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今朝のドラめもん(金融政策ウォッチ)

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お題「オペ紙無風だが世間話でも/9月会合記事要旨:物価に関する熱量の低下が物凄く目立つんですが・・・・・・」   2020/09/30(水)08:07:56  
  はて?
[外部リンク] 20時58分

[外部リンク] 年 9 月 16、17 日開催分)1

『.金融経済情勢に関する意見』から参りますが、

・物価のパートがとうとう4意見まで減ったか

さて、2%の物価安定目標を高らかに掲げて金融政策運営をする日銀ちゃんですが、ここで主な意見の中での『(物価)』のパートを見ますと、元より今年に入ってからは物価への意見があるのが5件とか6件とかで、確か政策委員は9人いた筈なんですがどうなっているでちゅかねえ、とか思いながら鑑賞していた訳ですが、今回の主な意見では遂に『.金融経済情勢に関する意見』の『(物価)』のパートが4つとなってしまいまして、政策委員の皆様のうち過半数が「物価情勢に関する見解をわざわざ先行して公表するに及ばず」という見解になりました、という大変に素敵な情勢になっておりまして、そんな状況の中で「FRBはワシが育てた」とかお前は何を言っているんだと小一時間。

では鑑賞しますと、

『・消費者物価の前年比は、当面、感染症の影響などからマイナスで推移するとみられるが、その後は、景気が改善していくもとで、プラスに転じていき、徐々に上昇率を高めていくと考えられる。』

はいはい大本営大本営。

『・物価は、当面、前年比マイナスで推移するとみているが、今のところ、値下げで顧客を囲い込むデフレ的な価格設定が広範化しているようには見られない。』

ちょっとちょっと待ってよお兄さん(またはお姉さん)、日銀ちゃん集計の基調的な物価の参考になる資料ちゃん見たら着々と「上昇品目」-「下落品目」のギャップが縮小していて、しかもそれが下落品目比率の高まりから来ているじゃん何見てるのよ。

・・・・・というかですね、GoToキャンペーンでのCPI下押しに始まり、携帯電話料金下げるだの、元々その傾向があったんですが、ガースー総理になってから益々デフレ政策傾向が進んでいる訳でございまして、まあ上記の意見が7月会合に出ている(議事要旨にもありましたよね)分にはまあ別にそこまで目くじら立てるつもりはないのですが、9月会合になってもこの認識というかただの大本営発表だと思いますが、そういうのぶっこんで来るのってねえねえ書いてて空しくならない???って申し上げたくなりますにゃ。

『・構造改革や規制改革の機運は高まっている。改革を通じて社会が変わることで、成長への期待が高まり、慣行や消費・投資行動が変わり、物価上昇率も高まっていくとみられる。』

もはやただの精神論になっております。

『・消費者物価は、当面、はっきりとしたマイナスになると見込まれる中、更なる悪材料が重なれば、家計や企業のコンフィデンスが一段と損なわれることが懸念され、モメンタム再興のタイミングにも影響し得る。』

やっと普通の見方が出ましたがアカン先行きの話でした(そらそうだ)。

さてところで今回のこの部分。その意見の件数の少なさもさることながら、今回結構「はあああああ??」と思ったのはその内容がご覧のようにスッカスカになってしまったことなんですよ。

つまりですね、例えば前回7月会合の主な意見ですと、物価に関する意見が6本あるのですが、うち3本がこういう物件になっていまして、

『・感染症の物価に及ぼす影響については、企業の価格設定行動や予想インフレ率の動向など、やや長い目でみた二次的な影響も含め、慎重に点検していく必要がある。

・ 感染症の影響による需給の変調が物価の帰趨にどう影響するかは、上下両方向あるうえ、わが国固有の不確実性もあり、見極め難い。従来以上に予想物価上昇率などの形成メカニズムを丁寧にみていく必要がある。

・ 感染症に伴う経済ショックは負の需要ショックの面が大きいとみられる。経済の回復ペースが緩慢である見通しのもとで、需給ギャップの改善も緩慢と見込まれる。予想物価上昇率は、短期予想の低下が中長期に波及する兆候がある。こうしたことから、物価には、当面、下押し圧力が掛かりやすい。』(この部分のみ7月会合の「主な意見」より引用しています)

ってな感じで、もうちょっとこう物価形成のメカニズムに関する意見が色々と出ていたわけですよ。然るに今回の物価のパートって見ればわかるように希望的観測の大本営発表と謎の精神論と来ておりまして、遂に物価形成のメカニズムの話まで無くなってしまったのかよオイお前ら大丈夫かという世界。

これ即ち安倍ちゃん内閣がさようならとなってしまいまして(この会合時点では首班指名終わって閣僚まで概ね見えていましたが、その前からガースーで鉄板という評価でしたね)、急に物価目標2%に対する熱度が下がったんでしょうか、などとツッコみたくなるお話でして、いやまあできもしない目標出すくらいだったら「当面の目途を1%としてその後徐々に2%に向けて上昇していくような経済物価情勢を目指すので1%達成したから緩和止める訳ではないよ」位にしておいた方がまだましなんじゃないでしょうか、ってそれは白川さんだから黒ちゃんにはできませんですかそうですか、というようなお話になってきてるのかと思うと胸がドキドキ(不整脈ではない)してしまいますね!!!!!!!!!

まあムネドキは良いんですけど、そうなると黒ちゃんの政策は何だったんだという話になるから、正面切ってそんなことを言わせようもんなら黒ちゃんがその場で吐血して倒れる(三国志演義的に)世界になるでしょうけど、でも主な意見でのこの物価に対する熱量の大幅低下というのは実にこう気になるところではありますな。


・おや・・・・・・あるしんぎいいんのようすが・・・・・・・・

という物価の熱量部分の他に今回の見どころはこちら。いつもの『.金融政策運営に関する意見』のケツから5番目の意見。

『・大規模金融緩和政策は、生産年齢人口が減少する中でも雇用者数や所得を増加させ、貧困者数も減らした。世界標準である「物価安定の目標」2%を掲げて主要中央銀行と政策スタンスを揃えた。さらに政府との連携・協調は極めて重要であり、経済危機の時には特にそうである。こうした成果と教訓を踏まえて、ウィズ・コロナ時代の金融政策のあり方について検討を深めるべきである。』

「雇用者数が増えた」とか言い出す辺りでニヤニヤして読み進めたらあのパワーワード来ました。

>世界標準である「物価安定の目標」2%

世界標準キタコレ!!!!!!!!!!

・・・・・・・・ということで、某ジンバブエ先生が去られた後、どうもこうアレな意見が中々見られなくておもんないわ〜とか言いながらも野良日銀ヲチャーの名(そんなものは無い)にかけて日銀様の発出されるドキュメントをチェックしておった訳ですが、「世界標準」のパワーワードを見てこれはジンバブエ先生の生霊がどなたかに憑依されたのではないか、ともう俺様大歓喜(何かがおかしい)の巻ですよ〜オラワクワクして来ただ!!!!!!!!

一応推測すると、片岡さんって「世界標準の」とかそういう誇大表現はしないタイプと見受けられますし、安達さんはまだキャラ出していませんけど、同様にこういう誇大表現するタイプとは思われない(というのは個人の意見です)のと、大体からして片岡さんに助け舟出さない(と見られる、少なくとも票決等において)辺りでこういう隙ありみたいなの出さんじゃろ、と思うので、そうなると残りは1名となりますな。


・あとちょっとだけ気になるのは・・・・・・・・・

という辺りが今回の見どころなのですが、まあちょっと気になるのは同じく金融政策に関する意見のパートで、

『・今後、感染症の抑制と経済活動の両立といった、ウィズ・コロナという新たな視点から、金融政策のあり方を議論していく必要性が生じる可能性がある。』

『・ 経済情勢が大きく変化する中で「物価安定の目標」達成への道筋が見えなくなっている状況を踏まえ、目標達成に向けた戦略について改めて総合的に検討することが必要ではないか。』

ってのがしらっと入っていて、鈴木さんあたりが見直しだーと言い出すのは順当かも知れませんが、少なくとも2名がこういう話をしているうえに、後者の意見なんて思いっきりさっきの「物価に対する熱量の低下」に呼応した表現になっていまして、まあここは少し気になりますけど、どこからどう見ても黒ちゃんの面目玉があるから見直すって言ったってどうせ過去の政策全部正当化して長期戦覚悟の大本営作戦会議みたいになって、気が付けばマリアナ列島陥落してるのに戦争継続して一気に焼け野原化が進行とかになるんでしょうけど、まあ本気で見直すんだったらそらまあ評価して進ぜるわwwwww

とまあそんな所でございまして今朝は米国ネタ続き無しですサーセン。
 


お題「大阪金懇での黒田総裁会見を改めて鑑賞/ボストン連銀ローゼングレン総裁の景気見通しと貸出プログラムに関して(ちょっとだけ)」   2020/09/29(火)08:06:56  
  まあまあそれはそれは。
[外部リンク] すべての株式取得へ
2020年9月29日 4時05分

『NTTは、携帯電話事業を手がけるNTTドコモのすべての株式を取得して、完全子会社にする方針を固めました。一般株主などからTOB=株式の公開買い付けによって取得する方向で、買収総額は4兆円規模にのぼるとみられます。』(上記URL先より)

社債で来るのかハイブリッドみたいなの出してくるのか、とそっちを考えてしまうのが円債村民。全部合併して電電公社に戻したら次は鉄道事業者も全部合併して国鉄の復活とか言い出すのは昭和回顧厨(違)。

#三公社五現業を社会科の授業で覚えさせられた昭和人ですが何か?


〇そういやすっかり飛ばしていましたが大阪講演(リモート)の時の黒ちゃん会見をちょっとだけ

正直大した話というわけでもないのですが一応。
[外部リンク] 裁 記 者 会 見 要 旨
―― 2020年9月23日(水)
午後4時30分から約30分(大阪市・東京間オンライン開催)


・もうちょっと金融政策に関連する質問をしてくれ

いつものことですが最初は「今日の講演と懇談会はどうでしたか」という質問で、実際は冒頭説明みたいなのが最初に入る記者会見なのですが、その次に果敢に先頭打者を務めた質問がこれなんですがちょっと落ち着けと。

『(問) 今、東京で吉村大阪府知事と松井大阪市長が日本記者クラブで会見をしていまして、日本の発展のためには二つの推進のロケットが必要であると。それで、「大阪都構想」についての必要性というのを東京で訴えているのですけれども、経済発展のために、そういう「大阪都」といったものは必要だというふうに感じますか。』

ちょwwwwwwwwwww何というオーサカクオリティという感じですが、せめて地域活性化の為に何かとかその手の話を絡めてくれよと思いますが、まあさすがに日銀の事務方もこれは聞かれるだろうと思って想定問答を用意していると思うのでそれを鑑賞しましょう。

しかしまあ何ですな、二つの推進のロケットが必要とのことですが、必要なのかいなというのは兎も角としましても、大阪ではなくても(内務省検閲により削除されました)がね。

『(答) 私自身は、具体的にこの「大阪都構想」について、詳しく研究したことはないのですが、各地方公共団体というのは、明治、大正、昭和、平成、そして令和と、長い歴史を持っており、それぞれのそうした歴史の中で、地域社会ができ、その地域社会を運営するといいますか、公共財を供給する県や市があり、でき上がっているということだと思います。』

地域の特性はそうかも知れんが地方自治制度は明治政府がぶっこんだものに民選の首長を入れ込んだ物件のような気がするんだがまあ詳しくないのでパス。

『ですから、そうしたことを私個人は比較的尊重していく考えですが、他方で、特に大阪の場合は、東京都の都区部と同様に、大阪市という圧倒的な経済あるいは住民の集中があります。』

大阪には詳しくないのでよー知らんのだが、東京とは成立過程が違う気がするんですけど。

『そうした場合、東京都がやっているように、「大阪都」という形で、都道府県と市町村の機能を両方合わせた形で地方競争を行うというのも、一つの考え方です。』

なんか謎の「地方競争」ですな。

『東京都がそうであるように、「大阪都」も、そういう意味では可能性はあるとは思います。私は、比較的、保守的なせいか、明治、大正、昭和、平成、令和と続く県と市町村の関係、そこには歴史と、文化とまで言うかは別として、そういうものがあるので、特に私自身、大阪に住んでいるわけではありませんので、あまり断定的なことは、申し上げかねると思っています。』

まあ結論は「知らんがな」ということのようですね。それ以外言いようがないですわな。せめて大阪勤務経験者じゃないと。


・企業支援特別プログラムのノーズロ延長懸念、あるいはだから大宣伝するなよという話

こんな質疑が。

『(問) 日銀の講じた、新型コロナ対応の企業支援の「特別プログラム」についてお伺いします。先ほどの企業経営者の方との懇談でもこの「特別プログラム」について資金繰りが助かっていると評価するような声があり、また 2021 年3 月となっているこの期限については、「延長も」ということで要望も出されたと思います。黒田総裁自身、現時点でこの延長の必要性をどのようにお考えかということと、仮に今後の判断ということなのであれば、時間軸としてはいつにかけてその判断をしていくことになるのでしょうか。』

これね、特別プログラムって言ったって単なる共通担保貸出の部分って「これが無くなるから貸出を行わない」というようなものではない筈なんですよ本来は。だって日本の金融機関ってオーバーローンで市場調達しないといけないような状態(20世紀の都市銀行など)ではないのですからして、本質的に市場調達不要という中ですと、日銀から低利で借りれるというのが別に命綱になるような話しでも無いので、まあこの新コロが無くなったからと言って本来は急に貸出態度がジャガーチェンジするような話しじゃない筈なのよ。銀行からしてみたら信用保証協会の保証などの政府系の保証なり協調融資なりが続く続かないの方が与信先の信用力補完の意味で重要。

ではあるのですが、まあ信用コストが上昇してきてちょっと貸出態度も再検討、とかいう話になって来ますと、日銀の新コロ対応特別プログラムという一時的措置が外れるのを良い言い訳に使って、「日銀の企業支援特別プログラムが終了しましたので、誠に申し訳ございませんが、そのプログラムを元に対応しておりました部分に関しましては甚だ恐縮ですが条件をやや厳しくさせていただかざるを得ません」とか何とか言い出せるんですよねこれがまた。

・・・・・・というか、先般来どうも日銀サイドからの発言(リモート金懇での会見など)から、この企業支援プログラムの絶賛ネタが会見に出ていまして、これ物凄く意地悪かつ捻くれた読み筋を入れますと、金融機関的には日銀の措置を鉦や太鼓で打ち鳴らして大絶賛ヨイショ攻撃をすることによって、逆に日銀が引いた時には日銀のせいにして貸出態度を厳しく(というか元に戻すという方が正しいと思うのだが)するような可能性ってのもあるのかね、とか何とかつまらん妄想が色々と出てくる所。

てなことからも、日銀が大宣伝するの何なの??とは思うのよね。本来は補正予算でぶっこんだ信用保証枠とか政府系金融機関の貸出枠とかそっちの方が大活躍している筈なのに、なぜか日銀がシャシャリ出てきて企業金融支援はワシが育てた状態だし、予算の方は何故かGoToなんちゃらとかの話ばっかりクローズアップしてるし、どういうバランスになってるんだよって思うの。


ま、先日も申し上げましたが、新コロオペだけだったら単なる対金融機関リコースローンなので、この新コロオペそのものは、オペ参加先にのみ10bp付利のメリットが飛んでくるという点でうーんこのというのはありますが、そらまあこの間非金融機関向けの融資を頑張って実行されているという点で報奨されるんだったらそれもまた政策、とは思いますので別にこっちの延長は最悪行ってもそんなに害は大きくない・・・・・のかな??とは思います。

然るに、社債買入CP買入に関しては、これノーズロで延々と延長していきますと、当たり前ですが、将来的に何かあった時に日銀の財務からの財政ヒットになりますし(もちろんそれ言い出したら保証協会の保証で求償確定になったら同じことですけどね)、さらには思いっきり市場をゆがめるというか、日銀が強力にサポートするから社債は買えるぜヒャッハーって話が更に凶悪化するので、それは運用がどうこういう以前に、資源の適正配分を妨げる話に繋がるのでマジ勘弁、とは思います。

などと黒ちゃんの答えを見ずにアタクシの愚意見を垂れ流しましたが(すいませんすいません反省してます)黒ちゃんのお答え。


『(答) 先ほどの懇談会でも申し上げた通り、日本銀行は、この新型コロナ感染拡大に伴って三本柱で対応していますが、そのうちの非常に重要な一つの柱が、資金繰り支援の「特別プログラム」です。』

キタコレ。

『これは、CP・社債等の増額買入れと、新型コロナ対応特別オペから成る「特別プログラム」であり、感染症の影響を受けた企業等の資金繰りを支援するための措置です。』

oh・・・・・・・・・・どうもCP社債買入(の増額分)と新コロオペがセットになっているようですナムナムナム。

『このプログラムは、今のところ 2021 年 3 月末までの時限的な措置としていますが、当然、今後の感染症の影響などを踏まえて、資金繰り支援の観点から必要と判断すれば、期限を延長するということも十分あり得ると考えています。当然のことながら、3 月末ぎりぎりまで待つということではなく、それより適切な期間前に、延長するということであれば、延長を決定することになると思います。』

どう見ても延長する気満々ですが、企業金融特別支援プログラムが延長されるような非常事態なのに東京オリンピック開催するんですかねえとか、そっちの方は知らんがなですかそうですか、などと言いましても負け犬のオーボエ。日銀ちゃんとしては追加緩和をするような手段がもうない(政策をスクラッチで全面組み換えするという禁断の奥の手はあるが今の体制では無理)し、マイナス深堀とか従来の延長での追加緩和も限界的な効果と弊害を考えたら逆噴射政策になってしまい兼ねませんから、そらまあ追加緩和しない代わりに企業金融特別支援プログラム延長して「やってる感アピール」をしたくなるでしょうなあ、という予想はしています。べき論からしたらやってる感アピールでこんなの延長するなよせめてリスク性資産の買入増額時限措置は終了しやがれよ、とは思いますが、どうせリスク性資産の価格形成がおかしくなってどうのこうの何てのは超事後的にしか分からないから知らんぷりをするのが黒田日銀クオリティ。


・CPIについて当然聞かれる筈なのに想定問答の作りが雑にも程がある件について

そら質問されるわな。

『(問) 物価についてお伺いしますが、8 月の生鮮食品除く消費者物価が、前年比-0.4%となりました。この数字というのは、日銀の想定の範囲内なのでしょうか。あるいは、予想以上にデフレ圧力が高まっているとみていらっしゃるのでしょうか。ご見解をお伺いできればと思います。』

確かこの数字出た時に「GOTOキャンペーン絡みも含めて宿泊関連が盛大に下がってそれだけで寄与度がマイナス0.4ポイント」みたいな特殊要因と、エネルギー要因がですよというような解説を聞いた気がするんですけれども、まあそういう説明でも淡々としておけば良いと思うのですが黒ちゃんの回答は意外にもかなりの雑なクオリティになっています。

『(答) 何が想定内で、何が想定外かは言いにくいところですが、基本的に、四半期に 1 回の展望レポート、それから、年に 8 回ある金融政策決定会合で毎回、公表文を示しており、そうした展望レポート、あるいは、公表文で示されている考え方に沿って展開しているとはみています。すなわち、現下の物価の動向は欧米も似たようなことですが、一方でコロナ感染症の影響、他方で既往の原油価格の下落といった影響を受けて、マイナスになっているとみています。いずれにしても、当面マイナスが出てくると思いますが、従来から申し上げている通り、本年後半から世界経済も回復し、日本経済も徐々に回復していく中で、次第に物価上昇率もマイナスからプラスに転じて、徐々に上昇していくとみています。』

政府の国内旅行キャンペーンによる特殊要因があって、もともとエネルギー要因というワンオフの要因があって、というようなクリアな説明をさらっとしておけば別に問題無いと思うのですが、なんかウダウダと展望レポートにオントラックという説明をメインで行っていまして、いや特殊要因で大きく押し下げたものはあるけれどもこれは持続的なものじゃないからデフレ圧力と判断するのは時期尚早、みたいな話に持って行かないのが実に怪しい、と野良日銀ヲチャー的には思ってしまうのよ。

まあ以下勝手に妄想を逞しくしますと、そもそもCPIについての興味が政策委員会内部でもすっかり薄れている(だってどうせ2%行かないんですもん黒ちゃんの任期中に)ので、細かい想定問答を作るのをうっかりしていたドジっ子パターンというのが想定されまして、まあそれならそれで(物価目標2%で置物緩和を実施したのに忘れるとは何事じゃヴォケというのはさて置きますと)いやーん事務方テラドジっ子ちゃ〜ん、って話で済むのですが、そうではなくて物価の話は突っ込まれると色々とマズーであって、有効な追加緩和手段もないのに物価が元の木阿弥筒井順慶状態になっておられるという所で2%物価目標達成と絡められると宜しくない、つまり物価のアガランチ会長が益々本格化するリスクをかなり見ているので、雉も鳴かずば撃たれまいということでダンマリを決め込んでいる、という事だと致しますとまあとりあえず置物ちょっとそこへ直れという感じになりますので、これはこれで日銀マズー。

と、物凄く妄想成分が高いのですけれども、まあ8月全国CPIの話を振られて特殊要因ネタを入れてこないというのは実に怪しさ抜群だな、とアタクシの勘は話しかけてくれるのですが、幻聴だったらゴメンナチャイ。


・FRBはワシが育てた

講演でもあった件の質疑でもみてやろうじゃないの。

『(問) 挨拶の中で、FRBの新しい戦略、平均インフレ目標について言及されて、日銀のこれまでのやってきたことと軌を一にするものとお話をされました。挨拶の中で、このFRBの新しい戦略について言及された意図について伺いたいのですけれども、足許為替マーケットでややドル安に動いていまして、そのドル安をけん制するというか、日銀とFRBで方向感、政策の方向感が一緒だということを強調されたくて仰ったのか、その辺をお聞かせください。』

ちょwww為替の質問にすんなよツマンネ。

『(答) FRBの金融政策の枠組みレビュー、これはかなり時間をかけてされておられて、それが公表され世界的に議論になり、記者の方からも色々な質問が出ていましたので、前の金融政策決定会合後の記者会見でも申し上げましたし、今回の懇談会でも申し上げました。そこで、端的に申し上げますと、FRBは、「時間を通じて平均して 2%」を目指すということをかなり明快に言っておられて、「インフレ率が 2%に達したうえで、当面の間、2%を適度に上回る軌道に乗るまで」政策金利を据え置くフォワードガイダンスについても、今回仰いました。ですから、平均的なインフレ目標と具体的な金利のフォワードガイダンスについても仰ったわけです。』

で?

『これに対して、日本銀行の場合は、「オーバーシュート型コミットメント」を採用しており、従来から、インフレ率が景気の変動などを均してみて、平均的に 2%になることを目指していますので、』

そもそもそんなバランスアプローチじゃなくて「何が何でも2%を達成する」じゃなかったでしたっけ?????

『今回のFRBの基本的な枠組みレビューの考え方と、日本銀行のこれまでの政策面の考え方とは軌を一にしていると思っています。』

どう見ても抱き着かれたFRBが迷惑ですいい加減にしてください。というかFEDのオーバーザサイクルで2%って話はごくごく普通の中央銀行のインフレ目標の枠組みが最初からそうであって、金融政策が実体経済に波及するタイムラグ考えたら、どこの世界にCPI2%にガチガチにはめ込むような金融政策運営するアホたれさんがいるのかと小一時間問い詰めたい。

『更に、日本銀行の政策金利のフォワードガイダンスは、「現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している」というもので、これは緩和方向を意識しながら金融緩和を継続するという政策スタンスを明確にしたものです。いずれにせよ、先ほどの懇談会でも申し上げた通り、日本銀行としては、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる方針に、全く変わりはありません。』

ちなみにこの最後の文言ですが、コロナ前と後ではしらっと文言変更が行われているのは4月展望の時に申しあげたとおりですが再度確認しますと、

『今後とも、金融政策運営の観点から重視すべきリスクの点検を行うとともに、経済・物価・金融情勢を踏まえ、「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う。特に、海外経済の動向を中心に経済・物価の下振れリスクが大きいもとで、先行き、「物価安定の目標」に向けたモメンタムが損なわれる惧れが高まる場合には、躊躇なく、追加的な金融緩和措置を講じる(注2)。』(2020年1月金融政策決定会合声明文項番2より引用)

ということで、「モメンタムを維持する」「モメンタムが損なわれる惧れが高まる場合」などという発動条件(ただしモメンタムというのがフワフワしてますけど)があったのですが、コロナでモメンタムとか言ってられなくなったので開き直って「必要があれば」という言い方に変更しやがっている訳ですな。

『当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。』(2020年9月金融政策決定会合声明文項番5より引用)

でもさ、よく考えたらというか、考えるまでも無いのですが「必要になったら必要な措置を実施します」ってそれ当たり前の話してるだけじゃんというお話でして、どう見ても言うだけ番長(どころか言ってもいない)です本当にありがとうございましたという感じではありますな、などと思うのでした。

つーかまあ昨日までネタにした議事要旨もそうなんですが、最近何かもう全部コロナのせいにしてるし、政策もコロナを使って全部コロナ対策とか言い出すし、説明が雑になっているようにしか見えないんですけど・・・・・・・


〇しまったいつものことだが時間が無い(ローゼングレンの講演をネタにするつもりが・・・・・・・)

先入先出法をつかって(違う)最近のFED高官発言の中から面白めのを拾って回る企画(量が多くて対応できないまま時間が経過してしまったと思っている、などと言ってはいけません)でさっきの黒ちゃんの会見はマクラの筈だったのについうっかりいつもの悪態を書いてしまいましたすいませんすいませんすいません。

[外部リンク] Economy’s Outlook, Challenges, and Way Forward
By Eric S. Rosengren
September 23, 2020

本文はこちらになります(今日はパス)
[外部リンク] takeaways from Boston Fed President Eric Rosengren’s Sept. 23 remarks』

てな訳で7つあって、本当はここを細かく見ようかと思ったのですが時間がマジでないので(ワイ無計画にも程がある)、最初のと最後のだけちょっと。

『Takeaway: Rosengren’s forecast for the economy is less optimistic than his peers for several reasons, including a concern that a second wave of COVID-19 infections this fall and winter is likely. This could cause some states to impose new restrictions on mobility and sap the willingness of consumers to spend and invest.』

基本的にタカ派系のローゼングレン総裁ですが、どうも先行きの米国経済に関してはコロナちゃんの再拡大がこの秋から冬にかけてやってくるリスクなども勘案すると、若干先行きには悲観成分が入っている、ということで、まあ別に今この時点で政策調整とかどう見ても無いから目先は関係ないですが、ローゼングレン総裁がコロナ再拡大懸念、ということですので、まあFED方面から(この前のエバンスはやっちまいやがった感がありましたが)先行き楽観視しているのでいずれはノーマルに、みたいな感じで無邪気に地雷を踏み抜きに行くことはなさそうだな、と思いました(個人の感想です)。

でもって最後はMSLF(ボストン連銀が事務取扱)に関して。

『Takeaway: The Fed’s Main Street Lending Program can play an important role in the recovery by providing “bridge loans” to support firms that were profitable before the pandemic and expect to be profitable following it. Bridge loans can be scarce during crises for small- and medium-sized firms, and the Fed’s program enables banks to help communities avoid layoffs and bankruptcies by keeping credit flowing to local markets.』

MSLFの機能は企業に向けた「ブリッジローン」であり、その企業というのは何を指すかというと、「firms that were profitable before the pandemic and expect to be profitable following it.」ということで、そもそもがコロナの前から赤字垂れ流しみたいな所のお助けを企図している訳ではない(とは言ってないが裏を返せばそういうことですわな)ってのをきっちりと言っていまして、まあ要はバジョット・ルールの世界ということになる訳でござりまする。現実問題としてそこをクリアカットに切り分けることができるか、というと当然ながら色々とハードルはあるのですが、少なくとも理念的にはこの「あくまでもバックストップ」「バジョット・ルールの考え方に沿った建付」という姿勢を示し続けている訳でして、中央銀行が強力サポートしているから味噌も糞もクレジットスプレッド縮小だぜヒャッハー!というのとは本来は違うっつー話ですが、まあ金融市場の片隅の人と致しましては、マーケットトーク的にはヒャッハーモードになりやすいというのはこれまたアリエールというか普通に発生することで、さてこのバランスをどう取りに行くのか、というのは情報発信含め注目したいですな。

#てな所でご勘弁在りたく(汗)
 


お題「7月決定会合議事要旨の続きだが政策の話がぐぬぬという感じで/カシュカリ総裁は何で「物価紐付けFG」を提案したのかというご本人の説明から」   2020/09/28(月)07:59:49  
  ぐぬぬ・・・・・・・・
[外部リンク]

これは片岡さんの意見。まあ追加緩和しろって方が理屈としては筋が通っているんですが、問題は手段が無いということ。だいたいからしてこの水準から長短金利を下げて企業や家計の金利負担が軽減されることによって何の効果が発生するのか、そもそも金利水準自体が既に低い中、限界的な金利の低下が需要を喚起する効果があるのか、それ以前の問題としてコロナだ何だと言っている中で金利が下がったからといってよーしパパ設備投資しちゃうぞーってなるのか、という辺りについて説得力のある話をして頂かないと箸にも棒にも掛からんし、大体からして短期金利マイナスだろいい加減にしろというお話なんですが、まあそれよりもこの片岡さんに若田部さんは執行部の一員だからあんまり加勢しにくい、という面があるからある程度止むを得ないのですが、安達さんあーた置物リフレ一派枠で審議委員に就任しておいて片岡さんに何の助け舟も出さない(ようにしか見えない状況)というのは何なんでしょうかねえといった風情を漂わせる人情紙の如し。

『そのうえで、委員は、当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じるとの認識で一致した。』

でもって何すんの???

『ある委員は、当面、政府と中央銀行、および主要中央銀行間での緊密な情報共有を継続し、既往の政策枠組みの十分性を見極め、政策対応が必要であれば迅速に実行することが重要であると述べた。』

『また、一人の委員は、経済危機においては、財政政策と金融政策の適切かつ緊密な連携が必要不可欠であるとの見方を示した。』

『ある委員は、財政政策との間だけでなく、ニューノーマルへの対応に向けた構造改革政策との間でも、それぞれの役割のもとで連携することが重要であると述べた。』

・・・・・・・何と申しますか「今年度の目標管理」みたいなのを書くときに定量目標がアカンので定性目標でわかったようなわからんような事を書いているような風情を感じてしまい心が痛くなります(目から汗)。


・弊害のリスクを議論しているようで弊害のリスクになっていない残念な部分

その次の書き出しが、

『次に、委員は、金融政策運営の観点から重視すべきリスクのうち、より長期的な視点からみた金融面の不均衡について議論を行った。』

ってあるからちょっと期待したくなるじゃないですか。どこの誰か忘れましたがそういやこのコーナーがあるから金融政策の見直しも考えているのでは、的な能書きを見たような見なかったような気がするんですが、残念なことに世の中はそんなに甘くない。

『委員は、低金利の長期化や人口減少、企業部門の貯蓄超過といった従来からの環境に加え、今般の感染症の影響もあって、金融機関収益の下押しが長期化すると、金融仲介が停滞方向に向かうリスクがあるとの認識を共有した。』

てめえらの金融政策(マイナス金利にYCCに加えてクレジットスプレッド叩き潰す社債CPの馬鹿買い)が当を得ていないという点に対する記述が一切存在しない時点で箸にも棒にもかからん。

『一人の委員は、実質無利子貸出が一般の貸出の利鞘縮小圧力にもなりうると指摘したうえで、低金利下での金融機関の自己資本利益率の低下を含め、金融仲介機能面への副作用の累積には注意が必要であると述べた。』

鈴木さんですな。

『一方で、委員は、現在の環境のもとでは、利回り追求行動などに起因して、金融システム面の脆弱性が高まる可能性もあるとの認識を共有した。そのうえで、委員は、現時点では、金融機関が充実した資本基盤を備えていることなどから、これらのリスクは大きくないと判断しているが、先行きの動向は注視していく必要があるとの認識で一致した。 』

元はと言えばお前らがマイナス金利政策とかやってるからだろいい加減にしろ。ベースレートが存在していればとりあえず国内短期に金を滞留させるものをマイナスだから置き場が無いんだよ「利回り追求行動」とかまるで金融機関が強欲みたいな用語で説明するんじゃねえよこのスットコドッコイがああああああああ!!!!!

・・・・・すいません取り乱してしまいました。


・これは何を言いたいのだかさっぱり分からん

『更に、委員は、先行きの金融政策運営上の留意点についても議論を行った。』

ってのは良いとして、

『ある委員は、今回の危機の経験を踏まえ、ウィズ・コロナ時代の金融政策のあり方について、検討を深めるべきであり、予想物価上昇率や成長期待の更なる下振れと長期化のリスクに注意を払いつつ、政策の波及経路と効果の検証が必要であるとの見方を示した。』

何度かこの言葉見ている気がするんですが、これ全く持って何を言いたいのかが分からんので、もうちょっと何をどうしたいのか説明してもらえませんですかねえ。

『この間、一人の委員は、経済を確実に回復軌道に乗せるためには、企業自身が成長戦略を立案・実行するマインドに早く戻す必要があり、中期的な視点から金融政策が企業経営に与える影響についても、慎重に点検すべきであると述べた。』

中期的な視点から金融政策が企業行動に影響を与え得るんだったらとっくの昔に2%物価目標達成できてるだろいい加減にしろ。


とまあそういうことで中身がスッカスカの議論が今回も行われました(以下決定事項の話)ということでした。いやーもうすっかりスリーピングボード過ぎておじちゃん悲しいよ一応新法の早い時期から見ているだけに・・・・・・・



〇順番的にどうかと思いますがここでイケメン大僧正カシュカリ先生のFOMC声明文反対理由を確認してみましょう

ええすいませんFEDは高官が無茶苦茶お喋りしているのに全然ネタ消化が追いつきませんお前ら同時に喋るな同時に。

[外部リンク] I Dissented: Neel Kashkari
September 18, 2020

1週間以上前のネタという説がありますが、これは実質先週頭に出たものということにしておけば3日遅れですね(意味なし芳一)。

何か知らんがこっちでも同じのがあるのですが、
//medium.com/@neelkashkari/why-i-dissented-feb698ae4d08

以下引用はミネアポリス連銀のサイトから行います。

『I" target="_blank">[外部リンク] strongly support the new Statement on Longer-Run Goals and Monetary Policy Strategy1 that the Federal Open Market Committee has adopted. It incorporates the lessons we have learned from the prior recovery and gives the Committee sufficient flexibility to make up for periods of low inflation in order to achieve our dual mandate goals.』

『However, I voted against the FOMC’s September 16, 2020, policy statement because, while I believe the statement is a positive step forward in putting those lessons into practice, I would have preferred the Committee make a stronger commitment to not raising rates until we were certain to have achieved our dual mandate objectives.』

FOMC声明文に書かれていた反対理由を読む、という企画(今更企画ですいませんが)ですが、今回のFOMC声明文って基本的には(その後エバンスが何か言い出していたりして市場がエーっという感じの反応をしたように)うっかりすると2023年までの利上げが無い事がコミットされている位の勢いで解釈する向きが多くて、でもってカプランは「政策変更の自由度を上げろ」という方向性なのですが、まあこれはゆうてみれば市場ちゃんの理解と同様の理解をしたうえで反対している方向性なので今回急いで気にすることは無いのですが、もともとハト派のカシュカリが反対したのはなぜか、というのは考察して然るべきな訳でして、イケメン大僧正のカシュカリさんが折角説明して下さっているので読むべきという事なのです。

・フィリップスカーブはあるとしていて自然失業率の推計が過大過ぎた、という説明

最初の小見出しが『The 2015 tightening cycle』と来ました。

『To explain my rationale for seeking stronger forward guidance, I first must review what I learned from the recent tightening cycle that began in 2015.』

まずは2015年の利上げ局面を思い出していただきたい、だそうで。

『That policy tightening was predicated on the Committee’s view that the labor market was reaching maximum employment and therefore inflation was around the corner. When I first became an FOMC voter, I dissented against all three of the Committee’s rate hikes in 2017 because, as I wrote then: “We are still coming up short on our inflation target, and the job market continues to strengthen, suggesting that slack remains.” 2』

そういやこの人利上げに一々反対していたな。

『Recently, Governor Brainard commented: “had the changes to monetary policy goals and strategy we made in the new [monetary policy strategy] been in place several years ago, it is likely that accommodation would have been withdrawn later,
and the gains [to the labor market] would have been greater.” 3』

『We misread the labor market and, as a result, the tightening cycle that we embarked upon was not optimal to achieving our dual mandate goals of maximum employment and stable prices.』

なるほど。カシュカリ総裁の解釈としては「2015年の利上げサイクル入りは、労働市場が完全雇用じゃなかったのに利上げサイクルに入ってしまった、なぜなら物価が上がらなかったから」という認識になっているのですね。

『In recent years, we have repeatedly believed we were at or beyond maximum employment only to be surprised when many more Americans reentered the labor market or chose not to leave, increasing the productive capacity of the economy without causing high inflation.』

『To me, maximum employment is the point at which the labor market is just tight enough to deliver 2 percent inflation in equilibrium. If we were to push the labor market harder, we would end up with inflation greater than 2 percent. By this definition, even in January 2020, we had not yet reached maximum employment.』

つーことで、近年のFRBは「労働市場が最大雇用を達成あるいはそれ以上に過熱している状態なのに物価が上がらんですなあ」という認識を示しているんんですが、カシュカリ総裁としては「そもそも労働市場発で物価に上昇圧力が掛かるような状況になる事が完全雇用である」というスタンスを取っていて、すなわちコロナ前の状況であっても(労働市場からの物価上昇圧力が掛かっていなかった状態であったので)、米国は完全雇用の達成が出来ていなかった、という定義になるそうな。

・・・・・・・ということでですな、ここの所まで読みますと、カシュカリ総裁はフィリップスカーブ自体の関係というのは生きている筈であって、いずれかの時点で労働市場の逼迫が物価の上昇に繋がる、と考えているという話なので、実はあのロンガーランゴールあんどストラテジーの話でクラリダとかパウエルが言っている理屈とは微妙に異なった説明になっているな、という感じがしますけれどもどうっすかね。つまり、執行部は「労働市場と物価の関係が非常に弱くなっているので」と言っているのに対して、カシュカリは「そもそも物価に上昇圧力が掛かるような状態が労働市場が完全雇用(かそれより強いか)状態ということ」という話になる訳よ。いやまあ結果的に出てくるものは「物価上昇してこないうちは気にしないで緩和継続」にはなるんですが。

『Why did we consistently make this error?』

FEDは完全雇用を何故読み間違えたのでしょうか?だそうな。

『First, we heard repeatedly from businesses who complained that they couldn’t find workers. Some said we had a “historic worker shortage.” At the same time, wages were only rising modestly. I learned that businesses want qualified workers at wages they are used to paying. If they can’t readily find workers at historical wage levels, then they declare a worker shortage. The fact that wages weren’t climbing more quickly helped me to see through their complaints and realize that there was likely still slack in the labor market.』

我々は企業経営者からのヒアリングで毎度のように「労働者が雇用できなくて困る」というのを聞いてまして、その中では「歴史的に見て労働者不足」などという発言もあったそうな。でもって一方でお賃金はオンリーモデストリーにしか上がっておあらず、企業は必要なスキルの労働者の賃金を引き上げることなく雇用しようとし、それで人が取れないという時に賃金の引き上げをするんじゃなくて人員不足状態のままで回していた、という行動をとっていた訳です。ということで即ち実は労働市場にはスラックが残っていたというのが妥当である、だそうです。まあ面白い説明ですな。

『Second, economists and policymakers often raise their estimates of the natural rate of unemployment in recessions, believing that workers’ skills diminish, their skills become obsolete in a changing economy, and as they are dislocated from the labor market, they then become hard to reengage during a recovery.』

『For example, if some policymakers believed that 4 percent was the lowest the unemployment rate could go without triggering high inflation during an expansion, they might ratchet it up to 5 percent or 6 percent after a recession. And then when the unemployment rate fell during the recovery back to 6 percent or even 5 percent, some policymakers might believe we must be at maximum employment.』

『In December 2015, when the Committee decided to first raise rates off the effective lower bound, the median FOMC participant thought the lowest unemployment could go without triggering inflation was 4.9 percent, while the actual unemployment rate at the time was 5.1 percent.』

『By February 2020, the unemployment rate had fallen to 3.5 percent without inflation returning to our target. That’s 2.3 million more Americans working than we thought the economy could sustain just a few years earlier.』

エコノミストや政策担当者はしばしばリセッションの時に自然失業率の推計を引き上げていましたが、実際はそうではなかったという事ですよ、ということで2015年時点では失業率5.1%の時点でFOMC参加者のメディアン自然失業率は4.9%となっていて利上げサイクルを開始したけれども、2020年のコロナ直前で失業率が3.5%になったけど物価には上昇圧力かかりませんでしたよね、というお話をしています。まあ事実そうなのだから仕方ないが、これを「リンク切れ」と見るのか「自然失業率はもっと低い」と見るのかがパウエルとカシュカリの違い、というかパウエルって実務家だからフィリップスカーブがどうだこうだとかそっちの方は説明の理屈では使うけど、現実問題として経済の状況次第で金融政策的なもっとプラグマティックな感じはします(個人の妄想です)。

『While I accept that there may be some increase in the natural rate of unemployment in recessions, I believe that economists have overstated the extent of the increase. The result has been a ratcheting up of the natural rate of unemployment in recessions that is harmful because it leads to policy that is too tight. My takeaway from this recent experience is that it is difficult to assess in real time whether we are at maximum employment and whether inflation really is around the corner.』

勿論自然失業率がリセッション時に上昇する(労働市場のスキル低下や退出などの理由により)こと自体を否定する訳ではないけれども、結果的にコロナ直前まで物価上昇圧力が無かったというのは、従来考えられていた自然失業率の上昇というのは過大な推計であったということでしょう、というのが結論。もちろんリアルタイムで最大効用状況にいるのかとか物価が上昇局面に入るターニングポイントに来たかとかいうのを分かるというのは難しいけど・・・・・・・・・・・


・金利のフォワードガイダンスにジャッジメンタル部分を排除すべきとの趣旨

次の小見出しが『Why do I want stronger forward guidance?』である。

ここがカシュカリ大僧正の今回のFOMC声明文の解釈になるので読むべし。

『The new policy statement includes this new forward guidance language:

“The Committee expects it will be appropriate to maintain this target range until labor market conditions have reached levels consistent with the Committee’s assessments of maximum employment and inflation has risen to 2 percent and is on track to moderately exceed 2 percent for some time.”』

そうですね。でもってこの文言についてのカシュカリ総裁の見解ですが、

『This language is an example of outcome-based forward guidance, where the Committee indicates it expects to keep rates at the effective lower bound until certain economic conditions are met.』

これは「経済が然るべき状況になるまでeffective lower boundとなっている今の金利を継続するとFOMCが示唆している」という「アウトカムベースのフォワードガイダンスの例」であると。

『I support the adoption of outcome-based forward guidance as an important step forward for the Committee’s approach to setting monetary policy.』

アウトカムベースのガイダンスを設定すること自体は重要だ、といっていますが反対していたし声明文の方にもあったので、これでは足りんということのようですがさて何が足りないのか。

『My preference, however, would have been for this new forward guidance to be stronger.』

もっと強力にしろと。

『Specifically, this new language still relies on the Committee to assess whether we are at maximum employment and whether inflation is expected to climb.』

ここがポイントになると思います。カシュカリ総裁は現在の金利ガイダンス文言は「最大雇用にあり、物価が上昇するとFOMCが判断する」という部分に依存していて、そこがイクナイということですな。

『As I just reviewed, those are difficult judgments to make in real time. For example, what would have happened had the FOMC adopted this forward guidance in 2012, when it first adopted its 2 percent inflation target? Inflation briefly crossed 2 percent in January 2017 before falling back down. Given that we believed at the time we were at or beyond maximum employment, this new forward guidance would likely have deferred liftoff from December 2015 to January 2017, a little more than one year later. While that would have been an improvement over what the Committee actually did, we still would have been lifting off based on a misreading of the labor market and a false signal that underlying inflation had really returned to target. Hence, we still may not have achieved our dual mandate goals of maximum employment and 2 percent inflation.』

以前の話をああだこうだ入れてますが、要するにリアルタイムで最大雇用状態であることを判断するのが難しいし、そもそも自然失業率の推計だって今までずっと過大推計していたんだから、こういうガイダンスだとプレマチュアーな実質ゼロ金利政策の解除が行われるじゃろ、という事ですね。

・ということでカシュカリ総裁が例の提案をした話になります

『My proposal』というのに参ります。

『In June 2019, I proposed forward guidance that I continue to believe would better assist the FOMC in achieving its dual mandate goals. Specifically, I propose the following:

“The Committee expects to maintain this target range until core inflation has reached 2 percent on a sustained basis.”

By eliminating both the direct reference to our assessment of maximum employment and any forecast of inflation climbing, this proposed language guards against the risk of underestimating slack in the labor market. We would only lift off once we had demonstrated that we really were at maximum employment, because core inflation would have had to actually hit or
exceed 2 percent on a sustained basis in order to lift off.』

完全雇用に関する判断を除き、物価に関しても「上昇すると判断する」のではなくて「コアインフレが2%に持続的に達するまで」という形でのガイダンスを入れるべきである、という説明で、これでまあ何でああいうガイダンスを提案したのかがわかるかと思います。

『Policymakers will have a range of opinions about what constitutes a sustained basis, but for me in this environment, it means roughly a year.』

ちなみにカシュカリの「a sustained basis」は概ね1年だそうな。そんなに安定して2%近傍に居れるのかゼロ金利の中で、という気はしますがまあその時はまた別の話になるでしょうから。

『Our new monetary policy strategy says that after periods of low inflation, the Committee “will likely aim to achieve inflation moderately above 2 percent for some time.” Not raising rates for roughly a year after core inflation first crosses 2 percent is consistent with a strategy of aiming for a modest overshoot in order to achieve average inflation of 2 percent.』

ということで、カシュカリ総裁はこのガイダンス文言だと物価が一旦2%を超えた所でその後の状況を見ることなくサクサクと利上げサイクルに入り、結果またプレマチュアーだった(かどうかは良く分からんのですがカシュカリ的にはプレマチュアーといいうことね)ということを懸念しているそうな。


んじゃ最後『What might be wrong?』です。

『Under what scenario might the Committee regret adopting the forward guidance I propose? If inflationary pressures are building, we might have to raise rates to keep inflation expectations anchored at 2 percent. Once core inflation crosses 2 percent on a sustained basis, my proposal allows the Committee to do exactly that. This scenario should not be a concern.』

『We heard in the last expansion that there might be nonlinearities in the inflation process-that once inflation started climbing, it might accelerate, requiring a very strong policy response to control it. At the time, I called such theories ghost stories, because there was no evidence they were true but they also couldn’t be ruled out. I believe that characterization is still appropriate today. The FOMC has powerful tools to combat high inflation but only limited tools to combat low inflation. Persistent low inflation is posing challenges to advanced economies around the world.』

『If this new forward guidance helped to generate higher inflation that the FOMC then had to respond to by raising rates, I think we would consider that a high-class problem.』

ということでですね、まあ世間様では物価が一旦上昇しだすと実質ゼロ金利何ぞ継続してたら物価上昇がホイホイと加速するじゃろ、というような認識でいるので、どうしても今回のようなフワッとした(とカシュカリさんは解釈している)ガイダンス文言になってしまうと思うのだが、んなこたあないのでもっと強力なガイダンスを入れるべきですよ、という主張な訳でございますな。あと、既に政策ツールってそんなに無いんだからガイダンス位強くして置けや、という話もしているのがチャーミングではあります。まあ物価上昇が加速したらサステインドベーシスが1年とかいうのは反故になりそうな感じはしますが、どうせ時間的不整合性の問題は起き得るし、その時はその時として、せっかく入れるなら強いガイダンス入れて置けばってな感じですかね、まあそれやっちゃうと2回目の時に効きにくくなるから難しい面はあると思うが、言ってる理屈自体は分からんでもない、正しいのかというとやはり時間的不整合が起きた時に信認をより無くしやすいのであんまりお勧めする気は起きないですが(個人の感想です)。
 


お題「本当はFEDネタの方が色々とぶっこまれているのですがジャパンネタで勘弁してつかあさい」   2020/09/25(金)07:59:14  
  ふーん。
[外部リンク] 午前
米加州、ガソリン駆動の新車販売禁止へ 35年から

ところでカリフォルニアってしょっちゅう電力不足で停電してませんでしたっけ??
[外部リンク] 午前
熱波の米カリフォルニア州、計画停電を警告 回避へ節電呼び掛け


〇コロナオペとか基調的な物価とか社債オペとか

・社債オペがございましたな(汗)

一昨日ので恐縮ですが。
[外部リンク] 3,451 2,000 0.133 0.154 3.5

まあ今の所こちらはプラス利回り圏内にいるんですが、前回8月21日のが応札/落札が4,716/2,000でして、(買い入れ予定額は毎度2000なので同じですな)、前回対比で結構応札減ってるのよね。まあこの辺は季節性とか色々とあるかも知れないですけれども、利回りちゃんの方も前回は平均買入利回りが0.181%で足切りが0.165%とこれまた低下しているんですよね。

然るに、今回もそうだったのですが、
[外部リンク] (9月23日<水>)

CPと1-3の社債買入は応札レート下限が設けてあるんですが、3-5って何故か応札レートの下限が設定されていなくて、いやまあ別に応札レートの下限が無くたって札が大流れした時に途中で札を切ってしまって2000億円買わないという選択肢はあるのですけれども、そろそろ下限レートをアナウンスした方が良くないか事故(というか何というか)防止のために、とは思いました。なおクレジットスプレッド云々の悪態はいつも通りなので割愛します。


・コロナオペなおも10兆円とな

[外部リンク] 99,869億円
(参考)貸出残高(注) 450,038億円
(注)2020年9月25日時点の貸付残高の見込み。

まあこれも10bp付利貰えるでという事でせっせと札が集まるようなのですが、じゃあこれがあるから与信判断が変わるのか、という話についての考察はしない、というか仮にしたとしても、このオペでウマーとか言ってる方々が「いや別に」とか真っ正直に答えるのかというとそれもまた以下自粛というものがある訳でして、なんつーこの官民揃っての出来レ(以下の部分は内務省検閲により削除されました)。

でですね、このオペ拡大するとプラス付利額が増えるということは、それってマイナス金利政策の弊害を日銀が正面切って認めている話ジャンとかそういうツッコミもあるのですが、それよりもアカンのは、「コロナ対策3本の鉛筆」とか言って何故かこのオペに社債CP買入やらETF買入やらも含まれている点でして、そうなりますとこのコロナオペを延長するのは延長しても結構という部分はあるにせよ、これ延長するとどうせ日銀のいつものパティーンでCP社債買入の臨時拡大措置とかも延長されるというとんでもない事が起こるのがほぼ明らかというのがトサカに来る訳でして、金融市場の方はクレジットスプレッドを潰すような事をして、コロナオペによるマクロ加算拡大と付利によってオペ参加金融機関にメリットが行く分、マイナス金利政策は残っているのですから、その分の皺寄せがオペ非参加先(の主に年金アセマネ系)に寄って来るという話になる訳でございまして、実にこう釈然としない訳ですな。

そもそも目的が「金融市場の安定化」「リスクプレミアムの過度な拡大の防止」「貸出金融機関に対するメリットの提供」と3本の矢のそれぞれの中でも個別のオペがスコープにしているところが違うのですから、(輪番とドルオペはアレは別に無制限自体何か変化したわけでもないのでどうでも良いっちゃあ良いのですが)リスクプレミアムの過度な拡大の防止のために実施した筈の追加のCP社債買入とかいい加減止めろよ(むしろマイナスプレミアムになってるだろ)という話だし、ETF買入とかもこれまた然りなんじゃねえのか、とは思いますよね。つーかそもそも市場が落ち着いてきたらドルスワップの臨時措置だって徐々に解除されていくんですが、その時はどういう説明するんでしょうねえ(ちなみにアタクシの予想ですが、スワップ自体が無くなる事は無いので、すっとぼけて何の説明もしないと思います)。



・基調的な物価ちゃんですが下落品目が増えているのが気になりますのう

まいどのこれ。
[外部リンク] 0.5 0.1 0.2
Feb-19 0.4 0.0 0.2
Mar-19 0.5 0.2 0.2
Apr-19 0.7 0.2 0.3
May-19 0.7 0.2 0.3
Jun-19 0.6 0.2 0.3
Jul-19 0.6 0.2 0.3
Aug-19 0.4 0.0 0.2
Sep-19 0.3 0.0 0.2
Oct-19 0.3 0.0 0.3
Nov-19 0.2 0.0 0.3
Dec-19 0.3 0.0 0.2
Jan-20 0.3 0.0 0.3
Feb-20 0.2 0.0 0.3
Mar-20 0.1 0.0 0.2
Apr-20 -0.1 0.0 0.3
May-20 0.0 0.1 0.3
Jun-20 0.1 0.1 0.3
Jul-20 0.0 0.1 0.1
Aug-20 0.0 0.1 0.1

前回こんなことを書きました(以下前回の数字が出た後の8/26に書いた駄文より)

先月この数字出た時には「4月がちとアレでしたが何とか持ちこたえたジャン」とか思っていたら、なんとこの全然動かない事山の如しだったモードちゃんが0.1%に(ちなみにエクセルちゃんに落とすと分かるのですが、最頻値ちゃんだけ何故か表記そのまんまの有効桁数になっていて、他の数値は端数を丸めた結果が上記の数字だったりする)絶賛大低下でして、この数字がどの位あばばばばーであるかと申しますと、現在の2015年基準CPIベースでは最頻値が0.1%になった事が無い、つまり2016年1月以降初の数字なんですよ。

しょうがないので前の基準年(2010年基準)まで辿りましたところ、懐かしの2013年の前半位までは最頻値様が微かなマイナスから0.0位の所をウロウロしていまして、2013年11月に遂に0.0%→0.1%と来まして、そこからはプラス数値(ゼロ以下ではない数値)を延々と維持していたんですよ。まあ一番上がって2015年12月の0.5%ではありましたが。

・・・・・・ということはですよ、まあ1回だけなら誤射かも知れない理論がある(ありません)のでちょっと判断は保留しておくのですけれども、やっぱりコロナちゃんで需要減からのアイヤーという動きがアカンというストーリーが見えて来ましたなという話だし、この碌すっぽ動いていなかった最頻値が動く(実際はこのモードの厚みとかの比較とかもしないと数字だけですと0.1%だのと言う数字なのに0.1%刻みという荒い目盛なのでちょっと早とちりしないようにしたい)しかも0.2も、更に追い打ちを掛けるようにこの数値って2013年の後半の数値、と来た日には、まさしく「元の木阿弥」という言葉がしっくりと来るこの結果に涙を流すしかありません。(ここまで8月に書いた駄文)

などと申し上げてきましたが、8月もこの数字と来まして最頻値0.1%が続いているのがこれは元の木阿弥キタコレという感じになっています。あとそれから、前回もちょっと書きましたが、この中の刈込平均と加重中央値は桁表示をいじりますと細かい数字が見えて参りまして、直近3か月を見ますとこうなります。

(左が刈込平均、右が加重中央値)
Jun-20 0.058 0.113
Jul-20 0.009 0.110
Aug-20 -0.027 0.105

・・・・・・・・・・ナムナムナム。

でもって小見出しに書いた上昇下落品目ちゃんですけどこうなります。左から上昇品目比率、下落品目比率(が%)、上昇品目比率-下落品目比率(%ポイント)です。

Jan-19 54.9 37.1 17.8
Feb-19 54.1 37.9 16.3
Mar-19 55.6 35.6 20.1
Apr-19 58.5 33.3 25.2
May-19 58.7 33.5 25.2
Jun-19 59.5 32.5 27.0
Jul-19 59.8 32.7 27.2
Aug-19 59.5 33.1 26.4
Sep-19 59.1 33.1 26.0
Oct-19 59.5 38.8 20.7
Nov-19 62.1 36.1 26.0
Dec-19 60.2 38.0 22.2
Jan-20 61.8 36.5 25.2
Feb-20 60.0 38.4 21.6
Mar-20 57.9 40.5 17.4
Apr-20 58.3 39.2 19.1
May-20 59.1 38.6 20.5
Jun-20 59.7 38.0 21.6
Jul-20 54.9 42.4 12.4
Aug-20 53.7 43.6 10.1

前回8月の駄文ではこんなことを書きました(以下先ほどと同じく8月23日に書いた駄文を引用します)

下落品目比率が上がった結果全体の「上昇-下落」が盛大にプラス幅縮小ということで、この10少々とかいう数字自体は時々出てくるのでまだ1回だけでビビる話でもないのですが、当然ながら此奴がマイナスに突っ込みだすとマズいよマズいよ(インフレ目標的にマズいというだけで本当の本当にマズいのかというと実際の所良く分からんですけど)という事になりまする。ちなみにこの上昇-下落がプラテンしたのがさっきと同じ感じで2013年の12月からでございます。

まーいずれにせよ7月全国CPIということで、コロナからのニューノーマルとか言う前の話ではありますので、今後数カ月見ていかないとアカンという話だとは思うのですが、この調子ですと元の木阿弥ににも程がある訳でして、8年間ちかく何をやっていたんでしょうか金融市場にせっせと大介入して価格形成をおかしくしただけとか控えめに申し上げて地獄の火の中に投げ込まれるべきではなかろうかということになるんですが(個人の偏見です)。(ここまで8月に書いた駄文より)

・・・・・でまあご覧の通りで価格低下品目が益々増えてきている訳でして、これはもう南無阿弥陀仏としか申し上げようがないのですが、そらまあ大阪の総裁講演で物価の話をズバッと削除するわなと思ってしまうのですが、2年で2%どころか7年半でゼロ%だぜウェーッハッハッハとか笑えるけど全く笑えないんでとりあえず置物一派は全員切腹して詫びろとしか申し上げようがない。


〇7月会合議事要旨

[外部リンク] 』から参ります

・SKEW指数の事毎回言ってるの何なの????

最初の『1.経済情勢』の国際金融市場のパートですが、今回もこれ言ってるのが居ます。

『このうち、何人かの委員は、先進国の株価について過熱感が指摘されていることや、株式市場のSKEW指数(市場参加者のリスク認識の偏りを示す指標)が高い水準にあり、市場では下方のテールリスク(大幅な株価下落)が意識されていることなどを踏まえると、資産価格に修正が生じないか、今後の市場動向を注視する必要があると指摘した。』

・・・・・・・????????

これなんですけど、6月会合の議事要旨でも
[外部リンク] 1,800 ドル超急落する場面がみられるなど、不安定な動きとなっていると述べた。』(この部分だけ直上URL先の6月会合議事要旨より)

ってのがあるんですよね。でもって今回は「複数の委員」から「何人かの委員」になっていて、どっちの方が人数が多いのか微妙ですが、たぶん何人かの委員の方が多いような気がします(解釈違ってたら教えてちょ)。

ちょろっと検索してみるとCBOEとかがインデックスを計算しているみたいで、VIXなんかと同じような感じで扱われてはいるみたいなんですけど、要はスキューってオプションのコールサイドとプットサイドのボラのスマイルカーブが偏っている度合いの話で、それをインデックス化しているとかそういう話だと思うのね。

でまあアタクシも昔は円債の店頭オプションの対顧ディーラーとかやってたこともある(なお兼業でやってたのでガチ勢ではないが)ので何となくは理解しているつもりなんですが、例えば円債ちゃんですと、今は知らんけどかつては上がればカバコカバコカバコ、下がればターバイターバイターバイと来る訳ですが、投資家のポートは債券を持っている状態なので、どうしても「上がってカバコ」ってのが掛かり易くて、基本的にオプションのスキュー、と言いましてもスキューがきっちり見えるのは店頭オプションのヘッジが入って来る先物オプションでしたが、当時(10年以上の大昔ですサーセン)の円債のスキューって恒常的にプットサイドに偏っている(コールサイドのIVがプットサイドのIVより恒常的に低い)状態だったんですよね。

でまあそんなこんなを考えますと、別にスキューの偏りが「市場では下方のテールリスク(大幅な株価下落)が意識されている」というのを必ずしも示さんじゃろと思う訳でして、単に株価が上昇基調にあるからコールの売りが入りやすいだけなんじゃネーノとか、そういう風にも思ったりするのですよ。

というかですね、まあそれ以前の問題で、スキューだのヴィックスだのってオプション市場からインプライされてくる数値の結果に過ぎないのであって、そっちを必死こいて見て「市場では下方のリスクが意識」っていうのはさすがに本末転倒というか、いや下方リスクの意識とかはそういうので見るんじゃないだろと思いますし、大体からして金融政策の議論をする中でその手の細かい部分に着目してどうのこうのと言ってしまうのって何なのよ、と思うんですけどどないでっしゃろ、と思うのでありました。


・すっかりコロナ前の時を忘れているような気がするんですが・・・・・・・・

さて話は盛大にワープしまして国内景気のパートに参ります。

『景気の先行きについて、委員は、経済活動が徐々に再開していくとみられるが、当面、内外における新型コロナウイルス感染症の影響から厳しい状態が続くとの認識で一致した。』

まあこの辺はコロナ次第以外言いようが無いので仕方ない。

『そのうえで、委員は、感染症の影響が収束していけば、ペントアップ需要の顕在化や挽回生産が予想されることに加え、緩和的な金融環境や政府の経済対策にも支えられて、わが国経済は改善していくとの見方を共有した。』

ほうほう。

『このうち、一人の委員は、本年後半以降、感染症の影響が収束に向かうことを前提に、内外経済の成長ペースが高まっていくという、4月の展望レポートで示したメインシナリオは大きく変わっていないとの認識を示した。』

『そのうえで、何人かの委員は、経済活動再開に伴い、今後は、やや長い目でみて、家計や企業のマインドセットや行動様式がどのように変化していくかといった、感染症のセカンド・ラウンド・エフェクトに注目していく必要があるとの見方を示した。』

『このうち、一人の委員は、現下の状況が唐突かつ予期しないかたちで到来しただけに、前向きの変化が生じる可能性もある一方、経済への下押し圧力ともなりうる点には警戒が必要であると指摘した。』

『別のある委員は、労働市場の悪化が総需要を下押しする公算が高いこと、感染症のリスクに配慮する新しい生活様式のもとでは従来型サービスの稼働率が低下する可能性があることから、景気回復のテンポは緩慢になる可能性が高いと述べた。 』

まあ感染症の影響とか後遺症がどうのこうのと言っていますが、そもそも論としてコロナが無かったとしても、現実問題として昨年の後半から今年に掛けてって経済物価情勢はこりゃマズーって話で、追加緩和するにもできないしさてどうするんでしょうね、という話だったのをすっかり忘却しているような感じがするんですよねー。特にこの最後から一個の「前向きの変化」とかそういう辺りを見ていますと。


・物価に関して

『物価面について、委員は、消費者物価の前年比は、除く生鮮食品、除く生鮮食品・エネルギーのいずれも、原油価格の下落の影響などにより、0%程度となっており、予想物価上昇率については、弱めの指標がみられているとの認識で一致した。』

7月会合ですのでまあその点は注意して読まないと行かんですが、まあ状況は7月の時点でもこんなもん。

『もっとも、複数の委員は、スーパーなどを対象にした日次・週次のCPIや、最頻値などの基調的な物価指標の底堅さをみると、現時点では、日常的な財・サービスの分野で、値引きで需要を奪い合うというデフレ的な価格設定行動が拡がる状況にはなっていないと指摘した。』

となっていますが、その後のCPIの推移を見ると先ほどネタにした通りでどう見ても暗雲垂れ込めるになっていますので、この評価が9月にどうなっているのか、というのは主な意見で誰か書いてくれませんですかねえ。

『先行きの物価について、委員は、当面、感染症や原油価格下落などの影響を受けて、マイナスで推移するとみられるが、その後は、景気が改善していくもとで、プラスに転じたあと、徐々に上昇率を高めていくとの見方を共有した。』

はいはい大本営大本営。

『そのうえで、ある委員は、やや長い目でみた物価の動向については、現時点では、需要の急速な回復が期待しにくいもとで、予測可能な将来に、物価がモメンタムをもって2%に近接していく姿を予想することは難しいと指摘した。別のある委員は、雇用・所得環境の改善と物価上昇の好循環に弱めの動きがみられる中、消費者物価の低迷が長引く場合には、予想物価上昇率の適合的形成に及ぼす影響が懸念されると述べた。 』

どう見ても降参モードです本当にありがとうございました。勢いでリスク要因の所も引用しますと、

『経済・物価見通しのリスク要因として、委員は、新型コロナウイルス感染症の帰趨や、それが内外経済に与える影響の大きさといった点について、きわめて不確実性が大きいとの認識で一致した。更に、委員は、感染症の影響が収束するまで、企業や家計の中長期的な成長期待が大きく低下せず、また、金融システムの安定性が維持されるもとで金融仲介機能が円滑に発揮されるかについても注意が必要であるとの認識を共有した。』

『多くの委員は、感染症の第2波が発生した場合には、経済活動が再び大きく抑制される可能性があるとの認識を示した。何人かの委員は、こうした感染症再拡大への懸念などから、企業や家計が防衛的な行動を続ければ、成長期待が下方屈折するとともに、需要が長期にわたり低迷する可能性もあると指摘した。』

この辺は7月展望レポートなどにも記載されています。

『一人の委員は、経済の回復の遅れは、企業の財務悪化や金融資本市場の不安定化をもたらし、更には金融システム不安に波及するリスクを内包しているため、その動向には十分注意を払う必要があると述べた。』

何ちゅうか金融システム不安までは言い過ぎのような。

『物価面について、複数の委員は、感染症の影響が需要・供給の双方に及ぶ中で、企業がどのような価格設定行動をとるかには不確実性が大きいとの見方を示した。』

この人たちが直近の基調的物価を見て何を言うのでしょうか楽しみです(棒読み)。

『複数の委員は、現時点では企業倒産の急増は起きていないが、感染症の影響は業種・規模を問わず幅広い企業・個人事業主に及んでおり、仮に、企業の倒産・休廃業が増加すれば、雇用や資本ストックの調整を通じて、再びデフレに陥るリスクもあるため警戒すべきであると述べた。 』

ということで、この先が『.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要』なのですが、本日は時間の配分を間違えたために時間切れになってしまいまして、FEDネタもてんこ盛りに残っているというのに以下後日と言う事で誠に申し訳ございません。
 


お題「同じところで同じ時期に講演をすると年月を経ると味わいが出てくるという雑談(黒田総裁大阪リモート講演)」   2020/09/24(木)08:08:24  
  アタクシの「今週末か来週頭に臨時国会召集冒頭解散で自民大勝利」の見通しェ・・・・・・
[外部リンク] 臨時国会召集は来月下旬で調整 菅首相初の所信表明
2020年9月24日 5時09分

ヘッドライン見た時に「23日か26日」というのを今月だと思って「キタコレ!」と興奮したのですが、興奮した後に9月23日が当日であることに気が付きまして、何だ10月末かと。

11月22日が日曜大安なのですが3連休の真ん中ですから、12月13日の友引とかなら出来そうな気がします(大安は27日で越年組閣とかしたら笑えるがさすがに無い)が、デジタル庁法案を通常国会に出すとかいう謎の目玉政策(デジタル庁ってのがもう何だか手段と目的を取り違えている感満載にしか見えないので大丈夫かいなこの内閣と思ってしまいますけど)がある中で12月投票日の解散総選挙というのも何か微妙。


〇黒田総裁大阪経済4団体と懇談会との挨拶(ただしリモート)がありましたが覇気が感じられませんな

昨日は黒田総裁とガースー首相の会談とかがあったのに何で大阪飛んでるんだと思って、
よくよく考えたらリモート開催なんですなと納得するまで30秒ほど掛かりました。

[外部リンク] 大阪経済4団体共催懇談会における挨拶 ──

・ねえねえなんでコロナ対策とかコロナで明らかになった課題とかあるはずなのにこの量なの??

もちろん講演の量が多ければエライ、少なければゴミというものではなくて、長くても中身がひたすらあちこちの人からの受け売りオンパレードで、「僕は最新の世界の見解を勉強しているもんね、エッヘン」としか申し上げようのない講演をする某副総裁のような方もおいでになるので、別に長けりゃ良いってもんじゃないのはありますけど、今回の挨拶要旨、見た瞬間に「エライ短いな」と思いまして、そう思った取材班はさっそく過去2年分遡って確認する訳ですよ。分量確認にはPDFの方が便利なのでPDFバージョン並べますけどね。

2020年:[外部リンク] 年9月には、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みを導入しました。その柱の一つが「オーバーシュート型コミットメント」です。これは、消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%の「物価安定の目標」を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続することを約束したものです。』

それとこのFRBの話とは全然違うじゃろと思いますし、大体からして「MBの拡大”方針”」なんだし、それに実際問題としておまいらこれぶっこんでからMBの拡大ペースを思いっきり下げたやんけ、ということでありますので、どこからどう見ても「FRBのアベレージターゲットはワシが育てた」というのは何ぼ何でも無理矢理すぎませんですかねえ・・・・・・・・・・・・

『日本銀行では、こうした枠組みのもとで、物価上昇率が景気の変動等を均してみて、平均的に2%となることを目指しています。このように、今回のFRBの考え方は、日本銀行のこれまでの政策運営の考え方と軌を一にしたものであると考えています。』

ってこれまんま昨日ネタにした先週木曜日の総裁会見(テキスト出たのは金曜ですが)の話と同じなのですが、なるほどこれが頭にあったからあの謎アピールをしたのか、とは思いますが、何ちゅうか今度は3本の鉛筆の量アピールを引っ込めたかと思えば「FRBはワシが育てた」アピール(しかも殆ど誤認勧誘の世界)と来ましたかそうですか・・・・・・・・(呆)



・なおメカニズムの話は無くなっています

金融政策の話、過去2年間はこういう記述がありました。

『先ほどお話ししたように、2%の実現には、これまでの想定よりも時間がかかると見込まれます。その一方で、需給ギャップの改善を起点とした物価の上昇メカニズムは、引き続き作動しています。こうした状況を踏まえ、日本銀行は、今後とも、強力な金融緩和を粘り強く続けていくことが重要と判断し、7月の金融政策決定会合において、次のとおり、現在の政策の枠組みを強化することを決定しました(図表8)。』(2018年)

2018年の時は例の色々いじったのがあったので話が色々な所に混じっているのでとりあえず典型的な部分を引用しました、

『金融緩和の主な波及メカニズムとして想定しているのは、名目金利から予想物価上昇率を差し引いた実質金利の引き下げです。現在、実質金利は、景気に中立的である自然利子率を十分に下回る水準で推移し、経済活動を幅広く刺激しています。こうしたもとで、プラスの需給ギャップを起点とした物価上昇のメカニズムが作動していることは、先ほどお話しした通りです。「物価安定の目標」を実現していくため、物価上昇のメカニズムを働かせ続け、「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持していくことが重要と考えています。』(2019年)

今年は特にその話もなく、さっき引用したところにある「こうした枠組みのもとで〜目指しています」だけでして、その枠組みでどうやって達成するのかは最早完全スルーとなっているのも味わいが深いなあ、とおもいました(--;

なお、実質金利のアピールしたのは何か早速ブーメランが刺さっているような気がしますがキニシナイキニシナイ(棒読み)。
 


お題「MPMレビュー/雑談ネタをば」   2020/09/23(水)08:00:37  
  ついこの前まで外出するのが社会悪位の勢いで報道してた筈なんですが。
[外部リンク] 感染拡大前の休日より増えたところも
2020年9月23日 4時35分

『経済活動が徐々に再開され、観光需要の喚起策「Go Toトラベル」も始まった中、地域によって、にぎわいが戻りつつあることが示された形ですが、それだけに感染防止策の徹底が改めて重要となっています。』(上記URL先より)

この連休は外出しないのが社会悪ってか???いや感染症対応の準備が万端だから外出しろというのでしたらその根拠を示してから緩和しろよと思うのですが、警戒レベルとかは相変わらず高いままでして、おまいら何の根拠で締めたり緩めたりしてるんだよと小一時間問い詰めたい。

#ミーは別に自粛警察ではありませんので念のため

FEDとぶつかったとは言え、MPMの翌日にMPMネタをやらないとか街場の野良日銀ヲチャーの風上にも置けない暴挙をしましたので今日はMPMレビューをば。なお4連休もあって何で更新しとらんのや、という点についてはお察しということでよろしくお願い申し上げます。


〇MPM声明文:景気判断を色々と引き上げているものの政策は地蔵モード

[外部リンク] 2020年9月17日(木)
午後3時半から約70分

いやまあ今回はガースー政権発足というイベントがあったから関連質問が多くなる、というのはわかるんですが、前回の展望レポートの会合での会見が会見要旨によれば60分となっていて、展望レポートの出た会合よりも、何もなかった無風会合の方が会見長いってどういう事よと申しますか、まあ要するに記者の皆様におかれましては、経済物価情勢判断よりも政治マターの方に興味があるようですね、というのは分かったのだが、金融政策決定会合の会見なんだから頼むから経済物価情勢に関する質疑をしてくれよ、という話ではありますな。

・・・・・・という訳で、これがまた時間にして70分、ページ数にして18ページいっぱいいっぱいに詰め込んでいる(7月は時間60分、ページ数は14ページ半です)のですが、ガースー政権がどうのこうのとかその手の話が多くて、まあ多くてもそれはそれで必ずしも悪くはないとは思いますけど、答えようがないというか、これ以外に答えようが無いでしょ、という質問が連発しておりまして、18ページ読んでまるでおもんないという会見でして、いいからお前ら全員引っ込んでワイが70分質問攻めにしてやるわ位におもいました、まる。

まあ仕方が無いので少しだけ鑑賞。


・これは良い質問

まあ質疑応答の中で見れるものは少ないのですが設備投資に関する質疑を。

『(問) 設備投資の先行きについて、今回、判断が前回よりは少し慎重になっていて、実際の指標をみても、少し設備投資に企業収益の落ち込みの影響が出ているように思います。この弱さについて、先行きの経済をみるうえでどうお考えなのか、中長期的な成長期待が低下してマインドが萎縮するということが、日銀が考えているリスクの大きな要因の一つだと思うので、そういう観点からお願いします。(後半割愛)』

『(答) 設備投資は、足許、若干減少していることは事実です。今年度あるいは来年度の設備投資がどうなるかというのは今後の短観を注意深くみていく必要があると思っています。ただ、現時点では、GDPや企業収益の大幅な落ち込みに比して、数%ぐらいということでそれほど大きくはないと考えています。』

じゃあ何であんな声明文になったの???

『それから、多くの企業は研究開発投資や物流施設の投資といった様々な投資は引き続き行うという意図を示しています。また、ウィズコロナといいますかポストコロナといった新しい投資のニーズも出てくると思います。他方で、企業収益が一旦非常に大きく落ち込んでいますので、これが今後、生産の回復とともに徐々に回復してくると期待していますが、企業収益の回復の程度がどの程度になるかは、長い目でみると、設備投資にも影響し得ると思いますので、その辺りはみていく必要があると思います。』

『現時点では中長期的な成長見通しが大きく下がったとか、将来のための投資も少し棚上げにしようという動きにはまだなっていないと思います。(後半割愛)』

うーんこの玉虫色。まあ判断付きかねるけど現状認識を下げたということなんですかねえ。もうちょっと詳しく説明して欲しかったです。



・聞かれもしないのにFEDの政策を解説しているのですが

こんなのありました。

『(問)(前半割愛)また、アメリカはFRBが金融緩和の長期化方針を示していますし、ECBはラガルド総裁が為替相場を注視するという考えを示しています。円高に振れそうな要因が増えているような気もするのですが、黒田総裁もこの為替相場の動向には注視していくというお考えでしょうか。』

まあ米国のは実は長期化「方針」なのではなくて、「今の経済物価情勢と今後の見通しを前提にすると長期化することになるでしょう」という「見通し」に過ぎないんですけど、ここの所のコミットメントなのかフォーキャストなのか、という所を本来はギリギリと詰めて頂きたいと思いますが、まあ大体からして何とかストなどと言われる方もその辺を詰めないで「2023年末までのゼロ金利政策継続を約束」だの「雇用を重視した政策に転換」だのお前らが言い出すから中央銀行文学が流行するんだよという話ですが悪態はさておき回答が何とも。

『(答)(前半割愛)米国のFRBの政策ですが、先月、金融政策の枠組みレビューを行い、インフレ目標について、「時間を通じて平均して 2%」を目指すとしました。』

「時間を通じて」って日本語がこなれて無いにも程がある。もう少しちゃんとレクしろ。

『そのうえで、昨日、政策金利のフォワードガイダンスを変更して、労働市場の状況が最大雇用と判断できる水準まで回復し、インフレ率が 2%に達したうえで当面の間 2%を適度に上回る軌道に乗るまで、現在の金利を据え置くことが適当と見込んでいると述べています。こうした対応は、米国経済ひいては世界経済の持続的な成長に資するものと期待しています。』

政策金利のガイダンス文言が「The Committee decided to keep the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and expects it will be appropriate to maintain this target range until labor market conditions have reached levels consistent with the Committee's assessments of maximum employment and inflation has risen to 2 percent and is on track to moderately exceed 2 percent for some time.」という話ですな。

『この点、日本銀行では、インフレ率が安定的に 2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続することを約束した、いわゆる「オーバーシュート型コミットメント」を採用しており、』

はい。

『従来から、インフレ率が景気の変動等を均してみて、平均的に 2%になることを目指しています。』

うーんこの。

『今回のFRBの考え方は、日本銀行のこれまでの政策運営の考え方と軌を一にしたものと考えています。』

おいこらちょっと待て、「オーバーザサイクルで2%」の方はそうだけどオーバーシュート型コミットメントって「2%を超えるまで政策金利を維持」であって、米国のは2%超えの部分は見通しベースのコミットメントになってるから違うだろうがと思うのですが、恐らくは「政策運営の考え方」というのは「オーバーザサイクルで2%」の方って言いたいんでしょうかね、いずれにしても誤解を招きやすい言い方だわさ。

『更に、日本銀行の政策金利のフォワードガイダンスは、「現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している」というものです。これは、緩和方向を意識しながら金融緩和を継続するという政策運営スタンスを明確にしたもので、日本銀行では、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる方針です。』

しかしながらそれって要は経済物価情勢のリスク認識が下向きだからという話であって、それ別に言うまでもない話だし、大体からしておまいら何か追加緩和したのかという話でもあるのですがね。

『また、ECBのラガルド総裁の発言について、私は何かコメントする立場にありませんが、常に申し上げている通り、為替レートは、ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましく、そういう目で為替レートを注視していることに変わりはありません。』

ここだけ答えれば良いのに謎のFED受け売りアピールの意味が良く分からなかったので鑑賞してみました。

その他多少なくもないがあんまりおもろくないので割愛します。以下別件の雑談モード。


〇ESG推進は分かるのだが日銀は民間ヘッポココンサルじゃないんだからさあ・・・・・・(雑談モード)

先日「こんなんありました」ってページだけ紹介した物件があったじゃないですか。

[外部リンク] 金融機構局 金融高度化センターでは、標記テーマの金融高度化セミナーを初めてオンライン・ライブ配信で開催しました。』

『金融機関を取り巻く内外環境は大きく変化しており、持続可能なビジネスモデルの再構築に向けて金融機関の経営は「改革の時代」を迎えています。金融高度化センターでは、こうした金融機関の経営改革の取り組みを支援・推進するため、幅広いテーマで金融高度化セミナー・ワークショップを開催して参りました。今回は、金融機関の皆さま方のご関心の強い、SDGs/ESG金融、デジタライゼーション、業務改革・働き方改革、ガバナンスをテーマに取り上げ、これまで金融高度化センターの諸活動・ネットワークを通じて得られた専門的知見に基づき、各テーマの講師が、新型コロナウイルス感染症の影響も踏まえながら、それぞれの改革の現状と今後の課題を整理してご説明いたしました。』

ってあってですね、まあ何の気なしに最初の「SDGs/ESG金融」っての見てみたんですよ。

[外部リンク] SDGs/ESG金融に関するワークショップ(2019年6月開催)の模様 〜
2020年8月31日(月)、9月7日(月)
日本銀行 金融機構局 金融高度化センター

でですね、この4枚目のスライドに『1.はじめに(本日お伝えしたいこと)』って見出しの紙芝居あるじゃないですか。これ見ていやまあこういう風に話を持って行かないと興味ない人のケツを叩けないのは分かるんですけどこの項目見てもうねという話ですわよ奥様。

『SDGs/ESG金融は・・・』てお題は兎も角として、その項目の『「人ゴト」でなく「自分ゴト」』ってのはまだ許せ無い事もない(ただしその下に→で書かれている文言は引用する気も起きませんアレ)が、『世の中の大きな潮流』ってのもうーんこのという感じですし、『ビジネスチャンス』、ってのってのは、政府機関が言う話なのかね、とは思ってしまうのよ。

いやですね、もちろんスライド10枚目の所にSDGsの説明とかもあるんですけど、SDGsの最も基本的な部分って「leave no one behind」って事でしょと思う訳で(現実の制約は兎も角としてこの考え方はとても良い理念だとアタクシは思うのよ)して、外務省ちゃんの特設サイトだと、
[外部リンク] no one behind)」ことを誓っています。』ってのが本来のあるべき理念でしょと思う訳ですよ。

そこの
基礎資料:SDGsの概要及び達成に向けた日本の取組(PDF)
[外部リンク]
 


お題「今回の日銀はかなりどうでも良いので主にFOMCで参りますとりあえず(てか日銀時間切れ)」   2020/09/18(金)07:56:55  
  組織と個人の区別が出来ていない人がおられるようですな。
[外部リンク] みずからのサイトに「行政改革目安箱」設置
2020年9月17日 20時42分

行政の長が議員個人のサイトで管轄する行政に関わる調査をするって、公私の区別が出来てませんですねと思いますが、何故悪態が出るかと言えばこのお方昨日申し上げておりますように、ご自身のツイッターで批判的な意見を、本人向けツイートじゃないものまでせっせとエゴサーチしてちょっとした批判でも片っ端からブロックしている訳で、そういう方が「個人で」設置する目安箱だったら「てめえの気に入らないものは一切読まない、気に入ったものは裏も取らずに即採用」とか何か凄いことが起きないかととても心配になります(棒読み)。

「縦割り打破」ってのもアレでして、権限の明確化と相互牽制のプロセスがキチンとしたプロセスになっているものを「縦割り打破」とか言って破壊したら後に残るのは「チェック機能の働かない有司専制」というガバナンスもへったくれもない状況になってしまい兼ねませんので、そうならんように願いたいっすな(超棒読み)。

つまり、須らく五箇条の御誓文の最初にある「廣ク會議ヲ興シ萬機公論ニ決スベシ」の精神をもってやって頂きたいものですし、まあそういう方向でやっていただくことを大いに期待しております(ハイパー棒読み)。


〇FOMCレビューの続きですがカシュカリの謎反対について愚考してみた

昨日の続きでFOMCレビューなんですけど、最後の所のカシュカリの反対は実を申しますと最初に見た時に「あれ??これタカなのか???」と思ったのですが、言ってるのがカシュカリですので、まああの坊主頭のおじちゃんだったらハトだから本人ハトのつもりで提案してるんでしょうな、と思って書いていたんですよ。

という訳で再掲。
[外部リンク] against the action were (カプランの方割愛) and Neel Kashkari, who prefers that the Committee indicate that it expects to maintain the current target range until core inflation has reached 2 percent on a sustained basis.』(最終パラな)

これなんですけど、まさに昔の日銀のフォワードガイダンスと水準は違うけど言ってる理屈は同じで、「今の政策金利水準(つまり0-0.25%)をコアインフレが持続的に2%水準に達するまでは維持する」という事を政策院会は示すべき、という話なんですよ。

でまあこれ自体は所謂アウトカムベースのガイダンスなのですが、よくよく考えますと、ロンガーランゴールあんどストラテジーでは(今のように)持続的に2%を割っている物価の期間が長い場合の後には、物価の2%超え状態が幾分かの間継続することを容認する」っていう話をしているんだから、2%超の容認に触れていないこのカシュカリおじちゃんのガイダンス文言って声明文よりタカ派じゃねえのか、というツッコミは当然起こる訳なんですよ、というか読者様からそういう鬼ツッコミを賜りまして冷汗三斗。


・・・・・・・でまあカシュカリ坊主だからハト、というのも何なので更によく考えてみたのですが、2%超を容認するのは容認するんですが、そこの文言ってえのは声明文(でもロンガーランゴールの方でも良いですけれども)ではこう書いてあるんですよね。

『With inflation running persistently below this longer-run goal, the Committee will aim to achieve inflation moderately above 2 percent for some time so that inflation averages 2 percent over time and longer-term inflation expectations remain well anchored at 2 percent. The Committee expects to maintain an accommodative stance of monetary policy until these outcomes are achieved.』(3パラな)

これ良く見ますと「幾分かの期間のモデレートな2%超を容認する」とは言っているのですが、2文目の方では「FOMCはこの結果(とは幾分かの期間のモデレートな2%超という事ね)を達成するまでの間、「expects to maintain an accommodative stance of monetary policy」である、と言ってはいまして、維持するのは「今の政策金利水準」なのではなくて、「緩和的な金融政策スタンス」と言っているだけだったりするんですよこれがまた。

つまりですね、「緩和的な金融政策スタンス」であればよいのであって、別にFFが0-0.25%だとは言ってないのですからして、物価が2%ならば政策金利が0.5%だって物凄い勢いで緩和的というか今よりも緩和的とも言えますよね、となってしまうとあらあら不思議な諸葛孔明の罠、という話になるんですよね。オソロシス。

だったら政策金利水準はと言いますと、3パラ目の今引用した直後に、

『The Committee decided to keep the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and expects it will be appropriate to maintain this target range until labor market conditions have reached levels consistent with the Committee's assessments of maximum employment and inflation has risen to 2 percent and is on track to moderately exceed 2 percent for some time.』(同じく3パラ)

ということで、政策金利維持は2%超過までではなくて、「労働市場の状況がFOMCとして完全雇用であると認識し、かつ物価が2%に上昇して、しばらくの間モデレートに2%超を維持するという見通しにトラックされた状態である”ことと整合的な状況になるまで”」というこっちも突き詰めて読みますと実はフワフワとした言い方になっているのですな。

まあこの辺はもう文学作品の世界になりますが、まあ要するにアウトカムベースというか、物価(または他のハードデータ)に直接紐付けをさせず、出来るだけジャッジメンタルな部分を残している状態になっているんですよね。

#ではSEPはどうした、と言われそうですがそれはまたこの先で

・・・・・・・つーことでですよ、「2023年までゼロ金利を確約」みたいなストーリーを描きたくなるのは気持ちおよびマーケットの雰囲気としては良く分かるのですが、この声明文って恐ろしく巧妙に出来ていて、よくよく見ると物凄いジャッジメンタルな部分を残しているんですよね。だからカシュカリは物価紐付けのガイダンスを要求したんでネーノという風に思ったんですけどどうでしょうか。

でも、昨日も申し上げた通り、カプランは「フレキシビリティを残すべき」って反対しているように、まあよほどこれ意地悪に読まない限りは、ハト派に突っ込んだ表現(と言ってもジャクソンホール対比横這いですが)という風に読めてしまうのですけれども、カシュカリはこの声明文のコミットメントが実は弱いというのを懸念したということになりますわな。


・・・・・・って考えて頭がウニになりましたが、まあこれは思考をひねくり回すという意味では楽しいお題になりました。


〇ディレクティブ:確かに声明文とディレクティブは時間軸が違うのだが・・・・・・・・・

[外部リンク] 16, 2020
Implementation Note issued September 16, 2020
Decisions Regarding Monetary Policy Implementation

前回のはこちら。
[外部リンク] Federal Reserve has made the following decisions to implement the monetary policy stance announced by the Federal Open Market Committee in its statement on September 16, 2020:』

ということで、

『・The Board of Governors of the Federal Reserve System voted unanimously to maintain the interest rate paid on required and excess reserve balances at 0.10 percent, effective September 17, 2020.』(今回)
『・The Board of Governors of the Federal Reserve System voted unanimously to maintain the interest rate paid on required and excess reserve balances at 0.10 percent, effective July 30, 2020.』(前回)

IOER(所要準備にも同率を付利するからIORと言った方が正確なのかいな)は0.10%で変更なし。

『As part of its policy decision, the Federal Open Market Committee voted to authorize and direct the Open Market Desk at the Federal Reserve Bank of New York, until instructed otherwise, to execute transactions in the System Open Market Account in accordance with the following domestic policy directive:』

『"Effective September 17, 2020, the Federal Open Market Committee directs the Desk to:』

NY連銀へのディレクティブですけどね、

『・Undertake open market operations as necessary to maintain the federal funds rate in a target range of 0 to 1/4 percent.』(今回)
『・Undertake open market operations as necessary to maintain the federal funds rate in a target range of 0 to 1/4 percent.』(前回)

FF誘導金利は同じなのだから当たり前。

『・Increase the System Open Market Account holdings of Treasury securities and agency mortgage-backed securities (MBS) at the current pace. Increase holdings of Treasury securities and agency MBS by additional amounts and purchase agency commercial mortgage-backed securities (CMBS) as needed to sustain smooth functioning of markets for these securities.』(今回)

『・Increase the System Open Market Account holdings of Treasury securities, agency mortgage-backed securities (MBS), and agency commercial mortgage-backed securities (CMBS) at least at the current pace to sustain smooth functioning of markets for these securities, thereby fostering effective transmission of monetary policy to broader financial conditions.』(前回)

ここが前回と今回が違うのですが、今回の文章は
「SOMAにおける米国債とエージェンシーMBSの保有増加を今のペースで行うこと」
「米国債およびエージェンシーMBSの保有を追加的な量まで増加させ、CMBSの買入を行うこと。その量はこれらの証券の市場のスムーズな市場機能を維持するために必要な量である」

となっていて、、前回の文章は
「SOMAにおける米国債とエージェンシーMBSとCMBSの保有増加を少なくとも今のペースで(ということは今のペースまたはより多く、ですな)行い、それぞれの市場のスムーズな市場機能を維持するこによって、金融政策の波及メカニズムを有効にして、幅広い金融環境に影響を与えること」

になっていますがな。まあこれは実際の買入量がどうなるのかというのを比較すれば分かるんでしょうが、ここのディレクティブを見ると金融環境云々の文言が削除されているのが気になりますが、声明文の方では今回金融環境の話をぶっこんでいて、昨日ネタにした時に「抜けられなくなる恐れ」という話をしたんですが、その逆をディレクティブでやっているという不思議ちゃんな話。


『・Conduct term and overnight repurchase agreement operations to support effective policy implementation and the smooth functioning of short-term U.S. dollar funding markets.』(今回)
『・Conduct term and overnight repurchase agreement operations to support effective policy implementation and the smooth functioning of short-term U.S. dollar funding markets.』(前回)

システムレポの実施文言に関しては全文一致。これも声明文ではシステムレポの話をぶった切ってしまっているのに、ここでは普通に変更なしというのが何か不思議ちゃん(まあシステムレポとかを急に止めはしないのは分かるけど)。

『・Conduct overnight reverse repurchase agreement operations at an offering rate of 0.00 percent and with a per-counterparty limit of $30 billion per day; the per-counterparty limit can be temporarily increased at the discretion of the Chair.』(今回)
『・Conduct overnight reverse repurchase agreement operations at an offering rate of 0.00 percent and with a per-counterparty limit of $30 billion per day; the per-counterparty limit can be temporarily increased at the discretion of the Chair.』(前回)

システムレポの金利水準、1先辺りの限度額に変更はありません。


『・Roll over at auction all principal payments from the Federal Reserve's holdings of Treasury securities and reinvest all principal payments from the Federal Reserve's holdings of agency debt and agency MBS in agency MBS.』(今回)

『・Roll over at auction all principal payments from the Federal Reserve's holdings of Treasury securities and reinvest all principal payments from the Federal Reserve's holdings of agency debt and agency MBS in agency MBS and all principal payments from holdings of agency CMBS in agency CMBS.』(前回)

ここも昨日申し上げましたようにしれっと変わっている部分でして、SOMA保有証券の償還再投資に関する文言を見ると、CMBSの償還再投資に関する文言が無くなっています。よってちょっと上の部分でも扱いが微妙になっていたのかね、とは思いますが、なんか不思議ちゃんではありまする。


『・Allow modest deviations from stated amounts for purchases and reinvestments, if needed for operational reasons.』(今回)
『・Allow modest deviations from stated amounts for purchases and reinvestments, if needed for operational reasons.』(前回)

『・Engage in dollar roll and coupon swap transactions as necessary to facilitate settlement of the Federal Reserve's agency MBS transactions."』(今回)
『・Engage in dollar roll and coupon swap transactions as necessary to facilitate settlement of the Federal Reserve's agency MBS transactions."』(前回)

この辺の文言は変更なし。

『・In a related action, the Board of Governors of the Federal Reserve System voted unanimously to approve the establishment of the primary credit rate at the existing level of 0.25 percent.』(今回)
『・In a related action, the Board of Governors of the Federal Reserve System voted unanimously to approve the establishment of the primary credit rate at the existing level of 0.25 percent.』(前回)

ディスカウントウインドウのレートは変更なし。

『This information will be updated as appropriate to reflect decisions of the Federal Open Market Committee or the Board of Governors regarding details of the Federal Reserve's operational tools and approach used to implement monetary policy.

More information regarding open market operations and reinvestments may be found on the Federal Reserve Bank of New York's website』(今回)

まあここも同じですな。


・・・・・・てなわけで、買入なんですが、QEの一段の拡大どころかこれペース一部落としてね???とか思うのだが誤読してたらごめんよ。


〇SEP:物凄く虫の良すぎる経済物価見通しとドットチャートと

今回のSEP
[外部リンク] 18, 2019: FOMC Projections materials

前回のSEP
[外部リンク] projections of Federal Reserve Board members and Federal Reserve Bank presidents under their individual assessments of projected appropriate monetary policy, Septemebr 2020.』

例によって手抜きなのでメディアンの数字だけで参る。

Change in real GDP
   2020 2021 2022 2023 ロンガーラン
今回:-3.7 4.0  3.0  2.5  1.9
6月:-6.5 5.0  3.5 (無し) 1.8

Unemployment rate
   2020 2021 2022 2023 ロンガーラン
今回:7.6 5.5  4.6  4.0   4.1
6月:9.3 6.5  5.5 (無し)  4.1

今回は失業率のロンガーラン出すの止めるのかと思ったが出したのね。

PCE inflation
   2020 2021 2022 2023 ロンガーラン
今回:1.2  1.7 1.8  2.0   2.0
6月:0.8  1.6 1.7 (無し) 2.0

これを見ますと、実質成長率はコロナちゃんですけれども足元大幅上方修正、とゆうてもマイナスが減っただけの話ではありますが、その後が21年はゲタある分も含めて反動増は良いとして、22年23年と潜在成長率を上回る水準になっているんですよね。

失業率に関しては、そもそも先般のロンガーゴールとランストラテジーで、「雇用情勢が多少過熱気味になっていたとしても物価に与える影響が小さくなっているという状況を踏まえると雇用情勢の過熱をもって政策反応すべきではない」という話になっているので、失業者数の見通しそのものは政策反応関数というよりも、むしろこの時点における「経済状況」を示すもんだ、という風に読んだ方が適切ではないかと思います(個人の感想です)。

でもってそうなりますと、どうも2023年には完全雇用に戻るということで、んでもってこの時点でも成長率が潜在成長率を上回って推移しているという図になっていますが、何故か物価の見通しはご覧の通りで、まあ足元の数字は原油ガーみたいな話で誤魔化すとしましても、その後さっくりと1.7%まで上昇して、21年以降って潜在成長をそれなりに大きめに上回る成長を示しているのに物価はそんなに上がらない、ってどんな予想だよ整合性取れるのけ???という感じではあります。

まあ見た瞬間思う屁理屈は、失業率をご覧になれば分かるように2021、2022年には経済に相応のスラックが残っていることから物価は上がりにくい、ということなんでしょうが、だったら足元(上方修正したとは言え)から21年に掛けて盛大に上がるのは何でですねんとか、何かこう「コロナのせいにしておけば何でもおっけーなのを良い事に、政策金利見通しから逆算して経済物価雇用見通し作っただろオイ」という感が拭えません。さっきのカシュカリのまるで俊ちゃん時代の日銀を彷彿させるガイダンス文言と言い、どうみても福井俊彦です本当にカムサハムニダという風合いまで漂わせてきているのが味わい深い見通しでした。


・政策金利見通しは順当にこう来たわ

『Figure 2. FOMC participants' assessments of appropriate monetary policy: Midpoint of target range or target level for the federal funds rate Number of participants with projected midpoint of target range or target level』

Midpoint of target range or target level (Percent)

    2020  2021  2022  2023  
0.125  17   17     16    13

ということで、まあそうでしょうな。今ここで2023年には回復するから利上げ軌道復活!とか言い出すのは大統領選挙あるからアカンし、そもそも論からしてコロナがどうなるか次第の中で別に今からそんなに笛や太鼓を鳴らさんでもエエジャロということですな。

ただですね、先ほど申し上げたカシュカリ大僧正のフォワードガイダンス話の所で申し上げましたように、そもそも今のロンガーランゴールあんどストラテジー的にいえば、物価が2%を若干上回って推移しつつ雇用は堅調というのが見込めるのであれば、0-0.25%のFFというのは引き上げ可能(ただし「緩和的な金融政策スタンス」は維持する必要があるので上げるにしてもちょっとダケヨの世界ですけれども)な作りになっていまして、だからこそ0.125%より上の所に4名の札が入っている訳ですよね。

つーことで、今回のSEPってドットを使う事によって、声明文の方で微妙にぶっこんでいる仕掛けを看過しにくくしているのではないか、などと強引な事を思ってしまいましたが、要は今回の声明文って微妙なバランスのとり方をしているのと、微妙な表現を駆使しているのとがありまして、そらまあ近い将来で言えば「金融政策は当面地蔵宣言」をしているのでハトなのはハトなのですが、コロナ騒動が一段落した後の状況次第ではその限りに非ず(逆に超あばばばばーになったら追加緩和ですけれどもバイアスを削除したように大したことが無ければやる気はない)というお話になっています。

つまりですよ、コロナ後の状況次第でどうにでもできる、という状況を地蔵となって継続していく、というのが今回のメッセージでして、そう考えますと、コロナ後が見える前かつ特に追加下方ショックが起きないのであれば、米国市場ちゃんあたりが楽しみにしているらしい、明示的な経済指標紐付けのフォワードガイダンスというのは出てこない(コロナ後の行動について柔軟性を放棄することになるから)という風に考える方が順当になるのかな、と思います。

ということで、まあ2023年末まで現状維持が並んでいるのは、今申し上げたようにどうせコロナ後の状況次第で変化するかも知れないけど今は波風立てずに、というだけの話、そもそもこの政策金利のドットってただの予想なんであって、こんなの直ぐに反故になり得るものですからね。

・・・・・あとちょっと話は逸れますが、ロンガーラン云々の所も多少のオーバーシュートでも「緩和的なスタンス」という話になっていますが、どうせ実際に2.5%程度の上昇を1四半期程度続いたら、国民の皆さんが物価高でブーブー言いだして、議会から何やっとるんじゃワレとなってくるので、その時にしらっと反故になるというのもあり得るでしょ、とは思いますですが、まあそう言う事を考えますと、今の政策って真価が問われるというか地獄の一丁目ご招待になるのは、物価がホイホイと上がりだした時、なんですよね〜。

なお、真の地獄は日本のケースになりますので、その時までは現場職人として生き抜いてこの目で金融市場の状況を感じたいものだ、などと思うのでありました。


〇パウエル総裁記者会見:冒頭ステートメントですがちょっと時間が無いのでちょっとだけ

既にQA付になっております。
[外部リンク] of Chair Powell’s Press Conference
September 16, 2020

・足元の回復ペースは「想定以上」

1ページ目の後半から経済の話になりますが、その中ではこのような話が。

『Economic activity has picked up from its depressed second-quarter level, when much of the economy was shut down to stem the spread of the virus. With the reopening of many businesses and factories and fewer people withdrawing from social interactions, household spending looks to have recovered about three-quarters of its earlier decline. Nonetheless, spending on services that typically require people to gather closely, including travel and hospitality, is still quite weak. The recovery in household spending also likely owes to federal stimulus payments and expanded unemployment benefits, which provided substantial and timely support to household incomes. Activity in the housing sector has returned to its level at the beginning of the year, and we are starting to see signs of an improvement in business investment.』

と個別需要項目の話をしつつ、これらは財政のサポートによって支えられています、というのをぶっこむのに余念がないというパウエル議長。でもって、

『The recovery has progressed more quickly than generally expected, and forecasts from FOMC participants for economic growth this year have been revised up since our June Summary of Economic Projections.Even so, overall activity remains well below its level before the pandemic and the path ahead remains highly uncertain.』

つーことで、SEPの2020見通しが強くなっているのでご案内の通りですが、今回は「想定以上に回復が早い」というのが全体としてのアセスメントであって、「想定通りに回復のトラック」の上を行っている点については一応気に留めておくべき(今すぐ鷹の祭典になる訳ではないのでユニフォームの準備はせんで宜しいのですが)でしょうな、うんうん。


・コロナ直撃の人に生活物資の物価上昇はしんどいですねと入れている真意は何じゃろの

あとね、最近いつも言ってる「コロナの影響は低賃金の人やマイノリティの人に特に大きく食らっている」ネタなんですけど今回も割と力説しています。2ページの中段。

『The economic downturn has not fallen equally on all Americans, and those least able to shoulder the burden have been hardest hit. In particular, the high level of joblessness has been especially severe for lower-wage workers in the services sector, for women, and for African Americans and Hispanics. The economic dislocation has upended many lives and created great uncertainty about the future. 』

といういつものから来まして、

『The pandemic has also left a significant imprint on inflation. For some goods, including food, supply constraints have led to notably higher prices, adding to the burden for those struggling with lost income.』

って物価話のマクラにぶっこんでいるのですが、いやまあ仰ることはその通りなのですが、だったら物価の一時的上振れ容認スタンスとかエエンカイノと言いたくなりますが、まあそのときは景気が良い時なんだから細けぇこたあいいんだよ!とかそういうことですかねえ、なんかうまくつながる理屈を入れないと微妙感漂う。ちなみにこの次は、

『 More broadly, however, weaker demand, especially in sectors thathave been most affected by the pandemic, has held down consumer prices, and overall, inflation is running well below our 2 percent longer-run objective. 』

となって以下SEPの物価見通しの数値になります。


・雇用重視に舵は切っとらんじゃろという物件を見つけました

ちょいと飛んで金融政策運営の話をしている辺りで4ページの頭の辺りから。

『Hence, as we say in our statement, with inflation running persistently below 2 percent, we will aim to achieve inflation moderately above 2 percent for some time so that inflation averages 2 percent over time and longer-term inflation expectations remain well anchored at 2 percent. We expect to maintain an accommodative stance of monetary policy until these outcomes, including maximum employment, are achieved. 』

金融政策運営におけるインフレ目標部分の説明をしておりますが、最後に「もちろんこの結果には最大雇用も含まれます」って入っていまして、どこからどう見てもこれは「最大雇用は当然目指すんだが、物価2%目標(アベレージターゲット)の達成を目指して推進する際に含まれるもの」みたいな言い方になっていますよね、と思うんですが。

先般も申し上げたと思いますが、ジャクソンホールで示されたのは「雇用状況が過熱化したからと言って即座に望ましくないインフレ圧力に直結する訳ではない」ということなのですから、基本的に雇用情勢というのは、目標として最大雇用はめざしますけれども、政策反応関数としては寧ろ物価一本に近づけている、という風に読むのが順当だと思いますし、そういう政策反応関数になっている(と思われる)以上は、雇用重視に舵を切った、というのはちと違くね??という感じはしますけど如何でしょうかね。



〇そういや日銀だが足元を物凄い勢いで上方修正しただけですよ

えーっとすいませんアブソリュートりーに時間が無くなった(これでも少しは夜なべしてたんですが)ので日銀ネタは連休中に投下できる時間があれば投下したいと思いますが、間に合わなければ週明けにFEDとBOJを盛大にごった煮にしてお出ししようかとは思っております誠に申し訳ございません(土下座)。
 


お題「FOMCレビューである(まさかの声明文だけで時間切れサーセン)」   2020/09/17(木)07:53:59  
  今回はまあ何も無かったといえば何も無かった(ロンガーランゴールの変更時点で明らかにされていた変更をしている、という意味です)のですが、細々見ると割とこうややこしくて、こんなことならばもう1時間早起きすれば良かったですお、と思った時にはアフターフェスティバルorzorz。

ちなみにオープニングステートメントは日本時間的には5時回ってからアップされておりますけれども、そこまで今日は絶対手が回らないのを確信しているのでMPMネタと共に明日で勘弁。というかうっかりするとSEPまで手が回らんかもしれんがあれは見ての通りですわ(おい)。


〇声明文:景気認識若干引き上げ、政策に関してはロンガーランゴールどおりではあるが若干ヤヤコシイ

[外部リンク] Federal Reserve is committed to using its full range of tools to support the U.S. economy in this challenging time, thereby promoting its maximum employment and price stability goals.』(今回)

『The Federal Reserve is committed to using its full range of tools to support the U.S. economy in this challenging time, thereby promoting its maximum employment and price stability goals.』(前回)

全文一致。

・第2パラグラフ:経済の現状判断はパンデミックの諸々に関して若干の上方修正、ただし水準はあばばばばーのままとな

『The COVID-19 pandemic is causing tremendous human and economic hardship across the United States and around the world. Economic activity and employment have picked up in recent months but remain well below their levels at the beginning of the year.』(今回)

『The coronavirus outbreak is causing tremendous human and economic hardship across the United States and around the world. Following sharp declines, economic activity and employment have picked up somewhat in recent months but remain well below their levels at the beginning of the year.』(前回)

コロナの表現が「アウトブレイク」から「パンデミック」になっています。これアタクシ例によってドメドメジャパニーズだからニュアンスの差が英和辞典ベースでしかワカランチ会長なのだが、拡大自体は相変わらずだけど爆発的にうぎゃーという段階じゃなくなったとかそういう認識かいな、とは思いましたが米語普段使い経験のある方のご指導を賜りたい。

でもって経済活動と雇用の所ですが、「have picked up somewhat」→「have picked up」なのでどう見てもこれは判断前進になっています。もちろんその次にある水準はダメダメでっせが残っているので水準というより方向性の話っすな。

『Weaker demand and significantly lower oil prices are holding down consumer price inflation.』(今回)
『Weaker demand and significantly lower oil prices are holding down consumer price inflation.』(前回)

『Overall financial conditions have improved in recent months, in part reflecting policy measures to support the economy and the flow of credit to U.S. households and businesses.』(今回)
『Overall financial conditions have improved in recent months, in part reflecting policy measures to support the economy and the flow of credit to U.S. households and businesses.』(前回)

物価と金融環境に関しては文言一致。


・第3パラグラフ:ここから体裁が色々と変わるのでめんどいのだがここでは先行きのコロナ次第の文言に微妙な微妙感

ここから体裁が色々と変わったのでかなりめんどい。

『The path of the economy will depend significantly on the course of the virus. The ongoing public health crisis will continue to weigh on economic activity, employment, and inflation in the near term, and poses considerable risks to the economic outlook over the medium term.』(今回)

『The path of the economy will depend significantly on the course of the virus. The ongoing public health crisis will weigh heavily on economic activity, employment, and inflation in the near term, and poses considerable risks to the economic outlook over the medium term. 』(前回)

前回の3パラはこの後政策金利の話になるのだが今回はここでパラグラフが終了しています。でもって先行きの見通しパラグラフになっていますが、ちょっとだけ違うのは先行きの経済に関して今後のパブリックヘルスクライシスが「will weigh heavily on」→「continue to weigh on」とヘビリーが抜けているので、ここも少し判断を引き上げ気味になっていますかね、とは思います。少なくともコロナコロナあばばばばー一辺倒ではない、という風に見せようとしてるように思えますがどうっすかね。


・第4パラグラフ:政策金利に関する部分ではロンガーランゴールの表現をぶっこみまくってくるの巻あんど・・・・・・・

『The Committee seeks to achieve maximum employment and inflation at the rate of 2 percent over the longer run. 』(今回)

今回読んでてあっちこっちで「おー」と思いましたが、ここも「おー」でして、コロナ前の声明文ですと、金利政策に関する説明が2パラから始まるのですが、その頭に必ず「Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability.」とあったんですよ。でもって今回「seeks to foster」がしらっと「seeks to achieve」となっていますので、「現状はマンデートにショートフォール」ってのをより明確化しているなあとは思いましたが、同時にコロナ前の文言の体裁が復活しているので、1パラは同じですから危機モード認識には変化が無いですが、抜き足差し足忍び足的に判断の正常化に向けて進んでいる、という感じを受けました。アタクシが受けただけですけどね。

『With inflation running persistently below this longer-run goal, the Committee will aim to achieve inflation moderately above 2 percent for some time so that inflation averages 2 percent over time and longer-term inflation expectations remain well anchored at 2 percent. The Committee expects to maintain an accommodative stance of monetary policy until these outcomes are achieved.』(今回)

今回の4パラですが、ガイダンスとは言い難い政策金利の先行きに関する文言(ガイダンス文言は政策決定の所の次にある)が上記のようにぶっこまれていますが、これはロンガーランゴールの4パラ目の以下の文言に相当する表現となりますでしょうな。

『The Committee judges that longer-term inflation expectations that are well anchored at 2 percent foster price stability and moderate long-term interest rates and enhance the Committee's ability to promote maximum employment in the face of significant economic disturbances. In order to anchor longer-term inflation expectations at this level, the Committee seeks to achieve inflation that averages 2 percent over time, and therefore judges that, following periods when inflation has been running persistently below 2 percent, appropriate monetary policy will likely aim to achieve inflation moderately above 2 percent for some time.』(ロンガーランゴール)

ということで、その次に金利維持、というのが来まして・・・・・・・

『The Committee decided to keep the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and expects it will be appropriate to maintain this target range until labor market conditions have reached levels consistent with the Committee's assessments of maximum employment and inflation has risen to 2 percent and is on track to moderately exceed 2 percent for some time.』(今回)

『In light of these developments, the Committee decided to maintain the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent. The Committee expects to maintain this target range until it is confident that the economy has weathered recent events and is on track to achieve its maximum employment and price stability goals.』(前回)

ガイダンス文言ですが、こちらは「is on track to moderately exceed 2 percent for some time」という事ですので文言変更、と言いましても、さっき引用した(めんどいのと文章切りたくないから一緒に引用しちゃいましたが)ロンガーランゴールの引用部分のケツの所に「following periods when inflation has been running persistently below 2 percent, appropriate monetary policy will likely aim to achieve inflation moderately above 2 percent for some time.」とあるのと同じことを言っているので、これ自体前回対比では変更ですけれども、既にロンガーランゴールに記載されているので、その点で言えばジャクソンホールと横ばいになります。

でもってめんどいのは今回資産買入も同じパラにぶっこんでやがることで、この続きが、

『In addition, over coming months the Federal Reserve will increase its holdings of Treasury securities and agency mortgage-backed securities at least at the current pace to sustain smooth market functioning and help foster accommodative financial conditions, thereby supporting the flow of credit to households and businesses.』(今回)

『To support the flow of credit to households and businesses, over coming months the Federal Reserve will increase its holdings of Treasury securities and agency residential and commercial mortgage-backed securities at least at the current pace to sustain smooth market functioning, thereby fostering effective transmission of monetary policy to broader financial conditions.』(前回)

今回の違いは資産買入に関して「and help foster accommodative financial conditions, thereby supporting the flow of credit to households and businesses.」と市場機能以外の話をぶっこんできていることでして、ここをうっかり入れてしまうと危機対応でぶっこんだ分も抜けなくなるような気がするので大丈夫かという風にも思うのですが、インプリメンテーションノートというかディレクティブの方が実は微妙に怪しい文言も入っていて何だか良く分からんぞとは思います。というかディレクティブ間に合うのかオラの時間(やべー)。

あと、まあこれは他意があるのか無いのか分からんし、誰か会見で聞いてるかもしれないけど、前回まであった「In addition, the Open Market Desk will continue to offer large-scale overnight and term repurchase agreement operations. The Committee will closely monitor developments and is prepared to adjust its plans as appropriate」というシステムレポに関する文言をバッサリ削っているんですよね、長くなりすぎだから切っただけなのかもしれませんし、これ自体は政策スタンスとはちょっと別物ですから気にしなくて良いちゃあ良いんですけど。


・第5パラグラフ:act as appropriateの表現をいじっていて地蔵宣言って感じですかねえ

ここは前回の4パラに相当します。

『In assessing the appropriate stance of monetary policy, the Committee will continue to monitor the implications of incoming information for the economic outlook. The Committee would be prepared to adjust the stance of monetary policy as appropriate if risks emerge that could impede the attainment of the Committee's goals. The Committee's assessments will take into account a wide range of information, including readings on public health, labor market conditions, inflation pressures and inflation expectations, and financial and international developments.』(今回)

『The Committee will continue to monitor the implications of incoming information for the economic outlook, including information related to public health, as well as global developments and muted inflation pressures, and will use its tools and act as appropriate to support the economy. In determining the timing and size of future adjustments to the stance of monetary policy, the Committee will assess realized and expected economic conditions relative to its maximum employment objective and its symmetric 2 percent inflation objective. 』(前回)

先行きの金融政策スタンスに関するこのパラグラフですが、しらっと「will use its tools and act as appropriate to support the economy」から「would be prepared to adjust the stance of monetary policy as appropriate if risks emerge that could impede the attainment of the Committee's goals.」に代わっていて、もちろん必要があれば緩和のおかわりは出てくるのは当然ながらも、その前のアウトルックなどの軽めの上方修正に加えて今回「act as appropriate」が「would be prepared to adjust」となっていまして、少なくとも追加緩和バイアスを減らしている、とは言えるのではないでしょうか、ということですので、政策的には当面地蔵宣言ってことですね。


・第6&7パラグラフ:反対2名で方向はタカとハトっすかこれ

『Voting for the monetary policy action were Jerome H. Powell, Chair; John C. Williams, Vice Chair; Michelle W. Bowman; Lael Brainard; Richard H. Clarida; Patrick Harker; Loretta J. Mester; and Randal K. Quarles.』(今回)

『Voting for the monetary policy action were Jerome H. Powell, Chair; John C. Williams, Vice Chair; Michelle W. Bowman; Lael Brainard; Richard H. Clarida; Patrick Harker; Robert S. Kaplan; Neel Kashkari; Loretta J. Mester; and Randal K. Quarles.』(前回)

反対2名ですが、

『Voting against the action were Robert S. Kaplan, who expects that it will be appropriate to maintain the current target range until the Committee is confident that the economy has weathered recent events and is on track to achieve its maximum employment and price stability goals as articulated in its new policy strategy statement, but prefers that the Committee retain greater policy rate flexibility beyond that point;』(今回)

カプランは「緩和政策をロンガーランゴールあんどストラテジーのスタンスに沿うのは良いんだけど、先行き経済物価情勢が上向いた時には柔軟に対応できる(つまり状況によっては緩和スタンスの修正を可能にする)ような文言を入れておいて政策の自由度を確保すべきではないか」とぶっこんできているのでこれはタカ風味(風味であってタカではない)。

『and Neel Kashkari, who prefers that the Committee indicate that it expects to maintain the current target range until core inflation has reached 2 percent on a sustained basis.』(今回)

カシュカリは「コア物価指数が安定的に2%に達するまでは今の政策金利水準を維持すべき」ってので反対していて、要は物価紐付けガイダンス入れろというのでハト風味なのですが、物価紐付けと上振れ容認の関係で時間的非整合性が発生した場合の扱いについてどうするんだろ、というのは示されていないのでハトはハトでも物価がガチで上振れした場合にどう来るのかはまたその時になってみないと分からんタイプになります。

という感じですな。


〇実はディレクティブに微妙なのがあって気になったのだが時間が無い・・・・・・・・

ディレクティブに関してですけどね。

[外部リンク] least at the current pace」なのですが、上記URL先から読めるディレクティブ文言の方は、国債とMBS買入に関して「at the current pace」となっていたり、償還再投資に関する文言の所でCMBSの再投資が削除されていたり(他は再投資の文言維持)とか、なんか微妙に微妙なんですが・・・・・・・というのがありまして、なんか市場が反応して無さそうなので良く分からんのですけれども、これどういうことなのか、というのはあまり米国のこの辺の市場の需給動向を詳細に見ている訳ではないので、ちょっと???だったのですが時間が無いので続きは明日ですいませんすいません。
 


お題「唐突ですが日銀の決済フォーラムと金融高度化フォーラムネタで相場無関係雑感」   2020/09/16(水)07:50:05  
  ほうほう。
[外部リンク] 00:16

ちなみにやたら人気のある河野太郎先生ですが、ツイッターでの振る舞いを見ておりますと「エエカッコウシイ」なのに「批判は自分からエゴサしてまでブロック」という辺りに極めてアレなアレを感じまして、なまじ頭の中身が確りとあるだけに某次郎よりタチ悪い(個人の感想です)ですなあ。大体からして閣僚になった途端に今までの威勢の良い話が全部飛んでしまって、今でも結局は「弱そうなものには物凄い勢いで噛みつくパフォーマンスするけど強いものにはヘイコラと平伏」なので、こういうのに行革やらせると多分碌な事をしないに1万ドラクマ。

あとは安倍ちゃんの家庭教師時代の話をうっかり口を滑らせてしまって「口は災いの元」という故事成語を実践して頂きました平沢勝栄大先生が初入閣というのにガースーさんさすがの人事運営と思いました。なお勝栄先生は早期解散総選挙で当落関係なく「思い出就任」になって終了に1ジンバブエドル。

#今日が臨時国会でしたね失礼しました(昨日は木曜の積りでいました、汗)


〇柄にもなく決済フォーラムの所を見ながら世間話雑談

[外部リンク] デジタル通貨分科会:ポストコロナのデジタル決済(7月30日)の議事の概要
2020年9月11日
日本銀行決済機構局

内田理事の挨拶があってネタにした物件(スルーしてるネタですが池田理事が途中退任になりまして、貝塚正彰さんが理事に就任されましたな、もともとは決済機構は池田理事が御担当だったと記憶しておりました)ですが、式次第を見ますと、『2.プレゼンテーションとディスカッション 』の所にこんな便利な物が(個別のプレゼン資料に関して、日銀以外が出している物件に関しては多分勝手にホイホイ引用しない方が良いと思うのでスルーします)。

[外部リンク] デジタル通貨分科会(7 月 30 日)の議事概要
2020 年 9 月 日本銀行決済機構局

『日本銀行決済機構局では、7 月 30 日、「決済の未来フォーラム デジタル通貨分科会:ポストコロナのデジタル決済」を開催しました。プレゼンテーションおよびディスカッションにおける議論の概要を、以下で紹介します。』

『1.プレゼンテーションの概要

第1部(プレゼンテーションパート)の前半では、「ポストコロナのリテール決済:顧客行動の変化と事業者の課題」をテーマに、キャッシュレス決済に取り組む関係者から、以下のような発表が行われました。内容の詳細は、別掲のプレゼンテーション資料をご覧ください。』

ということで要旨を記載して頂いているのはアリガタヤでこれはさすがに引用して良いんですよね(ダメならその部分黒塗りなり削除なり編集します)。

『(株式会社三井住友銀行 渋谷氏)

キャッシュレス決済は、ポイント還元などの政策対応に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた外出自粛などの影響を受けて、大幅に利用が拡大している。当グループのクレジットカード決済の動向をみると、乗車券・航空券など旅・移動にかかる決済は大幅に落ち込んだものの、Electronic Commerce(EC)にかかる決済が拡大しており、特にこれまで利用が少なかった高齢層の増加が目立つ。こうした傾向は一過性のものではなく、キャッシュレス決済や EC 利用は進展・定着していくのではないか。また、銀行取引の非対面化、すなわちネットバンキング利用やリモートでの口座開設が顕著に増加する現象も生じている。』

という動きではあったのですが、昨今ご案内のように
[外部リンク] 不正引き出し確認
2020年9月15日 14時46分

『「ドコモ口座」を通じた預貯金の不正な引き出し問題に関連して、高市総務大臣はゆうちょ銀行が提携する電子決済サービスのうち、「ドコモ口座」以外にも5つのサービスですでに被害が確認されているとして、不審な出金がないか口座を確認するよう呼びかけました。』(この部分直上のNHKニュースのURL先より)

ってなことで、リモートを拡大したら見事に脆弱性を突いた事案が発生するとかいうのが出てしまいましたし、銀行ではなくて資金移動業の方での口座開設においてリモートは良いんだが本人確認がガバガバとか、恐らく今後もEC化、リモート化していく中で、「実はこの部分って対面のようなリアルのシステムを前提にした各種設計になっていた(4桁暗証番号でオッケーなのはリアルにキャッシュカードという物理的トークンとのセットだから堅牢制を確保できていたので、オンラインで4桁暗証だけにするのは脆弱性が高まるよ、みたいな話)、というような感じで、まあ当然ながらこういう話はこの辺りの講演者の皆様には釈迦に説法ではあるのですけれども、だいたいこう「キャッシュレス推進!!」とか「デジタル化推進!!」とか言ってる上の方に行けば行くほどそういうことは知らんがなだったりするのに無邪気にぶっこみに行くというのがオソロシス。

元に戻ります。

『小口決済用の中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、わが国では金融包摂が進展している上、多様な民間キャッシュレス決済サービスが普及していることから、導入の必要性は相対的に低く、むしろ、災害が多い日本においては一定量の現金流通の維持が求められる。一方で、大口決済用 CBDC の導入は、国際資金決済の大幅な効率化につながるなどメリットが見出せるのではないか。』

んだんだ。では次の方に参ります。

『(一般社団法人キャッシュレス推進協議会 福田氏)』

『わが国では、1 人が保持しているキャッシュレス決済の手段(クレジットカード、デビットカード、電子マネーなど)の数が他国に比べて多い一方、決済額は少ない。その理由をユーザーへのアンケートからは窺うと、使い過ぎに対する不安があることや現金の利便性が高いことが指摘できる。』

どうなんでしょうかね。高価決済が面倒(1円単位まで細かい)な時にスイカだのクレカだのが便利だから、というようなことはあるんじゃないですかねえ。あとはポイントサービス付きだからとか。

『また、店舗側については、キャッシュレス決済導入にかかる3つの壁(端末の導入コストの高さ、加盟店手数料などの運用コストの高さ、資金化までのタイムラグ)が普及の制約となっている。』

そらそうよ。自前でプリペイドカードしてれば話は別ですが、というか昔々(前世紀)に金貸しの手先小僧だった時は金利があったから「プリペイドカード運営するとその日掛け分の利子が」とかそんな話していましたなあ(遠い目)。

『最近のクレジットカード利用の推移をみると、高額の低頻度決済だけでなく、日常的な少額の高頻度決済も増加するかたちで、全体の金額・件数が伸びてきている。同時に、コロナ禍において新しい生活様式が推奨され、コード決済や電子マネーなど非接触型のキャッシュレス決済手段が伸びている。』

という中でその普及の足を引っ張るコモドオオトカゲ(仮称)ェ・・・・・・・・・・・

『当協議会では、安心安全にキャッシュレス決済が使われるよう、自治体・医療機関における普及の促進、災害時に強いキャッシュレスのあり方の研究、セキュリティ対策の検討などを行っている。加えて、QR コードの統一規格である JPQR の導入を促進することで、多数のコード決済サービスに対する店舗の対応負担の軽減や、利用者の利便性向上を図っている。キャッシュレス決済を消費者が継続的に利用するためには、ポイント還元などの「利得性」のアピールから、「利便性」の訴求にシフトしていく必要があると考えている。』

というかですね、確かに初期のユーザー増加にポイントとか大事かも知れませんが、こういう取り組みは普通に「利便性」という正攻法で行かないと、ただ単に一時のポイント狙いのポイントコジキだけ集めて抜け殻がレガシーになってしまう、というようなトンチキな事になってしまう、というかそれがジャパンの芸風ってのをいろんな事例で見ているような気がする(おじいちゃん記憶がアレだから咄嗟に事例が出てこないけど)のですよ。

あとね、デジタルなんちゃらやってる人って「利便性」だから普及するって方向に傾きやすいというかそっちの方がアピールしやすいから当たり前のようにそうなるんですけど、アタクシのような現金最強とか売買履歴をキャリアに渡されてウザい広告来るのウザいとかいう変態がどの位居るのか知らん(たぶんマイナー)ですけれども、「実は現金より安全」ってのアピールしないのかな、とは毎度思うのでありまする。まあ性質上難しいちゃあ難しいかもしれませんけど、「紙のチケットだと紛失するとエライややこしいことになるけどEチケットだったら最悪パスポートあれば搭乗手続き行けまっせ」で紙のチケット駆逐した的な、そういう安心性を与えるサービスって無いのとは思うのでした。

ということで次の人なんですが、

『(一般社団法人 Fintech 協会 丸山氏)

当協会が実施しているキャッシュレス決済の利用者 2 万人アンケート調査の結果をみると、ポイント還元などの政策やコロナ禍の影響を受けて、特に電子マネー・コード決済が大きく伸長している。20 歳以下の若年層では、電子マネー・デビット・プリペイドの利用が相対的に高いが、20〜30 代ではコード利用の割合が電子マネーと比べて遜色ないレベルまで高まっている。意外だったのは、キャッシュレス決済サービスを利用する理由として、支払いのスピードの速さを挙げる人の割合が、ポイント還元を挙げる人の割合よりも高かった点である。また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う、現金や店員との接触回避の傾向も窺われる。(後半割愛)』

ってあるのですが、アタクシはこの「キャッシュレス決済サービスを利用する理由として、支払いのスピードの速さを挙げる人の割合が、ポイント還元を挙げる人の割合よりも高かった」っての意外でも何でもなくて、いや個別店舗のポイントならともかく、共通ポイントみたいなやつだと広告とかそっちがウザいし履歴見られてるみたいでキショイとかそういう感覚になる方もそれなりにはいると思うのね(思いっきりマイナーな個人の感想です)。

ということで、アタクシ思うになんとかポイントで釣るのではなくて、もっと普通にストレートにやっていけば良い時代になってきたんじゃないかな、とは思うのですが、相変わらず「初期の囲い込みはポイントばらまきよ」というのが正義になっているのは個人的には残念です、と言いながら今日も今日とて現金決済のアタクシ。


・・・・・・・さて、この調子で引用していると実は元ファイルご覧になった方お分かりのように10枚組になっているという中々素敵な(褒めてる)資料でして、アタクシも軽くネタにするだけの積りがついついノリノリになってしまっていて焦っているのですが(^^)、

『第1部(プレゼンテーションパート)の後半では、「デジタル決済の強靭性とユニバーサル・アクセスに関する技術的課題」をテーマに、以下の発表が行われました。』

ってなのを鑑賞しますね。

『(日本銀行決済機構局 菅山)

弊行では、「中銀デジタル通貨が現金同等の機能を持つための技術的課題」を整理し、決済システムレポート別冊として先日公表した。まず、現金は、「誰もが、いつでも、何処でも、安全確実に」利用できる決済手段であり、こうした特性は、「ユニバーサル・アクセス」と「強靭性」(レジリエンス)と言い換えられる。この 2 つを備えるには、オフライン決済への対応が求められる。通信環境が確保できない環境でも利用可能な P2P 決済機能を備えた端末が存在し、多くの人々がこれを利用できなければならない。実装のための技術的課題は多く、スマートフォン型においては、処理性能の確保等が重要であり、カード型においては情報伝達や決済指示に必要な機能(リーダ/ライタ)やテンキー・モニター・電池等の開発・実装にコストがかかる。加えて、セキュリティやプライバシー・AML/CFT 対策についても慎重に考慮する必要がある。』

なお先般のドコモ口座ちゃんでは捨てメアドで口座開設が出来るというアンチマネロン(AML)的にはどこからどう見てもアカンヤロ、というかアンチマネロン関連で今金融機関がどこもかしこも対応のレベルを更に高いものが求められていてゴリゴリ言われながら穴が無いか目を皿のようにして検証しているのに、金融が本業じゃない方面から無邪気にガバガバの本人認証やってましたサーセンとか言われるとワイらの近年の血と汗と涙(はオーバーですが)は何だったのかと小一時間どころではなく問い詰めたい。

んでやね、ユニバーサルアクセスとレジリエンスって話はこの話で分かるし、そこが弱いとアカンのも分かるんですが、でもそこだけじゃない電子だからこそできる(ちょっと思いつくのは価値の保存手段としての堅牢さ、と言ってもまあそれは既に銀行があるから勝てないかな)みたいなサムシングエルスが無いかな、などとは思ったりします。


ということでこのコーナーの最後から2番目のお方の発表要旨が一番興味深く拝見しました。まあ債券市場の現世利益的には知らんがなというネタではあると存じますが、資料も含めて読んでおくのは悪くないと思いますよ。どうせ債券市場大してウゴカンチ会長だし。

『(東日本旅客鉄道株式会社 祖山氏)

Suica は乗車券として誕生したが、当初より電子マネーの構想を並行して準備していた。鉄道と流通の両方を営む当グループの事業をめぐる環境を前提に、決済事業者・メーカーが用意したものに頼らず、自らの事業運用に耐えうるよう自社で構築したことが特徴である。』

キタコレ。

『具体的には、鉄道事業においては、早い処理スピード、紛失・再発行対応、長い運用時間、十分ではない回線環境という条件が前提となるため、オンラインでの稼働を基本としつつ、回線障害等を想定してオフライン機能も具備することとした。』

ほうほう。

『例えば、回線障害が発生しても改札を止めるわけにはいかないことを考えればオフライン処理機能は必要である。データの種類によって完全オンラインか、オフラインとしつつも一定間隔毎にオンラインでデータ収集すると使い分けている。』

奥が深い。

『一方、流通事業においては、Suica 事業が始まった時代のネットワーク環境(3G)の不十分さや、独自に新規ネットワーク構築することの制約(鉄道施設における工事制約や自販機などのスタンドアローン端末の存在)から、オフラインでの稼働を基本としつつ、データ収集や配信のためオンラインのバッチ処理機能も店舗等の端末とセンターサーバー間で具備することとした。結果、サービス全体としては、オンラインとオフラインのハイブリッド型となった。』

なるほど。

『その後、通信回線のリッチ化や媒体のモバイル化といった環境変化により、常時オンラインであることを前提にサービスを考えられるケースも出てきたため、従来のオンライン・オフラインの使い分けの考え方らか解放され、よりリッチなサービスを提供することが可能となっている。』

ということだそうです。なお次の人の話はパスします。

まあ何ですな、だいたい申し上げておりますように、アタクシはバリバリのアナログ、というよりはアナクロと言った方が正しそうな頭の固い人間なのを自認しておりますので、大体この手の話はスルー気味ではあったのですが、まあさすがにそうも言ってられんわと申しますか、運用みたいな仕事は無くならんにしても、世界的に低金利低成長になってくると、金融機関的な意味でアセット使って収益稼ぐというビジネスだけで食って行けるのか感もあるので、ケツに火がつくまで動かないアタクシでもちょっと昨今のこの世界的統制相場チックな動き対処するためにはこっちの方面も知見をきっちり付けておかなければ、などと思うのでありました。

なお、それに関連して積読本が2冊ほどございますが、そちらの書評ネタはいずれそう遠くないうちに参ります所存。


〇金融機関経営のガバナンスセミナーキタコレ

[外部リンク] 金融機構局 金融高度化センターでは、標記テーマの金融高度化セミナーを初めてオンライン・ライブ配信で開催しました。』

はい。

『金融機関を取り巻く内外環境は大きく変化しており、持続可能なビジネスモデルの再構築に向けて金融機関の経営は「改革の時代」を迎えています。金融高度化センターでは、こうした金融機関の経営改革の取り組みを支援・推進するため、幅広いテーマで金融高度化セミナー・ワークショップを開催して参りました。』

先生!持続可能な金融緩和政策の再構築もよろしくお願いします!!!(と金融機構局に言ってもそれはボードによろしくと言われますが)

『今回は、金融機関の皆さま方のご関心の強い、SDGs/ESG金融、デジタライゼーション、業務改革・働き方改革、ガバナンスをテーマに取り上げ、これまで金融高度化センターの諸活動・ネットワークを通じて得られた専門的知見に基づき、各テーマの講師が、新型コロナウイルス感染症の影響も踏まえながら、それぞれの改革の現状と今後の課題を整理してご説明いたしました。』

ほっほー、ということでこちらは日銀の人がお話をしております。まあ資料は資料でみてちょという感じですが、上記にあるように順序が

講義1
SDGs/ESG金融に関する金融機関の取り組み [PDF 4,162KB]
日本銀行 金融機構局 金融高度化センター 企画役 杉村 大輔

講義2
ITを活用した金融の高度化とDX [PDF 3,344KB]
日本銀行 金融機構局 金融高度化センター 企画役 中山 靖司

講義3
アフターコロナの時代における金融機関の「新しい働き方」 [PDF 2,342KB]
日本銀行 金融機構局 金融高度化センター 企画役 岡 俊太郎

講義4
経営改革を支えるガバナンス [PDF 2,922KB]
日本銀行 金融機構局 金融高度化センター 企画役 碓井 茂樹

という順序になっていまして、ほーほーほーESGが最初ですかそうですかという感じですが、働き方云々の所ではちょうどこんなニュースがあったのでそれをクリップしたくてこちらもネタにした・・・・・訳ではありませんがまあ貼っておきます。

[外部リンク] Davis
2020年9月15日 10:41 JST

『キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズ(KBW)のアナリストとの会合でJPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)が論じた調査結果によれば、仕事量は月曜日と金曜日に特に影響を受けた。これはリモートワークは本来の交流の代わりにならないとの懸念とともに、JPモルガンが今後数週間により多くの従業員にオフィス復帰を要請している理由の一部だ。』(上記URL先より)

月曜金曜以外でも仕事量が影響を受けるとかオンラインでもオフラインでも仕事量が影響を受けているんじゃネーノというツッコミをされると困るのでツッコミはしないで下さい。

あとESGに関しては米国ERISA法での扱いがどうのこうのとか、チラチラとは最近の動向も確認していない訳ではないのですが、まあ猫も杓子もESGみたいになって、本来の趣旨(ミレニアム開発目標からSDGsへの取組みの一環として投資の世界にもSDGsってなことでESG投資みたいな流れだったと思うのですが)との関係上ちょっとこう首を傾げざるを得ないようなサムシングっぽいのも散見されないでもない(やたら言葉を濁しておりますな、汗)、うーんこのという思いもあって、あんまり変なブームみたいにするのイクナイ!とは思うのよ。やるなと言っている訳ではないしSDGsの趣旨は大事なのですが、悪ノリなんちゃってESGみたいなのが横行すると本来の趣旨が飛んで行ってしまうような恐さを感じるんですよね(個人の偏見です)。


・・・・・あ、時間が無くなってしまいました何か今日は暇ネタ雑談みたいになってしまいまして申し訳ございません。まあアタクシの与太雑感はどうでも良いのですが、上記URL先の資料は相場そのものには1ミクロンも関係ないとは思うのですが、ざっとでも目を通したらどうでしょうかねえ、ということで(汗)。

おっと悪態つくの忘れてましたが、「経営改革を支えるガバナンス 」ってのはあの事実上の社外取締役がどう見てもガバナンス効いて無さそうな(一部のちゃんとした人を除く)ボードメンバーをそろえておられる日銀に言われたくはねえよ、などと思いながら聞いている人はいたことでしょう、といつものを入れて本日はここで勘弁。
 


お題「貸出増加支援オペは4-6の増加分だけに絶賛増加/ラガルド会見の続き」   2020/09/15(火)08:06:24  
  議員票の動向にクソワロタ。
[外部リンク] 氏 68 26 42
菅 義偉 氏 377 288 89
岸田 文雄 氏 89 79 10

ゲルいじめで議員票が岸田に回される(しかも地方票を見た瞬間にこれは岸田やべえしガースー楽勝確定だから多少回しても大丈夫と言う事でプランB発動って感じじゃろ)というこの小姑の集団自民党って状況に笑ってしまうしかありませんな。まあ今回の岸田はゲルよりも上位になるのが仕事という前回とは別に意味でのピエロになりましたかそうですか(あくまでも個人の妄想です)。

ざっくりと党4役の人選見てると実務をがっちりやっていた人たちを引き上げたりしてて、やる気満々ですから衆議院選挙で10月25日(大安)投票日ですな、となると明後日首班指名で9月28日臨時国会召集で冒頭解散じゃの。

#解散の方の六曜まで確認してないけどその前後が解散の日と見ました

#新型立憲はどうでも良いのだが幹事長が福山って総選挙で負けて引責させる前提の続投かよと思いました、まる


〇貸出増加支援が増加とな

[外部リンク] 年 9 月実施分)

『今回の貸付の概要
貸付予定額 132,310 億円
貸付先数 35 先

(参考)貸付日時点の貸付残高および貸付先数の見込み
貸付残高 貸付先数
大手行 308,278 億円 5 先
地域金融機関等 221,899 億円 102 先
合計 530,177 億円 107 先』

今回は今年の4-6の貸出増加に対応した分ですな、前回どうだったかと言いますと、

[外部リンク] 年 6 月実施分)

『今回の貸付の概要
貸付予定額 63,179 億円
貸付先数 48 先

(参考)貸付日時点の貸付残高および貸付先数の見込み
貸付残高 貸付先数
大手行 223,168 億円 5 先
地域金融機関等 219,061 億円 102 先
合計 442,229 億円 107 先』

ということなので大手行中心に増加しておりますな。でもってアタクシも結果出てから確認している時点で間の抜けた話ではあるのですが今更ジローで申し上げますと(超大汗)、

貸出増加支援オペ基本要領
[外部リンク] 貸付金額

貸付先の希望する額とする。ただし、その金額は、9. または10. に定める貸付限度額および当該貸付先が差入れている共通担保の担保余裕額相当額を超えることはできない。

9. 借り換え
貸付先が希望する場合には、次に定める額を貸付限度額として、当初貸付の満期日における全部または一部の借り換えを認める。

(1)借り換え日と同日を貸付実行日とする新規の貸付け(借り換えにかかる貸付け以外の貸付けをいう。以下同じ。)にかかる10.(1)に定める貸出の月末残高平均額(以下「満期時平均額」という。)が当初貸付にかかる10.(1)に定める貸出の月末残高平均額(以下「当初平均額」という。)以上である貸付先にあっては、当初貸付の期日返済額

(2)満期時平均額が当初平均額未満である貸付先にあっては、当初貸付の期日返済額から、当初平均額と満期時平均額の差額を差し引いた額

10. 新規の貸付けにかかる貸付限度額
貸付実行日毎の貸付先毎の新規の貸付けにかかる貸付限度額は、次の(1)から(2)を控除した金額の2倍の金額相当額とする。なお、「適格住宅ローン債権信託受益権担保取扱要領」(平成28年3月15日付政委第24号別紙1.)に基づき本行に担保として差入れられた適格住宅ローン債権信託受益権の信託財産となっている住宅ローン債権は、その担保の差入れを行った貸付先による貸出として取扱うものとする。

(1)当該貸付先による貸付毎に別に定める四半期における貸出の月末残高平均額
(2)平成24年10月から12月までの四半期から、(1)において別に定める四半期の直前の四半期までの各四半期における、当該貸付先による貸出の月末残高平均額のうち、最大の額』


新型コロナ対策支援オペ
[外部リンク] 貸付先ごとの貸付限度額

貸付先ごとの貸付限度額は、次の(1)および(2)の合計額とする。ただし、貸付実行時点における当該貸付先が差入れている共通担保の担保余裕額相当額を超えることはできない。

(1)各貸付先が貸付実行時点で共通担保として差入れている社債、短期社債、保証付短期外債、資産担保債券、資産担保短期債券、不動産投資法人債、短期不動産投資法人債、企業が振出す手形、不動産投資法人が振出す手形、コマーシャル・ペーパー、企業を債務者とする電子記録債権、不動産投資法人を債務者とする電子記録債権、企業に対する証書貸付債権(米ドル建てのものを含む。)、不動産投資法人に対する証書貸付債権および住宅ローン債権信託受益権の担保価額相当額の合計額

(2)各貸付先が別に定める時点で新型コロナウイルス感染症対応として行っている中小企業等への融資の残高に相当する金額のうち、次のイ.およびロ.に掲げるものの合計額

イ.政府が予算上の措置を講じた信用保証協会による保証または利子減免にかかる制度を利用して行っている融資の残高に相当する金額
ロ.イ.の融資に融資条件の面で準じる融資の残高に相当する金額(ただし、1,000億円を上限とする。)』


・・・・・・・・これ字面だけ見ているとよくよく考えたら貸出増加支援と新型コロナ支援って、新型コロナ支援関連で金融機関全体の貸出が増加していたら担保繰りさえ回ればダブルで借りれるじゃんとか思ってしまったのですけれども、その理解であっとるのかいなこれ、実行可能額に関しての字面的には貸出増加支援と新型コロナオペのコンフリクト条項が存在しないからダブルで行けるとしか思えんが。

いやまあ別にダブルでも何でも良いのですけれども、色々なオペを継ぎ足し継ぎ足ししているうちに何が何だか訳分らんことになっている気が。

でもって、新型コロナオペって要綱の12番に燦然と輝く『12.貸付先の当座預金への付利の特例』がありますけれども、ゆうて期間が6か月ですし、まあもしかしたらロールするかもしれませんけれども(でもこのオペロールしていると「新型コロナ危機が続いている」という話だから東京五輪とのコンフリクトが起きる気がしますなあっはっは)、4年で借りれるのが確約の方がより長い目で見た場合にウマーの可能性が高いとか判断しているのかなーなど色々と妄想を沸かせながら見ておりました。

まーただ単に新型コロナオペの方はもう入れるもんは入れてしまっていて、大企業向けの貸出などが増えた分に対応して4年のオペに改めて入れただけなのかもしれませんけど、その辺の懐具合は人様の懐具合なのでワカランチ会長。

ちなみにちょっと話は違いますが、新型コロナオペパート1とパート2って分かれていますけれども、要綱の方を見ると一応(1)と(2)の分類はありますけど、端から合算扱いしているので、これどこからどこまでが(1)で(2)でっての最初の時点で金融機関に内訳出させないで出したらそら内訳日銀で集計できんわ、という風に思うのでした。何のために「中小企業支援」とか大口叩いたんだという気が思いっきりしますけどね。

・・・・・・・というか、これ系のオペに関しては、このオペによって何か政策波及効果があったのかどうかというのがさっぱり読めん(いやまあそれ言い出したらマネタリーベース直線一気理論だってそうですけれども)次第でありますが、じゃあ検証とか言い出すととりあえず無理矢理理屈を捻りだしてそれらしい分析結果を仕立て上げるのが日銀クオリティ(というかどこの政策当局もやること)なのでまあねという感じです。

#「ニーズがある」というのと「これはオイチイので利用しておく」というのの間には越えがたい壁があると思うのですが、結果として出てくるオペ実行額ってのは要因が何であろうと1つしか出てこないっすからね



〇引き続きマターリとラガルド会見・・・・・とか言ってる場合ではない気もする

何か定例理事会終わってECBからも何のかんの情報発信が出ている気もするんであんまりまったりしている場合ではないのですがまあそれはそれということで。

[外部リンク] CONFERENCE

Christine Lagarde, President of the ECB,
Luis de Guindos, Vice-President of the ECB,
Frankfurt am Main, 10 September 2020

・PEPPの「デュアルファンクション」

これはまあそういう話を吹聴するレーン理事がちとアレというか、レーンさんこの手の微妙な踏み込み話が多いので、鉄砲玉としてやっているんだったら別に良いんですけど、ラガルドさんの統制外で勝手にやっているんだとすると、今後ややこしいことになりそうな悪寒もします。んな訳で質問。

『My first question is about some recent comments by Philip Lane in which he talked about a two-stage policy approach to the PEPP.』

って何のことかと言いますと、

『So he said its role is to counteract the negative shock to the expected inflation path caused by the pandemic. How widely is this view that ending PEPP will depend mostly on the outlook for inflation rather than just the immediate crisis effect shared among the Governing Council?(後半割愛)』

レーンさん(当該講演をネタにしてなかったりするので恐縮ですが)はたぶん無邪気に「PEPPはパンデミックの緊急対応として有効だが、これによってインフレの押し上げ効果も期待される」という話をしているんですよね。

いやそらショック対応のオペってショックによって容認できない下振れが発生するのを抑止するための物なので、それは当然大きな言い方をすれば「インフレーションアウトルックにプラスの効果」って話になるのですけれども、そういうのをごた混ぜにしてしまうのって、「政策割り当て」の観点から如何なものかというか、もっと実務的に言っちゃうと「危機対応でぶっこんだものがなし崩し的に長期化する」というどこかの中央銀行のような事になってしまうから、そこはPEPPはパンデミック対応、危機対応が終了した時点でいったん止める、という形で出口の仕組みを作っておかないと、ただでなくさえ緩和政策の出口ってのは色々と難しいのですから(引き締めの出口との非対称性があるじゃろ)、「この政策は通常にも効く」とか言い出すとぜーーーーーーーーったいに碌な事にならないと思うのよね、まあ本邦では震災手形という素敵な失敗例がありますわな。

まあどこぞの中銀のように「物価目標2%達成のためにこれまで実施していた施策」を「感染症対応」というお題目に全部ぶっこんでしまうという割と斬新な事をする人もいますが、これ感染症の危機フェース終了したから終了しますね、ってタイミングでドサクサに紛れて闇鍋を流しに持って行く際に過去の継ぎはぎ施策も流しに持って行ってしまおう、という究極のドサクサ紛れ出口(というか政策全部見直し)を考えてぶっこんでいるんだったら、究極の火事場泥棒として高く評価して進ぜるんですが、って話がそれましたすいませんすいません。

ラガルドさんの答え。

『Lagarde: I think I have just actually addressed the point that you are raising, which is the dual function of the Pandemic Emergency Purchase Programme.』

ほーん(ちなみにこの質疑は昨日引用した最初と2番目の質疑の次にぶっこまれています)。

『It was a programme in and of its own and it had in its DNA, as I think I have mentioned at one of our last press conferences, flexibility which was clearly intended to address the issue of dispersion, the risk of fragmentation and intended to make sure that our monetary policy was transmitted across all member states of the euro area. Clearly, that function has worked, is working and is critically important in order for our monetary policy to actually transmit throughout the whole region.』

『It has a dual function in that the other function has to do with the monetary stance, and clearly it will continue to address and deliver on that dual function. We very much hope that it continues to work on both accounts, both the stabilisation of financing conditions, the risk of fragmentation, but also the monetary stance in order to make sure that inflation is going towards the medium-term objective that we are pursuing.』

これは前回の会見(そういや前回のQAやらんままだったわw)でもそんな話をしていますが、「PEPPによって我々の金融政策スタンス(緩和的)を示して物価目標達成の意思を明確化して世の中にアナウンスメント効果」という説明はまあ以前よりしているんですよね。ただそれ以上に踏み込んだ答えというのはしていなくて、あくまでもフワッとした意味での説明に(ラガルドは)とどめている訳ですし、とどめておかないとこのPEPP自体の出口が難しくなる、ということはさすがにラガルドさん理解しているっぽいですな。というか寧ろ隙あらば無邪気系ハト派(と勝手に思っている)発言してしまうレーンさんとのバランスを考えた方が良さそうですの。

回答の続き。

『As you know, we increased the size of PEPP back in June and that was clearly intended to respond to the circumstances and to make sure that all the consequences resulting from the pandemic could be addressed through that Pandemic Emergency Programme, whether it related to fragmentation, to financial instability, or to the monetary stance that was a direct consequence of the pandemic.』

とあくまでもパンデミックに紐付けた説明をしています。

『So that continues and we've extended, as you know, the duration of our purchases as well as indicated the time frame during which we would continue to reinvest. We also indicated that all of that should not in any way predicate any obstacle to our delivery of monetary policy.(後半割愛)』

今の所「危機のフェースが終わってしまっているのに無駄にPEPPを延長」というのは無いようですが、まあこの危機のフェーズって言ったって鉛筆舐め舐めの世界であることには変わりはないので、そういう点では妙な金融不均衡を作り出す懸念ってのはありますし、なんかこの言い方だと3月末でも終われなさそうな感じはするんですけど(という訳でワクチンよりも特効薬はよという感じっすな)、今の所「ダラダラと止めるに止められなくなるリスク」までは行ってなさそうな感じを受けました。


・ユーロ高に関する質問追加でワイ的につうこんのいちげきを食らう

ちょっと先の方に行きますとこんなのが。

『I have a question about your comments on the strength of the euro. You were saying that you have discussed it extensively but at the same time, you and the ECB don't seem to be overly concerned about the strength of the euro. Was that view shared by all policy makers?(後半割愛)』

でもって回答。

『Lagarde: I think I've been quite clear and quite explicit in the introductory statement concerning the role that the appreciation of the euro plays.』

解説が始まる。

『I will refer you back to page 3, at the top of the page, where we say: at the same time, in the current environment of elevated uncertainty, the Governing Council will carefully assess incoming information, including developments in the exchange rate, with regard to its implications for the medium-term inflation outlook.』

なるほど。

『As a good observer of our introductory statements, exchange rate and the appreciation of our currency was not mentioned in previous documents.』

しまった!この部分って7月の部分のゴテゴテをスッキリさせていた方にばっかり注目してたわ。ということで改めてラガルドさんの言ってる冒頭ステートメント7月と9月を比較する。

『At the same time, in the current environment of elevated uncertainty, the Governing Council will carefully assess incoming information, including developments in the exchange rate, with regard to its implications for the medium-term inflation outlook. 』(9月のintroductory statement)

『At the same time, in the current environment of elevated uncertainty and significant economic slack, the Governing Council remains fully committed to doing everything necessary within its mandate to support all citizens of the euro area through this extremely challenging time.』(7月のintroductory statement)

・・・・・・・うーん確かに、とは思うのですが、これ7月の方が「必要なことは何でもやりますよ」文言が入っていて、今回って「状況を最大限注視していきます」ってなっている主文の方に目が行ってしまいがちになるじゃろということで、為替レートに確かに言及しているんですが、気が付かないように入れているのかと言いたくなる微妙な入れ方でこれは(普段からそこまで目を皿のようにして見ていないせいもあって)孔明の罠かと小一時間(ただのグチです、笑)。

『So that is clearly an indication of the fact that we do not target, but we monitor and we monitor carefully because obviously the appreciation of our currency has an impact on our inflation. As I said, it's not a policy target for us. I am not going to comment on the level of our currency, but it is clear that the external value of the euro is an important determinant of price setting in the euro area. So we will continue to monitor the development and be very attentive to that.(後半割愛)』

とは言えゆうて「monitor carefully」としかゆうとらんのでやる気を感じなかった、というのが初期反応だったんでしょうな、って思いました。と思ったら次の人が追撃。


『I guess I had a follow up on the exchange rate question. You were quite clear that the ECB is looking at it closely, but I wondered if you could say anything about whether the development so far has been basically benign or if it's something that is worrying most members.(後半割愛)』

そうは言っても言うだけ番長じゃないのという質問に対して、

『Lagarde: As I said, the European Central Bank does not target the exchange rate. Our mandate is price stability and to that end, we have a medium-term inflation aim which we try to pursue using all the monetary policy tools that are available. It is clear that we are currently observing through the analysis that we do, we are observing negative pressure on the price level. That is partly attributable - largely attributable actually - to the appreciation of the euro. While we don't target at any level, and I have not, do not and will not comment on any level, we are also monitoring carefully the appreciation of our currency in relation to its impact on our inflation medium-term level. On your other question, let me take this opportunity to remind you that if and when necessary, and warranted by circumstances, and in accordance with our mandate, the Governing Council is determined to use all the policy tools that it has available, and to deploy them and calibrate them as necessary and as appropriate in order to deliver on our mandate.(後半割愛)』

長々と説明していますが、要するに「為替水準に目標は無い、ワイらの目標は物価目標なんでそれにどの程度悪影響があるかどうか次第じゃ」という話をああでもないこうでもないとこねくり回しながら説明していて、まあ「だから政策反応関数としてはどうなっていんだよ」という質問には答えないわな(下手に答えると普通に市場のおもちゃにされてしまいますから答えないのはモチのロンであることは間違いないっすけどね)という所でございましょうか。

あとはPEPPに関する質問が多少あるかなという感じです、それから最後のフランス語は政治のお師匠さんの逝去に関する言葉だったみたいですね(と言ってもフラ語は分からんので英語に自動翻訳掛けて読んでみた結果ですけど)。PEPPに関する質疑はうーんという感じなので明日のネタが足りなかったら埋め草とかそんな感じかなと思っています。
 


お題「日銀からスタッフペーパー2本投下されているので雑談だけ/ラガルド会見質疑応答の頭の所だけで今日は勘弁(その1)」   2020/09/14(月)08:06:20  
  茶坊主しか周囲におかない宣言キタコレ!!!
[外部リンク] 12:24 (JST)9/13 19:23 (JST)updated
コピーライト一般社団法人共同通信社

米国みたいにちゃんとした政策立案能力が省庁以外にあるんならいいんですが、官邸茶坊主が出してくる鳴り物入りの政策がアベノマスクというのが、と思ったが官邸茶坊主もK産省の茶坊主役人なんだよな〜(絶望)。

ということで忖度強要だそうですが、どうもこのガースー先生強権振り回してチェック機能が働かなくて取返しの付かないことをやらかす悪寒しか無いんだが、安倍ちゃんの最後の方からそうなんだからそらそうなるか。

もちろん政策決定プロセスにおいて省庁の意見なども幅広く聞いて「万機公論に決すべし」の精神なのでしたらそら「決定したことに反対なら異動」でも結構ですが、どうせこれ「官邸茶坊主の案に反対するな」って話だからね〜。

#安倍ちゃんの劣化版というか第一次安倍政権の劣化版の悪寒しかしない


〇スタッフペーパー関連が2発出ているのでメモメモ

・BIS国際銀行統計からみえる本年1-3月期の米ドル資金取引の動きとな

こちらはご紹介ページですが、
[外部リンク] 国際銀行統計からみえる本年 1-3 月期の米ドル資金取引の動き
金融市場局 土屋晶嵩、野嶋文乃、堀川卓己、仙波尭、篠崎公昭*



・これはまた凄いのが来ました(物価統計に関して)

ウヒョー!
[外部リンク] estimation)」を用いた新しいヘドニック法を提案する。』

うんうんなるほどと言いつつ「←全然わかっていない」というポプテピピックのポプ子の画像を貼りたくなる。

『新手法は、多重共線性に対する頑健性を高める「グループ効果」、および変数選択の適正性と係数の漸近的な不偏性を同時に満たす「オラクル性」を担保することで、ヘドニック法の推計上の課題に対処している。』

完全に腕を組んで頷いているポプ子状態のアタクシ。

『新手法をわが国の乗用車の価格指数に適用した実証分析の結果、従来の標準的な推計手法と比べて、(1)回帰式に採用される変数の大幅な増加、(2)フィットの改善、(3)欠落変数バイアスによる品質向上率の過大評価の緩和、といった点で改善がみられた。こうした結果は、品質調整におけるヘドニック法の利便性を高めるとともに、物価指数の精度向上に寄与するものと考えられる。』

ということで本文はこちら。
[外部リンク] CONFERENCE

Christine Lagarde, President of the ECB,
Luis de Guindos, Vice-President of the ECB,
Frankfurt am Main, 10 September 2020

・のっけから為替の質問

そらまあレーン理事が連日のように(ECB定例理事会の前も後も)「ユーロ高は域内物価の押し下げ圧力」という発言しているんですからそら質問されるのですがいきなり一発目の質問だったのは(^^)。

『President Lagarde, your words indicate to me that the exchange rate was a topic of discussion in the Governing Council today, so could you give me a bit of detail about that discussion? How concerned are you about the current level of the euro? Do you think this strength is justified and how much does this affect the policy?(後半割愛)』

こらまたド直球な、と思いますが、アタクシ欧州人じゃないからさっぱりその辺分からんですけど、英語が母国語じゃないけど共通の意思疎通に便利、って形で英語使っているせいなのか、ECBの英語って基本的に直球表現が多くてアタクシには助かるですです。BOEの英語とか隙あらばシェークスピアだのディケンズだのモームだの知らんとナンジャソラな表現とかが(さすがに声明文とかはセーフだが講演とかだと素で)出てくるからマジでしんどい(と泣き言)。

『Lagarde: Yes, indeed the Governing Council discussed the appreciation of the euro but as you know, we do not target the exchange rate. Our mandate is price stability and clearly to the extent that the appreciation of the euro exercises a negative pressure on prices, we have to monitor carefully such a matter. This was indeed extensively discussed during our Governing Council.(後半割愛)』

勿論物価の押し下げ圧力になる問題だから議論しましたよでもターゲットはありません、というような淡々とした説明。まあ受け取り方次第の面はあるのですが、もうちょっとユーロ高警戒発言が出るのかなと市場ちゃんは思ったんでしょうかこの時はユーロ高アラートモード無いということでドル下がったんですよね。

ただまあこの辺りはレーン理事に散々ぱら喋らせておいて、自分は原理原則論を唱えておく、という住み分けをおこなっているのか、それともレーン理事がちょっと踏み込んで為替相場に関してぶっこんできているのか、というのがちょっと現状ではアタクシには判断致しかねる所でございまして、どっちなのかによってこれをユーロ高警戒しない発言なのか、それとも単にこの程度ならまだ良いけどもっと来たら許さないって事なのか、その辺は微妙だし、大体からしてその辺りってラガルドとレーンの力関係どうなっているのとか(何となくラガルドさんががっちりグリップしている気がするのは最近すっかりラガルドファンになってしまったバイアスがあると思うのでそれは気のせいにしておく)、その辺りが気になるところではあります。


・今回は各種プログラムの拡大延長の話はどうだったのかという質問

今の質問(質疑応答の一発目)の後半になります。

『(前半割愛)A second question is about whether you discussed any change to any of your policies, whether it's the PEPP or APP, TLTRO, tiering, was there any change being discussed today?』

直球ワロシッリュ。

『(前半割愛)On your second question concerning changes to our programmes, we as always look at how effective and efficient our policies are and our purchase programmes have been. So when we look at the impact that a programme like the Pandemic Emergency Purchase Programme has been, we can only acknowledge the fact that it has been efficient and it has been effective. Whether you look at the sovereign yields across the euro area, whether you look at all indicators of fragmentation, you can - and we can - and we certainly did take stock of the fact that it has worked in relation to both stabilisation of financing conditions and in respect of the risk of fragmentation.』

この回答で味わいがあるのは、ファイナンシャルコンディションの話の中での1つのポイントとして「fragmentation」を挙げている事でして、いやまあギリシャの例のアレの時いらいずっとその話はしていて、ECBにしてみればワイらが実施する金融政策において、クレジットスプレッドの起点となるリスクフリーの金利とか、政策波及メカニズムの中で重要視している銀行貸出ルートの機能面において、域内でfragmentationが発生していたら金融政策の波及メカニズムがワークせんがね、という話はずーっとしているので、新規の話でも何でもないのですが、この部分を聞かれもしないのに強調するということは、まあ色々とアレな財政状況だったりすると話は別なのかも知れませんけれども、現状において一部のヘッポコ国家を除いて、特に主要国の中でのスプレッドが不要に拡大するのはアカン、という話をしている、とも取れる訳でして(個人の感想です)、まあそういう事だぞ、と思うのでした。

『In addition to that, clearly in terms of monetary stance we also acknowledge the fact that PEPP has also served its purpose, although initially it was not intended for that particular aspect of our monetary policy, but it did. So we decided to maintain our accommodative monetary policy, and certainly under current circumstances it is very likely that the full envelope of PEPP will be used for the purpose of developing those policies.』

とまあそういうことでPEPPが効いてまっせこの状況を見ながら適切にプログラムの今後を対処しますって話ですが、これ裏を返して考えますと、パンデミックが一段落というか、ただのインフルの亜種扱いになって、この薬飲んで寝て皆さんの治癒力でなんとかなるじゃろ、というような話になってきて、さあPEPPだのそういうのは終了だお、ってなった時、もちろん売る訳ではなくて新規の買いが無くなるだけでですが、そうなった時の方がスプレッド開きやすくなるんチャウのかとか漠然と思ったり思わなかったり(個人の感想です)。


・上記2点について更にツッコミが来るという連係プレーが日銀総裁会見にも求められるところではあります

次の質問の人は最初の質問の人のネタを敷衍して発展させて来るのがECB会見の良い所。折角なので両方並べますわ。

『I have two questions. The first is on PEPP. The ECB does not fix the size of its net purchases programmes in relation to the size of government bond issuance. However what you called the ambitious fiscal measures in response to coronavirus pandemic by the euro area member states will result this year and next year in a massive increase in debt-to-GDP levels, adding pressure on debt sustainability in some countries. Are you and the Governing Council worried that public debt increases might jeopardise financial stability and provoke unwanted tightening, higher yields and spreads? So in that sense, the market suspects the PEPP to be increased and what do you think about market expectations on that front?』

PEPPに関して来年もコロナ対応で各国の国債発行増えると思うんだが、さてどうするんですかという話の中に、国債発行が増えてくるとそろそろ財政の持続可能性からのスプレッド上昇圧力が起きるかもしれんがどうよ、とかぶっこんできておりまして後半は、

『My second question is on banks. The take-up of the last TLTRO III tender was, as you said, very high but it also showed a fragmented banking system and some weaknesses. COVID-19 can create fragmentation and weaknesses in banking. So market expects more to be done for banks, for example softening of the TLTRO III conditions. Is the Governing Council looking at that on European banks in the pandemic, and the possible revision of existing rules or tools?』

欧州金融機関に関してだが、直近のTLTRO3とか見ていると、域内金融機関におけるfragmentationが始まっているようにも見えるが大丈夫なのか?というような話。では回答だがちと長い。

『Lagarde: Thank you very much for your many questions. Let me take the opportunity of your first question to first of all acknowledge and celebrate the fiscal measures that were taken.』

てな訳で財政の方。

『We had repeatedly over the course of time asked for fiscal measures to be taken, and for fiscal policies to work hand in hand with monetary policy. This is clearly something that we have seen since mid-March both at the national and at the European level. If you combine all the fiscal measures that were taken at national levels, you arrive at roughly a number of 4.5% of GDP consisting of measures that really have an impact on the outlook. That is not to mention the measures that were taken under the headline of guarantees, which roughly account for about 20% of GDP. That's only at the national level.』

『As I said in the introductory statement, the Governing Council strongly welcomed not only the three safety net measures that were decided earlier in the summer to help both employees, companies and sovereigns in total amount of ユーロ540 billion, but it did really welcome strongly the breakthrough of the Next Generation EU fund of ユーロ750 billion which clearly will have an impact most of which, by the way, is not included in our projection as they are being published today. So these fiscal measures were necessary and I'm only pleased that they could be taken in due course and sometimes with the necessary waivers and exemptions that were required at the European level.』

今やっている措置(各国のとEU基金)は必要ですよ、という話をしていますな、そらそう言うわな。

『Let me just add a few words about the programme that we put in place; the Pandemic Emergency Purchase Programme. Let me remind you that it had two functions and it was initially calibrated for ユーロ750 billion that was back on the 18th March. The dual function was the following: the first function was to stabilise market, to ensure a smooth transmission of our policy measures. The second function was to ease our monetary policy stance, to help counter the substantial downgrade of our inflation outlook caused by the pandemic.』

PEPPについて2つの効用ということで、市場の流動性確保と安定強化の他に「緩和的な金融政策スタンスを強調している」というのがあるんですってよ奥様。

『The PEPP announcement already in March, and its recalibration later on in June have successfully stalled the tightening in financial conditions and contributed to easing the overall monetary policy stance. Clearly, with markets stabilising and risks of fragmentation subsidising, I'll remind you that we are pretty much back to the pre-COVID levels in terms of both spreads and dispersion of yields. The flexibility property of PEPP, which is distinct from the attributes of the APP for instance, has become less prominent. The role of the PEPP in easing our monetary policy stance has taken a central stage instead.』

『In a nutshell, fiscal measures were needed. They were taken rightly, timely and efficiently. The PEPP as an emergency programme was clearly responding to the needs of the time.』

コロナ対応では財政が必要なのでその間はPEPPもぶっこみますヨという話をしておりまして、財政の持続可能性どうのこうのの話は華麗にスルーしている感がががが。

『I would add that the TLTRO that you have referred to has also served the purpose that we intended, which was to make sure that the economy was receiving abundant liquidity in order not to accumulate liquidity, not to build buffers, but in order to make sure that lending to the economy was taking place. TLTRO III was calibrated with that in mind, so if banks can actually access a borrowing interest rate which can go down to -1%, it is only under the condition that the lending to the economy, corporate and households, is actually tantamount to what it was or more than what it was, prior to COVID-19. TLTRO III is very different from TLTRO I and TLTRO II in terms of take-up. We've observed at the time of this massive take-up for the first operation, roughly ユーロ1.3 trillion, that it was very well spread throughout the euro area. So it wasn't country specific, it wasn't a category of banks in a country; it was across the board.』

『The other thing that we have observed, which tells us that it is effectively working, is, first, the low interest rates which continue to apply both for corporates and for households and, second, the increased credit that is lent to the economy: 7% for the corporates, 3% for the households.』

TLTROの話をしていますが、こちらも効用とかそういう話をしておりますがな。

『The banks themselves in the July bank lending survey that we have published actually say that TLTROs have helped them to lend to the economy. It shows in the numbers. Those banks that have taken up TLTROs have actually a larger proportion of loans to the economy than those that did not take up TLTROs. So in this stock-taking exercise, both in relation to PEPP, in relation to continued Asset Purchase Programmes otherwise and in relation to TLTROs, we believe that our monetary policy tools as calibrated have worked well.』

ということで、結局質問者の「財政これ以上出していくと弱い国のスプレッドどうよ」というのと「域内の銀行にフラグメンテーションの兆しが出てねえか」という質問には華麗にスルーしているので、まあそこは実際にそうなってくると苦しいので余計なことは言わずにスルーした、と解釈してみましたがどうでしょうかね。

という所で時間が無くなってしまいましたので(サーセン)続きはボチボチ成敗していきます。
 


お題「ECBが無風だとこれは来週の金融政策ウィークも無風っすかねえ」   2020/09/11(金)07:55:25  
  シバキアゲキタコレ
[外部リンク] The interest rate on the main refinancing operations and the interest rates on the marginal lending facility and the deposit facility will remain unchanged at 0.00%, 0.25% and -0.50% respectively. The Governing Council expects the key ECB interest rates to remain at their present or lower levels until it has seen the inflation outlook robustly converge to a level sufficiently close to, but below, 2% within its projection horizon, and such convergence has been consistently reflected in underlying inflation dynamics.』(今回)

『(1) The interest rate on the main refinancing operations and the interest rates on the marginal lending facility and the deposit facility will remain unchanged at 0.00%, 0.25% and -0.50% respectively. The Governing Council expects the key ECB interest rates to remain at their present or lower levels until it has seen the inflation outlook robustly converge to a level sufficiently close to, but below, 2% within its projection horizon, and such convergence has been consistently reflected in underlying inflation dynamics.』(前回)

透かし読みで確認して(^^)コピペも並べて確認していますが全く同じ。政策金利水準と金利のガイダンス文言に変更はありません。


・ペップについても事実上全文一致のようなもの

『(2) The Governing Council will continue its purchases under the pandemic emergency purchase programme (PEPP) with a total envelope of ユーロ1,350 billion.』(今回)
『(2) The Governing Council will continue its purchases under the pandemic emergency purchase programme (PEPP) with a total envelope of ユーロ1,350 billion.』(前回)

ペップの総額はそのままです。

『These purchases contribute to easing the overall monetary policy stance, thereby helping to offset the downward impact of the pandemic on the projected path of inflation.』(今回)
『These purchases contribute to easing the overall monetary policy stance, thereby helping to offset the pandemic-related downward shift in the projected path of inflation.』(前回)

この購入の御利益の解説部分で書き方が変わっていますが、これは単に今回はECBスタッフの物価見通しが変わっていない(正確にいうと2020と22は変わらずで21が0.1上がっている)ので、前回あったダウンウォードシフトってのが単にインパクトというのに変わったと言う事で、政策的な意味合いではあり
ません。

『The purchases will continue to be conducted in a flexible manner over time, across asset classes and among jurisdictions. This allows the Governing Council to effectively stave off risks to the smooth transmission of monetary policy. The Governing Council will conduct net asset purchases under the PEPP until at least the end of June 2021 and, in any case, until it judges that the coronavirus crisis phase is over.』(今回)

『The purchases will continue to be conducted in a flexible manner over time, across asset classes and among jurisdictions. This allows the Governing Council to effectively stave off risks to the smooth transmission of monetary policy. The Governing Council will conduct net asset purchases under the PEPP until at least the end of June 2021 and, in any case, until it judges that the coronavirus crisis phase is over.』(前回)

コロナお助け買入は柔軟に対応するよそれからお助け買入は少なくとも来年の6末までは継続するし、その後もコロナ感染危機フェーズが終わるまでは実施するよ、というペップのガイダンス文言も同じです。

『The Governing Council will reinvest the principal payments from maturing securities purchased under the PEPP until at least the end of 2022. In any case, the future roll-off of the PEPP portfolio will be managed to avoid interference with the appropriate monetary policy stance.』(今回)
『The Governing Council will reinvest the principal payments from maturing securities purchased under the PEPP until at least the end of 2022. In any case, the future roll-off of the PEPP portfolio will be managed to avoid interference with the appropriate monetary policy stance.』(前回)

ここも同じで、ペップで買った資産について償還分のロールをするのかどうかという話は、ネットアセットパーチェスが終わったとしても2022年末まではロールして、その後は金融政策運営上支障のないように残高縮小をする、といういつもの説明。


・元々の資産買入に関しては全文一致

『(3) Net purchases under the asset purchase programme (APP) will continue at a monthly pace of ユーロ20 billion, together with the purchases under the additional ユーロ120 billion temporary envelope until the end of the year. The Governing Council continues to expect monthly net asset purchases under the APP to run for as long as necessary to reinforce the accommodative impact of its policy rates, and to end shortly before it starts raising the key ECB interest rates.』(今回)

『(3) Net purchases under the asset purchase programme (APP) will continue at a monthly pace of ユーロ20 billion, together with the purchases under the additional ユーロ120 billion temporary envelope until the end of the year. The Governing Council continues to expect monthly net asset purchases under the APP to run for as long as necessary to reinforce the accommodative impact of its policy rates, and to end shortly before it starts raising the key ECB interest rates.』(前回)

全文一致だから細かく訳すほどの事でもないかも知れませんが(汗)、資産残高拡大ベースで月間200億ユーロ+年末までの特別買入月間1200億ユーロのAPPを継続。APPは利上げして相当の期間の後まで資産規模の拡大を行う。

『The Governing Council intends to continue reinvesting, in full, the principal payments from maturing securities purchased under the APP for an extended period of time past the date when it starts raising the key ECB interest rates, and in any case for as long as necessary to maintain favourable liquidity conditions and an ample degree of monetary accommodation.』(今回)
『The Governing Council intends to continue reinvesting, in full, the principal payments from maturing securities purchased under the APP for an extended period of time past the date when it starts raising the key ECB interest rates, and in any case for as long as necessary to maintain favourable liquidity conditions and an ample degree of monetary accommodation.』(前回)

APPの償還再投資に関しても同様。この部分も全文一致ですな。


・短期市場の資金供給、TLTRO3に関しても全文一致

『(4) The Governing Council will also continue to provide ample liquidity through its refinancing operations. In particular, the latest operation in the third series of targeted longer-term refinancing operations (TLTRO III) has registered a very high take-up of funds, supporting bank lending to firms and households.』(今回)
『(4) The Governing Council will also continue to provide ample liquidity through its refinancing operations. In particular, the latest operation in the third series of targeted longer-term refinancing operations (TLTRO III) has registered a very high take-up of funds, supporting bank lending to firms and households.』(前回)


・最後の「必要ならば何でもやりまっせ」(やるとは言っていない)も全文一致

『The Governing Council continues to stand ready to adjust all of its instruments, as appropriate, to ensure that inflation moves towards its aim in a sustained manner, in line with its commitment to symmetry.』(今回)
『The Governing Council continues to stand ready to adjust all of its instruments, as appropriate, to ensure that inflation moves towards its aim in a sustained manner, in line with its commitment to symmetry.』(前回)

ついでに「commitment to symmetry」文言も同じです。ということで無風キタコレという感じです。


〇無風キタコレなだけに会見ですが・・・・・・・・(質疑応答は後日)

[外部リンク] STATEMENT
PRESS CONFERENCE

Christine Lagarde, President of the ECB,
Luis de Guindos, Vice-President of the ECB,
Frankfurt am Main, 10 September 2020

こちらですがECBの場合ユーチューブでライブ放送するので、何人見てるとかいうのが見えるのですが、始まって30分ちょいすぎた所(日本時間の夜10時)は7800人くらいしか視聴してなくて(ジャクソンホールのパウエル講演は確か1.9万人とかだった気がする)、終わりごろになるとアタクシも最早惰性で流していたのですが、終わる頃には6800人くらいまで視聴者が減少していましたぞなあっはっは。

#ちなみに最後の最後で「では終了します」ってのを遮ってラガルドがフラ語で何か仰せでしたが、なにせフラ語はラディシィオンシルブプレしか分からないので何を言ってるのやらさっぱりワカランチ会長でした

今の所冒頭ステートメントだけ出ていますのでそちらをば。

・経済アセスメントを若干引き上げも「当初の想定通り」なので政策は現状維持ですかそうですか

冒頭ステートメントちゃんを1行で要約するとそんな感じですかねえ(^^)。最初の挨拶飛ばして次から。

『The incoming data since our last monetary policy meeting in July suggest a strong rebound in activity broadly in line with previous expectations, although the level of activity remains well below the levels prevailing before the coronavirus (COVID-19) pandemic.』

いきなり一発目に「a strong rebound in activity」がぶっこまれましたので、「broadly in line with previous expectations」と言われてもほーって思いましたです。なおその直後に「the level of activity remains well below the levels」って来ているのでタカでも何でもないのですけれども、威勢の良い話ではあります。

『While activity in the manufacturing sector has continued to improve, momentum in the services sector has slowed somewhat recently. The strength of the recovery remains surrounded by significant uncertainty, as it continues to be highly dependent on the future evolution of the pandemic and the success of containment policies.』

製造業の回復が継続、サービスはアカン、今後の展開はコロナ感染症対策の進捗次第。

『Euro area domestic demand has recorded a significant recovery from low levels, although elevated uncertainty about the economic outlook continues to weigh on consumer spending and business investment. Headline inflation is being dampened by low energy prices and weak price pressures in the context of subdued demand and significant labour market slack.』

最後に物価の話が出ますが、物価の下押し要因としてlow energy pricesというのは基本はワンオフの話になりますが、その次のsubdued demand and significant labour market slackによるweak price pressuresというのは継続的な話になりますので、要するにここの動向をどのように見ていくか、というのが物価見通しのポイントになります(今の所)って話をしている訳でございますな、うんうん。

『Against this background, ample monetary stimulus remains necessary to support the economic recovery and to safeguard medium-term price stability. Therefore, we decided to reconfirm our accommodative monetary policy stance.』

現状維持だから政策の話に関するマクラはあっさり味。以下は声明文と同じことをいっているのですが備忘の為貼り付けだけしておきます。

『We will keep the key ECB interest rates unchanged. We expect them to remain at their present or lower levels until we have seen the inflation outlook robustly converge to a level sufficiently close to, but below, 2% within our projection horizon, and such convergence has been consistently reflected in underlying inflation dynamics.』

『We will continue our purchases under the pandemic emergency purchase programme (PEPP) with a total envelope of ユーロ1,350 billion. These purchases contribute to easing the overall monetary policy stance, thereby helping to offset the downward impact of the pandemic on the projected path of inflation. The purchases will continue to be conducted in a flexible manner over time, across asset classes and among jurisdictions. This allows us to effectively stave off risks to the smooth transmission of monetary policy. We will conduct net asset purchases under the PEPP until at least the end of June 2021 and, in any case, until the Governing Council judges that the coronavirus crisis phase is over. We will reinvest the principal payments from maturing securities purchased under the PEPP until at least the end of 2022. In any case, the future roll-off of the PEPP portfolio will be managed to avoid interference with the appropriate monetary policy stance.』

『Net purchases under our asset purchase programme (APP) will continue at a monthly pace of ユーロ20 billion, together with the purchases under the additional ユーロ120 billion temporary envelope until the end of the year. We continue to expect monthly net asset purchases under the APP to run for as long as necessary to reinforce the accommodative impact of our policy rates, and to end shortly before we start raising the key ECB interest rates. We intend to continue reinvesting, in full, the principal payments from maturing securities purchased under the APP for an extended period of time past the date when we start raising the key ECB interest rates, and in any case for as long as necessary to maintain favourable liquidity conditions and an ample degree of monetary accommodation.』

『We will also continue to provide ample liquidity through our refinancing operations. In particular, the latest operation in the third series of targeted longer-term refinancing operations (TLTRO III) has registered a very high take-up of funds, supporting bank lending to firms and households.』

ここまで声明文と同じ話。

『The monetary policy measures that we have taken since early March are providing crucial support to underpin the recovery of the euro area economy and to safeguard medium-term price stability. In particular, they support liquidity and funding conditions in the economy, help to sustain the flow of credit to households and firms, and contribute to maintaining favourable financing conditions for all sectors and jurisdictions. At the same time, in the current environment of elevated uncertainty, the Governing Council will carefully assess incoming information, including developments in the exchange rate, with regard to its implications for the medium-term inflation outlook. It continues to stand ready to adjust all of its instruments, as appropriate, to ensure that inflation moves towards its aim in a sustained manner, in line with its commitment to symmetry.』(今回)

『The monetary policy measures that we have taken since early March are providing crucial support to underpin the recovery of the euro area economy and to safeguard medium-term price stability. In particular, they support liquidity and funding conditions in the economy, help to sustain the flow of credit to households and firms, and contribute to maintaining favourable financing conditions for all sectors and jurisdictions. At the same time, in the current environment of elevated uncertainty and significant economic slack, the Governing Council remains fully committed to doing everything necessary within its mandate to support all citizens of the euro area through this extremely challenging time. This applies first and foremost to our role in ensuring that our monetary policy is transmitted to all parts of the economy and to all jurisdictions in the pursuit of our price stability mandate. The Governing Council, therefore, continues to stand ready to adjust all of its instruments, as appropriate, to ensure that inflation moves towards its aim in a sustained manner, in line with its commitment to symmetry.』(7月会見)

ここだけ突如7月会見の比較をしてみます。七面倒だったのでつい1パラまとめて引用しちゃいましたが、一読して今回9月の方が量が少ないことが分かると思います。でもってここですけれども、前回の真ん中の「At the same time, in the current environment of elevated uncertainty and significant economic slack, the Governing Council remains fully committed to doing everything necessary within its mandate to support all citizens of the euro area through this extremely challenging time. This applies first and foremost to our role in ensuring that our monetary policy is transmitted to all parts of the economy and to all jurisdictions in the pursuit of our price stability mandate.」って所のゴテゴテしていた(というか皆様のために頑張ります的な威勢の良い部分と申しますか)があっさり味になっておりまして、物価の所で出ていた「需要が弱いわ雇用にはスラックがあるわ」という認識は変わらんものの、茲許のストロングリカバリー(なんですかねえ)を受けて、非常時モードっぽい表現を抑制してきた、という風に解釈しましたけれどもどうでしょうかね??


あとサラサラと流しますけど。

『Let me now explain our assessment in greater detail, starting with the economic analysis. Euro area real GDP contracted by 11.8%, quarter on quarter, in the second quarter of 2020. Incoming data and survey results indicate a continued recovery of the euro area economy and point to a strong rebound in GDP growth in the third quarter. Alongside a significant rebound in industrial and services production, there are signs of a notable recovery in consumption. Recently, momentum has slowed in the services sector compared with the manufacturing sector, which is also visible in survey results for August. The increases in coronavirus infection rates during the summer months constitute headwinds to the short-term outlook. Looking ahead, a further sustained recovery remains highly dependent on the evolution of the pandemic and the success of containment policies. While the uncertainty related to the evolution of the pandemic will likely dampen the strength of the recovery in the labour market and in consumption and investment, the euro area economy should be supported by favourable financing conditions, an expansionary fiscal stance and a strengthening in global activity and demand.』

『This assessment is broadly reflected in the September 2020 ECB staff macroeconomic projections for the euro area. These projections foresee annual real GDP growth at ?8.0% in 2020, 5.0% in 2021 and 3.2% in 2022. Compared with the June 2020 Eurosystem staff macroeconomic projections, the outlook for real GDP growth has been revised up for 2020 and is largely unchanged for 2021 and 2022.』

成長見通しに関しては2020年の見通しを6月対比でリバイスアップしていますが、2021年以降は概ね変わらず。

『Given the exceptional uncertainty currently surrounding the outlook, the projections include two alternative scenarios, which we will publish on our website following this press conference. Overall, the balance of risks to the euro area growth outlook is seen to remain on the downside. This assessment largely reflects the still uncertain economic and financial implications of the pandemic.』

リスクはダウンサイド、だいたいパンでみっく状況によりけり。

『According to Eurostat’s flash estimate, euro area annual HICP inflation decreased to ?0.2% in August, from 0.4% in July. On the basis of current and futures prices for oil and taking into account the temporary reduction in the German VAT rate, headline inflation is likely to remain negative over the coming months before turning positive again in early 2021. Moreover, in the near term price pressures will remain subdued owing to weak demand, lower wage pressures and the appreciation of the euro exchange rate, despite some upward price pressures related to supply constraints. Over the medium term, a recovery in demand, supported by accommodative monetary and fiscal policies, will put upward pressure on inflation. Market-based indicators of longer-term inflation expectations have returned to their pre-pandemic levels, but still remain very subdued, while survey-based measures remain at low levels.』

『This assessment is broadly reflected in the September 2020 ECB staff macroeconomic projections for the euro area, which foresee annual inflation at 0.3% in 2020, 1.0% in 2021 and 1.3% in 2022. Compared with the June 2020 Eurosystem staff macroeconomic projections, the outlook for inflation is unchanged for 2020, has been revised up for 2021, and is unchanged for 2022. The unchanged projection for inflation in 2022 masks an upward revision to inflation excluding energy and food - in part reflecting the positive impact of the monetary and fiscal policy measures - which was largely offset by the revised path of energy prices.』

物価見通しに関しては2020年と2022年は6月見通しと変化なく、2021年を引き上げています。ただテクニカルっぽいですな。

という所で今朝は勘弁して頂きとうございます。
 


お題「マクロ加算とかその辺のメモ/ウィリアムズとエバンスが今回のロンガーラン云々の説明してるので鑑賞」   2020/09/10(木)07:52:05  
  これはアカン。
[外部リンク] 17時52分

と思ったら更にアカンのが。
[外部リンク] 1時54分

・・・・・・・・・。


〇マクロ加算比率と社債買入とドルオペのメモ

・9月マクロ加算基準率は引き下げと

[外部リンク] 年9月積み期間:24.0%

これにより、日本銀行当座預金のうち、マイナス金利が適用される政策金利残高(金融機関間で裁定取引が行われたと仮定した金額)は、5兆円程度となる見込みです。

次回は、2020 年 10 月積み期間に適用する基準比率を 2020 年 10 月9日 17 時に公表する予定です。』

8月積み期間は29%でしたが今回は引き下げになりましたな。新型コロナオペのマクロ加算追加措置とドルオペ用担保オペの出入りでこの比率計算するのもエライコッチャという感じですけれども、1か月トータルの資金需給とマクロ加算追加部分動向を勘案したらこうなった、とかそんな感じの数字なので、これ自体に特段の政策的な意図はなくて、ただまあ当然ここの所が当座預金残高進捗操作のポイントになるので、積み期間変わった瞬間はそれに伴う動きとかもあるんかいなとかそんな感じですか。一応雑に言えば短国とかにニーズが出てくるという話にはなりそうですが。なお備忘の為に書いてみただけで、詳しくは短資の方か資金部門の方に解説して頂いて下さいませという所です。

なお、基本的に新コロオペ残が増えるとマクロ加算の掛け目が減らされるという理屈になるのですけれども、新コロオペにどう逆立ちしても参加できないのって、結局アセマネ系になってしまいまして、いやまあもとより超過準備マイナスチャージに関してはアセマネって割を盛大に食っている(マイナス金利導入前余資はギリギリまで全額コールローンにぶっこむのが仕様だから信託銀行の信託勘定は基礎残高というものを持っていなかった)のですが、マイナス金利政策やっている間未来永劫割食う訳で、アセマネって個人の投信マネーとか年金基金とかそういう物件から成る訳で、何とも釈然としないなあとか何とか。

あとまあそういう事言うと物凄い勢いで関係者に八つ裂きに遭いそうのですけれども、超過準備マイナスチャージを起点とする裁定って、結局の所「市場参加者間におけるマイナスの押し付け合い」という物件なのでありまして、なんかこのマイナスサムの世界に人的資源を張り付けないと行けない(張り付けておかないと他所にやられてマイナスが増えちゃいますから市場参加者的には止むを得ない行動)という話なんですが、マイナスの押し付け合いなんぞに人的資源を張らないといけないというのも社会的に損失なんでネーノとか言って結局いつものように「マイナス金利撤廃して三層構造とか止めませんかねえ」という話になるのでした。


・社債買入1-3年は相変わらずの金利ですが&ドルオペ

オファー
[外部リンク] 2020年9月11日 2020年9月17日 0.350
米ドル資金供給 2020年9月11日 2020年12月3日 0.330
社債等買入(残存期間1年以上3年以下)(注4) 3,000 2020年9月11日
(注4) 応札レート(売買希望利回り)は、-0.12%を下限とします。

結果
[外部リンク] 640 640
米ドル資金供給(12月3日エンド分) 585 585
社債等買入(残存期間1年以上3年以下) 5,427 3,001 -0.053 -0.037 33.4

社債買入1-3年ですが、前回8月5日オファー分の応札/落札が7886/3000でレートちゃんの方が▲3.4bp平均の▲4.4bp足切り按分39.1%となっていまして、まーた金利が下がったかというか、もうマイナス落札が完全に恒常化しておりまして、いやまあそらオペに札入れる立場で考えれば日銀さんオイチイオペありがとうございますって話かも知れませんが、社債のプライシングが歪むんだよなーと申しますか、まあもっと壮大な悪態にしてしまいますと、「リスクに見合った適正なスプレッド形成」が出来ないから市場は発達しないし、もっと言えばIGじゃない社債とかバンクローンみたいな市場に関しても(これは貸出に関する各種の介入の方がでかいでしょうが)そら出来んわという話ではありますな。

しかもこれ、新コロオペはまああれただのマクロ加算2倍とプラス10bp付利オイチイですだからまだそんなに有害じゃないんで延長とかの話が出てもはいそうですかって感じ(まあこのやった振り施策に張ってる人員をもっと前向きな仕事に張らせた方が社会厚生は高まる気がするがそれはさておき)ですが、なにせ「コロナ対策3本の柱」ですから、こ奴ら新コロオペ延長したらCP社債とかまで延長し兼ねないのでマジで頭が痛いというか、日本のクレジット市場マジで壊れるでと思うのですけれどもまあ個人の感想ですから異論はあると思います。

あとドルオペですけれども、3Mのドルオペに関して
6/18→9/11 17,044 9/11→12/3 585
6/11→9/3 15,890 9/3→11/27 355

と元々スタート時点で残高が多かった奴の折り返しがガッツリ減って来まして誠に結構なのですが、さてこの額を無駄に宣伝していた日銀ちゃんはこの「大量のドル資金供給」オペの現況に関してどう説明するのでしょうか、と思いますが、どうせすっとぼけて何も言及しないに1万ジンバブエドル。
 

〇ウィリアムズとエバンスが例のロンガーランうんたらを受けて話をしておりますがサクサクまとめて成敗

・ウィリアムズの説明を読んでも「雇用重視」じゃなくて「アベレージターゲット入れたよ」なんですが

[外部リンク] New Chapter for the FOMC Monetary Policy Framework
September 02, 2020
John C. Williams, President and Chief Executive Officer
Remarks at "In Conversation: New York Fed Presidents on COVID-19" (Bretton Woods Committee Webinar)

これはウィリアムズとダドリーの対談みたいなイベントだった筈ですが、最初のご挨拶みたいな感じっすかね。

『Thank you, Bill. It's great to be with you today, at least virtually, and I am looking forward to our discussion. But before we dive in, I thought I would offer some thoughts on the announcement made last week about the completion of the Federal Open Market Committee's review of its monetary policy framework and the issuance of a new Statement on Longer-Run Goals and Monetary Policy Strategy.1』

ということで、対談の前にストラテジー何とかについてお話させて頂きたい。ということですが、

『Before I continue-and you know what comes next, Bill-let me give the usual disclaimer that the views I express are mine alone and do not necessarily reflect those of the Federal Open Market Committee or anyone else in the Federal Reserve System.』

これはどうでも良いディスクレーマー。

『Allow me to add one last "before" caveat. Before I explain the new statement, it is important to reflect on the context in which the original statement was issued. Then I'll share how the monetary policy framework of today positions us best to achieve our goals and manage the very challenging environment that lies ahead.』

今回のストラテジー文言については、「前回との差分が重要」だそうです。でまあ以下「なんでこういう事をするようになったのか」という背景説明があるのですが、基本そんなにパウエルとかと変わらん話をしていて、まあここは共有部分ですわなあと思いました。次のエバンスの分で手抜きをするために(こっちの方が短いから)引用しますが。

『The original consensus statement was issued back in January 2012 and represented an important step in the Committee's progress toward greater transparency around its goals and strategy. It incorporated key aspects of flexible inflation targeting, a monetary policy framework that had gained wide acceptance around the world.』

これまでの物件のキモは「flexible inflation targeting」なんですってよ。

『This framework served us well, but the need for change was clear. In the past eight years, basic facts that shaped the original framework have fundamentally changed.』

ここから先がいつもの説明。

『First and foremost is the dramatic decline in the neutral interest rate, that is, the short-term interest expected to prevail when the economy is operating at its full potential and inflation is at its longer-run target. Since January 2012, FOMC participants' median estimate of the neutral nominal rate has fallen by 1-3/4 percentage points, from 4.25 percent to 2.5 percent. A similar decline is seen in private sector forecasts and bond yields.2 This secular decline in interest rates is not limited to the United States-we're seeing it across the globe-and it reflects longer-run trends in demographics, productivity, and other factors that are unlikely to reverse anytime soon.3』

自然利子率が米国のみならず世界的に低下していて、しかもしばらくモドランチ会長であろうという状況ですよ。

『Lower neutral interest rates constrain the ability of monetary policy to offset negative shocks to the economy. This effect has been seen most clearly in the behavior of inflation. Over the past decade, inflation in the United States has been below our 2 percent longer-run target most of the time, and measures of inflation expectations have drifted down.』

そうなると金融政策で経済のマイナスショックに対処する能力が制限されるよ。この10年ほど物価は2%を下回って推移していて、計測されるインフレ期待も下がっているよ。

『These declines in trend inflation and inflation expectations can create a pernicious feedback loop of reduced policy space and even lower inflation expectations. Again, this experience is not unique to the United States, indicating that it stems from factors common across countries, rather than issues unique to our economy. Indeed, most inflation-targeting advanced economies have struggled to achieve their inflation goals on a sustained basis over the past decade.』

そういうのが常態化するとインフレ期待の低下→インフレ率の低下→インフレ期待の低下という流れになる恐れがあるよ、これは米国だけの問題じゃなくてほかの主要国でも問題になっているよ。

『This brings us to last week's announcement and the issuance of a new consensus statement of our policy framework. It is a culmination of extensive outreach and conversations with communities and stakeholders across the country, careful and thorough analysis, and active discussion and debate among Committee participants.4,5 We took important lessons from the experience of the past decade, reassessed the evidence, and looked at the challenges ahead of us. All this effort was worth it: this new statement means we are better positioned to achieve our goals. In fact, the process worked so well, we've committed to repeating it roughly every five years!』

だから今回の見直しをしたよ。散々FEDの中だけではなく多くの人と議論したよ。それから5年ごとに同じようにこれは見直していくよ。

『The new framework statement directly and effectively addresses the problems caused by a low neutral rate and persistently low inflation.』

今回の見直しは直接かつ効果的に自然利子率の低下と継続的な低めのインフレに対処できるよ。

・・・・・とまあここまでが前提の話。金融政策の対応余地がすくないから云々というのは理屈はその通り鴨しらんが、そこで必ず金融政策を割り当てなければいけないというものでもないような気がするんですが、それを言い出すと金融政策が仕事放棄とか言われるからこうなるのよね。

『First, it stipulates that, following periods when inflation has been running persistently below 2 percent, a temporary overshooting of the longer-run inflation target will likely be desirable to keep inflation and inflation expectations centered on 2 percent. Second, it makes clear that we seek inflation that averages 2 percent over time, consistent with our longer-run target. Finally, the statement makes unequivocally clear that we seek maximum employment and will aim to eliminate shortfalls from this broad and inclusive goal.』

最初と2番目がインフレ目標に関する話で、最後に雇用目標の話をしているんですよね。

『These changes are mutually reinforcing and will meaningfully improve our ability to achieve both of our dual mandate goals in an environment of a very low neutral rate.』

これぶっこんだから本当に効くのか、というツッコミはさておきまして、何故か本邦では「雇用重視」とかいう何となくそれは日銀の異次元緩和ちゃんが2%目指して達成できていないのを誤魔化すために雇用が改善して大勝利とか言って言い訳する理屈にうまうまと乗せられているんじゃネーノという方面を強調する向きが見られますが、まあ普通に物価の方の話が先に来るんですよねー。

『I'll conclude with this: The new framework represents both an important evolution in our thinking about how to achieve our goals and another step toward greater transparency. It reaffirms key aspects of the original statement that have stood the test of time and refines others in line with experience and evolving practices. It also makes some more significant changes in light of developments and lessons learned in recent years. And most importantly, it positions us for success in achieving our maximum employment and price stability goals in the future.』

まとめ、と最後に言っている割にはまとまっていないというか、「このステートメントはエエで」のメカニズムについて触れられていません(そらまあ紙一枚で効くというのは・・・・・・)なあという辺りがちょっと気になります。


・エバンス総裁は数値的な物価紐付けフォワードガイダンスの導入を提言していますよ

[外部リンク] Updated: 09/03/20
Covid-19 and the Future of the U.S. Economy
A speech presented virtually on September 3, 2020, to the Lakeshore Chamber of Commerce in Hammond, IN.

ちなみにこちらは題名にあるように、本来の趣旨は経済の見通しの方でして、そっちを全部すっ飛ばすのはちょっと手抜きにも程があるのですが、最初の『Introduction and disclaimer』の所に、

『My remarks today will focus on a few points that are fundamental for the economic outlook.』ってあって箇条書きになっています。でもって例によって時間が無いので(おい)貼り付けだけしておきます。

『・I'll start with where the economy stands today. Even though growth has resumed in recent months, we are still far from the robust economy we had prior to the pandemic. Importantly, the unemployment rate is about 10 percent now, as compared with 3-1/2 percent last February. We have a long way to go to get back to normal.』

『・The second point is that the future of the recovery is inextricably linked to the virus. Until we’ve made sufficient progress in controlling its spread, activity is likely to remain suppressed-indeed, sporadic outbreaks could even result in further setbacks.』

『・Third, monetary policy and, particularly, fiscal policy have key roles to play. To date, Fed actions, the Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security (CARES) Act, and other programs have provided important support to households, businesses, nonprofit organizations, and state and local governments. The expirations of expanded unemployment insurance provisions, Payroll Protection Program (PPP) lending, and restrictions on some layoffs for firms receiving special industrial relief aid loom large for the economy. These reductions will test the true resiliency of the U.S. economy. The potential hole in aggregate demand may be large, and in my view more fiscal relief will be needed in order to limit further damage to the economy.』

『・My baseline outlook assumes that there will be progress on controlling the virus and that additional fiscal support is forthcoming. Still, I expect it could be late 2022 before economic activity returns to pre-pandemic levels. It also will be some time before inflation picks up to reach the FOMC’s 2 percent objective.』

『・Of course, there are many unknowns in the outlook, and I will spend some time today talking about an important one: the potential implications of the disruptions to our educational system for the development of children’s skills and for the labor force decisions of their parents. Even a one-year disruption to education or work can have lasting effects on children and parents, and thus poses an important risk to the outlook.』

『・I'll conclude with a discussion of monetary policy. The Federal Reserve has taken strong action to help the economy weather the crisis and is committed to supporting the recovery. Given my outlook, I expect this means highly accommodative monetary policy will be appropriate for some time to come. The revised “Statement on longer-run goals and monetary policy strategy” should also help clarify and support our policy goals.』

物凄く雑にまとめると、今後はコロナ次第ではあるけれども、引き続き財政と金融政策、特に財政の強力サポートが必要でっせ、といつものハトなエバンスさんという感じです。でもってロンガーラン云々に関しては本文のケツの方になりますけど、『Monetary policy and revisions to the framework』という小見出しになります。

背景説明とかはウィリアムズともろ被りなので割愛して結論だけ。

『These principles are consistent with the type of outcome-based forward guidance that I advocated and that the Committee used to speed the recovery after the Great Financial Crisis, when we were far away from both our inflation and our employment goals. We are in a similar position today. And I expect that articulating outcome-based forward guidance for the rate path and asset purchases could be beneficial in the not-too-distant future.』

今回のストラテジーの示す基本は「実績ベースのフォワードガイダンス」タイプの政策運営になります、という話をしていまして、よって近いうちに金利パスと資産買入に関する実績ベースのフォワードガイダンス、ってのはつまり経済の実績に紐付け(普通は何かの指標ですけどそこはフワッとしかエバンスは言ってないので微妙)したガイダンスになりますが、それをそう遠くないうちにぶっこむのが適切、と仰せです。

『One of the lessons that monetary policymakers have learned is that policy is most effective when it is clearly understood by the public. I think our new consensus strategy is another important step in providing this kind of transparency and, hence, in helping us to more effectively achieve our policy goals. Of course, strategies need to be implemented with actions, and it is important that our future monetary policy actions are true to the principles laid out in the new consensus statement.』

でまあ一般論っぽく言ってますけど、これは前の所からの繋がりで言えば「実績ベースのフォワードガイダンスを入れることによって政策の説明が分かりやすくなるからぶっこむべき」というようなニュアンスで言ってるな、と思いました。

#物凄く手抜きで恐縮ですがそんな感じですかね
 

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