言いませんが何か1名が華麗に空気化しているように見えますがこのおねいさん(あ、言っちゃった)はどうなっていくのでしょうかねえというのも気になる。

ちなみに、小見出しに『Reversal of Hysteresis』とあるように、現状認識としては履歴効果によって残存する統計上把握しにくいスラックの解消は需給ギャップのプラス拡大で徐々に進んでいるもののまだ解消したかどうかは分からんというか多分解消していない、という話になっていると思う。斜め読みしただけですが。



〇6月会合主な意見ですが

[外部リンク] 』の『(物価)』の辺りから。

『過去の景気後退によって生じたヒステリシス(履歴効果)の希薄化に伴い、ビジネス・モデルの見直しなどを通じた供給面の拡大がみられている。これが、短期的には、需要増に伴う物価上昇圧力を緩和する方向に作用している。』

ヒステリシスおじさん登場なので引用した、だから何だというと知らんがななのだが。

『失業率が 2.5%となっているにもかかわらず、物価上昇率は高まらない。しかも、人手不足とともに労働市場に参入する人々が増えている。このような状況をみると、構造失業率は2%前後であるのかもしれない。』

まあそうかも知れませんな、失業率がこれだから物価が上がる筈で金融政策を正常化しろ、みたいな話が出てこないのはデュアルマンデートにしていないメリットなのですが、一部の審議委員の方には何故かこういう状況だから金利を上げろという意見が一部にあるが、とか見えない敵と戦いだす人がいるようですけど今日はその見解が出ていませんな。

『物価上昇に賃金の上昇が伴わなければ、国民に負担がかかることとなる。「働き方改革」による労働時間削減等の影響も踏まえつつ、労働生産性と実質賃金の動向を注視している。 』

>物価上昇に賃金の上昇が伴わなければ、国民に負担がかかることとなる。

そもそも「物価目標達成すればすべてハッピーな方向に回りだす」というリフレ理論だった訳で、まあしつこいと言われそうですが浜田大先生のお言葉によると。
[外部リンク]

『次回展望レポートに向けて、最近の賃金・物価の弱さの背景やこれが予想物価上昇率に及ぼす影響について、今一度しっかりと分析していくことが必要である。』

ということで分析しろという話でして、一方で今引用した櫻井さんの話とか色々と出ていて、まあ分析は深まるのかもしれないですが、問題は「金融政策によってどのようなトランスミッションメカニズムが働いて物価安定目標を達成できるか」という話なのではなかろうかという気はだいぶする。


『物価のモメンタムを見定めるにあたっては、マクロの需給のバランスのほか、企業行動をあらゆる側面から総合的に確認することが重要である』

『「物価安定の目標」に向けたモメンタムを判断するうえでは、 需給ギャップと予想物価上昇率の動向が重要である。需給ギャップは需要超過が示唆されるものの、拡大しているかは判然とせず、また予想物価上昇率は伸び悩んでいることから、足もと、モメンタムが強まっているとはいえない。』

強まる以前の問題のような気がしますが。


・政策に関して

『息長く経済の好循環を支えて、「物価安定の目標」の実現に資するべく、現在の金融政策の運営方針を継続すべきである。 』

『「物価安定の目標」の実現にはなお距離があるので、持続可能な形で強力な金融緩和を息長く続けていくべきである。 』

とか短期間で達成の話はすっかり消えていますしむしろ・・・・・・・・・・

『物価の伸び悩みの理由は、単純な需要不足とは考え難いことから、短期間で需要を無理に押し上げるような政策は適当ではない。現在の緩和的な金融環境を粘り強く維持していくことが重要であり、そのためには、経済・金融環境に深刻な歪みが生じることがないよう注意しながら、持続性に十分配慮した政策運営がなされるべきである。 』

この前の櫻井さんの金懇挨拶がこんな感じでしたが、櫻井さんじゃない方がこうだとそれはそれでもう日銀すっかり変わりましたなという話。まあ櫻井さんでしょうが。

『金融機関では、保有有価証券の評価損益の悪化に加え、低収益店舗の減損リスクも生じてきている。金融政策の継続にあたっ ては、その効果と副作用の二つの時間軸を意識し、副作用が顕在化する前から対応を検討しておくことが必要となる。 』

ほほーって感じなのですが、この減損リスクってどの程度深刻な話なんでしょ??イマイチ分からん。

でもって最後じゃないけどその中にまた微妙な意見があるので最後にこれでもご紹介(途中区切っております)。

『低金利が銀行経営の悪化を通じて金融仲介機能を低下させ、却って金融緩和効果を削ぐという議論がある。』

ジンバブエの風が吹いている感じがする・・・・・・・・・・

『こうした金融仲介機能の中核は、預金を集めて返済可能性を考慮しながら貸し出すことであるが、』

うーんこの、銀行の普段の活動を見るとそういいたくなるのは分かるのですが、銀行って別に本源的な預金があってそこから金を貸しているという訳ではなくて、信用創造を行うことによって貸出金が発生するのと同時に預金が発生して、その預金は借入をした人が経済活動に費消するから事後的にその銀行の預金から流出するだけの話なのですよね。

『国内銀行の平均預貸率は 7 割以下であり、残りは債券運用である。この点を考慮すれば、銀行の金融仲介機能にはそもそも改善の余地があるのではないか。 』

という結論になっているのだが、銀行システム全体での資金余剰/不足という話は、民間部門(だいたい家計+企業)と政府部門の間の全体としての資金ポジションの帳尻の結果が出てくるのでありまして(で良いんですよね?違ってたらゴメン)国内銀行の平均預貸率、というので見たらそら政府部門が大資金不足主体になっているんだから預金超過になるぞなという話になると思うんだが。個別行の話をするならともかくそこでマクロの話にするのはちょっと・・・・・・・・・

#とまあそういうことで
 


お題「本日は布野審議委員講演&金懇ネタで」   2018/06/25(月)07:59:48  
  http://www.yomiuri.co.jp/politics/20180624-OYT1T50071.html
麻生氏「新聞読まない人は自民支持」…不満示す
2018年06月24日
18時15分

これはこれは佐藤栄作さん、昭和はもう終わっているんですけど。

#てか最早そのネタが通じないような気がする

〇布野審議委員講演は執行部ど真ん中で来ましたが執行部謹製っぽい先行きの布石らしきものも

[外部リンク]
── 宮城県金融経済懇談会における挨拶要旨 ──
日本銀行政策委員会審議委員
布野 幸利

ということで遅くなりましたが(中銀インベントが全部まとめて同じ時期に来るとか政策変更がなくても勘弁してほしいわ)布野審議委員講演。

布野さんは現状で除く学者で民間かつ非金融機関からの唯一の審議委員となりますので、通常はまあ穏当な話と会見をしているのですが、何か執行部ベースと違う話をする、となった場合に関しても発言の重みというのが違ってくるでしょうな、とは思われます。つまりですな、某この前までボードにいた置物大先生が仰せになっておられたと思いますが、学者先生の場合は日銀のボードおよび事務方に対して対抗する、という話になった時に、よほど実践的に意味のある金融政策論を唱えるとか、マクロ経済とかに関する秀逸な独自の知見があるとか、まあ要は優秀なスタッフを佃煮のごとく抱えている日銀の強みの部分に対して勝てる位の知見が必要な訳でございまして、初手から丸め込まれている置物2世大先生のお姿を見ればわかりますように、なまじのベースでは結局学者審議委員って執行部に丸め込まれるだけになってしまうと思うの。置物だって置物理論ぶち込んできたけど結局2年と持たなかった訳ですな。

ということになりますと、日銀執行部(およびスタッフ)の出してくるものに対抗できる話ってのが出来るのは経営レベルで話のできる人、金融機関経営だってまあ機構局の方では色々と把握しているけど勘所ということになれば経営やっていた人じゃないと分からんことは多々あるでしょうし、これが一般メーカーの経営とかになったらそらもう出身者の独擅場よという話になるっしょ。あと対抗可能なのは市場叩き上げ系だと思うがただの自己満と言われそうなのでこの辺で(^^)。

つーことで、布野さんが「独自見解」出してくるか「通常運転」で来るのかが読むポイントになってくるのですが・・・・・・・・・・

・経済物価情勢の現状認識と先行き見通しの説明は展望レポートの説明という通常運転

『まず私から、経済・物価情勢、金融政策などを説明させて頂き、最後に、宮城県経済について触れさせて頂きたいと思います。その後、皆様からの率直なお話を承りたく存じます。どうぞよろしくお願い致します。 』

ということで最初の部分が『2.最近の経済・物価情勢 』という小見出しなのですけれども、この部分は展望レポートの説明と全く同じな感じで推移していまして、海外リスク要因の所で、

『海外経済が着実な成長を続けている今だからこそ、リスクにも気を配ることが肝要であるとも言えましょう。』

とあるのが少しだけほほーと思った程度です。あんまりこう自信満々って感じにはなれてないんでしょうかね日銀執行部も。

でもってさっそく『3.経済・物価見通しを巡る留意点 』に参りまして、

『以下では、こうした経済・物価見通しが実現していくにあたって、私が留意している点をお話ししたいと思います。』

『(1)労働需給と所得環境』

『まず、労働需給と所得環境についてお話しします。わが国の景気が緩やかな拡大を続けるもとで、需給ギャップは改善を続けており、直近(10〜12月)では1%台半ばのプラスとなっています(図表5)。さらに労働需給について着目しますと、着実な引き締まりを続けています。労働力調査の雇用者数の前年比は2%台まで伸びを高めているもとで、有効求人倍率は着実に上昇しています。また、短観の雇用人員判断DIでみた人手不足感も強まっており、失業率も足もとでは構造失業率をやや下回る2%台半ばとなっています(図表6)。これらの労働需給指標は、1990年代前半もしくは1970年代前半以来の引き締まり度合いであります。』

その割にあの時期のような恒常所得上昇への期待感が全然ないのは何でじゃろ。

『先行きも、基調として潜在成長率を上回るペースでの経済成長が続くもとで、雇用者数は引き続き増加し、労働需給は 着実な引き締まりが続く可能性が高いと考えています。』

ということで、

『このような労働需給のなか、労働需給の状況に感応的なパートの時給は、足もとでは、均してみれば、前年比プラス2%程度と高めの伸びとなっています。一方で、労働者全体の時間当たり名目賃金は緩やかな上昇にとどまっており、一人当たり名目賃金も、振れを伴いつつも、緩やかな上昇となっています(図表7)。』

『先行きは、ベースアップが伸びを高めてきていることなどから、労働者全体の時間当たり賃金も伸びを高めていくと考えていますが、企業における賃金設定スタンスが慎重なものにとどまるリスクもあることから、今後の動きに注目しています。』

寧ろ働き方会改革法案とか外国人労働者の規制緩和とか下げる方の話しか進んでいない気がしますが、まあお話は極めて普通に投げてきていて変化球も無ければコーナー一杯への投げ込みもございません。。


でもって『(2)物価動向』になる

『続いて、労働需給と所得環境を踏まえたうえで、物価動向についてお話しします。』

だいたい普通の球の予感。

『消費者物価(除く生鮮食品・エネルギー)の前年比は0%台半ばとなっています(図表4)。景気の拡大や労働需給の引き締まりに比べると、上昇ペースが緩やかなものにとどまっていることには、他業態との競合激化等を受けた大手スーパーの値下げといった部門ショックが働いていることも寄与していますが、賃金・物価が上がりにくいことを前提とした考え方や慣行が企業や家計に根強く残っていることが影響しています。』

『企業は、人手不足に見合った賃金上昇をパート等にとどめる一方で、省力化投資の拡大やビジネス・プロセスの見直しにより、賃金コストの上昇を吸収しようとする動きもみせています。』

そういうのをレジームチェンジで切り替えていこう、インフレ期待に直接働きかけていこうってことで期待を引き上げるのに失敗した、とは言わないのが日銀。

『先行きの物価情勢を展望するにあたって、物価上昇率を規定する主な要因である需給ギャップと予想物価上昇率について点検します。』

『第1に、マクロ的な需給ギャップは、着実に改善しており、先行き2018年度は内外需要の増加を反映して、労働・資本の両面でプラス幅の緩やかな拡大が続くと見込んでいます(図表5)。その後も、消費増税の影響などから、プラス幅の拡大は一服するものの、比較的大幅なプラスを維持すると予想しています。』

『第2に、中長期的な予想物価上昇率については、最近、横這い圏内で推移しています(図表8)。先行きについては、(1)「適合的な期待形成」の面において、マクロ的な需給ギャップが改善していくなかで、企業の賃金・価格設定スタンスも次第に積極化していくと予想されること、また(2)「フォワードルッキングな期待形成」の面において、日本銀行が「物価安定の目標」の実現に強くコミットし金融緩和を推進していくことから、上昇傾向をたどり、プラス2%程度に向けて次第に収斂していくとみています。』

うーん展望レポートのまま。

『もっとも、差別化の難しい財・サービスにおいて競争環境が一段と厳しくなった場合、マクロ的な需給ギャップがプラス幅を拡大させたとしても、これらの物価上昇率は高まらない可能性があります。また、企業の賃金・価格設定スタンスが積極化してくるまでに時間がかかり、物価が弱めの推移を続けた場合、企業や家計における予想物価上昇率の高まりが遅れるリスクもあります。このため、これらの推移については丁寧に点検していく必要があると考えています。』

ということで布野さん今回特に変化球も高めのストレートも放ってこなかった訳ですが、この執行部の理屈を使っていますと足元物価上昇ペースが鈍り気味で推移しているのは「モメンタムが維持できている」というにはちと説明に苦しいところが出てきておりまして、そろそろ「時間が掛かるので下向きでなければまず良しとしないと」位の感じとか「目標はもちろん2%だけど現実問題としてまずは1%程度を定着させてからさらに2%(どこかであったような話ですが)」みたいな風に話を変えていかないと、「モメンタム」という語感から想像されるイメージとの乖離はどこかで埋めさせられまっせ。

でもってこの次が『4.金融政策運営』という小見出しになるので思いっきり今回は安全運転の巻です。


・金融政策運営の説明で改めて確認できるのは・・・・・・

『4.金融政策運営』ですけど最初の所を見ますと・・・・・・・

『日本銀行は、消費者物価の前年比上昇率プラス2%を「物価安定の目標」として、これをできるだけ早期に実現することを目指して金融政策の運営をしています。ここで重要なことは、日本銀行は「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」を理念として金融政策を運営している点です。目標達成の具体的な期限を設けて、単純に物価の上昇を目指しているわけではありません。』

という事でして、まあこれも展望レポートの時に話題になりましたが、ここで思いっきり「目標達成の具体的な期限を設けて、単純に物価の上昇を目指しているわけではありません」とぶち込んできているので、2年とかそういう期限は全然ないですよという話なのですが、期限がないのに「できるだけ早期に」とは何の判じ物、ということで安倍ちゃんが自民党総裁再任されてもされなくても、ここの部分(共同声明の文言)については今のままだとコミュニケーションいつまで経っても上手く回らんでしょうな。

『この点、4月に公表した展望レポートでは、達成期限ではないことを明確にするため、プラス2%程度に達する時期にかかる見通しの記述を削除しています。』

といいつつしらっとこんなのを打ち込んでくるのがチャーミング。

『物価が安定的に上昇して企業や家計がこれを前提に行動するようになれば、商品やサービス価格の上昇により、企業の売上げや収益の増加を通じて賃金も上昇して、消費も活発化していきます。日本銀行は、物価上昇率プラス2%という物価の安定が実現するもとで、所得から支出への好循環が働く経済を目指しているということです。』

というこの説明ですが、一応こういう説明を今までもしてなかったわけではないと思うのですが、2%の物価上昇を「数値目標」から「政策として目指す経済の姿としての2%」という風に変えていく、というのはまあ普通に考えると一番穏当な逃げ口上になります(逃げ口上というと聞こえが悪いですけど、そもそも論として国民厚生の引き上げが重要でその結果物価が2%程度で安定するという話なのだから当たり前なのだが、最初の導入部分でアホアホリフレ理論に乗っているので話がややこしい)。

つーことで、日銀執行部としては、徐々に今の置物リフレ理論を消していって、寧ろ政策の時間的な感覚とかは麿時代に戻る(ただし威勢のよさは残す)というような布石になるものを色々と撒いている(あるいは煙幕を徐々に張りつつある)という感じに見えます。その一環がこの前の櫻井さんの金懇での麿の生霊降臨状態ですし、布野さんの金懇挨拶の中ではしれっと「2%は望ましい経済情勢の姿」というお話をしらっと紛れ込ませている辺りなんじゃないかと。

とは言いましても残念ながら異次元緩和が毎度申し上げるように「首相案件」である以上、日銀の方から例の共同文書を書き換えるだのあからさまに違う事やるだのと行かないので、いろいろと煙幕張ってもあまりマーケットやメディアが反応しないってなもんでしょうな。政治の流れ次第ではこの辺の布石が急に躍動してくるんだと思いますよ。

でもって金融政策のその先の部分は普通に普通の話をしているのでパス。


・日本経済の課題の説明の中にも執行部の煙幕系の話がある

『5.日本経済の課題』というのは布野さん毎回割とやる気をだして説明しているっぽい部分なのですが、基本的には「生産性の向上と成長力の引き上げが大事ですよ」という話をしていまして、今回もそういう話をしているのですが、その中で微妙に執行部煙幕系のお話があるのが気になりますな。

この小見出しの途中から。

『このような構造改革や成長戦略の取組みを進めていけば、わが国の成長力は上昇していくとみられます。しかし、これらの取組みは多様で進展のスピードも一律ではないことに注意しなければなりません。』

ほう。

『例えば、人手不足についての状況は職種や業種ごとに異なります。このため、わが国全体で繁忙度が増すなかで、歪みが出ていないかなどにも細かく目を配ることが必要でしょう。』

おや?

『成長力を高めることは、時間のかかる取組みでもあります。したがって、金融政策が総需要を喚起して、適度にタイトな需給環境が維持されるなかで、活発な需要が様々な取組みの進展を促す好循環を長期にわたり持続させなければなりません。』

キタコレ!!

『「物価安定の目標」の実現や、それと整合的な「持続的な経済成長」の実現に向けて、本行としては今後も金融緩和政策を続け、幅広い主体による様々な取組みを確りと後押しすべきだと考えています。』

ということでですな、これってこの前の櫻井さんの金懇でも出ていましたが、「供給制約がタイトな状態で無理に金融政策で需要を吹かすと、サステイナブルではないバブル的な成長を呼んでしまって、寧ろ政策運営として宜しくない」という話を櫻井さんがしていて「ほえー」と思った訳ですが、今回の布野さんの金懇挨拶でもこれが出て来まして、なんかこう「供給制約がタイトな中で政策を無理に吹かすのはイクナイ」という「高圧経済アプローチに対する否定的な見方」と解釈できると思うのですが、そういう説明になってきているんでして、この点からも「経済を金融政策でブオーと吹かして2%にとにかくさっさと上げましょう」というアプローチを否定する理屈が出来上がってきたという感じはしますので、まあ色々と今の政策枠組みをもうちょっと無理のない方法(になると緩和は長期化します、為念)にすり替える、ということは今の執行部は模索しているというのは伝わってくる講演なのでありました。



〇布野審議委員会見である

[外部リンク] 日本銀行の方々、布野委員も含めて、物価2%目標へのモメンタムが維持されているというご判断なのですけれども、このモメンタムという言葉を使い始めたのが、2016 年9月の「総括的な検証」からだったと思いますが、そ の当時と今とを、物価の基調を示す生鮮食品とエネルギーを除くCPIでみると、ほぼ変わっていません。0%台半ばです。』

なるほど。

『それだけをとっても、モメンタムが維持されているというのは、かなり無理があるのではないかと思います。』

イイハナシダナー。

『このモメンタムという言葉を辞書で引いてみても、「勢い」とか「弾み」とか 「推進力」という意味に説明されていまして、どう考えても2年前と同じ0%台半ばの物価をもって、「勢い」があるというのは日本語の言葉上も殆ど説明不可能ではないかと思います。』

(・∀・)ニヤニヤ

『それについてどうお考えかということと、「総括的な検証」の時にいくつかの理由を挙げてらっしゃいました物価が上がらない理由について、オイルが下がっただとか、消費増税の後の需要が弱くなったとか、新興国経済の弱さとか、市場の不安定さとか、いずれも今は当てはまらない状況であると思います。物価もオイルもそこそこ高く、2014 年の消費増税からずいぶん経ちました。そして市場も安定しています。』

『そのようなこと考えたときに、2年前の「総括的な検証」で上がらないといった理由はもう殆ど今通用していないわけでして、だとすると、モメンタムが続いているといっても誰も納得しないと、』

そらそうだ。なおこの質問はこの次が惜しい。

『つまり第二の検証というのか、これだけ政策をやっても物価が上がらない理由をもう少ししっかり説明すべきではないのかと思うので すが、いかがでしょうか。』

うーんこのという感じでして、まあ物価の検証みたいなのはしばらく前にメディアに出ていたりしましたけれども、正直言って「これだから上がりません」という話だったらやれ帰属家賃だやれシェアリングサービスを使った価格低下圧力(旅館)だ、ネットを活用したBtoC(アマゾン効果)だCtoC(オークションサイ)だとか、個別の話だったら物価は積み上げなんですから上がらんもの探してきて理由をつけていくのは出来ると思うのですよ。

でね、寧ろ検証として必要なのは「何で上がらないのか」ではなくて、「上がるようになるためには何をどうする必要があるのか、すなわち金融政策によるトランスミッションメカニズムをどのように活用するのか」という話であって、イーコマースガーとか言われましてもそれは言い訳の積み上げにしかならん(その分析を使って「どこどこの企業やどこそこのサービスはデフレ圧力を作り出す国賊なので追放」とかするなら話は別ですけど現実的に無理なので原因がわかっても対策がとれませんがな)のですから、たぶんそういうのを満載した展望レポートが仮に出たとしても「いやーよく分析されていますなー、で政策にはどう反映されるの??????」で終了してしまうだけの話になるのではないかと。

・・・・・・・などと質問に対することばかりで肝心の答えを引用していなかった(汗)。


『(答) まず、おっしゃるように 2016 年9月に物価が上がらない理由ということで、例えばオイルとかリストアップされたものは、その時点において、そこに至る状況を説明した性格のものであるので、今の状況で、現に原油はどんどん下がっている状況ではございませんので、例えば、それとは別の要因が働いている状況を映じて、今の価格の動きがあると認識しています。』

ということで、おそらく「物価の検証」とか出てきても「前はこの理由でしたが足元はこの理由です」という話を延々と並べた現象の説明に終わってしまいそうですな、とここの部分を見て思ったので上のような悪態(というかなんというか)を申し上げた次第。

『そのうえで、 モメンタムについてですけれども、モメンタムというのは表現するのがなかなか難しいのですが、必ずしも物価に顕現化していない部分も含めて、物価を支える経済をみると、モメンタムは維持されていると私自身はみております。』

何という禅問答。

『具体的に言うと、重要な要素である需給ギャップであるとか、そういう経済の流れを含めてみて、物価の上昇気流が折れているという状況にはないという意味で、モメンタムは維持できているとみております。 』

ではあるのですが、実はそうじゃないというのがあるかも知れない、というのが「メカニズムの点検」だと思うのですけれども、これをゴリゴリと詰めてしまうと「実は物価に対して金融政策単独での貢献って基本のトレンドが需要超過で中高速で成長する経済における引き締めの時には効いたけど、基本が供給過剰で低成長となった経済での緩和だと効きがたいしたこと無いんじゃないか」という金融政策によるマクロ調整機能のうちの結構な部分を否定することになって、中央銀行がウォルター・バジョット的な機能って話になりかねないネタなので自分で自分のクビは締めたくないでしょうからさてどうなるんでしょというところですな。


・金融政策の金融機関への悪影響論

金懇ですからこの話題も。

『(問) 低金利環境下で金融機関の金融安定化が不安定になるリスクがあるけれども、現時点ではそれは顕在化していないということが今日の午前中にも述べられていたと思います。逆に言えば、正常化の道筋の中でリスクが大きくならないと、何か出口の議論をするだとか、正常化の手を打たないということなのでしょうか。』

逆に言えば以降の日本語が変(会見要旨であってスタッフが発言を要約しているのですが、こういう意味不明なまとめ方にしないといけなかったのは、そのまんまでしか書きようがなかったからでしょうな)。

『(答) 先程申しました通り、修正とか調整をする、しないを含めて、毎回の政策決定会合で議論していますので、その時の前提として金融情勢も観察、点検したうえで、判断するということです。その中に金融機関の収益性というのは当然入ってきますし、その収益性は、累積的な影響のある性格のものであると認識しています。6月の政策決定会合の時点では、そのような判断を踏まえたうえで調整をしなかったということです。ですから、9人の委員全員が7月末の政策決定会合に向けて、今言ったような項目について、私も含めてそれぞれ点検しているということです。』

という話ですが、ジンバブエ大先生あたりだと「偉大なる日本銀行様の金融政策に対して経営に悪影響とか言い出す銭ゲバ金融機関はデフレ脱却の意義を分からん無知蒙昧なので逝って良し」くらいの勢いでお話をされたりするので、本当に点検してるんかいな、というのは大変に気になるところです(布野さんは点検していると思いますけれども)。


・でまあ物価に戻ると構造的な話にいずれはなるんでしょうな

物価の質疑は微妙に微妙な感じ(さっきも申し上げた通り)なのですが、こんなのを引用してみる。二つありますけど。

『(問) 物価で確認させて頂きたいのですが、足許の弱さについて、これは足許の物価が弱いというのは一時的な要因というように、要素が大きいというよ うに思っておられるのかどうか、というのが1点です。もう1点ですが、午前の講演の中で物価の先行きリスクとして、差別化の難しい財・サービスで一段と競争が激化すれば、需給ギャップのプラス幅が改善してもこれらの物価上昇率は高まらない可能性があるというようにおっしゃっているのですけれども、これは、いわゆるインターネット通販とか、 そういう流通形態の変化のことを指しておられるのか、この影響は長期的に物価を抑制していく可能性があるかどうか、ということも含めてもう少し詳しく教えて頂ければと思います。』

『(答) それでは答えていないのではないかとおっしゃるかもしれませんけれども、両方ともイエスです。私は一時的だと思っています。物価が足許少しディップしたのは一時的で、これはリバウンドしてくるというようにみていま す。ただ、そのほかの部分でも弱いとみており、流れとして弱いことについては、今おっしゃったようなインターネットのテーマであるとか、それから、業 界の業際的な競合――例えばドラッグストアとスーパーマーケットの競合 ――が進展していることであるとか、様々な構造的な問題と言いますか、そのような根の深い流れというものが、やはり物価に少なからず影響していること は否めないと思っていますので、冒頭に申しました通り、両方ともイエスであるというのが、私の見方です。』

『(問) 物価の下振れリスクの話で、繰り返しになってしまうかもしれないのですが、先程は直近の物価の指標をみるとやや減速しているというところを根拠におっしゃっていたと思います。ただ今回のリスクの中で、中長期的な予想物価上昇率の下振れリスクが大きくなっているということと、直近の指標が少し下振れているというところの隔たりというか、直近の数字をもってこの下振れリスクが大きいという説明がやや分かりづらく、この下振れリスクが大きい理由はどういうところにあるとお考えなのでしょうか。 』

『(答) 構造的なものが下に引っ張っているわけです。ただ、物価の指標については、+0.5%程度まで上がってきている流れをみますと、一貫してずっと上がってきています。これがそのままスッといくということを、私自身は想定していなくて、少し振れながらいくという想定で、0.1%とか 0.2%程度の少しディップをしてこの傾向の中で流れていくということが、私自身の想定の中にあったシナリオです。ただ、それを下に押している力は何なのかというと、大きな流れが下に引っ張っているので、その大きな流れについては、今のような構造的な要因も想定すべきだろうということで申し上げています。』

ということで何か禅問答みたいですが、構造的なのがあって上がりにくいというのがベースラインにあるっぽい言い方に見えますな。
 


お題「他にネタがあるのに4月会合議事要旨ネタ続き/雑メモ少々」   2018/06/22(金)07:43:40  
  〇最初に本来入れる予定だったネタに関するメモ(布野さんとBOE)

本日は布野審議委員金懇ネタとBOEネタという新鮮なネタがあるのですが、ついうっかり4月会合議事要旨ネタの方で時間を使い果たしてしまいまして(あほです)、新鮮なネタの料理ができなくなってしまいました。

なので一応メモだけしておきますと。

・布野審議委員金懇挨拶は物凄く安全運転というか何というか

[外部リンク] to reduce the stock」と表現している(いままでもそうでしたが、なお今回金利のメドを2%から下げてきた)のですが、これが自然減なのか売却なのかは最近BOE細々とまで見切れていないのでどうせここから次の中銀祭りまでヒマな時期が来るのでじっくり調べておかないと。



〇昨日の続きで4月決定会合ネタ(2%達成時期の削除とか政策運営に関して)

[外部リンク] 今回の展望レポートから、そうした時期に関する記述をとりやめることが適当であるとの見解を示した。』

早期達成に関しても早期達成(なお達成するかどうかは知らんが気持ちはある)って明確にしていただきたいものですな、かなりハードル高いけど。

『この間、一人の委員は、展望レポートに2%の達成時期を明記することは、物価上昇率をできるだけ早期に2%にアンカーさせるためのコミットメントとして作用しており、 今回の記述の見直しは、その効果を弱めることになりかねないとの懸念を示した。』

これは言うまでもなく片岡さんです。でもって筋論はこの通りだと思いますが、問題はこの明記した達成時期を全然守れないことが続いていることであって、達成できてもいない「達成時期」を出すことによって2%物価安定目標達成に対する信認が失われて却って逆効果になっている、というのが唯一にして最大の問題という訳ですな。

でさあ、まあもしかしたら議論の中ではあるけど議事要旨に書くと物議醸し出すから書かない、ということなのかもしれませんけれども、この部分の議論の中で、外しましょうといっていた8人(と思われる)の政策委員の誰か「過去において何度も達成未達のまま先送りを行ったものを掲げ続けること自体がインフレ期待の引き上げに対して逆効果となるのではないか」という身も蓋もないご意見をぶち込んできてくれると物凄く面白いのですが、そういう意見って無かったのかなあ。まあ10年後アタクシが覚えていれば確認したいかもですけど。

『こうした意見を踏まえたうえで、委員は、展望レポートの記述を修正したとしても、これまでどおり、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現することを目指して政策を運営するという日本銀行の方針は全く変わらないことを、しっかりと説明する必要があるとの認識で一致した。 』

いやどう見ても急がないって話になっとるやんと思うわけですけどね。


・政策運営に関してで点検の部分を鑑賞

次は『.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要 』である。

最初の方はどうでも良いので途中から。

『多くの委員は、2%の「物価安定の目標」の実現までにはなお距離があることを踏まえると、今後とも、現在のきわめて緩和的な金融環境を維持していくことが必要であるとの見解を示した。』

まあこうなるのだが、「できるだけ早期に実現」というのとの整合性を説明しないままでいると、そらまあ債券市場や円金利の人たちは(追加緩和とか自爆テロされても困るというのもあるし)理解しても、他市場がいつまで経っても理解しないままで推移するのでどうなのかとは思う。

『また、一人の委員は、「物価安定の目標」 の実現に資するため、現在の金融政策を継続することで、経済の好循環を息長く支えていくべきであると述べた。』

はあそうですか。

『別のある委員は、「物価 安定の目標」に向けたモメンタムは引き続き維持されているが、先行き、「適合的な期待形成」を通じた予想物価上昇率の引き上げには時間がかかる可能性があるため、こうした観点からも、現在の強力な金融緩和を粘り強く継続していくことが重要であるとの考えを述べた。』

とまあ時間が掛かるから、からの追加緩和にならないのは、追加緩和しても別に物価がホイホイと上がって目標達成が早まるようなことはない、というだけの事なんでしょうが、まーこの点についてもとりあえず触れないことにしてスルーしてるけど、もしかしたら「物価の上がらんメカニズム解明」とやらを詳しくするのであればもうちょっと人口に膾炙するのかもしれませんな。それが良いのか悪いのかは分からんけど。

『委員は、金融政策の基本的な運営スタンスについて議論を行った。 何人かの委員は、現在の金融緩和政策の効果と副作用について、金融仲介機能や金融システムに及ぼす影響も含めて、多面的な点検・評価 を継続していくことが重要であると指摘した。』

だったら社債CP買入の廃止を検討してくださいな。

『複数の委員は、金融機関の収益動向がその経営体力に及ぼす影響は累積的なものであるた め、低金利環境の長期化が金融機関収益や金融仲介機能に及ぼす影響には注意が必要であると述べた。そのうえで、これらの委員を含む何人かの委員は、現状、わが国の金融機関が充実した資本基盤を有していることなどを踏まえると、現時点で、金融仲介機能に大きな問題は生じていないとの見方を示した。』

今のように、マイナス金利政策を実施している挙句に金利はYCCでがっつり超低位にして長短スプレッドを叩き潰し、おまけに社債CP買入やら貸出支援オペのようなクレジットスプレッドを人為的に叩き潰す(どころか社債買入ではマイナススプレッドまで発生している)というプレイをやっているのは実に怪しからんのですけれども、じゃあこれらの枷が外れたら金融機関の収益状況が劇的に改善するかというと何かそれも微妙なのではないかと思われるんですよ。

となりますと、毎度この辺の点検では上記のような結論になって、確かに政策の調整(出口とかではない修正)を行う気も無いような状態でしたら余計な情報発信もしにくい、というのは分かるんですが、金融機関の経営状況ってのは本質がストック商売なだけに、市場の価格形成みたいに明日になるといきなり戻ってくれるみたいなフローの世界とは別の話だと思うので、何らかの問題が見られるような状態になっていた時ってのは多分時すでにお寿司にもある状態で、金融政策の調整程度では修復不能になっていると思うので、このロジックというのも他に何か言い方はないものかと毎度思うアタクシなのでした。

『この間、複数の委員は、人口動態の変化や技術革新など、金融機関経営に影響を及ぼす構造的な問題と、金融緩和に伴う影響は、区別して分析・議論すべきであるとの認識を示した。』

まあこの部分はそういう話も踏まえた話なのかな、とは思う。


・政策調整の可能性

『ある委員は、今後、2%に向けて物価が上昇し、経済の成長力が高まるもとでは、金融緩和政策の効果が強まることになるため、需給のバランスや金融システム面への影響にも配慮しながら、適切な政策運営のあり方について予断なく検討していくことが必要であると述べた。』

物凄く間接的な表現になっておりますが、せっかくならこの趣旨をもう少し分かりやすく「物価が上昇し、経済情勢が一段と好転する中で、名目金利の水準を同じままで維持すると、総括的検証で確認した適切な緩和度合いを上回って副作用が発生する可能性があることを念頭に踏まえて経済物価情勢の点検を行うことが適切」とか言っていただきますと誠にありがたいのですが物議をかもすのでスルーだし、不幸にも現実の物価がアガランチ会長になってきたから難しいんでしょうかね。

『また、別のある委員は、強力な金融緩和を継続していくために、 金融緩和の持続性を高めることを不断に検討する必要があるとの考えを示した。』

これまた持って回った言い方ですけど「出口ではない政策調整」の可能性を示していますな。

『一人の委員は、最近の社債発行や銀行貸出の動向をみると、長期実質金利の低下に伴う経済・物価への緩和効果が小さくなっている可能性があると指摘したうえで、金融機関の経営体力に対する金融緩和の累積的影響が厳しさを増す中、望ましいイールドカーブの形状についてさらに検証を進めることが重要であると述べた。』

これはさらに踏み込んでいて、政策のプロコンを考えた場合に、政策の長期化によって追加的な金融緩和効果が逓減してきている一方で、副作用は逓増しているという指摘なので結構強い。素晴らしい指摘で感動した!!!!!!(だいたい誰かの想像は付きますな)


・・・・・・・と、このように心を洗われる文章で清々しい心になった直後にいきなり投げつけられる生ゴミにも劣る意見。

『別のある委員は、市場では金利の早期引き上げを求める声もあるが、実際に 金利を引き上げた場合、債券価格と株価が下落するとともに、円高で企業の経営が悪化し、金融機関の収益に大きな悪影響が及ぶ可能性があるとの見方を示した。』

いやあのすいません議事要旨なんですけどゴミ屑コーナーでも作っていただいてゴミ屑審議委員の方のゴミ屑意見はそこにまとめて記載していただけませんでしょうか。だいたいどこの世界に株価が暴落するほどの政策調整しろとか言ってる奴がいるんだよという話で、藁人形論法だわ根拠レスだわで、誰だよこのバカスケをノミネートしたのは。

ゴミを切除いたしましてその先。

『この間、一人の委員は、現行の金融市場調節方針のもとでは、2020 年度までに「物価安定の目標」が実現する可能性は低いと思われるため、追加の金融緩和策によってGDPギャップの更なる拡大を促すとともに、オーバーシュート型コミットメントを強化することを通じて、予想インフレ率の上昇を促すことが必要であると述べた。』

これは片岡さんですな。まあ理屈はそうなのだが「じゃあどうやって出来るの」に対する答えがないので、結局のところ何も言ってないのと同じなのが惜しいですな。


・情報発信ねえ

さらに続く。

『委員は、金融政策運営に関する情報発信のあり方についても議論を行った。』

ほう。

『何人かの委員は、強力な金融緩和を継続していくためには、 2%の「物価安定の目標」を実現することの必要性について、人々のコンセンサスを得る努力を続けていくことが必要であると述べた。』

何という今更感ですが・・・・・・・・・・

『このうちの一人の委員は、日本銀行の金融政策は、単に物価を上げるためのものではなく、物価の安定を通じて「国民経済の健全な発展に資すること」を目的として実施していることを広く理解してもらうことが重要であると付け加えた。』

「物価が上がるけど所得がそこまで上がらないので消費が防衛的になる」というような点に関してはさすがに気にしているんでしょうな。

『また、ある委員は、現在の金融緩和を息長く続けていく中、金融政策をより効果的なものとしていくためにも、「出口」や「正常化」の意味に関する明確な説明に努めるとともに、 経済・物価・金融情勢に応じて柔軟な対応を取り得ることについて、 国民の理解を得ていくことが必要であると指摘した。』

これは良い指摘。

『一人の委員は、 日本銀行は、「出口」に関する情報発信に消極的であるとの批判を受けることがあるが、これまでも様々な機会をとらえて、「出口」にお ける課題や、その際に活用する各種の政策手段を具体的に説明してきており、こうした批判はあたらないと指摘した。』

それはいくら何でも盗人猛々しいというレベル。あれで説明になっているとマジで思ったらおめでたい。

『そのうえで、「出口」 の際に、実際にどの手段をどの順序で用いるかについては、将来の経済・物価情勢や金利環境によって変わり得るため、現時点で、具体的に説明することは難しく、むしろ、市場の混乱を招きかねないということを、今後とも、丁寧に説明していくことが重要であると述べた。』

FEDみたいに寧ろ出口に遠い時の方が政策アクションに直結しないだけに市場を驚かさずに説明しやすいと思うんですけどねえ。

『また、ある委員は、現在の政策の要はコミットメントであるとしたうえで、予想インフレ率を2%にアンカーするために、これを強化する手段がないか、更なる研究と議論が望ましいと述べた。』

岩田規久男前副総裁の退職金と5年間の報酬を没収したらコミットメントへのやる気が伝わるかもしれませんよ(棒読み)。


・共同声明について

『この間、一人の委員は、新体制の発足にあたり、デフレ脱却と持続 的な経済成長を実現するために求められる、日本銀行と政府の役割を 記した「共同声明」の意義を確認しておくことが重要であると述べた。 また、別のある委員は、「物価安定の目標」の達成に向けたリスク要因が顕在化し得る場合には、「共同声明」の理念に則って政府と日本 銀行が具体的に行動し、最適な措置を協議・実行することを検討してもよいのではないかと述べた。 』

ということなのですが、まあ官僚の皆様はどうか知らんですけど、官邸方面は日銀に丸投げしているとしか思えない状態のままですから難しいですわなあ。


#ということで新体制発足ということもあって長くなってしまいましたすいませんすいません
 


お題「決定会合議事要旨ですが政策運営以外の所も読んでみたら後半は明日に(汗)/社債買入メモ」   2018/06/21(木)07:17:54  
  そういやこちらは、
[外部リンク] 夕刊

当日の朝に「今日の11時(だかそのくらいの時間)から岡山で会見する」と通告して実施した会見、震災翌日な上にワールドカップ日本の番狂わせ勝利が夜に来て、いやちょっとここまであからさまにやるのは逆効果じゃねえのとも思われた露骨な作戦が見事に成功した・・・・・・・んでしょうかよくわかりません。


〇4月決定会合議事要旨ネタである(何故か今回はその1)

[外部リンク] 』から。

・海外経済のこの時点での認識を確認しておく

次回の展望レポートって7月末になりますけれども、この時って多分なんですけど物価の見通しを下げざるを得なくなる訳でして、しかも元々のシナリオが鉛筆舐めている部分があるとかそういうレベルの話ではなくて、今年になって本来もっと出るはずの価格改定の動きが期待外れっぽい状況になっている(ように見える)中でさあどうするんでしょ、という割としんどい会合になるように思えるのですよね。いやまあ理屈を色々と繰り出して言い訳をして最終的な出し物は綺麗な仕出し弁当が出てくると思いますけど。

でまあそんなことをつらつら考えますと、前回の展望レポート時点での前提になっていた話ってどうなっていたっけというのは気にしておいた方が吉(なお覚えていたからと言ってそれがポジション運営に役立つという話ではないが)かなあとは思ったり思わなかったり。

ということで今回は検討部分を見ながら前提条件を確認して頭の隅にいれておこう、ってなシリーズにしてみました。

『海外経済について、委員は、総じてみれば着実な成長が続いているとの認識を共有した。委員は、世界的に活発な貿易活動が継続する中、 先進国は着実な改善を続け、新興国も全体として緩やかに回復しているとの見方で一致した。』

でもってそのちょっと先にあるのが個別地域のお話なので確認しておく。

まずは米国から。

『地域毎にみると、米国経済について、委員は、実質GDP成長率が高めの伸びを続け、労働市場でも雇用の増加基調が続くなど、拡大しているとの認識で一致した。ある委員は、ISM指数が製造業・非製造業ともに高水準で推移しており、企業の業況感は幅広く改善した状況が続いていると付け加えた。一方で、別のある委員は、乗用車販売が弱含んでいることを指摘したうえで、消費者の購買力に対する金利上昇の影響に注意が必要であると述べた。』

「消費者の購買力に対する金利上昇の影響に注意が必要」というのは言いたいことは分かるのですが、そもそも緩和政策の正常化を進める過程なのですから、そこは政策意図の中に含まれる話であって、適度な減速の範囲内で収まるかという観点で点検するという話になるんでしょうな、とは思いますが、あーた短期金利2%長期金利3%くらいでオーバーキルとか言われるようだったらそもそも経済の腰が全然ないって話じゃろ、とか言い出すあたくしは昭和脳ですかそうですか。

『米国経済の先行きについて、 委員は、拡大を続けるとの見方を共有した。一人の委員は、拡張的な財政政策が、先行きの米国経済を押し上げる方向で作用するとの見方を示した。 』

ということで特におおきな先行き懸念材料を見ている感じはない。


『欧州経済について、委員は、内外需とも増加基調にあり、しっかり とした回復を続けているとの認識を共有した。何人かの委員は、昨年後半からの急速な回復は一服した感があるが、引き続き、製造業・サービス業のPMIが高水準で推移するなど、景気は堅調を維持していると付け加えた。別のある委員は、経済回復を損なわない程度に財政再建のスピードを上手く修正するといった、適切なマクロ経済政策運営が、欧州の景気回復に大きく寄与しているとの見解を示した。』

『欧州経済の先行きについて、委員は、回復を続けるとの見方で一致した。 』

欧州のアセスメントがあっさり味ですが、さて4月末時点のこの認識のままで行けるのでしょうか・・・・・


『新興国経済について、委員は、全体として緩やかに回復しているとの認識を共有した。中国経済について、委員は、総じて安定した成長 を続けているとの見方で一致した。一人の委員は、輸出が基調として増加しているほか、個人消費も、良好な雇用・所得環境を背景に底堅く推移していると付け加えた。複数の委員は、安定した成長の背景として、経済の変動に対して当局が機動的に対応していることを指摘した。』

ということで中国経済の見方が楽観的に見えますなあ。

『NIEs・ASEANについて、委員は、輸出が増加基調にあるもとで、企業・家計のマインド改善や景気刺激策の効果などから、内需も底堅く推移しているとの見方で一致した。ロシアやブラジルなどの資源国経済について、委員は、インフレ率の落ち着きや金融緩和の効果などを背景に、緩やかに回復しているとの認識を共有した。』

新興国に関しても割と楽観ムード。

『先行きの新興国経済について、委員は、全体として緩やかな回復を続けるとの認識で一致した。このうち中国経済について、委員は、当局が財政・金融政策を機動的に運営するもとで、概ね安定した成長経路を辿るとの見方を共有した。 』

まあ何ですな、IMFとかの国際機関が見通し強めに出してきているときってのは日銀(だけではなく他の中央銀行もそうなのですが)は見通しがやはり強めになってくるという傾向がありますので、まあこんなもんちゃあこんなもんなのですが、ポチポチ微妙な指標もあったりなかったりというような感じですので、確かにまあメインシナリオ変えるような変化ってのはないんでシナリオを大きく変えることがないとは思うのですが、かといってここまで楽勝ムードで良いのかという気はしますな、という印象だったのですがどうでしょうか。


・国内経済についてだが供給制約の議論が詳しくあるのは先般の櫻井さんの話と相まってきな臭い

『わが国の景気について、委員は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで、緩やかに拡大しているとの見方で一致した。』

いつものように展望レポートや声明文に掛かれているので、はあそうですかという奴ですけど。

『委員は、企業部門の動きについて、輸出は増加基調にあるほか、設備投資も、企業収益や業況感が改善基調を維持する中で、増加傾向を続けているとの認識を共有した。また、家計部門についても、委員は、 個人消費は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、振れを伴いながらも、緩やかに増加しているとの見方を共有した。』

とこの辺の話は毎度の公表文にある話ですがその次に微妙な議論がある。


『この間、何人かの委員は、最近の短観や支店長会議における報告を踏まえると、一部の企業では人手不足や部材不足といった供給制約が強まってきている 可能性があると指摘した。このうちの一人の委員は、供給制約に直面 した企業が生産性向上や能力増強投資に取り組んでいくことは、経済の供給面の拡大を後押しし、長期的な成長力の高まりに繋がっていくと述べた。そのうえで、この委員は、こうした最近の変化は、非効率なビジネス・プロセスなどの過去に生じたヒステリシス(履歴効果) が希薄化する動きと捉えることができると指摘した。別のある委員は、 供給制約が次第に強まる中、労働市場改革などの構造面での対応の重要性が増してきていると述べた。 』

・・・・・・・・供給制約の話が出ていまして、そういやこの前の櫻井審議委員の金懇挨拶でも供給制約要因に関する話をしていたなあというのがありまして、供給制約のある中での金融政策運営の留意点みたいな話を櫻井さんが延々としていて「!!!!!」だった訳ですが、金懇自体は5月24日(0525)になりますので、まあご参考になるかどうか知らんですけど、あの金懇が5月でこちらのMPMはその前なんですよね。

つまり、(因果の順序としては逆ですけど)櫻井さんの金懇で「供給制約による影響のある中での金融政策運営」っつーのがあって、その伏線がここで回収されている事になりますけれども、櫻井さんは、

『また、物価はとにかく上がれば良いというものではありません。国民の生活が豊かになる下で、物価が緩やかに上昇していくことが望まれます。』
『以上のような整理の下で、改めて金融政策のあり方について考えてみたいと思います。予め私の考えを申し上げると、金融政策は、現在のような適度に需給の引き締まった状態をできるだけ長く維持することを目指すべきだと思います。』
『もちろん、だからといって物価が上がらなくても良いというつもりはありません。日本銀行はできるだけ早期に「物価安定の目標」を達成すべきだと考えます。ただし、この「できるだけ早期に」の意味を取り違えてはいけません。なりふり構わず、闇雲にという意味ではありません。』
『日銀法で定められた日本銀行の使命は、「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」です。物価が上昇しても、結果として経済の健全な発展が阻害されるようでは本末転倒だと思います。』
(以上の部分は本年5月24日の櫻井審議委員の群馬金懇挨拶より引用)

などの説明をしていまして、まあこれも本当にやるのかどうかは分からんですけれども、供給制約が目立つ中で物価目標をどう達成するのか、という事を考えた場合にやみくもに早期に達成しようとするものではない、みたいな理屈をだしてきて、「2年で2%」の話を「進化」させて話を変えてしまいましょ、という動きへの布石をしらっと打っているという事が示されていると思いますが如何なもんでしょ??

しかしこの供給制約云々の話って最初木内さんが言ってなかったっけとか思うネタなんですけど、「政策の長期化」「目標達成に対する気持ちとしての早期達成と実際の状況を踏まえたアプローチは異なりますよ」みたいな話にどこかで切り替えようってなもんでこういう認識が示されていると思いますと中々熱いですな。


・物価が中々アガランチな件

そのあとの方に個別項目編があってその次が物価。

『物価面について、委員は、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は" target="_blank">[外部リンク] 1%程度のプラスとなっている一方、消費者物価(除く生鮮食品・エ ネルギー)の前年比については、引き続き、企業の価格引き上げの動きが限定的であることなどから、0%台半ばのプラスにとどまっているとの見方で一致した。』

ダメじゃん。

『そのうえで、委員は、エネルギー価格の影響 を除いてみると、物価は、景気の拡大や労働需給の着実な引き締まりに比べて、なお弱めの動きを続けているとの認識で一致した。こうした動きの背景について、委員は、賃金・物価が上がりにくいことを前提とした考え方や慣行が、企業や家計に根強く残っていることが影響しているとの認識を共有した。』

という認識なのに、

『この間、委員は、予想物価上昇率は、 横ばい圏内で推移しているとの認識で一致した。』

となるのは何なんでしょ。それはデフレマインドが払しょくされていないってことだから期待が全然上がっていないという話にならんのかね。

『一人の委員は、長い 目でみれば、予想物価上昇率は少しずつ上向いてきていると思われる が、実際の物価が弱めで推移する中、デフレ心理の払拭やインフレ予想の改善には時間がかかっているとの見方を示した。』


でもってその先の『2.経済・物価情勢の展望 』で物価の話がある。

『委員は、実体経済から物価面への波及に関し、景気の拡大や労働需 給の着実な引き締まりに比べ、物価が弱めの動きを続けていることに ついて議論を行った。』

へいへい。

『委員は、企業や家計において、賃金・物価が上 がりにくいことを前提とした考え方や慣行が根強く残っていることが、企業の賃金・価格設定スタンスに影響しているとの認識を共有した。』

さっきも言ったがそれはインフレ期待に働きかける政策が失敗しているということなのだが。

『賃金の設定スタンスについて、ある委員は、リーマン・ショック 時の企業の厳しい資金繰りの経験などを踏まえ、労働者側にも、リスクに備えた資金の積み上げを優先し、賃上げについては慎重な対応を受け入れるといった姿勢がなお窺われると指摘した。一人の委員は、 グローバルに活動する企業のうち、国内よりも海外部門の方が高い生産性を実現している先では、日本での賃上げについて慎重になる傾向 がみられると指摘した。』

『企業の価格設定スタンスについて、何人かの 委員は、多くの企業において、省力化投資やビジネス・プロセスの見直しを通じた生産性の引き上げにより、賃金コストの上昇を価格に転 嫁することを避ける動きが続いていると指摘した。そのうえで、ある委員は、こうした生産性向上に向けた取組みは、わが国経済の長期的な成長力を高め、恒常所得や企業収益の増加期待を通じた需要増加に 繋がり得ることから、短期的には物価の上昇圧力を緩和する方向で作用したとしても、そうした状況が長期にわたって続くことは考えにくいと述べた。』

まあだいたい出ている認識ですな。

『この間、何人かの委員は、景気の拡大などに比べて物価が弱めの動 きを続けていることについて、日本の場合、フィリップス・カーブが、他国に比べて下方に位置し、かつ、その傾きが非常に緩やかになっている可能性を指摘した。』

今更その話をするの????5年前のネタじゃないの???????

『そのうえで、何人かの委員は、2%の「物価 安定の目標」を実現するためには、人々の中長期的な予想物価上昇率を引き上げ、フィリップス・カーブそのものを上方にシフトさせることが必要であるとの認識を示した。』

ごめんそれ5年前からそういう説明なんですが5年間経って全然そうなっていないことに関するレビューを行わないんですか????????????

『ある委員は、緩やかながらも需給 ギャップと物価の間に一定の関係がみられることを踏まえれば、引き続き、実質金利の引き下げを通じてプラスの需給ギャップを維持して いく必要があると述べた。一人の委員は、失業率がさらに低下すれば、 いずれフィリップス・カーブに沿って、物価が上がり始める領域に入ってくると考えられるため、それまで、強力な金融緩和をしっかり継続することが大事であるとの見解を示した。』

金融政策によるフォワードルッキングなインフレ期待形成への働きかけとは何だったのか・・・・・・・・・


でもってこのコーナーの最後は泣ける。

『そのうえで、委員は、物価を取り巻く環境に、いくつか前向きの変化もみられてきていることについて議論を行った。』

なんか「今日は10-0の完封負けだったが7回からリリーフした新人が1イニングをピシャリと抑えたからよかった」みたいな話に聞こえてくるのは気のせいですかそうですか。

『多くの委員は、 パート時給がはっきりとした上昇基調を続けているほか、仕入価格の 上昇などもあって、企業のコスト面からみた価格上昇圧力は、引き続 き高まっているとの見方を示した。ある委員は、今年の春闘では、昨年の伸び率を上回る形で5年連続のベアが実現する見込みであるほ か、原材料価格の上昇もみられるとしたうえで、3月短観では、中小 企業でも 27 年ぶりに販売価格判断DIがプラスになるなど、コスト 増加分を価格に上乗せする動きが徐々に拡がっていると指摘した。複数の委員は、このところ、予想物価上昇率の指標が下げ止まりや一部で上昇を示していることについても、このような実際の価格引き上げ の動きが影響しているとの見方を示した。 』

はあそうですか。でもって先行きのメカニズムの検討の話があるのですが、読んでて悲しくなるのと展望レポートに書いてある結果と同じ話なのでパスします。


・・・・・・・・でもって後半の政策の話になるのですが、ここまでで長くなったのと時間が無くなったので惜しくも残りは明日(すいません)。


〇社債買入オペのメモメモ

すいません一昨日のオペネタです(大汗)
[外部リンク] 4,007 1,750 -0.194 -0.120 50.9

この前ネタにしたようにここもとのと比較しますと、
1/22:+0.001%/▲0.020%
2/20:▲0.049%/▲0.097%
3/19:▲0.078%/▲0.158%
4/19:▲0.179%/▲0.235%
5/22:▲0.186%/▲0.224%
6/19:▲0.120%/▲0.194%

ということになりまして、ではこの前と同じように19日公表の売買参考統計値(なので18日の引けね)を確認してみますと、

1年金利:2Y377で▲14.0(短国の一番長いのが▲12.5)
2年金利:2Yカレントで▲14.0
3年金利:5Y127で▲13.0、5Y128で▲12.5

となりましたので、足切りベースではひきつづき社債国債の逆転現象というリスクプレミアムとは何だったのかという現象にはなっているものの、平均売却利回りベースで見ますと惜しくも(?)3カ月連続の国債社債逆転現象は起きませんでしたな。

いやー残念ですなあ(何が?)という所ではありますが、そらまあ3カ月連続で社債買入利回りの平均買入利回りが買入対象年限の国債利回りから逆転していたらカジュアルにオペの意味が問われることになりますから入れる方もちったあ自制したのかもしれませんけど、まあいずれにせよこの社債買入に関しては今となっては何のために存在しているのか全くもって訳分らんということでして、パッケージとして云々じゃなくて真面目な話歴史的意義はいったん終わったもの(将来またリーマンショックみたいなのが起きたら出番があるかもしれませんな)ではないかと思うので次回のMPMで議論していただけませんですかねえ。
 


お題「総裁会見ネタ補足/物価目標0%の提言とはそれはさすがにちょっと・・・・・・・」   2018/06/20(水)07:59:42  
  これは狙ったわけではないのはわかりますが結果的にお見事。
[外部リンク] 金融機構局 金融高度化センターでは、「金融機関の働き方」と題するセミナーを下記の要領で開催します。』

ということですが、その中を見ますと・・・・・・・・

『経済環境にそぐわない数値目標は、「プロダクト・アウト」的な行動を強め、中長期的な顧客本位の姿勢や「カスタマー・イン」的な発想を失わせています。』

「経済環境にそぐわない数値目標は良くない」とはまったく仰る通りですな(--;


#本来はFEDとECBのネタがあって、そろそろシントラ(ポルトガル)でやってるECBの中央銀行フォーラムがあって、ドラギ先生の「シントラショック」が記憶に新しいくらいですので、まーた誰かが何かやらかしてくれるかもしれませんという海外中銀ネタを全部積読になっておりまして誠に恐縮なのですが、今日も今日とて国内ネタなのでありました



〇総裁会見ネタですが見落としがありましたので補足を(超大汗)

[外部リンク] 今週はFRBもECBも正常化に向けて一歩踏み出しました。そういう中で、改めてなのですが、今、現時点でお考えはないとおっしゃるとは思うのですが、出口戦略についての日本銀行としての考え方について、例えば、まだ出口ではないとお考えでも事前に色々市場との対話という形で説明していかれるのか、もう少し詳しくご説明頂けたらと思います。』

『(答) 出口戦略については、何も語っていないということはなく、出口での課題には 2 つのことがあると申し上げています。それは、短期の政策金利をどのようにしていくかということと、拡大したバランスシートをどうするか、という 2 つです。FRBの金融政策の正常化をみても、あるいはECBが今後正常化していく際のポイントについても、この 2 つが具体的な課題になると思います。私どもが正常化する際にもそうなると思いますが、どのような手段で、どのような手順で、いつ具体的にそのようなことをするかは、あくまでもその時の経済・物価・金融情勢を踏まえたものになります。 』

『現時点では、今回の公表文にも示している通り、生鮮食品を除く消費者物価の上昇率が 0%台後半という状況で、まだ 2%の目標には距離がありますので、正常化あるいは出口の具体的な手法やプロセスについて語るのは時期尚早であり、あくまでも 2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するために、最大限の努力をする時期だと思います。適切な時期に市場とのコミュニケーションを取ることは必要だと思いますが、そういう時期に差し掛かっていない中で具体的な話をするのは、却って市場を混乱させるおそれがありますので、適切な時期にそういったコミュニケーションを行うことになると 思います。』

ということで、後半部分はいつも通りなのですが、前半にトラップが仕込んであります。つまり、出口政策において、

「出口での課題には 2 つのことがあると申し上げています。それは、短期の政策金利をどのようにしていくかということと、拡大したバランスシートをどうするか、という 2 つです。」

ということで、「短期の政策金利正常化(引き上げ)」と「バランスシートの正常化(縮小)」という話をしておりまして、そこにはよく見るとYCCのもう片方にある「長期金利目標」の文言がしらっとスルーされているんですな。

まあ勿論今すぐどうこうという話にはなり得ない(物価の伸びが鈍化している中では今の延長線上の理屈では言い訳がしにくい)のですが、これは正常化論において、長期金利目標の引き上げに関しては正常化と切り離した「YCC政策の中における水準調整」というカテゴリーでの変更が可能、というトラップでして、「長短金利水準」と言ってないのがチャーミング。

まあ実際問題として昨日も申し上げた通りで、総括検証の結果としてのYCCってのは均衡イールドカーブに対する適度な緩和度合いを維持するためのものなので、均衡イールドカーブの水準自体がインフレ目標や物価水準によって変化しうるものと考えますと(幅が相当ある概念なのであくまでもお話の上なんですけど)、別に正常化と関係なく金利水準を上げることは可能、という建付けに(実際にそれができるかはともかくとして)概念上はなっているので、正常化の説明の中で「長短金利目標水準」と言わずに「短期の政策金利」と言っているのは、長期金利目標水準を切り離す場合に使えますし、まあこの「短期の政策金利」ってのは出口だからYCC終了後の話という拡大解釈をすると、マイナス金利の所の調整だってスコープにいれられる、という点で、YCC継続の元での金利水準変更の可能性を残すような言い方になっていますね、というのは指摘されてみますと全くそうですな、と思いますので追加させていただきました。




〇学者って・・・・・・・・・(東大渡辺先生の物価目標0%論???)

昨日の朝はブルームバーグさんのこのニュースヘッドラインに吹いた。

[外部リンク] 5:00 JST

いきなりこのヘッドラインを見てナンジャソラと思いましたが、インタビューを元に構成した記事みたいで見ると何とも。

『物価研究の第一人者で、1990年代後半から物価目標の導入を主張してきた渡辺努東大大学院教授が、てこでも上がらぬ物価にしびれを切らし、ついに2%目標の断念を日本銀行に提唱した。異次元緩和に物価を押し上げる効果はないとして、日銀は物価目標を2%から0%に引き下げ、金利引き上げなど金融政策の正常化に向かうべきだと訴える。』(上記URL先より、以下同様)

はあああああああ(語尾の口調が裏返りながら)????????

『今月のインタビューで、日銀は量的・質的金融緩和やマイナス金利により需要を逼迫(ひっぱく)させて物価を上げようとしてきたが、「全然効かないことはこの5年で確認できた」との見解を示した。異次元緩和の延長線上にデフレ脱却はなく、「どこかでやめなければならない」と語った。』

うーんこの。

『渡辺教授は日銀出身で、物価と金融政策が専門。2013年に速報性の高い東大日次物価指数を開発し、15年にビックデータの分析・提供を行うナウキャストを創業した。長く物価目標を提唱し、最近は賃金目標の導入を主張していたが、2%の物価目標は支持してきた。』

とまあこの記事内容にありますように、ついこの前までは賃金目標とか仰せだったのに突如0%にしろとか何ですかそれは。

でもって途中を飛ばして、

『渡辺教授は、効果のない異次元緩和は手じまいが必要だと指摘する。2%物価目標の旗を降ろして0%にすれば、現在の物価上昇率で達成されるため「さらに緩和が必要という理屈」も生じず、超低金利政策を「続ける理由はない」と語る。』

いやあの目標0%で本当に良いんですかそれだったら別に「中長期的な目標」にして緩和の規模を副作用が出にくいけれども緩和は緩和というような状態(マイナス金利やリスク性資産の買入などを中止して、中長期的な緩和政策にコミットして長期金利の上昇を抑制するけれどもYCCのような極端な介入政策は行わない)で済む話で、これ「0%」というのは何かたとえ話みたいなのでヒョロっと出たのをブルームバーグの方で盛って書いたんだったらまだ分からんでもないのですが、もしまともに渡辺先生が仰せだったら、さすがにこれは置物大師匠と同等程度にヤバイじゃろと思います。

まあ何ですな、このブルームバーグのインターネット版のサイトでもサイト内検索というのが出来るのですが、そこの検索窓に先生のフルネームをぶっこむと過去記事がサルベージ出来ますので(嫌な世の中ですなあ)それを見るだけでもなかなか腰が砕けますが確認してみましょう。



つい最近、と言ってももう2016年の頭ですから2年前になるのですが大先生の「賃金目標」ネタ。

[外部リンク] Buckland
2016年1月26日 0:00 JST 更新日時 2016年1月26日 15:42 JST

『渡辺教授(56)は21日のインタビューで、「サービス分野を中心に、約5割のウエートを占める品目がゼロ%前後で動かない。物価が2%上昇するには他が4-5%も上がらないといけないので、仮に達成しても持続性がない」と指摘。人件費の割合が高いサービス分野の価格を上げてデフレを完全に脱却するには、物価目標から「賃金目標」に切り替える意義があると語った。』(上記URL先2016年1月26日記事より)

意義があるのは分かるのですが、何をどうすると日本銀行の金融政策で民間企業の設定する賃金を引き上げることができるのでしょうかその具体的な手法とメカニズムをディスカッション用のたたき台だけでも良いですから何か出していただけませんかねえという所でして、いやまあ貴殿がおとぎ話の語り手さんとかなら別にそれでも結構なのですが、最初のブルームバーグ記事の方で思いっきり「物価研究の第一人者」と称している(第一人者は他にいるのではなどというツッコミは行わないけど)「東大大学院教授」様な訳で、しかも「日銀出身で、物価と金融政策が専門」だそうなのですが、具体的にどうやったら良いのかというような考えもなしに政策提言って何なんでしょうね、と当時も思った次第。

ちなみにロイターさんの記事ですと、
[外部リンク] / 19:23 / 2年前
金融政策に4%の賃上げ目標を、物価目標より利点=渡辺・東大教授

ということで同じ話ですが「4%賃上げ」って金融政策の何がどうするとそのようにできるのでしょうかというお話だし、だいたいからして4%の賃上げがサステイナブルに継続するとかこの成熟経済で出来るのかと小一時間で、MB直線一気理論も裸足で逃げ出すお話ではあります。


・・・さてここでその1年前の2015年の説明をブルームバーグさんの検索窓で出てきた記事で確認してみましょう。、

[外部リンク] Mogi
2015年3月27日 9:03 JST 更新日時 2015年3月27日 11:11 JST

『日本銀行の黒田東彦総裁が目指す2%の物価 目標はあと2-3年で達成。消費者物価の実証分析で知られる東京大学大学院の渡辺努教授は、その鍵を本来あるべき水準と高止まりした価格とのギャップ縮小にあるとみている。』(上記URL先2015年3月27日記事より、以下同様)

ということで説明があるのですがそこは飛ばしまして、

『同時に渡辺教授は、価格ギャップは異次元緩和によって「それなり に埋まってきている」とも指摘。消費者物価が上昇する中で「予想インフレ率が持続的に2-3%にアンカーされるには、あと2-3年はかかる」と読む。「金融政策では価格ギャップのほうが需給ギャップより重要」であり、「解消するまで辛抱強く待つしかない」と語る。』

なるほど。ところで直近の説明(一番最初のブルームバーグ記事ですな)だと「価格ギャップ」というユニークな分析についての言及が一言半句とも無いように見受けられますが、「金融政策では価格ギャップのほうが需給ギャップより重要」とまで仰っていたのはどちらに行かれたのでございましょうか??????


・・・でまあ何と申しましても大先生におかれまして白眉なのは黒田日銀の1年前の2012年3月のお話。ちなみにブルームバーグの検索窓でもヘッドラインは出てくるのですが、URL先がリンク切れになっていまして、記事のお題あたりを適当に別の検索エンジンにぶっこむと過去記事のサルベージができましたので貼っておく。

[外部リンク] 9:10 JST

>物価上昇1%達成でも真のデフレ脱却と言えず
>物価上昇1%達成でも真のデフレ脱却と言えず
>物価上昇1%達成でも真のデフレ脱却と言えず

そのまえに「日銀の」とありますが(記事にもあるけど)当時は日銀が当面の物価安定の目途というのを出して、「最終的には2%を目標にするけど当面は1%を目指す」ってなのがあった訳でして、日銀ご出身の大先生様はこれを受けて華麗に白川日銀を砲撃しておられた訳ですな、ということで記事を確認。

『東京大学大学院の渡辺努教授はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、真の物価は総務省の消費者物価指数(CPI)前年比上昇率より1ポイント以上低い可能性があるとし、日本銀行が目標として掲げる1%に達しても、デフレから脱していないという事態が起こり得ると述べた。』(上記URL先2012年3月29日記事より、以下同様)

とまあそのように仰せだったのでして、そうなりますと一番最近に仰せになっておられる0%目標に変更すべきというのは敗戦思想をも超越してデフレ容認という事になりますな。おー凄い凄い。

しかしまあこの過去記事を見ると色々と味わいがありますな(めんどいのでごく一部しか引用しないけど)。

『渡辺教授は「1%の根拠は何かをもっと明確にすべきだ。誤差と言っても、私たち以上に踏み込んだ研究をしている例は、私の知る限りない。日銀は何を根拠に、どの数字を見て、どの程度の誤差があるかという説明を一切していない」と語る。』

物価目標を0%に変更する根拠は何かをもっと明確にすべきだ、ということですね!!!!!


・・・・・・・とまあそういうことでして、いやあのすいませんこれはもう岩田木久扇置物大師匠とかなりの好勝負を演ずることができそうですが、ジャパンにおかれましては金融政策に絡んでくるような経済学の学者先生ってのはこういうのしか居ないのかよ!!!!!と泣きたくなる(先般のタカ&トシ大先生の「全然現実を踏まえない計算」にも腰が砕けましたなそういや)訳でございまして、もう情けないったらありゃしないという所ですな。全員がそうだと言っている訳ではないけど、こういうの淘汰のメカニズム働かないのかねと思ってしまいますわ。

いやまあ別に0%の物価目標を提唱して頂いてもそれはそれで1つの主張ですから一向に構わないのですが、学者として偉そうに白川日銀に砲撃を散々加えておきながら、白川日銀時代よりも低い物価目標を良しとするのであれば、「全然効かないことはこの5年で確認できた」とか日銀のせいにするんじゃなくて、自分だってリフレ理論っぽい話をしていたし、政策は効くとか(しかも導入当初ではなく2015年に)言ってたわけですから、まずはその理論のどこに問題があったのかという自己批判と総括をしていただきたいですし、それは無しでいきなり最初の話ということになると、置物大師匠の別バージョンにしか見えないんですよねえ・・・・・・・・・

つーことで、何だかなあというヘッドラインを見つけてしまったのでついついイカって日銀の政策委員とかでもない人に向けて強めに悪態入れてしまいましたな(大汗)。
 


お題「債券先物値幅4銭&1兆円割れとな/総裁会見から少々とその他」   2018/06/19(火)07:56:50  
  ドイツのこれはマジもんの展開になるんでしょうか(全然詳しくない)。
[外部リンク] Parkin、Arne Delfs、Patrick Donahue
2018年6月18日 11:44 JST

『CSU党首のゼーホーファー内相、難民送還を促す措置を要求
首相は6月28、29両日開催のEU首脳会議までに欧州の合意を模索

ドイツの移民政策を巡る危機が今週、重大な局面を迎える。メルケル首相の政治生命を危険にさらすもので、既に欧州全般に波紋を広げている。メルケル首相は17日遅く、キリスト教民主同盟(CDU)の上級幹部とベルリンにある党本部で会談し、ゼーホーファー内相が首相の意向に反して難民を元登録国に送還する措置を求めた件についての対応を協議した。』(上記URL先より)

#地震で鉄筋がちゃんと入っていないコンクリブロック塀が倒れてくるとかそういう話は昭和のころのお話だと思っていたのに・・・・・・・・(涙)


〇債券市場が相変わらずウゴカンチ会長なようでして

絶望した!!
[外部リンク] 18年9月限

2018/06/18 日中取引

150.77(08:45)
150.80(09:22)
150.76(08:49)
150.77(15:02)
0.00(0.00%)
8,742

数字の方は上から順に始値、高値、安値、終値、前日比、売買高でございますが、何ですかこの値幅4銭(しかも前日終値対比で3銭高1銭安で4銭)で売買高8742枚ってどういう事やというこの有様。

いやまあカレントも前場に20年の5糸甘(0.505%)が出合っただけで後場に10年の5糸甘(0.035%)が出合っておりましたなあ位だったと思うのですが、そらまあ先物の日中値幅が5糸無かったら動きようがありませんなあとは思う(なお引けは引けになってた)次第で、材料一巡したら閉店ガラガラにも程があるこの市場でして、輪番とか入札とかそういうものに対してもしばらく前ならそれでも輪番前にこの辺買いあがってとか、入札前にこの辺ヘッジで叩いてとかあったのですが、日銀買入でオフザランの流動性が締めあがってしまっている(カレントも締めあがっていますが)所に来て国債決済T+1になって現物の受渡が忙しくなってレポめんどくなってという辺りでさらに止めを刺したのかどうかはよー知りませんけれども、ただまあウゴカンチ会長になっているのはT+1になってから一段と来てますな感はない訳ではない。

でまあこれが日銀のYCCの大勝利で金利コントロールの賜物とか言っている奴は素人で、こんな市場にしたら将来的に即死するのは日銀であり国債発行している財務省だったりするので、ひいてはそれって国民厚生的に如何なものかという話になるんですけどまあその話はおじいちゃんこの前もしたでしょう朝から毎日同じ話してますよ大丈夫ですかと言われるので止めとく。

[外部リンク] / 15:20
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が横ばい、長期金利0.035%に小幅上昇

『 <15:10> 国債先物が横ばい、長期金利0.035%に小幅上昇

長期国債先物は横ばいで引けた。中心限月9月限の取引値幅はわずか4銭で、出来高は昨年12月25日以来となる1兆円割れとなった。オペ減額への思惑がくすぶるなか、高値警戒感もあり、ポジションを積極的に傾けることができない投資家が多くなった。米中貿易摩擦を巡る懸念から前週末の米国市場がリスク回避となったが、積極的に材料視されなかった。現物債は閑散。18日午前7時58分ごろ、近畿地方を中心に強い地震があったが、相場への影響はみられなかった。』(上記URL先より)

「オペ減額への思惑がくすぶるなか、高値警戒感もあり、ポジションを積極的に傾けることができない投資家が多くなった」って表現すると割と格好が良いのですが、オペを減額しても唐突感の高かった月初のでは相場動きましたが、先週の中期減額(増額したの戻しただけですが)の時は別の要因だと思いますが寧ろ債券先物が上昇する有様ですし、大体からしてウゴカンチ会長とか思っている(水準としてこれではどうしようもないのでちょっと上がってくれませんかと思っているのはあるでしょうけれども現実を考えれば動かんわなと諦観の巻)ので高値警戒感とかいうような洒落た感じではありませんで、ただのナマコ相場になっているだけなのを綺麗に言い換えると上記のようになるという感じですな、南無南無。

しかし初夏の中銀イベントを通過致しまして、FEDは次やっても9月ですし、ECBは方向性を示しただけに当分何も出てこないし、次の日銀展望レポートは7月末という事になりましたが、さて何をネタに動けば良いのでしょうか・・・・・・・・・


〇総裁記者会見である

[外部リンク] 物価動向について、直近のCPI等をみると、物価上昇の勢いが弱くなって、伸びが足許落ちている状況にあります。現状の物価認識と、物価上昇に向けたモメンタムはまだ維持されているのか、目標とする 2%はいつ頃到達するとお考えなのか、お願いします。』

モメンタムの話は「維持されている」と答えるのは明白なのですが・・・・・・・・・

『(答) わが国の消費者物価の動向をみると、このところ、いわゆる「除く生鮮食品」、「除く生鮮食品・エネルギー」のいずれも、前年比伸び率が幾分縮小しています。これについては、春先までの円高の動きが耐久消費財等の価格下押し圧力として作用したほか、振れの大きい宿泊料の下落などが影響していると考えられます。』

で?

『もっとも、サービス業を中心に、企業が賃金コストの上昇を販売価格 に反映させる動きもみられており、外食などでは前年比プラス幅が着実に拡大しています。このように、マクロ的な需給ギャップの改善を背景に、企業の価格設定スタンスは積極化する方向にあり、2%の「物価安定の目標」に向けたモメンタムは維持されていると考えています。』

えーっとすいません、4月5月の辺りって年度替わりになって価格改定ってのがジャパンの場合はありがちなお話ですし、そうそうホイホイと変更するとメニュー変更コストもかかりますから年度替わりでメニュー変更というのはよくある話と認識しているのですが、その時期において物価の伸びが鈍化したというのは結構致命的だと思うんですけどねえ・・・・・・・・・

『なお、先行きの物価見通しについては、展望レポートを取りまとめる次回の金融政策決定会合において、改めて、政策委員の間で十分に議論していくことになります。 』

いやいやいやいや、先行きの物価見通しについて毎回点検しているから声明文で先行きの物価見通しに関する文言があるんでしょと思いますし、大体からして金融政策決定会合で点検した結果物価のモメンタムが悪化しているとかになったら追加措置を取るし、それは展望レポートどうのこうのと関係なく毎回がライブミーティングでしょおじいちゃん忘れちゃったのというこのお答え。

もし答えるのであれば、「今回も通常通り先行きの見通しについて点検しましたが、大勢の見解としては特に大きく見通しを変えるような状況ではありませんでした。なお次回の金融政策決定会合では改めて詳細な点検を行い、展望レポートでお示しすることになります」とかいうもんじゃないのと思うが、2%達成時期に関して前回展望レポートで関連文言を引っ込めただけに、黒田総裁というか執行部系の皆さまの気分がすっかり緩んでおられますなあという所です。

でもってまあこの質疑応答を見ますと、昨日ネタにしましたように、提案大芸人の片岡大先生が反対意見の中で今まで言及していた『「物価安定の目標」の達成時期を明記するとともに』という文言を削除したのも、まあMPM全体がそういう感じになっていて、目標時期を明記して早期達成ムッキー!と怒っても暖簾に腕押し糠に釘という状態なので、その空気に押されてしまって別の言い方を考えた、ということなのだろうなあとは想像がつくわけですよ。でもそこは片岡さん「連帯を求めて孤立を恐れず」と突っ張っていただかないと、緩和提案芸と同じくただの反対芸になってしまうだけなので、反対し続けるなら一本筋通して反対して頂かないと、などと片岡さんに思わぬ悪態の飛び火をしてしまいました。


・まあ昔よりは木で鼻をくくった対応成分が下がっているのだがゼロ回答なのはシャーナイナイ

次の質疑。

『(問) 副作用についてお伺いします。先月発表された 2018 年 3 月期の地域金融機関の決算をみると、一部赤字行がでるなど非常に厳しい決算になったかと思います。現行の緩和政策が地域金融機関に与える影響について、総裁の現状認識と、これが今後、金融システム全体に悪影響を及ぼすことがないのかについて、お願いします。 』

まあこれ自体の想定問答的な意味での答えは明らかなんですけどね。

『(答) 「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」のもとで、わが国の長期金利は安定的に推移し、貸出金利も極めて低い水準となっています。これが、貸出利ざやの縮小などを通じて、金融機関の収益力低下につながり得ることは承知しています。また、そうした収益動向が、金融機関の経営体力に及ぼす影響は累積的なものであるため、低金利環境が長期化すれば、金融仲介が停滞方向に向かうリスクや金融システムが不安定化するリスクがあることにも注意が必要だと考えています。』

本来貸出しがちゃんと伸びるんだったら利鞘減っても量で稼げるんですけどそもそもの利鞘がアレな上に貸出しが本来の意味で伸びているのかというのが更にアレな訳で。

『もっとも、わが国の金融機関は、地域金融機関を含めて、充実した資本基盤と潤沢な流動性を有しています。また、短観などの各種調査をみると、 金融機関の貸出態度は引き続き積極的です。こうした点を踏まえると、現時点で、収益の悪化に伴う金融仲介機能への大きな問題は生じておらず、金融システムの安定性も、しっかりと確保されていると考えています。いずれにしろ、 こうしたことについては引き続き十分に注視していく所存です。』

まあ一応ちったあ丁寧に説明している訳ですけど、「金融機関の貸し出し態度が積極的」なのに資金利ザヤが全然上がらないどころか益々金融機関の収益動向が厳しい、というのはそれはまさに副作用なのではないでしょうか(鼻ホジホジ)。

この次にも同じようなツッコミがありますがめんどいので割愛。


・物価の点検に関しては微妙な言い方をする

『(問) なぜ物価がなかなか上がらないのかという分析を、改めて 2 年前の総括的検証のような形で検証することは考えていらっしゃらないのでしょうか。』

「総括的検証」って言ったら刺激的だからダメでしょ!!!!!(笑)

『(答) このところ消費者物価の前年比伸び率が幾分縮小していることは事実ですが、他方でマクロ的な需給ギャップの改善を背景にして、サービス業などで賃金コストの上昇を販売価格に反映させる動きなどもみられていますので、 2%の「物価安定の目標」に向けたモメンタムは維持されていると考えています。』

引かれ者の小唄。

『また、現在の「イールドカーブ・コントロール」は、予想物価上昇率が高まるとその分実質金利が低下して金融緩和の効果が強まる、という仕組みも内在していますので、前向きなモメンタムが今後とも持続するよう、現在の強力な金融緩和を粘り強く進めていくことが適当であると考えています。』

えーっとですね、これこの前も駄文で申し上げましたが、総括的検証を経てYCCを導入した時の説明では(というか今でもそうなのですが)「金利を下げれば下げるだけ効くというものではなくて、金利を下げ過ぎることによる金融面からの副作用も勘案しないといけない」というコンセプトになっている(から超長期の金利などが上がるように買入を調整したし短期のJGBやビルの金利が馬鹿低下しないように運営している)のでありまして、「均衡イールドカーブのようなもの」に対して適正な緩和度合いを保つような名目イールドカーブを維持することによって、物価目標の達成に対して最も適切な緩和政策を行います、というのがYCCの基本コンセプトで、その適切な緩和度合いは現状「長期0%程度」と、当座預金政策金利残高部分への▲10bpの付利(チャージ)な訳ですよ。

となりますと、この「予想物価上昇率が高まるとその分実質金利が低下して金融緩和の効果が強まる、という仕組みも内在しています」というのは昔のQQEでは内在していたかもしれないですが、YCCでは本来内在しないもので、金融緩和度合いをあまり強くし過ぎてはいけないのだから金利調整をしないといけないのですけれども、この説明でずっと通しているのっておかしくねえかと毎回のように突っ込んでおじいちゃんYCCの話はさっきもしたでしょほら朝ごはん食べないと体に悪いですよとか言われそうですのでこの辺で止めておく。

『なお、こういった物価動向と、一方で世界経済が極めて順調に推移しているわりには、物価がなかなか上がっていかないという状況については、従 来から金融政策決定会合の場でも議論し、スタッフも様々な分析を行っていま す。7 月の展望レポートに向けて更に議論を深めていく必要があると考えていますが、「総括的な検証」をもう 1 回やる必要があるとは考えていません。 』

つまり物価の点検はするよという話、スタッフ云々は後程ちょっとだけ触れます。


・ピーターパン云々

まあ何だ、キャッチーな言葉を使って「うまいこと言う」のは滑った時に末代まで語りづがれるから、よほど注意しないといかんということですな。

『(問) 2015 年、3 年前に黒田総裁は、飛べると信じなくなった瞬間に飛べなくなってしまう、とピーターパンを引用して、物価上昇に大変意欲をみせられたと思うのですが、今も同じように物価上昇に自信を持っていらっしゃるのか、黒田総裁だけではなくて、本日の公表文には片岡委員は「2%に向けて上昇率 を高めていく可能性は現時点では低い」と言っているのですが、委員会の中でも物価上昇に対してモメンタム自体に自信を持っていらっしゃるのか、ちょっと自信を失っていらっしゃるのかなという気もするのですが、その辺りについてお聞かせ下さい。 』

片岡さんを捕まえて自信を失っているとするのはちとカワイソス。

『(答) その点は、公表文に示してある通りです。大多数の委員は 2%の「物価安定の目標」に向けたモメンタムは維持されているとの考えであり、私自身もそう思っています。2%の「物価安定の目標」の実現に向けて最大限の努力を行っていますし、今後とも行うことにも全く変わりありません。 』

でまあ最後の方にツッコミが飛んでまた格好のネタになってしまうのでしたということで記録がてら引用。

『(問) 先程のピーターパン発言に戻るのですが、総裁は 2015 年のスピーチの中で、簡単に言うと、信じればできるということでしょうか、信じれば物価 も上がるということだったと思うのですが、今現時点でもそういったお考えをお持ちでしょうか。それともやはり日本の物価というのはもうちょっと複雑だなというように感じてらっしゃるのでしょうか。 』

もうやめて!!黒田総裁のライフはゼロよ!!!!

『(答) 信ぜよさらば救われん、というつもりもないのですが、信じないのではなかなか物価も上がらないのではないかと思っています。』

・・・・・・・いやはやなんとも。


・優しい助け舟も出ていたりする

これまた最後の方の質疑っすけど。

『(問) 物価が上がりにくい理由について、日本独自の理由についていくらか質疑がありましたけれども、一方でグローバルにみても、ヨーロッパは 2%の 上昇になかなか時間が掛かっていますし、アメリカも足許では 2%ですけれども、去年もイエレン議長がミステリーと言うように少し物価が上がるのに時間が掛かっているという議論もありました。総裁も 5 月末のコンファランスで、 失われたインフレーションという言葉を使っていらっしゃいますけれども、何か先進国で共通した構造的な要因のようなものが働いているのか、もし仮説みたいなものをいくつかお持ちであれば、お考えをお聞かせ頂ければと思います。』

これは優しい助け舟。

『(答) それについては、従来から各国でも随分と議論され、BISの会議などでも議論されています。先程もお話が出ましたが、労働市場について、必ずしも通常の失業率だけでなく、もっと色々な雇用情勢をみていかないとなかなか本当のスラックが分からない、逆にいうと、失業率が示すよりも実はもっとスラックが残っているのではないか、そのために賃金がそれほど上がっていかない、そして物価も失業率が示すほどには上がっていかないという議論があります。』

だったら追加緩和しないといけないような気がしますが・・・・・・・・

『また、国際的な競争が非常に熾烈になっていまして、色々なモノだけでなくサービスについても、ある程度国際的な取引が行われるようになり、中国その他の新興国も国際的なマーケットに参入してきているので、一国だけの事情で賃金や物価が上がるのではなく、もっとグローバルな労働市場や需給ギャップのようなものを考えないといけないのではないかという議論もあります。』

一般物価と個別物価を混同するなとか昔は置物一派が言ってましたが、最近はこれに対抗して「グローバルな需給ギャップ」という新しい理屈があるのか・・・・・・・・・・

『それから、もう 1 つ最近流行っているのが、Eコマースとかインターネットによって、消費者が、地域的に制約されているマーケットの中で財や サービスを購入するのと違い、インターネット上で一国全体、あるいは全世界の価格をみて購入できるということになって、なかなかモノやサービスの価格が上がりにくくなっているのではないかという議論です。』

昔「中国発の価格下落圧力(100円ショップとかを例にして)」という話をすると必ず個別物価と一般物価がという話があったもんんですが、グローバルな需給ギャップってすごい理屈ですが、そうなると世界的に常にデフレ圧力が掛かるはずなのですがそうはなっていないので詭弁、という形で置物一派はかみついていましたが、この辺りに関してジンバブエ先生や置物2世はどうお考えなのでしょうか聞いてみたいですな。

『今申し上げた、労働市場のスラックの問題、グローバリゼーションの問題、そして技術革新の問題は、欧米のみならず日本でも当てはまるところがあるのではないかと思います。 その他にも色々な議論があります。例えば、賃金の下方硬直性があるために、それが上方硬直性にもなるのではないか、つまり企業は、景気が悪い時に賃金をなかなか下げられないと、その結果として景気が良くなってきた時 も賃金をなかなか上げないというか上げられない、という議論があります。ただ、これはどこまで立証されているかよく分かりません。 』

とりあえず助け舟が来たので盛大に乗ってみましたという感じですが、まあ本当は「目標行かなかったら他のせいにしないで責任を取る」じゃなかったんでしたっけねえと思いっきり思うわけで、麿体制に対してありとあらゆる侮蔑の言葉を浴びせかけていたおじいちゃんが言う言い訳じゃねえだろという感は拭えない。


#まあそんな感じで


〇時間が無くなったのでメモだけですが物価が上がらない言い訳の理論的背景シリーズが出てきていますね!!!!!

[外部リンク]
 


お題「MPMレビューを簡単にやるつもりが無駄に長くなってしまいました」   2018/06/18(月)07:51:15  
  こんなんあります。日銀守備範囲広いっすねえ!
[外部リンク]

『要旨

近年、シェアリング・エコノミーと呼ばれる新たな事業形態が急速に発展している。中でも、ライドシェアは、シェアリング・エコノミーの中核を占めており、市場規模が拡大している。これに伴い、欧州や米国では、ライドシェアに従事するドライバーが労働法の適用対象となる「労働者」と位置付けられるのか否かについて活発な議論がなされている。杉浦(2017) [PDF 853KB]では、ライドシェア市場の発展が著しい米国における労働法上の問題に関する議論を紹介している。そのうえで、わが国でライドシェアが普及した場合には、一定範囲で米国における対応が参考になりうるものの、従来の労働者概念の再考の必要性や日米の労働法制全体の枠組みの相違に留意する必要があることを指摘している。』

ということで中身は以下読んでちょということでネタにはしませんけど、日銀のリサーチで法務関係って金融取引に関する物件法絡みの話はちょくちょく見るのですけれども、労働法が出てきたとはこれはこれは。

なお個人的にはウーバーとかエアビーとか既存インフラにタダ乗りした挙句(以下の部分には罵倒文言が大量に含まれるので自主規制)。


〇MPMはどこぞのベンダーのヘッドラインに一瞬慌てたわwww

今回の声明文
[外部リンク] 感が改善基調を維持するなかで、増加傾向を続けている。個人消費は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、振れを伴いながらも、緩やかに増加している。住宅投資は弱含んで推移している。この間、公共投資は高めの水準を維持しつつ、横ばい圏内で推移している。以上の内外需要の増加を反映して、鉱工業生産は増加基調にあり、労働需給は着実な引き締まりを続けている。』(今回)

『海外経済は、総じてみれば着実な成長が続いている。そうしたもとで、輸出は増加基調にある。国内需要の面では、設備投資は、企業収益や業況感が改善基調を維持するなかで、増加傾向を続けている。個人消費は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、振れを伴いながらも、緩やかに増加している。住宅投資は弱含んで推移している。この間、公共投資は高めの水準を維持しつつ、横ばい圏内で推移している。以上の内外需要の増加を反映して、鉱工業生産は増加基調にあり、労働需給は着実な引き締まりを続けている。』(前回)

そうでしたっけと思いながらも展望レポート基本的見解とここまで全文一致。

『わが国の金融環境は、きわめて緩和した状態にある。』(今回)
『わが国の金融環境は、きわめて緩和した状態にある。』(前回)

緩和しすぎだけどな。

『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、0%台後半となっている。予想物価上昇率は、横ばい圏内で推移している。』(今回)
『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品、以下同じ)の前年比は、1%程度となっている。予想物価上昇率は、横ばい圏内で推移している。』(前回)

こちらの物価の現状の話なんですが、これは直近のCPIの伸びが下がって1%程度というのは無理があるので0%台後半という表現にしたという代物なのですが、どこぞのベンダーが「日銀、物価の見方を下方修正」とかいうような感じで(細かい表現覚えてない)フラッシュを打つというプレイがあったりしまして、ナンジャソラと思って確認するとどこからどう見てもこの部分しか変更箇所がないので、この部分を指してヘッドラインにしたように見られます。

確かにこちらの声明文で書かれているうち、需要項目に関するようなアセスメントには「評価」成分が入っているので、そこの評価が変わったということになると変化としては意味があるのですけれども、CPIの実数値に関する部分は、実数値に対応した表現を自動的に使うことになっているので、確かに表現は変わっているのですけれども、先行き評価の文言と合わせてみないとここはアセスメントの変化とかそういう話にはならないですし、現実問題としてこの後の部分は変更がないので、この物価の現状数値を捕まえて「下方修正」とヘッドラインを打つのはかなり如何なものかと断ぜざるを得ません。


・先行き見通しも不変

『先行きのわが国経済は、緩やかな拡大を続けるとみられる。国内需要は、きわめ て緩和的な金融環境や政府支出による下支えなどを背景に、企業・家計の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続するもとで、増加基調をたどると考えられる。』(今回)

『先行きのわが国経済は、緩やかな拡大を続けるとみられる。2018年度についてみると、国内需要は、きわめて緩和的な金融環境や政府支出による下支えなどを背景に、企業・家計の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続するもとで、増加基調をたどると考えられる。』(前回)

先行きの方の展望レポートは『(1)経済の中心的な見通し』からの引用になります。

『輸出も、海外経済の着実な成長を背景として、基調として緩やかな増加を続けるとみられる。』(今回)
『輸出についても、海外経済の着実な成長を背景に、基調として緩やかな増加を続けるとみられる。』(前回)

書いてあることは実質的にここまで全文一致ですな。消費者物価に関しては展望レポートの方では『(2)物価の中心的な見通し』からの引用になります。

『消費者物価の前年比は、マクロ的な需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率の高まりなどを背景に、プラス幅の拡大基調を続 け、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる(注2)。』(今回)

『先行きの物価を展望すると、消費者物価の前年比は、マクロ的な需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率の高まりなどを背景に、プラス幅の拡大基調を続け、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる。』(前回)

今回も「マクロ的な需給ギャップの改善」と「中長期的な予想物価上昇率の高まり」が物価上昇のメカニズム、ということですが、それでは4月5月の物価上昇が期待外れ(市場予想よりも弱め弱めで来ている)となっているのは何ででしょうかねえということで、どうも会見でもツッコミは飛んでいたようですが会見要旨は本日出るのでそちらが出てからということで。


・リスク要因

『リスク要因としては、米国の経済政策運営やそれが国際金融市場に及ぼす影響、 新興国・資源国経済の動向、英国のEU離脱交渉の展開やその影響、地政学的リスクなどが挙げられる。 』(今回)

『第1に、海外経済の動向である。具体的には、米国の経済政策運営やそれが国際金融市場に及ぼす影響、新興国・資源国経済の動向、英国のEU離脱交渉の展開やその影響、地政学的リスクなどが考えられる。』(前回)

こちらは展望レポート基本的見解の『(1)経済のリスク要因』の最初の所だけとの比較になるのですが、まあここも変化はなくてそんなもんじゃろというお話。


・最後のお経はまあどうでも良くて・・・・・・・・

『日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する。今後とも、経済・物価・金融情勢を踏まえ、「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う(注3)。 』(今回)

『日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する。今後とも、経済・物価・金融情勢を踏まえ、「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う(注2)。 』(前回)

はいはいお経お経という所ですな。


・提案芸人様が「期限にコミットした物価目標達成」の看板を下ろすという

ということで今回の提案芸人大先生の提案にはなかなかの味わいが感じられますし、木枯らしの吹く秋の夕暮れといった蕭条とした風情を感じる今日この頃(季節と合いませんが^^)。


YCCへの反対理由を確認:

『(注1)賛成(途中割愛)反対:片岡委員。片岡委員は、消費税増税や米国景気後退など 2020年度までのリスク要因を考慮すると、金融緩和を一段と強化することが望ましく、10年以上の幅広い国債金利を一段と引き下げるよう、長期国債の買入れを行うことが適当であるとして反対した。』(今回)

『(注1)賛成(途中割愛)反対:片岡委員。片岡委員は、消費税増税や米国景気後退など2020年度までのリスク要因を考慮すると、金融緩和を一段と強化することが望ましく、10年以上の幅広い国債金利を一段と引き下げるよう、長期国債の買入れを行うことが適当であるとして反対した。』(前回)

ということなのですが、これしかしイマイチ分からんのは「じゃあどういう風に金利を持っていくのですか」という政策の具体的手法と、「そうなった時に何で物価が早期に上がるんですか」という政策のメカニズムの説明がよー分からんところでして、まあよく考えてみたらもう暫くしたら金懇があると思うので、そこで片岡大先生渾身の提案芸を示してくれることを手ぐすね引いてじゃなかったすいません勉強させて頂きたいので心の底よりお待ち申し上げております。


追加緩和云々の方を確認:

『(注3)片岡委員は、コミットメントを強化し、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に達成する観点から、中長期の予想物価上昇率に関する現状評価が下方修正された場合には、追加緩和手段を講じることが適当であり、これを本文中に記述することが必要として反対した。』(今回)

『(注2)片岡委員は、「物価安定の目標」の達成時期を明記するとともに、オーバーシュート型コミットメントを強化する観点から、国内要因により達成時期が後ずれする場合には、追加緩和手段を講じることが適当であり、これを本文中に記述することが必要として反対した。』(前回)

ここの変化が中々味わいがありまして(注の番号が違うのは物価の見通し文言が前回は展望レポートの方に含まれるためです)、一番ワロタのは今回『「物価安定の目標」の達成時期を明記するとともに』という文言が無くなっておりまして、その代わりに『2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に達成する観点から』という風に言い方が変わっている訳ですな。

これはつまり何を意味するかと申しますと、初代置物によりますリフレ理論は、マネタリーベース直線一気理論もさることながら、期限を定めて達成する、というのが置物大先生の説明で「非常に大事なことです」と言っていた訳でして、まあ皆さん何度も見たかもしれませんが、粘着性悪態の一環という事で岩田木久扇師匠の副総裁就任記者会見から引用致しますと、

[外部リンク] つは、2%のインフレ目標を大体いつ頃までに責任をもって達成するのかということに日本銀行がコミットするということです。これにコミットすることが、非常に大事なことです。大体いつ頃までに達成するかということについては、主要国の中央銀行は、大体、「中期的」とか「ミディアムターム」という言葉で表現しています。その「ミディアムターム」というのが実際何年くらいなのか、色々な研究者が調べたところ、大体 2 年くらいということになっています。平均すると 2 年くらいでインフレターゲットの中に入っているので、そういう経験から言っているわけです。 2 つ目は、そういう意味で、2 年くらいで責任をもって達成するとコミットしているわけですが、達成できなかった時に、「自分達のせいではない。 他の要因によるものだ」と、あまり言い訳をしないということです。そういう 立場に立っていないと、市場が、その金融政策を信用しないということになってしまいます。市場が金融政策を信用しない状況で、いくら金利を下げたり、 量的緩和をしても、あまり効き目がないというのが私の立場です。』(2013年3月21日岩田副総裁就任記者会見、会見要旨5ページにある岩田副総裁の発言)

達成できなかった時云々は面倒なのでまた引用しましたが(^^)、それは兎も角として、「達成時期に関してコミットすることが非常に大事」な訳ですよ。でまあ初代置物理論によれば2年で2%行かなかったのは言い訳をしたという事になっております。まあそれが全然言い訳になってないという重大な話を1無量大数歩ほと譲って言い訳を認定したとしましても、置物理論によりますと引き続き「達成時期のコミットメント」が非常に大事であることには変わりない筈なんですよね。


とまあそういう事でありますので、今回片岡さんの反対理由から「達成時期の明記」が抜けてしまったのは、遂に日銀リフレ政策委員までもが置物リフレ理論の「非常に大事なこと」を捨て去ってしまった、という事でございまして、落日の置物理論(というかそもそも日の出にもなっていなかったゴミクズカスのウンコ理論ではあるのですけれども)という事なのですが、元々先代置物大先生が「非常に重要なことです」としていた、という点を意識していて敢えて外してきた、というよりは、この片岡提案芸人先生におかれましては、前回の展望レポートにおける2%到達見込み時期文言削除プレイによって、「達成時期の明記」について他の政策委員(そこにはリフレ派が含まれる筈なのですが)が全員知らんがな、という態度を示したので、その空気を読んで軟化したんじゃネーノかという疑惑はだいぶある。

と申しますのも、大先生の提案芸の推移を就任当初から見ると「片岡:何かよくわからないけど緩和しましょう」→「外野:緩和提案中身なしの反対とな」→「片:15年の金利を0.2%未満に引き下げる(ト゛ヤァ)」→「外:まるで市場を理解していない・・・・・・・」→「片:10年以上の幅広い国債金利を一段と引き下げる、でどうだ!」、とまあそんな感じで来ていまして、追加緩和しろというのは継続しているのですが、どうもこう骨太の構想みたいなのがあるように見えないこの変遷っぷりという感じで、意外にどうでも良い所(というか読む必要もないかもしれないところ)で「空気を読んでくる」というひとなんじゃネーノとゆーのもありまして、いやあの空気読むのはそらそれでご随意になのですが、「達成時期への明確なコミットメント」を政策委員会の反対芸人までが捨て去るという事になってしまうと、元々の政策はどうなっているんだと小一時間ですし、当初の政策からなし崩し的にどんどん変質している点についての落とし前というのをつけていただきたいものである、と斯様思うのですけどどうなんでしょうかね。


と達成時期に関する悪態が長くなりましたが、今回もう1つ???????なのは、前回まであった「オーバーシュート型コミットメントを強化する観点から」という部分でして、このコミットメントって一応MB直線一気理論に少しだけ顔を立てて残してある「MBの量が期待インフレに影響する」という屁理屈もとい理屈に沿ったものでして、このコミットメント自体は残っているのでことさらいう必要は無いのかもしれませんけれども、やはり置物MB直線一気理論の香りを残したオーバーシュート型コミットメントを強化するという文言が外れていくのも味わいが深いですなあ、としみじみと思うのでありました。



#本当はFOMCレビューもしないといけないのですがついうっかりMPMの方で時間を掛けてしまいましたので本日はパスしますが、一つだけ申し上げますと「何か急に今回のFOMC通過したら「利上げサイクルのゴール地点が見えてきた」って雰囲気にがらっと変わってませんか???」ということで(明日以降その話をば)
 


お題「ざっくりとECB/しらっと中期輪番減額とな/FRBメモメモ」   2018/06/15(金)08:03:36  
  中銀ウィーク、あとは肝心のMPMがあるのだがすっかり忘れそうになりますな(--;

〇ECB利上げは来年の夏以降とな

・ステートメント

[外部リンク] policy decisions
14 June 2018

『At today’s meeting, which was held in Riga, the Governing Council of the ECB undertook a careful review of the progress towards a sustained adjustment in the path of inflation, also taking into account the latest Eurosystem staff macroeconomic projections, measures of price and wage pressures, and uncertainties surrounding the inflation outlook.』

と前振りまでありまして、前回の
[外部リンク] policy decisions
26 April 2018

と比較すると分かると思いますが、最初から書き方が違う。

『Based on this review the Governing Council made the following decisions: 』

『First, as regards non-standard monetary policy measures, the Governing Council will continue to make net purchases under the asset purchase programme (APP) at the current monthly pace of ユーロ30 billion until the end of September 2018. The Governing Council anticipates that, after September 2018, subject to incoming data confirming the Governing Council’s medium-term inflation outlook, the monthly pace of the net asset purchases will be reduced to ユーロ15 billion until the end of December 2018 and that net purchases will then end.』

9月以降の買入について、年末までの買入を月額150億ユーロ分のバランスシート拡大とし、バランスシートの拡大は年末で打ち切りとする、ということですが「今の経済物価見通しに沿って経済が推移した場合に以下のようになると予想する(anticipates)」ってんですから一応逃げは打てるようにはなっていますが、まー誰が見てもこりゃアカンという時以外に反故にするというのはよーやらんでしょうから予告ホームランはしたということになるんでしょ。

『Second, the Governing Council intends to maintain its policy of reinvesting the principal payments from maturing securities purchased under the APP for an extended period of time after the end of the net asset purchases, and in any case for as long as necessary to maintain favourable liquidity conditions and an ample degree of monetary accommodation.』

償還再投資については、「an extended period of time after the end of the net asset purchases」の間継続することを企図します(intends)、と言っているので、バランスシートのランオフに関してはまだ先でっせというお話ですし、さっきのanticipatesよりは意思が出ているのがチャーミング。


『Third, the Governing Council decided that the interest rate on the main refinancing operations and the interest rates on the marginal lending facility and the deposit facility will remain unchanged at 0.00%, 0.25% and -0.40% respectively. The Governing Council expects the key ECB interest rates to remain at their present levels at least through the summer of 2019 and in any case for as long as necessary to ensure that the evolution of inflation remains aligned with the current expectations of a sustained adjustment path.』

金利に関しては現在の金利(MROが0.00%で預金ファシリティが▲0.40%で貸出ファシリティが+0.25%)の状況を「at least through the summer of 2019」まで続けることを期待する(expects)ってなっていまして、これまた最初のanticipatesとは動詞を変えているのがなんともお洒落。

『Today’s monetary policy decisions maintain the current ample degree of monetary accommodation that will ensure the continued sustained convergence of inflation towards levels that are below, but close to, 2% over the medium term.』

『The President of the ECB will comment on the considerations underlying these decisions at a press conference starting at 14:30 CET today.』

とまあこの辺は良いとしまして、年末にバランスシート拡大停止する(償還再投資があるからフローの買入は継続する)のは大方の予想通りとして、金利の部分が「少なくとも来年夏まで利上げしないもんねー」と来たのはちょっとハトだったんじゃないかなあ(とりあえず「当面の間は」みたいな感じで曖昧なままにしておくような感じになるのかと)と。

資産買入に関する所はだいたい予告ホームランだし、再投資に関してはやる気満々として、金利に関する部分は結果的にはそんな感じになるのかも知れない(上にもっと後になる可能性も示している)のですけれども、ただまあこちらは物価情勢によって変わってくる可能性はあるでしょうし、この記述部分を「何となくフォワードガイダンス」みたいに扱って緩和効果を出そうとするんだろうなあ、というのは何となく把握した。


・会見の冒頭説明

[外部リンク] Draghi, President of the ECB,
Luis de Guindos, Vice-President of the ECB,
Riga, 14 June 2018

今回はフランクフルトではなくてリガでの開催。

『INTRODUCTORY STATEMENT』

『Ladies and gentlemen, the Vice-President and I are very pleased to welcome you to our press conference. I would like to thank Deputy Governor Razmusa for her kind hospitality and express our special gratitude to her staff for the excellent organisation of today’s meeting of the Governing Council. We will now report on the outcome of our meeting.』

これはただの挨拶。

『Since the start of our asset purchase programme (APP) in January 2015, the Governing Council has made net asset purchases under the APP conditional on the extent of progress towards a sustained adjustment in the path of inflation to levels below, but close to, 2% in the medium term. Today, the Governing Council undertook a careful review of the progress made, also taking into account the latest Eurosystem staff macroeconomic projections, measures of price and wage pressures, and uncertainties surrounding the inflation outlook.』

とありますので、まあ今回の決定に関して先々どうなるかという件に関しては、もちろんのこと総合判断って奴になりますけど、「物価動向と賃金動向、および物価見通しに関する不確実性」を一番気にしながら考えていく、ということでしょうなこりゃ。

『As a result of this assessment, the Governing Council concluded that progress towards a sustained adjustment in inflation has been substantial so far. With longer-term inflation expectations well anchored, the underlying strength of the euro area economy and the continuing ample degree of monetary accommodation provide grounds to be confident that the sustained convergence of inflation towards our aim will continue in the period ahead, and will be maintained even after a gradual winding-down of our net asset purchases.』

資産買入拡大を徐々に停止していくものの緩和的な金融環境は今後も必要、という説明をしていて、金融緩和政策の正常化路線に対する前のめり感を全然出さないっすな。まあ元々ドラギのおじちゃんなので出さないのが仕様、と言ってしまえばそれまでなのかも知れませんが、そのあたりのニュアンスはQ&Aを見た方が良いのかも知れませんね。

『Accordingly, the Governing Council today made the following decisions:』

以下の部分はさっきのプレスリリースと同じだが引用だけはしておく。

『First, as regards non-standard monetary policy measures, we will continue to make net purchases under the APP at the current monthly pace of ユーロ30 billion until the end of September 2018. We anticipate that, after September 2018, subject to incoming data confirming our medium-term inflation outlook, we will reduce the monthly pace of the net asset purchases to ユーロ15 billion until the end of December 2018 and then end net purchases.』

『Second, we intend to maintain our policy of reinvesting the principal payments from maturing securities purchased under the APP for an extended period of time after the end of our net asset purchases, and in any case for as long as necessary to maintain favourable liquidity conditions and an ample degree of monetary accommodation.』

『Third, we decided to keep the key ECB interest rates unchanged and we expect them to remain at their present levels at least through the summer of 2019 and in any case for as long as necessary to ensure that the evolution of inflation remains aligned with our current expectations of a sustained adjustment path.』

でもって、

『Today’s monetary policy decisions maintain the current ample degree of monetary accommodation that will ensure the continued sustained convergence of inflation towards levels that are below, but close to, 2% over the medium term. Significant monetary policy stimulus is still needed to support the further build-up of domestic price pressures and headline inflation developments over the medium term.』

「Significant monetary policy stimulus is still needed」とハト派な言い方頂きました。

『This support will continue to be provided by the net asset purchases until the end of the year, by the sizeable stock of acquired assets and the associated reinvestments, and by our enhanced forward guidance on the key ECB interest rates.』

>by our enhanced forward guidance on the key ECB interest rates.
>by our enhanced forward guidance on the key ECB interest rates.
>by our enhanced forward guidance on the key ECB interest rates.

ということで、今回の決定における金利に関する書き方は「強化された金利に関するフォワードガイダンス」だそうなのですが、この部分に関しては例のドラギおじちゃんのインチキ成分が入っているというか、タカ派のドイツ辺りとの同床異夢的なものがあると思う。つまり、先ほどの声明文の所でも申し上げましたが、この金利ガイダンスに関しては別にコミットメントではなくて、「現時点での将来の予想」という書き方になっているので、あまりこの部分をフォワードガイダンスヒャッハーと喜んでいると、タカ派のバイトおじさんあたりから「あれはコミットメントではなくてただの予想なのでsubject to changeじゃコノヤロー」とかいうような発言が出てくる、という所までがECBの芸風ではなかろうか、とまあ斯様思うわけです。

『In any event, the Governing Council stands ready to adjust all of its instruments as appropriate to ensure that inflation continues to move towards the Governing Council’s inflation aim in a sustained manner.』

これは「必要があれば必要な対処をします」というだけの話。

『Let me now explain our assessment in greater detail, starting with the economic analysis.』

普段ここはスルーしますが、現時点での見通しを確認しておくためにメモメモ。

『Quarterly real GDP growth moderated to 0.4% in the first quarter of 2018, following growth of 0.7% in the previous quarters. This moderation reflects a pull-back from the very high levels of growth in 2017, compounded by an increase in uncertainty and some temporary and supply-side factors at both the domestic and the global level, as well as weaker impetus from external trade. The latest economic indicators and survey results are weaker, but remain consistent with ongoing solid and broad-based economic growth.』

この辺は直近までの経済データのレビュー。

『Our monetary policy measures, which have facilitated the deleveraging process, continue to underpin domestic demand. Private consumption is supported by ongoing employment gains, which, in turn, partly reflect past labour market reforms, and by growing household wealth. Business investment is fostered by the favourable financing conditions, rising corporate profitability and solid demand. Housing investment remains robust. In addition, the broad-based expansion in global demand is expected to continue, thus providing impetus to euro area exports.』

域内における需要項目の説明中(まあ毎度そうなのですが)金融政策の効果による緩和されたファイナンシャルコンディションの寄与を強調するのがドラギクオリティ。

『This assessment is broadly reflected in the June 2018 Eurosystem staff macroeconomic projections for the euro area. These projections foresee annual real GDP increasing by 2.1% in 2018, 1.9% in 2019 and 1.7% in 2020. Compared with the March 2018 ECB staff macroeconomic projections, the outlook for real GDP growth has been revised down for 2018 and remains unchanged for 2019 and 2020.』

2018年の見通しを今回若干下げているようですが、実質GDP成長率は今年から順に2.1%、1.9%、1.7%だそうな。

『The risks surrounding the euro area growth outlook remain broadly balanced. Nevertheless, uncertainties related to global factors, including the threat of increased protectionism, have become more prominent. Moreover, the risk of persistent heightened financial market volatility warrants monitoring.』

貿易問題の進展と市場のボラが高まる可能性については要注意だがリスクはバランス。

『According to Eurostat’s flash estimate, euro area annual HICP inflation increased to 1.9% in May 2018, from 1.2% in April. This reflected higher contributions from energy, food and services price inflation. On the basis of current futures prices for oil, annual rates of headline inflation are likely to hover around the current level for the remainder of the year. While measures of underlying inflation remain generally muted, they have been increasing from earlier lows.』

物価の現状に関する話と原油要因の先行き見通しですな。

『Domestic cost pressures are strengthening amid high levels of capacity utilisation, tightening labour markets and rising wages. Uncertainty around the inflation outlook is receding.』

その前の所でエネルギー以外でもサービスと食品の要因での物価上昇に言及していましたが、域内でのコスト上昇圧力が高まっていて、稼働率も上がってきているのでお賃金が上がってくるとみられるので、その結果物価に関して下振れの不透明性はだいぶなくなってきているというような認識にはなっていますな。

『Looking ahead, underlying inflation is expected to pick up towards the end of the year and thereafter to increase gradually over the medium term, supported by our monetary policy measures, the continuing economic expansion, the corresponding absorption of economic slack and rising wage growth.』

ということで・・・・・・・

『This assessment is also broadly reflected in the June 2018 Eurosystem staff macroeconomic projections for the euro area, which foresee annual HICP inflation at 1.7% in 2018, 2019 and 2020. Compared with the March 2018 ECB staff macroeconomic projections, the outlook for headline HICP inflation has been revised up notably for 2018 and 2019, mainly reflecting higher oil prices.』

物価見通しは2018年以降1.7%での推移を見込んでいますので、これがある程度の幅をもって上振れまたは下振れてくるようになれば金利引き上げの時期が前後にずれてくるという事になるんじゃないでしょうか。

ということで甚だ簡単ではございますがそんな感じで。


〇中期輪番減額キタコレ

昨日の輪番オペオファー
[外部リンク] 2,500 2018年6月15日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,000 2018年6月15日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 1,900 2018年6月15日
国債買入(残存期間25年超) 700 2018年6月15日

>国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,000

ほほうという所でして、中期輪番減額するなら今週のイベント通過してから(来週再来週にかけて中期輪番あと3回残っている)かなあと思っていたのですが、今回はFED利上げのどさくさに紛れて中期輪番の減額を打ち込むという新プレイに打って出ました。

まーそもそも論としてこの中期輪番って例の1月のあばばばばーの時に何で打ちますねんという感じで中期輪番の増額が行われて、それまで3000だったのを3300にしやがったという経緯があるので、それを元に戻しましたというだけのお話ではあるのですが、このように輪番に関しては増やすのは簡単なのですけれども、減らすとなると一々タイミングを考えたりインパクト出ないようにしないといけない、と来たもんですから、もう指値オペというスーパー飛び道具をホイホイと使えますし市場も飛んでくる覚悟はある(金利が上がった時には、ですけど)のですから、変な増額とかしないで指値でズバッと止めるという方が良いのではないかと。

でまあここで一番間抜けなのは、本日のMPM後の会見で黒田総裁がうっかり誘導尋問に引っ掛かって、今回の減額と絡められてしまうことになるのですが、なんか再任以降の黒田総裁の会見って覇気が感じられなくて、とりあえず想定問答棒読み感が高まっておられますので、オペレーションとか出口とかに関する想定問答をきちんと作りこんでおけば大丈夫なんじゃないですかねえ(てきとう)。

なお市場ちゃんの方ですが、
[外部リンク] / 15:11 /

『 <15:06> 国債先物が続伸で引け、長期金利0.040%に小幅低下

国債先物中心限月9月限は前日比15銭高の150円76銭と続伸で引けた。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.25%の利上げが決定されたことを受けて、米債市場はいったん下落。しかし、売り一巡後に買い戻しが入った流れを引き継いで、円債は買いが先行した。日経平均株価が軟調に推移する中、FOMCを警戒して金利上昇局面を想定していた一部参加者からの買いを巻き込んで、一時150円78銭まで買われた。

日銀は午前、中期・超長期を対象に通告した4本の国債買い入れのうち、「残存3年超5年以下」のオファー額を前回に比べて300億円減らし、3000億円とした。減額は1日の「残存5年超10年以下」に続き、6月に入り2回目。減額は需給ひっ迫に配慮したとみられているが、事前に市場の減額観測が出ていたため、相場への影響は限られた。』(上記URL先より)

ってなもんで、債券強いの別にオペ減額関係ないと思いますが、何故か1日と逆でオペ減額しているのに債券先物は華麗に値幅を取って上昇となっておりますな、ナンジャソラではありますがこれはオペ部隊ニッコリの展開ですが「事前に減額観測」って最近何かオペの日の度に減額がどうのこうのみたいなレポートやらベンダーコメントを見る気がするのだが、ほかに話すことはないのかという感じは大いにありますけど、まあそんなんですから減額観測とかそういう話になるんでしょうかね。

まーこの調子なら月末辺りの長期輪番で4300→4100に減らすとか、どうせなら4000とかに減らして頂きたい訳で、長期と中期の輪番に関しては減ったといってもそもそもが増やした分を減らしただけ(しかも長期はまだ減らし切っていない)というだけなのではよ減らせやというのはある。


〇FEDメモ

[外部リンク] of Chairman Powell’s Press Conference Opening Statement June 13, 2018

こちらの方のネタもやらないといけませんが、今回の冒頭ステートメントの最後に

『And finally, as discussed in the minutes of our May meeting, we are making a small technical adjustment in one of our tools for implementing monetary policy. To keep the federal funds rate in the target range, we rely on the rate of interest on excess reserves, or the IOER rate. Up until now, we have set the IOER rate at the top of the target range for the federal funds rate. In recent months, the federal funds rate has moved up toward the IOER rate as short-term interest rates have risen more generally. So to move the federal funds rate closer to the middle of the target range, we are now setting the IOER rate 5 basis points below the upper end of the target range. This minor technical adjustment has no bearing on the appropriate path for the federal funds rate or financial conditions more generally. 』

とありまして、IOERとRRPのコリドアに関して、短期金利がIOERを上回ることが出てきたので、IOERの金利を誘導レンジ上限から5bp下にしたようですな。
 


お題「寝起きでFOMC/日銀からペーパーが出ている件をメモメモ」   2018/06/14(木)08:03:42  
  大差がつくのは想定されていたようですが・・・・・・
[外部リンク]
2018/06/14 01:43

本日は寝起きのFOMCの他に日銀が怒涛のスタッフペーパー攻撃をしているのでそのメモをFOMCネタの後に投下しておきました。

〇FOMC声明文:ついに1枚紙に収まる声明文へ

まずは声明文

今回
[外部リンク] received since the Federal Open Market Committee met in May indicates that the labor market has continued to strengthen and that economic activity has been rising at a solid rate.』(今回)

『Information received since the Federal Open Market Committee met in March indicates that the labor market has continued to strengthen and that economic activity has been rising at a moderate rate.』(前回)

もうね、この総括判断部分のところで上がっているのがキタコレになっておりまして、経済の活動はモデレートな拡大からソリッドな拡大に引き上げですわよ奥様。

『Job gains have been strong, on average, in recent months, and the unemployment rate has declined. Recent data suggest that growth of household spending has picked up, while business fixed investment has continued to grow strongly.』(今回)

『Job gains have been strong, on average, in recent months, and the unemployment rate has stayed low. Recent data suggest that growth of household spending moderated from its strong fourth-quarter pace, while business fixed investment continued to grow strongly.』(前回)

この辺でも失業率に再度「低下」の認識を示し、家計の消費支出に関しての判断も引き上げています。

『On a 12-month basis, both overall inflation and inflation for items other than food and energy have moved close to 2 percent.』(今回)
『On a 12-month basis, both overall inflation and inflation for items other than food and energy have moved close to 2 percent.』(前回)

物価の現状数値に関しては「have moved close to 2 percent」の表現同じ。

『Indicators of longer-term inflation expectations are little changed, on balance.』(今回)
『Market-based measures of inflation compensation remain low; survey-based measures of longer-term inflation expectations are little changed, on balance.』(前回)

インフレ期待に関する表現ですが、「債券市場から見るインフレ期待が依然として低いけどサーベイで見るインフレ期待は全般的に見た場合にあまり変わっていません」という表現だったのが、思いっきりシンプルになってきまして、インフレ期待に関する表現がこうなっているのは地味にデカいかなと思う。

ということで第1パラグラフを見て既におーという感じではある。


・第2パラグラフ:「先行きの政策スタンスの調整」ではなくて「先行きの金利引き上げ」ですかそうですか

『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability.』(今回)
『Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability.』(前回)

ここはいつも通り。

『The Committee expects that further gradual increases in the target range for the federal funds rate will be consistent with sustained expansion of economic activity, strong labor market conditions, and inflation near the Committee's symmetric 2 percent objective over the medium term.』(今回)

『The Committee expects that, with further gradual adjustments in the stance of monetary policy, economic activity will expand at a moderate pace in the medium term and labor market conditions will remain strong. Inflation on a 12-month basis is expected to run near the Committee's symmetric 2 percent objective over the medium term.』(前回)

たぶん誰か会見で聞いている(あるいはオープニングリマークで説明しているかもですがそこまでまだ読み切っていない)のではと思うのですが、今回は「さらなる政策金利の引き上げを行うことによって強い労働市場と物価2%のシンメトリックな目標に向けて適切な政策運営と見込む」というような書き方になっていまして、前回まではこの部分が「さらなる政策運営スタンスの調整」という形でしたので、ここは何ぞというのはだいぶある。

この部分の変化をタカ派バイアスかけて読むと、政策スタンスの調整というのは緩和→中立というのを徐々にやっていく、という話ですが、利上げと書いてあるので、将来中立以上に金利を引き上げるという可能性というのをより示唆している、という風にも読めるのですが、まあSEPの方で2020年ではロンガーランよりも高い金利水準になるという見通しを既に出している(今回若干上がったがもとよりそういうのが出ていた訳で)のでそこまでバイアスかけて読む必要はないかも知れません。

なおハト派に読む場合は「symmetric 2 percent objective」に着目して考える訳でして、従来物価上昇がマンデート未達の所だったことを勘案すると、物価が多少上振れしても政策スタンスが急に引き締め的になることはないぜヒャッハーということになるのですが、今申し上げたSEPでの政策金利見通し見ると別にそういう訳でもないということになりますな。

あとね、今回って物価の先行きが云々というのを文言から外していまして、SEPの見通しのメディアンを見ますと(このあとやります)2018年の見通し(日銀と違ってFEDは暦年末値、日銀は会計年度平均値)時点でコアもヘッドラインも引きあがって2%に乗っているからかなとは思いますが、まあそういう辺りにも自信の風格が。

『Risks to the economic outlook appear roughly balanced.』(今回)
『Risks to the economic outlook appear roughly balanced.』(前回)

先行きのリスク認識は「概ねバランス」で同じ。


・第3パラグラフ:利上げのところは数値以外同じ

『In view of realized and expected labor market conditions and inflation, the Committee decided to raise the target range for the federal funds rate to 1-3/4 to 2 percent.』(今回)
『In view of realized and expected labor market conditions and inflation, the Committee decided to maintain the target range for the federal funds rate at 1-1/2 to 1-3/4 percent.』(前回)

はいはい利上げ利上げ。

『The stance of monetary policy remains accommodative, thereby supporting strong labor market conditions and a sustained return to 2 percent inflation.』(今回)
『The stance of monetary policy remains accommodative, thereby supporting strong labor market conditions and a sustained return to 2 percent inflation.』(前回)

金融政策スタンスは引き続き緩和的で云々というのは前回と文言一致です。


・第4パラグラフ:ここで文章をザックリ削除している&シンメトリックをここでも入れてきているの巻

『In determining the timing and size of future adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will assess realized and expected economic conditions relative to its maximum employment objective and its symmetric 2 percent inflation objective.』(今回)

『In determining the timing and size of future adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will assess realized and expected economic conditions relative to its objectives of maximum employment and 2 percent inflation.』(前回)

今回はこのパラグラフ、すなわち先行きの金利水準をどうしていきますかというお話の部分が大きく手が入っていまして、ここってこれまであんまり動かしていない部分だったので、普段動いていないのが動くというのは好事家的に言えば「クララが立った!」みたいな話になるので珍しくこのパラグラフをぶちぶち切りながら確認。

でここですけれども、前のパラグラフには既に入っているのですが、今回このパラグラフにも「symmetric 2 percent inflation objective」ということでシンメトリックを入れて来まして、さっきの2パラの所で申し上げたハト派(正確にはそれ長期的に見たハト派なのかどうかは微妙っすけど)バイアスの方で使った「シンメトリックというのが入っているのは少々の物価上振れを容認」理論を使いますと、インフレ水準目標とかそっちの議論を意識して入れてきている、という可能性も考えようと思えば考えられるところですが、物価上振れ容認の物価水準目標派の方って基本的に将来の金融政策での緩和糊代論で来ているので、実は長期的な目で見ると金利が高くなるという話なので一概にハト派とするのもどうかと思う。

『This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments.』(今回)

『This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments.』(前回)

と、ここまでは同じなのですが、今回はここで文章を切っていまして、前回切られる前にあった文章は何ですねんと申しますと・・・・・・・・・・・・・

『The Committee will carefully monitor actual and expected inflation developments relative to its symmetric inflation goal. The Committee expects that economic conditions will evolve in a manner that will warrant further gradual increases in the federal funds rate; the federal funds rate is likely to remain, for some time, below levels that are expected to prevail in the longer run. However, the actual path of the federal funds rate will depend on the economic outlook as informed by incoming data.』(前回)

という割と長い部分でして、「物価動向及びインフレ期待の動向を注意深く見る」というのが抜けたのはSEPと合わせてみれば2%達成に自信ニキという話でしょうが、恐らく(市場の講釈と反応を今日は実は全然見ていないのだ、時間がもったいないから^^)その次の文の後半、「the federal funds rate is likely to remain, for some time, below levels that are expected to prevail in the longer run」の所を引っこ抜いた辺りは市場が反応するとすれば反応する部分で、ここって「FF金利は暫くの間は中立金利水準とみられる水準よりも低いレベルにとどまることになるでしょう」というのを抜いているので、強めに言ってしまえばガイダンス文言の削除になるんですけど、まあそもそもがここの部分をガイダンスとして読むのはちょっとバイアス入ってますなという感じはしますけど、あえてぶっこ抜いてきたのはほほーという感じです。最後の「将来のパスは状況によって変わります」ってのは本来当たり前の話なのでぶっこ抜いても問題ないちゃあ問題ないのですが、そもそもがこの文言って「オートパイロットで利上げしていくんじゃないか」という思惑を中和するために入れた文言ですので、その裏側をやっているというのはオートパイロットキタコレという読み筋を入れる人がいてもおかしくない。

まあいずれにせよ、この辺のぶっこ抜いた部分って緩和継続的な雰囲気を示す文言ではあったので、そのあたりを外してシンプルにしてきたのは先行き中立金利水準まで利上げしていくというスタンスと、マンデート達成への自信を示したという解釈は出来ると思います。


・第5パラグラフ:全員一致で賛成とな

『Voting for the FOMC monetary policy action were Jerome H. Powell, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; Thomas I. Barkin; Raphael W. Bostic; Lael Brainard; Loretta J. Mester; Randal K. Quarles; and John C. Williams.』(今回)

『Voting for the FOMC monetary policy action were Jerome H. Powell, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; Thomas I. Barkin; Raphael W. Bostic; Lael Brainard; Loretta J. Mester; Randal K. Quarles; and John C. Williams.』(前回)

ほほう。


〇SEPは声明文のストロングさを中和する穏当な内容になっておると思うのですが

今回
[外部リンク] in real GDP
2.8 2.4 2.0 1.8
March projection
2.7 2.4 2.0 1.8

Unemployment rate
3.6 3.5 3.5 4.5
March projection
3.8 3.6 3.6 4.5

とありますように、足元の所を若干上方修正していて、先の所はあんまり変えていません。

PCE inflation
2.1 2.1 2.1 2.0
March projection
1.9 2.0 2.1 2.0

Core PCE inflation4
2.0 2.1 2.1
March projection
1.9 2.1 2.1

とありまして、物価も足元だけ上げているのですが、メディアンが2.1%になるとおーという感じはしますな。ただまあメディアンはメディアンであって、これがビューな訳ではないので要注意。


・政策金利見通しはメディアン動いたけど実質的に見た場合ほぼ動いていない

Memo: Projected appropriate policy path

Federal funds rate
2.4 3.1 3.4 2.9
March projection
2.1 2.9 3.4 2.9

となっているのでメディアンが動いた、という話なのですが、皆様既にご承知の通り、そもそもこのメディアンって1人動くとずれてしまうような状態に前回ありまして、実際のドットプロットを見ましても、

年5回利上げ:1名→1名
年4回利上げ:6名→7名
年3回利上げ:6名→5名
利上げするんじゃねえよこのヴォケ:2名→2名

となっておりまして、単に年3回の人が一人年4回に転んだだけでして、FOMC声明文の自信ニキに比べて別にそんなにがっつり上がっている訳でもない。

2019年に関しても
3.25-3.50:3名→3名
3.00-3.25:2名→4名
2.75-3.00:6名→4名
2.50-2.75:1名→1名
(上下の外れた人は割愛、2.75%ピンポイントの人が前回居たので便宜的に2.75-3.00に入れた)

なのでびっくりするほど上方シフトしている訳ではないですし、ロンガーランに至ってはプロットが前回と全く同じとなっているので、SEPに関しては声明文がやたら強い(ようにアタクシには見える)のをだいぶ中和している感isあるという感じです。

#案の定オープニングステートメントをやる時間は無かった

〇英文が先行して出ていた例の自然利子率レポート登場の巻

[外部リンク]
―DSGEモデルに基づく水準の計測と決定要因の識別―

ということで『要旨』を引用しておくとですな、

『本稿では、わが国の自然利子率の水準とその決定要因について推計している。具体的には、先行研究において自然利子率の変動に寄与すると考えられている複数の要因について、それぞれの定量的な重要性を計測・比較することに主眼を置いた動学的確率的一般均衡モデルを構築し、1980年から2017年のデータを用いて推計を行った。分析結果は以下の3点である。』

『第1に、わが国の自然利子率は趨勢的な低下傾向にあり、1980年代の約4%の水準から、直近5年間では約0.3%の水準まで低下した。こうした自然利子率の低下の多くは、中立技術の変化に起因するものであった。この間、投資特殊技術や人口動態、需要要因の変化も自然利子率の下押しに寄与していたものの、その定量的な大きさは限定的であった。』

『第2に、将来に亘る自然利子率の予想値についても、趨勢的な低下傾向や、その変動に占める中立技術の重要性が観察された。この結果は、経済主体の間で、自然利子率の変化が一時的なものではなく、持続的なものとして受け止められてきたことを示している。』

『第3に、自然利子率の変動に対する定量的な寄与という観点から決定要因を比較すると、金融仲介活動の機能度の寄与は中立技術に次いで2番目に大きく、とりわけ、1990年代に始まった銀行危機時においては、自然利子率を大きく押し下げていた。こうした結果は、自然利子率の動向を分析する際には、中立技術の推移のみならず、金融仲介活動の機能度についても注視する必要があるということを示唆している。』

とまあそういう話になっているのですが、本文はこちら。
[外部リンク] Rate of Interest in Japan -- Measuring its size and identifying drivers based on a DSGE model --」の日本語訳版である。』(ここまでは上記URLのうちHTML版(要旨説明版)から引用しています。

とありますように、英文の方は
[外部リンク] Rate of Interest in Japan
-- Measuring its size and identifying drivers based on a DSGE model --
March 14, 2018

ちなみに要旨は上のが英語になっているのでパスしますが、本文は
[外部リンク]
[外部リンク]
須藤直、岡崎陽介、瀧塚寧孝(日本銀行)

というのが出ていましてとりあえず書いてあることが分からなくても図表を追ってみると、浅学菲才でありますところのアタクシであっても直観的に何となく分かるような作りになっております。

てな訳で途中から引用しますと(以下の部分は直上のURL先になります(リサーチラボ)わが国の自然利子率の決定要因から引用しています)、

『図4では、DSGEモデルで推計された自然利子率と「総括的な検証」で用いた手法により推計された自然利子率を示している。何れの推計値も、1990年代から趨勢的に低下し、2000年代以降0〜1%程度の水準で推移している点は共通している。最近数年については、DSGEモデルやLaubach and Williams (2003)の手法を用いた推計値が0%台後半まで上昇してきている潜在成長率に向けて上向いてきている一方、今久保ほか(2015)の手法やHPフィルターを用いた推計値は、若干のマイナスないしマイナス幅を拡大する方向で推移している。このように推計手法によって、推計値には相応の幅があるが、これらを踏まえて総合的に判断すると、最近の自然利子率は、概ね0%程度の範囲内で推移していると考えられる。』

つーことで、確かこの英文ペーパーが出ていた時は、NK-DSGE型モデルで計算した数値の結論が「1%程度」だった上に、スタッフペーパーなのですが書いているスタッフの所属が調査統計局(経済調査課方面)ではなくて企画局ということもありまして、一部の好事家にキタコレと話題になったという代物なのですが、今回は図4を示すことによって、別に自然利子率の新たな解釈を出して1%とか言い出したんじゃないんですよ!!!!!というのをアピっておられる、という所に味わいがある訳ですな。

でまあそのあとに『図5. DSGEモデルを用いた自然利子率の要因分解』というのがあって、以降が『OGモデルでみた先行きの自然利子率への人口動態要因の影響』という小見出しからの、

『先行きの自然利子率も、技術進歩率や金融仲介活動の機能度をはじめとする経済構造の変化に大きく依存して推移する可能性が高い。これら経済構造の先行きを予測することは容易ではないが、経済構造のうち人口動態については、相対的に予見しやすいと考えられる。わが国の場合、他国と比べて顕著な少子高齢化が今後も進展していくことが確実視されており(図6)、こうした人口動態要因が先行きの自然利子率に及ぼす影響を評価しておく意義は大きい。』

という話なのですが、

『そこで、以下では、OGモデルを用いた自然利子率のシミュレーション結果を紹介する。OGモデルとは、家計の経済行動が年齢ごとに異なることに着目して、年齢が異なる複数の世代を明示的にモデル化したものであり、人口動態の変化とマクロ経済変数の関係性について含意を有することから、社会保障制度の分析などに広く用いられる。ここで紹介する須藤・瀧塚(2018)のモデルは、わが国の家計のライフサイクルをできるだけ再現する形でモデル化された80世代からなる家計部門と、わが国の実際の制度と整合的となるようにモデル化された社会保障部門、政府部門から構成されており、経済全体の人口分布の変化が、自然利子率に与える影響について詳細に分析することができると考えられる。とりわけ、少子高齢化の自然利子率への影響は、理論的には押し上げと押し下げ双方があり得るため(図7)、ネットでみた評価については、こうした精緻なモデルを用いることが必要になる。』

という話になっておりまして、図7の方はHTMLの方を見ていただきたい訳ですが、その結論は、

『図8は、国立社会保障・人口問題研究所による人口動態予測を用いて、先行き2060年までの自然利子率の推移を計算したものである4。ここで、技術進歩率などの経済構造については、直近と同水準で推移するとの想定を置いている。これによれば自然利子率は、今後、2040年代にかけてごく緩やかに低下するものの、0%以下まで落ち込むことはなく、長い目でみれば近年と概ね同水準で推移する。』

ホンマカイナ。

『こうした自然利子率の推移に関して、今後の少子高齢化の進行が如何に作用しているかを明らかにするため、前述の人口問題研究所の推計値に沿って少子高齢化が進展した場合(ベースライン)に加え、出生率と寿命の先行きが2015年時点の値から不変であった場合(仮想的なシミュレーション)についても自然利子率を計算し5、両者の乖離を要因分解したものが図9である。ここからは、人口動態要因はネットでみて自然利子率を押し下げる方向に寄与していること、また、押し下げ寄与の主因は、寿命要因であることが確認できる。これは、長寿化を予想した家計が将来に備えて貯蓄を増加させることで、マクロ経済全体でみた資本ストック量が労働供給量対比で過剰になり、自然利子率が低下するというメカニズムが働いた結果であると考えられる。』

つーことなので、

『もちろん、実際の先行きの自然利子率の動向は、このシミュレーションで一定とした人口動態以外の経済構造の変化にも大きく依存することに改めて留意する必要がある。例えば、技術進歩率の先行きが、図9のシミュレーションで用いた直近時点の値の1.1%から2%に上振れたケースと、逆に0%へ下振れたケースについてシミュレーションを行うと、前者では自然利子率が2%近くまで上昇する一方、後者では自然利子率が明確なマイナスで推移するなど、結果は顕著に変化する(図10)。』

だそうで、結論的には人口動態要因が必ずしも自然利子率の低下に一方的に寄与する訳ではないですよ、という話なのですが、何となく丸め込まれている感isある。

すなわち結論の『おわりに』では、

『本稿では、構造型アプローチを用いてわが国の自然利子率を分析した岡崎・須藤(2018)と須藤・瀧塚(2018)の結果を基に、自然利子率の動向や変動要因、先行きの自然利子率への人口動態要因の影響について整理した。これら構造型アプローチおよび他の手法によるそれぞれ異なる推計結果を総合的に判断すると、わが国の自然利子率は、1990年代から趨勢的に低下し、最近は概ね0%程度の範囲内にあるとみられる。構造型アプローチによれば、趨勢的な低下の主因は、技術進歩率の変化である。また、1990年代半ば以降の銀行危機時や近年など時期によっては、金融仲介活動の機能度も自然利子率の変動に相応に寄与したとみられる。』

『自然利子率は、今後もこれらの要因を含む経済構造の変化に大きく依存して推移すると考えられる。わが国の場合、少子高齢化の一段の進展が確実視されている。こうした人口動態の変化は自然利子率の下押し圧力となるが、自然利子率の水準をはっきりと押し下げるものではないとみられる。』

ということでして、NK-DSGEモデルで計算した1%の話で盛り上がられても困りますんで解説を入れてみましたよ、というのと、人口動態の問題から自然利子率って下がりっぱなしだよねというのには反論しておく、というのは把握しました。

しかしまあ何ですな、自然利子率に関しての図表4とかはまさに仰せの通りではあるのですが、こうやって自然利子率の計測誤差が1%じゃ効かなくありますよ、というような話になると、それは事実としてそうではありますけど、その点を前面に出してしまいますと何が問題なのかって言いますと、YCC政策における誘導水準に関する説明で微妙に困る話になる訳でして、当初の総括的検証およびYCC導入時の説明を振り返りますと、なんとなくフワッとはしていましたけど、非伝統的政策を行う中において、いわゆる中立金利の概念を短期金利だけではなく長期金利にも敷衍し、その一方で副作用なども勘案して考えた場合、中立金利を長期金利まで引っ張ったイールドカーブ(均衡イールドカーブ)に対して「適切な緩和度合い(=金融政策による名目金利の引き下げ度合い)」がイールドカーブのグリッドによって異なってくるのだが、その適切な緩和度合いを達成するような政策を行うことによって物価目標の早期達成に対して最適な政策を行うことができますよ、という話になっている訳ですよ。

もとより中立金利の計測には誤差がある、という話ではあるのですが、それにしても幅が1%超とか言う事になりますと、そもそも論としてYCCという政策運営のコンセプト自体が実務的に使えないんじゃないのとか、そもそも10年0%で置いてる根拠は何なのよ、というようなお話になってきて、結構これYCC政策の説明との整合性をゴリゴリ突っ込まれると(答えは用意していると思うが)難しいと思うの。

いや勿論実際問題としては「とりあえずエイヤ!で金利を置いて誘導してみました」→「経済物価状況という形で出たレスポンスから政策の緩和度合いを判断する」→「緩和が足りないなら金利下げ、やり過ぎなら上げ」という形でのフィードバックループによって金融政策運営をしていく、ということになるのでしょうが、そうなってくるとそもそもYCC政策って従来の金利政策の運営とどこがどう違うの、という話になるし、10年0%の水準も本来は経済物価情勢(主に物価情勢になると思いますが)の進捗度合いを見ながら常に修正をしていくという話になって、今の政策枠組みとイマイチ親和性がない、という事になると思うのですが、その辺を詰められそうになると手を変え品を変え色々な小道具が出てきて何となくその場はスルーしてしまうというのが総括検証以降の動きのような気がするんですよね、いやはや。


ところで、人口動態と自然利子率に関する話は同時に出ているペーパーに

[外部リンク]
―世代重複モデルに基づく分析―

というのがあって、さっきのリサーチラボの内容の詳しいのが本文
[外部リンク]
 


お題「金融政策ネタ前の虫干しネタで日銀のスタッフペーパーの鑑賞でも」   2018/06/13(水)07:53:02  
  まあだいたい国営放送が否定気味のニュアンスで報道したくなるのは分かる。(この内容でラジオニュースやってたが言い方にネガティブ臭が漂っていた)
[外部リンク] 北朝鮮非核化へ高官レベル協議急ぐ
2018年6月13日 4時52分

『アメリカのトランプ大統領は、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長と史上初の米朝首脳会談を行い、朝鮮半島の完全な非核化への決意を確認したとする一方、その具体的な行動や検証方法では合意できませんでした。トランプ大統領は今後、北朝鮮と高官レベルで非核化をめぐる協議を急ぎ、成果につなげたい考えです。』(上記URL先より)

ってなっているけど、共同声明の前に「things are going better than expected」とか「(共同声明を)very important document」と言ってみたり、金委員長を「very talented man」と言ってみたりしていたトランプおじさんのコメント(ブルームバーグテレビのヘッドラインによります)を見たらトランプさん的には大成功だぜガハハハハハってなもんでしょうな。

まーこれから時間が掛かるだろうなというのだけは把握したのと、決裂になってドンパチとかいうような事には(将来は知らんが今の所は)ならなくてとりあえずホッと一息、くらいの知見しかアタクシにはないけど。


〇しばらく前に手を付けただけで放置しておりましたので(国債社債買入の効果に関して)

しばらく前に頭のところだけ引用して放置プレイでしたのでまた政策ネタが来る前に。

[外部リンク] Paper Series 2018-E-4
The Effects of the Bank of Japan's Corporate and Government Bond Purchases on Credit Spreads

本文はこちら
[外部リンク] Introduction 』の3パラグラフ目から参りますが。

・先行研究のご紹介とどうやって分析するのかというお話など

『Studies on U.S. firms’ credit spreads such as Gilchrist and Zakraj?ek (2012), referred to as GZ hereafter, Longstaff, Mithal, and Neis (2005) and Mahanti et al. (2008) show that firm-specific default risk and a vector of bond-specific variables including the liquidity measures of corporate bonds are determinants of credit spreads. In addition to these variables, Nakashima and Saito (2009) argue that economy-wide variables affecting all bonds, for instance, high-powered money, also play an important role in determining credit spreads in Japan.』

『Following these studies, we build a regression model of credit spreads that extends GZ’s model and estimate it using a micro dataset covering 5,614 bonds issued by 383 firms over the period from 1997 to 2016. We regress credit spreads on novel market-wide variables such as the relative scarcity measures of corporate bonds to government bonds and FIs’ risk appetite measures in addition to conventional measures including firms’ default risk.』

つーことで、1997-2016の社債スプレッドを使って分析しているそうなのですが、「国債に対する社債の希少性」というのと「金融機関のリスクアペタイト」っつーのはまあ分からんでもないのですが、「企業のデフォルトリスク」に関してどうやって分析しますねんというのは正直ナンジャソラ的な感はありますけど、そういやこの前だか1つ前だかのFSRでマイナス金利政策ぶっこんでみたら株式市場から観測される金融機関のデフォルトリスクが上がりました、という分析があったわいなと思ってこの先のほうにある説明を見てみたら、どうもそういう理屈で、株式市場からインプライしたものを企業のデフォルトリスクみたいな感じで扱っているっぽい(ように読めた)。

でまあそれはそれで理屈としては分からんでもないのだが、そうなってくると最早それ社債買入関係ないんじゃネーノという感はだいぶしてくる話であって、しかもジャパンの場合はこの間に日銀の株式買入というイベントが発生しているので、そっちの部分も加味して考えなきゃいけないんじゃないの?とは思いましたし、大体からして株式市場って企業のデフォルトリスク云々でプライシングするのは、(あくまでも直感的な話なので全然根拠はないけど)何らかの閾値を超えた時であって、通常はデフォルトリスクまで考えてプライシングせんじゃろという風にも思えるので、まあ「市場が考える個別企業のデフォルトリスク」に株価を入れて、そこから社債のスプレッドの要因分解をするというのは分からんでもないですけれども、なんかそれは違うんじゃないのかなあという感は拭えない。

『Our focus on the market-wide variables is based on the studies on the effects of central bank asset purchases. These studies include D’Amico and King (2013), Greenwood, Hanson, and Liao (2017), Greenwood and Vayanos (2014), He and Krishnamurthy (2013), Krishnamurthy and Vissing-Jorgensen (2011), and Vayanos and Vila (2009). While these lines of studies mainly examine government bond purchases, few studies investigate corporate bond purchases.』

とは言え、そもそも社債買入まで含めた形での金融政策による効果を分析した、という先行研究も少ない(そら買入している所が少ないんだから当たり前だわな)ですわな。

『Vayanos and Vila (2009), D’Amico and King (2013) and Greenwood and Vayanos (2014), using preferred habitat models, show that government bond purchases by the central bank, by reducing the supply of bonds, reduce the yields of bonds with similar maturities (the local supply channel) as well as the entire yield curve (the global supply channel). Greenwood, Hanson, and Liao (2017) develop a theoretical model of preferred habitat investors in multiple asset markets and show that a positive shock to the supply of government bonds increases the yield of government bonds through the local supply channel and the yield of corporate bonds through the global supply channel. Moreover, the response of government bond yields to the shock is greater than that of corporate bond yields. As a result, a positive shock to the supply of government bonds reduces credit spreads. Another important theoretical prediction of the preferred habitat models is that the local supply effect declines as FIs become aggressive toward taking arbitrage opportunities arising from the supply effect. 』

特定期間選好理論モデルを使って分析するそうですけれども、先行研究によりますと国債の買入によって国債の需給に影響を与えて金利が低下すると社債のスプレッド縮小に効く、とか、社債そのものの需給効果や金融機関のリスクアペタイトが活発化すると社債のスプレッドに効く、だそうですが、まあこれは何となく直感的にはそうかなとは思う(単にデフォルトコストをカバーするスプレッドを要求するというだけの話だったら、金利が低くなると金利収入が減る分だけデフォルト食らった分のカバーするのが大変になるからスプレッド拡大とか言いたくなるけど、金利が低いということは利回り追求の動きを強めることになるのでスプレッドは縮小しやすくなる)けど、頭が悪いからよくわからん。


・でもって分析の結果

『As a natural experiment for investigating the multiple markets preferred habitat model, the case of the BOJ’s bond purchases is quite appealing since a notable feature of the BOJ’s corporate bond purchases enables us to identify the effect of the bond purchases on credit spreads. The BOJ’s corporate bond purchases target only bonds with a high credit rating and short-term maturities, while the government bond purchases are not limited to certain maturities.』

『By examining the difference in credit spreads between corporate bonds within and outside the BOJ purchase criteria, we can identify the local supply effect within corporate bond market. Table 1 overviews the BOJ’s corporate bond purchase program and further details of the BOJ’s corporate bond purchase program are shown in Appendix A.』

日銀の社債買入は格付け縛り(原則A格相当以上)と残存期間縛り(1年から3年)があるので、その社債買入の対象の範囲と、それ以外の所で分かれたデータが取れるから分析ができまっせということで、

『In addition to the supply effect within corporate bond market, we provide evidence of the supply effect across corporate and government bond markets. Our empirical results suggest that the BOJ’s corporate bond purchases reduced overall credit spreads by increasing the scarcity of corporate bonds, while the BOJ’s government bond purchases exerted upward pressure on credit spreads by increasing the scarcity of government bonds.』

日銀の社債買入は社債の国債に対する希少性を高める(買うから)ことによってスプレッド縮小効果があります、なお国債買入で社債対比の国債の希少性を高めるというのもあるけど、社債買入の方の効果が大きいとな。

『Moreover, we show that the effect of BOJ bond purchases is larger when FIs are more risk averse.』

さらに金融機関のリスクアペタイトが強くなった時にこの効果が高まるとな。

『Regarding the effect of central bank bond purchases on firms’ default risk and credit spreads, Krishnamurthy and Vissing-Jorgensen (2011) argue that central bank bond purchases change financial market participants’ views on the macro economy and, as a result, improve perceptions regarding firms’ default risk. Consequently, the bond purchases result in reducing credit spreads (the default risk channel).2 』

でまあここから先の話が微妙に唸るのですが、企業のデフォルトリスクに関しては、金融緩和政策によってマクロ経済が強まる(あるいはマクロ経済見通しが強まる)ことによって、その結果として企業のデフォルトリスクに関しても好影響を与えるのでクレジットスプレッド縮小の効果がある、というお話(これは先行研究の紹介ですけど)になっておりまして、いやまあ話としては確かにそうではあるのですが、ここまでくると「そもそも中央銀行の資産買入政策が金融緩和政策として機能するのかどうか」という話になってくると思う訳でして、まあ社債の方はまだ話分かりますけど、国債買入の残高水準がドカンと残っていても、今のFEDみたいにその国債買入を不胎化してしまって金利を引き上げるようなことをする中において、その積みあがった国債残高というのはどのような金融緩和効果があるのか、というようなそもそも論の方に話が行くような気がするのですよ。

つまり、このあたりの話まで中央銀行の資産買入という形で分析する、ということになりますと、資産買入すなわち金融緩和みたいな説明になると思うのですが、それって量的緩和してゼロ金利になっている時ならそらそうかも知れませんが、かならずしもイコールフィッティングしないと思うので、そこまで全部資産買入効果にしてしまうのもどうなのかなという風に直感的には思うのですけれどもアタクシ頭が悪いから分からない。

『Turning to the connection of central bank bond purchases with FIs’ risk appetite and credit spreads, He and Krishnamurthy (2013) examine the risk-taking channel. Their intermediary asset pricing theory implies that central bank bond purchases can ease FIs’ equity capital constraint and eventually increase FIs’ willingness to invest in risky assets.』

これも先行研究の分析の紹介になっているのですが、中央銀行が社債買入を行うと、金融機関の資本制約を緩和することになるのでリスクアペタイトが上がる、という線からの分析も先行研究ではしているとのことなのですが、さすがにそれってどうなのよという感はある。金融機関が資本制約がある時に中央銀行が社債買うからと言ってそれでリスクアペタイトが向上するというのはちょっと違うんじゃないかなあと。

『A theoretical prediction of the theory is that by relaxing FIs’ capital constraint, government and corporate bond purchases reduce credit spreads, especially of particular lower-grade corporate bonds.3』

ただまあそうだという事になっているので国債や社債買入は金融機関のリスクアペタイトを向上させてスプレッド縮小になる、という先行研究の結論になっているようだが、少なくとも前回のサブプライム問題以降の金融機関行動というのを考えるに、国債や社債買入でそこまでの結論を持っていくのってちょっと微妙ではないかと思う。まあ単に市場がビビりになっていて機能不全とか、カウンターパーティーリスクがどうのこうのみたいなので無駄にリスクプレミアムが拡大しているという局面ならそうなのかもしれないけれども、なんかこれはケースバイケースのような気がする(危機対応と平常時の話ってその間にデジタルな遷移があると思うの)。

『We define the risk-taking channel following He and Krishnamurthy (2013) as a channel to transmit corporate and government bond purchases to credit spreads through changes in FIs’ risk appetite. In line with He and Krishnamurthy (2013), GZ and Adrian and Shin (2011) argue that the fluctuations in FIs’ risk appetite are mainly due to constraints faced by the FIs rather than their preferences. 』

とは言いましてもまあ先行研究を参考にして分析しているようでして、

『To clarify a causal link between the BOJ’s bond purchases and credit spreads, we investigate the impact of the bond purchases on the future values of firms’ default risk measure and FIs’ risk appetite measure using univariate forecasting specification employed in GZ.』

『Meanwhile, we can easily quantify the impact of the bond purchases on the relative scarcity of corporate bonds to government bonds based on the total outstanding amount of corporate and government bonds available to the public.』

『By combining the estimated elasticity of credit spreads with respect to firms’ default risk, FIs’ risk appetite and the relative scarcity of corporate bonds with the estimated impact of the bond purchases on three variables, we quantitatively evaluate the effects of the BOJ’s bond purchases on credit spreads.』

『We also decompose the effects into the local and global supply effects, the default risk effect, and the risk-taking effect.』

デフォルトリスクに対する期待値、金融機関のリスクアペタイト、社債の希少性という要因を分析して、買入の効果を計測したそうな。

『Our quantitative assessment focusing on the effects through the local and global supply channels shows that an increase of 10 percent in the BOJ’s government and corporate bond holdings from the averages of these values in 2016 is associated with a change in credit spreads of bonds within the BOJ purchase criteria of -0.6 to 1.5 percent over the subsequent quarter.』

『We use two different specifications for the assessment. The effect estimated using one specification is negative, i.e. -0.6 percent, since the downward pressure by corporate bond purchases is larger than the upward pressure by government bond purchases.』

『Meanwhile, when using the other specification, the total effect is positive, i.e., 1.5 percent, since the effect of corporate bond purchases is smaller than that of government bond purchases. Outside the purchase criteria, credit spreads increase by 2 percent over the same period.』

『The difference of the effects between within and outside the purchase criteria shows that the increase of the relative scarcity of corporate bonds within the criteria for the corporate bond purchases causes the reduction of credit spreads by 0.4 to 2.7 percent. 』

国債買入と社債買入のバランス(買入による希少性はどっちも上がるので)なども考えますと、10%の買入拡大によってスプレッドは0.4-2.7%(ベーシスポイントではないっぽい)下がるそうな。

『We also find that the BOJ’s bond purchases have significantly suppressed credit spreads through the default risk channel and the risk-taking channel. Our simulation exercise of an increase of 10 percent in the BOJ’s government and corporate bond holdings from their averages in 2016 indicates that over the subsequent quarter, the decline in overall credit spreads reaches around 7 percent through the default risk channel and ranges from 2 to 8 percent through the risk-taking channel.』

2016年の残高から10%の買入拡大をすると、その次の四半期くらいにはクレジットスプレッドの縮小は市場のデフォルトリスク推計から見ると7%引き下げて、金融機関のリスクテイク効果から見ると2-8%引き下げるそうな。

『Overall, an increase of 10 percent in the BOJ’s government and corporate bond holdings leads to a decline in credit spreads of around 6 to 14 percent over the subsequent quarter. Of the different effects, the effect through the default risk channel is the largest in terms of reducing credit spreads. 』

つーことで、日銀が国債と社債の買入(残高)を10%拡大すると、次の四半期にクレジットスプレッドを6-14%(BPではない)縮小する効果がある、ということのようでホンマカイナと思うけどそんな結論になっております。

『The remainder of this paper is organized as follows. Section 2 provides our credit spread model and data sources. Section 3 then presents the estimation results of our credit spread regressions. Section 4 shows our empirical results regarding the effects of the BOJ’s corporate and government bond purchases on credit spreads. Section 5 concludes. 』

つーことで以下は分析をどうやっているのかという話になって最後の所でまたまとめがあるのですが、セクション4はほほーと思いながら読んだものの、計算式については頭が悪いのでワカランチ会長ということで飛ばしているので以下はパスということで。


#まあ「何故か英文だけ」分析シリーズって奴ですな


〇その他日銀から出ているペーパーなのですけど

・これまた「英文だけ」ペーパーだがきな臭い物件かどうかはイマイチよくわからん

[外部リンク] Survey-based Shadow Rate and Unconventional Monetary Policy Effects

『Many studies estimate a shadow interest rate, which can be negative when the short-term rate is at the effective lower bound, and use it as the monetary policy indicator. This study proposes a novel method to estimate the shadow rate using survey forecasts of macroeconomic variables and allowing the shadow rate to be negative even when the short-term rate is positive. The estimated U.S. shadow rate remained negative in 2015-17, when the Federal Reserve continued to hike its policy rate but kept its holdings of assets at sizable levels. The shadow spread, which is defined as the shadow rate minus the short-term rate, is negatively correlated with the Federal Reserve's holdings of assets, particularly mortgage-backed securities. The impact of the unconventional monetary policy on inflation was 0.5 percentage points at its peak.』

実質金利とかではなくてシャドウレートだそうで、うーんこの話はと思うがちゃんと読んでないのでよくわからん、きな臭いものなのかどうかの判断はつきかねる。

本文はこちら
[外部リンク]
―短観「物価見通し」における無回答バイアス―

『本稿は、短観の「物価見通し」における「分からない」という回答の中から、真の意味では「分かる」と推察される回答を機械学習の手法を用いて識別する。』

ナンジャソラ(なお本文読むと説明がありますので本文を読んでちょ)。

『そのうえで、真の意味では「分かる」と識別された企業について、何らかの理由で回答されなかった反実仮想的な「物価見通し」を推定する。そして、その推定結果にもとづいて、無回答バイアスの大きさを評価する。』

ほほう。

『分析の結果として、次の四点を指摘することができる。第一に、真の意味では「分かる」が、何らかの理由で「分からない」と回答した企業は、きわめて少ない。第二に、真の意味では「分かる」と識別された企業は、真の意味でも「分からない」と識別された企業に比べて、相対的に企業規模が小さく非製造業に多い。第三に、真の意味では「分かる」と識別された企業の反実仮想的な「物価見通し」は、公表集計値と統計的に有意に異ならない。第四に、以上を踏まえると、短観の「物価見通し」の無回答バイアスは、統計的には無視できる。』

無回答が多いのは無視可能というのが結論なのですが、その間の分析がオモロイっちゃあオモロイし、なんちゅうかこれは味わいがあるわ(別にけなしている訳ではないので念のため)と思いました。

ということで本文はこちら。ネタにしたかったが読み込み不足なのでパス。
[外部リンク]
 


お題「材料ウィークを前に虫干しネタとか雑談ネタで」   2018/06/12(火)07:52:30  
  昨日の債券先物もまーた日中値幅一桁だわ2、5、10のカレントは出合いがないわでして、日中値幅10銭以上ついたの今月って1回(輪番減額)か2回くらいだったような気がする次第なので虫干しネタと雑談ネタ。


〇久々にタカ&トシ先生のありがたい言説を見たら頭が痛くなった件について

いやね、この前の置物大師匠の妄言でも見て闘志でも燃やそうかと思ったら例の連載の最近号バージョンで「2%目標行くんだからそれに向けたポートを作れ」と言うだけ言って後はコロンビア大学にスタコラ行かれた大先生のコーナーになっていたんですよ。

[外部リンク] 6月 2018
逆ザヤはかじ取りで抑えられる=伊藤隆敏 [出口の迷路] 金融政策を問う(35)

『出口の金利を上げれば、保有国籍の金利収入と超過準備への利払いが逆ザヤとなる。四つのシナリオで損益を推計した。』

おお!タカ&トシ先生!!と思った訳ですが、何せ最近あまりにも面白くないのでモーサテそのものを見なくなっているこのアタクシ(別に為替とNY引けだけならNHKのAMラジオニュースでもわかるので大きく動いた時に一応チェックするくらいでございますがな)と致しましてはタカ&トシ先生お久しぶりなのですけど。

でまあ先生は基本どマクロ屋さんだと理解しているので、あんまり金融政策の細かい話は苦手だと思うのですが、ちょっと前の記憶によりますとモーサテ辺りにも米国金融政策の専門家みたいな顔をしてご登場しておられまして、金融政策にお詳しい方というカテゴリーに最近は入れられているのかどうか知らんけど、まあこんなお話をするだけにどういう分析でお題のような結論になっておられるかを見たわけですが・・・・・・・・・・・

・いやあのすいませんそもそもの現状認識大丈夫かと

ということで冒頭の方を見ますとですね、

『日銀は2016年9月に「イールドカーブ・コントロール」(長短金利操作)を導入して以来、2年近くにわたって金融政策を変更していない。一方には、できるだけ早く2%のインフレ目標の達成を目指すべきだという意見(リフレ派)の人たちがいて、他方には低金利と緩和の長期化に伴う「副作用」に留意すべきだという意見(出口派)の人が、日銀審議委員にも、有識者にも存在する。その間で動きづらくなっている。』

何かのっけから言っていることの意味が分からんのですが、2%を早期に達成できれば何も問題は無くて、問題なのはリフレとか出口とかいう問題の前に2%をどうやって達成するのかというお話なんですが、まあ出口の逆ザヤシミュレーションをするって話のマクラなんでしょと思うが、どうもこうよくわかってないなと思うのはその次。

『「副作用」には大きく二つが挙げられており、出口派も一枚岩ではない。第一の副作用は、金融機関の経営悪化である。第二の副作用は、実際に出口に向かって金利を引き上げ始めた時に起きる日銀の「損失」の問題である。』

そもそも「出口」というのは2%の物価達成あるいは物価達成が展望出来るときの話であって、副作用があるから出口というのが既に話がおかしくて、副作用があるから今の緩和政策をもっとマイルドにしろ、というだけの話なのに、ジャーナリスティックに出口というと面白いからという理由で出口というのがおかしいのだが学者先生がそういう使い方するかねとは思う。

まあそこはスルーしたとして次の説明が既にダメ。

『日銀の損失という時には、保有国債の「評価損」の問題と、主に国債から構成される資産の受取利子と、主に超過準備からなる負債への支払利子の「逆ザヤ」の問題を峻別(しゅんべつ)して議論する必要がある。』

それはまだいいのだが。

『前者の評価損は、低いクーポンレート(表面金利)の国債を大量に購入してきたことから、今後、市場金利が上昇する時に生じると予測される。しかし、日銀は国債を満期まで保有できるので、評価損が実現損になる(評価損の国債をあえて売却する)可能性はほぼ皆無である。会計上、評価損を計上する必要もない。評価損の問題は無意味なので、議論の対象から外す。』

そもそもクーポンレートじゃなくて「購入時利回り」なんですがとツッコミをしたくなりますが、まあどマクロの学者先生だから勘弁してもいいけど、この先生大昔には日銀副総裁にノミネートされるということもあった位なのですから、せめて「クーポンと利回り」とか、個人向け国債が出来る前における国債窓販の窓口担当者の基本のキ位知っててよと情けなくなってきますな。

でもって頭がクラクラするのは「日銀は国債を満期まで保有できるので、評価損が実現損になる(評価損の国債をあえて売却する)可能性はほぼ皆無である。」という所でして、もちろん基本はそうなんですが、そもそも論として「日銀保有国債の赤字」が問題になるのって何でおきますかという話を考えた場合、インフレが高進した場合に超過準備を急速に回収しないと行けなくなる、という事態に立ち至る訳でして、その際に保有国債を売却して超過準備を急速に回収しようとすると日銀が大きな損失を出すことになるから超過準備吸収できねえだろ、となってインフレ高進ウギャーとなってシマウマ。というのが問題なので、いきなり「皆無」とか言い出すのは何ぼ何でも話が乱暴。

まあ先生が出しているシミュレーションでインフレ高進シナリオが無いのでそもそもそれを考えていないだけ、と言ってしまえばそれまでなのですが、全く問題にしなくて良い、という話ではないということになります。

でもってこの日銀の損失ってのは結局のところ統合政府の財政問題と絡んでくるのでありまして、別にまあインフレが高進しないとか、財政懸念が生じないとかいうような状態で日銀が赤字を出しても長期的にはシニョレッジで回収できるから別に知らんがなと言っておけば良いのですけれども、問題なのは先ほどのように「インフレが高進してきたときに赤字をドカンと顕在化させてインフレ止めることが出来るのか」というインフレコントロールへの懸念とか、「統合政府がこんなに真っ赤っ赤で日本財政大丈夫か」となって円安大爆発したときにやはりインフレをどうするのか、というような大概にろくでもない時に問題になるのであって、別に今の米国みたいに出口になっていって、それがサステイナブルに続く(とは言え10年スパンでサステイナブルである必要があるけど)ならば期間収益が少々赤字ろうが知らんがなだし問題にもならんでしょ、というお話な訳ですがな。

・・・・・・などと思いながら、そのちょっと先のシミュレーションを見たら物凄い勢いで絶望した!!!


・とても世界に著名な学者様の分析とは思えないシミュレーションなのですがこれは

ということで『◇物価1%で金利引き上げと仮定』という小見出しを見るのですが、そこには衝撃の記述がございます。

『まず、次のような仮定を置く。19年3月までにインフレ率1%を達成し、金利引き上げを開始する。マイナス金利を解消し、19年度は政策金利(コールレート)を0%とする。長期金利は0・1%に引き上げる。』

誠に申し訳ございませんが何をどうすると来年の3月にインフレ率1%を達成するのかがよく分かりませんし、マイナス金利解除した時の10年金利0.1%ってどう見ても無理なんでございますが・・・・・・・・・・・・

『18年度の購入額は30兆円、19年度は新規購入額をゼロとし、償還国債はすべて再投資する。』

あのーすいません、今年度の購入額なんですが既に30兆円を超えているんですけれども・・・・・・・・

『計算を簡単にするため、保有する長期国債はすべて固定金利10年国債で、満期までの残存期間構造は、1年から10年まで均等と仮定する。』

えーっとすいません、今日銀が保有している長期国債については毎月3回銘柄別の残高を出しておりまして、大変に恐縮なのですが20年とか30年とか40年の国債も保有していますし、そういうの全部日銀が公表していますし、そういう数字は別に経済学の学士すら持っておりません不肖このアタクシでも取れるんですが・・・・・・・・・


ということで、以下の文章は読む価値が1ミリもないのでネタにしませんが、よくもまあこんなのを恥ずかしげもなく出すわなと思いますし、大先生のところに助手なり学生なり居ないのか(居ないのかもしれませんね)チェックできねえのかよと思いますし、大体からしてエコノミスト誌も何ぼ何でも「大変恐縮ですが先生、今の日銀の保有国債はもっと長い年限の物もございますので実際の日銀のポートフォリオにあわせてシミュレーションを作り直していただけませんでしょうか」と示唆して差し上げろと思うわけですよ。

でまあ著者紹介の最後の所を見たら『著書に『インフレ目標と金融政策』など。』とかあるのが更に泣ける訳でして、もしかしてこの大先生は机上の空論にすらなり得ない脳内妄想で一時は年金資金の投資に対してご意見をしておられたのかと思いますとちょっと物凄い勢いで情けなくなってくるのですが、ニッポン大丈夫かと小一時間。


もしやエコノミスト誌さんの方では前回の初代置物師匠の妄言もそうなのですが、もしかして馬鹿の晒し上げを目的としてこのコーナーを作っておられるのかと思いましたが、バックナンバーを見ますとそういう訳でもなさそうなので、真面目な話だとアクセス狙えないから炎上商法に来たのではないかとマジで疑ってしまうのでありました。

・・・・・・・いやさすがにここまでくると血圧上がるよりも寒気のほうがしてくるわ。

#ということで置物師匠の世迷い言をネタにするつもりが思わぬ釣果だったのでそっちをネタにしてしまいました(置物のは何で辞任しなかったのかという見苦しい言い訳部分)


〇実は今年の調節年報はマニア分析の解説が勉強になるという話の続き(だいぶ飛びましたが)
だいぶ飛んでしまってすいませんすいません。

紹介ページ
[外部リンク] 為替スワップ市場の円転コストが国庫短期証券の利回りに与える影響』は短国なので債券市場といえば債券市場ですけどまずはそこ。

『国庫短期証券(以下、本 BOXでは「短国」)に対する海外投資家の需要は、本文で指摘したとおり、ゞ睛水準にかかわらず一定程度存在する需要(海外中央銀行等による外貨準備の運用需要)と、▲疋訶蟇濺哨灰好箸魏談した利回り妙味に応じて変動する需要がある。』

さいですな。

『ここで、△陵回り妙味について整理すると、例えばドル保有者は、ドルを米国T-Bill に投資することで得られる利回りと、為替スワップ市場等でドルを円に交換し、そこで得た円を本邦短国に投資することで得られる利回りを比較し、後者が上回る場合に本邦短国投資を行うものと考えられる(BOX 図表 4-1)。』

金利平価とかカバー為替とか言われるものの基本。図表はURL先を見てちょ。

『ドル保有者からみた利回り妙味を式で表すと、次のとおりとなる。』

『利回り妙味 =(ドル LIBOR-米国 T-Bill 利回り)+ドル調達プレミアム -(円 LIBOR-本邦短国利回り)
= ドル TED スプレッド+ドル調達プレミアム-円 TED スプレッド 』

TEDスプレッドとか断りなしに書いちゃう辺りが読者層を考えているちゃあ考えているのでチャーミング。

『すなわち、ドル保有者は、その時々の「ドル TED スプレッド+ドル調達プレミアム」の水準を眺め、一定程度の利回り妙味を確保できるよう、円 TED スプレッドの目線(円 LIBOR が概ねゼロ%程度で推移している現状では、概ね本邦短国利回りの目線と一致する)を定めることになる。こうした観点から、ここ数年の利回り妙味の推移を確認すると(BOX 図表 4-2)、』

でもって図表は例によって貼れないので見てください。

『 2016 年度は、米国 MMF 規制改革の本格施行を10 月に控えて、米国プライム MMF の資金運用残高が減少し、ドル資金の需給タイト化に対する市場参加者の警戒感が高まり、「ドル TED スプレッド+ドル調達プレミアム」が拡大したことから、ドル保有者からみた本邦短国投資の利回り妙味が恒常的に高い状況にあった。』

『このため、日本銀行が多額の短国買入れを続け、短国利回りが深めのマイナスレートで推移する中にあっても、海外投資家は積極的に本邦短国投資を行った。』

という話になっているのだがそこは他の要因無かったかという気がするんだが。

『他方、2017 年度は、「ドル TED スプレッド+ドル調達プレミアム」が前年度に比べて縮小した状態が続いたことから、海外投資家は本邦短国投資にかかるレート目線を引き上げた。このため、日本銀行による短国保有残高の減少と相まって、短国利回りに上昇圧力がかかる場面がみられた。このように、海外投資家は、2017 年度中、利回り妙味を確保するために、短国利回りを一段と意識して本邦短国投資を行ったとみられることから、「ドル TED スプレッド+ドル調達プレミアム」と短国利回りの相関関係も前年度に比べて強まっている(BOX 図表 4-3)。』

という分析になっております。


・MB目標が実質無くなっているのにどうやってマクロ加算比率を調整しているのかというマニアネタ

本文34ページに『BOX6 基準比率の見直しプロセスと 2017 年度における見直しの背景 』というのがあります。

元々マクロ加算比率は「だいたいマイナス金利適用残高がマクロ的に10兆円程度になるように調整する」ということで始まりまして、最初はMBの拡大ペースが目標になっていたから調整もわかりやすかったのですけれども、最近はMB目標が実質的になくなっている(オーバーシュート型コミットメントだけは残っているけど)のでどうやって計算するんじゃろ、というのはあった訳ですが、その説明というマニアしか興味のないネタである。まあ今の当座預金3層構造やっているときには重要な話なのですが、普通の金融政策やっている時には使いようの無い精緻なノウハウというのがなんともチャーミング。

『本文で述べたとおり、日本銀行は、当座預金残高のマクロ的な増加に応じて、原則として3か月に1回、基準比率の見直しを行うことで、ゼロ金利を適用するマクロ加算残高を定期的に増加させ、「完全裁定後の政策金利残高」が一定の範囲内で推移するようにしている。ここで、あらためて基準比率の見直しの具体的なプロセスを説明すると、以下のとおりである。』

ほうほうそれでそれで??

『(1)日銀当座預金の増減に外生的な影響を与える銀行券要因および財政等要因の先行きの動きを、季節性や特殊要因を含めてできるだけ精緻に予想するとともに、先行きの金融市場調節運営を勘案し、当座預金残高の見通しを作成する。』

>先行きの金融市場調節運営を勘案し
>先行きの金融市場調節運営を勘案し
>先行きの金融市場調節運営を勘案し

これは(^^)。

『(2)貸出支援基金等の平均残高やMRF特則の適用対象預金残高の変動を予想し、マクロ加算残高のうち、マクロ加算額(すなわち、基準平残×基準比率)以外の部分の見通しを作成する。』

>貸出支援基金等の平均残高やMRF特則の適用対象預金残高の変動を予想し
>貸出支援基金等の平均残高やMRF特則の適用対象預金残高の変動を予想し
>貸出支援基金等の平均残高やMRF特則の適用対象預金残高の変動を予想し

貸出支援基金はヒアリングすれば読めるでしょうがMRF特則って受動的に動く(とは言えまあ全体のマックスが10兆程度なのでそこまで激しく影響はしないとと思うけど)ものなのにどう予想するのでしょうか(^^)。

『(3)上記(1)、(2)の見通しを基に、 「完全裁定後の政策金利残高」が概ね 10兆円程度となるよう、マクロ加算額(ひいては基準比率)を設定する。』

とりあえず変態(褒めている)がやっているという事は把握した。

『日本銀行が大規模な資産買入れを通じた資金供給を続けるもとで、日銀当座預金残高は趨勢的に増加している。従って、基準比率も、趨勢的に引き上げられてきている(BOX 図表 6-1)。』

そらそうよ。

『もっとも、引き上げの幅やタイミングについては、ゞ箙垠要因や財政等要因の季節性等の影響から日銀当座預金の増加ペースには振れがあること(BOX 図表 6-2)、 貸出支援基金等の平均残高などの、マクロ加算残高のうちマクロ加算額以外の部分の増減は区々であること(BOX 図表 6-3)、などから、必ずしも一定にはならない。』

さいですな。

『例えば、2017 年 12 月〜2018 年2月積み期間については、財政等要因や銀行券要因が季節的に当座預金残高を下押す方向で作用しやすいことに加えて、2017 年 12月は、国債の対民償還額が前年に比べて大幅に減少することもあって、当座預金残高が前3積み期間からほとんど増加しないと予想されたため、基準比率を前3積み期間から据え置きとした。』

『なお、2018 年3〜5月積み期間については、4月中旬までに公共事業費や地方交付税交付金等の支払いが重なり、3月積み期間から4月積み期間にかけて、当座預金残高が大きく増加すると予想されたため、「完全裁定後の政策金利残高」が積み期間毎にあまり大きく変動しないよう、3月積み期間と4〜5月積み期間で異なる基準比率を設定することとした(基準比率:3月積み期間 23.5%→4〜5月積み期間 27.0%)。』

どう見ても変態です本当にありがとうございました(褒めている)。

#ええまあただのマニアネタなのですが、マニアのマニアっぷり(仕事だから仕方ないけど)に敬意を表して紹介するのでありました
 


お題「金融庁長官と財務次官人事とな/物価が上がらない理由の点検??/社債買入オペ雑考」   2018/06/11(月)07:56:07  
  これは接戦。
[外部リンク] 自民・公明支援の花角氏が初当選
2018年6月11日 5時00分

『新潟県知事選挙の結果です。

▼花角英世(無所属・新)当選、54万6670票
▼池田千賀子(無所属・新)50万9568票
▼安中聡(無所属・新)4万5628票』(上記URL先より)


〇二つのトップ人事(メモメモ)

週末にこんなのがあったので備忘代わりにメモメモ。

・金融庁長官に遠藤局長とな

何故か河北新報から(理由は後程)
[外部リンク]
経済 2018/6/10 2:00日本経済新聞 電子版

『麻生太郎財務相は9日、空席となっている財務次官に浅川雅嗣財務官(60)を充てる方針を固めた。次官級ポストで国際業務を指揮する財務官からの登用は異例。学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる決裁文書の改ざんなど不祥事で揺らぐ組織の立て直しを急ぐ。首相官邸の人事検討会議を経て発令する。』(上記URL先より)

経緯が経緯だけにしょうがないのでしょうが財務官からの横滑りとなという感じですけど、これで黒田さんの後任の日銀総裁も浅川さんっつーことでどうでしょうか(^^)。


〇金曜はこんなのが出ていましたが市場は無慈悲に無反応

[外部リンク] 6・7月会合、見通し引き下げ検討
2018/6/8付日本経済新聞 朝刊

『日銀は6月と7月の金融政策決定会合で、物価の動向を集中的に点検する。値上げの動きが乏しく、企業が価格を見直すことが多い4月も物価の伸びが鈍っていたためだ。従来はデフレ心理と賃金の弱さから物価が上がりにくいとみていたが、構造的な問題も含め、他に押し下げの要因がないかを分析する。2018年度以降の物価見通しの引き下げも検討するが、現行の金融緩和策は粘り強く続ける方向だ。』(上記URL先より)

以下の部分は有料会員用のページか金曜の日経本紙を見てちょという話になりますのですが、一瞬「総括検証第2弾でもやるのか」とか「物価が行かないことを前提に政策枠組みを長期戦向け、つまりマイナス金利とか過度なYCCは外して、一方で金利は大きく上げないようにする方策を考える」とか、まあそんな話もよぎらないことはないのですが、まー金曜も見事にこのニュースに反応しないナマコ相場を継続しておりまして、ここまでナマコ状態だと却ってすがすがしい(訳はない)というものでありますな、いやもうなんとも。


・・・・・・・でですね、なんとなく記事見ただけの感想なのでただの妄想おじさんの妄想に過ぎないんで1つの妄想と思って流していただければ結構なのですが、まあ物凄く身も蓋もない言い方をしてしまえば、こちらの日経さんの記事にあるような話をした場合、「物価がアガランチ会長であることの言い訳を探す」というお話だ、というのは大体皆さん気が付くと思います。

でもってですよ、現状に日銀の説明というのは、足元からその先の物価を形成するメカニズムとして需給ギャップと期待インフレを持ち出していています。なおQQE当初の話も今もそうなのですが、中長期的な物価安定が達成されている場合は期待インフレが物価安定目標の水準近くで強力にアンカーされている、という状態になるというのが概念的な話になるので、最終的に重要なのはインフレ期待であって、QQEの当初は置物理論によるマネタリーベース直線一気大作戦によってインフレ期待に直接働きかけて行く、というのをやったのですが、結局上手くいかずで総括検証をした結果、期待形成のメカニズムに関して「適合的期待形成」「合理的期待形成」という形に分離して、でもってその合理的期待形成(中央銀行が強力なコミットメントとそれを裏付けする金融政策を実施することによって世の中の経済主体の皆さんがそのコミットメントを信用して期待が形成されていくというお話)が日本ではまだワークしなくて、「適合的期待形成」(インフレ期待は直近の物価動向の延長線上として考えられる)に軸足を置いたわけですよね。

でもって適合的期待形成に軸足を置いたのですが、適合的期待形成ということですから実際の物価が上昇してくれば期待に影響が出るので、じゃあ期待に直接じゃなくても物価が上がるようにすれば期待も上がってくるんじゃないかというのが今の説明で、具体的に物価が上がるには需給ギャップをプラスにすることによって、需要超過の世界であれば物価が上がって調整するという理屈に則って需給ギャップに働きかけるために緩和的な金融環境を維持して需給ギャップの改善に寄与していきましょう、という期待に直接攻撃から2段階チックになった訳ですな。

ところが足元の状況は特に労働需給が盛大にひっ迫している(ということになっている)のに笛吹けど踊らずで、そもそも勤労者の所得が物価上昇来るから先にホイホイ買わないと的な消費行動を生み出すほどの改善をしないんだから仕方ないのですが、物価上昇に対する企業のスタンスも弱いと来たもんだというような感じで、需給ギャップのプラスが拡大すれども物価が思ったほどアガランチ会長というお話になって、まあそこのところを点検して華麗に言い訳を考えるという話になるんでしょう。


そうなりますと、どのような結論が出るのかはまるで存じ上げる訳でもなく知りようが無いのですが、その結論が「金融政策で何とかなる」話なのか、「金融政策ではちょっと直接操作するの難しいけど間接操作なら何とか」なのか、「金融政策の出番ではないので知らんがな」となるのかによって話はだいぶ違ってくる訳で、金融政策で何とかできるならば、その何とかに作用するような金融緩和政策を追加で実施しますという話になりますし、間接的に何とかという話ならどうせ「今の政策をまだ続けて事態の好転を待ちます」になるのですが、知らんがなという話になりますと、これはもう金融政策の限界論という話になって参りますので、政府との役割分担をさだめた共同声明の内容を手直ししないといけないのか、とかいうような話まで発展する(なお現状から考えて政府から持ち出さない限り共同声明の見直しは無理)ような変化もあるのですな。

ただまあこの話、単に毎回の展望レポートでの点検作業と同じ話のようにも見えまして、その中で、物価についてはどうも下方修正だし、申し開きが全然つかないから新たな申し開きをすることによって、時間を稼いでいるだけ、というしょうもない結果になるような気もするので、過大評価する必要は今のところないのではないかと思われます(こんなタイミングで日銀が「政策の総合的見直し」とか言い出して勝負するメリットがない)、って印象ですがどうでしょうかね。


しかしまあ何ですな、この記事のトップとリードを読みながら、アタクシが小僧だった時代にはそういえば営業会議などというようなところで「言い訳探しとかほんとぉぉぉぉぉぉにどうでも良いんで早く実績上げてくださいよ先輩今何月だとおもってるんですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(語尾が上がりつつ机をドンと叩く音)」などと項目推進担当の後輩に詰められるパイセンの図というのを思い出して何故か目から汗が出てきましたし、目標達成時期から3年以上経っているのに詰められるどころか大新聞社の出す経済雑誌で歴史改竄までして自分の決定に関して言い訳をしているのに誰からもお咎めがない元構成員の方がいるとか、日銀ってのは太平楽なところで良いですなあとか思うのでありました。


〇地味に社債オペの話でも

そういえば読みかけの英文レポートがございますが(超大汗)、社債買入という意味で言えば最近の社債買入オペはどうなってるんだよと思うわけですよ。

[外部リンク] 2018年

今年に入ってからの社債買入ですけど、オファー日ベースで並べますと・・・・・・・・・・

1/22:+0.001%/▲0.020%
2/20:▲0.049%/▲0.097%
3/19:▲0.078%/▲0.158%
4/19:▲0.179%/▲0.235%
5/22:▲0.186%/▲0.224%

ということで(アタクシが日銀のページから数字をヘコヘコ拾ってきたので正確性は保証しかねますが、たぶん3回チェックしているのであっていると思う)落札のレート(このオペの場合は前日比利回り較差ではなくて出来上がり利回りの価格競争になるので上記のは絶対値水準)の左が平均落札利回り、右が足切り(最低落札)利回りになりますぞな。

でもってこの時期の国債の金利ちゃんですが、まあ2月まではともかくとして、マイナス決着の利回りが深くなってきた3月以降でみますと、前日の引けに公表される売買参考統計値(つまり上記のオファー日日付の売買参考統計値)を見ますとですよ、

3月(以下の利回りは全部平均値単利)
1年金利:2Y374で▲15.0(短国の一番長いのが▲16.2)
2年金利:2Yカレントで▲15.0
3年金利:5Y127で▲12.5

4月
1年金利:2Y375で▲15.5(短国の一番長いのが▲18.4)
2年金利:2Yカレントで▲15.5
3年金利:5Y127で▲12.5、5Y128で▲12.5

5月
1年金利:2Y376で▲14.0(短国の一番長いのが▲14.4)
2年金利:2Yカレントで▲14.0
3年金利:5Y127で▲12.0、5Y128で▲12.0


とまあそんな利回りになっております。社債買入に関しては残存1年から3年までの社債(格付制限と1発行体当たりの購入制限等細かいのがある)を対象にした買入でして、まあだいたい上記の推移を見ていただければわかりますように、ここもと1-3年くらいの金利は(短国の買入残高が減ったのが効きまして)そんなに突拍子もなく下がったりするようなわけでもないというような推移をしているので、ございますな。

でですよ、見ていただければ明明白白なのですが、3月の時は足切りが突っ込みましたが平均まだ社債買入対象年限と同年限の国債の利回りを上回っているのですけれども、4月5月と立て続けに社債買入の平均落札利回りが明確に国債利回り対比マイナスになっていて、足切り(最低落札)金利に至っては国債マイナス10bpにならんとするような水準で2カ月連続推移している訳ですよ。


でもってですね、そもそも社債買入って何のためにやっているのかというと、銀行貸し出しチャネルやら金融市場のクレジットチャネルなどにおいて、クレジットスプレッドを構成するリスクプレミアムが不当に高い状態になっていると、金融緩和政策の効果がそのリスクプレミアムの所で消えてしまう(リーマンショック後には短期金融市場において、カウンターパーティーリスクへのプレミアムが非常に高くなったため、利下げをしているのにGCレポ市場の金利が中銀貸出ファシリティ(ロンバード金利)に張り付いてしまい、その結果利下げしてるのに短国金利が上昇して、CP金利も上昇し、その影響で社債のスプレッドも拡大、というのがあったのでCP買入や社債買入が投下された訳ですよ)ので、金融緩和効果を波及させるチャネルの修復を行うために実施している訳ですよね、本来的に言えば。

ですから、そもそも国債並み(スプレッドゼロ)で買うのもなんだよそれという話ではあるのですが、マイナススプレッドで買うというのが継続する、というのは何ぼ何でもおかしいし、そもそもマクロプルーデンス的に言った場合、それこそ今回のFSRの特集にもありましたような「クレジットスプレッドの必要以上の縮小」という話になって、金融不均衡を日銀が自ら生み出している、ということになりませんですかね、という事になると思う。

まあ1回だけなら誤射かもしれないじゃあありませんが、決算期とか何とかのような特殊事情で玉がなくて急にレートがどマイナスに突っ込んだ、というのでしたらまだしも、さすがにこれが3、4回と連続してどマイナスレートになるというのでありましたら、何ぼ何でも社債買入に関してはあり方を見直す時期に来ているという判断は働かないものかねえ、と社債買入効果のレポートの話の前に何故かこっちの話をツッコんでしまうアタクシなのでありました。
 

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